JP2516453C - - Google Patents

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JP2516453C
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血管内狭窄部を治療するために、狭窄部を拡張し、狭窄部末梢側に
おける血流の改善を図るための拡張体付カテーテルに関するものである。 [従来の技術] 従来より、血管内狭窄部を拡張する拡張体付カテーテルとしては、例えば米国
特許第4,323,071号明細書に示されるようなシンプソン−ロバートタイプと呼ば
れるものが用いられている。以前では、血管拡張適応症例も、解剖学的に冠動脈
近位部の限局性狭窄であり長さ15〜20mm程度、一枝病変、石灰化していない病変
部等に限定されていた。そして、より適応症例を拡大するために上記タイプのカ
テーテルは、より末梢側血管内の狭窄、より高度(亜完全閉塞)な狭窄にも適応
できるようになってきた。 そして、本件出願人は、特開昭63-212373号公報に示すように、内管と、この
内管と同軸的に設けられた外管と、内管および外管に取り付けられた拡張体とか
らなるカテーテルを提案している。 [発明が解決しようとする間題点] 上記の米国特許第4,323,071号明細書に示されるようなシンプソン−ロバート
タイプのカテーテルおよび特開昭63-212373号公報に示すものでは、内管と外管
とは、基端側において固定されているが、先端側においては、外管の先端部に拡
張体の基端部が固定され、内管の先端部に拡張体の先端部が固定されいる。よっ
て、先端側においては、内管と外管とは、拡張体を介して接続されている。 上記の米国特許第4,323,071号明細書および特開昭63-212373号公報に示すよう
な外管と内管とが同軸的に設けられたコアキシャルタイプのカテーテルでは、血
管内に挿入する際には、拡張体を内管の外周に折り畳んだ状態として挿入を行う
。しかし、このカテーテルでは、拡張体付カテーテルを血管内に挿入すると、拡
張体部分の摩擦抵抗と、外管の摩擦抵抗との相違、内管の先端部が血管内に当接
することによる内管の微妙な後退などにより、外管と内管との進行に微妙なズレ
が生じることがある。このズレにより、きちんと折り畳まれていた拡張体に伸び
る方向あるいは縮む方向に力が加わり、拡張体が変形し易くなり、折り畳まれた
状態より、外径が大きくなることがあった。このため、カテーテルの操作性、特
にカテーテルの拡張体部分を血管内狭窄部に押し込む作業が困難となる場合があ
った。 [上記問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するものは、上記問題点を解決し、外管と内管とが同軸的に設
けられたコアキシャルタイプのカテーテルであっても、血管内挿入時における外
管と内管との進行の微妙なズレを防止し、このズレに起因する折り畳まれた状態
の拡張体の外径が大きくなることを抑制し、カテーテルの操作性、特にカテーテ
ルの拡張体部分を血管内狭窄部に押し込む作業を容易ととした拡張体付カテーテ
ルを提供するものである。 上記目的を達成するものは、先端が開口している第1のルーメンを有する内管
と、該内管を挿通するとともに、該内管の先端より所定長後退した位置に先端を
有し、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基
端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該先端部が前記内管に取り付
けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する折り畳み可能な拡張体と、 前記第1のルーメンと連通する前記内管の基端部に設けられた第1の開口部と、
前記第2のルーメンと連通する前記外管の基端部に設けられた第2の開口部とを
有し、前記外管の先端部付近は、前記第2のルーメンを閉塞しない状態に前記内
管に固定されている拡張体付カテーテルである。 また、前記第2のルーメン内には、軸方向に延びる線状体により形成された剛
性付与体が設けられていることが好ましい。さらに、前記剛性付与体の先端は、
前記外管と内管の固定位置より基端側にあり、かつ固定されていないものである
