JPH06172113A - リン酸塩系抗菌剤およびその製造法 - Google Patents

リン酸塩系抗菌剤およびその製造法

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JPH06172113A JP35044992A JP35044992A JPH06172113A JP H06172113 A JPH06172113 A JP H06172113A JP 35044992 A JP35044992 A JP 35044992A JP 35044992 A JP35044992 A JP 35044992A JP H06172113 A JPH06172113 A JP H06172113A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度の抗菌性を保持しながら光や熱に対して
優れた耐変色性を発揮する高性能のリン酸塩系抗菌剤と
その製造方法を提供する。 【構成】 抗菌性イオンとして少なくとも銀イオンを担
持した難溶性リン酸塩の表面に、Ti、ZrまたはZn
の1種以上の金属化合物が被覆介在したリン酸塩系抗菌
剤。製造法は、難溶性リン酸塩スラリーに銀イオンを含
む水溶液を添加して少なくとも銀イオンを担持させる第
1工程と、ついでTi、ZrまたはZnから選ばれた1
種以上の可溶性金属塩を溶解した水溶液を添加反応させ
たのち中和処理する第2工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐変色性を有す
る銀イオン含有質のリン酸塩系抗菌剤およびその製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、銀または銀イオンで代表される
ある種の金属または金属イオンが抗菌性を示すことは古
くから知られているが、近時、これら抗菌性金属やイオ
ンを無機物質に担持させた無機質抗菌剤の開発が盛んに
おこなわれている。
【0003】このような無機質抗菌剤のうち、安全性が
高いものとして銀イオンを担持したハイドロオキシアパ
タイト系抗菌剤が提案されている(特開平2−180270号
公報、特開平3−90007 号公報、特開平3−271209号公
報) 。さらに、銀イオンを担持したリン酸ジルコニウム
またはリン酸チタニウム系抗菌剤(特開平3−83905号
公報、特開平3−83906 号公報) 、その他リン酸カルシ
ウム系抗菌剤やリン酸アルミニウム系抗菌剤などが知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら銀イオンを担持
したリン酸塩系抗菌剤はいずれも白色の粉末であるが、
紫外線、自然光および人工光などに曝されたり熱に接触
すると変色する現象を呈する不都合な性癖がある。この
ため、塗料やプラスチック等の素材に配合した際に経時
的な材質の変色を招く。リン酸塩系抗菌剤が安定で優れ
た抗菌性を備えながら工業的な使用に制約を受けている
理由は、このように耐変色性に欠ける点に大きな原因が
ある。
【0005】しかし、銀イオンは光や熱に非常に敏感な
ため、抗菌性を犠牲にすることなしに耐変色性を向上さ
せることは極めて困難である。例えば、 耐変色性を改
善したリン酸塩系抗菌剤として焼成セラミック化したも
のがあるが、この場合にはセラミック化する段階で担持
した銀イオンが銀に転換するために抗菌性が大きく減退
する傾向を示す。このようなことから、安定した抗菌性
を保持しながら耐変色性が改善されたリン酸塩系抗菌剤
を開発することは、銀系無機抗菌剤を扱う製造業者およ
び使用業者にとっての重大な課題とされている。
【0006】本発明者らは、上記の課題を解決するため
に鋭意研究を重ねていたところ、銀イオンを担持したリ
ン酸塩系抗菌剤の表面にTi、Zr、Znなどの金属化
合物をコーティングすると、抗菌能を損ねることなしに
