JP2552573Y2 - シリンダブロック - Google Patents
シリンダブロックInfo
- Publication number
- JP2552573Y2 JP2552573Y2 JP1991084283U JP8428391U JP2552573Y2 JP 2552573 Y2 JP2552573 Y2 JP 2552573Y2 JP 1991084283 U JP1991084283 U JP 1991084283U JP 8428391 U JP8428391 U JP 8428391U JP 2552573 Y2 JP2552573 Y2 JP 2552573Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stress
- cylinder block
- support member
- spigot
- ceiling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
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- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はエンジンのシリンダブロ
ックに関するものである。
ックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンのシリンダブロックにおいて
は、爆発荷重によりメインベアリングキャップがボルト
を介してメインベアリング部の支持部材を引張ることに
より、メインベアリングキャップが嵌入された支持部材
のインロー部に大きな応力が発生する。
は、爆発荷重によりメインベアリングキャップがボルト
を介してメインベアリング部の支持部材を引張ることに
より、メインベアリングキャップが嵌入された支持部材
のインロー部に大きな応力が発生する。
【0003】この応力は、従来は、支持部材のインロー
部回りの剛性をアップさせ、インロー部の変形を抑制す
ることにより低減させていた。
部回りの剛性をアップさせ、インロー部の変形を抑制す
ることにより低減させていた。
【0004】斯かるインロー部回りの変形を抑制するよ
うにした従来のシリンダブロックとしては、例えば図4
及び図6に示すものがある。
うにした従来のシリンダブロックとしては、例えば図4
及び図6に示すものがある。
【0005】図4及び図6中、1はシリンダブロック、
2は往復動するピストンがシリンダライナを介して嵌入
される並列配置された複数のシリンダボア、3はシリン
ダボア2の下方に一体形成されたスカート部、4はスカ
ート部3内に配設されたメインベアリング部、5はメイ
ンベアリング部4を形成する隔壁状の支持部材、6は支
持部材5の下面に形成されたインロー部、7はインロー
部6に嵌入されてボルト8を介し支持部材5の下面に固
定され、支持部材5と協働してメインベアリング部4を
形成するメインベアリングキャップ、9は支持部材5と
スカート部3の内側を接続し、支持部材5を補強するブ
リッジ部、10は支持部材5及びブリッジ部9の剛性を
高めるため、ブリッジ部9の下面に支持部材5とスカー
ト部3の内側下端を接続するよう一体形成された補剛部
材、11はスカート部3の下面にボルト締結されたオイ
ルパン、Rは補剛部材10の支持部材5に対する接続部
の下面に形成された円弧である。
2は往復動するピストンがシリンダライナを介して嵌入
される並列配置された複数のシリンダボア、3はシリン
ダボア2の下方に一体形成されたスカート部、4はスカ
ート部3内に配設されたメインベアリング部、5はメイ
ンベアリング部4を形成する隔壁状の支持部材、6は支
持部材5の下面に形成されたインロー部、7はインロー
部6に嵌入されてボルト8を介し支持部材5の下面に固
定され、支持部材5と協働してメインベアリング部4を
形成するメインベアリングキャップ、9は支持部材5と
スカート部3の内側を接続し、支持部材5を補強するブ
リッジ部、10は支持部材5及びブリッジ部9の剛性を
高めるため、ブリッジ部9の下面に支持部材5とスカー
ト部3の内側下端を接続するよう一体形成された補剛部
材、11はスカート部3の下面にボルト締結されたオイ
ルパン、Rは補剛部材10の支持部材5に対する接続部
の下面に形成された円弧である。
【0006】而して、図4のシリンダブロック1では、
図5に拡大して示すように、補剛部材10の円弧Rの頂
部は支持部材5の下端に接続され、図6のシリンダブロ
ック1では、図7に拡大して示すように、補剛部材10
の円弧Rの頂部は、インロー部6の天井面6aよりも上
方に位置するよう、支持部材5の側面に接続されてい
る。
図5に拡大して示すように、補剛部材10の円弧Rの頂
部は支持部材5の下端に接続され、図6のシリンダブロ
ック1では、図7に拡大して示すように、補剛部材10
の円弧Rの頂部は、インロー部6の天井面6aよりも上
方に位置するよう、支持部材5の側面に接続されてい
る。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】図4及び図6に示すシ
リンダブロック1を用いてエンジンを組立て、インロー
部6の天井隅部Aと補剛部材10の円弧Rにおける応力
を調査したところ、図8に示すようなセッティング応力
と変動応力の関係が得られた。
リンダブロック1を用いてエンジンを組立て、インロー
部6の天井隅部Aと補剛部材10の円弧Rにおける応力
を調査したところ、図8に示すようなセッティング応力
と変動応力の関係が得られた。
【0008】すなわち、図4に示すシリンダブロック1
では、図5のインロー部6の天井隅部Aに発生する応力
は、セッティング応力、変動応力の何れも高く、セッテ
ィング応力と変動応力の反比例的な関係から定まる疲労
限以上の値となり、図5の円弧Rに発生する応力は、セ
