JP2711857B2 - 防曇性断熱シート - Google Patents

防曇性断熱シート

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JP2711857B2 JP63159743A JP15974388A JP2711857B2 JP 2711857 B2 JP2711857 B2 JP 2711857B2 JP 63159743 A JP63159743 A JP 63159743A JP 15974388 A JP15974388 A JP 15974388A JP 2711857 B2 JP2711857 B2 JP 2711857B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は防曇性を有するとともに断熱性を有するシー
トに関し、特に室内外の温度差などよって生ずる結露等
を防止するために、窓ガラス等に貼付する防曇性断熱シ
ートに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
冬期などに室内外で大きな温度差が生じる場合、断熱
効果がない窓ガラスなどでは、室内側に結露が生じると
いう現象が起こる。このような結露を生じる環境が長時
間続くと、結露により生じた水滴は流滴となり、窓の桟
やレール部分に水溜まりが生じ、壁装材の腐食やかびの
発生、凍結した場合は窓の開閉に支障をきたすなどの問
題が起こる。
このような問題を生ずる原因となる結露を防止するた
め、断熱効果により、室内温度と室内側の窓ガラス表面
温度との温度差を減少させる各種のフィルムやシートが
知られている。
これらの従来の断熱フィルムやシートを窓ガラスなど
の室内側に施工することにより、一応の結露防止をはか
ることができるが、窓の開閉機能や透明性、明視性など
の点で制約があり、そのため膜厚や材質などが制限され
る。従って室内外での温度差が大きい場合は、十分な断
熱効果が得られず、室内側表面に微細な水滴(曇り)が
生じ、透明性、明視性が著しく低下するという問題が生
じる。
またこの種の結露防止フィルム及びシートは、静電気
の発生によって、表面のごみや汚れが付着し易いという
問題も有する。
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、上記従来技術
の問題点を解消し、結露による微細な水滴(曇り)の発
生を防止すると共に、防汚性に優れた防曇性断熱シート
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は断熱フ
ィルム又はシートの表面に親水性膜を形成すればよいこ
とを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の第一の防曇性シートは、二枚の平
坦な透明フィルムの間に空気層を形成する芯材を設けて
なる透明断熱フィルム又はシートの表面に電子線照射に
より架橋した親水性膜が形成されていることを特徴とす
る。
また、本発明の第二の防曇性シートは、片面に凹凸を
有する透明フィルムの凸部に平坦な透明なフィルムを貼
り合わせてなる透明断熱フィルム又はシートの表面に電
子線照射により架橋した親水性膜が形成されていること
を特徴とする。
さらに、本発明の第三の防曇性シートは、熱線反射フ
ィルム又はシートの表面に電子線照射により架橋した親
水性膜が形成されていることを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
本発明において使用する断熱フィルム又はシートとし
ては、(a)低熱伝導率層を有しているもの、及び
(b)熱線(赤外線)を反射又は遮断して、断熱効果を
奏するものを挙げることができる。
前者の低熱伝導率層としては、気体層を挙げることが
でき、特に空気層が価格面で最適である。
(a)の低熱伝導率層を有する断熱シートとしては例
えば第1図〜第4図に示すものがある。第1図は、2枚
の平坦な透明フィルム1、2の間に縞状に芯材3を設
け、それらの間に空気層4を形成した断熱シート上に親
水性膜5を形成したものを示す。第2図は、2枚の平坦
なフィルム11、12の間に、波形又はアコーディオン状の
フィルム13をラミネートし、空気層14を形成した断熱シ
ートに、親水性膜15を形成したものを示す。また第3図
は、軟質プラスチックからなり、片面に規則的な凹凸状
の縦縞を有する透明シート21の凸部23上に、平坦な透明
なフィルム22を貼り合せて、空気層24を形成した断熱シ
ートに、親水性膜25を形成したものを示す。さらに第4
図は、2枚の平坦な透明フィルム31、32の間にメッシュ
シート33をラミネートし、空気層34を形成した断熱シー
トに、親水性膜35を形成したものを示す。
一方(b)の熱線を反射又は遮断するシートを用いた
断熱シートは、例えば第5図に示す構造となる。第5図
において、41はいわゆる熱反射フィルム(シート)で、
42は親水性膜である。熱反射フィルム(シート)として
は、例えば以下のものがある。
