JP2521951B2 - 自動両替機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （ａ）産業上の利用分野 この発明は、顧客が投入した現金を顧客が設定した任
意の金種の現金に変換して出金する自動両替機に関す
る。

（ｂ）従来の技術 現在銀行で使用されている自動両替機は、銀行の省力
化に貢献するものであるが、気軽に利用できるために両
替機を設置した銀行と取引関係のない者による両替が増
加している。しかし銀行側にとっては、両替機は本来自
行の取引客を対象として設置されたものであり、他行の
取引客による両替は機械の消耗のみで自行に対して何ら
利益を持たらすものではなく、両替機本来の目的と外れ
るものであった。しかも、このような他行の取引客によ
る両替が増加すると、紙幣または硬貨の補充回数が多く
なり係員負担を増加させるとともに両替機の経費の増加
を招くことになる。そこで自動両替機の手数料受入設置
を設け、両替サービスを有料で行うものが提案されてい
る。

（ｃ）発明が解決しようとする問題点 しかしながら単に両替サービスを一律に有料化するだ
けでは、自行の取引客に対してまで手数料を取ることに
なるため自行の顧客に対するサービスを低下させる不都
合が生じてくる。

そこでこの発明は、顧客（銀行であれば取引客）又は
自動両替機の設置主体（銀行であれば自行など特定の銀
行）を識別するためのコードおよび有効期限の記録され
た定期券が挿入された時にはその定期券が有効であるこ
とを確認したのち両替サービスを無料で行う自動両替機
を提供することにある。

（ｄ）問題点を解決するための手段 この発明は、顧客が投入した現金を顧客が設定した任
意の金種の現金に交換して出金する自動両替機におい
て、 顧客又は自動両替機の設置主体を識別する識別コード
および有効期限の記録された定期券を読み取る定期券読
取手段と、 両替手数料を受け付ける手数料受付手段と、定期券読
取手段で読み取った前記識別コード、有効期限に基づい
てその定期券の有効性を判定する手段と、定期券が有効
と判定された時には手数料を受け付けることなく両替動
作を有効にする手段と、を設けたことを特徴とする。

（ｅ）作用 この発明に係る自動両替機では、両替サービスを行う
時に、顧客が定期券を挿入すれば、その定期券の有効性
をまず判定する。そして定期券が有効であれば、手数料
を受け取ることなく両替動作を有効にする。すなわち無
料の両替サービスを行う。これによって、たとえば自行
の取引客に対して予め定期券を発行しておけば、自行の
取引客は自動両替機を無料で使用することができ、他行
の取引客は自動両替機を無料で使用することができなく
なる。

（ｆ）実施例 第２図はこの発明の実施例である自動両替機の外観図
である。

自動両替機本体の前面垂直パネルには、取扱表示器
１、金額表示・設定部２、表示器３、および定期券リー
ダ８が設けられている。また水平パネルには、紙幣投入
・受取口４、筒硬貨受取口５、硬貨受取口６、および手
数料受取口７がそれぞれ設けられている。さらに本体前
面下部には釣り銭が放出されるコイン返却口９が設けら
れている。

前記取扱表示器１は、自動両替機が運用中である時に
取扱中を表示する。金額表示・設定部２は、両替すべき
金額の金種パターンを設定するキーを含み、且つ設定さ
れたパターンを金種別に表示する。表示器３は、入金さ
れた紙幣のトータル額や、顧客に対する案内メッセージ
などを表示する。定期券リーダ８は、ハンドスキャナで
構成され、顧客が操作した定期券の記録内容を読み取
る。紙幣投入・受取口４には両替しようとする紙幣が投
入され、また両替された紙幣が図外のカートリッジから
繰り出されて放出される。筒硬貨受取口5,硬貨受取口６
には、両替された筒硬貨，硬貨がそれぞれ放出される。
手数料受取口７は、両替サービスが有料で行われる時
に、手数料としてのコインを受け取る。有料モードの時
には、この手数料受取口７に一定の手数料（コイン）が
投入されるのを待って両替動作を有効にする。

第３図は上記自動両替機のブロック図である。CPU10
には、ROM11、RAM12、入出力インターフェイス13がそれ
ぞれ接続され、入出力インターフェイス13には、定期券
リーダ８を含む定期券読取装置14、金額表示・設定装置
15、表示装置16、紙幣処理装置17、硬貨処理装置18、手
数料処理装置19、およびジャーナルプリンタ20が接続さ
れている。定期券読取装置14は定期券リーダ８を制御
し、定期券の記録内容を読みだして入出力インターフェ
イス13に渡す。金額表示・設定装置15は金額表示・設定
部２を制御する。表示装置16は表示器３を制御する。紙
幣処理装置17は、紙幣投入・受取口４を制御し、ここに
投入された紙幣を読み取って収納したり、図外の紙幣カ
ートリッジから出金紙幣として繰り出して放出する制御
を行う。硬貨処理装置18は筒硬貨受取口５および硬貨受
取口６を制御し、図外の硬貨カートリッジから出金すべ
き硬貨を繰り出して放出する制御を行う。手数料処理装
置19は手数料受取口７に投入された手数料（コイン）を
計数したり、そのコインの収納および返却処理を行う。