ッティング応力、変動応力の何れも低く、疲労限以下の
値となる。
では、図5のインロー部6の天井隅部Aに発生する応力
は、セッティング応力、変動応力の何れも高く、セッテ
ィング応力と変動応力の反比例的な関係から定まる疲労
限以上の値となり、図5の円弧Rに発生する応力は、セ
ッティング応力、変動応力の何れも低く、疲労限以下の
値となる。
【0009】又、図6に示すシリンダブロック1では、
図7のインロー部6の天井隅部Aに発生する応力は、セ
ッティング応力、変動応力の何れも低く、疲労限以下の
値となり、図7の円弧Rに発生する応力は、セッティン
グ応力は低いが変動応力が高いため、疲労限以上の値と
なる。
図7のインロー部6の天井隅部Aに発生する応力は、セ
ッティング応力、変動応力の何れも低く、疲労限以下の
値となり、図7の円弧Rに発生する応力は、セッティン
グ応力は低いが変動応力が高いため、疲労限以上の値と
なる。
【0010】上述のように、補剛部材10の支持部材5
に対する接続位置によってセッティング応力及び変動応
力に差が生じるのは、補剛部材10の接続位置によって
応力の分散の仕方に違いがあるためである。
に対する接続位置によってセッティング応力及び変動応
力に差が生じるのは、補剛部材10の接続位置によって
応力の分散の仕方に違いがあるためである。
【0011】なお、セッティング応力とは、シリンダブ
ロック1を他の部品と共にエンジンに組込んだ場合に発
生する静的な応力であり、変動応力とは、エンジンの運
転中に生じる最大応力と最小応力の差であって最大応力
は爆発工程で発生し、最小応力は排気工程で発生する。
ロック1を他の部品と共にエンジンに組込んだ場合に発
生する静的な応力であり、変動応力とは、エンジンの運
転中に生じる最大応力と最小応力の差であって最大応力
は爆発工程で発生し、最小応力は排気工程で発生する。
【0012】本考案は、前述の実情に鑑み、メインベア
リング部の支持部材に設けたインロー部に発生する応力
及び支持部材とスカート部を接続する補剛部材の支持部
材側接続部に発生する応力を低減させることを目的とし
てなしたものである。
リング部の支持部材に設けたインロー部に発生する応力
及び支持部材とスカート部を接続する補剛部材の支持部
材側接続部に発生する応力を低減させることを目的とし
てなしたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本考案は、並列配置され
た複数のシリンダボアの下部にスカート部を配設し、ス
カート部内に、クランク軸を支持するメインベアリング
部の支持部材を、平面的に見て前記シリンダボアを挟む
よう配設し、スカート部と支持部材を補剛部材により接
続したシリンダブロックにおいて、補剛部材の支持部材
に対する接続部の下面に形成した円弧の頂部を、支持部
材の下面に形成したインロー部の下端よりも上方位置か
ら天井面までの間に位置させたものである。
た複数のシリンダボアの下部にスカート部を配設し、ス
カート部内に、クランク軸を支持するメインベアリング
部の支持部材を、平面的に見て前記シリンダボアを挟む
よう配設し、スカート部と支持部材を補剛部材により接
続したシリンダブロックにおいて、補剛部材の支持部材
に対する接続部の下面に形成した円弧の頂部を、支持部
材の下面に形成したインロー部の下端よりも上方位置か
ら天井面までの間に位置させたものである。
【0014】
【作用】支持部材の下面に形成したインロー部における
天井隅部の応力及び補剛部材の支持部材側接続部に形成
された円弧の部分の応力の何れも疲労限以下に低減され
る。
天井隅部の応力及び補剛部材の支持部材側接続部に形成
された円弧の部分の応力の何れも疲労限以下に低減され
る。
【0015】
【実施例】以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
説明する。
【0016】図1〜図3は本考案の一実施例で、図中、
図4〜図7に示すものと同一のものには同一の符号が付
してある。
図4〜図7に示すものと同一のものには同一の符号が付
してある。
【0017】本実施例におけるシリンダブロック1の基
本構成は、図4及び図6に示すものと略同一であるが、
補剛部材10の支持部材5に対する接続のさせ方が、図
4及び図6に示すものと異なっている。
本構成は、図4及び図6に示すものと略同一であるが、
補剛部材10の支持部材5に対する接続のさせ方が、図
4及び図6に示すものと異なっている。
【0018】すなわち、本実施例のシリンダブロックに
おいては、補剛部材10の支持部材5に対する接続部の
下面に形成した円弧Rの頂部は、支持部材5の下面に形
成したインロー部6の下端よりも上方位置から天井面6
aまでの間Hに位置している。
おいては、補剛部材10の支持部材5に対する接続部の
下面に形成した円弧Rの頂部は、支持部材5の下面に形
成したインロー部6の下端よりも上方位置から天井面6
aまでの間Hに位置している。
【0019】斯かる構成としたシリンダブロック1を用
いてエンジンを組立て、インロー部6の天井隅部Aと補
剛部材10の円弧Rにおける応力を調整したところ、図
8に示すようなセッティング応力と変動応力の関係が得
られた。
いてエンジンを組立て、インロー部6の天井隅部Aと補
剛部材10の円弧Rにおける応力を調整したところ、図
8に示すようなセッティング応力と変動応力の関係が得
られた。
【0020】すなわち、図1及び図2に示すシリンダブ
ロック1では、図3のインロー部6の天井隅部Aに発生
する応力は、セッティング応力、変動応力の何れもさほ
ど高くはなくて疲労限以下の値となり、又図3の円弧R
に発生する応力も、セッティング応力、変動応力の何れ
もさほど高くはなく疲労限以下の値となる。このよう
に、インロー部6の天井隅部Aにおける応力の低減及び
補剛部材10の円弧Rにおける応力の低減が可能となる
