JP2512605B2 - 銀蒸着反射フィルム - Google Patents

銀蒸着反射フィルム

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JP2512605B2 JP2156102A JP15610290A JP2512605B2 JP 2512605 B2 JP2512605 B2 JP 2512605B2 JP 2156102 A JP2156102 A JP 2156102A JP 15610290 A JP15610290 A JP 15610290A JP 2512605 B2 JP2512605 B2 JP 2512605B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、銀蒸着反射フィルムに関し、さらに詳しく
は、吸着水による銀蒸着層の腐食が防止され、耐熱性お
よび耐湿性に優れた銀蒸着反射フィルムに関する。
〔従来の技術〕 従来、オフィス照明等の室内照明用の反射板として、
塗装鋼板、アルミの鏡面板、アルミ蒸着フィルム付き鋼
板等が用いられてきたが、近年、米国を中心に、省エネ
ルギーを主目的として銀蒸着フィルム付き鋼板の使用が
増えてきており、我国内でも数年前から実用化されてい
る。
ところで、銀は、多くの金属の中でも、可視光全域で
最も高い反射率を有している反面、酸化を始めとする腐
食に弱い欠点をもっている。そこで、銀の耐腐食性を改
善するために、多数の先行技術が提案されている。
例えば、特公昭37−12931号には、透明なポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに銀などの金属を真空蒸着し
た後、蒸着面にポリエステル系樹脂を塗布して保護層と
することが提案されている。しかし、合成樹脂の保護層
では、気体の遮断性が不十分であり、硫化水素ガス、硫
黄化合物、酸素、水が時間の経過と共に合成樹脂層を透
過し、銀を腐食させる。特に、合成樹脂を蒸着面に塗布
する際に、大気圧中に曝された蒸着面に吸着する水分
は、合成樹脂層と銀蒸着層との間に残り、銀腐食の最大
の原因となる。
また、特開昭64−9733号には、銀蒸着層面上に設けら
れる保護層中に、気化性防錆剤を主成分とする腐食抑制
剤を混合分散することが提案されていが、この方法も、
前記と同様、吸着水による腐食を防止することができな
い。
特開昭56−70946号には、銀蒸着層の上に、スズ−イ
ンジウム−亜鉛合金の蒸着層を設けることが提案されて
いる。この方法によれば、気体の遮断性が良く、また、
真空中で銀蒸着層の上に他の金属層を設けるため、銀蒸
着層表面に大気中の水分が吸着することがない点で優れ
ているが、端面に空気中の水分が接触し、時間が経時す
ると銀蒸着層と保護蒸着層の間での電子の移動により
(一種の電池となる)、耐湿性が合成樹脂保護層よりも
劣ってしまう。
特開昭57−8269号には、銀の保護コート剤として、レ
チル形酸化チタンとカーボンブラックを含有することを
特徴とする熱硬化性防湿塗料が提案されているが、この
方法を銀蒸着層の保護に適用する場合、やはり吸着水に
よる腐食を防止することができない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、銀蒸着層の吸着水による腐食を防止
し、耐湿試験・耐熱試験等の信頼性試験において、十分
な信頼性を発揮する銀蒸着反射フィルムを提供すること
にある。
本発明者は、前記従来技術の有する問題点を克服する
ために鋭意研究した結果、合成樹脂フィルム上に形成さ
れた銀蒸着層面上に、チタン(IV)アルコキシドを塗布
し、次いで熱処理することにより酸化チタン層を形成さ
せると、銀蒸着層面上の吸着水がチタン(IV)アルコキ
シドと反応して酸化チタンとアルコールとなって除去さ
れ、耐腐食性に優れた銀蒸着反射フィルムの得られるこ
とを見出した。
また、酸化チタン層の面上に、さらに特定の合成樹脂
層を設けることにより、信頼性が一層改善された銀蒸着
反射フィルムが得られる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至った
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
かくして、本発明によれば、合成樹脂フィルムの片面
に、銀蒸着層を有する銀蒸着反射フィルムにおいて、銀
