JP2562163Y2 - 空調機収納部を有するサッシ窓枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】本考案は、空調機収納部を有するサッシ窓
枠に関する。

【０００２】

【従来の技術】鉄骨構造材にＡＬＣパネル（軽量発泡コ
ンクリートパネル）製の外壁材及び床材を固定して施工
される建物の外壁に、サッシ窓と空調機を設置する場
合、従来は、サッシ窓の取付施工と、空調機の取付施工
とを別異の業者が施工時期と取付位置をずらして行って
いたが、全体の工期が長くなり、施工費も割高になる欠
点があることから、外壁に窓開口部と空調機収納開口部
とを上下に併合して設け、サッシ窓枠取付時に空調機も
一挙に取付ける施工方法が提案されている。

【０００３】その提案に係る施工方法は、一つのサッシ
窓枠の上部に窓開口部を、下部に空調機収納部を設け、
窓開口部にはガラス障子を開閉可能に、又はガラス板を
嵌殺しで備え、空調機収納部には通風性を有する空調機
収納箱を窓枠に固着するとともに、その収納箱内に空調
機本体を収納し、その屋内側に通風性を有するパネルを
着脱自在に装着するものである。

【０００４】そして、上記窓開口部の下辺には、窓開口
部に備えられる障子又はガラス板の下端部を支持する下
枠が設置される。この下枠及び空調機収納箱の上枠に
は、比較的多量の結露水が生じ易い。また、空調機収納
箱に収納設置される空調機本体は、比較的重く、電気的
に制御駆動される。従って、空調機本体は堅固に取付け
られ、かつ下枠や空調機収納箱の結露水や外部から浸入
する雨水の影響を受けないようにすることが要望され
る。

【０００５】こうして、本考案は、一つの窓枠内に窓開
口部と空調機収納部を有するサッシ窓枠において、簡単
な構造によって、空調機収納箱の堅固な取付状態が得ら
れ、かつ空調機本体が結露水又は漏水の影響を受けない
ようにしたサッシ窓枠を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案によるサッシ窓枠は、上部の窓開口部を形成
する窓枠の下枠の屋外側に、下部の空調機収納部を形成
する空調機収納箱の上枠を連結し、前記下枠の下面をそ
の下枠と空調機収納箱の上枠との連結部に向けて下り傾
斜させ、前記連結部の下側に、上面に開口し、かつ前記
下枠及び上枠の長手方向に連続する樋を設けたことを特
徴としている。

【０００７】

【作用】下枠は、縦枠の高さの中間位置において、縦枠
に連結してある。その下枠に空調機収納箱の上枠が連結
されるから、空調機収納箱の取付状態は堅固である。ま
た、下枠の下面は下枠と空調機収納箱の上枠との連結部
方向に下り傾斜し、その連結部の下側に樋が設けてある
から、下枠の下面を流下する結露水及び前記連結部から
万一生じる漏水は、樋の中に収集され、空調機本体に滴
下することが防止される。

【０００８】

【実施例】次に、本考案の実施例を、図面に基づいて説
明する。図１は、本実施例によるサッシ窓枠を用いて外
壁に設置されたサッシ窓の外観斜視図、図２は、同サッ
シ窓の分解斜視図、図３，４は、図１の上半部と下半部
の縦断面図、図５，６は、図１の空調機収納部の左，右
各横断面図である。

【０００９】図１において、ＷはＡＬＣパネル製の外
壁、Ａは本考案に係るサッシ窓枠、Ｂはそのサッシ窓枠
の窓開口部Ａ₁ に建付けられたガラス障子、Ｃはサッシ
窓枠の空調機収納部Ａ₂ に取付けられた空調機収納箱で
ある。

【００１０】前記サッシ窓枠Ａは、図２によく示されて
いるように、左右の縦枠１，２を有する。この縦枠１，
２は、前記窓開口部Ａ₁ の上端部から前記空調機収納部
Ａ₂の下端部まで連続する長さを有する。そして、縦枠
１，２の上端部は、その間を延在する上枠３により連結
されている。

【００１１】前記空調機収納箱Ｃは、上下、左右の枠材
４，５、６，７を端部同志において矩形に連結して構成
された枠体を有し、その枠体の内側面の屋外側部分に、
通風用のグリル部材８が配設されている。この空調機収
納箱Ｃは、これを前記サッシ窓枠の左右の縦枠１，２の
下側部間に置き、左右の縦枠材６，７により構成される
側面壁を前記縦枠１，２の内側面に重合わせ、その重合
わせ部分において、縦枠１，２の外側からビスを内側方
向にねじ込むことにより、連結されている。図示の例で
は、空調機収納箱Ｃに収納される空調機本体Ｄの厚さ
（見込み幅）が縦枠１，２の見込み幅よりも大きいの
で、空調機収納箱の縦枠材６，７を縦枠１，２の内側に
重合わせた状態で連結するために、縦枠材６，７を屋内
方向に延長させて補助縦枠部６ａ，７ａを形成し、又は
縦枠材６，７とは別体に成形した補助縦枠部６ａ，７ａ
を上枠材４と下枠材５の間に連結して、その補助縦枠部
６ａ，７ａを前記縦枠１，２の内側面に重合わせてあ
る。

