JP2524210B2 - 重合トナ―およびその製造方法 - Google Patents

重合トナ―およびその製造方法

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JP2524210B2 JP1015033A JP1503389A JP2524210B2 JP 2524210 B2 JP2524210 B2 JP 2524210B2 JP 1015033 A JP1015033 A JP 1015033A JP 1503389 A JP1503389 A JP 1503389A JP 2524210 B2 JP2524210 B2 JP 2524210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、懸濁重合によって製造される重合トナーお
よびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真法等に用いられるトナーは、一般に熱
可塑性樹脂中にカーボンブラックの様な着色剤及び電荷
制御剤等のその他の添加物を混練し、均一に分散した
後、粉砕装置で粉砕し、分級機でトナーに適した粒径に
分級する、いわゆる粉砕法により製造されている。この
粉砕法により製造されるトナーにはいくつかの問題点が
ある。
すなわち、この粉砕法を用いて製造されるトナーにお
いては、その材料がある程度粉砕され易いように脆性を
持っていなくてはならない。しかし、あまりにも脆性の
高い材料を用いるとトナーが微粉化され過ぎて、最終的
に適切な粒度分布のトナーを得るため微粉を除去しなく
てはならず、そのため製造コストが高くなってしまう。
更に、このようなトナーは複写機の現像器中で、連続複
写の過程で更に微粉化されてしまう場合がある。また、
熱定着性を改善するために、トナーに低融点の材料を用
いたり、圧力定着性の材料を用いた場合、粉砕装置ある
いは分級装置の中でトナーが融着現象を起こし、連続生
産できない場合が生ずる。
このような、粉砕法の問題点を解決するために懸濁重
合法により重合性単量体から重合トナーを製造する事が
提案されている(特公昭51−14895号、特開昭57−53756
号等)。
従来の一般的な懸濁重合法により現像用トナーを得る
場合には、重合性単量体および着色剤として、主として
カーボンブラックを少なくとも含有する単量体組成物を
懸濁安定剤を含有する水性媒体等の中で、適当な撹拌機
を用いてトナーの粒径に造粒し、あらかじめ添加されて
いる重合開始剤または新たに加えられた重合開始剤が熱
によって分解するとき発生するラジカルにより、重合性
単量体を重合せて重合体を形成し、重合トナーを生成し
ている。すなわち、この懸濁重合法では粉砕工程が含ま
れないため、重合トナーは脆性を有する必要はなく、し
かもその形状は球形であるため、重合トナーは流動性に
優れ、摩擦帯電性が均一である等の特徴を有している。
しかし、トナーの着色剤として一般に用いられるカー
ボンブラックは、通常、重合性単量体に不溶であり、そ
の粒子表面は比較的親水性が強い官能基(カルボキシル
基、キノン基、水酸基等)を有している。したがって、
このカーボンブラック粒子は油性の重合性単量体中に均
一に分散し難く、また水系媒体中で懸濁重合を行なう際
に、カーボンブラックが単量体油滴と水との界面に遍在
する現象や水相(分散媒)中に移行する現象がある。そ
の結果、懸濁重合法において、このようなカーボンブラ
ックの添加は、トナー物性、例えば摩擦帯電性、更に
は、現像特性、耐久性の劣化等をもたらすという問題が
生ずる。
一方、一般にカーボンブラックは、一連のラジカル重
合反応に対し、阻害作用を示し重合率の低下を示す事が
知られている。その結果、懸濁重合法において、このよ
うなカーボンブラックの添加は、得られた重合粒子の分
子量の低下を招き、時には製造工程中で集塊することが
ある。従って、トナー物性、例えば、定着性、オフセッ
ト防止性、更には、保存性の劣化をもたらすという欠点
がある。
このような欠点を解消するため、重合トナーを製造す
る際、重合体組成物中に添加するカーボンブラックとし
て、カーボンブラック粒子表面を親油化処理する事が提
案されている。即ち、親油化処理により、カーボンブラ
ックが重合体組成物中に均一に分散し、同時に処理剤に
より粒子表面が完全に被覆される事により、重合阻害作
用が期待される。このような親油化処理として、例え
