JP2549433Y2

JP2549433Y2 - 体液吸収シート

Info

Publication number: JP2549433Y2
Application number: JP1990127549U
Authority: JP
Inventors: 美恵子那須; 喜好井下
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1990-11-29
Filing date: 1990-11-29
Publication date: 1997-09-30
Anticipated expiration: 2005-11-29
Also published as: JPH0483229U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は生理日等ではなく、通常の状態に於いて女性
に生じる、少量のおりもの等の体液を吸収するための体
液吸収シートに係るものであって、下着の汚染を防止し
たり、局部の衛生状態を良好に保つ事を目的としたもの
である。

従来の技術従来、生理日等ではなく、通常の状態に於いて女性に
生じる、少量のおりものの処理をする場合、ナプキンよ
りも小型の体液吸収シートを使用している。この従来の
体液吸収シートは、透水性の表面シートと非透水性の防
漏シートとの間に、体液吸収性の吸収シートを介装して
いる。

しかしながら、この従来品は、表面シートに接触した
体液が、表面層の内面側の吸収シートに迅速に吸収され
ず、表面シートと吸収シートとの間に、一時的に体液が
滞留して逆流するため、装着者にジメジメとした不快感
を与える原因となっていた。

また、従来の体液吸収シートは、吸収能力を保持する
ために、厚目に形成しているので、使用時にゴワゴワと
した違和感を生じ、使用感が悪いものであった。

考案が解決しようとする課題本考案は上述のごとき課題を解決しようとするもので
あって、生理日等ではなく、通常の状態に於いて女性に
生じる、おりもの等を吸収する体液吸収シートに於て、
薄型で充分な吸収能力を持ち、体液の滞留や逆流を生じ
ることがなく、使用時に、ゴワゴワとした違和感の無い
装着を可能にしようとするものである。

課題を解決するための手段本考案は上述のごとき課題を解決するため、30g/m2〜
150g/m2のパルプ層と10g/m2〜150g/m2のポリマーを積層
したポリマー層とを隣接し、これを吸収紙でサンドイッ
チ圧着した吸収シート体に、0.1g/m2〜50g/m2の亜鉛華
を含有させ、この吸収シート体の表面に外側シート体を
位置し、この外側シート体を、5g/m2〜30g/m2の乾式不
織布により吸収シート体よりも幅広に形成し、この外側
シート体の両側縁を、吸収シート体の裏面側に折返すと
ともにこの外側シート体の外面側に、外側シート体より
も幅広で透水性の有孔シートを位置し、この有孔シート
の両側縁を、外側シート体の両側縁の裏面側に折返すと
ともにこの折返した有孔シートの外面側に、防漏シート
を被覆貼着し、この防漏シートの外面に、ショーツ内面
への貼着部を形成して成るものである。

また、吸収シート体は、幅20mm〜80mm、厚み0.3mm〜3
mm、長さ50mm〜200mmで形成しても良い。

作用上述のごとく構成したものに於いて、体液吸収シート
を装着するには、股下まで下ろしたショーツ等の下着の
内面に、防漏シートの外面に設けた貼着部を貼着し、シ
ョーツを引き上げれば、体液の流出部に、有孔シートを
接触できる。

この流出部から流出する、おりもの等の体液は、小孔
を設けた有孔シートを透過し、この有孔シートの内面側
に位置する外側シート体に接触する。

この外側シート体は、5g/m2〜30g/m2の乾式不織布か
ら形成している。そのため、この外側シート体は、有孔
シートの体液を迅速に吸収シート体方向に吸引し、体液
を滞留する事がなく、体液の滞留による逆流を防止し
て、吸収シート体への体液の通液が迅速に可能となる。

また、外側シート体は、5g/m2に満たない乾式不織布
を用いると、少なすぎて使用していない場合と同様とな
り、体液の逆流を生じ易い。また、30g/m2を超える乾式
不織布を用いると、吸引性が低下し、体液の通液障害が
生じ易い。

また、この外側シート体を通過した体液は、吸収シー
ト体に接触する。この吸収シート体は、充分な体液の吸
着能力を有する30g/m2〜15g/m2のパルプ層と、10g/m2〜
150g/m2のポリマーを積層しポリマー層を、吸収紙でサ
ンドイッチ圧着しているから、適度な厚みと吸収力を保
有できる。

