JP2525651B2 - 防曇性シ―ト及びその製造方法 - Google Patents

防曇性シ―ト及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は防曇性を有するシート及びその製造方法に関
し、特に良好な表面状態を有するとともに長期間にわた
って防曇性を保持する防曇性シート及びその製造方法に
関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
自動車のウインドーやサイドミラー、浴場のミラーや
ウインドー等は湿気にさらされると、その表面が曇り、
頻繁に拭き取る必要がある等不便であった。そこでこれ
らの物品の表面に防曇性を付与する種々の試みがなされ
ている。
従来、物品の表面に防曇性を付与する防曇層として、 (イ)界面活性剤を樹脂に練込むことにより防曇性を出
したもの、 (ロ)コロイダルシリカやホスファイト等の無機塩を添
加して防曇性ライフを伸ばしたもの、 (ハ)アセチルセルロースのケン化処理等のポリマーの
改質により表面の親水化を行ったもの、 等がある。
しかし上記(イ)、(ロ)の防曇層には、界面活性剤
の早期滲出により防曇性の寿命が短いという問題があ
る。さらに上記(ハ)の防曇層は湿潤時の皮膜強度が乏
しく、施行時に傷ついて防曇性が劣化するという問題が
ある。
以上の従来技術の問題点を解決するものとして、本発
明者等は先に支持フィルムと防曇層とを有し、前記防曇
層はポリマーと親水性モノマーとが電子線照射により架
橋したものであることを特徴とする防曇性シートを提案
した(特願昭62−114348号)。
ところで、最近比較的厚い防曇層(親水性膜)を有す
る防曇シートのニーズが出てきた。これは防曇性を一層
向上するとともに長期間にわたって保持する要求がでて
きたからである。ところが、厚い防曇層を溶剤含有の塗
布液により形成しようとすると、防曇層の表面が荒れ、
ミラーやウインドー等に貼付する防曇性シートとしては
不適当なものとなることがわかった。
従って、本発明の目的は、長期間防曇性を保持するた
めに厚い親水性膜を有する防曇シートを提供することで
ある。
本発明のもう1つの目的はかかる防曇性シートを製造
する方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、親水
性膜用成分を非溶剤系の塗布液として支持フィルム上に
塗布し、電子線照射により架橋させることにより、良好
な表面状態を有する厚い親水性膜を得ることができるこ
とを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の防曇性シートは、支持フィルムの
表面に、ポリマーと親水性モノマーと界面活性剤とを含
有し電子線照射により架橋した厚さが30μmを超える親
水性膜が形成されていることを特徴とする。
また本発明の防曇性シートの製造方法は、ポリマーと
親水性モノマーと界面活性剤とを含有する非溶剤型塗布
液を調製し、前記塗布液を支持フィルム上に架橋後の厚
さが30μmを超えるように塗布し、電子線照射により架
橋することを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
支持フィルム 支持フィルムは親水性膜を支持するのに十分な機械的
強度及び透明性があれば、用途に応じ種々の素材のもの
を使用することができる。具体的に例を示すと、ポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等の
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂のフィルムが
ある。これらは必要によりラミネートして使用できる。
支持フィルムは必要に応じ各種の色に着色したもので
もよい。着色剤としては分散染料が好ましく、モノア
ゾ、ビスアゾ、アントラキノン、ニトロ、スチリル、メ
チン、アロイレン、ベンゾイミダゾール、アミノナフチ
ルアミド、ナクトキノンイミド、クマリン誘導体等の分
散染料を使用することができる。
本発明における親水性膜は、基本的にポリマーに親水
性モノマー等を電子線の照射により架橋させるととも
に、界面活性剤を含有させたものからなる。具体的な組
み合わせとしては、 (イ)ポリマー+親水性モノマー+界面活性剤、 (ロ)ポリマー+親水性モノマー+架橋性モノマー+界
面活性剤、 (ハ)ポリマー+親水性架橋性モノマー+界面活性剤、 (ニ)ポリマー+親水性モノマー+親水性架橋性モノマ
ー+界面活性剤 がある。上記すべての組み合わせにおいて、ポリマーは
官能ポリマー又は無官能ポリマーのいずれでもよい。
無官能ポリマーとしては、ポリアクリル酸アルキルエ
ステル、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリウレ
タン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルピロリドン等を使用することができる。
親水性ポリマーとの相溶性を良好にするために無官能
ポリマーに親水性基をあらかじめ導入してもよい。これ
には後述の親水性基を有するモノマー(親水性モノマ
ー)との共重合体とする。親水性モノマーの無官能ポリ
マーに対する割合は50モル%以下であり、これを超える
と得られる膜の耐水性が低下する。
さらに部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアセタール等のポリビニルアル
コールの誘導体や、ニトロセルロース、セルロースアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等のセルロース誘導体も使用することができる。
一方、官能ポリマーは電離性放射線により架橋反応を
起す官能基を有するポリマーであり、官能基の例として
は以下のものがある。
アリル基 −CH2−CH=CH2 官能基はポリマーの分子量300〜10000に1つの割合で
あるのが望ましく、分子量10000当り1つ未満の割合だ
と官能基による架橋効果はほとんどなく、分子量300当
り1つを超える割合だと架橋密度が高くなりすぎる。
官能ポリマーとしてはウレタンアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート、エポキシアクリレート等や、アク
リル酸アルキルエステルとアクリル酸−2−ヒドロキシ
エチルとの共重合体の水酸基にアクリル酸クロリド又は
アクリル酸−2−ヒドロキシエチルとジイソシアナート
の1:1付加体を付加することによりアクリロイル基を導
入した共重合体や、アクリル酸アルキルエステルとアク
リル酸の共重合体のカルボキシル基にグリシジルメタク
リレートを付加した共重合体や、ポリビニルブチラール
の残存水酸基にアクリル酸クロリド又はアクリル酸−2
−ヒドロキシエチルとジイソシアナートの1:1付加体を
付加したもの等を使用することができる。
なお上記ポリマーはオリゴマー状でもよいが、造膜性
の観点から分子量は1000〜30万(重量平均)であるのが
好ましい。
親水性モノマーは水酸基、カルボキシル基(金属
塩)、アミド基、イミド基、スルホン基、アンモニウム
塩基、リン酸基等の親水性基を含有するモノマーであ
り、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アク
リル酸、メタクリル酸、アクリル酸金属塩、メタクリル
酸金属塩、アクリル酸ダイマー、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−ア
クリロイルモルフォリン、N−メタクリロイルモルフォ
リン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、t−ブ
チルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルア
ミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブ
トキシアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ポリエチ
レングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレング
リコールモノメタクリレート、グリセロールモノメタク
リレート、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスル
ホン酸、メタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド、モノ(2−メタクロイロ
キシエチル)アシッドホスフェート等が挙げられる。
架橋性モノマーはアクリロイル基、メタクリロイル
基、アリル基、エポキシ基等電子線照射によって容易に
ラジカルとなる基を2つ以上有するモノマーであり、骨
格ポリマーと親水性モノマーのいずれとも架橋結合する
ので、膜全体の架橋密度を向上させ、膜強度を高めると
ともに未反応の親水性モノマーが残存しないようにす
る。このような架橋性モノマーとして、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリ
レート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)
フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキ
シジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニ
ル〕プロパン等の2官能モノマー、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート等の3官能モノマー、その他テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマー等
が挙げられる。
親水性架橋性モノマーは水酸基、カルボキシル基(金
属塩)、アミド基、イミド基、スルホン酸基(金属
塩)、アンモニウム塩基、リン酸基等の親水性基とアク
リロイル基、メタクリロイル基、アリル基、エポキシ基
等電子線照射によって容易にラジカルとなる2つ以上の
架橋性官能基を有するモノマーである。
このような親水性架橋性モノマーとしては、例えば、
グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメ
タクリレートアクリレート等の水酸基を有するもの、エ
チレングリコール、ジグリシジルエーテルジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール・ジグリシジルエ
ーテルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ール・ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテルジ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル
エーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等
のジオール・ジグリシジルエーテルとアクリル酸との1:
2付加物、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート等のペンタエリ
スリトール誘導体、メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、アクリルアミド・グリオキサール付加体、アクリル
アミド・メチロエチレン尿素縮合物、1,3,5−トリアク
リロイルヘキサヒドロs−トリアジン、N,N−ジアリル
アクリルアミド、アクリルアミド・メチロールメラミン
縮合物、アクリルアミド・メチロールトリアゾン縮合
物、アクリルアミド・メチロールヒダントイン縮合物、
アクリルアミド・メチロール尿素、N,N−ジアリルアク
リルアミド等のアクリルアミド誘導体等がある。
本発明で用いる親水性膜はまた界面活性剤を含有する
ことができる。界面活性剤は親水性膜から徐々に表面に
滲出することにより防曇性(結露防止性)を付与する作
用を有する。親水性層を構成する上記成分からなる組成
物との相溶性が良ければ陰イオン性、非イオン性及び陽
イオン性のいずれの界面活性剤も使用することができ
る。
陰イオン性界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンス
ルホン酸−ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩等があり、非イオン性界面活性剤と
してはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステ
ル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマ
ー等があり、陽イオン性界面活性剤としてはアルキルア
ミン、4級アンモニウム塩等がある。
本発明で用いる親水性膜を形成する場合、ポリマー10
0重量部当り、親水性モノマーは5〜300重量部の割合で
添加する。5重量部未満だと十分な親水性が付与され
ず、逆に300重量部を超えると膜の耐水性が低下する。
好ましい親水性モノマーの含有量は20〜250重量部であ
る。
架橋性モノマーはポリマー100重量部当り1〜300重量
部である。1重量未満だと未反応の親水性モノマーの架
橋化が不十分であり、逆に300重量部を超えると膜全体
の架橋密度が高くなりすぎる。特にポリマーが官能基を
有しない場合、架橋性モノマーの含有量は5〜300重量
部とするのが好ましく、5〜200重量部とするのがより
好ましい。またポリマーが官能基を有する場合、架橋性
モノマーの含有量は1〜200重量部とするのが好まし
く、5〜100重量部とするのがより好ましい。
親水性架橋性モノマーはポリマー100重量部当り、1
〜200重量部である。1重量部未満だと十分な親水性及
び架橋性が付与されず、逆に200重量部を超えると膜の
耐水性が低下するとともに架橋密度が高くなりすぎる。
好ましい親水性架橋性モノマーの含有量は1〜100重量
部である。
界面活性剤はポリマー100重量部当り200重量部以下で
ある。200重量部を超えると界面活性剤の滲出が多過ぎ
るようになる。好ましい含有量は1〜100重量部であ
