JP2521869B2 - 水溶性フェノ―ル樹脂の製造方法 - Google Patents

水溶性フェノ―ル樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温硬化型鋳型造型に
用いられる高強度、好作業性、鋳型特性特に耐熱性と鋳
湯後の鋳型の崩壊性等が共に優れた鋳型に好適に使用さ
れる水溶性フェノール樹脂の製造方法に関するものであ
る。さらに詳細には3核体以上の高分子領域化合物を特
定の範囲におさえ、更に鋳型強度に寄与しない1核体化
合物成分の含有量を少量に押えることにより分子量分布
を狭くし、高強度で速硬化かつ低粘性の有機酸エステル
硬化型結合剤に好適に使用されるフェノール樹脂の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】常温硬化型ガス硬化鋳型造型方法には、
有機系、及び無機系の各種粘結剤を用いる方法がある。
水ガラス等の無機系粘結剤を用いこれを炭酸ガスで硬
化する方法は鋳湯時に有害ガスの発生が少ない反面鋳湯
後の鋳型の崩壊性が悪く、仕上工数が有機系バインダー
に比べかかること、さらに砂の回収・再生が困難である
欠点が上げられる。一方、有機系粘結剤を用いる造型法
としては、フラン樹脂、尿素変性フラン樹脂と過酸化物
を亜硫酸ガスで硬化する方法,ベンジリックエーテル型
フェノール樹脂とポリイソシアネートの混合物をアミン
ガスで硬化する方法などがある。これらの造型方法は、
鋳湯後の鋳型崩壊性は良好であるが、鋳物にガス欠陥,
スス欠陥,ベーニング欠陥等の悪影響を及ぼすなど、冶
金学上多くの問題点が指摘されている。更に、発生する
SOx、NOxガスによる作業環境の悪化、大気汚染によ
る酸性雨の一原因との指摘もされ始め社会問題となって
いる。
【0003】このような欠点を解決する目的で、粘結剤
に冶金学的に優れた塩基性の物質を用い鋳型を製造する
技術が望まれていた。従来このような鋳型の製造技術と
しては、レゾール形フェノール系樹脂とエステル類を用
い鋳型を製造する技術は特開昭49−16793号公報
で公知であり、またレゾール型ナトリウムフェノラート
樹脂水溶液と有機酸エステルを用いる技術は特開昭50
−130627号公報に、カリウムアルカリフェノール
−ホルムアルデヒド樹脂を有機エステルで硬化させる技
術が特公昭61−37022号公報に示されている。し
かし上記製造技術では他の有機バインダーに比べ使用量
を多くしないと鋳型としての充分な強度発現がなく、ま
た多くすると造型作業時の充填不良やベタツキの発生に
よる造型作業の悪化、鋳湯におけるガス欠陥の増加、鋳
型崩壊性や砂回収性の悪化などにつながることがわかっ
ており実用的でない。
【0004】現実問題として、高強度性能と混練等の作
業性の改良はバインダーの製造面からは相反するもので
ある、このため従来両者のバランスの上に立って性能の
設計がなされている。まず高強度とする手段としては、
(1) フェノールに対するアルデヒドのモル比を高目とし
反応させる方法、(2) 反応を充分進め高分子とする方
法、(3) 樹脂分を高目とする方法などが考えられるが、
これらは何れも以下の理由で不十分である。 (1)の方法
では、フェノールとホルムアルデヒドのモル比を高目る
と高強度となる反面ホルマリン臭が強くなり混練・造型
作業性が悪くなる欠点がある。(2)及び(3)の方法は樹脂
のみに限って見れば常套手段であるが、結合剤としての
応用面を考慮するならいずれも高粘性となるため鋳物砂
に対する濡れ性が悪く混練・造型作業性も悪い上に強度
も低いという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、冶金学的に優れ、且つ高強度で混練・造型作業
性また鋳湯後の砂崩壊性や有害ガスの発生が共に優れた
鋳型を製造するための粘結剤である水溶性フェノール樹
