JP2523696B2 - 直接サイクル型原子力プラント - Google Patents

直接サイクル型原子力プラント

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は直接サイクル型原子力プラント及びその運転
方法及びそれに用いられる燃料棒に関するもので、放射
性窒素原子16Nのキャリーオーバーに起因する主水蒸気
系及びタービン系の線量率低減に関する。
[従来の技術] 沸騰水型原子炉、新型転換炉(ATR)などのような直
接サイクル型原子炉では炉心の核***反応熱により原子
炉で発生した水蒸気により直接タービンを駆動するが、
炉心で原子炉炉水(以下、炉水と称す)の水分子中の酸
素原子が中性子照射により放射化される結果生成する放
射性の窒素原子16Nのキャリーオーバーがタービン系線
量率の原因となる。16Nによるタービン系の線量率は主
水蒸気管の表面線量率にして数R/hになるが、以下の2
つの点で低減が必要である。
(1)原子炉運転中の点検作業時の放射線被曝低減。
(2)原子力発電所敷地境界における線量率規制(スカ
イシャイン規制)。
上記の目的のため従来は第2図に示すように、主水蒸
気管9の両側及び上部を鉄板14により遮蔽してきたが、
原子炉における16Nの発生及び放出を抑制する面からの
対策は現象そのものの理解が進んでいなかったために行
なわれていなかった。
我が国の原子炉で適用されているような応力、材料面
での鋭敏化ステンレス鋼の応力腐食割れ防止策が施され
ていないプラントでは、水素注入により原子炉炉水中の
酸素濃度の低減策が広く適用されつつあるが、その場
合、第3図に示すように水素注入量を増すにつれ、主水
蒸気中の16N濃度が増加するという問題が見出されてお
り、上記のスカイシャインがらみで水素注入が実施でき
ないプラントもある。水素注入による16N増加のメカニ
ズムも明らかにされていない。このために例えば特開昭
57−194399号公報あるいは特開昭62−151797号公報に記
載された原子力プラントが提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記従来技術のうち、特開昭57−194399号公報記載の
ものは、N2を除去する装置を設けたものである。しか
し、実質的に16NはN2の化学形態では存在せず、NOxの形
態で水蒸気中に随伴してくる。従って、N2除去装置では
16Nを効果的に除去することは到底不可能である。
又、特開昭62−151797号公報記載のN2ガス注入装置の場
合は、14NH316NH3の同位体交換反応効率が悪いという
欠点がある。
ところで、タービン系の16Nは従来から鉄板による遮
蔽が唯一の対策であったがこれには以下に示すような問
題がある。
(1)16Nから放出されるガンマ線のエネルギーは6〜7
MeVと高く、そのため遮蔽に必要な鉄板の厚さは150mm程
度となる。したがって、主水蒸気管及びタービン本体を
蔽う鉄板の全重量は数百トンにも及び、タービン建屋自
体をそうした重量物を支えうる構造にする必要上、耐
震、耐荷重面で非常に厳しい設計上の制約を受けること
になる。
(2)定検時、主水蒸気系配管、タービンは解体補修さ
れるが、このとき遮蔽鉄板は重いものであるほど、作業
性が著しく劣悪になる。
(3)水素注入を行う場合、第3図で見たように線量率
は通常の5倍程度まで増加しうる。遮蔽強化によって線
量率低減を図る場合、上記で示した重量等の制約によ
り、場合によってはタービン建屋そのものの大がかりな
改造まで対策に含める必要がある。
以上示したように遮蔽強化による16N線量率低減策は
様々な面で本質的な対策になり得ない。
本発明は、応力腐食割れを防止し、原子炉炉水中で生
成する16Nが主蒸気系に移行する量を低減することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、亜硝酸イオンを含む物質又は亜硝酸イオ
ンを生成する物質を一次冷却水中に注入する注入手段
と、前記一次冷却水中の亜硝酸イオン濃度を測定する測
定手段と、該測定手段で測定された亜硝酸イオン濃度に
基づいて前記物質の注入量を制御する制御手段とを備え
ることにより達成される。
また、PbO2を一次冷却水中に注入することにより原子
炉炉水中の放射性窒素酸化物が水蒸気中に移行すること