【００１２】こうして、縦枠１，２の下側部に空調機収
納箱Ｃを取付けることにより、サッシ窓枠Ａの下部に空
調機収納部Ａ₂ が形成される。そして、この空調機収納
箱Ｂが取付けられると、上枠３と左右の縦枠１，２と空
調機収納箱Ｃの上端部との間に窓開口部Ａ₁ が形成され
るに至る。この窓開口部にはガラス板を嵌め殺し、又は
ガラス障子を開閉可能の任意の形式で取付けることがで
きるが、いずれの場合も空調機収納箱Ｂの上側にガラス
板、又は障子の下端部を支持する下枠９が設けられる。
図示の実施例では、窓開口部Ａ₁ に引き違い障子Ｂを建
付ける場合であるので、上枠３には障子Ｂを案内支持す
るレールを有する上枠が用いられ、下枠９にはその障子
Ｂの下部を支持するレールを有する下枠が用いられてい
る。

【００１３】この下枠９は、その下面の全て、又は少な
くとも屋外の低温熱の伝導により結露水が発生する量が
滴下する可能性がある範囲において、屋外方向の下り勾
配９ａを有している。

【００１４】そして、下枠９の屋外側面に、空調機収納
箱Ｃの上枠４の屋内側面に形成された立上がり壁４ａを
気密材１０を介して当接し、その立上がり壁４ａからビ
ス１１を下枠９に形成してある溝にねじ込んで連結され
る。

【００１５】空調機収納箱Ｃの上枠４の屋内側部分に
は、上枠４を下枠９に連結した状態で、その連結部の下
側において上方に開口する樋１２が形成されている。従
って、下枠９の下面に生じた結露水がその下面を流走す
るとき、又は万一下枠９と上枠４の連結部から雨水が浸
入するときは、その結露水又は漏水は樋１２内に滴下し
て収集される。

【００１６】上記両縦枠１，２と上枠３と下枠９及び空
調機収納箱Ｃの組み立ては組み立て工場で行い、組み立
てたものを施工現場まで輸送するか、又は施工現場で組
み立てた後、既知の取付金具１３に溶接されているアン
カー１４を用いて、外壁Ｗを支持している鉄骨構造材１
５に溶接することにより、サッシ窓枠Ａが建物外壁Ｗに
取付けられる。

【００１７】この取付の終了後に、窓開口部Ａ₁ には障
子Ｂが取付けられ、空調機収納箱Ｃ内に空調機本体Ｄが
収容設置され、空調機本体の屋内側に通風グリル部材１
６を有するパネル１７が空調機収容部Ａ₂ の屋内側面を
覆うように着脱自在に又は開閉自在に装着される。１８
は窓台又はカウンタであり、下枠９の屋内側面に形成さ
れた上下一対の突縁１９，２０を用いて固定されてい
る。

【００１８】樋１２は、下枠９の下面の屋外側端部に、
断面山字形のものを形成してもよい。

【００１９】

【考案の効果】上述のように、本考案によるサッシ窓枠
では、空調機収納箱の上枠を窓開口部を形成する窓枠の
下枠に連結しているので、簡単な構造で空調機収納箱の
取付状態を堅固にすることができる。

【００２０】また、下枠の下面を屋外方向の下り勾配に
し、下枠と空調機収納箱の上枠との連結部の下側に樋を
設けたので、下枠の下面に発生しやすい結露水、又は連
結部から浸入しやすい漏水は樋に収容されるため、空調
機本体が結露水や漏水から保護される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によりサッシ窓枠を用いて取
付けられたサッシ窓の外観斜視図である。

【図２】同サッシ窓の分解斜視図である。

【図３】同サッシ窓の上半部の縦断面図ある。

【図４】同サッシ窓の下半部の縦断面図である。

【図５】図１のサッシ窓の左側部分の横断面図ある。

【図６】図１のサッシ窓の右側部分の横断面図である。

【符号の説明】

Ａ サッシ窓枠 Ａ₁ 窓開口部 Ａ₂ 空調機収納部 Ｃ 空調機収納箱 ４ 上枠 ９ 下枠 ９ａ 下り傾斜面 １２ 樋

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に窓開口部を、下部に空調機収納部
   を有するサッシ窓枠において、 （イ）前記窓開口部を形成する窓枠の下枠の屋外側に、
   前記空調機収納部を形成する空調機収納箱の上枠を連結
   し、 （ロ）前記下枠の下面をその下枠と空調機収納箱の上枠
   との連結部に向けて下り傾斜させ、 （ハ）前記連結部の下側に、上面に開口し、かつ前記下
   枠及び上枠の長手方向に連続する樋を設けたこと、 を特徴とするサッシ窓枠。