JP2559125B2 - 抗菌性ゼオライトの製造方法 - Google Patents

抗菌性ゼオライトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗菌性ゼオライトの製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは本発明は分散性に優れ且つ純度の
高い抗菌性ゼオライトの新規な製造方法を提供するもの
である。併せて本発明は高分子体等の抗菌体目的で添加
される所謂フイラー(Filler)に適した微細粉末より成
る抗菌性ゼオライトの製造方法をも提供するものであ
る。
殺菌ないし抗菌力を有するゼオライト所謂抗菌性ゼオ
ライトの製造に際しては、殺菌作用を有する金属イオン
とゼオライトのイオン交換反応が水溶液中で実施され
て、前者は後者の母体に結合保持されて調整されるのが
通例である。この場合、イオン交換反応の条件によって
は得られた抗菌性ゼオライトの固相に抗菌金属の塩基性
塩や酸化物等が析出し、これら不純物の存在は抗菌性ゼ
オライトの純度を低下させるばかりでなく、それの抗菌
性能を劣化させる現象が見られる。また水溶液相のイオ
ン交換反応で生成する抗菌性ゼオライト粒子は凝集しや
すい欠点がある。本発明者は抗菌性ゼオライトへの転換
に際して見られる上述の好ましくない現象を極力防止す
るため鋭意検討を加えた結果、調節された条件のもと
に、溶媒−水系のイオン交換反応の実施が分散性に富み
且つ純度の高い抗菌性ゼオライトを得るために非常に有
効なことを見出して本発明に到達した。以下に本発明の
細部を述べる。
銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、鉄、およびクロム
から成る抗菌金属群より選ばれた1種または2種以上の
金属イオンとゼオライトとをpH6以下のアルコール−水
混合液中で反応せしめて該ゼオライトのイオン交換容量
の理論値の90%以下が抗菌金属で置換されて成る抗菌性
ゼオライトの製造方法を本発明は提供するものである。
本発明で素材として使用されるゼオライトは天然また
は合成品の何れでもよい。上記のゼオライトは一般式 で表わされる三次元構造を有する結晶質のアルミノ珪酸
塩である。本発明に於ては、イオン交換可能な金属Mを
上述の抗菌金属群より選ばれた1種または2種以上の金
属イオンと部分置換することになり抗菌性ゼオライトは
調製される。この場合前記ゼオライトの有するイオン交
換容量の理論値の90%以下に抗菌金属の置換率を抑える
ことが抗菌性ゼオライトの固相に塩基性塩等の不純物の
析出を防止するために重要である。前述の一般式中のx
およびyはそれぞれ金属酸化物および二酸化珪素の係数
を、さらにzはゼオライト中の結晶水の分子数を表わし
ている。
本発明に使用好適な天然ゼオライトとしてはチヤバサ
イト(EC5meq/g)、モルデナイト(EC2.6meq/g)、
エリオナイト(EC3.8meq/g)、クリノプチロライト
(EC2.6meq/g)等が例示される。但しECはゼオライト
の理論的な交換容量値を示す。一方合成ゼオライトとし
ては、例えばA型ゼオライト(EC7meq/g)、X型ゼオ
ライト(EC6.4meq/g)、Y型ゼオライト(EC5meq/
g)等が好ましいものとして挙げられる。例示した天然
ならびに合成ゼオライトは多孔質で比表面積も大で且つ
EC値も好ましい値を有している。本発明の抗菌性ゼオラ
イトを調製するに際しては、抗菌金属の保持量を既述し
たような理由で、ECの90%以下に抑える必要がある。
さて前述の天然または合成ゼオライトは、微粉末の状
態で、既述の抗菌金属群より選ばれた1種または2種以
上の抗菌金属イオンと、pH6以下のアルコール−水混合
液中で反応せしめて該ゼオライトのECの90%以下が抗菌
金属で置換されて成る抗菌性ゼオライトが調製される。
例えばAg+とゼオライト(ナトリウム型のA型ゼオライ