を抑制する抑制手段を備えることにより達成される。
〔作用〕
以下、本発明の作用について説明する。
本発明は第一には、16Nが半減期7.2秒で非放射性の酸
素原子に変換するという性質を用いる。すなわち、16N
を半減期に相当する時間あるいはそれ以上の時間、圧力
容器内の液相あるいは固相に保持することができれば、
それだけで主水蒸気中の16Nを半分以下の濃度にするこ
とができる。液相あるいは固相への保持手段は以下の発
見に基づいている。すなわち、 (1)本発明者らは、16Nの主水蒸気系へのメカニズム
を明らかにするため第4図に示すような実験装置を製作
した。すなわち、オートクレーブ17の中にあらかじめ窒
素、水素を溶存させ所定の温度に達した後、ガンマ線で
照射し、水素及び窒素が水の放射線分解生成物と反応す
る結果生成するアンモニア濃度を測定した。結果は、1
5、60、100、150、200℃の各温度に対して第5図〜第9
図の丸印で示す通りである。
(2)ここで得られた実験結果に対して本発明者らは文
献調査及び実験結果の考察に基づき、第5図に示す主要
成分から成る反応スキームを見出し、表1に示す全体で
75反応の反応速度定数を用いて、コンピュータにより数
値シミュレーションを行った。その結果を第6図〜第10
図の実線で示す。シミュレーションの結果と実測値は全
温度範囲でファクタ2程度で一致した。また、低温での
アンモニアの濃度増加が飽和傾向を持つのに、200℃で
は直線的な増加傾向になるなどの傾向も良く一致してい
る。
(3)同じ反応スキームを用いて欧米プラントの水素注
入実験時のタービン系16Nの濃度上昇率をシミュレート
した結果を第11図に示す。通常のプラントの実測値に対
して計算値は上昇の比率及び上昇が始まる炉心入り口水
素濃度に付いて実測値と良く一致しており、ここで与え
た反応スキーム16Nの線量率評価モデルとして十分に現
実的なものであるといえる。
(4)第11図に示した結果から新たに得られた知見は、
タービン系に移行する16Nの化学形態は大部分一酸化窒
素であって従来から考えられていたようにアンモニアで
はないということである。
このことを成分相互の関連を示した第5図により説明
する。
炉心で水分子中の酸素原子から形成された16Nは水の
放射線分解生成物のうちの水素原子と反応してNHに、さ
らに、還元されて最終的にアンモニアになるが、この経
路の速度定数は相対的に遅いため、NとOHが反応してで
きるNOが16Nから最初に形成される主成分である。NOは
比較的安定であり、また気体でもあるので水蒸気中に放
出される。
一方、雰囲気が酸化性である場合はNOはOHラジカル等
により酸化されて不揮発性の亜硝酸、硝酸等に変換され
る。水素を注入しない通常運転時は8割程度の16Nは硝
酸として水中に保持される。水素を注入すると注入され
た水素から、 H2+OH→H+H2O ……(1) によって形成される水素原子により硝酸が亜硝酸に変換
され、これと平衡するNO濃度が増加し、従って、16Nの
主水蒸気中濃度も増加する。但し、水素原子濃度は水素
注入により直ちに増加するわけでは無く、ある濃度に達
するまでは専ら、 H+O2→HO2 ……(2) H+H2O2→H2O+OH ……(3) により酸素、過酸化水素との反応に消費されるため酸
素、過酸化水素濃度が十分に低くなるまでは増加しな
い。これを第11図に併せて示した。水素原子濃度の増加
が顕著になりだすところから線量率が上昇し始めている
ことが分かる。以上をまとめると、 (i)16Nは16NOの化学形態で主水蒸気中に放出され
る。
(ii)水素原子濃度が増加すると16NO放出量が増える。
したがって、16Nの低減は以下の手段により達成され
る。すなわち、 水素原子濃度を減らすか、OHラジカル濃度を増やし
16NOの水中平衡濃度を低減する。
16NOを何らかの添加成分と反応させ分子状でない成
分に変換する。
16NOを水中で一定時間以上吸着材に捕捉しおく。
化学的な性質の等しい14NO濃度を予め高めておき、
気液平衡関係から液相から16NOの水蒸気相への移行(放
出)を抑制する。
以上の対策は、炉心部からセパレータ出口の間の領域
のみで有効であればよい。すなわち、二相流部はセパレ
ータ出口までであり、セパレータ出口において液相中に
保持された16Nはその化学形態の如何にかかわらず一次
系を循環するうちに放射性壊変により安定な16Oになる
