JP2558779B2 - 陶磁器の加圧鋳込み成形方法 - Google Patents

陶磁器の加圧鋳込み成形方法

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JP2558779B2 JP63019059A JP1905988A JP2558779B2 JP 2558779 B2 JP2558779 B2 JP 2558779B2 JP 63019059 A JP63019059 A JP 63019059A JP 1905988 A JP1905988 A JP 1905988A JP 2558779 B2 JP2558779 B2 JP 2558779B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は洗面器、便器などの陶磁器を成形する加圧鋳
込み成形方法に関する。
(従来の技術) 焼結によって陶磁器を製造するには、原料粉末を目的
形状に成形する必要があり、この成形方法として特開昭
58−222808号に開示されるような加圧鋳込み成形方法が
知られいる。
この加圧鋳込み成形方法は、スリップ(泥漿)を石こ
う等の多孔質な型内に流し込み、スリップに圧力をか
け、スリップ中の水分を型のキャビティ面から積極的に
吸収させて固化するようにしたものである。
一方、鋳込み成形によって得られた成形体には、スリ
ップ中の水分を片面のみから型に吸収する排泥鋳込み成
形にて形成される一重鋳込み部と、スリップ中の水分を
スリップに接する型の両面から吸収する固形鋳込み成形
にて形成される二重鋳込み部とがあり、衛生陶器のよう
に大型で複雑形状の製品には一重鋳込み部と二重鋳込み
とを有するものがある。
(発明が解決しようとする課題) ところで上述の一重鋳込み部と二重鋳込み部との境界
部付近では乾燥収縮によるクラックが生じやすいため、
鋳込み成形の場合は常圧鋳込み成形か加圧鋳込み成形か
にかかわらず一重鋳込み部の厚さT1と二重鋳込み部の厚
さT2の比(T1/T2)を60/100<T1/T2<80/100としてい
る。
即ち、一重鋳込み部の含水率が二重鋳込み部よりも高
いことによる収縮差が、一、二重境のクラック発生の原
因となり、又、常圧鋳込み成形の場合には、厚みが大き
くなる程素地の含水率も高くなることからT1/T2<80/10
0とする必要があり、逆に二重鋳込み部の厚さT2が一重
鋳込み部の厚さT1の倍近くであると、乾燥時、焼結時に
二重鋳込み部の中央部から剥離が生じやすいため、上記
の範囲としている。
しかしながら、常圧での鋳込み成形であれば上記の範
囲でクラッチは生じにくいが、加圧鋳込み成形ではクラ
ック発生を有効に防止できない。
一方、土締めと称する方法も繰られている。この方法
は、一重鋳込み部から排泥した後に形成される空間に加
圧空気を供給して一重鋳込み部の水分を減少させる方法
であるが、この場合には一重鋳込み部が急激に収縮して
クラックが生じることがある。
従って、加圧鋳込み成形の場合、土締だけでは、一・
二重境クラックを完全に防止することはできない。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決すべく本発明は、乾燥素地の厚さを基
準として、一重鋳込み部の厚さT1と二重鋳込み部の厚さ
T2が両者の境界部付近ではT1/T2≧82/100となるように
した。
(作用) 加圧鋳込み成形にあっては、常圧鋳込み成形と異な
り、素地厚さが大きい程含水率が小さく、且つT1/T2を
大きくするとともに泥圧を大きくすると一、二重鋳込み
部の水分差が小さくなる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は洗面ボールを成形する装置の断面図であり、
成形装置1は鋳型1a,1bから構成され、鋳型1a,1bを型締
めした状態で型間に成形用キャビティ2が形成され、こ