トNaZ)をpH6以下のアルコール(エチルアルコールまた
はメチルアルコール)−水混合液中でイオン交換(常温
〜高温)せしめてNaの一部をAg+で部分置換することに
より抗菌性ゼオライトNaAgZ(但しAg含量はECの90%以
下)は調製される。また抗菌金属イオンを複合させたNa
AgCuZ(但しAgとCuの含量はECの90%以下)も前例に準
じてAg+−Cu2+とNaZをpH6以下に保持したアルコール−
水混合液中で反応せしめて調製することも勿論可能であ
る。イオン交換時の液相のpHは、既述のように、pH6以
下に抑えることが望ましく液相の酸性度は抗菌金属イオ
ンや使用するゼオライトの種類により好ましい状態に調
節される。また前記のイオン交換を実施する際のアルコ
ールの使用量は抗菌金属イオンの種類により支配される
が、例えば錫系の抗菌性ゼオライト〔例:NaSn(II)
Z〕調製時は、少くとも20%以上のアルコール含有液に
保持し、且つpHを4以下に調節することが望ましい。さ
らに本発明の抗菌性ゼオライトの製造に際しては、使用
する抗菌金属のゼオライト母体への保持量はECの90%以
下に抑えることが重要である。かゝる反応液相のpH、ア
ルコール含有量ならびに抗菌金属のゼオライト母体への
保持量を、既述のように、調節することにより最終的に
得られる抗菌ゼオライトの純度を高め、それの内部が表
面が副反応により生成する塩基性塩等の不純成分により
汚染されるのを最少限に防止することが可能になること
が確認された。不純成分による抗菌ゼオライトの汚染
は、それの本来の抗菌力を低下させる原因になる(表−
1の実施例−2と比較例−2または実施例−3と比較例
−2を参照)。
本発明と異なる方法により、例えば抗菌性の金属イオ
ン(B)とNaZ粉末を用い水溶液相のイオン交換を利用
してNaBZ型の抗菌性ゼオライトを調製する際に、NaBZ中
のB含量やpHの増大につれて、抗菌性ゼオライト固相中
のBの一部が加水分解して、不溶性の塩基性塩の生成
〔例:銅(II)やSn(II)の塩基性塩〕や酸化物の形成
(例:AgO,CuO,SnO,SnO2)等が増加する傾向が見られ
る。これらの析出物は調製されたNaBZの表面に析出して
くるために、NaBZ本来の抗菌力や殺菌力を低下させる傾
向がある。従って上記の不溶性の不純物の析出を最少限
に抑えることが抗菌性ゼオライト本来の抗菌機能を最大
限に発揮させるためにも重要である。イオン交換に際し
て、使用するNaZのECの飽和値までにBで置換させた場
合、即ちBZ型に転換した場合は、上記の不溶性化合物の
生成率はより増大する傾向にある。かゝる不溶性化合物
の抗菌性ゼオライト表面への析出を最少限に防止するた
めにも、本願のように、NaZ素材の有するECの90%以下
にMの保持量を抑え、またイオン交換反応をアルコール
−水系の酸性域で実施することが肝要である。
本発明の抗菌性ゼオライトの製造法で使用される出発
原料のゼオライトの粒子径は10μm以下がアルコール−
水混合溶液中に於けるイオン交換反応の速度を増大させ
るため好ましい。ゼオライトの粒子径が過大になると抗
菌性ゼオライトへの転換時間がより長くなり得策でな
い。本発明の抗菌性ゼオライトの製造に際しては、既述
のように、pHが6以下のアルコール−水系中で抗菌ゼオ
ライトへの転換が行われるが、アルコールのような極性
溶媒が存在するために生成する抗菌性ゼオライト粒子相
互間の凝集が極端に最少限に抑えられる利点がある。従
って本発明の方法によれば分散性に富む抗菌性ゼオライ
ト微粒子を得ることが可能であり、これは抗菌性ゼオラ
イト微粒子を高分子体のフイラーに使用する際に、それ
の粉砕工程等を簡略化でき省エネルギーにつながる。
前述の方法により、ゼオライトのイオン交換容量(E
C)の理論値の90%以下が既述の抗菌金属で置換されて
成る抗菌性ゼオライトを得た後、これを濾過して、次い
でアルコール−水混合液もしくはアルコール、または両
液を併用して洗浄し、引続き乾燥して分散性に富む微細