ば、特開昭58−9153号公報におけるシラン系カップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤、特開昭58−147753
号公報における脂肪酸系界面活性剤処理等が挙げられ
る。しかしながら、実際にはこれらの親油化処理は、カ
ーボンブラック粒子を重合性単量体中に均一に分散させ
るために十分でなく、重合阻害作用を完全に防止する事
ができない。また、これらの処理剤のカーボンブラック
からの遊離が、かえってトナー特性を低下させる場合も
ある。
また、更に、このような欠点を解消するため、特開昭
56−116044号公報においてカーボンブラック粒子表面を
グラフト化処理する事が提案されている。
しかし、グラフト化率の増加は重合阻害作用を低減さ
せるが、グラフト化カーボンブラックの重合体組成物中
への分散性は低下するという欠点がある。
従って、グラフト化カーボンブラックの重合トナーへ
の適用は例えば、画像濃度等の現像特性の低下をもたら
すという問題がある。
また、更に、特に懸濁重合におけるグラフト化カーボ
ンブラックの使用は、単量体組成物の粘度を必要以上に
増加させるため造粒が困難になるという問題点もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、以上の如き問題点を解決した重合ト
ナーおよびその製造方法を提供する事である。
本発明の他の目的は、着色剤の分散性が良好で、画像
濃度が高く、鮮明な画像を与える重合トナーおよびその
製造方法を提供する事にある。
本発明の更に他の目的は、重合阻害作用を防止し、定
着性、オフセット防止性、更には、保存性の良好な重合
トナーおよびその製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、従来技術がかかえる問題点を解決するた
めに鋭意研究の結果、単量体組成物中にアジリジン誘導
体で着色剤、とくにカーボンブラックの表面の親水性官
能基を処理した着色剤を存在させつつ、該単量体組成物
の重合を行なうことが、該着色剤の単量体組成物に対す
る親和性を増長させ、それにより着色剤が懸濁後の液滴
粒子、更には重合粒子において良好な分散性を維持し、
さらに重合阻害作用の防止に極めて効果的であることを
見い出した。
すなわち、本発明は少なくとも重合性単量体と着色剤
とを含有する単量体組成物を懸濁重合してなる重合トナ
ーであって、前記着色剤がアジリジン誘導体で処理され
た着色剤であることを特徴とする重合トナーである。
以下、本発明を更に詳細に説明する。以下の記載にお
いて、量比を表わす「%」及び「部」は特に断わらない
限り重量基準とする。
本発明において使用するアジリジン誘導体としては一
般式(I)で表わされる化合物を用いることができる。
〔式中、R1はアルキル基、エステル基、アミド基、芳香
環および複素環を示す。〕 上記一般式(I)で示されるアジリジン誘導体の具体
例としては、2(1−アジリジン)エチルメタクリレー
ト、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン等で
ある。
又、本発明において使用されるアジリジン誘導体の別
の例として一般式(II)および一般式(III)に示すよ
うな2官能および3官能のアジリジン基を有する化合物
を用いることができる。
〔式中、R1はアルキル基、エステル基、アミド基、芳香
環および複素環を示す。〕 〔式中、R1はアルキル基、エステル基、アミド基、芳香
環および複素環を示す。〕 上記一般式(II)で示されるアジリジン誘導体の具体
例としては、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−
アジリジンカルボキサミド)、ジフェニルメタン−ビス
−4,4′−N,N′−ジエチレンウレア、2,4−ジエチレン
ウレアトルエン等が挙げられる。また、一般式(III)
で示されるアジリジン誘導体の具体例としては、トリメ
チロールプロパン−トリ−アジリジルプロパネート、2,
4,6−(トリエチレンイミノ)−S−トリアジン等が挙
げられる。
以上例示した一般式(I),(II),(III)のアジ
リジン誘導体の中で、本発明の重合トナーにはとくに一
般式(II),(III)のアジリジン誘導体が好適であ
る。
すなわち、本発明に一般式(II),(III)のアジリ
ジン誘導体で示すような複数個のアジリジル基を有する