基材となるフィルム又はシートに、チタン、銀、アル
ミニウム、金、白金、亜鉛、銅などの金属の薄膜(蒸着
薄膜を含む)や、金属アルコキサイド化合物、有機チタ
ン化合物、有機ケイ素化合物等の透明高屈折率誘電体層
をラミネートした積層体。
特定の金属を含有させた透明薄膜層又は酸化ケイ素の
保護膜層で被覆した金属薄膜層と、ポリエステル、ポリ
エチレン等の透明プラスチックフィルムのような透明フ
ィルムとからなる積層体(特開昭和57−14036号公報参
照)。
特定波長の光だけを透過するファブリ・ペロー・フィ
ルターに有機重合体フィルムを積層してなる光透過性シ
ート。
これらの断熱フィルム又はシートは、本発明の防曇性
断熱シートが主として窓ガラス等に用いられるので、透
明性、明視性を有していることが要求されるが、内装用
壁材などに適用する場合は、必ずしも透明性、明視性を
必要としない。
本発明における親水性膜は、基本的にポリマーに親水
性モノマー等を電子線の照射により架橋させるととも
に、必要に応じ界面活性剤を含有させたものからなる。
具体的な組み合わせとしては、 (イ)ポリマー+親水性モノマー、 (ロ)ポリマー+親水性モノマー+界面活性剤、 (ハ)ポリマー+親水性モノマー+架橋性モノマー、 (ニ)ポリマー+親水性モノマー+架橋性モノマー+界
面活性剤、 (ホ)ポリマー+親水性架橋性モノマー、 (ヘ)ポリマー+親水性架橋性モノマー+界面活性剤、 (ト)ホリマー+親水性モノマー+親水性架橋性モノマ
ー、及び (チ)ポリマー+親水性モノマー+親水性架橋性モノマ
ー+界面活性剤 がある。上記すべての組み合わせにおいて、ポリマーは
官能ポリマー又は無官能ポリマーのいずれでもよい。
なお後述するように、界面活性剤ははじめから親水性
膜に十分添加されている必要はなく、界面活性剤を含有
する溶液を塗布した後で十分な量となるものであればよ
い。上記(ロ)、(ニ)、(ヘ)、(チ)の組み合わせ
はこのようなものと理解すべきである。
無官能ポリマーとしては、ポリアクリル酸アルキルエ
ステル、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリウレ
タン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルピロリドン等を使用することができる。
親水性モノマーとの相溶性を良好にするために無官能
ポリマーに親水性基をあらかじめ導入してもよい。これ
には後述の親水性基を有するモノマー(親水性モノマ
ー)との共重合体とする。親水性モノマーの無官能ポリ
マーに対する割合は50モル%以下であり、これを超える
と得られる膜の耐水性が低下する。
さらに部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアセタール等のポリビニルアル
コールの誘導体や、ニトロセルロース、セルロースアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等のセルロース誘導体も使用することができる。
一方、官能ポリマーは電離性放射線により架橋反応を
起す官能基を有するポリマーであり、官能基の例として
以下のものがある。
官能基はポリマーの分子量300〜10000に1つの割合で
あるのが望ましく、分子量10000当り1つ未満の割合だ
と官能基による架橋効果はほとんどなく、分子量300当
り1つを超える割合だと架橋密度が高くなりすぎる。
官能ポリマーとしてはウレタンアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート、エポキシアクリレート等や、アク
リル酸アルキルエステルとアクリル酸−2−ヒドロキシ
エチルとの共重合体の水酸基にアクリル酸クロリド又は
アクリル酸−2−ヒドロキシエチルとジイソシアナート
の1:1付加体を付加することによりアクリロイル基を導
入した共重合体や、アクリル酸アルキルエステルとアク
リル酸の共重合体のカルボキシル基にグリシジルメタク
リレートを付加した共重合体や、ポリビニルブチラール
の残存水酸基にアクリル酸クロリド又はアクリル酸−2
−ヒドロキシエチルとジイソシアナートの1:1付加体を
付加したもの等を使用することができる。
なお上記ポリマーはオリゴマー状でもよいが、造膜性
の観点から分子量は1000〜30万(重量平均)であるのが
好ましい。
親水性モノマーは水酸基、カルボキシル基(金属
塩)、アミド基、イミド基、スルホン基、アンモニウム
塩基、リン酸基等の親水性基を含有するモノマーであ
り、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アク
リル酸、メタクリル酸、アクリル酸金属塩、メタクリル
酸金属塩、アクリル酸ダイマー、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−ア
クリロイルモルフォリン、N−メタクリロイルモルフォ
リン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、t−ブ
チルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルア
ミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブ
トキシアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ポリエチ
レングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレング
リコールモノメタクリレート、グリセロールモノメタク
リレート、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスル
ホン酸、メタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド、モノ(2−メタクロイロ
キシエチル)アシッドホスフェート等が挙げられる。
架橋性モノマーはアクリロイル基、メタクリロイル
基、アリル基、エポキシ基等電子線照射によって容易に
ラジカルとなる基を2つ以上有するモノマーであり、骨
格ポリマーと親水性モノマーのいずれとも架橋結合する
ので、膜全体の架橋密度を向上させ、膜強度を高めると
ともに未反応の親水性モノマーが残存しないようにす
る。このような架橋性モノマーとして、エチレンクリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
グリシジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリ
レート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)
フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキ
シジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニ
ル〕プロパン等の2官能モノマー、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート等の3官能モノマー、その他テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマー等
が挙げられる。
親水性架橋性モノマーは水酸基、カルボキシル基(金
属塩)、アミド基、イミド基、スルホン酸基(金属
塩)、アンモニウム塩基、リン酸基等の親水性基とアク
リロイル基、メタクリロイル基、アリル基、エポキシ基
等電子線照射によって容易にラジカルとなる2つ以上の
架橋性官能基を有するモノマーである。
このような親水性架橋性モノマーとしては、例えば、
グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメ
タクリレートアクリレート等の水酸基を有するもの、エ
チレングリコール、ジグリシジルエーテルジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール・ジグリシジルエ
ーテルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ール・ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテルジ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル
エーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等
のジオール・ジグリシジルエーテルとアクリル酸との1:
2付加物、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート等のペンタエリ
スリトール誘導体、メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、アクリルアミド・グリオキサール付加体、アクリル
アミド・メチロエチレン尿素縮合物、1,3,5−トリアク
リロイルヘキサヒドロs−トリアジン、N,N−ジアリル
アクリルアミド、アクリルアミド・メチロールメラミン
縮合物、アクリルアミド・メチロールトリアゾン縮合
物、アクリルアミド・メチロールヒダントイン縮合物、
アクリルアミド・メチロール尿素、N,N−ジアリルアク
リルアミド等のアクリルアミド誘導体等がある。
本発明で用いる親水性膜はまた界面活性剤を含有する
ことができる。界面活性剤は親水性膜から徐々に表面に
滲出することにより結露防止性(防曇性)を付与する作
用を有する。親水性層を構成する上記成分からなる組成
物との相溶性が良ければ陰イオン性、非イオン性及び陽
イオン性のいずれの界面活性剤も使用することができ
る。
陰イオン性界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンス
ルホン酸−ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル塩等があり、非イオン性界面活性剤と
してはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステ
ル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマ
ー等があり、陽イオン性界面活性剤としてはアルキルア
ミン、4級アモニウム塩等がある。
本発明で用いる親水性膜を形成する場合、ポリマー10
0重量部当り、親水性モノマーは5〜300重量部の割合で
添加する。5重量部未満だと十分な親水性が付与され
ず、逆に300重量部を超えると膜の耐水性が低下する。
好ましい親水性モノマーの含有量は20〜250重量部であ
る。
架橋性モノマーはポリマー100重量部当り1〜300重量
部である。1重量未満だと未反応の親水性モノマーの架
橋化が不十分であり、逆に300重量部を超えると膜全体
の架橋密度が高くなりすぎる。特にポリマーが官能基を
有しない場合、架橋性モノマーの含有量は5〜300重量
部とするのが好ましく、5〜200重量部とするのがより
好ましい。またポリマーが官能基を有する場合、架橋性
モノマーの含有量は1〜200重量部とするのが好まし
く、5〜100重量部とするのがより好ましい。
親水性架橋性モノマーはポリマー100重量部当り、1
〜200重量部である。1重量部未満だと十分な親水性及
び架橋性が付与されず、逆に200重量部を超えると膜の
耐水性が低下するとともに架橋密度が高くなりすぎる。
好ましい親水性架橋性モノマーの含有量は1〜100重量
部である。
界面活性剤は必ずしも必要ではないが添加する場合、
ポリマー100重量部当り200重量部以下である。200重量
部を超えると界面活性剤の滲出が多過ぎるようになる。
好ましい含有量は1〜100重量部である。
親水性膜を形成する場合、上記成分の適当な組み合わ
せからなる組成物に適宜溶剤を含有させることもでき
る。溶剤は単に組成物の流動性を調節するだけでなく、
塗膜の表面に親水性モノマーを浮き上がらせる作用も有
するので、本発明の親水性膜を形成するのに好ましい。
使用し得る溶剤としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ
等のアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等、
又はこれらの混合溶剤がある。
溶剤の添加量は膜の形成方法により異るが、塗布によ
り塗膜を形成する場合、組成物中の固形分が5〜50重量
%、好ましくは5〜30重量%となるようにする。一般的
には溶剤添加量はポリマー100重量部当り6000重量部以
下とする。
上記組成物を用い、以下の方法により親水性膜を断熱
フィルム又はシート上に形成することができる。
まず組成物が溶剤を含有しない場合は、加温などの方
法により組成物を適当な粘度に調整し、グラビアリバー
ス法、三本リバース法、グラビアダイレクト法、四本リ
バース法等のロールコート方式により、フィルム上に塗
布する。フィルムとしては、一般に透明なプラスチック
フィルムを使用し、材質としては、ポリエステル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリア
クリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、
ポリ塩化ビニル等を使用することができる。
組成物をフィルムに塗布した後、塗布面側を断熱フィ
ルム又はシートにラミネートし、電子線の照射を行な
う。
照射方法としてはエレクトロンカーテン方式、ビーム
スキャニング方式等任意の方法を用いることができる。
電子線の照射により、ポリマーは官能基の有無にかかわ
らず架橋可能となり、親水性モノマー、親水性架橋性モ
ノマーがグラフト重合又はブロック重合の形式でポリマ
ーに架橋する。この点が紫外線照射による架橋と著しい
相違点である。照射する電子線のエネルギーは150〜200
keV程度であり、照射量は組成物の組成及び所望する架
橋密度の程度等により異なる。ポリマーに官能基がある
程、照射量は少なくてすみ、また架橋密度を高くする程
照射量を多くする必要がある。特に界面活性剤を含有す
る場合、架橋密度が高すぎるとその滲出が不十分とな
り、結露防止(防曇)作用が低下するので、照射量の制
御は重要である。
以上のことから一般に照射量は0.5〜20Mradであり、
0.5Mrad未満であると未反応モノマーが残留することが
あり、20Mradを超えると架橋密度が高くなりすぎる。
電子線の照射により、親水性膜を形成した後、フィル
ムを剥離し、膜を断熱フィルム又はシートに転移させ
る。またフィルムを施工時まで剥離させることなく、保
護フィルムとして用いることもできる。
次に組成物が溶剤を含有する場合は、溶剤による希釈
等で、適当な粘度に調整した後、グラビアリバース法、
三本リバース法、グラビアダイレクト法、四本リバース
法等のロールコート方式により、断熱フィルム又はシー
トの表面上に塗布する。断熱フィルム又はシートの上に