耐変色性が著しく改善される事実を確認した。
【0007】本発明は上記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、高度の抗菌性を保持しながら光や
熱に対して優れた耐変色性を発揮する高性能のリン酸塩
系抗菌剤とその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるリン酸塩系抗菌剤は、抗菌性イオンと
して少なくとも銀イオンを担持した難溶性リン酸塩の表
面にTi、ZrまたはZnから選ばれた1種以上の金属
化合物が被覆介在した性状を構成上の特徴とするもので
ある。
【0009】本発明において芯材となる難溶性リン酸塩
としては、白色難溶性のリン酸塩であれば特に限定はな
く、例えばCa、Mgまたは/およびBaの塩基性リン
酸塩、リン酸塩または縮合リン酸塩、Fe、Al、Z
r、Tiまたは/およびSiのリン酸塩、酸性リン酸塩
または縮合リン酸塩などを挙げることができる。これら
のうち、アルカリ土類金属リン酸塩系のものが好適に用
いられ、特に安全性の面から三塩基性リン酸塩であるハ
イドロオキシアパタイトが好ましい。
【0010】難溶性リン酸塩に担持される抗菌性イオン
としては、Ag、Cu、Zn、Coなどの1種または2
種以上の金属イオン(これらは錯イオンであってもよ
い)が対象になるが、このうち少なくとも銀イオンを含
ませることが要件となる。銀イオンを担持した難溶性リ
ン酸塩とは、Agイオンが難溶性リン酸塩と反応してリ
ン酸銀となるか、難溶性リン酸塩のカチオンとイオン交
換により置換して難溶性リン酸塩中に取り込まれた状態
をいう。前記したCu、Zn、Coなどの金属イオンを
併用する場合にも同様の機構により難溶性リン酸塩中に
担持される。これら抗菌性金属イオンの担持量は、金属
として全重量当り0.5〜10重量%、特にAgは0.
5〜5.0重量%の範囲が好適である。
【0011】本発明に係るリン酸塩系抗菌剤は、上記の
銀イオン等を担持させた難溶性リン酸塩の表面に、T
i、ZrまたはZnから選ばれた1種または2種以上の
金属化合物(以下、「Ti化合物等」という)を被覆介
在させたところに主要な性状的特徴がある。難溶性リン
酸塩の表面にTi化合物等を被覆介在する性状とは、後
述するようにTi化合物等の水溶液を難溶性リン酸塩ス
ラリーに添加し中和反応させることによって難溶性リン
酸塩の粒子表面にTi、ZrまたはZnから選ばれた1
種以上からなる金属化合物の微細粒子を沈積させた状態
を意味する。好ましい金属化合物の形態は、Ti、Zr
またはZnのリン酸塩、含水酸化物およびこれらの混合
物等である。
【0012】Ti化合物等の被覆介在量は、芯材となる
難溶性リン酸塩の物性、該リン酸塩中のAgの含有量お
よび用途等によって変動するが、多くの場合、全重量当
たり金属として0.5〜10重量%、好ましくは1〜6
重量%の範囲である。この被覆介在量が0.5重量%未
満では抗菌剤の耐変色性を向上させるのに不充分とな
り、10重量%を越えると更に高い変色性の抑制効果を
期待することができなくなるうえ、抗菌性を減退させる
原因となる。
【0013】このような性状を備えるリン酸塩系抗菌剤
には、粒子の分散性改善、銀イオンのリリースの制限あ
るいはこれを使用する素材との親和性向上などをもたら
すため、必要に応じて疎水化処理を施すことが好ましい
態様となる。この場合の疎水化剤としては、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸金属
塩、酸性リン酸エステルなどが挙げられる。
【0014】上記性状のリン酸塩系抗菌剤は、難溶性リ
ン酸塩スラリーに銀イオンを含む水溶液を添加して少な
くとも銀イオンを担持させる第1工程と、ついでTi、
ZrまたはZnから選ばれた1種以上の可溶性金属塩を
溶解した水溶液を添加反応させたのち中和処理する第2
工程とからなる本発明の製造法により工業的に有利に製