ことが好ましい。また、前記外管と内管の固定は、該内管の外径とほぼ等しい外
径と、前記外管の内径をほぼ等しい外径と有し、さらに部分的欠損部を有する充
填材により行われていることが好ましい。さらに、前記充填材は、全周の1/2
以上の肉厚部分を有していることが好ましい。また、前記拡張体は、中央部分に
略円筒部分を有しており、前記内管には、該略円筒部分の対応する位置に補強体
が設けられていることが好ましい。さらに、前記補強体は、X線不透過材料によ
り形成されていることが好ましい。そして、前記補強体は、前記内管の外面に巻
き付けられたコイル状線状体により形成されていることが好ましい。さらに、前
記コイル状線状体は、両端部分が密に巻かれている。また、前記外管の先端は、
縮径していることが好ましい。さらに、前記外管の先端は、前記内管に固定され
ておらず、縮径しているとともに、前記補強体の一部は、縮径した外管の先端部
により内管に固定されていることが好ましい。 そこで、本発明の拡張体付カテーテルを図面に示す実施例を用いて説明する。 第1図は、本発明の拡張体付カテーテルの一実施例の先端部の拡大断面図であ
り、第3図は、カテーテルの基端部を示す図面である。 本発明の拡張体付カテーテル40は、先端が開口している第1のルーメン4を有
する内管1と、内管1を挿通するとともに、内管1の先端より所定長後退した位
置に先端を有し、内管1の外面との間に第2のルーメン6を形成する外管2と、
先端部7および基端部8を有し、基端部8が外管2に取り付けられ、先端部7が
内管1に取り付けられ、基端部付近にて第2のルーメン6と連通する折り畳み可
能な拡張体3と、第1のルーメン4と連通する内管1の基端部に設けられた第1
の開口部9と、第2のルーメン6と連通する外管2の基端部に設けられた第2の 開口部11とを有し、そして、外管2の先端部付近は、第2のルーメン6を閉塞し
ない状態に内管1に固定されている。 以下、図面を用いて説明する。 本発明の拡張体付カテーテル40は、内管1と外管2と拡張体3とを有するカテ
ーテル本体と、分岐ハブ20とにより形成されている。 内管1は、先端が開口した第1のルーメン4を有している。第1のルーメン4
は、ガイドワイヤーを挿通するためのルーメンであり、分岐ハブ20に設けられた
ガイドワイヤーポートを形成する第1の開口部9と連通している。内管1として
は、外径が0.30〜2.50mm、好ましくは0.40〜2.40mmであり、内径が0.20〜2.35mm
、好ましくは0.25〜1.80mmである。 内管1の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例え
ば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ
アミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテッ
クスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは
、ポリオレフィンである。 外管2は、内部に内管1を挿通し、先端が内管の先端よりやや後退した位置に
設けられている。第1図におけるIII−III線断面図である第5図に示すように、
この外管2の内面と内管1の外面により第2のルーメン6が形成されている。こ
のため、第2のルーメン6は、十分な容積を有している。第2のルーメン6は、
その先端が後述する拡張体3内の後端部と連通し、第2のルーメン6の後端は分
岐ハブ20に設けられた拡張体を膨張させるための流体(例えば、血管造影剤)を
注入するためのインジェクションポートである第2の開口部11と連通している。 そして、外管2の先端部は、第2のルーメン6を閉塞しない状態で、内管1に
固定されている。具体的には、第1図および第1図のI−I線断面図である第2
図に示すように外管2の先端部であって、若干基端側の位置において内管1に固
定されている。特に、この実施例では、外管2と内管1との間に設けられた充填
材5を介して固定されており、この充填材は部分的欠損部5aを有しており、こ
の欠損部5aにより、第2のルーメン6と拡張体3の内部とが連通している。こ のように外管2の先端部を内管1に固定することにより、血管内挿入時における
外管と内管との進行の微妙なズレを防止し、このズレに起因する折り畳まれた状
態の拡張体の変形を抑制することができる。充填材5としては、内管1および外
