JP3697553B2 - 補強されたモノレール・バルーン・カテーテル - Google Patents

Description

技術分野
本発明は拡張カテーテルに関し、更に詳しくは、モノレール拡張カテーテルとして特に使用する拡張カテーテルの構造に関する。
背景技術
モノレール拡張カテーテルは血管形成措置に於いて益々普及しつつあるが、その理由は、カテーテルを交換するためにガイド・ワイヤの延長部分を必要とするオーバー・ザ・ワイヤ・カテーテル(over-the-wire catheter)と違って、モノレール拡張カテーテルの構造によって１つのモノレール拡張カテーテルを容易に他のカテーテルと交換することができるからである。ボンゼルに対する米国特許番号４，７６２，１２９号は、カテーテルとガイド・ワイヤとを共に結合するためにカテーテルの末端部分のみにガイド・ワイヤの管腔を有するこのようなカテーテルを開示している。ガイド・ワイヤ・チューブはカテーテルの末端からバルーンの近傍の点にこのバルーンを通って延びている。これによって、交換用ジョイントを迅速に交換して操作することができるが、これはガイド・ワイヤの表面と接触しているカテーテルの部分がバルーンの長さと同じ程度に過ぎないからである。
従来のモノレール型カテーテルによってカテーテルの交換を迅速に行うことができるものの、これらのカテーテルでは交換用ジョイントの近傍に於いてそのシャフトの長手方向に沿って剛性に欠ける傾向があり、この点に於いてカテーテルは自己に剛性が与えられるというガイド・ワイヤの利点を享受するものである。カテーテルのこの基端部に沿って剛性が欠如していることによって、身体の経路を通ってカテーテルを前進させることが困難になる。ボンゼルは、カテーテルの基端からバルーンの先端に膨張管腔を通って延びる一体構造の安定化手段を設けることによって、部分的に、この問題に取り組んでいる。
モノレール・カテーテルでは、このカテーテルの末端部に於ける可撓性を減じることなく必要な個所で制御された剛性を与えるため、剛性付与ワイヤ（またはマンドレル）を使用することがまた提案されている。しかし、このような剛性付与ワイヤは圧縮付加を受けた場合に湾曲し、カテーテルの壁部に穴を開ける危険性が潜在している。
本発明は剛性付与ワイヤを内蔵した改良型のモノレール拡張カテーテルを提供するものであり、この場合湾曲及び／またはカテーテルのシャフトに孔の開く可能性は、例えこれを排除することはできないにしても、実質的に削減することができる。
本発明の他の特徴は、例えば、オーバー-ザ-ワイヤ・カテーテルと迅速交換（モノレール）カテーテルのようなガイド・ワイヤの管腔を有する全てのバルーン・カテーテルに適用することができる。このようなカテーテルの場合、ガイド・ワイヤの管腔内で血液が凝固するのを防ぐため、通常カテーテルを使用する前に塩類／ヘパリン混合物によってこの管腔をフラッシングする。ガイド・ワイヤの管腔は、カテーテルがガイド・ワイヤに対して自由に移動することができるように、十分大きくなければならない。ガイド・ワイヤの管腔とガイド・ワイヤの間の間隙が大きい程、カテーテルはより自由に移動することができるが、この間隙が小さいと、カテーテルの末端領域に於けるカテーテルの形状が小さくなり、従ってカテーテルを狭窄症を横切って容易に導入することができるようになる。
クラウス他に対する米国特許第５，２０９，７２８号は血液がカテーテルに入る問題に取り組み、カテーテルとガイド・ワイヤとの間に液密シールを確保するために特別に形成したガイド・ワイヤを滑動自在に受け入れる先端部材を設けたカテーテルを開示している。この液密シールは、カテーテルの内部表面をガイド・ワイヤの外部表面に十分接近させることによって、形成している。従って、膨張流体はカテーテル内に保持され、血液はカテーテル外に保持される。