造することができる。
【0015】第1工程は抗菌性リン酸塩を調製する段階
で、難溶性リン酸塩スラリーと銀イオンを含む水溶液と
を常温ないし加温下で撹拌混合する。両液の撹拌混合
は、好ましくはpH6前後の弱酸性範囲で1時間から数
日間に亘り継続する。この撹拌混合処理を介して固液反
応が生じ、難溶性リン酸塩に銀イオンを含む抗菌性金属
イオンが担持される。
【0016】この場合、リン酸塩スラリーは粒子を可及
的に脱アグロメレーションをさせておくことが望まし
い。したがって、予め所望の分散剤を用いて強力撹拌、
コロイドミル、ホモジナイザー、超音波分散などの手段
により強力剪断を伴う分散処理を施して使用に供するこ
とが好適である。難溶性リン酸塩のスラリー濃度は生産
性と分散性との兼ね合いから設定されるが、概ね5〜2
0重量%の範囲が実用的である。一方、抗菌性金属塩と
しては、例えば硝酸塩、硫酸塩もしくはアンミン錯塩な
どが挙げられるが、銀塩にあっては硝酸塩または錯塩が
よい。水溶液の濃度は特に限定はないが、0.5〜50
g/l の範囲が実用的である。なお、銀イオンと共に他の
抗菌性金属イオンを担持させる際には、各金属塩を混合
塩水溶液として添加してもよいし、銀塩と他の金属塩の
水溶液を別々に添加しても差支えない。
【0017】第2工程は、前第1工程で調製した抗菌性
リン酸塩の表面処理をする段階であり、前工程における
スラリーの母液を分離することなく直接的に処理するこ
とができる。すなわち、Ti、ZrまたはZnの可溶性
金属塩を溶解した水溶液を第1工程後のスラリーに直接
添加して反応させることができる。
【0018】添加反応は、第1工程と同様に常温ないし
加温下に撹拌しながらスラリーpHが3〜4の弱酸性範
囲で穏やかにおこなわせる。添加反応が終了したら、暫
時熟成を続けたのち、苛性アルカリまたはアンモニア等
のアルカリ剤で中和して表面処理を完結させる。引き続
き、常法により、濾過、水洗したのち乾燥および粉砕し
てリン酸塩系抗菌剤を得る。なお、上記の添加反応にお
いて金属塩溶液とアルカリ剤は同時添加によりおこなっ
てもよい。
【0019】なお、乾燥段階でスプレードライイング法
の操作を適用すれば、乾燥品をそのまま製品とすること
ができる。また、第2工程の終了後に必要に応じて湿式
法もしくは粉砕操作における乾式法のいずれかの手段に
よる疎水化処理を施すことができる。
【0020】
【作用】本発明に係る性状のリン酸塩系抗菌剤によれ
ば、難溶性リン酸塩の芯材に担持された銀イオンを含む
抗菌性金属イオンが、Ti化合物等の微細な被覆介在層
を介して徐々にリリースしながら抗菌作用を生じる。そ
の抗菌性は、従来のリン酸塩系抗菌剤と同様に各種バク
テリアに対しては勿論のこと、真菌性細菌類に対しても
幅広い抗菌スペクトルを示す。一方、芯材の抗菌性リン
酸塩粒子の表面に被覆介在する微細なTi化合物等は、
前記の抗菌作用を抑制することなしに耐変色性を効果的
に高めるために機能する。この機構の詳細については未
だ解明されていないが、恐らくTi、ZrまたはZnの
リン酸塩や水酸化物の微細粒子により被覆形成された皮
膜の高い屈折率に基づく強力な着色隠蔽性や紫外線吸収
能によって変色性が抑制された結果によるものと推測さ
れる。
【0021】また、本発明の製造法によれば、第1工程
で良質なリン酸塩系抗菌剤が得られ、次いで第2工程に
よるTi化合物等の表面処理により耐変色性を改善する
被覆層が形成されるから、優れた抗菌性と耐変色性を併
有する高性能のリン酸塩系抗菌剤を工業的に製造するこ
とが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0023】実施例1、比較例1 カルシウムヒドロキシアパタイトスラリー〔日本化学工
業(株)社製、固型分濃度10重量%、商品名:スーパ
タイト〕1000重量部に10重量%濃度の硝酸銀水溶