管2の成形材料と接着性を有する材料が好適に使用され、熱、超音波、さらには
接着剤等により、両者に固定される。またこの充填材5は、内管1の外径とほぼ
等しい内径を有し、さらに外管2の内径とほぼ等しい外径を有していることが好
ましい。充填材5の長さとしては、1〜10mm、好ましくは2〜8mmである。充填
材5の成形材料としては、内管および外管の成形材料によっても異なるが、例え
ば、内管1および外管2がポリオレフィン系材料からなる場合は、EVA(エチ
レンビニルアセテート)などが好適に使用できる。また充填材5としては、第3
図に示すように、全周の1/3以上、好ましくは、1/2以上の肉厚部分を有す
ることが好ましい。より好ましくは、0.5〜0.95、特に好ましくは0.6〜0.93であ
る。この範囲内であれば、第2のルーメン6と拡張体との連通をあまり阻害せず
、かつ外管と内管とを確実に固定することができる。また充填材5の形状として
は、第2図に示すものに限らず、第7図および第8図に示すように、断面が三角
形、四角形、六角形(第8図)などの多角形状、歯車状(第7図)、偏平状など
となっているものでもよい。 また、外管2の先端は、第1図に示すように、テーパ状に縮径していることが
好ましく、さらに、外管2の先端を内管1に固定しないことが好ましい。このよ
うにすることにより、カテーテル40の基端にて与えられた応力が、内管1と外管
1の固定部、つまり充填材5部分への集中に起因するカテーテルの折れ曲がりを
防止することができる。 外管2としては、外径が0.50〜4.30mm、好ましくは0.60〜4.00mmであり、内径
が0.40〜3.80mm、好ましくは0.50〜3.00mmである。 外管2の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例え
ば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、ポリ塩化ビニル、ポリア
ミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコンゴム、ラテックス
ゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくはポリ オレフィンである。 そして、第2のルーメン6内に剛性付与体13を設けることが好ましく、剛性付
与体13は、第1図、第5図およびカテーテル基端部の断面図である第6図に示す
ように、外管2の内面と内管1の外面とにより形成された第2のルーメン6内に
カテーテル本体の基端から外管2の先端付近まで延びている。剛性付与体13は、
カテーテルの可撓性をあまり低下させることなく、屈曲部位でのカテーテル本体
の極度の折れ曲がり、カテーテル本体の血管内での蛇行を防止し、カテーテル先
端部の血管内狭窄部への押し込みを容易にする。そして、剛性付与体13は、線状
体により形成されていることが好ましい。線状体としては、金属線であることが
好ましく、線径0.05〜1.50mm、好ましくは0.10〜1.00mmのステンレス鋼等の弾性
金属、超弾性合金などであり、特に好ましくは、ばね用高張カステンレス鋼、N
i/TiまたはCa/Al/Niなどの合金線である。さらに、剛性付与体13は、
基端部において固定されており、先端部および中間部が固定されていないことが
好ましい。剛性付与体13の先端部端部および中間部分を固定しないことにより、
カテーテルの先端部が湾曲したとき、剛性付与体13は、第2のルーメン内におい
て、ずれるためカテーテルの先端部の可撓性を阻害しないので好ましい。このよ
うな剛性付与体13を設けることにより、カテーテル本体が、血管内にて蛇行する
ことを防止する。このため、蛇行部にて、カテーテル本体の基端部にて与えた押
込力が緩衝されることがなくなり、カテーテル本体の基端部にて与えた押込力を
、カテーテルの先端まで確実に伝達することができる。よって、カテーテルの操
作性、特に、カテーテルの先端部(拡張体が取り付けられている部分)を血管内
狭窄部に押し込む作業が容易となるとともに、高度の血管内狭窄部(亜完全閉塞
部)にも、カテーテルの先端部を挿入することが可能となる。 拡張体3は、折り畳み可能なものであり、拡張させない状態では、内管1の外
周に折りたたまれた状態となることができるものである。拡張体3は、血管の狭