粉末より成る抗菌性ゼオライトの製造方法を本発明はさ
らに提供するものである。即ち、上記の方法を実施して
抗菌性ゼオライトを洗浄し過剰の抗菌金属イオンを除去
してから乾燥することにより、処理工程で惹起される抗
菌性ゼオライト自身の加水分解やそれの凝集が抑えられ
て分散性に富んだ本発面の最終目的物の純度の高い抗菌
性ゼオライト粉末が得られる。
本発明で得られる抗菌性ゼオライトは、必要あれば、
さらに微粉砕されて粒度調整される(多くの場合10μm
以下に調整)。抗菌性ゼオライトの粒子径は、それの使
用目的により異なる。例えば本発明で得られる抗菌性ゼ
オライトを抗菌または殺菌、ならびに防臭目的でナイロ
ン、ポリエステル等の繊維へ錬り込んで使用する場合
は、それの粒子径は1.5μm以下が好ましく、0.1〜1μ
mの範囲は最も好ましい範囲である。またポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル
デン、エポキシ樹脂等の高分子体へ抗菌性ゼオライトを
含有させて抗菌化する場合は、それの望ましい粒子径は
最大5μmで、0.1〜3μmの範囲内は最も好ましい範
囲である。さらに顔料、ペイント等の分野へ抗菌フイラ
ーとして使用する場合は、本発明で得られる抗菌ゼオラ
イトの粒子径は10μm以下で分散性に優れたものが望ま
れる。
本発明で得られる抗菌ゼオライトの粉末を上述のよう
な高分体へ抗菌フイラーとして添加する場合は、それの
乾燥粉末(100℃〜110℃)をさらに130゜〜350℃の温度
領域で加熱して、その中の水分を通常6%以下になるよ
うに調整される。上記の加熱操作を減圧下で実施すれ
ば、容易に結晶水の離脱が行われて、それを3%以下に
することは容易である。例えば本発明の方法で得られる
抗菌性ゼオライト微粉末(乾燥品)を210℃〜220℃付近
で減圧下に処理すれば、その中の水分を0.3%以下に保
持することは容易である。
実施例1 本例は、本発明の抗菌性ゼオライトの製造方法にもと
づいてNaAgZ型の抗菌性ゼオライトの製造を実施した例
を述べたものである。A型合成ゼオライトの乾燥粉末
〔1.09Na2O・Al2O3・1.85SiO2・xH2O:Dav=3.8μm;EC=
7.76meq/g(無水基準)〕約250gに対して0.11MAgNO3
液〔C2H5OH(40v/o)−H2O(60v/o)〕約500mlが添加さ
れた。上記混合物を撹拌下に保ちながら希硝酸が徐々に
加えられ、最終的に混合液のpHは2.7に保持された。次
に混合スラリー液は40℃に3時間撹拌下に保たれイオン
交換反応が実施された。得られた反応生成物は濾過さ
れ、次いでC2H5OH含有液〔C2H5OH(50v/o)−H2O(50v/
o)〕で洗浄された。洗浄された固相は最終的に100℃〜
110℃で乾燥され、次いで解砕されてNaAgZの微細粉末24
1g〔Ag=2.7%(無水基準);Dav=3.9μm〕が得られ
た。
本例で得られたNaAgZ粉末中の銀含量は使用したNaZの
理論交換容量の90%以下に相当する。本品の純度は極め
て高く銀の塩基性塩や酸化物等の析出は全く確認されな
かった。またNaAgZの微細粉末の平均粒子径Dav=3.9μ
mであり、抗菌性ゼオライトの製造工程では殆んど粒子
間の凝集は見られない。(NaZ素材のDav=3.8μm)。
比較例1 本例は水溶液中でイオン交換を行ってNaAgZ型の抗菌
性ゼオライトを製造した場合を述べたものである。実施
例−1と同一のA型合成ゼオライトの乾燥粉末約250gに
対して0.11MAgNO3(水溶液)約500mlが添加され、得ら
れた混合物に希硝酸が徐々に加えられ液のpHは7に調節
された。次に混合スラリー液は40℃に3時間撹拌下に保
たれイオン交換反応が実施された。得られた生成物は濾
過され、次いで水洗された。水洗終了品は100℃〜110℃
で乾燥後、解砕されたNaAgZの微細粉末238g〔Ag=2.9%
(無水基準);Dav=4.5μm〕が得られた。