しかし、オーバー-ザ-ワイヤ・カテーテルの場合に典型的に見られるように、カテーテルとガイド・ワイヤとの間の空間を小さくするとカテーテルに対するガイド・ワイヤの明確な移動が制約される。オペレータがカテーテルを身体の経路を通って前進させようとする場合、このような抵抗によってカテーテルが湾曲しようとする傾向が増す。従って、カテーテルを身体の経路を通って操作するのに連れて発生するカテーテルの湾曲を防止するため、このカテーテルに剛性を付与するような剛性付与ワイヤを有する可撓性のある拡張カテーテルを提供するのが好ましい。カテーテルに入ってくる血液の量を制限し、同時に、このカテーテルに対してガイド・ワイヤを自由に移動させることのできるカテーテルを提供することが、また望ましい。
本発明はガイド・ワイヤに対して移動可能なバルーン・カテーテルを更に提供し、この場合、このカテーテルの末端領域の形状は、ガイド・ワイヤに対するこのカテーテルの移動の自由を犠牲にすることなく小さくすることができる。
発明の開示
本発明は、長尺のカテーテル・シャフト、ガイド・ワイヤ・チューブと血管形成用バルーンによって構成される拡張カテーテルに関するものである。従来の形式では、バルーンの末端をガイド・ワイヤ・チューブの末端部に取付け、バルーンの基端部をカテーテル・シャフトの末端部に取付けている。本願の第１発明は大径の基端部と小径の末端部を有する剛性付与ワイヤのカテーテル・シャフト内に於ける位置決めに関するものである。剛性付与ワイヤはその長手方向に沿った複数の点に於いてカテーテル・シャフトの内壁に取付け、これによって、膨張／収縮管腔の寸法と妥協することなく、カテーテルの基端部に強度を与える。
本発明の第２の特徴は、オーバー-ザ-ワイヤ・カテーテルまたは迅速交換即ちモノレール・カテーテルのようなガイド・ワイヤの管腔を有する全てのカテーテルに適用することができる。本発明のこの特徴によれば、ガイド・ワイヤの管腔にはガイド・ワイヤとガイド・ワイヤ・チューブの内部表面の間で比較的大きな間隙を設ける。ガイド・ワイヤ・チューブの末端の先端部の寸法は短い距離の間小さくなっている。この小さくなった末端の先端部の直径はガイド・ワイヤの直径に近似し、これによってガイド・ワイヤの管腔に入ることのできる血液の量を実質的に少なくしている。ガイド・ワイヤの管腔の大径部分には塩類／ヘパリンの混合物を含み、これの粘度は血液より低いため、この混合物は小径の管腔部分内の間隙に流れる傾向があり、その部分内の血液の凝固を少なくし、これによって「閉塞」の危険を削減する。バルーン・カテーテルとワイヤの間の相対運動によってこのワイヤを清潔に保つ払拭作用が行われる。
ガイド・ワイヤ・チューブの末端の先端部の外径はまた小さくなる即ちテーパが付けられている。このテーパの結果、カテーテルの末端領域に於けるこのカテーテルの形状が小さくなり、カテーテルを狭窄症を横切って容易に通過させることができる。ガイド・ワイヤ・チューブにテーパを付けている結果、バルーンがその収縮状態にある場合、このバルーンの末端部の形状はかなり小さくなる。これによって、狭窄症を横切ってバルーンを位置決めするのが更に容易になる。
【図面の簡単な説明】
本発明の上述及びその他の特徴は、本発明の好適な実施例の以下の詳細な説明と図面から更に容易に明らかになり、ここで、
第１図は、本発明による拡張カテーテルの概略平面図であり、
第２図は、本発明の好適な実施例によるカテーテルの詳細断面図であって、交換用ジョイントを詳細に示し、
第３図は、第２図の線３-３に沿って切断した断面図であり、
第４図は、第２図の線４-４に沿って切断した断面図であって、交換用ジョイント領域内の溶着したラミネート部材を示し、
第５図は、第２図の線５-５に沿って切断した断面図であり、
第６図は、カテーテルのバルーン部分であって、放射線不透過性のコイル・スプリングを示し、
第７図は、カテーテルのテーパの付いた末端であって、ガイド・ワイヤの管腔内に形成した貯槽を示し、
第８図は、カテーテルのシャフトの内壁に剛性付与ワイヤを取り付ける好適な方法を断面で示し、