窄部を容易に拡張できるように少なくとも一部が略円筒状となっているほぼ同一
径の略円筒部分3aを有している。上記の略円筒部分は、完全な円筒でなくてもよ
く、多角柱状のものであってもよい。そして、拡張体3は、その後端部8が外管
2の先端部に接着剤または熱融着などにより液密に固着され、先端部7は、内管 1の先端部に同様に液密に固着されている。また、第1図に示すように、外管2
の先端は、テーパー状に縮径している場合は、拡張体3の基端部8を、外管2の
テーパー状に縮径する部分に固定してもよい。この拡張体3は、第1図のII−II
線断面図である第4図に示すように、拡張体3の内面と内管1の外面との間に拡
張空間15を形成する。この拡張空間15は、後端部では、充填材5の欠損部5aを
介して第2のルーメン6と連通している。 拡張体3の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例え
ば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル
共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポ
リエステル等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、
好ましくは上記の熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、ポリエステル、特に、
ポリエチレンテレフタレートである。さらに、拡張体3は、円筒部分3aの前方お
よび後方に上述した内管1および外管2との固着部分7,8に至るまでの部分は
テーパー状となっている。拡張体3の大きさとしては、拡張されたときの円筒部
分の外径が、1.00〜35.00mm、好ましくは1.50〜30.00mmであり、長さが3.00〜80
.00mm、好ましくは10.00〜75.00mmであり、拡張体3の全体の長さが5.00〜120.0
0mm、好ましくは15.00〜100.00mmである。 また、内管1の外面に補強体14を設けることが好ましい。補強体14は、第1図示
すように、コイルスプリングからなることが好ましく、このように、スプリング
状とすることにより、拡張体内に位置する内管が屈曲部位にて折れ曲がること、
さらに、つぶれることを防止する。特に、補強体14を、1本のスプリングコイル
で形成し、これを内管1の外周に密着巻きにて巻装すれば、外力に対する耐力は
、より強固なものとなる。また、このコイル状の線状体の断面形状を楕円、方形
もしくは楕円のいずれかの形状をなすようにすれば、外力に対する耐力は、より
強固なものとなる。さらに、補強体14は、第1図に示すように、拡張体3の内管
1との固着部より後端側近傍の位置から、拡張体3と外管2との固着部より先端
側近傍の位置まで、つまり拡張体3の円筒部分3aの長さと同等の長さを有し、
位置を確認できるように形成されていることが好ましく、このためには、補強体
14 は、X線不透過材料(例えば、金、白金、タングステンあるいはそれらの合金、
あるいは銀−パラジウム合金等)からなることが好ましい。さらに、補強体14の
両端からそれぞれ0.5〜4mm、好ましくは1〜2mmが密に巻かれていることがよ
り好ましい。これは、X線透視下で拡張体3の位置を容易に確認可能とするため
である。また、補強体14は、第1図に示すように、端部が内管1と縮径した外管
2の端部との間により固定されていることが好ましい。このようにすることによ
り、補強体14をより確実に固定できる。 分岐ハブ20は、第3図に示すように、第1のルーメン4と連通しガイドワイヤ
ーポートを形成する第1の開口部9を有し、内管1に固着された内管ハブ22と、
第2のルーメンと連通しインジェクションポートを形成する第2の開口部11を有
し、外管2に固着された外管ハブ23とからなっている。そして、外管ハブ23と内
管ハブ22とは、固着されている。この分岐ハブの形成材料としては、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレ
ン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。分岐ハブ20の一実
施例の断面図を第6図に示す。この実施例では、外管2の末端部には、折曲がり
防止用チューブ50が設けられている。そして、折曲がり防止用チューブ50を取付