脂を製造する方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は高強度で混練
・造型時の作業性がしやすくなる粘結剤の低粘性との両
立という課題を解決するために鋭意研究した結果、高モ
ル比のフェノールとホルムアルデヒドとの反応により生
成する3核体以上の高分子領域の化合物の含有率が40〜
60重量%に達した時点で、硬化時強度発現に殆ど寄与せ
ず増粘化を促進している1核体成分を除去し減少させる
ことにより高強度で低粘性の粘結剤が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、フェノールとホルムアル
デヒドとをモル比1:1.6〜3.0で、反応触媒としてアル
カリ金属及び/又はアルカリ土類金属系化合物を用いて
反応させ、3核体以上の高分子化合物の含有率が40〜60
重量%に達した時点で、有機酸または無機酸で中和した
のち、水溶成分である1核体組成物の含有率が10重量
%以下に成るように水洗により除去を行うことにより得
られた樹脂に、アルカリ金属水溶液を加え、系を少なく
ともPH9にし、不揮発分を40〜70重量%とすることを
特徴とする水溶性フェノール樹脂の製造方法に関する。
【0008】以下に本発明の詳細を説明する。まず、本
発明の水溶性フェノール樹脂とは、フェノール(P)に対
するホルムアルデヒド(F)のモル比(F/P)は1.6〜3.0
であり、好ましくは1.8〜2.6である。このモル比は低く
ても高くても、強度及び混練・造型作業性に好結果を与
えないので、上記範囲が適当である。ここにおいて、上
記フェノールは例えばクレゾール、キシレノール、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノールの如
き他のフェノール類で大部分又は部分的に変性すること
もできる。アルデヒドとしてはアセトアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、グリオキザール等も使用できるが、ホル
ムアルデヒドが安価であり性能も良い。
【0009】次に上記反応触媒としては、ナトリウムも
しくはカリウムなどの如きアルカリ金属の酸化物又は水
酸化物、バリウム、カルシウムもしくはマグネシウムの
如きアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物又は弱酸塩が
挙げられる。これらのアルカリ金属化合物とアルカリ土
類金属化合物はこれらの一種あるいはに二種以上の併用
でもよいが、反応生成物を中和した後、最終的に除去さ
れるために安価なものが好ましい。そしてかかる反応触
媒の使用量はフェノ−ルに対して多いほど好ましいけれ
ども、除去されるという点からすれば、あまり多すぎる
のは不経済であるからフェノールに対して0.05モル以上
であるが、0.08〜0.20モルが適当である。また中和用の
酸類については、これらと反応触媒であるアルカリ類と
の塩が水溶性になるように組合せを選択すべきであると
いう制約以外に何の制限もない。PHを4.5〜7.0に中和
して水和塩の形で実質的にその全量を除去できるものが
良く、炭酸、酢酸、シュウ酸などの如き有機酸、塩酸、
リン酸などの無機酸も一般的である。
【0010】本発明に用いる粘結剤を得るにあたって、
フェノールとホルムアルデヒドとの反応程度は特に重要
である。できるだけ速やかに反応させ2〜4核体のもの
が多く出来るように制御しなければならない。これらは
鋳型強度性能を向上させるので、できるだけ多い方がよ
い。しかし更に高分子の化合物は結合剤の粘性を上げす
ぎ混練性に悪影響を及ぼすので好ましくない。また、1
核体化合物であるフェノール、モノメチロールフェノー
ル、ジメチロールフェノール、トリメチロールフェノー
ル等はフェノール樹脂の粘性を上げるが鋳型強度性能に
は殆ど奇与しないことが本発明に用いる粘結剤の検討の
結果判明した。このようなことから、工業的管理面から