液47重量部を添加し、これを室温下で24時間撹拌を
続けてアパタイト担体にAg+ を担持させ、アパタイト
系の抗菌剤を調製した。このときの反応系のpHは6で
あった。ついで、前工程後のスラリーに10重量%濃度
の硝酸亜鉛水溶液の所定量を徐々に添加した。添加後に
おける反応系のpHは5であった。さらに室温下で1時
間撹拌したのち、10重量%濃度の硫酸チタニウム水溶
液の所定量を徐々に添加した。添加後における反応系の
pHは3であった。引き続き常温において1時間撹拌を
続け、希アンモニア水(NH3 として2.8重量%)を
加えてpH7に中和した。処理後のスラリーを濾過、水
洗したのち、110℃で3時間乾燥し、粉砕して平均粒
径2μm (二次凝集径)の白色リン酸塩系抗菌剤を調製
した。表1に抗菌性金属の担持量およびZn、Tiの被
覆量と得られたリン酸塩系抗菌剤のX線回折結果を対比
して示した。なお、X線回折欄に示したHApはカルシ
ウムハイドロオキシアパタイトが主組成の結晶性状を示
すものである。
【0024】
【表1】
【0025】実施例3 実施例2において、硝酸亜鉛水溶液を添加しないほかは
実施例1と全く同じ操作と条件を用いて白色粉末のリン
酸塩系抗菌剤(Ti被覆)を調製した。
【0026】実施例4 実施例2において硫酸チタニウム水溶液に代えて硫酸ジ
ルコニウム水溶液を用い、その他は全て同様の操作と条
件を用いて白色粉末のリン酸塩系抗菌剤(Zn−Zr被
覆)を調製した。
【0027】実施例5 実施例2においてカルシウムヒドロキシアパタイトスラ
リーの代わりにリン酸3カルシウムスラリーを用い、そ
の他は全て同様の操作と条件を用いて白色粉末のリン酸
塩系抗菌剤を調製した。
【0028】実施例6 実施例3においてカルシウムヒドロキシアパタイトスラ
リーの代わりにリン酸3カルシウムスラリーを用い、そ
の他は全て同様の操作と条件を用いて白色粉末のリン酸
塩系抗菌剤を調製した。
【0029】実施例7 リン酸3カルシウムスラリー〔固型分濃度10重量%〕
1000重量部に硝酸銀水溶液47重量部(AgNO3
濃度10重量%)を添加し、室温下で24時間撹拌を継
続した。ついで、濃度10重量%の硝酸銅水溶液89重
量部を添加し、室温下で6時間撹拌を続けた。このスラ
リーに濃度10重量%の硝酸亜鉛水溶液の所定量と2.
8重量%のアンモニア水をpH6.5に維持されるよう
に同時滴下し、常温下で1時間熟成したのち、濃度10
重量%の硫酸チタニウム水溶液の所定量を前記と同一条
件でアンモニア水と反応させた。同様に常温下で1時間
熟成したのち、濾過、水洗をおこない、常法に従って乾
燥、粉砕した。このようにして、平均粒径1.7μm の
リン酸3カルシウムを主組成とする白青色のリン酸塩系
抗菌剤を調製した。
【0030】実施例8 実施例1においてカルシウムヒドロキシアパタイトスラ
リーの代わりにリン酸ジルコニウムスラリーを用い、そ
の他は実施例1と全く同様の操作と条件を用いてZn−
Ti化合物を沈積させたリン酸ジルコニウムを主組成と
する白色リン酸塩系抗菌剤(平均粒径1.4μm )を調
製した。
【0031】実施例9 実施例1において硫酸チタニウム水溶液を添加処理した
後のスラリー100重量部に10重量%濃度のオレイン
酸ナトリウム水溶液15重量部を添加し、加温下に2時
間撹拌を続けた。ついで、常法により濾過、水洗および
乾燥、粉砕処理を順次に施し、平均粒径1.2μm の白
色リン酸塩系抗菌剤を調製した。
【0032】実施例10 実施例1の乾燥品100重量部をγ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン8重量部お
よびシリコーンレジン〔トーレシリコーン(株)社製、
SR2410〕2重量部と共にヘンシエルミキサーにて
10分間混合したのち、風乾して白色リン酸塩系抗菌剤
を調製した。
【0033】〔品質評価〕上記の実施例1〜10および
比較例1〜3で得られた各抗菌剤につき、抗菌力および