けた外管2は、外管ハブ23に止めピン52により固定されている。さらに、外管ハ
ブ23と折曲がり防止用チューブ50との接触面に接着剤を塗布して固着してもよい
。外管ハブ23の形成材料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホ
ン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑
性樹脂が好適に使用できる。 また、内管1の末端部には、折曲がり防止用チューブ60が設けられている。そ
して、剛性付与体13の基端部は、この収縮チューブ60により内管1の外面に固定
されている。剛性付与体13は必ずしも基端部を固定しなくてもよい。そして、折
曲がり防止用チューブ60を取り付けた内管1は、内管ハブ22に止めピン62により
固定されている。さらに、内管ハブ22と折曲がり防止用チューブ60との接触面
に接着剤を塗布して固着してもよい。内管ハブの形成材料としては、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート−ブチレ
ン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。そして、第6図に 示すように、内管ハブ22と外管ハブ23とは固定されている。また、分岐ハブ20の
代わりに、例えば、第1のルーメン、第2のルーメンそれぞれに、後端に開口部
を有するポート部材を設けたチューブを液密に取り付けるようにしてもよい。 次に、本発明の拡張体付カテーテルの製造方法を図面を用いて説明する。 この実施例の製造方法は、先端から後端まで貫通したルーメンを有する内管1
を成形する工程と、先端から後端まで貫通したルーメンを有し、内管の外径より
内径が大きく、かつ内管1より所定長短い外管2を形成する工程と、先端部7お
よび基端部8を有する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体3を形成する工程と、
外管2内に内管1を挿入し、外管2の先端部付近を内管1に固定する工程と、外
管2の先端部に拡張体3の基端部8を固着する工程と、内管1の先端部に拡張体
3の先端部7を固着する工程とを有している。 そこで、第1図に示した拡張体付カテーテルを参照して、各工程について説明
する。 先端から後端まで連通した第1のルーメン4をする内管1を形成する工程は、
上述の内管を構成する熱可塑性樹脂を押出成形したものを所定の長さに切断する
方法または射出成形法などにより行う。 そして、外管2を成形する工程は、先端から後端まで貫通するルーメンを有す
る外管2を成形するものである。 次に、先端部および基端部を有する収縮あるいは折り畳み可能な拡張体を形成
する工程について説明する。 拡張体3は、例えば、上述の材料、特に、可撓性を有する熱可塑性樹脂を用い
て、拡張体3を形成するための熱可塑性樹脂チューブを成形し、拡張体が拡張さ
れた状態の内部形状を有する金型をチューブに被嵌し、このチューブの端部近傍
で、チューブのルーメンを閉塞し、閉塞されたチューブをチューブ保持具に荷重
をかけて引っ張りたるみを取り除いた状態にて、加熱装置により、拡張体3を形
成する部分を、チューブ形成材料の二次ガラス転位点(Tg)以上に加熱し、気
体を加圧しながら送り、加熱されている部分のチューブを金型の内壁面に密着さ
せた後、冷却し、金型を除去し、チューブの先端部および後端部にてチューブを
切断することにより、拡張体3を形成する。 この拡張体を形成する工程はいつ行ってもよく、前述の内管および外管を形成す
る工程との順序はどのようであってもよい。 次に、外管2の基端部に外管のルーメン6と連通する開口部11を設ける工程に
ついて説明する。開口部11は、外管2の基端部に開口を有する外管ハブ23を取り
付けることにより行うことが好ましい。その場合を例にとり、第6図を用いて説
明する。 まず、外管2の末端部に折れ曲がり防止用チューブ50を取り付ける。この取り付
け方法としては、折れ曲がり防止用チューブ50を熱収縮性を有するものを用い、
熱収縮後の内径が外管2の外径より若干小さくなるように形成した熱収縮性を有
するチューブ50を外管2の末端部に被嵌し、加熱(例えば、熱風をあてる)させ
て収縮させることにより取り付けることができる。そして、折れ曲がり防止用チ