第９図は、カテーテルのシャフトの内壁に剛性付与ワイヤを取り付ける第２方法を断面で示し、
第１０図は、カテーテルのシャフトの内壁に剛性付与ワイヤを取り付ける他の方法を断面で示す。
発明を実施するための最良の形態
第１図と第２図に示す本発明の好適な実施例は、迅速交換即ちモノレール拡張カテーテルであり、これは長尺のカテーテル・シャフト２０、ガイド・ワイヤ・チューブ２２（第２図）と血管形成用バルーン２４によって構成される。
従来の様式では、バルーン２４の末端はガイド・ワイヤ・チューブ２２の末端部に取付け、このバルーンの基部はカテーテル・シャフト２０の末端部に取り付ける。バルーン２４は適当なバルーン材料、例えば、ポリエチレン・テレフタレート（「ＰＥＴ」）、ナイロンまたはウレタンから形成する。バルーン２４には、滑動性が高く耐摩耗性の塗料を塗布するのが好ましい。このような好適な塗料の１例は、エルトンに付与され、本発明の譲受人、ニュージャージー州、マレイ・ヒル所在のＣ．Ｒ．バード(C.R. Bard)に譲渡されたエルトンに対する米国特許番号第５，０７７，３５２号に開示されている。このエルトンの‘３５２特許はその全体がここに参考として含まれている。
第７図に示すように、バルーン２４の肉厚は均一ではない。バルーン２４の末端の傾斜部分のみを考えると、このバルーン２４の壁部はバルーンの傾斜部分の頂部に於いて非常に薄く、このバルーンの傾斜部分を下ってバルーン２４がガイド・ワイヤ・チューブ２２と接触する部分へと末端に進むのに従ってその厚さは逓増している。カテーテルのシャフトにバルーンを取り付けた従来のカテーテルの構造では、このバルーンの厚肉の部分が、このバルーンの先端部に於いてバルーンの形状を増加させるのに大きく寄与している。
しかし、本発明によれば、バルーン２４の形状は、（１）バルーン２４の末端部を一般的にカテーテル・シャフト２０の外径よりも小さい外径を有するガイド・ワイヤ・チューブ２２に直接取付けること、（２）末端領域内のガイド・ワイヤ・チューブ２２にテーパを付けることによって小さくしている。バルーン２４の収縮した状態では、このバルーン２４の壁部の最も厚い部分はガイド・ワイヤ・チューブ２２のテーパーを付けた外径部分に対応し、従って、バルーンの形状はこのバルーン２４の関連する末端部に於いて小さくなっている。
第６図に示すように、放射線不透過性コイル・スプリング５０を、ガイド・ワイヤ・チューブ２２の周囲でバルーン２４内に位置させる。薄肉の保護スリーブ５１をこのコイル・スプリング上に載置する。この放射線不透過性のコイル・スプリング５０によって、バルーン２４をＸ線蛍光下で識別することができる。このコイルは、例えば、金とプラチナの組み合わせのような０．００２５インチのスプリング・コイル材料から形成することができ、長さは約４．５ｍｍである。選択したコイルのパラメータは、カテーテルの末端に付与すべき所望の可撓性の特性によって決まる。
バルーン２４はカテーテル・シャフト２０と膨張／収縮管腔を形成する剛性付与ワイヤ３０ａの間の環状の空間６４を介してカテーテルの基端と流体によって連通している（第５図）。膨張／収縮管腔６５は、交換用ジョイント領域３６に関する議論で以下に説明するように、この交換用ジョイント領域３６を介して保持する（第４図）。交換用ジョイント領域３６の末端に於いて、膨張／収縮管腔はガイド・ワイヤ・チューブ２２、カテーテル・シャフト２０と剛性付与ワイヤ３０の末端縮径部３０ｂの間の環状の空間を占めている（第３図）。ルア・フィッティング(luer fitting)２８に於いてコネクタを介して導入された流体によって、バルーン２４は従来の方法で拡張する。