る。
親水性膜を形成する場合、上記成分の適当な組み合わ
せからなる組成物に溶剤を添加しないで、塗布液とする
ことを特徴とする。親水性膜が30μm以下である場合、
溶剤含有塗布液でも良好な表面状態のものが得られる
が、それより厚いものだと表面状態が急激に悪化する。
上記組成物を用い、以下の方法により親水性膜を支持
フィルム上に形成することができる。
まず溶剤を含有しない組成物を加温などの方法により
適当な粘度に調整し、グラビアリバース法、三本リバー
ス法、グラビアダイレクト法、四本リバース法等のロー
ルコート方式により、支持フィルム上に塗布する。
組成物を、支持フィルムに塗布した後、例えば鏡面仕
上げとする場合、その上に鏡面状フィルムをラミネート
し、電子線の照射を行なう。
照射方法としてはエレクトロンカーテン方式、ビーム
スキャニング方式等任意の方法を用いることができる。
電子線の照射により、ポリマーは官能基の有無にかかわ
らず架橋可能となり、親水性モノマー、親水性架橋性モ
ノマーがグラフト重合又はブロック重合の形式でポリマ
ーに架橋する。この点が紫外線照射による架橋と著しい
相違点である。照射する電子線のエネルギーは150〜200
keV程度であり、照射量は組成物の組成及び所望する架
橋密度の程度等により異なる。ポリマーに官能基がある
程、照射量は少なくてすみ、また架橋密度を高くする程
照射量を多くする必要がある。特に界面活性剤を含有す
る場合、架橋密度が高すぎるとその滲出が不十分とな
り、防曇(結露防止)作用が低下するので、照射量の制
御は重要である。
以上のことから一般に照射量は0.5〜20Mradであり、
0.5Mrad未満であると未反応モノマーが残留することが
あり、20Mradを超えると架橋密度が高くなりすぎる。
電子線の照射により、親水性膜を形成した後、鏡面フ
ィルム等が表面に貼付されている場合は、それを剥離す
る。また表面のフィルムを施工時まで剥離することな
く、保護フィルムとして用いることもできる。
このように非溶剤型の塗布液を用いて親水性膜を形成
することにより、30μm超と厚くしても表面状態を良好
にすることができる。さらに表面にフィルムを貼付した
状態で電子線照射を行うことにより、さらに表面状態を
鏡面状等、所望のものにすることができる。
〔実施例〕
次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明がこれらに限定されるものでないことはいう
までもない。
実施例1 加熱攪拌装置のついた2のセパラブルフラスコとセ
パラブルカバーを用い、イソホロンジイソシアネート44
4gをフラスコに入れ、触媒としてジラウリル酸ジノルマ
ルブチルスズを0.2g滴下し、40℃で加熱攪拌した。ブチ
レンアジペート(「ニッポランN−4570」、日本ポリウ
レタン(株)製)650gを系内の温度が急激な上昇を示さ
ないように徐々に加え、反応を進めた。2時間後2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート232gを滴下し、反応温度を
60℃に上げ、IRスペクトル中2330cm-1のイソシアネート
基によるピークが消失するまで、攪拌を続けた。このよ
うにしてほぼ100%の収率でウレタンアクリレート
(I)を生成した。
得られたウレタンアクリレート(I)100重量部に、
親水性モノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート100重量部、架橋剤としてネオペンチルグリコール
ジアクリレート(NPGDA)10重量部、界面活性剤として
エマルゲン106(花王(株)製)5重量部を均一に混合
し、塗布液を調製した。これをロールコート法により厚
さ50μmの易接着処理ポリエステルフィルム(帝人
(株)製HP−7)に50μmの厚みで塗布し、これに厚さ
25μmのポリエステルフィルム(ルミラーTタイプ)を
積層し、エレクトロンカーテン型電子線照射装置(ESI
社製)により175keVの電子線を5Mrad照射し、塗膜を硬
化させた。
得られた防曇性シートの防曇性評価は下記テストによ
り行った。
(1)呼気テスト(呼気により曇りが発生するか否かを
調べる) テスト評価 ○:曇らず ×:曇り発生 (2)50℃湯気テスト(50℃の温水の湯気にフィルムを
当てて曇りが発生するか否かを調べる) テスト評価 ◎:1時間以上曇らず ○:3分以上曇らず △:3分未満で曇り発生 ×:ただちに曇り発生 本実施例による方法で得られた防曇性シートの防曇性
は、(1)では○、(2)では◎であった。
実施例2 実施例1で用いたブチレンアジペートのかわりにカー
ボネートジオール(「プラクセルCD−210」、ダイセル
化学工業(株)製)1000gを用いる以外は、実施例1と
同様にして、ウレタンアクリレート(II)を合成した。
得られたウレタンアクリレート(II)100重量部に親
水性モノマーとしてグリセロールモノメタクリレート
(GM)100重量部、界面活性剤としてレジスタットSA−1
30(第一工業薬品(株)製)10重量部を均一に混合し、
以下実施例1と同様にして塗布し、厚さ40μmの電子線
硬化膜を得た。
得られた防曇性シートの防曇性は(1)○、(2)◎
であった。
実施例3 アクリルポリマー100重量部、親水性モノマーとしてG
M200重量部、架橋剤としてペンタエリスリトールアクリ
レート(PETA)20重量部、界面活性剤としてエキセルO
−95R(花王(株)製)5重量部からなる塗布液を調製
した。
なお塗布液の調製は以下の手順で行った。すなわち、
メチルメタクリレート70重量部と、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート39重量部と、アゾビスイソブチロニト
リル0.15重量部と、メチルエチルケトン70重量部とを還
流管及び攪拌器を見備し、窒素置換したセパラブルフラ
スコに入れ、N2気流中で85℃で5時間反応させた。その
後さらにアゾビスイソブチロニトリルを0.15重量部添加
し、3時間反応させた。反応後GM218重量部、PETA21.8
重量部、O−95R 5.45重量部を加え、加熱、攪拌しなが
らメチルエチルケトンを除去し、目的の塗布液を得た。
上記塗布液を、ロールコート法で厚さ50μmの易接着
処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)
製HP−7)上に塗布し、100℃で乾燥させた後、実施例
1と同様な方法で電子線照射を行い、厚さ50μmで塗膜
を硬化させた。
得られた防曇性シートの防曇性は(1)○、(2)◎
であった。
実施例4〜8 第1表に示す各組成の組成物を用いて、実施例1と同
様の方法で防曇性シートを作成し、同じテストを行っ
た。結果を同じく第1表に示す。
比較例1 第1表に示す組成の組成物を用いて3μmの厚さに塗
布し、防曇性を評価した結果、(1)は○、(2)は△
となり防曇性能が低下した。
比較例2 実施例6の組成物を用いて5μmの厚さに塗布し、
(2)の50℃湯気評価を長時間評価した結果、5μm厚
では約50時間で性能が低下(曇り発生)した。一方実施
例6の膜厚では100時間経過後も曇りの発生はなかっ
た。
〔発明の効果〕
以上の通り本発明の防曇性シートにおいては、親水性
膜の膜厚を厚くすることにより、膜内に取り込む水分の
絶対量を大きくすることができ、防曇性能を向上させる
ことができる。また長期防曇性付与剤としての界面活性
剤を加えた場合も薄膜に比べ厚膜の方が界面活性剤の絶
対量が多いことから、電子線照射による界面活性剤の流
出制御が厚膜と薄膜で等しい場合、厚膜の方がより長期
間防曇性を持続させることができる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持フィルムの表面に、ポリマーと親水性
    モノマーと界面活性剤とを含有し、電子線照射により架
    橋した厚さが30μmを超える親水性膜が形成されている
    ことを特徴とする防曇性シート。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の防曇性シートにおいて、
    前記親水性膜がポリマーと親水性モノマーと架橋性モノ
    マーと界面活性剤とからなり、電子線照射により架橋し
    たものであることを特徴とする防曇性シート。
  3. 【請求項3】支持フィルムの表面に、ポリマーと親水性
    架橋性モノマーと界面活性剤とを含有し、電子線照射に
    より架橋した厚さが30μmを超える親水性膜が形成され
    ていることを特徴とする防曇性シート。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の防曇性
    シートにおいて、前記親水性膜が、前記ポリマー100重
    量部当り100重量部以下の界面活性剤を含有しているこ
    とを特徴とする防曇性シート。
  5. 【請求項5】ポリマーと親水性モノマーと界面活性剤と
    を含有する非溶剤型塗布液を調製し、前記塗布液を支持
    フィルム上に架橋後の厚さが30μmを超えるように塗布
    し、電子線照射により架橋することを特徴とする防曇性
    シートの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の方法において、塗布液の
    塗布後その表面にフィルムを貼着した状態で電子線照射
    を行い、次いで前記フィルムを剥離することを特徴とす
    る方法。
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