第４図は定期券のフオーマットを示している。定期券
は銀行用キャッシュカードのような磁気カードで構成さ
れ、記録フオーマットも、図示するようにキャッシュカ
ードの記録フオーマットとほぼ同一である。すなわち顧
客を識別する暗証番号などのIDコード，設置主体である
銀行を識別する銀行コード，支店コード，口座番号はキ
ヤッシュカードと同じフオーマットで記録されている。
相違するのは口座番号の次に有効期限を記録している点
である。この有効期限は、定期券の使用が有効な期限を
表す。後述するように、定期券の有効性の判断は、この
有効期限と銀行コードで行うようにしている。

次に上記自動両替機の動作を第１図を参照して説明す
る。第１図（Ａ），（Ｂ）は自動両替動作を示すフロー
チャートである。

最初に自動両替機は有料，無料のどちらのモードでも
動作する状態に設定されている。手数料受取口７に手数
料としてこの実施例では現金であるコインが投入されれ
ば有料モードに移る。また定期券リーダ８に定期券が走
査されれば、定期券の有効性の判定に移り、有効性が判
定されることを条件に無料モードに設定される。

最初に定期券が走査される場合の説明をする。定期券
が走査されると（ステップn1）定期券リーダ８が定期券
の記録内容を読み取る。そしてn3で銀行コードと有効期
限に基づいてその定期券が有効かどうかの判定を行う。
すなわち記録されている銀行コードが自行のコードであ
るかどうか、および本日が有効期限内に入っているかど
うがの判定を行う。もしいずれかの条件が満たされない
場合には表示器３に、手数料受取口７へコイン投入を促
す表示を行う。銀行コードが自行コードと一致、且つ本
日が有効期限内に入っていれば、無料モードに設定し、
無料の両替動作を有効にする。すなわちn5で紙幣投入・
受取口４に両替する紙幣が挿入されるのを待ち、紙幣処
理装置17に含まれるビルチエッカによって紙幣の鑑別を
行う（n6）。鑑別の結果偽紙幣や不良紙幣である場合に
は紙幣を返却して最初のアイドル状態に戻る。紙幣鑑別
がOKである場合には、n8で投入されたトータルの金額を
表示器３に表示し、金額表示・設定部２で両替パターン
が設定されると、放出紙幣や放出硬貨の計数を行い（n1
0）、取引データをジャーナルプリンタで印字して紙幣
および硬貨の放出処理を行う（n12）。そして放出現金
がすべて抜き取られるのを確認して、もし手数料受取口
７にコインが投入されている時にはそのコインを収納し
て（n16）、元のアイドル状態に戻る。また放出現金の
取り忘れがある場合には、n14で残留金を回収し、更に
その金額を印字する処理を行う（n15）。

アイドル状態で、最初に手数料受取口７に手数料とし
てのコインが投入された場合、または上記n3で定期券が
無効であると判定された場合には、有料コードに設定さ
れる。このモードでは手数料受取口７に投入されたコイ
ンをn22で計数し、所定の額のコインが投入された段階
で、紙幣挿入可の表示を表示器３に行い上記n5以下の両
替動作に移る。なお釣り銭がある場合にはn24で釣り銭
をコイン返却口９に放出しておく。

なお本実施例で使用する定期券を、ATMなどで使用す
るキャッシュカードで兼用することも勿論可能である。

（ｇ）発明の効果 この発明によれば、顧客が定期券読取手段に有効な定
期券を読みとらせば、両替動作が無料となり、それ以外
の時には有料となるために、例えば銀行において、予め
自行の取引客などに対して定期券を発行しておけば、本
来両替サービスを無料で行ってよい顧客（自行の取引客
など）に無料の両替サービスを行うことができ、他行の
取引客など、本来手数料を微収してもよい顧客に対して
は手数料を微収して両替サービスを行うことができる。
したがって自行の取引客や他行の取引客などに対して適
性な両替サービスを行うことができるとともに、顧客サ
ービスが低下することも防止することができる。さらに
有効期限の切れた定期券を使用出来ないようにしている
ために、将来自行の取引客などで無くなった顧客に無料
両替サービスを行うことになる不都合が生じるのを無く
すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ），（Ｂ）はこの発明の実施例である自動両
替機の動作を示すフローチャートである。第２図は同自
動両替機の外観図、第３図はブロック図、第４図は定期
券の記録フォーマットを示す図である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】顧客が投入した現金を顧客が設定した任意
   の金種の現金に交換して出金する自動両替機において、 顧客又は自動両替機の設置主体を識別する識別コードお
   よび有効期限の記録された定期券を読み取る定期券読取
   手段と、 両替手数料を受け付ける手数料受付手段と、定期券読取
   手段で読み取った前記識別コード、有効期限に基づいて
   その定期券の有効性を判定する手段と、定期券が有効と
   判定された時には手数料を受け付けることなく両替動作
   を有効にする手段と、を設けたことを特徴とする自動両
   替機。