ューブ50を取り付けた外管2に外管ハブ23を取り付ける。この取り付けは、拡径
した後端部分を有し後端部分以外の部分の外径が外管2の内径とほぼ等しく形成
された止めピン52を、外管2の後端に差し込み、外管2をその先端から外管ハブ
23に挿入し、外管ハブ23の内面に設けられた突起54を止めピン52の後端部分が越
えるまで押し込むことにより取り付ける。さらに、外管ハブ23と折れ曲がり防止
用チューブ50との接触面に接着剤を塗布して固着してもよい。外管ハブの形成材
料としては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、
メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用で
きる。 そして、この外管2の基端部に外管のルーメン6と連通する開口部11を設ける工
程は、外管2の形成後であれば、いつ行ってもよい。好ましくは、後述する外管
2の先端部に拡張体3の基端部を固着する工程を行った後に行うことである。尚
、内管1の形成工程との順序はどのようであってもよい。 次に、内管1の基端部に内管1のルーメン4と連通する開口部9を設ける工程
について説明する。 開口部9は、外管1の基端部に第1の開口部9を有する内管ハブ22を取り付ける
ことにより行うことが好ましい。その場合を例にとり、第6図を用いて説明する
。まず、内管1の末端部に折れ曲がり防止用チューブ60を取り付ける。この取り
付 け方法としては、熱収縮性を有するものを用い、熱収縮後の内径が内管1の外径
より若干小さくなるように形成した収縮性を有するチューブ60を内管1の末端部
に被嵌し、加熱(例えば、熱風をあてる)させて収縮させることにより容易に行
うことができる。さらに、第6図に示す実施例では、内管1と外管2との間に剛
性付与体13が設けられており、この剛性付与体13の端部は、防止用チューブ60と
内管1との間に位置させた後、上記の加熱処理を行うことにより、第6図に示す
ように、内管1へのチューブ60の取り付けと同時に剛性付与体13の端部の固定を
行うことができる。そして、折れ曲がり防止用チューブ60、剛性付与体13を取り
付けた内管1に内管ハブ22を取り付ける。この取り付け方法は、内管1の後端に
後端部分以外の部分の外径が内管1の内径とほぼ等しく、拡径した後端部分を有
する止めピン62を差し込み、内管1をその先端から内管ハブ22に挿入し、内管ハ
ブ22の内面に設けられた突起64を止めピン62の後端部分が越えるまで押し込むこ
とにより取り付ける。さらに、内管ハブ22と折れ曲がり防止用チューブ60との接
触面に接着剤を塗布して固着してもよい。内管ハブの形成材料としては、外管ハ
ブと同様のものが好適に使用できる。 そして、この内管1の基端部に内管のルーメン4と連通する開口部9を設ける工
程は、内管1を形成後であれば、いつ行ってもよい。外管2を形成する工程およ
び外管2の基端部に外管のルーメン6と連通する第2の開口部11を設ける工程さ
らには拡張体3の形成工程との順序はどのようてあってもよい。 次に、内管1の基端部に取り付けられた開口を有する内管ハブ22と、外管1の
基端部に取り付けられた外管ハブ33とを固着する工程について説明する。 第6図に示すように、外管2の基端部に取り付けられた外管ハブ23の後端から内
管1をその先端から挿入する。この時内管1の折れ曲がりを防止するために内管
1の内部に芯金を挿入して、第6図に示すように、内管ハブ22の先端部を外管ハ
ブ23の後端に挿入し接合する。またこの時、内管ハブ22と外管ハブ23との接合部
に接着剤を塗布することにより、確実に両者を固着することができる。 尚、内管1の基端部に取り付けられた開口を有する内管ハブ22と、外管1の基端
部に取り付けられた外管ハブ23とを固着する工程は、内管1を形成する工程およ
び内管1の基端部に内管ハブ22を設ける工程さらに外管1を形成する工程および 外管2の基端部に外管ハブ23を設ける工程を行った後であればよい。 次に、外管2の先端部付近を内管1に固定する工程について、第9図および第
10図を参照して説明する。 まず、最初に、内管1および外管2と接着性を有する材料にて、部分的欠損部
5aを有する充填材5を作成する。そして、芯金70を挿通した内管1を外管2に
挿通したのち、外管2と内管1の固定部となる位置に、充填材を挿入する。そし
