JP2535904B2 - 自動両替装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （ａ）産業上の利用分野 この発明は、顧客が投入した現金を、顧客が設定した
任意の金種の現金に変換して出金する自動両替装置に関
する。

（ｂ）従来の技術 現在、銀行などの金融機関で運用されている自動両替
装置は、もっぱら無料で両替サービスを行っているが、
今後この両替サービスに対しては有料化の方向にあり、
自動両替装置本体に手数料を受け取る装置を設けて手数
料の微収と自動両替動作とを自動で行うものが提案され
ている。

（ｃ）発明が解決しようとする問題点 しかし、どの顧客からも一律に手数料を微収するより
は、両替取引回数の多い顧客や両替手数料の支払累計額
の多い顧客に対しては顧客サービスの観点から、両替動
作を無料にする方が好ましい場合がある。

そこでこの発明の目的は、両替取引回数や両替手数料
支払累計額が一定の水準を越えている顧客に対しては両
替サービスを無料で行う自動両替装置を提供することに
ある。

（ｄ）問題点を解決するための手段 この発明は、顧客が投入した現金を顧客が設定した任
意の金種の現金に変換して出金する自動両替装置におい
て、 両替取引回数又は両替手数料支払累計額を含むデータ
を記憶する記憶エリアを有するカード等の記憶媒体を受
け入れて該記録エリアに記憶されているデータを読み取
る記憶媒体読取手段と、両替手数料を受け付ける手数料
受付手段と、前記記憶媒体読取手段で読み取ったデータ
に含まれる前記両替取引回数または前記両替手数料支払
累計額が一定の値以上となった場合に両替手数料を無料
に設定して両替動作を有効にする手段と、有料で両替動
作を行う毎に前記両替取引回数または前記両替手数料支
払累計額を更新する更新手段と、を備えてなることを特
徴とする。

（ｅ）作用 この発明に係る自動両替装置においては、顧客が自動
両替装置を利用しようとする場合にカード等の記録媒体
を挿入する。この記憶媒体には両替取引回数または両替
手数料支払累計額を含むデータを記憶する記憶エリアを
有している。自動両替装置は記憶媒体から読み取ったデ
ータに含まれる両替取引回数または両替手数料支払累計
額が一定の値以上となった場合に両替手数料を無料に設
定して両替動作を有効にする。また、有料で両替動作を
行ったときに、記憶媒体に記憶されていた両替取引回数
または両替手数料支払累計額を更新する。すなわち、記
憶媒体に記憶されている両替取引回数または両替手数料
支払累計を有料で両替動作を行ったときに更新する。

（ｆ）実施例 以下、カードを記憶媒体とし、両替取引回数または両
替手数料支払累計額が一定の値以上となったときに両替
手数料を無料とする自動両替装置の例を示す。第２図は
この発明の実施例である自動両替装置の外観図である。

自動両替装置本体の前面垂直パネルには、取扱表示器
１、金額表示・設定部２、表示器３、およびカード入出
口８が設けられている。また水平パネルには、紙幣投入
・受取口４、筒硬貨受取口５、硬貨受取口６、および手
数料受取口７がそれぞれ設けられている。更に本体前面
下部には釣り銭が放出されるコイル返却口９が設けられ
ている。

前記取扱表示器１は、自動両替装置が運用中である時
に取扱中を表示する。金額表示・設定部２は、両替すべ
き金額の金種パターンを設定するキーを含み、且つ設定
されたパターンを金種別に表示する。表示器３は、入金
された紙幣のトータル額や、顧客に対する案内メッセー
ジなどを表示する。カード入出口８は、顧客が挿入する
カードを受け入れる。紙幣投入・受取口４には両替しよ
うとする紙幣が投入され、また両替された紙幣が図外の
カートリッジから繰り出されて放出される。筒硬貨受取
口5,硬貨受取口６には、両替された筒硬貨，硬貨がそれ
ぞれ放出される。手数料受取口７は、両替サービスが有
料で行われる時（有料モード）に、手数料としてのコイ
ンを受け取る。有料モードの時には、この手数料受取口
７に一定の手数料（コイン）が投入されるのを待って両
替動作を有効にする。

第３図は上記自動両替装置のブロック図である。CPU1
0には、ROM11、RAM12、入出力インタフェース13がそれ
ぞれ接続され、入出力インタフェース13には、カードリ
ーダ14、金額表示・設定装置15、表示装置16、紙幣処理
装置17、硬貨処理装置18、手数料処理装置19、およびジ
ャーナルプリンタ20が接続されている。カードリーダ14
は、カード入出口８に挿入されたカードに記憶されてい
る両替取引回数を読み出して入出力インタフェース13に
渡す。金額表示・設定装置15は金額表示・設定部２を制
御する。表示装置16は表示器３を制御する。紙幣処理装
置17は、紙幣投入・受取口４を制御し、ここに投入され
た紙幣を読み取って収納したり、図外の紙幣カードリッ
ジから出金紙幣として繰り出して放出する制御を行う。
硬貨処理装置18は筒硬貨受取口５および硬貨受取口６を
制御し、図外の硬貨カートリッジから出金すべき硬貨を
繰り出して放出する制御を行う。手数料処理装置19は手
数料受取口17に投入された手数料（コイン）を計数した
り、そのコインの収納，釣り銭処理，および返却処理を
行う。

