JP2549817Y2 - マウントプレート及びガスケットが一体化された油圧式テンショナ - Google Patents

マウントプレート及びガスケットが一体化された油圧式テンショナ

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Description

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば、エンジンのカ
ムシャフト駆動部材に適正な張力を付与するための油圧
式テンショナに関する。
【０００２】
【従来技術及びその課題】エンジンを変更せずにテンシ
ョナのみを設計変更する場合がある。エンジンの改造が
不可能な場合がその一例である。図７及び図８に示され
るように、エンジンブロックＥとテンショナハウジング
７０との間でオイルリザーバ７６が形成される用途の場
合、マウントプレート９０が必要になる。そして、オイ
ルリザーバ７６からの油の漏洩対策として、ハウジング
７０とマウントプレート９０との間にはガスケット８０
が装着される。
【０００３】このような構造になると、エンジンブロッ
クＥに一時に組付けなければならない部品が、テンショ
ナのハウジング７０、ガスケット８０及びマウントプレ
ート９０の３部品になる。通常の組付作業は、一方の手
に組付工具を持つことになるので、他方の手で上記３部
品を一括して持たなければならない。このような組付作
業は非常に困難である。本考案の目的は、上記のような
テンショナにおいて、組付作業性を向上させたテンショ
ナを提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段及び作用】本考案は、ハウ
ジングとマウントプレートとによりオイルリザーバが形
成され、前記ハウジングと前記マウントプレートとの間
にガスケットが装着される油圧式テンショナにおいて、
前記ハウジング、前記マウントプレート及び前記ガスケ
ットにそれぞれリベット挿通孔を穿設し、前記ハウジン
グと前記マウントプレートとの間に前記ガスケットを挟
挿してそれぞれの挿通孔にリベットを挿通し、前記リベ
ットを前記ハウジング及び前記マウントプレートに係止
して、前記ハウジング、前記マウントプレート及び前記
ガスケットを仮止めした油圧式テンショナにより前記課
題を解決するものである。
【０００５】本考案のテンショナでは、ハウジング及び
マウントプレートがガスケットを挟挿し、それぞれの挿
通孔にリベットを挿通して、このリベットをハウジング
及びマウントプレートに係止したので、リベットを介し
てマウントプレート及びガスケットが予めハウジングに
一体化される。従って、組付工具を持たない方の手で、
これら３部品を一時に持ち、エンジンブロックに、例え
ばボルト等を利用して、テンショナを取付けることがで
きるため、組付作業性が大幅に向上する。そして、ガス
ケットをテンショナと別に輸送する必要がないので、ガ
スケットの付け忘れも防止することができる。また、リ
ベット上において隙間を持たせて３部品を仮止めするこ
とにより、ガスケットにスプリングバック部があって
も、そのスプリングバック部が組付時まで変形すること
がなくなり、油の漏洩防止が確実である。 そして、拡径
頭部付きリベットをハウジングの挿通孔に軽圧入して、
リベットをハウジングに係止するとともにリベットの拡
径頭部でマウントプレートを係止することにより、マウ
ントプレート及びガスケットはリベットを中心にして回
動自在なり、組付作業時においてハウジングに対するマ
ウントプレート及びガスケットの相対位置の位置決めが
容易である。
【０００６】
【実施例】図１及び図２は、本考案による油圧式テンシ
ョナの第１実施例を示している。１０はテンショナＴの
ハウジング、２０はガスケット、３０はマウントプレー
トである。これら３部品には、同じ位置に突起１２，２
２，３２が形成されている。これらの突起１２，２２，
３２には夫々貫通するリベット挿通孔１４，２４，３４
が穿設されている。
【０００７】ガスケット２０及びマウントプレート３０
のリベット挿通孔２４，３４に拡径頭部付きリベットＲ
を挿通し、この拡径頭部付きリベットＲをハウジング１
０のリベット挿通孔１４に軽圧入することにより、これ
ら３部品１０，２０，３０は一体に仮止めされた状態に
なる。
【０００８】ガスケット２０には、いわゆる、スプリン
グバック部２６が形成されている。スプリングバック部
２６は、オイルリザーバ１６からの油の漏洩対策のため
のものである。スプリングバック部２６は輸送中に圧着
され続けると変形するので、組付作業までは、ハウジン
グ１０に対して隙間を持たせておくことが好ましい。、
そのため、本実施例では、これら３部品は互いに隙間を
持って仮止めされている。また、エンジンブロックへの
組付作業性を向上させるために、本実施例では、リベッ
ト挿通孔１４，２４，３４という一連の軸を中心にし
て、ハウジング１０に対してガスケット２０及びマウン
トプレート３０の相対位置が位置決めされるようになっ
ている。
【０００９】図３及び図４は、貫通するリベット挿通孔
２４の替わりに割り孔式のリベット挿通孔２８，２９を
設けたガスケットを示している。このようなガスケット
では、テンショナがエンジンブロックに取付けられた後
においても、容易に交換をすることができる。
【００１０】図５及び図６は、本考案による油圧式テン
ショナの第２実施例を示している。４０はテンショナの
ハウジング、５０はガスケット、６０はマウントプレー
トである。テンショナのハウジング４０及びマウントプ
レート６０には、エンジンブロックへ取付けるためのボ
ルトの挿通孔４２，６２が形成されている。ガスケット
５０には、ハウジング４０及びマウントプレート６０の
夫々の挿通孔４２，６２に軽圧入する突出部分５２，５
４が形成されている。５６はスプリングバック部であ
る。
【００１１】この構成により、ハウジング４０とガスケ
ット５０、及び、マウントプレート６０とガスケット５
０が仮止めされ、従って、これらの３部品４０，５０，
６０は一体化される。本実施例では、２つの軸を中心に
してこれらの３部品が一体化されている。従って、作業
者は、単に、ハウジング４０をエンジンブロックに組付
ける作業を行なうだけで、テンショナの組付作業は完了
する。
【００１２】
【考案の効果】請求項１の考案によると、ハウジング及
びマウントプレートがガスケットを挟挿し、それぞれの
挿通孔にリベットを挿通して、このリベットをハウジン
グ及びマウントプレートに係止したので、リベットによ
ってガスケット及びマウントプレートをハウジングに仮
止め一体化することができる。従って、片手で３部品を
一括して持つことができ、組付作業が大幅に向上すると
ともに、ガスケットの付け忘れを防止できるという効果
を奏する。
【００１３】請求項２の考案では、ハウジング、ガスケ
ット及びマウントプレートが夫々の部材に対して隙間を
有するので、スプリングバック部のがあるガスケットに
おいて、そのスプリングバック部が組付時までハウジン
グに圧着されることがなく、スプリングバック部の変形
を抑えて油の漏洩を確実に防止することができる。
【００１４】請求項３の考案では、リベットを中心にし
てガスケット及びマウントプレートが回動自在であるの
で、ハウジングに対するガスケット及びマウントプレー
トの相対位置の位置決めが容易であ、組付作業性がさら
に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案の第１実施例を説明する断面図である。
【図２】図１の分解斜視図である。
【図３】ガスケットの改変例を示す平面図である。
【図４】ガスケットの他の改変例を示す平面図である。
【図５】本考案の第２実施例を説明する断面図である。
【図６】図５のガスケットの拡大部分斜視図である。
【図７】従来のテンショナ取付け構造を説明図である。
【図８】テンショナの断面図である。
【符号の説明】
Ｅ エンジンブロック Ｒ 拡径頭部付きリベット １０ ハウジング １２ 突起 １４ リベット挿通孔 １６ オイルリザーバ ２０ ガスケット ２２ 突起 ２４ リベット挿通孔 ３０ マウントプレート ３２ 突起 ３４ リベット挿通孔