化合物を用いれば、1個のアジリジル基を有する化合物
と比較して、より少ないアジリジン誘導体の量で着色剤
表面を処理する事が可能であるため、着色剤を表面処理
するアジリジン誘導体の添加量を低減することができ
る。更にアジリジン誘導体による着色剤への被覆の向上
にも寄与すると考えられ、分散性の向上および重合阻害
作用の防止を一層向上させることができる。
着色剤に体するアジリジン誘導体の添加量は、アジリ
ジン誘導体のアジリジル基の個数、着色剤の粒度、表面
官能基の含有量によっても異なるが、着色剤100部に対
して0.1部〜20部、好ましくは、0.5部〜10部である。ア
ジリジン誘導体の添加量が0.1部未満では着色剤の分散
性の向上に対して効果が少なく、重合阻害作用を十分に
防止出来ない。また、20部を越えると着色剤と結合しな
い遊離のアジリジン誘導体が多く存在することになる。
また、更に前記一般式(I),(II),(III)で示
されるアジリジン誘導体中にビニル重合性の反応性官能
基を有する化合物を用いることが更に好ましい。このよ
うなビニル重合性の反応性官能基を有するアジリジン誘
導体(例えば、(2(1−アジリジル)エチルメタクリ
レート)を用いれば、単量体組成物中に分散されている
アジリジン誘導体が結合している着色剤表面から重合が
進行するため、着色剤の分散性の向上および重合阻害作
用の防止を一層向上させることができる。
次に本発明を構成する着色剤について説明する。
本発明でいう着色剤としてはカーボンブラックが適し
ている。
すなわち、本発明において使用されるカーボンブラッ
クとしては、個数平均粒径、吸油量、pH等に制限なく使
用できるが、市販品として以下のものが挙げられる。
例えば、米国キャボット社製リーガル(REGAL)400、
660、330、300、SRF−S、ステリング(STERLING)SO、
V、NS、R;コロンビア・カーボン日本(株)製ラーベン
(RAVEN)H20、MT−P、410、420、430、450、500、76
0、780、1000、1035、1060、1080;三菱化成工業(株)
製#10B、#5B、#40、#2400B、MA−100;等が挙げられ
る。
また、これらのカーボンブラックは単独で、あるいは
二種以上を種々の組成に組み合わせて用いる。
カーボンブラック以外の着色剤としては、アジリジル
基と反応可能な官能基あるいは、相互作用(配位結合な
ど)可能な金属元素を有する顔料であれば、特に制限な
く使用することができる。
このような顔料として、フタロシアニン系顔料、ロー
ダミン・レーキ顔料、酸化鉄、アゾレーキ顔料、酸化チ
タン、アルミナ、硫酸バリウム等が上げられる。
着色剤の添加量は、重合性単量体100部に対して1〜3
0部、好ましくは5〜20部用いられる。
本発明において使用される着色剤は、前述したアジリ
ジン誘導体でその表面が処理されていることにより、表
面の少なくとも一部が上記アジリジン誘導体で被覆され
ている。この場合、着色剤を表面処理するには、単量体
組成物中に分散する前に、あらかじめアジリジン誘導体
で処理されていても良いし、単量体組成物中で着色剤と
アジリジン誘導体を共存させ重合過程で処理しても良
い。
このうち前者、つまり着色剤を単量体組成物に分散す
る前にあらかじめ処理する場合は、以下の方法により行
なうことが好ましいが、下記の方法に限定されるもので
はない。
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の疎水性
の溶媒中でスラリーにした着色剤に、アジリジン誘導体
を添加することによりアジリジン誘導体は容易に着色剤
と反応して、表面処理着色剤が得られる。また、必要に
応じて熱を加えることでより処理効率のよい表面処理着
色剤を得ることが出来る。
また、水、メタノール等の親水性の溶媒中で上記のご
とく処理してもよい。このような親水性の溶媒中では、
アジリジン誘導体は優先的に着色剤表面の官能基と反応
し、表面処理着色剤を得ることが出来る。
この際着色剤の溶媒中への分散に関しては、アジリジ
ン誘導体を加える以前に、ペイントコンディショナー、
アトライター等の分散機を用いて着色剤を溶媒中へ分散
するか、あるいはアジリジン誘導体を加えた後に、これ
らの分散機で着色剤を分散させつつ処理を行なうことが
好ましい。
また、後者の場合つまり単量体組成物中でアジリジン
誘導体を着色剤に処理する場合は、重合性単量体中へ着