本比較例で得られたNaAgZ粉末中には銀の塩基性塩や
酸化物(Fig.1A及びBのX線回折結果参照)が共存して
いる。
実施例1と比較例1の両者の比較よりも、本発明にも
とづく抗菌性ゼオライトの製造法によれば得られる製品
の純度は高く、塩基性塩や酸化物の生成を防止する効果
があることは明かである。また両者の方法により得られ
たNaAgZ微粉末のDav値の比較より、本発明の方法によれ
ば抗菌性ゼオライト粒子間の凝集をより軽減する方向に
ある。
実施例2 本例は、本発明の抗菌性ゼオライトの製造方法にもと
づいてNaCuZ型の抗菌性ゼオライトの製造例を示したも
のである。実施例−1と同一のA型合成ゼオライトの乾
燥粉末約250gに対して0.49MCuSO4溶液〔CH3OH(25v/o)
−H2O(75v/o)〕約500mlが添加された。上記混合物を
撹拌下に保って希硫酸が徐々に加えられ、混合液のpHは
最終的に3.5に保持された。次に混合スラリー液は25℃
付近で3時間撹拌されてイオン交換反応が実施された。
得られた反応生成物は濾過され、次いでCH3OH含有液〔C
H3OH(50v/o〕−H2O(50v/o)〕で洗浄された。洗浄さ
れた固相は最終的に100℃〜110℃で乾燥され、次いで解
砕されてNaCuZの微細粉末236g〔Cu=6.7%(無水基
準);Dav=3.9μm〕が得られた。
本例で得られたNaCuZ粉末中の銅含量は使用したNaZの
理論交換容量90%以下に相当し、これの純度は極めて高
く、銅の塩基性塩や酸化物等の析出は全く確認されなか
った。またNaCuZの微粉末のDav=3.9μmであり、抗菌
ゼオライトの製造工程では殆んど粒子間の凝集は見られ
なかった(NaZ素材のDav=3.8μm)。
比較例2 本例は水溶液中でイオン交換を行ってNaCuZ型の抗菌
性ゼオライトを製造した場合を述べたものである。実施
例−2と同一のA型合成ゼオライトの乾燥粉末約250gに
対して0.5M CuSO4溶液(水溶液)約500mlが添加され
た。上記混合物を撹拌下に保って希硫酸が添加され、混
合液のpHは最終的に4.5に保持された。次に混合スラリ
ー液は25℃付近で3時間撹拌されてイオン交換反応が実
施された。得られた反応生成物は濾過され、次いで水洗
された。洗浄された固相は最終的に100℃〜110℃で乾燥
され、次いで解砕されてNaCuZの微細粉末243g〔Cu=6.9
%(無水基準);Dav=4.7μm〕が得られた。
本比較例で得られたNaCuZ粉末中には銅の塩基性塩や
酸化物(Fig.2A及びBのX線回折結果参照)が共存して
いることが確認された。
実施例2と比較例2の両者の比較よりも、本発明にも
とづく抗菌性ゼオライトの製造法によれば、NaCuZの純
度は高く、銅塩基性塩や酸化物の不純物の共存は防止さ
れることが判明した。またNaCuZ製造時の粒子間の凝集
現象も、最少限に本発法では抑制されることも判明し
た。
実施例3 本例は、本発明の抗菌性ゼオライトの製造方法にもと
づいて、NaSnZ型の抗菌性ゼオライトの製造例を示した
ものである。A型ゼオライトの乾燥粉末〔1.04Na2O・Al
2O3・1.9SiO2・xH2O;Dav=1.5μm;EC=7.42meq/g(無水
基準)〕約0.46kgに対して0.24MSnSO4溶液〔C2H5OH(25
v/o)−H2O(75v/o)〕約1.7が添加され、得られた混
合物に対して希硫酸が加えられ溶液のpHが最終的に2.3
に調節された。次に混合スラリー液は25℃付近で撹拌下
に4時間保持された。上記のイオン交換終了後、生成物
は濾過され、次いでC2H5OH含有液〔C2H5OH(50v/o)−H
2O(50v/o)〕で洗浄された。洗浄済みの固相は最終的
に100℃〜110℃で乾燥され、次いで解砕されてNaSnZの
微細粉末0.42kg〔Sn=9.6%(無水基準);Dav=1.7μ
m〕が得られた。
本例で得られたNaSnZ粉末中の錫含量は使用したNaZの