このため、外側シート体を通過した体液を、吸収シー
ト体が瞬間的に吸収し、ポリマーでゲル化するので、外
周方向に体液が拡散することがなく、体液の横漏れを防
止できる。また、吸収シート体が吸収した体液は、瞬間
的な吸収とともにゲル化して外側シート体方向に逆流す
る事がないので、装着者の体液流出部にジメジメとした
使用感を与える事がなく、サラッとした使用感を提供で
きる。

また、吸収シート体は、30g/m2に満たないパルプ層で
形成すると、シートの剛性不足を生じ、また150g/m2よ
りも多いパルプ層で形成すると、厚すぎて違和感を生じ
易い。また、吸収シート体は、10g/m2に満たないポリマ
ーを使用すると、吸収が不充分となり、また150g/m2よ
りも多いポリマーを使用すれば、硬くなり違和感を生じ
易い。

また、吸収シート体で吸収した、おりもの等の体液が
臭気を伴う場合にも、吸収シート体は、0.1g/m2〜50g/m
2の亜鉛華を含有しているので、この亜鉛華が、おりも
の等の体液の臭気を消臭して、優れた脱臭効果を得る事
が可能となる。

また、吸収シート体は、0.1g/m2に満たない亜鉛華を
含有すると、脱臭効果がなく、また50g/m2よりも多く亜
鉛華を含有すると、シートの構成が困難となり、体液の
吸収性が悪くなる。

また、有孔シートは、両側縁を、外側シート体の両側
縁の裏面側に折返し、この折返した両側縁の外面側に、
防漏シートを被覆貼着している。このような構造に形成
すると、吸収シート体の外周には、外周フラップが突出
するような事がなく、体液吸収シートの幅を、吸収シー
ト体の幅とほぼ等しく形成でき、体液吸収シートの小型
化が可能となる。

また、吸収シート体は、幅20mm〜80mm、厚み0.3mm〜3
mm、長さ50mm〜200mmで形成すれば、レオタード等の股
部分のカットの大きなスポーツ用衣類を着用する場合に
も、体液吸収シートが、股部から露出する事がなく、下
着の代わりに使用する事が可能になる。また、レオター
ド等の衣類を着用しても、吸収シート体を小型で薄く形
成しているので、使用中にも目立たず、プライベートな
使用が可能となる。

また、吸収シート体は、20mmに満たない幅を形成する
と、体液の流出部をはみ出し、カバーできなくなり、ま
た幅を80mmよりも多く形成すれば、運動性に支障が起こ
り、違和感を生じ易い。

また、吸収シート体は、0.3mmに満たない厚みで形成
すれば、吸収力がなくなり、また厚みを3mmよりも多く
形成すれば、装着感が悪くなる。また、吸収シート体
は、50mmに満たない長さで形成すれば、体液の流出部を
カバーできなくなり、また長さを200mmよりも多く形成
すれば、違和感を生じ易く成るものである。

実施例以下本考案の一実施例を図面に於いて説明すれば、
（１）は吸収シート体で、第１図に示す如く、パルプ層
（２）と、このパルプ層（２）の内面側に位置するポリ
マー層（３）とを、吸収紙（４）でサンドイッチして圧
着形成している。そして、パルプ層（２）は、好ましく
は30g/m2〜150g/m2のパルプにより形成している。

また、ポリマー層（３）は、好ましくは10g/m2〜150g
/m2のポリマーにより形成している。また、このポリマ
ー層（３）は、脱臭機能を持つ亜鉛華を、好ましくは0.
1g/m2〜50g/m2含有している。そして、この吸収シート
体（１）は、好ましくは幅20mm〜80mm、好ましくは厚み
0.3mm〜3mm、好ましくは長さ50mm〜200mmで形成する。

また、この吸収シート体（１）の表面を、吸収シート
体（１）よりも幅広に形成した、外側シート体（５）で
被覆している。この外側シート体（５）は、5g/m2〜30g
/m2の乾式不織布から成り、両側縁を、吸収シート体
（１）の裏面側に折返している。

また、この外側シート体（５）の外面を、透水性の有
孔シート（６）で被覆している。この有孔シート（６）
は、ポリエチレンと酢酸ビニルを積層したものに小孔お
空けて形成し、第２図に示す如く、表面にエンボス
（７）を形成する事により、外側シート体（５）との一
体化を可能にしている。また、有孔シート（６）は、両
側縁を、外側シート体（５）の両側縁の裏面側に折返し
ている。