ので主水蒸気系の線量率への影響は無くなる。すなわ
ち、セパレータまでの流路において16Nの液相から気相
への移行を上記(i)及び(iii)の手段により平均的
に遅らせてやれば、主水蒸気系の16N低減が達成でき
る。
以下、特に水素原子濃度低減、あるいはOH濃度増加と
いう点から考えられる対策の有効性を示す。ここでは、
NO、NO2、NO2 -を例として選択し、解析により16NO低減
効果を評価する。
第12図〜第14図はここで選んだ成分の注入量を変えた
時の水蒸気中の16NO濃度、炉水中の酸素、過酸化水素、
硝酸、亜硝酸濃度の計算値を示したものである。いずれ
の場合も炉心入口濃度にして10-6〜10-5mol/lの濃度に
保持すれば約一桁16NO濃度が低減できることがわかる。
さらに、酸素、過酸化水素の低減効果も期待できること
が分かる。一方で、10-4mol/l程度まで注入すると硝
酸、亜硝酸が高濃度になり、また酸素の濃度も増えだす
ので、あまり大量に注入すると、材料の応力腐食割に対
して問題があることが分かる。以上の結果は次のように
解釈できる。すなわち、注入した成分が水の放射線生成
物と反応する結果、NOの濃度が増加する過程で、例え
ば、 NO2 -+H→NO+OH- …(4) NO2+H→NO2 -+H+ …(5) などの反応により水素原子の平衡濃度が低下し H+OH→H2O …(6) などの反応も進行しにくくなり相対的にOHラジカルの濃
度も増加する。したがって炉心で生成した16Nが16NOに
なっても、16 NO+OH→H+16NO2 - …(7) によって亜硝酸の形態をとりやすく、一度亜硝酸になる
と、16 NO2 -+H→16NO+OH- …(8) の反応は水素原子濃度が低いので進行しにくくなる。以
上のようにして16NOの平衡濃度が低くなるので主水蒸気
中の16NO濃度も低減することになる。一方、過酸化水素
や酸素濃度が減るのは、 NO2 -+H2O2→NO3 -+H2O …(9) などの反応によると考えられる。
次にN2を注入した場合の解を第15図に示す。N2の場合
は上記3種の化合物程顕著な効果は無い。これは、N2
部分的にNO,NO2などに変化するが効率的ではなくN2のま
ま水蒸気へ抜けていく割合が高いためと考えることがで
きる。効率的ではないがN2の場合、入手し易く、安価で
ある。
この他にも水素原子と速い反応速度を持つ成分には銀
イオン、クロム酸、銅などがあり、これらの成分の炉水
中の添加によっても同様の16NO低減効果が期待できる。
以上の結果から、本発明において、水素原子を低減す
るのに最も有効な方法はNO2又はNO2 -を注入する方法で
ある。
水素原子濃度を減らす代りにOHラジカル濃度を増やし
ても、16 NO+OH→16NO2 -+H+ ……(10) の反応により16NO濃度を低減することも可能である。そ
の例としてN2O、H2O2注入した時の解析結果を第16図、
第17図に示す。それぞれの注入成分は、 N2O+e- aq+H2O→N2+OH+OH- ……(11) H2O2→2OH ……(12) の反応により水中のOHラジカル濃度を増加する作用を有
する。図から、OHラジカル濃度の増加も16NO低減に一定
の効果があることが分かる。H2O2注入はさほど大きな効
果として現われていないが、これは炉心に達するまでに
熱分解して酸素に変わり炉心で気相に抜けてしまうため
である。従って過酸化水素注入は炉心になるべく近い所
から行うのがよい。上式中のe- aqは水和電子と呼ばれる
もので水の放射線分解により照射下で常に存在している
ものである。過酸化水素も照射下で常に存在しているの
で過酸化水素の分解反応(12)を、例えば白金あるいは
遷移金属などの触媒を用いて促進することによりOHラジ
カル濃度を増すことが可能である。
第18図は通常の過酸化水素の分解速度を横軸に示した
数値倍した時の16NO濃度を示したもので顕著では無い
が、低減効果が現われている。
上述した水素原子濃度を減少させる方法又はOHラジカ
ル濃度を増加させる方法は水素が多量に存在する条件下
では好ましくない。それは添加した成分が水素原子と反
応するため水素注入による溶存酸素濃度低減効果が損な
われるためである。原子炉内では水の放射線分解により
水素が発生するが、本発明では少なくともこのような自
然に発生する水素量に抑えた条件下で実施するのが特に