理論交換容量の90%以下であった。本例で得られた白色
のNaSnZ中には不純成分であるSnOやSnO2等の存在は確認
されなかった。
比較例3 本例は水溶液中でイオン交換を行ってNaSnZ型の抗菌
性ゼオライト粉末を製造した場合を述べたものである。
実施例3と同一のA型ゼオライトの乾燥粉末約0.47kgに
対して0.25MSnSO4溶液(水溶液)約1.7が加えられ、
得られた混合液のpHは、希硫酸を用いて、最終的に2.4
に調節された。次に混合スラリー液は25℃付近で撹拌下
に4時間保持されてイオン交換反応が行われた。反応生
成物は濾過後水洗され、次いで100℃〜110℃で乾燥され
てから解砕された。
本比較例ではNaSnZの微細粉末0.44kg〔Sn=9.9%(無
水基準);Dav=2.3μm〕が得られた。本例で得られたN
aSnZ粉末は、明かに、淡黄色を呈しており、SnO,SnO2
の不純成分の共存が認められた。
実施例3と比較例3の比較よりも、本発明の抗菌性ゼ
オライト製造方法の効果は明白である。
実施例4 本例は本発明の抗菌性ゼオライトの製造方法にもとづ
いて複合型NaAgZnZ抗菌ゼオライトの製造例を述べたも
のである。A型合成ゼオライトの乾燥粉末〔1.08Na2O・
Al2O3・1.98SiO2・xH2O;Dav=2.5μm;EC=7.51meq/g
(無水基準)〕約1kgに対して0.11MAgNO3−0.72MZn(NO
3混合液2と少量の水を加えて得られたスラリー
含有液にさらに水とエチルアルコールを加えて全含量を
約3.7に保った。前記スラリー含有液のpHは希硝酸を
用いて3.2に、またエチルアルコールの含量は35%(v/
o)に保たれた。次いでイオン交換反応が25℃で4時間
撹拌下で行われた。得られた生成物は濾過され、次いで
C2H5OH含有液〔C2H5OH(50v/o)−H2O(50v/o)〕で洗
浄された。洗浄済みの固相は最終的に100℃〜110℃で乾
燥され、引続き解砕されてNaAgZnZの微細粉末980g〔Ag
=2.8%;Zn=12.8%(無水基準;Dav=2.7μm〕が得ら
れた。
本例で得られたNaAgZnZ粉末中のAgとZnの含量は4.2me
q/g(無水基準)であり、これは使用したNaZの理論交換
容量の90%以下に相当し、これの純度は高く、銀や亜鉛
の塩基性塩や酸化物等の析出は確認されなかった。第3
図は実施例4で得られたNaAgZnZ乾燥粉末の電顕写真を
示したものであり、これは典型的なA型ゼオライトの立
方晶であり、これの表面には不純成分である銀や亜鉛の
塩基性塩や酸化物等の析出は殆んど見当らない。また出
発原料に使用したNaZのDav=2.5μmであり、一方得ら
れたNaAgZnZ粉末のそれは2.7μmである。これより見て
も本発明方法によればNaAgZnZの2次凝集は殆んど抑制
されることが判明した。
比較例4 本例は水溶液中でイオン交換を実施してNaAgZnZ型の
抗菌性ゼオライトを製造した場合を述べたものである。
A型合成ゼオライト乾燥粉末〔1.04Na2O・Al2O3・1.9Si
O2・xH2O;Dav=1.5μm,EC=7.42meq/g(無水基準)〕約
1kgに対して0.1MAgNO3−0.71MZn(NO3混合液2が
添加された。得られたスラリー液にさらに水が加えられ
全容量は約3.6にそれのpHは6.7に保たれた。上記のス
ラリー液を25℃付近に4時間撹拌下に保ってイオン交換
が行われた。得られた転換物は濾過され、次いで水洗さ
れた。水洗を終了した抗菌性ゼオライトは100℃〜110℃
で乾燥され、引続き解砕されてNaAgZnZの微細粉末967g
〔Ag=2.5%;Zn=12.3%(無水基準);Dav=2.2μm〕
が得られた。比較例−4で得られたNaAgZnZの電顕写真
を第4図に示した。得られたNaAgZnZ立方晶の表面に塩
基性塩、酸化物等の不純成分の析出が明かに認められ
る。
実施例4と比較例4の比較よりも、本発明の抗菌性ゼ
オライトの製造方法の優れた効果は明かである。