耐変色性を測定し、その評価結果を表2に示した。この
うち、比較例2は実施例5の未被覆品、比較例3は実施
例8の未被覆品である。なお、抗菌試験と耐変色性の評
価は次のようにしておこなった。
【0034】抗菌試験法;抗菌剤試料とブイヨン〔日水
製薬(株)社製〕入リン酸緩衝液(1M K2HPO4 に1M NaH
2PO4を加えてpH7.0 にしたものを1000倍に希釈した
液)にE. coli(IFO 3301) 菌液を加えた液を試験
管に入れ、150rpm の回転数で6時間明るい所で水平
振盪させる。次に、各試験液を分取および希釈した液1
mlを滅菌シャーレに入れ、普通寒天培地25mlを加えて
均一化したのち、37℃の温度で24時間培養する。培
養後のコロニー数をみて生菌数を算出する。抗菌性の評
価は試料の最低阻止濃度(MIC)で表わす。
【0035】耐変色性の評価; (1) 粉末 抗菌剤試料粉末に水銀ランプ(紫外線波長:2537オ
ングストローム)を40cmの高さから72時間(室温)
露光し、その後の変色度合を観察して下記の判定基準に
より評価する。 (1) PP板 抗菌剤試料をポリプロピレン樹脂〔東燃化学(株)社
製、J-209 〕に1重量%配合して220℃で射出成形し
た板(50mm×10mm×2mm)につき、前記(1)と同様
に水銀ランプ露光による変色度合を観察し、下記の判定
基準により評価する。 判定基準: (1)変色が殆ど認められない ……◎ (2)やや変色あり ……○ (3)変色あり ……△ (4)著しい変色が認められる ……×
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るリン酸塩系
抗菌剤は粒子表面に高屈折率で隠蔽力の大きい微細なT
i、Zrまたは/およびZnの金属化合物が被覆介在し
た性状を有しているため光や熱による変色性が効果的に
抑制され、特に耐光性が改善されている。しかも、抗菌
能力は高水準に維持されていて、従来のものと同等以上
にあり幅広い抗菌スペクトルを有しており、とりわけハ
イドロキシアパタイト系の抗菌剤は高い安全性を示す。
【0038】また、本発明の製造法によれば上記の改良
された高性能のリン酸塩系抗菌剤を工業的規模で量産す
ることができる。したがって、各種プラスチック、ゴ
ム、木材、紙、塗料などの素材またはその成形物に添加
して使用される抗菌剤およびその製造技術として極めて
有用である。
フロントページの続き (72)発明者 臼井 真澄 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性イオンとして少なくとも銀イオン
    を担持した難溶性リン酸塩の表面に、Ti、Zrまたは
    Znから選ばれた1種以上の金属化合物が被覆介在した
    性状を特徴とするリン酸塩系抗菌剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のリン酸塩系抗菌剤を疎水
    化処理してなることを特徴とするリン酸塩系抗菌剤。
  3. 【請求項3】 リン酸塩系抗菌剤がアパタイト系抗菌剤
    である請求項1又は2記載のリン酸塩系抗菌剤。
  4. 【請求項4】 難溶性リン酸塩の表面に被覆介在する金
    属化合物の被覆介在量が、全重量当たり金属として1〜
    10重量%の範囲にある請求項1又は2記載のリン酸塩
    系抗菌剤。
  5. 【請求項5】 難溶性リン酸塩スラリーに銀イオンを含
    む水溶液を添加して少なくとも銀イオンを担持させる第
    1工程と、ついでTi、ZrまたはZnから選ばれた1
    種以上の可溶性金属塩を溶解した水溶液を添加反応させ
    たのち中和処理する第2工程とからなることを特徴とす
    るリン酸塩系抗菌剤の製造法。
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