ため、シリンダブロック1の信頼性が著しく向上する。
ロック1では、図3のインロー部6の天井隅部Aに発生
する応力は、セッティング応力、変動応力の何れもさほ
ど高くはなくて疲労限以下の値となり、又図3の円弧R
に発生する応力も、セッティング応力、変動応力の何れ
もさほど高くはなく疲労限以下の値となる。このよう
に、インロー部6の天井隅部Aにおける応力の低減及び
補剛部材10の円弧Rにおける応力の低減が可能となる
ため、シリンダブロック1の信頼性が著しく向上する。
【0021】なお、本考案は前述の実施例に限定される
ものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々
変更を加え得ることは勿論である。
ものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々
変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【考案の効果】本考案のシリンダブロックによれば、支
持部材の下面に設けたインロー部の天井隅部及び補剛部
材の支持部材側接続部下面に形成された円弧の部分の応
力を低減させることができるという優れた効果を奏し得
る。
持部材の下面に設けたインロー部の天井隅部及び補剛部
材の支持部材側接続部下面に形成された円弧の部分の応
力を低減させることができるという優れた効果を奏し得
る。
【図1】本考案のシリンダブロックの一実施例の縦断面
図である。
図である。
【図2】メインベアリングキャップを外して見た図1の
II−II方向矢視図である。
II−II方向矢視図である。
【図3】図1のIII部拡大図である。
【図4】従来のシリンダブロックの一例の縦断面図であ
る。
る。
【図5】図4のV部拡大図である。
【図6】従来のシリンダブロックの他の例の縦断面図で
ある。
ある。
【図7】図6のVII部拡大図である。
【図8】図1、図4、図6に示すシリンダブロックのイ
ンロー部の天井隅部及び補剛部材の円弧の部分における
セッティング応力と変動応力の関係を示すグラフであ
る。
ンロー部の天井隅部及び補剛部材の円弧の部分における
セッティング応力と変動応力の関係を示すグラフであ
る。
1 シリンダブロック 2 シリンダボア 3 スカート部 4 メインベアリング部 5 支持部材 6 インロー部 6a 天井面 10 補剛部材 R 円弧 H インロー部の下端よりも上方位置から天井面までの
間
間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 高畠 隆雄 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日 野自動車工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−82054(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 並列配置された複数のシリンダボアの下
部にスカート部を配設し、スカート部内に、クランク軸
を支持するメインベアリング部の支持部材を、平面的に
見て前記シリンダボアを挟むよう配設し、スカート部と
支持部材を補剛部材により接続したシリンダブロックに
おいて、補剛部材の支持部材に対する接続部の下面に形
成した円弧の頂部を、支持部材の下面に形成したインロ
ー部の下端よりも上方位置から天井面までの間に位置さ
せたことを特徴とするシリンダブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991084283U JP2552573Y2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | シリンダブロック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991084283U JP2552573Y2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | シリンダブロック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0527257U JPH0527257U (ja) | 1993-04-09 |
JP2552573Y2 true JP2552573Y2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=13826138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991084283U Expired - Fee Related JP2552573Y2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | シリンダブロック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2552573Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61176632A (ja) * | 1985-02-01 | 1986-08-08 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 耐熱性樹脂の製造方法 |
-
1991
- 1991-09-19 JP JP1991084283U patent/JP2552573Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0527257U (ja) | 1993-04-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |