JP2524251Y2 - 自動車用引き違い窓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車用引き違い窓に関し、特にリヤガラ
スに付着した雨滴が車内に侵入することがないようにし
た自動車用引き違い窓の改良に関するものである。

〔従来の技術〕 一般に、自動車用引き違い窓は、外側に位置するフロ
ントガラスと内側に位置するリヤガラスとから成り、リ
ヤガラスはドアパネル等の窓枠に摺動自在に取付けられ
ている。フロントガラスが固定式である場合には、この
フロントガラスは窓枠の外面にウエザストリップによっ
て流体密を保って固定され、またフロントガラスが可動
式である場合には、このフロントガラスはリヤガラスと
同じ窓枠に摺動自在に取付けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

この引き違い窓を備えた自動車は、その走行中にリヤ
ガラスをフロントガラス側に摺動させて窓を開いて換気
するが、この場合、雨天時にはリヤガラスに付着してい
る雨滴が風圧によってリヤガラスの外面を伝わってその
後縁から車内に侵入する欠点があった。

本考案の目的は、上記の欠点を回避し、リヤガラスに
付着した雨滴が車内に侵入することがないようにした自
動車用引き違い窓を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記の課題を解決するために、外側に位置
するフロントガラスと内側に位置し窓枠に摺動自在に取
付けられたリヤガラスとから成る自動車用引き違い窓に
おいて、リヤガラスが閉じられた際に窓枠に干渉しない
ようにリヤガラスの後縁付近に取付けられリヤガラスの
外面に対して後方に向けて次第に外側に広がる雨滴飛散
案内面を有する雨滴飛散部材を備えたことを特徴とする
自動車用引き違い窓を提供するものである。

〔作用〕

このように、リヤガラスの後縁付近にリヤガラスの外
面に対して後方に向けて次第に外側に広がる雨滴飛散案
内面を有する雨滴飛散部材を取付けると、雨天走行中に
リヤガラスを摺動して窓を開いても雨滴が車内に侵入す
ることがない。

また、雨滴飛散部材は、リヤガラスを閉じた際に、窓
枠に干渉しないようにリヤガラスに取付けられているの
で、リヤガラスを窓枠に水密を保って閉じることがで
き、リヤガラスの窓を閉じた態で雨水が車内に侵入する
ことがない。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明すると、
第１図及び第２図は本考案に係る自動車用引き違い窓10
を示し、図示の実施例では、この引き違い窓10は、トラ
ックのキャブの左側ドア12に設けられているのが示され
ているが、トラック以外の自動車に適用することがで
き、また左側ドア以外に右側ドアまたはドア以外に設け
られてもよい。

自動車用引き違い窓10は、外側に位置するフロントガ
ラス14と、内側に位置するリヤガラス16とを備えてい
る。リヤガラス16は、ドアパネル18に固定された窓枠20
に摺動自在に取付けられて窓枠20の前方に位置して開い
た位置と窓枠20の後方に位置して閉じた位置との間を可
動する。フロントガラス14は、窓枠20の前枠部分20Aの
外面にウエザストリップ22によって固定されているが、
窓枠20に摺動自在に取付けられていてもよい。尚、第２
図において符号24は窓枠20とドアパネル18との間に跨が
って取付けられたオープニングトリムであり、また符号
26は前枠部分20Aとリヤガラス16との間の流体密を保つ
シール材である。

本考案の引き違い窓10は、リヤガラス16の後縁16aに
沿って取付けられリヤガラスに付着した雨滴を自動車の
走行中に外側に飛散する雨滴飛散部材28を備えている。
この雨滴飛散部材28は、リヤガラス16の外面に対して後
方に向けて次第に外側に広がる雨滴飛散案内面28Aを有
する。図示の実施例では、雨滴飛散部材28は、リヤガラ
ス16の縁に嵌着して取付けられたステンレススチール製
の縁部材30の前縁から後方に向けて次第に広がるように
一体に延びる案内片32から成っており、この案内片32の
外面が雨滴飛散案内面28Aと成っている。

従って、第３図に示すように、雨天走行中にリヤガラ
ス16を摺動して窓を開いてもこのリヤガラス16に付着し
た雨滴34は、雨滴飛散部材28の後方に向けて次第に外側
に広がる雨滴飛散案内面28Aに添って車両の走行に伴っ
て外側に飛散され、雨滴34が車内に侵入することがな
い。

また、案内片32は、第２図乃び第３図から解るよう
に、枠部材30の前縁から延びて枠部材30から間隔をあけ
て形成されているので、リヤガラス16を閉じた際に、枠
部材30は案内片32が窓枠20に干渉することがなく窓枠20
内に入り、従ってリヤガラス16を窓枠20に水密を保って
閉じることができ、リヤガラス16の窓閉じ状態で雨水が
車内に侵入することがない。

尚、第２図の実施例では、雨滴飛散部材28は、リヤガ
ラス16に嵌着して取付けられた縁部材30に一体に形成さ
れたが、第４図に示すように、リヤガラス16に接着によ
って取付けられたプラスチックまたはゴムの案内片32A
から成っていてもよい。

この案内片32Aは、第４図から解るように、リヤガラ
ス16が閉じられた際に、案内片32Aが窓枠20に干渉する
ことがないように、リヤガラス16の後縁16aよりやや前
方に取付けられている。この場合、案内片32Aの外面が
雨滴飛散案内面28Aの機能を有している。この場合も、
リヤガラス16の後縁16aが案内片32Aに邪魔されることな
く窓枠30に入り込んで閉じられるので、リヤガラス16を
水密を保って閉じることができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、上記のように、雨天走行中に引き違
い窓のリヤガラスを摺動して窓を開いても雨滴が車内に
侵入することがなく、従って雨天走行中の換気を容易に
行なうことができる実益がある。

また、雨滴飛散部材は、リヤガラスを閉じた際に、窓
枠に干渉しないようにリヤガラスに取付けられているの
で、リヤガラスを窓枠に水密を保って閉じることがで
き、リヤガラスを閉じた状態で雨水が車内に侵入するこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る自動車用引き違い窓の
側面図及び第１図のII−II線拡大断面図、第３図は本考
案に用いられる雨滴飛散部材の作用を示す説明図、第４
図は本考案の変形例の要部断面図である。 10……自動車用引き違い窓、14……フロントガラス、16
……リヤガラス、18……ドアパネル、20……窓枠、28…
…雨滴飛散部材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外側に位置するフロントガラスと内側に位
   置し窓枠に摺動自在に取付けられたリヤガラスとから成
   る自動車用引き違い窓において、前記リヤガラスが閉じ
   られた際に前記窓枠に干渉しないように前記リヤガラス
   の後縁付近に取付けられ前記リヤガラスの外面に対して
   後方に向けて次第に外側に広がる雨滴飛散案内面を有す
   る雨滴飛散部材を備えていることを特徴とする自動車用
   引き違い窓。