好ましい。
本発明は次のような方法によっても16Nの抑制を達成
することが出来る。即ち、16Nが16NOの形で放出される
ことが分かっているので、NOと化学反応をして不揮発性
のものに変換させる成分、例えばNOと錯体を作るFeSO4
などを炉水に添加することによっても16N低減が可能で
ある。また、PbO2,ケイ酸アルミニウム、活性炭などの
窒素酸化物の吸収、吸着材料を炉水中に添加するか、炉
心廻りの材料表面に被覆する等の手段により、16N低減
が可能となる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。第
1図では注入するときの直接型原子力プラントの概略構
成を示したもので、亜硝酸注入装置1は給水系7、炉浄
化系6、制御棒冷却装置12、炉内計装管11、炉心緊急冷
却系8などに接続される。これらの注入点は原則的には
どこを選んでも効果は同一であり、どれか一ケ所で良い
が、先に言及したように過酸化水素のように炉心4に至
るまでに何等かの要因により形態が変化しやすいものに
ついては、注入点は制御棒冷却装置12、炉内計装管11の
ように炉心4に近い点が望ましい。注入成分は一次冷却
系内での蓄積が期待できるので最初から大量の注入をす
る必要は無く、硝酸、亜硝酸、過酸化水素など注入する
成分に対応するモニタ量をモニタ装置13で測定し、主水
蒸気配管9の表面線量率の変化から最適な注入率、注入
量に設定すれば良い。NO,N2Oなど窒素酸化物を注入する
場合はオフガス系にNOxが放出されるのでNOx処理装置を
備えた方が良いこともある。
第19図は液体注入装置の概要をブロック図で示したも
ので、硝酸、亜硝酸、過酸化水素などを含む水は貯留タ
ンク26に保存され、注水ポンプ25により原子炉一次系配
管27に注入される。硝酸、亜硝酸を用いる場合は対応す
る窒素酸化物のガスで26内の水中に硝酸、亜硝酸を形成
させた上で注入する。硝酸、亜硝酸等を注入した場合、
毎時0.3〜1Nm3/hのNOが放出される。従って、注入量は
この損失分に見合う量で良く、1日最大20〜30Nm3で済
む。注入率は弁24の開度を変えることなどにより制御す
ることができる。
第20図は亜硝酸の濃度を測定するモニタシステムを示
したもので、原子炉一次系配管22からサンプルされた水
は一部をバイパスさせながら、残りを高圧定流量ポンプ
30、分離カラム31、導電率計32から成るイオンクロマト
グラフ装置に流し、硝酸及び亜硝酸を分離、定量する。
第21図はNOの吸着材あるいは吸収材などを注入する場
合の注入装置の構成を示したもので、粉末状の吸着材、
吸収材は容器36内に保存され適宜貯留タンク37に供給さ
れる。貯留タンク37内では添加成分が沈殿するのを防ぐ
ため、スターラ38により水が攪拌される。この懸濁水は
第19図で示した溶液注入装置同様、加熱され原子炉一次
系配管22に注入される。
第22図は水の放射線分解の結果生成する過酸化水素の
分解を促進するための方法を示したもので、燃料棒被覆
管40の外表面に白金、遷移金属などの過酸化水素の分解
触媒層41を形成するものである。過酸化水素の分解のた
めの触媒を利用する方法としては、この他、分解触媒粉
末を炉水中に分散させても良い。
上記実施例によれば、線量率を約10分の1程度に低減
できるので。従って、次のような有益な結果をもたらす
利点がある。
(1)タービ建屋の原子炉運転中点検作業時の放射線被
曝低減が可能。
(2)タービン廻りの遮蔽用鉄板の軽量化または撒廃に
よる作業能率の向上及びタービン建屋設計強度の緩和が
可能。
(3)タービン建屋の非管理区域化による定検作業時の
能率が向上。
(4)原子力プラント敷地境界における線量率低減のた
め、これまでのプラント1基の敷地内に4〜5基のプラ
ントの建設が可能。
また、窒素酸化物の添加の場合は、炉水中の酸素、過
酸化水素の低減効果もあるので材料の耐腐食性の点でも
有利である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、直接サイクル型原子力プラントの運
転中において、炉水中の酸素濃度を材料の応力腐食割れ
に対して問題とならない程度に抑制できると共に、炉水
から主蒸気系に移行する16Nの主成分である16NOの量を
確実に低減できるので、16Nのタービン系へのキャリー