カテーテル・シャフト２０は、ルアフィッティング２８から末端方向に延び、バルーン２４の基端に於いて終了している（第１図）。このカテーテル・シャフト２０はガイド・ワイヤ６０を導入した点に於いて薄く削られ、ガイド・ワイヤ・ポート４０を形成している。このガイド・ワイヤ・ポート４０の周囲のカテーテル・シャフト２０の部分、即ち、交換用ジョイント領域３６は増加した応力を受けるが、これはスカイブ(skive)がカテーテル・シャフト２０の一体性と妥協しているからである。更に強度を得るため、交換用ジョイントのスリーブ４２を交換用ジョイント領域３６内でカテーテル・シャフト２０に溶着してもよい。この交換用ジョイントのスリーブ４２は、カテーテル・シャフト２０と同じ材料、例えば、ポリエチレンから製作するのが好ましい。
交換用ジョイント３６の領域内に於いてカテーテルに対して更に剛性を付与するため、ガイド・ワイヤ・チューブ２２はカテーテル２０と交換用ジョイントのスリーブ４２と共に溶着し、溶着ポリエチレン・ラミネート部材４６を形成してもよい（第４図の断面に示す）。溶着ラミネート部材のオプションを使用した好適な構造では、平坦なマンドレル（図示せず）をガイド・ワイヤ・チューブ２２とカテーテル・シャフト２０の間に一時的に位置させ、流体の経路（膨張／収縮管腔）が熱溶接の後溶着したラミネート構造４６を介して保持されるのを保証する。開放性のマンドレル（図示せず）を、またガイド・ワイヤ・チューブ２２の内部に載置する。取り外し可能な収縮性チューブを交換用ジョイント領域３６上に載置し、溶着ラミネート部材４６を必要とする交換用ジョイント領域３６の部分に熱源を加える。溶着ラミネート部材４６を形成した後、この収縮性チューブを除去し、開放性マンドレルと平坦なマンドレルを引き出す。第４図に示すように、剛性付与ワイヤ３０の末端の縮径部３０ｂは、溶着ラミネート部材４６内に埋め込む。
本発明の好適な実施例では、カテーテル・シャフト２０内に位置する剛性付与ワイヤ３０は、ルア・フィッティング２８からバルーン２４の近傍の点まで長手方向に延びている。第１図の基端切断部に示すように、剛性付与ワイヤの基端は湾曲して直角のフック即ちフラグを形成している。このフック上にプラスチックを成形してボタンを形成するが、このボタンはルア・フッティング内の対応する回り止め内に止める。
剛性付与ワイヤ３０の終了する正確な点は本発明にとって重要ではなく、カテーテルの末端部内の所望の可撓性によって決まる。
本発明によれば、剛性付与ワイヤ３０は、空間を有する位置でその長手方向に沿ってカテーテル・シャフト２０の内壁２６に対して取付ける。この剛性付与ワイヤ３０は複数のワイヤ・「タック」７８によって取付けるのが好ましい（第８図）。これらのワイヤ・タック７８はポリエチレンから製作するのが便利であり、剛性付与ワイヤ３０をカテーテル内に挿入する前にこの剛性付与ワイヤ３０に取付ける。剛性付与ワイヤ３０をカテーテル・シャフト２０内に載置した後、ワイヤ・タック７８を溶接、糊付け、熱接着またはその他の方法によってカテーテル・シャフト２０の内壁２６に取付ける。好適な構造では、３個の長さが２ｍｍのワイヤ・タック７８を剛性付与ワイヤ３０に沿って間隔を開けて取付ける。第１ワイヤ・タック７８は交換用ジョイント３６の基部から約４０ｃｍに位置する。第２及び第３ワイヤ・タック７８は、それぞれ、交換用ジョイント３６の基部から約６３ｃｍと８６ｃｍに位置する。
剛性付与ワイヤ３０をカテーテル・シャフト２０の内壁に周期的に取付けるには、多くの方法を使用することができる。例えば、本発明の他の実施例では、ワイヤ・タック７８の代わりに、スリーブ８２を使用する。剛性付与ワイヤ３０の回りに包んだこれらのスリーブ８２はカテーテル・シャフト２０の内壁２６に接着する（第９図）。更に他の例では、剛性付与ワイヤ３０は押し出し成形した材料８６に接着剤によって接合し、カテーテル・シャフト２０の内壁２６に溶接してもよい（第１０図）。好ましくは、ワイヤ・タック７８、スリーブ８２、及び押し出し材料８６はカテーテル・シャフト２０と同じ材料、例えば、ポリエチレンから製作する。