第４図（Ａ）はカード入出口８に挿入されるカードの
フオーマットを示している。カードは銀行用キャッシュ
カードのような磁気カードで構成され、記録フオーマッ
トも、図示するようにキャッシュカードの記録フオーマ
ットとほぼ同一である。すなわち暗証コード，銀行コー
ド，支店コード，口座番号はキャッシュカードと同じフ
オーマットで記録されている。相違するのは両替取引回
数の記録エリアを設けている点である。この両替取引回
数は、有料モードで両替取引が行われるたびに更新され
る。すなわち現在まで有料モードで何回両替取引を行っ
たかを表す情報が記録される。後述するようにこの両替
取引回数が一定の値に達していれば、その時に行おうと
する両替動作が無料モードに設定される。

第４図（Ｂ）は上記RAM12の一部マップを示してい
る。

RAM上には図示するようにカードデータの記憶エリ
ア，手数料の記憶エリア，投入金額の記憶エリア，両替
パターン記憶エリア，ワークエリアなどが割り当てられ
るとともに、更に両替取引回数の記憶エリアMAを設けて
いる。このエリアMAには、カードデータ中の両替取引回
数が転送されるとともに、加算処理などが行われる。

次に上記自動両替装置の動作を第１図を参照して説明
する。

最初にアイドル状態において運用モードがカードを使
用するモードかカードを使用しないモードかを判定す
る。カードを使用しない時には後述するように直ちに有
料モードに設定されて手数料を受け取ってから両替動作
を行う。

カード入出口８にカードが挿入されると、自動的にカ
ードを使用するモードとなる。カードが挿入されると、
そのカードが正しいかどうかの判定を行い（n2）、正し
くなければカードを返却して元のアイドル状態に戻る。
なおこの時に、ATMやCDなどと同様に暗証コードの照合
を行うようにしても良い。正しいカードであると、カー
ドデータを読み出してRAMのカードデータ記憶エリアに
記憶するとともに、カードデータ中の両替取引回数をエ
リアMAに転送する（n4）。そしてエリアMAの内容を、す
なわち両替取引回数が10回以上であるか、10回未満であ
るかを判定し（n5）、10回未満である場合にはn6で有料
モードを設定する。また10回以上である場合にはn7で無
料モードを設定する。有料モードが設定された時には手
数料の入金処理を行う（n8）。すなわち表示器３に手数
料としてのコインを投入するよう表示を行い、手数料受
取口７に一定の手数料（コイン）が投入されるのを待
ち、投入されたコインの処理を手数料処理装置19で行
う。そしてn10でエリアMAの内容を＋１する。すなわち
両替取引回数を一つだけ増やす。一方n7で無料モードが
設定された時には、n9でMAの内容をクリアする。

n9,n10の動作を終了するとn20以下の両替動作に移
る。まず紙幣投入・受取口４に両替しようとする紙幣が
投入されるのを待ち、紙幣投入があると（n20）、両替
パターンの設定動作に移る（n21）。すなわち金額表示
・設定部２で顧客によって両替パターンが設定され、そ
の設定された両替パターンがRAM12の所定の領域に記憶
される。そしてその両替パターンにあうように両替処理
を行う（n22）。両替処理が完了するとカードありのモ
ードかカードなしのモードかの判定を行い、カードあり
のモードであった場合にはカードデータを書き替える。
すなわちエリアMAの内容を新たな両替取引回数としてカ
ードに記憶する。そしてカードを返却し最後に現金を放
出して（n26）終了する。

以上の動作で、両替動作を行う時にまずカードに記録
されている両替取引回数の大きさを判定し、その回数が
一定の大きさ以上である場合に直ちに無料モードに設定
して両替動作が可能になる。またその両替取引回数が一
定の大きさ未満である場合には、有料モードに設定し
て、手数料を受け取ったのち両替動作に移る。さらにこ
の有料モードの時にはカードに記録されている両替取引
回数が一つ増える。従って図の例では、顧客は10回連続
して有料の両替取引を行うと、11回目の両替取引が無料
となる。ただしn9でエリアMAがクリアされるために、12
回目からは再び有料モードとなる。勿論この無料の回数
を１回にするのではなく複数回設定することも可能であ
る。

また上記の実施例では、カードに記録する情報として
両替取引回数を示したが、これに代えて両替手数料支払
累計額にしてもよい。すなわち有料モードで支払った両
替手数料の累計額を記録するようにしてもよい。この場
合には上記n5での判定は、カードに記録されている両替
手数料支払累計額が一定の額に達したかどうかの判定と
なる。

（ｇ）発明の効果 この発明によれば、両替動作ごとに、カード等の記憶
媒体に記憶されている両替取引回数または両替手数料支
払累計額が一定の値以上であるかそうでないかを判定
し、一定の値以上である場合にはその両替動作を無料モ
ードに設定するために、取引回数の多い顧客に対しては
無料の両替サービスを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例である自動両替装置の動作を
示すフローチャートである。第２図は自動両替装置の外
観図、第３図はブロック図、第４図（Ａ），（Ｂ）はカ
ードのフオーマットを示す図,RAMの一部マップを示す図
である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】顧客が投入した現金を顧客が設定した任意
   の金種の現金に変換して出金する自動両替装置におい
   て、 両替取引回数又は両替手数料支払累計額を含むデータを
   記憶する記憶エリアを有するカード等の記憶媒体を受け
   入れて該記録エリアに記憶されているデータを読み取る
   記憶媒体読取手段と、両替手数料を受け付ける手数料受
   付手段と、前記記憶媒体読取手段で読み取ったデータに
   含まれる前記両替取引回数または前記両替手数料支払累
   計額が一定の値以上となった場合に両替手数料を無料に
   設定して両替動作を有効にする手段と、有料で両替動作
   を行う毎に前記両替取引回数または前記両替手数料支払
   累計額を更新する更新手段と、を備えてなる自動両替装
   置。