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ハウジングとマウントプレートとにより
    オイルリザーバが形成され、前記ハウジングと前記マウ
    ントプレートとの間にガスケットが装着される油圧式テ
    ンショナにおいて、前記ハウジング、前記マウントプレート及び前記ガスケ
    ットにそれぞれリベット挿通孔を穿設し、前記ハウジン
    グと前記マウントプレートとの間に前記ガスケットを挟
    挿してそれぞれの挿通孔にリベットを挿通し、前記リベ
    ットを前記ハウジング及び前記マウントプレートに係止
    して、 前記ハウジング、前記マウントプレート及び前記
    ガスケットを仮止めしたことを特徴とする、 油圧式テンショナ。
  2. 【請求項２】 前記ハウジング、前記マウントプレート
    及び前記ガスケットがリベット上において夫々隙間を持
    って仮止めされている、請求項１記載の油圧式テンショ
    ナ。
  3. 【請求項３】 前記リベットが拡径頭部を有し、該リベ
    ットを前記マウントプレート側から挿通して前記ハウジ
    ングに軽圧入することにより、前記リベットを前記ハウ
    ジング及び前記マウントプレートに係止させ、前記マウ
    ントプレート及び前記ガスケットが前記リベットを中心
    にして回動自在に装着されている、請求項１または２記
    載の油圧式テンショナ。
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