カテーテル・シャフト２０の内壁２６に対して剛性付与ワイヤ３０を係止することによって、シャフトの湾曲する可能性が小さくなり、カテーテルの基端に加えることのできる圧縮力が増加する。また、剛性付与ワイヤ３０をその長手方向に沿って周期的な点で取付けるために、非常に小型のワイヤ・タック７８を使用することにより、カテーテル・シャフト２０を介して可能な最大の膨張管腔６４を保持することができ、これによって膨張と収縮の時間を短くすることができる。
第２図に示すように、剛性付与ワイヤ３０は大径の基端部３０ａと交換用ジョイント３６の領域に於ける小径即ちテーパを付けた末端部３０ｂを有している。この剛性付与ワイヤ３０の小径部３０ｂによってカテーテルの末端部に大きな可撓性が付与される。
好適な実施例では、剛性付与ワイヤ３０は波状の末端３０ｃを有し、その結果、剛性付与ワイヤ３０の末端の先端部は、カテーテル・シャフト２０の壁部から離れて上方に反れる。例えこの剛性付与ワイヤ３０をその長手方向に沿って取付けたとしても、この剛性付与ワイヤ３０はカテーテル・シャフト２０内で長手方向に若干移動することができる。従って、上記末端の先端部は、カテーテルを半径の小さい曲線の周囲で操作するのに従って、カテーテル・シャフト２０の壁部に孔を開ける可能性がある。波状の末端３０ｃによって、この末端の先端部はカテーテル・シャフト２０の壁部から離すことができる。
剛性付与ワイヤ３０は、ＭＰ３５Ｎ合金から製作するのが好ましい。このＭＰ３５Ｎ合金はニッケル、コバルト、モリブデン及びクロムの合金である。ＭＰ３５Ｎ合金は、インディアナ州、フォート・ウェイン所在のフォート・ウェイン金属社(Fort Wayne Metals)から市販されている。
ステンレス鋼と比べると、ＭＰ３５Ｎ合金より高い降伏強度を有し、従って、一定の直径に対してより大きな剛性をカテーテル・シャフト２０に付与することができる。従って、ＭＰ３５Ｎ合金を使用することによって、カテーテルが小さい半径の周囲に前進するのに従って、カテーテル・シャフト２０が湾曲する可能性が小さくなる。
図示のモノレール・カテーテルに於いて、ガイド・ワイヤ・チューブ２２はカテーテルの末端部のみに延びる（例えば、約２５ｃｍ）。ガイド・ワイヤ・チューブ２２の基端は交換用ジョイント３６を形成し、この交換用ジョイント３６に於いてガイド・ワイヤ６０をガイド・ワイヤ・チューブ２２内に導入することができる（第２図）。ガイド・ワイヤ・チューブ２２は、カテーテル・シャフト２０と同じ材料、例えば、高密度ポリエチレンのような可撓性を有し、熱によって収縮可能な材料から製作するのが好ましい。
第７図に示すように、ガイド・ワイヤ・チューブ２２は交換用ジョイント３６からカテーテル２０の末端に向かって末端方向に延びる。本発明によれば、ガイド・ワイヤ・チューブ２２の末端の先端部５２は、短い距離の間その寸法が小さくなる。この末端の先端部５２の内径はガイド・ワイヤ６０の直径に近似し、これによって、ガイド・ワイヤの管腔に入ることのできる血液の量が実質的に少なくなる。この直径の小さくなった末端の先端部５２は、先ずガイド・ワイヤ・チューブ２２内にマンドレルを載置し、次にガイド・ワイヤ・チューブ２２の末端の先端部５２の直径をこのマンドレルの寸法に近似させるために、加熱したダイを介してガイド・ワイヤ・チューブ２２を引っ張ることによって形成する。次に、このマンドレルを取り外す。
第７図にモノレール・カテーテルを図示するが、本願のこの発明は、オーバー-ザ-拡張カテーテル及びガイド・ワイヤ・チューブを内蔵したその他の全てのカテーテルに対して同様に適用することができる。
カテーテルを患者の内部に挿入する前に、このカテーテルを準備するのに従って、凝血抑止剤をガイド・ワイヤの管腔６８内に注入する。この凝血抑止剤は、主としてガイド・ワイヤの管腔６８の大径部分に留まる（更に明確にするため、第７図では誇張している）。好適なモノレール・カテーテルの構造では、ガイド・ワイヤ・チューブの基端は封止されず、少量の凝血抑止剤がこの基端から逃げる。しかし、満足できる量の凝血抑止剤をガイド・ワイヤの管腔内に保持するのに十分な程度に、この凝血抑止剤はガイド・ワイヤ・チューブ２２の内部表面に付着している。