のキャビティ2内にスリップ3を加圧充填している。
スリップ3は例えば粘土、長石、陶石を解膠剤を添加
して水に混合し比重を約1.7としたものを用いる。また
鋳型1a,1bとしては石こう、焼結金属或いはプラスチッ
ク製の多孔質型とする。
そして、周縁部については排泥鋳込み成形を行い、そ
れ以外の部分については固形鋳込み成形を行って厚み付
けが終了したら脱型し、第2図に示すような一重鋳込み
部4aと二重鋳込み部4bとからなる洗面ボール4を得る。
この洗面ボール4の一重鋳込み部4aの厚さをT1,二重鋳
込み部4bの厚さをT2とすると、第3図の拡大図に示すよ
うに一重鋳込み部4aと二重鋳込み部4bとの境界部付近に
おけるT1/T2はT1/T2≧82/100となっている。
第4図は同一の成形方法によって成形した水洗便器用
タンクの蓋5の断面図であり、この水洗便器用タンクの
蓋5も一重鋳込み部5aと二重鋳込み部5bとを併せ持ち、
一重鋳込み部5aの厚さT1と二重鋳込み部5bの厚さT2との
関係はT1/T2≧82/100となっている。
ところで本発明においてT1/T2≧82/100とした理由を
以下に述べる。
第5図は加圧鋳込み成形における素地の含水率と厚み
との関係を示すグラフ、第6図は同じく加圧鋳込み成形
における含水率と泥圧との関係を示すグラフである。つ
まり加圧鋳込み成形にあっては常圧鋳込み成形と異な
り、素地の厚みが大きい程含水率が小さくなる。これ
は、以下の理由からと推察される。
即ち、素地の含水率は型のキャビティ面からの距離が
大きいほど大きく、その含水率は一重鋳込み部では排泥
面、二重鋳込み部では中央部において上昇率が急激に大
きくなる。言い換えれば、一重鋳込み部では排泥面、二
重鋳込み部では中央部が他の部分と比べると著しく含水
率が高い。ところがこの含水率が高い部分の厚みは、素
地厚みにかかわらず、ほぼ一定であるため、この部分の
素他厚み中に占める割合は、素地厚みが大きくなるほど
小さくなる。
従って素地厚みが大きくなるほど、素地の含水率は小
さくなる事になる。
又、もう1つの理由としては、厚み付けが終了して、
泥圧が解放された時、型の水分が素地の方へ逆流して浸
透していく事があげられる。この逆流する水分量は、素
地厚みにかかわらず、ほぼ一定と考えられるため、結果
的に、素地厚みが大きくなるほど素地の含水率は小さく
なる事になる。
更に消極的な理由として考えられるは、スリップ中の
水分を移動させるための全圧力は、多孔質の型材の有す
る吸引圧としての毛細管圧と水分を型面に押しつける泥
圧を併せたものであるが、両者を比較した場合、毛細管
圧は、型面(型と素地が接する面)を最大値として厚付
面(スリップと素地が接する面)では、素地厚みが大き
くなるほど、素地内の圧損によって小さくなる。これに
対して泥圧は厚付面では常に一定の値である。
従って毛細管圧に関しては、素地厚みが大きくなる
と、かかる圧力が小さくなって、本来ならば含水率が大
きくなる傾向を示すはずであるが加圧鋳込み成形の様
に、毛細管力よりも泥圧の方が大きな場合においては、
この影響はあまり考慮しなくても良い事になる。
以上の様な理由より、加圧鋳込み成形においては、一
重、二重鋳込み部分の厚みが大きくなるほど、素地水分
が低下するものと考えられる。
斯る知見に基づくと、加圧鋳込み成形において一重鋳
込み部と二重鋳込み部の含水率の差を小さくして乾燥時
のクラックを防止するには、二重鋳込み部の厚さT2に対
する一重鋳込み部の厚さT1を従来よりも厚くする必要が
ある。また鋳込圧を高くすると含水率が低下するのでク
ラックが生じやすくなる。
そこで具体的な実験を行い、T1/T2の適切な値を求め
た。以下にその実験例を示す。
尚、実験において素地の厚みはすべて乾燥素地の厚み
を測定した。厳密には脱型時の厚みで表示するのが妥当
であるが、一重鋳込み部、二重鋳込み部の収縮の率差は
殆ど無視でき、且つ脱型直後の素地は柔かすぎて測定し
にくいので上記のようにした。
[実験例1] (表1)に示す条件において、二重鋳込み部厚み、一
重鋳込み部厚み及び泥圧を各種組合せ、それぞれの組合
せについて10個づつ成形し乾燥せしめた。乾燥方法は脱
型後、25℃の室内に20時間放置し、その後45℃の乾燥室
内で24時間乾燥せしめた。
製品としては、第2図で示したものである。
[表1] スリップ;粘度、陶石、長石を主成分とし、比重1.7の
もの 型;多孔性樹脂型 二重鋳込み部;7・8・9・10・11・12・13・14 15[m
m] 一重鋳込み部;7・8・9・10・11・12・13[mm] 泥圧;5・10・15・20[kgf/cm2] 上記の実験による結果を第7図のグラフに示す。グラ
フ中斜線で表わした範囲が歩留り70%以上の部分であ
る。
[実験例2] (表2)に示す条件において、各条件を前記同様組合
せ、各組合せについて10個づつ成形し乾燥せしめた。乾
燥方法は脱型後、30℃の室内に48時間放置し、その後45
℃の乾燥室内で24時間乾燥せしめた。
製品としては、第4図で示したものである。
(表2) スリップ;粘度、陶石、長石を主成分とし、比重1.77の
もの 型;多孔性樹脂型 二重鋳込み部;9[mm] 一重鋳込み部;6.5・7・7.5・8・8.5・9・10・11・12
・13・14・15・16[mm] 泥圧;10・20[kgf/cm2] 上記の実験による結果を第8図のグラフに示す。グラ
フ中斜線で表わした範囲が歩留70%以上の部分である。
以上の実施例及び実験例にあっては一重鋳込み部と二
重鋳込み部との境界部付近における厚みについて述べて
きたが、境界部付近以外の部分の厚みについては、製品
の強度又は構造上の必要性から異なる値となってもよ
い。
第7図、第8図からも明らかなように、クラックを生
じにくくするにはT1/T2を82/100よりも大きくする必要
があり、また泥圧が4〜8kgf/cm2ではT1/T2を82/100〜1
15/100、泥圧が7〜13kgf/cm2ではT1/T2を85/100〜125/
100、泥圧が12〜18kgf/cm2ではT1/T2を100/100〜135/10
0、泥圧が17〜23kgf/cm2ではT1/T2を115/100〜150/100
となるように、泥圧を高くするにつれてT1/T2も大きく
するものが好ましい。
(発明の効果) 以上に説明したように本願発明によれば、衛生陶器等
の大型で複雑な形状を有し、且つ一重鋳込み部と二重鋳
込み部を併せ持つ陶磁器を成形時にクラックを生じるこ
となく歩留り良く製造することができ、しかも効率よく
成形することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施する成形装置の断面図、第2
図は成形された洗面ボールの断面図、第3図は第2図の
一部拡大図、第4図は水洗便器タンクの蓋の断面図、第
5図は含水率と素地厚み関係を示すグラフ、第6図は含
水率と泥圧の関係を示すグラフ、第7図及び第8図は実
験結果を示すグラフである。 尚、図面中1a,1bは鋳型、3はスリップ、4,5は焼結前の
成形品、4a,5aは一重鋳込み部、4b,5bは二重鋳込み部、
T1は一重鋳込み部の厚さ、T2は二重鋳込み部の厚さであ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一重鋳込み部と二重鋳込み部を有する陶磁
    器の加圧鋳込み成形方法において、前記一重鋳込み部の
    乾燥素地の厚さをT1、二重鋳込み部の乾燥素地の厚さを
    T2とすると、それぞれの鋳込み部の境界付近ではT1/T2
    ≧82/100となるようにしたことを特徴とする陶磁器の加
    圧鋳込み成形方法。
  2. 【請求項2】前記T1/T2は泥圧を高くするにつれて大き
    くするようにした請求項1に記載の陶磁器の加圧鋳込み
    成形方法。
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