すれば反応温度自体におのずと制約を生じ、通常 70〜1
00℃、より好ましくは75〜95℃の範囲が適当であり、反
応温度が高いと反応制御が難しくなり危険である、逆に
低すぎると1核体化合物が多くなり除去により歩留りが
悪くなる。
【0011】また、反応の終点はなんらかの形で分子量
分布の測定ができるような装置により管理される必要が
ある。本発明に用いる粘結剤を得るに際してのフェノー
ルとホルムアルデヒドとの反応終点は、「高速液体クロ
マトグラフ HLC-8020」(東洋曹逹工業、以下「HLC」
と称す)を用いて管理する事が望ましい。しかしなが
ら、この方法は多少時間を要するので、簡便法として水
倍率又は反応生成物の粘度とHLCとの相関関係を予め
取って置けば代替管理でき一般的である。かかる方法に
より反応生成物中における3核体以上の高分子化合物の
含有率が40〜60重量%に達した時点で反応を中止す
る。鋳型強度性能上からは、1核体化合物は不要である
ことは前述したとおりである、反応をさらに進めること
によって2核体以上の化合物の含有率は上がるが、より
高分子化も進み粘性が急激に増大してしまう。
【0012】一方、反応を中止した時点で中和をするこ
とにより2核体以上の高分子量のものは水溶性を失い沈
殿するが、1核体化合物であるフェノール、モノメチロ
ールフェノール、ジメチロールフェノール、トリメチロ
ールフェノール等は水溶性を残しており両者は分離でき
る。分離する方法としては、減圧水蒸気蒸留法、水洗法
が考えられるが、簡便かつ常温で実施できる水洗による
除去法が望ましい。水洗回数を調節することにより1核
体化合物の残量のコントロ−ルは可能であるが、鋳型強
度特性と経済性のバランスの点から10重量%以下、鋳
型性能上望ましくは7重量%以下、特に5重量%以下で
ある。
【0013】次に、1核体化合物を除去したものに再度
アルカリ金属化合物を添加混合する事により2核体以上
の高分子化合物は再度水溶性となる。アルカリ金属化合
物は少なくともPH9になるように加える。望ましくは
PH11〜13である。アルカリ金属化合物としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなる群より選ばれ、単独又
は併用であっても差支えない。また、更に鋳型性能を向
上させる目的でシランカップリング剤を加えても差支え
ない。好ましいシランカップリング剤としては、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシランやγ−(2−アミノエ
チル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ
る。
【0014】また、本発明の水溶性フェノール樹脂を用
いて鋳型を製造する際、硬化剤である有機エステルとし
ては、ギ酸メチル、ギ酸エチルが好ましく使用できる
が、他の揮発性有機エステルも使用可能である。。かか
る有機エステルの使用量としては本発明のフェノール樹
脂 100重量部に対し5〜40重量部、特に10〜30重量部が
適当である。さらに、鋳型製造時、鋳型製造用の金型や
木型自体必ずしも完全に密閉されていないため、ガス状
の硬化剤は通気中に金型や木型から漏れる為、さらに多
量の硬化剤を必要とする場合がある。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。しかし
本発明は実施例によって限定されるものではない。ま
た、実施例、比較例で示される「部」および「%」はす
べて「重量部」及び「重量%」である。 (実施例1)冷却器と攪拌器付きの反応容器に、フェノ
−ル470部(5.0モル)、37%ホルマリン730部(9.0モル)、
50%水酸化ナトリウム40部(0.50モル)を仕込み、徐々に
昇温し、85℃で還流した。還流開始から2時間この温度
に保持し、水倍率 480%まで反応させた。直ちに冷却を
開始すると同時に50%酢酸(温度50℃)を加えてPH5.