色剤及びアジリジン誘導体を添加した後、ペイントコン
デショナー、アトライター等で分散させることにより着
色剤表面をアジリジン誘導体で処理することができる。
この時、アジリジン誘導体は容易に着色剤と反応し、着
色剤表面はアジリジン誘導体で被覆され、単量体組成物
中に良好に分散される。
次に、上述したような表面処理着色剤とともに本発明
の重合トナーを生成するための単量体組成物を構成する
材料について説明する。
すなわち、本発明の重合トナーに用いられる単量体組
成物の主成分としては、例えば下記のごとき重合可能な
重合性単量体を用いることができる。
この様な重合性単量体としては、例えばスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロスチレン、p−
エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、等のスチレ
ン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレン、等のエチレン不飽和モノオレフィン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、等の有機酸ビニルエステ
ル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、
等のメタクリル酸及びその誘導体;アクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル
酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、等のアクリ
ル酸及びその誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、等のビニル
エーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、ビニルイソプロペニルケトン、等のビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−
ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニ
ル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリルアミド等の重合性単量体が
ある。
これらのモノマーは、単独で、あるいは必要に応じて
二種以上を種々の組成に組み合わせて用いる。
上記モノマーの中でも、スチレンまたはスチレン誘導
体を単独であるいは他のモノマーと混合して重合性単量
体として用いることが、トナーの現像特性および耐久性
を高める点で好ましい。
又、本発明においては、熱定着性、耐オフセット性の
改善のため、パラフィンワックスのようなワックス類、
低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリプロピレンの
ような低分子量ポリオレフィン等の離型性を有する低軟
化点化合物を単量体組成物に添加してもよい。
更にまた、本発明においては、耐ブロッキング性、耐
久性改善のため、架橋剤を添加し懸濁重合を行なっても
よい。このような架橋剤としては、ジビニルベンゼン等
の公知の架橋剤を単量体組成物に添加することができ
る。
更に、本発明においては、必要に応じて、公知の電荷
制御剤を単量体組成物に添加してもよい。このような電
荷制御剤としては、カルボキシル基、スルホン酸エステ
ルまたは含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金
属染料等がある。
本発明に用いられる重合開始剤は重合性単量体に可溶
であることが好ましい。
このような重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系または
ジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキ
シカーボネート、その他の過酸化物系重合開始剤等が挙
げられる。
しかし、ベンゾイルパーオキサイド系の重合開始剤等
は、分解し安息香酸のようなカルボン酸を副成するため
のトナーの保存性などに悪影響を及ぼす恐れがあり、ま
た、芳香臭が発生する等の欠点があるため、アゾビス系
の重合開始剤を用いることが好ましい。