形成した組成物の塗膜は溶剤を蒸発除去するため、ドラ
イヤー等で加熱しながら乾燥する。加熱温度が高すぎる
と、モノマー類の蒸発や断熱フィルム又はシートの変形
などの問題が生ずるので、最高140℃程度とする。
次いで、この塗膜に、上に述べたのと同様にして電子
線の照射を行い、親水性膜を断熱フィルム又はシート上
に形成する。用途によっては、親水性膜の上に透明なプ
ラスチックフィルムをラミネートし、保護フィルムとす
ることもできる。
断熱フィルム又はシート上に、組成物を塗布するのが
困難な場合は、透明なプラスチックフィルム上に組成物
を塗布形成した後にラミネートし、防曇層を形成するこ
ともできる。
又、親水性膜と断熱フィルム又はシートとの接着性が
十分でない場合は、親水性膜上に易接着処理を施こし、
ラミネートすることで親水性膜を転移することもでき
る。
また本発明における結露防止(防曇)性能を有する断
熱シートの施工性を考慮した場合、結露防止層とは反対
側に適宜粘着層を形成しておくと便利である。
〔実施例〕
次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明がこれらに限定されるものでないことはいう
までもない。
実施例1 (a)断熱シートとして、2枚の透明ポリエチレンフ
ィルム間に縞状の芯材を設け、それらの間に空気層を形
成したニトムズ(株)製の窓ガラス断熱シートを用い、
又(b)断熱フィルムとして、帝人(株)製の透明熱線
反射フィルムレフテル(商品名)(ポリエステルベー
ス、25μm厚)を用い、それぞれの片面に下記組成物を
ロールコーターにより塗布し、ドライヤーで乾燥して厚
さ5μmの親水性膜を形成した。
アクリルポリマー溶液 300重量部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(親水性モノマ
ー) 70重量部 ペンタエリスリトールトリアクリレート(親水性架橋
性モノマー) 10重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 300重量部 なお、アクリルポリマー溶液の調製は以下の手順で行
った。すなわち、メチルメタクリレート700重量部と、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート390重量部と、ア
ゾビスイソブチロニトリル1.5重量部とメチルエチルケ
トン2210重量部とを、還流管及び撹拌器を具備し、窒素
置換したセパラブルフラスコに入れ、N2気流中で85℃で
5時間反応させた。その後さらにアゾビスイソブチロニ
トリルを1.5重量部添加し、3時間反応させた。生成し
たアクリルポリマー溶液は33重量%の濃度であり、ゲル
透過クロマトグラフィー(GPC)により測定したとこ
ろ、重量平均分子量(w)は7.5×104であった。また
モノマーのピークは認められなかった。
次いでエレクトロンカーテン型EB装置(ESI社製)に
より175keVの電子線を5Mrad照射し、塗膜を硬化させ
た。
得られた2種類の防曇性断熱シートの結露防止性(防
曇性)を下記の方法により評価した。
(1)呼気テスト(呼気により曇りが発生するか否かを
調べる)。○:曇り発生せず、×:曇り発生。
(2)温度差テスト ガラス板を隔てた2室からなり、各室の温度及び湿度
を自由に制御できる屋内外温度差劣化試験機(スガ試験
機(株)製 BP−FM−1)を用いた。裏面に粘着加工を
施こした評価サンプルを貼り付けた後、一方の室内温度
を20℃、相対湿度60%で一定にしながら、他方の室の温
度及び湿度の変動サイクル(相対湿度60%、温度−10℃
に30分間保持し、続いて20℃で2時間保持する)を繰り
返した。評価は各サイクルごとの曇り状態(透明性、明
視性)を観察することにより行った。
○ 全く曇らない。
△ 曇りはないが、明視性がない。
× 微細な水滴が全体に付着し不透明である。
本発明の防曇性断熱シートは、2種類とも(1)呼気
テスト及び(2)温度差テストのいずれも○で良好であ
った。
実施例2〜10 第1表に示す各組成物を用いて、実施例1と同様の方
法で親水性膜を断熱シート上に形成し、同様の評価を行
った。結果を第1表に示す。
なお、実施例4のウレタンアクリレートの調製は以下
の手順で行った。すなわち、実施例1と同じ装置を用
い、その中にブチレンアジペート(「ニッポランN−45
70」日本ポリウレタン(株)製)650gと、メチルエチル
ケトン300gと、イソホロンジイソシアネート444gとを入
れ、60℃で撹拌しながら、ジブチル錫ジラウレート1gを
メチルエチルケトン10gに溶かしたものを滴下した。5
時間窒素気流中で撹拌しながら2−ヒドロキシエチルア
クリレート232gを滴下し、滴下終了後さらに70℃で3時
間撹拌を継続した。赤外線吸収スペクトルにより−NCO
基のピークが消失したのを確認して、反応を終了した。
得られたポリマーの重量平均分子量(w)はGPCによ
り1700であった。
比較例 親水性膜を表層に設けない窓ガラス断熱シート(ニト