5 に中和した。中和後水洗用の水 500部を加えながら40
℃以下になるように撹拌しながら冷却し、充分撹拌後30
分静置した。この間2核体以上の高分子化合物は沈殿し
た。1核体成分を含有する分離水を除去し再び水を加
え、この水洗工程を3回繰返し行った。次に50%水酸化
ナトリウム200部を冷却しながら添加しPH12、粘度が
80CPs/25℃になるように調節してからアミノシランカッ
プリング剤 0.5%加えて目的の水溶性フェノール樹脂を
得た。このものは粘度 80CPs/25℃、不揮発分 50%、遊
離フェノ−ル分 1.2%、遊離フェノ−ルを含む1核体成
分の含有率 7.0%、3核体以上の高分子成分の含有率6
4.2%で、残りの28.8%が2核体成分であった。図1は
この水溶性フェノール樹脂のHLCチャートであり、1
核体、2核体及び3核体以上の含有量は、それぞれ自動
分析機により測定したが、チャ−トの各領域面積を切取
りその重量からも求められる。
【0016】(実施例2)冷却器と攪拌器付きの反応容器
に、フェノール470部(5.0モル)、37%ホルマリン811部
(10.0モル)、50%水酸化ナトリウム40部(0.50モル)を仕
込み、徐々に昇温し、80℃で還流した。還流開始から2
時間この温度に保持し、水倍率 400%まで反応させた。
直ちに冷却を開始すると同時に50%酢酸(温度50℃)を
加えてPH5.5 に中和した。中和後水洗用の水 500部を
加えながら40℃以下になるように撹拌しながら冷却し、
充分撹拌後30分静置した。この間2核体以上の高分子化
合物は沈殿した。1核体成分を含有する分離水を除去し
再び水を加え、この水洗工程を5回繰返し行った。次に
50%水酸化ナトリウム200部を冷却しながら添加しPH1
2、粘度が 70CPs/25℃になるように調節してからアミノ
ランカップリング剤 0.5%加えて目的の水溶性フェノー
ル樹脂樹脂を得た。このものは粘度 70CPs/25℃、不揮
発分 53%、遊離フェノ−ル分 0.9%、遊離フェノ−ル
を含む1核体成分の含有率 4.8%、3核体以上の高分子
成分の含有率67.2%で、残りの28.0%が2核体成分であ
った。
【0017】(実施例3)冷却器と攪拌器付きの反応容
器に、フェノ−ル470部(5.0モル)、37%ホルマリン730
部(9.0モル)、50%水酸化カリウム56部(0.50モル)を仕
込み、徐々に昇温して85℃で還流させる。還流開始から
2時間この温度に保持し、水倍率 300%まで反応させ
た。直ちに冷却を開始すると同時に50%酢酸(温度50
℃)を加えてPH5.5 に中和した。中和後水洗用の水 5
00部を加えながら40℃以下になるように撹拌しながら冷
却し、充分撹拌後30分静置した。この間2核体以上の高
分子化合物は沈殿した。1核体成分を含有する分離水を
除去し再び水を加え、この水洗工程を3回繰返し行っ
た。次に50%水酸化ナトリウム200部を冷却しながら添
加しPH12、粘度が 90CPs/25℃になるように調節して
からアミノシランカップリング剤 0.5%加えて目的の水
溶性フェノール樹脂を得た。このものは粘度 90CPs/25
℃、不揮発分 50%、遊離フェノ−ル分 1.4%、遊離フ
ェノ−ルを含む1核体成分の含有率 6.0%、3核体以上
の高分子成分の含有率66.2%で、残りの27.8%が2核体
成分であった。
【0018】(実施例4)冷却器と攪拌器付きの反応容
器に、フェノール470部(5.0モル)、37%ホルマリン81
1部(10.0モル)、50%水酸化カリウム56部(0.50モル)を
仕込み、徐々に昇温して80℃で還流した。還流開始から
2時間この温度に保持し、水倍率 350%まで反応させ
た。直ちに冷却を開始すると同時に50%酢酸(温度50
℃)を加えてPH5.5 に中和した。中和後水洗用の水 5
00部を加えながら40℃以下になるように撹拌しながら冷
却し、充分撹拌後30分静置した。この間2核体以上の高
分子化合物は沈殿した。1核体成分を含有する分離水を
除去し再び水を加え、この水洗工程を5回繰返し行っ
た。次に50%水酸化カリウム200部を冷却しながら添加
しPH12、粘度が 75CPs/25℃になるように調節してか
