JP2524599Y2 - タレットパンチプレス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、タレットパンチプレ
スに係り、更に詳細には、このタレットパンチプレスと
このタレットパンチプレスに隣接して金型保持領域を設
け、この金型保持領域とタレットパンチプレスの交換位
置との間で移動する金型セットの金型交換装置を備えた
タレットパンチプレスに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、タレットパンチプレスにおける金
型交換装置で金型を交換するために金型をストックして
おく金型保持領域は、タレットパンチプレスに隣接して
設けられ、タレットパンチプレスの本体である門型フレ
ームに金型保持領域のストッカがボルトなどにより締結
して設けられている。そして金型保持領域のストッカ
は、例えば、無端状のチェンに金型ホルダを収納する複
数個のホルダパレットを吊下げて構成され、電動機等の
駆動によりチェンを移動させ、所望の金型ホルダを工具
交換位置あるいは手動交換位置に位置決めせしめて、金
型ホルダの交換を行なっているのが提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のタレットパンチプレスにおける金型交換装置で金型
を交換するために金型をストックしておく金型保持領域
は、タレットパンチプレスの本体にボルトなどにより一
体的に締結されている。このため、タレットパンチプレ
スの本体に内蔵された各種装置のメンテナンスを行なう
際に、金型保持領域が邪魔になり、その都度取外さなけ
ればならず、再組立時にはパンチプレス本体と金型保持
領域との相互寸法を出すのに、多くの工数と時間を要す
るという問題があった。また、機械納入時すなわち据付
組立時にも同様な問題が発生していた。更に、組立時に
金型保持領域に設けられるツールストッカは重量が重い
ため、良好な組付精度が得られず位置決めの再現性が良
好に得られないという欠点があった。

【０００４】この考案の目的は、タレットパンチプレス
本体へ金型保持領域のツールストッカを組付ける際、簡
単に組付けができ、且つ、組付け精度の再現性を良好に
かつ簡単に得られるようにしたタレットパンチプレスを
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この考案は、多数の金型を支持したタレットを回転
自在に備えたタレットパンチプレスに隣接して複数の金
型を保持する金型保持領域を設け、この金型保持領域に
対応した位置と前記タレットに対応した位置との間を往
復動自在に設けた金型自動交換装置を備えてなり、前記
タレットパンチプレスの本体であるフレームの前後方向
に貫通した軸を設け、この軸に備えた基準座に当接する
位置決めブロックを介して前記金型保持領域のツールス
トッカを締結、離脱自在に設けてタレットパンチプレス
を構成した。

【０００６】

【作用】この考案のタレットパンチプレスを採用するこ
とにより、タレットパンチプレスの本体であるフレーム
の前後方向に貫通した軸に基準座が設けられている。こ
の基準座に位置決めブロックを結合すると共に、位置決
めブロックに金型保持領域のツールストッカを締結して
一体的に組立てる。

【０００７】而して、タレットパンチプレスに内蔵され
た機器のメンテナンスを行なう際や、据付組立時に、各
部材を組付けるだけで位置決めが可能となり、組立精度
の再現正が得られる。

【０００８】

【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。なお、タレットパンチプレスおよび金型
交換装置の構成は、すでに公知であるため概略的に説明
する。

【０００９】図４および図５を参照するに、タレットパ
ンチプレス１は門型フレーム３を備えており、この門型
フレーム３内における中央には、回転自在に上タレット
５と下タレット７とからなるタレット９が、門型フレー
ム３に支承されている。この上タレット５、下タレット
７の円周上には、複数のパンチ，ダイからなる金型が相
対向して装着されている。

【００１０】前記タレット９の左側には加工位置１１が
設けられており、この加工位置１１に前記門型フレーム
３の上部フレームに設けられた駆動装置により、加工位
置１１の上方に設けられたストライカの上下動により、
パンチとダイとが協働して加工位置１１に位置決めされ
たワークＷの所望位置にパンチング加工が行なわれるこ
とになる。

【００１１】前記門型フレーム３における下部には、固
定したセンタテーブル１３が設けられており、このセン
タテーブル１３の両側にはＹ軸方向（図４および図５に
おいて左右方向）へ移動自在な可動テーブル１５が設け
られている。この可動テーブル１５がＹ軸方向へ移動さ
れる際に、Ｙ軸方向へ延伸した複数のガイド１７に案内
されてスムーズに移動される。