本発明においては分子量および分子量分布を制御せる
目的で、または反応時間を制御する目的で、上記の様な
重合開始剤の二種以上を種々の組成に組み合わせて用い
ることが好ましい。また、更に、必要に応じて過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム等の水溶性開始剤を併用し
てもよい。
重合開始剤の使用量は、重合性単量体100部に対して
通常0.1〜20部、好ましくは1〜10部である。重合開始
剤が0.1部未満では、単量体組成物粒子へ均等に、十分
な量の重合開始剤を分散することが困難であり、一方、
重合開始剤が20部を越えると、重合生成物の分子量が低
くなりすぎるため好ましくない。
本発明においては、懸濁重合反応は、通常、重合温度
50℃以上で行なわれ、重合開始剤の分解温度を考慮して
温度を設定する。設定温度が高すぎると、重合開始剤の
急激な分解が生じ、分子量等に影響を与えるため好まし
くない。
一方、分散安定剤としては、造粒工程により形成され
た単量体組成物粒子の合一を防ぎ、安定化する能力の有
する化合物で、親水性有機化合物及び固体微粉末などが
用いられる。しかし、固体微粉末の場合、重合後の後処
理で、酸やアルカリなどで固体微粉末を溶解除去する余
分な工程を含むため、親水性有機化合物が好ましく用い
られる。
このような分散安定剤は、例えば、ポリビニルアルコ
ール、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチル
ハイドロキシプロピルセルロース、エチルセロース等の
セロース誘導体、澱粉及びその誘導体、ポリアクリル酸
及びそれらの塩等が挙げられる。
また、連続相(水相)に塩化ナトリウム、硫酸ナトリ
ウム等の中性塩を乳化防止の目的で加えてもよい。ま
た、更に、造粒工程により形成された単量体組成物粒子
の合一を防ぐ目的で、グリセリン、エチレングリコール
等の増粘剤を加えてもよい。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明す
る。
<実施例1> 上記単量体混合物を、ペイントコンデショナーを用い
て室温で約1時間混合、分散した後、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル5gを添加し溶解させ単量体組成物を
調整した。
次に、ポリビニルアルコール(東京化成社製、重合度
約2000、ケン化度約80%)2gと、硫酸ナトリウム4gを、
蒸留水500gに溶解させ、容量1Lのセパラブルフラスコに
加え、上記で調整した単量体組成物を添加し、60℃でTK
ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて10000rpmで
約20分造粒し、その後、平板付きタービンを用いて60
℃、6時間ついで、80℃1時間の条件で単量体組成物を
重合させた。
上記により得た重合体組成物を冷却、ろ過した後、水
で十分洗浄し、乾燥することにより、本発明の重合トナ
ーを得た。重合中、カーボンブラックによる重合阻害作
用は認められなかった。
得られた重合トナーの粒度をコールターカウンター
(アパーチャー100μm)を用いて測定したところ、ト
ナーの体積平均の粒子径は、7.8μmであった。
この重合トナーを光学顕微鏡(450倍)で観察したと
ころ、トナーの各々の粒子は、ほぼ完全に黒い球状を示
し、トナー粒子内におけるカーボンブラックの遍在は認
められなかった。
更に、このトナーを用い、市販の複写機(シャープ社
製、SF−8260)で画像形成テストを行なったところ、濃
度、画質ともに良好な画像が得られた。
<実施例2> カーボンブラック(三菱化成社製、MA−100)20gとN,
N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカル
ボキサミド)1.5gをトルエン100ml中に加え、ペイント
コンディショナーで、室温で約2時間、混合分散した
後、トルエンで洗浄し乾燥することによりあらかじめア
ジリジン誘導体で表面処理カーボンブラックを得た。
上記単量体混合物を、ペイントコンデショナーを用い
て室温で約30分混合、分散した後、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル5gを添加し溶解させ単量体組成物を調
整した。
次に、実施例1に記載の方法と同様な操作により本発