て、外管2の後端側あるいは先端側より第2のルーメン確保用の芯金72、例えば
、細い芯金数本を、充填材5の欠損部5aを通過するように挿入し、続いて、外
管2と内管1の固定部となる位置付近に、熱収縮性チューブ74(好ましくは、外
管2および内管1と接着性を有しない、例えば、熱収縮性シリコーンチューブ)
を被嵌する。この状態を第9図に示す。そして、外管2の先端部付近を、加熱装
置76を用いて、部分加熱し、第10図に示すように、熱収縮性チューブ74を部分的
に収縮させるとともに、充填材5を溶解させ、内管1と外管2とを固定する。そ
して、芯金70が挿入されているので、充填材5が溶解しても、芯金70が抜去され
ることにより、芯金70が存在してた部分が、欠損部となり、外管の先端部が完全
に閉塞することを防止する。そして、このように熱収縮性チューブを用いること
により、内管1と外管2との固定とともに、外管2の先端をテーパー状に縮径す
るものとすることができる。 次に、外管2の先端部に拡張体3の基端部8を固着する工程について説明する
。外管2の先端部に拡張体3の基端部8を固着する方法としては、例えば、内管
1の先端または後端より内管1の内径とほぼ等しいか、若干小さい外径を有する
芯金を挿入し、外管2の先端の拡張体の基端部の接着部となる部分に適当量の接
着剤を塗布した後、芯金の先端側より拡張体3の基端部8の先端側端部が外管2
の先端に一致するように挿入し、必要に応じて、加熱、キュアさせ、拡張体3の
基端部8を外管2の先端部に固着する。また、拡張体と外管との接着強度を高め
るために、外管2の先端部をコロナ放電処理等の表面処理を行うことが好ましい
。 次に、内管1の先端部に拡張体3の先端部7を固着する工程について説明する
。この固着工程においても、外管2の先端部に拡張体3の基端部を固着する工程
と同様に、内管1の内部に、内管1の先端または後端より内管1の内径とほぼ等
し いか、若干小さい外径を有する芯金を挿入する。拡張体3は外管2に固着されて
おり、さらに内管1は外管2の内部に挿入されており、内管ハブ22と外管ハブ23
とが固着されている。そして、拡張体3の先端部は、内管1の先端より突出した
状態となっている。そして、拡張体3の先端部の固着部分となる内管1の先端部
に、適当量の接着剤を塗布した後、加熱、キュアさせ、拡張体3の基端部を内管
の先端部に固着する。また、拡張体と内管との接着強度を高めるために、内管1
の先端部をコロナ放電処理等の表面処理を行うことが好ましい。そして、接合用
のガラス型を芯金の先端側より拡張体3の先端部7の上に位置するように被嵌し
、このガラス型を加熱装置により加熱し、拡張体3の先端部7が内管1の先端部
を被包するように処理することが好ましい。 このような先端加工は、目的とする先端形状に合致した内部形状を有する金型(
例えば、ガラス型、金属型)内に内管の先端部を挿入し、上記金型を加熱し、内
管の先端を金型の内部形状に加熱変形させることにより容易に行うことができる
。 [作用] 次に、第1図ないし第6図に示した実施例の拡張体付カテーテルを用いて、第
11図ないし第15図を参照して、本発明の拡張体付カテーテルの作用を説明する。
血管内に生じた狭窄部の拡張治療を実施する前に、拡張体付カテーテル内の空気
をできる限り除去することが好ましい。そこで、本発明のカテーテルの第2の開
口部11にシリンジ等の吸引、注入手段を取り付けて、シリンジ内に液体(血管造
影剤等)を入れ、吸引、注入を繰り返して、第2のルーメンおよび拡張体内の空
気を除去し、液体と置換する。 拡張体付カテーテル40を挿入するにあたり、まずセルジンガー法等により血管を
確保した後、ガイドカテーテル用ガイドワイヤー(図示せず)を血管内に留置し
、それに沿ってガイドカテーテル30を血管内に挿入し、第12図に示すように、目
的病変部を有する冠動脈入口32にガイドカテーテル30を留置し、ガイドカテーテ
ル用ガイドワイヤーを抜去する。第11図に示すように、ガイドカテーテル30の後
端に設けられたY字型コネクター50より、拡張体付カテーテル用ガイドワイヤー
34を挿通した本発明の拡張体付カテーテル40を挿入し、拡張体付カテーテル40の
先 端より拡張体付カテーテル用ガイドワイヤー34を数cm突出させた状態にて、血管
内に挿入する。拡張体付カテーテル40は、ガイドカテーテル30内を進行し、第13
図に示すようにガイドカテーテル30の先端より目的病変部を有する血管35に入り