【００１２】前記可動テーブル１５の左端上にはキャレ
ッジベース１９がＸ軸方向（図４において図面に直交し
た方向、図５において上下方向）へ延伸して設けられて
おり、このキャレッジベース１９にはワーク移動位置決
め装置２１が設けられている。すなわち、キャレッジベ
ース１９にはＸ軸方向へ移動自在なキャレッジ２３が設
けられており、このキャレッジ２３にはワークＷを把持
する複数のワーククランプ２５が取付けられている。

【００１３】上記構成により、可動テーブル１５がＹ軸
方向へ移動されると共に、キャレッジ２３がＸ軸方向へ
移動されることにより、ワーククランプ２５に把持され
たワークＷは、Ｘ軸、Ｙ軸方向へ移動され、加工すべき
所望の位置が加工位置１１に位置決めされてパンチング
加工されることとなる。

【００１４】前記門型フレーム３の右側に隣接して金型
保持領域２７が設けられている。この金型保持領域２７
には適数のパンチとダイからなる金型セット２９がＹ軸
方向へ適当な間隔で複数配置され、かつ上下にも相対向
して配置された金型セット収納部である金型セット２９
を収納したツールストッカの一部であるホルダパレット
３１が設けられている。しかも、このホルダパレット３
１はＺ軸方向（図４において上下方向）へ移動できる構
成となっている。

【００１５】より詳細には、図６に示されているよう
に、金型保持領域２７の構成としては、立設したツール
ストッカの一部である架台３３の上下に設けたチェンス
プロケット３５に無端状のチェン３７が掛回され、この
チェン３７に前記ホルダパレット３１が複数個適所に吊
下げられている。そして、ホルダパレット３１内へ金型
セット２９であるパンチが装着された上部金型ホルダ３
９と、ダイが装着された下部金型ホルダ４１とが収納さ
れている。なお、図示を省略したが電動機等により伝達
部材を介してチェンスプロケット３５は回転する。

【００１６】更に、図６において架台３３の左側（前面
側）には、後述する金型自動交換装置４３（一部図示省
略）が設けられていて、この金型自動交換装置４３にて
金型セット２９をボルダパレット３１内へ収納したり、
取出したりして交換が行なわれる。また、図６において
架台３３の右側（後面側）では、手動でホルダパレット
３１より金型セット２９を取出したり収納したりして交
換が行なわれる。なお、この交換位置へホルダパレット
３１をセットするには、図１に示されているように、電
動機Ｍの回転制御により複数のギアＧを介して前記スプ
ロケット３５を介してチェン３７が走行される。また、
図１に左右のギアには連結軸Ｃで連結されている。

【００１７】前記上タレット５と下タレット７からなる
タレット９の円周上には、図５に示されているように、
金型セット２９を装着するために例えばほぼＵ字形状に
切りかかれた金型セット装着領域４５が複数適宜な間隔
で設けられている。しかも、図５において、この金型セ
ット装着領域４５のうちの１つの位置が金型交換位置４
７となっている。

【００１８】この金型交換位置４７並びに前記金型保持
領域２７のホルダパレット３１の前側にＸ軸、Ｙ軸方向
へ移動自在な金型自動交換装置４３が設けられており、
この金型自動交換装置４３には、前記複数の金型セット
装着領域４５と少なくとも同一の金型装着部であるハウ
ジング４９が設けられている。

【００１９】一方、タレットパンチプレス１の門型フレ
ーム３には図４および図５に示されているように、Ｙ軸
方向に延伸したベース５１が設けられ、このベース５１
に設けた複数のガイドレール５３上に前記ハウジング４
９が摺動自在に係合している。そして、駆動モータ５５
に連結したボールねじ５７に螺合したナット部材（図示
省略）を介してハウジング４９はＹ軸方向へ移動自在と
なっている。なお、ハウジング４９内には、金型セット
装着領域４５の金型セット２９を交換したり、金型保持
領域２７のホルダパレット３１に収納された金型セット
２９を交換するためのクランプ部材が設けられている。