次に抗菌力の評価試験について述べる。本発明で得ら
れる抗菌性ゼオライト粉末の抗菌力を評価する手段とし
て死滅率の測定が実施された。抗菌(staphylococcus a
ureus)県濁液(104/ml)1mlを被験物質県濁液(100mg/
ml)9mlの中へ注入混釈し、37℃で48時間作用させ、そ
の0.1mlをMueller Hinton培地に分散させ、37℃で24時
間後生存個数を測定して死滅率を求めた。一方真菌(As
pergillus flavus)の死滅率測定は下記の方法によっ
た。Aspergillus flavusの胞子県濁液(104個/ml)の1m
lを被験物質県濁液(500mg/ml)9mlの中へ注入混釈し、
24時間30℃で作用させた。その0.1mlをサブロー寒天培
地に分散させ、30℃で48時間後生存個数を測定して死滅
率を求めた。
測定結果を第1表に示した。本発明の方法で試作され
たNaAgZ,NaCuZ,NaSnZおよびNaAgZnZ抗菌性ゼオライト粉
末は細菌や真菌に対して優れた抗菌作用を発揮してい
る。
表記の如く、A型ゼオライト粉末NaZ(実施例1〜4
の出発原料および比較例1〜4の出発原料)は抗菌力を
示さない。NaCuZに関する実施例2と比較例2との比較
より、前者は後者より優れた抗菌作用を示している。後
者ではNaCuZの表面に不純物成分の銅塩基性塩や酸化物
が析出したゝめに本来のNaCuZの抗菌力を低下させる。
同様な現象がNaSnZ粉末に見られるNaSnZの純度の高い抗
菌性ゼオライト粉末(実施例3)はNaSnZの表面に錫の
塩基性塩や酸化物の析出したもの(比較例3)より、よ
り高い抗菌作用を示している。
以上要するに本発明は新規な抗菌性ゼオライトの製造
方法を提供するものであって、本発明により得られる各
種の抗菌性ゼオライトの微細粉末は高分子体を抗菌化す
る際に抗菌フイラーとして最適と考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1A図および第1B図は比較例1で得られたNaAgZ粉末の
X線回折図である。 第2A図および第2B図は比較例2で得られたNaAgZ粉末の
X線回折図である。 第3図は実施例4によって得られたNaAgZnZ乾燥粉末の
結晶構造の電子顕微鏡写真である。第4図は比較例4に
よって得られたNaAgZnZ乾燥粉末の結晶構造の電子顕微
鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 33/24 A61K 33/24 33/26 33/26 33/30 33/30 33/34 33/34 33/38 33/38 C08K 3/34 KAH C08K 3/34 KAH C09D 5/14 PQM C09D 5/14 PQM

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、鉄およ
    びクロムから成る抗菌金属群より選ばれた1種または2
    種以上の金属イオンとゼオライトとをpH6以下のアルコ
    ール−水混合液中で反応せしめて該ゼオライトのイオン
    交換容量の理論値の90%以下が抗菌金属で置換されて成
    る抗菌性ゼオライトの製造方法。
  2. 【請求項2】粒子径が10μm以下のゼオライト粉末を用
    いて前項の方法を実施して特許請求の範囲第1項記載の
    抗菌性ゼオライトの微細粉末を製造する方法。
  3. 【請求項3】第1項の方法によりゼオライトのイオン交
    換容量の理論値の90%以下が抗菌金属で置換されて成る
    抗菌性ゼオライトを得た後、これを濾過し、次いでアル
    コール−水混合液もしくはアルコールまたは両液を併用
    して洗浄し、引続き乾燥して分散性に富む微細粉末より
    成る抗菌性ゼオライトの製造方法。
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