ムズ(株)製)及び透明熱線反射フィルムレフテル(帝
人(株)製)について、実施例1と同様の評価テストを
行った。結果は第1表に示す通りであり、シート、フィ
ルムともに呼気テスト、温度差テストで×であった。
(注)(1)メチルメタクリレートと2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートとの7:3(モル比)の共重合体 (2)ポリメチルメタクリレート (3)メチルメタクリレートとN、N−ジメチル
アクリルアミドとの7:3(モル比)の共重合体 (4)2−ヒドロキシエチルメタクリレート (5)グリセロールモノメタクリレート (6)N−アクリロイルモルフォリン (7)N、N−ジメチルアクリルアミド (8)ジエチレングリコールジメタクリレート (9)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト (10)テトラエチレングリコールジアクリレート (11)ペンタエリスリトールアクリレート (12)ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト (13)エチレングリコールジグリシジルエーテル
ジアクリレート (14)メチルエチルエトン (15)窓ガラス断熱シート(ニトムズ(株)製) (16)透明熱線反射フィルム(帝人(株)製) 実施例11〜15 実施例1及び第1表に示した実施例3、4、6、9の
親水性膜の組成に新たに第2表に示す界面活性剤をそれ
ぞれ添加した後、実施例1と同様の方法で界面活性剤を
含有してなる親水性膜を得た。
これらの親水性膜を実施例1〜10と同様にして評価し
た。結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の防曇性断熱シートは、ポリマー骨格に親水性
モノマー及び/又は親水性架橋性モノマーが架橋してい
る親水性膜を有しているため、優れた防曇性を有すると
ともに十分な硬度及び強度を有し、断熱シートの表層と
して十分に機能するものである。
また表層に設けられた親水性膜の持つ吸水性能及び/
又は界面活性能と断熱フィルム又はシートが持つ断熱性
能との組み合せにより、室内外の温度差が大きくなって
も、室内側表面に微細な水滴(曇り)が生ずることな
く、十分な透明性、明視性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は、低熱伝導率層を有する本発明の防曇
性断熱シートの例を示す断面図であり、第5図は熱線反
射/遮断層を有する本発明の防曇性断熱シートの例を示
す断面図である。 1、2、11、12、31、32……フィルム 4、14、24、34……空気層 5、15、25、35、42……親水性膜 41……熱線反射フィルム

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二枚の平坦な透明フィルムの間に空気層を
    形成する芯材を設けてなる透明断熱フィルム又はシート
    の表面に電子線照射により架橋した親水性膜が形成され
    ていることを特徴とする防曇性断熱シート。
  2. 【請求項2】片面に凹凸を有する透明フィルムの凸部に
    平坦な透明なフィルムを貼り合わせてなる透明断熱フィ
    ルム又はシートの表面に電子線照射により架橋した親水
    性膜が形成されていることを特徴とする防曇性断熱シー
    ト。
  3. 【請求項3】熱線反射フィルム又はシートの表面に電子
    線照射により架橋した親水性膜が形成されていることを
    特徴とする防曇性断熱シート。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の防曇性
    断熱シートにおいて、前記親水性膜がポリマーと親水性
    モノマーとからなり、電子線照射により架橋したもので
    あることを特徴とする防曇性断熱シート。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載の防曇性
    断熱シートにおいて、前記親水性膜がポリマーと親水性
    モノマーと架橋性モノマーとからなり、電子線照射によ
    り架橋したものであることを特徴とする防曇性断熱シー
    ト。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のいずれかに記載の防曇性
    断熱シートにおいて、前記親水性膜がポリマーと親水性
    架橋性モノマーとからなり、電子線照射により架橋した
    ものであることを特徴とする防曇性断熱シート。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載の防曇性
    断熱シートにおいて、前記親水性膜が、前記ポリマー10
    0重量部当り100重量部以下の界面活性剤を含有している
    ことを特徴とする防曇性断熱シート。
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