、その後拡張体付カテーテル用ガイドワイヤー34を目的病変部へ進め、その狭窄
部36を通過させ留置する。拡張体付カテーテル40は、拡張体付カテーテル用ガイ
ドワイヤー34に沿って血管35内を進行する。狭窄部36に到達した拡張体付カテー
テル40は、第14図に示すようにX線透視下で内管1に設けられたX線不透過マー
カー14を目印に狭窄部36内に拡張体3を位置させる。その後拡張体付カテーテル
40のインジェクションポートを形成する第2の開口部に接続された圧力計付イン
ジェクター54で数気圧から10数気圧程度になるように血管造影剤を注入、第15図
に示すように狭窄部36を圧縮、開大させる。そして、末梢側血流は、ガイドカテ
ーテル30のY字コネクター50の造影剤インジェクションポート52より造影剤を注
入し、X線造影にて確認する。血流改善が認められたならば、拡張体付カテーテ
ル40と拡張体付カテーテル用ガイドワイヤー34を抜去し、その後ガイドカテーテ
ルを抜去し、圧迫止血して手技を終える。 [発明の効果] 本発明の拡張体付カテーテルは、先端が開口している第1のルーメンを有する
内管と、該内管を挿通するとともに、該内管の先端より所定長後退した位置に先
端を有し、該内管の外面との間に第2のルーメンを形成する外管と、先端部およ
び基端部を有し、該基端部が前記外管に取り付けられ、該先端部が前記内管に取
り付けられ、該基端部付近にて第2のルーメンと連通する折り畳み可能な拡張体
と、前記第1のルーメンと連通する前記内管の基端部に設けられた第1の開口部
と、前記第2のルーメンと連通する前記外管の基端部に設けられた第2の開口部
とを有し、前記外管の先端部付近は、前記第2のルーメンを閉塞しない状態に前
記内管に固定されているので、外管と内管とが同軸的に設けられたコアキシャル
タイプのカテーテルであっても、血管内挿入時における外管と内管との進行の微
妙なズレを防止し、このズレに起因する折り畳まれた状態の拡張体の拡径を抑制
することができるので、カテーテルの操作性、特にカテーテルの拡張体部分を血
管内狭窄部に挿入するが容易となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の拡張体付カテーテルの一実施例の先端部の拡大断面図、第
2図は、第1図におけるI−I線断面図、第3図は、本発明の拡張体付カテーテ
ルの一実施例の基端部を示す図面、第4図は、第1図におけるII−II線断面図、
第5図は、第1図におけるIII−III線断面図、第6図は、本発明の拡張体付カテ
ーテルの一実施例の基端部の断面図、第7図および第8図は、本発明の拡張体付
カテーテルの他の実施例の断面図、第9図および第10図は、本発明の拡張体付カ
テーテルの製造工程における内管と外管の固定工程の説明図、第11図、第12図、
第13図、第14図および第15図は、本発明の拡張体付カテーテルの作用を説明する
ための説明図である。 1・・・内管、 2・・・外管、 3・・・拡張体 4・・・第1のルーメン 5・・・充填剤、 5a・・・欠損部 6・・・第2のルーメン 9・・・第1の開口部 11・・・第2の開口部 13・・・剛性付与体 14・・・補強体 20・・・分岐ハブ 40・・・拡張体付カテーテル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)先端が開口している第1のルーメンを有する内管と、該内管を挿通するとと
    もに、該内管の先端より所定長後退した位置に先端を有し、該内管の外面との間
    に第2のルーメンを形成する外管と、先端部および基端部を有し、該基端部が前
    記外管に取り付けられ、該先端部が前記内管に取り付けられ、該基端部付近にて
    第2のルーメンと連通する折り畳み可能な拡張体と、前記第1のルーメンと連通
    する前記内管の基端部に設けられた第1の開口部と、前記第2のルーメンと連通
    する前記外管の基端部に設けられた第2の開口部とを有し、前記外管の先端部付
    近は、前記第2のルーメンを閉塞しない状態に前記内管に固定されており、前記
    拡張体の前記基端部は、前記内管と固定された部分の前記外管に取り付けられて
    いることを特徴とする拡張体付カテーテル。

Family

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