らアミノランカップリング剤 0.5%加えて目的の水溶性
フェノール樹脂を得た。このものは粘度 75CPs/25℃、
不揮発分 51%、遊離フェノ−ル分 0.8%、遊離フェノ
−ルを含む1核体成分の含有率 4.5%、3核体以上の高
分子成分の含有率68.3%で、残りの27.2%が2核体成分
であった。
【0019】(比較例1)冷却器と攪拌器付きの反応容
器に、フェノ−ル470部(5.0モル)、37%ホルマリン730
部(9.00モル)、50%水酸化ナトリウム40部(0.50モル)を
仕込み、徐々に昇温して85℃で還流した。還流開始から
2時間この温度に保持し、水倍率 490%まで反応させ
た。次に50%水酸化ナトリウム 210部を冷却しながら添
加しPH12、粘度が180CPs/25℃になるように調節して
からアミノシランカップリング剤 0.5%加えて目的の樹
脂縮合物を得た。このものは粘度 180CPs/25℃、不揮発
分53%、遊離フェノ−ル分 1.9%、遊離フェノ−ルを含
む1核体成分の含有率18.5%、3核体以上の高分子成分
の含有率56.2%で、残りの25.3%が2核体成分である水
溶性フェノール樹脂得た。
【0020】これらの実施例、比較例で得られた水溶性
フェノール樹脂を粘結剤としてフラタリー珪砂3000部に
対し60部加え1分間混合後、混合砂を50φ×50mmの鋳型
造形部を有する金型へ入れ造型し、これに気化させたギ
酸メチルガスを通気させて硬化させた。金型より成型さ
れた鋳型を取り出し経時毎の圧縮強度を測定した。また
混練後2時間経過した配合砂を用いて同様に造型を行な
い24時間放置後をもって可使強度とした。また、砂の流
動性は作業性の善し悪しを左右するので、これを計る尺
度として充填密度を採用した。これは硬化した50φ×50
mmの鋳型の重量を容積で除したものである。また造型後
24時間経過した鋳型を用いて注湯試験を行なった。更
に、28φ×50mmの木型を用いて上記と同じ方法で鋳型を
作り熱間圧縮強度試験を実施した。得られた結果を表1
に示すが、各実施例により得られた鋳型は比較例に比べ
良好な特性を示している。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上の結果からも明らかなように、本発
明で得られた水溶性フェノール樹脂は、これを用いて有
機エステル硬化型の鋳型を製造した場合、初期及び最終
強度共に優れ、また、配合砂の造型作業性のパラメ−タ
−である流動性を現す充填密度も良く、更に臭気の原因
と成る低沸点分である1核体が粘結剤に少ないことから
造型・注湯時の作業性にも優れ、環境改善に役立つ効果
が見られる。一方、崩壊性についても従来品の水準にあ
ることが判った。硬化に不要な1核体成分が粘結剤より
除去されているので、熱間強度の向上が見られるメリッ
トも得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂粘結剤についてHLCチャ−
ト。
【符号の説明】
A 3核体以上の高分子化合物の領域 B 2核体化合物の領域 C 1核体化合物の領域で、それぞれ、2−メチロール
フェノール、4−メチロールフェノール、2,4−ジメ
チロールフェノール、2,6―ジメチロールフェノー
ル、2,4,6−トリメチロルフェノール及び遊離フェノ
ールの領域

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールとホルムアルデヒドとをモル
    比1:1.6〜3.0で、反応触媒としてアルカリ金属及び/
    又はアルカリ土類金属系化合物を用いて反応させ、3核
    体以上の高分子化合物の含有率が40〜60重量%に達
    した時点で、有機酸または無機酸で中和したのち、水溶
    性成分である1核体化合物をその含有率が10重量%以
    下になるように除去を行うことにより得られた樹脂に、
    アルカリ金属水溶液を加え、系を少なくともPH9に
    し、不揮発分を40〜70重量%としたことを特徴とす
    る水溶性フェノール樹脂の製造方法。
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