凝血抑止剤は粘度が血液よりも低いため、これは小径の管腔部分内の間隙を埋める傾向がある。ガイド・ワイヤ６０がカテーテルに対して移動するのに従って、凝血抑止剤の存在によってガイド・ワイヤ６０が清潔に「払拭される」。この払拭動作によって、ガイド・ワイヤの管腔６８に入る可能性のある全ての血液がガイド・ワイヤ６０に沿って凝固するのが防止される。カテーテルを血管または動脈、例えば、冠状動脈で使用する場合、凝血抑止剤は塩類／ヘパリン混合物であるのが好ましい。
クロス・リンク・ジョイント７４を第２図に示し、これを使用して好ましくはバルーン２４と交換用ジョイント３６の間の領域でカテーテル・シャフト２０をガイド・ワイヤ・チューブに接続する（第２図）。このクロス・リンク・ジョイント７４によって、カテーテル・シャフト２０からの圧縮力をカテーテルの末端の先端部５２に効率的に加える。オペレータがカテーテル・シャフト２０を押圧するのに従って、クロス・リンク・ジョイント７４はこの力をガイド・ワイヤ・チューブ２２に伝え、これによってカテーテルの末端部に於ける全ての変形を防止する。
クロス・リンク・ジョイント７４はポリエチレンの「ブロック」を付加することによって構成してもよく、これはカテーテル・シャフト２０の内壁とガイド・ワイヤ・チューブ２２の両方に対して溶着、スポット溶接またはその他の方法によって取付ける。クロス・リンク・ジョイント７４は、例えば、剛性付与ワイヤ３０の末端の先端部から約５ｍｍの場所とバルーン２４の基端から約６ｃｍの場所に位置することができる。
この詳細な説明で設定した全ての寸法は、特に指示した場合以外は、図示目的のためのみのものであり、本発明にとって重要ではない。
本発明をその好適な実施例を参照して特に図示し説明したが、形状及び細部に於ける種々の変更を本発明の技術思想と範囲から乖離することなく行うことができることを、当業者は理解するであろう。

Claims (4)

1. 外壁と内壁を有する長尺のカテーテル・シャフトであって、上記内壁は中央の管腔を取り囲んでいる上記カテーテル・シャフト、
   外部表面と上記カテーテル・シャフトの少なくとも末端部を通って延びるガイド・ワイヤを受け入れるためのガイド・ワイヤの管腔を取り囲む内部表面を有するガイド・ワイヤ・チューブであって、上記ガイド・ワイヤ・チューブの外部表面と上記カテーテル・シャフトの内壁の間に流体の経路を有する上記ガイド・ワイヤ・チューブ、
   末端と基端を有するバルーンであって、上記基端は上記カテーテル・シャフトの末端部に取付けられ、上記末端は上記ガイド・ワイヤ・チューブの末端部に取り付けられ、流体の経路は上記バルーンの膨張／収縮管腔として作用する上記バルーンによって構成される拡張カテーテルに於いて、
   上記ガイド・ワイヤの管腔は第１の直径を有する末端部と上記第１の直径よりも大きい第２の直径の基端部を有し、
   ガイド・ワイヤが上記ガイド・ワイヤの管腔内にある場合、血液が上記基端部に入るのを実質的に防止することができると共に、血液より粘度の低い凝血抑制剤で第１の径を有する管腔部分内の隙間を埋めることができるように、上記末端部管腔の第１の直径をガイド・ワイヤの直径に近似させ、上記末端部の長さを選択していることを特徴とする拡張カテーテル。
2. 上記ガイド・ワイヤ・チューブの末端部の外径は上記ガイド・ワイヤ・チューブの基端部の外径よりも小さいことを特徴とする請求の範囲第１項記載の拡張カテーテル。
3. 上記ガイド・ワイヤの管腔の基端部は凝血抑止剤の溶液を受け入れること特徴とする請求の範囲第１項記載の拡張カテーテル。
4. 上記凝血抑止剤の溶液は、ヘパリン／塩類の混合物であることを特徴とする請求の範囲第３項記載の拡張カテーテル。

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