【００２０】上記構成により、駆動モータ５５を駆動さ
せると、ボールねじ５７が回転するので、ナット部材を
介してハウジング４９がＹ軸方向へ移動されることにな
る。なお、ハウジング４９がＹ軸方向へ移動される際、
ガイドレール５３で案内されるのでスムーズに移動され
ることになる。そして、金型セット２９をホルダパレッ
ト３１から取出し、金型交換位置４７にあるタレット９
の金型セット装置領域４５へ装着したり、あるいは金型
セット２９を金型交換位置４７にある金型セット装着領
域４５から取外し、ホルダパレット３１へ収納したりす
ることができる。

【００２１】前記タレットパンチプレス１の門型フレー
ム３へ金型保持領域２７の架台３３を組付ける構成の詳
細について説明する。

【００２２】図１および図２を参照するに、タレットパ
ンチプレス１の門型フレーム３を構成する側板５９ａと
５９ｂに、Ｘ軸方向（図１において図面に対して直交す
る方向、図２において上下方向）へ貫通した軸６１が複
数個所（本実施例では上下に２個所）に設けられてい
る。この軸６１の片端は、側板５９ｂにボルト６３によ
り一体的に固着した軸受６５に嵌挿され、他端は側板５
９ａに穿設された穴６７に嵌挿されていて、図３に詳細
が示されているごとく、軸６１に設けたキー溝６９に嵌
合されるキー７１が側板５９ａ側にボルト７３により固
着されている。

【００２３】前記軸６１の適宜複数個所（本実施例では
２個所）に基準座７５が設けられ、この基準座７５は水
平面７７と垂直面７９とにより形成されている。基準座
７５には位置決めブロック８１がボルト８３により締結
され、この位置決めブロック８１の段部８４に金型保持
領域２７の架台３３の側面に設けた座８５が係合され、
座８５と位置決めブロック８１とは複数本のボルト８７
により締結されている。

【００２４】上記構成により、タレットパンチプレス１
の門型フレーム３より金型保持領域２７の架台３３を取
外すには、架台３３に設けた座８５と位置決めブロック
８１とを締結しているボルト８７を取除くことにより解
体できる。また、再組立時は、位置決めブロック８１に
設けた段部８４に架台３３の座８５を当接させ、ボルト
８７により組付ける。

【００２５】而して、すでに軸６１の基準座７５に位置
決めブロック８１が締結され、基準位置が設定されてい
るため、単にボルト８７の締付けのみで強固に金型保持
領域２７の架台３３をタレットパンチプレス１の門型フ
レーム３にセットすることができる。このため、簡単な
作業で取外し、組立てができ、組立精度の再現性を良好
にかつ簡単に得ることができる。

【００２６】なお、この考案は前述した実施例に限定さ
れることなく、適宜の変更を行なうことにより、その他
の態様で実施し得るものである。

【００２７】

【考案の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、この考案によれば、タレットパンチプレスの
フレームの前後方向に貫通した軸に基準座を設け、この
基準座に位置決めブロックを介して金型保持領域のツー
ルストッカを締結あるいは離脱自在に設けた。

【００２８】而して、金型保持領域のツールストッカを
組付けあるいは取外すには、簡単な作業で行なうことが
でき、組付け後も強固にして組立精度の再現性が確保で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の主要部を示し、図４におけるＩ矢視
部の拡大図である。

【図２】図１における平面図である。

【図３】図１におけるIII 矢視部の拡大図である。

【図４】この考案を実施する一実施例のタレットパンチ
プレスと金型交換装置の正面図である。

【図５】図４における平面図である。

【図６】図４におけるVI−VI線に沿った拡大断面図であ
る。

【符号の説明】 １ タレットパンチプレス ３ 門型フレーム ９ タレット ２７ 金型保持領域 ３３ 架台 ４３ 金型自動交換装置 ６１ 軸 ７５ 基準値 ８１ 位置決めブロック

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の金型を支持したタレットを回転自
   在に備えたタレットパンチプレスに隣接して複数の金型
   を保持する金型保持領域を設け、この金型保持領域に対
   応した位置と前記タレットに対応した位置との間を往復
   動自在に設けた金型自動交換装置を備えてなり、前記タ
   レットパンチプレスの本体であるフレームの前後方向に
   貫通した軸を設け、この軸に備えた基準座に当接する位
   置決めブロックを介して前記金型保持領域のツールスト
   ッカを締結、離脱自在に設けたことを特徴とするタレッ
   トパンチプレス。