また、この折返した有孔シート（６）の外面側に、ポ
リエチレン等の非透水性の防漏シート（８）を被覆貼着
している。このように形成すると、体液吸収シート（1
0）の幅を、吸収シート体（１）の幅とほぼ等しく形成
でき、小型化が可能となる。また、この防漏シート
（８）の外面には、ホットメルト等を塗布して貼着部
（11）を設け、ショーツ内面への貼着を可能とするとと
もにこの貼着部（11）を、使用時に剥離する離型紙（1
2）で被覆している。

また、このように形成した本考案の実施例品は、厚み
を0.5mm〜2mm、長さを140mm〜165mm、両端の弧状部を20
R〜30Rで形成している。

また、図中（13）は、ホットメルト等の粘着剤を塗布
して設けた止着部である。

上述の如く構成したものに於て、体液吸収シート（1
0）を装着するには、股下まで下ろしたショーツ等の下
着の内面に、防漏シート（８）の外面に設けた貼着部
（11）を貼着し、ショーツを引き上げれば、体液の流出
部に、有孔シート（６）を接触できる。

この流出部から流出する、おりもの等の体液は、小孔
を設けた有孔シート（６）を透過し、この有孔シート
（６）の内面側に位置する外側シート体（５）に接触す
る。

この外側シート体（５）は、有孔シート（６）の体液
を迅速に吸収シート体（１）方向に吸収し、体液を滞留
する事がなく、体液の滞留による逆流を防止して、吸収
シート体（１）への体液の通液が迅速に可能となる。

また、この外側シート体（５）を透過した体液は、吸
収シート体（１）に接触する。この吸収シート体（１）
は、充分な体液の吸着能力を有する高分子ポリマーと、
パルプとの混合物により形成している。このため、外側
シート体（５）を通過した体液を、吸収シート体（１）
が瞬間的に吸収し、ポリマーでゲル化するので、外周方
向に体液が拡散することがなく、体液の横漏れを防止で
きる。また吸収シート体（１）が吸収した体液は、瞬間
的な吸収とともにゲル化して外側シート体（５）方向に
逆流する事がないので、装着者の体液流出部にジメジメ
とした使用感を与える事がなく、サラッとした使用感を
提供できる。

また、吸収シート体（１）で吸収した、おりもの等の
体液が臭気を伴う場合にも、吸収シート体（１）に含有
した亜鉛華が、体液の臭気を消臭して、優れた脱臭効果
を得る事が可能に成るものである。

考案の効果本考案は上述のごとく構成したものであるから、生理
日等ではなく、通常の状態に於いて女性に生じる、おり
もの等を吸収する体液吸収シートに於て、外側シート体
は、体液を滞留する事がなく、体液の滞留による逆流を
防止して、体液の通液が迅速に可能となる。

また、吸収シート体は、体液を瞬間的に吸収し、ポリ
マーでゲル化するので、体液が逆流したり、外周方向に
拡散することがなく、横漏れを防止できる。また装着者
の流出部にジメジメとした使用感を与える事がなく、サ
ラッとした使用感を提供できるとともに、おりもの等の
体液の優れた脱臭効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
拡大断面図、第２図は平面図である。（１）……吸収シート体（２）……パルプ層（３）……ポリマー層（５）……外側シート体（６）……有孔シート（８）……防漏シート（11）……貼着部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】30g/m2〜150g/m2のパルプ層と10g/m2〜150
g/m2のポリマーを積層したポリマー層とを隣接し、これ
を吸収紙でサンドイッチ圧着した吸収シート体に、0.1g
/m2〜50g/m2の亜鉛華を含有させ、この吸収シート体の
表面に外側シート体を位置し、この外側シート体を、5g
/m2〜30g/m2の乾式不織布により吸収シート体よりも幅
広に形成し、この外側シート体の両側縁を、吸収シート
体の裏面側に折返すとともにこの外側シート体の外面側
に、外側シート体よりも幅広で透水性の有孔シートを位
置し、この有孔シートの両側縁を、外側シート体の両側
縁の裏面側に折返すとともにこの折返した有孔シートの
外面側に、防漏シートを被覆貼着し、この防漏シートの
外面に、ショーツ内面への貼着部を形成した事を特徴と
する体液吸収シート。
【請求項２】吸収シート体は、幅20mm〜80mm、厚み0.3m
m〜3mm、長さ50mm〜200mmで形成した事を特徴とする請
求項１記載の体液吸収シート。