オーバーを著しく抑制し線量率を大幅に低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図はタービン
廻りの遮蔽用鉄板の配置を示す図、第3図は沸騰水型原
子炉における水素注入時のタービン系の線量率変化を示
す図、第4図は窒素溶存水の放射線分解を評価するため
に製作した実験装置のブロック図、第5図は窒素化合物
間の関連を示す図、第6図〜第10図は水に窒素と水素を
添加したときに水中に生成するアンモニア濃度の実測値
とコンピュータによる数値シミュレーションの結果を併
せて示したもので、第6図から順に水温15、60、100、1
50、200℃の結果を示す図、第11図は沸騰水型原子炉の
水素注入実験時のタービン系の16NOの増加率の計算値を
実測値及び炉水中の水素原子の濃度の計算値と比較して
示した図、第12図〜第16図は各種窒素酸化物、窒素分子
を注入したときの水蒸気中の16NO濃度、炉水中の酸素、
過酸化水素、硝酸及び亜硝酸の濃度変化を示す図で、注
入成分は第12図から順に、NO、NO2、NO2 -、N2、N2Oの場
合を示す図、第17図は過酸化水素を注入したときの主水
蒸気中の16NO濃度、炉水中の酸素及び過酸化水素の濃度
変化を示す図、第18図は過酸化水素の分解反応を速めた
ときの主水蒸気中の16NO濃度、炉水中の酸素および過酸
化水素の濃度変化を示す図、第19図は溶液の注入装置を
示す図、第20図は亜硝酸濃度のモニタ装置を示す図、第
21図は粉末状の成分を添加するための装置を示す図、第
22図は過酸化水素の分解を促進するための手法を示す図
である。 1…注入装置、2…圧力容器、3…NOx処理装置、4…
炉心、5…再循環配管、6…炉浄化系、7…給水配管、
8…緊急炉心冷却系、9…主水蒸気配管、10…タービ
ン、11…炉内計装管、12…制御棒冷却系、13…水質モニ
タ装置、14…遮蔽鉄板、15…ガンマ線源、16…ヒータ
ー、17…オートクレーブ、18…水質測定装置、19…送液
ポンプ、20…溶液貯留タンク、21…ガンマ線照射室、22
…原子炉一次系配管、23…熱交換器、24…流調弁、25…
送液ポンプ、26…溶液貯溜槽、27…窒素酸化物ガスボン
ベ、28…弁、29…熱交換器、30…高圧ポンプ、31…分離
カラム、32…電導率計、33…イオンクロマトグラフ、34
…熱交換器、35…送液ポンプ、36…触媒、吸着材充填
槽、37…溶液貯溜タンク、38…スターラー、39…燃料ペ
レット、40…燃料棒被覆管、41…触媒層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂上 正治 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 内田 俊介 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 三木 実 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭62−151797(JP,A) 特開 昭60−201298(JP,A) 特開 昭59−27295(JP,A) 特公 昭60−41755(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜硝酸イオンを含む物質又は亜硝酸イオン
    を生成する物質を一次冷却水中に注入する注入手段と、
    前記一次冷却水中の亜硝酸イオン濃度を測定する測定手
    段と、該測定手段で測定された亜硝酸イオン濃度に基づ
    いて前記物質の注入量を制御する制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする直接サイクル型原子力プラント。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記物質
    は窒素酸化物であることを特徴とする直接サイクル型原
    子力プラント。
  3. 【請求項3】PbO2を一次冷却水中に注入することによ
    り、原子炉炉水中の放射性窒素酸化物が水蒸気中に移行
    することを抑制する抑制手段を備えたことを特徴とする
    直接サイクル型原子力プラント。
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