明の重合トナーを得た。重合中、カーボンブラックによ
る重合阻害作用は認められなかった。
得られた重合トナーの粒度をコールターカウンター
(アパーチャー100μm)を用いて測定したところ、ト
ナーの体積平均の粒子径は、7.0μmであった。
この重合トナーを光学顕微鏡(450倍)で観察したと
ころ、トナーの各々の粒子は、ほぼ完全に黒い球状を示
し、トナー粒子内におけるカーボンブラックの遍在は認
められなかった。
更に、このトナーを用い、市販の複写機(シャープ社
製、SF−8260)で画像形成テストを行なったところ、濃
度、画質ともに良好な画像が得られた。
<実施例3> 上記単量体混合物を、ペイントコンデショナーを用い
て室温で約2時間混合、分散した後、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル5gを添加し溶解させ単量体組成物を
調整した。
次に、実施例1に記載の方法と同様な操作により本発
明の重合トナーを得た。重合中、カーボンブラックによ
る重合阻害作用は認められなかった。
得られた重合トナーの粒度をコールターカウンター
(アパーチャー100μm)を用いて測定したところ、ト
ナーの体積平均の粒子径は、8.3μmであった。
この重合トナーを光学顕微鏡(450倍)で観察したと
ころ、トナーの各々の粒子は、ほぼ完全に黒い球状を示
し、トナー粒子内におけるカーボンブラックの遍在は認
められなかった。
更に、このトナーを用い、市販の複写機(シャープ社
製、SF−8260)で画像形成テストを行なったところ、濃
度、画質とも良好な画像が得られた。
<実施例4> 上記単量体混合物を、ペイントコンデショナーを用い
て室温で約1時間混合、分散した後、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル5gを添加し溶解させ単量体組成物を
調整した。
次に、実施例1に記載の方法と同様な操作により本発
明の重合トナーを得た。
得られた重合トナーの粒度をコールターカウンター
(アパーチャー100μm)を用いて測定したところ、ト
ナーの体積平均の粒子径は、7.5μmであった。
この重合トナーを光学顕微鏡(450倍)で観察したと
ころ、トナーの各々の粒子は、球状を示し、トナー粒子
内におけるフタロシアニン顔料は均一に分散し遍在は認
められなかった。
更に、このトナーを用い、市販の複写機(シャープ社
製、SF−8260)で画像形成テストを行なったところ、濃
度、画質ともに良好な画像が得られた。
<比較例> アジリジン誘導体を使用しない以外は、実施例1に記
載の方法と同様な操作で懸濁重合を行ない比較用の重合
トナーの作成を試みた。
その結果、所定の重合時間を経過しても、モノマー臭
が認められ、重合が十分進行していなかった。また、冷
却後、洗浄及び乾燥を試みたが、操作中集塊し生成物は
ゴム状を呈し、粒子は認められず所望の重合トナーの生
成が不可能であった。
〔発明の効果〕
本発明の重合トナーは、上記のごとき構成を有するの
で、該トナー粒子中の着色剤が良好に分散され、均一な
摩擦帯電性を示し、画像濃度が高く安定した画像を与え
ることができる。また、着色剤による重合阻害作用が防
止されるため、保存性、耐オフセット性等が改善された
トナーを得ることができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性単量体と着色剤とを含有する単量体
    組成物を懸濁重合してなる重合トナーであって、前記着
    色剤が一般式 または 〔式中、R1はアルキル基、エステル基、アミド基、芳香
    環および複素環を示す。〕で表されるアジリジン誘導体
    で処理された着色剤であることを特徴とする重合トナ
    ー。
  2. 【請求項2】重合性単量体とあらかじめ前記一般式で表
    されるアジリジン誘導体で表面処理された着色剤とを含
    有する単量体組成物を懸濁重合することを特徴とする重
    合トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】重合性単量体および着色剤を主成分とする
    単量体組成物を前記一般式で表されるアジリジン誘導体
    の共存下で懸濁重合することを特徴とする重合トナーの
    製造方法。
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