蒸着層面上に、チタン(IV)アルコキシドを塗布・熱処
理して形成された酸化チタン保護層が設けられているこ
とを特徴とする銀蒸着反射フィルムが提供される。
また、本発明によれば、前記酸化チタン保護層面上
に、さらにポリエステル樹脂またはアクリル樹脂からな
る保護層が設けられている銀蒸着反射フィルムが提供さ
れる。
以下、本発明について詳述する。
ベースとなる合成樹脂フィルム(A)としては、ポリ
エステルフィルムが最も一般的であるが、この他の透明
性のある樹脂、例えば、アクリル樹脂フィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩
化ビニリデンフィルム、セルロール系フィルム、オレフ
ィン系樹脂フィルムなどが適宜用いられる。
合成樹脂フィルム(A)の厚さは、通常、2〜150μ
m、好ましくは12〜75μmである。合成樹脂フィルムの
厚みは、薄すぎると合成樹脂フィルム自体の強度が不足
することと、合成樹脂フィルム側からの銀の劣化因子
(酸素、水分、硫化水素ガスなど)の透過の問題が生
じ、逆に、厚すぎると反射板として、異形に加工された
物への追従性に問題が生じる。
銀蒸着層(B)は、真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法などの通常の金属の薄膜形成方
法によって形成することができ、銀、銀と他の金属との
合金ないしは混合物を含む銀蒸着膜の全てを含む。
銀蒸着層の厚みは、通常、300〜1200Åの範囲、好ま
しくは500〜1000Åの範囲が望ましい。この厚みが300Å
未満では、銀の特徴である光線反射率が不十分であり、
逆に、1200Åを超えても反射性は変らない上に、合成樹
脂フィルム(A)との線膨張係数の違いから、合成樹脂
フィルムとの界面での接着力が低下するおそれがある。
なお、銀蒸着層(B)は、合成樹脂フィルムの上に直
接形成されてもよいが、所望により、アンカー層を介し
て、形成されてもよい。アンカー層としては、ベースと
なる合成樹脂フィルムおよび銀蒸着層の両者との密着性
に優れた合成樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹
脂等を挙げることができる。
酸化チタン保護層(C)は、テトラ−i−プロポキシ
チタン、テトラ−n−ブトキシチタン等のチタン(IV)
アルコキシド(チタン酸アルキル)を単体もしくは溶液
でコーティングした後、乾燥・熱処理をして得られる。
チタン(IV)アルコキシドは、いずれも加水分解を受
け易く、水または湿った空気により酸化チタンに近い構
造にまで加水分解が進む。したがって、チタン(IV)ア
ルコキシドを銀蒸着層(B)面上に塗布すると、銀蒸着
層面上の吸着水がチタン(IV)アルコキシドと反応し、
酸化チタンとアルコールになり、加熱処理すると、酸化
チタンが銀蒸着層面上を被覆して、アルコールは蒸気と
なって飛散する。
酸化チタン保護層(C)は、吸着水がつく銀の活性点
と接着しており、十分な密着力を有する。この処理によ
り、吸着水による腐食を防ぐことができる。
酸化チタン保護層(C)の厚みは、通常、0.1〜5μ
m、好ましくは0.5〜2μm程度である。また、チタン
(IV)アルコキシド塗布後の熱処理条件は、通常、120
〜180℃程度で、1〜20分程度の加熱である。
さらに、酸化チタン保護層(C)の面上に、ポリエス
テル樹脂またはアクリル樹脂から選ばれる合成樹脂の保
護層(D)を設けることにより耐腐食性に対する一層の
信頼性を確保することができる。合成樹脂の保護層
(D)の厚みは、通常、0.1〜5μm、好ましくは1〜
3μm程度である。
酸化チタン保護層(C)および合成樹脂の保護層
(D)の形成は、それぞれの原液もしくは有機溶剤溶液
をロールコーティング法、グラビアコーティング法、リ
バースコーティング法、スプレイコーティング法などの
通常のコーティング法により塗布し、乾燥・熱処理する
ことによって行なわれる。
本発明の銀蒸着反射フィルムは、一般に、反射板の基
板(鋼板、アルミ板、プラスチック板)との接着を目的
として、アクリル系粘接着剤やシリコン系粘接着剤等の
粘着剤層(E)および剥離性シート(F)が設けられ
る。これらの粘着剤層(E)および剥離性シート(F)
は、汎用のものが使用できる。
したがって、本発明の銀蒸着反射フィルムは、合成樹
脂フィルム(A)と、銀蒸着層(B)および酸化チタン
(C)を必須の構成要素とし、通常、第1図に示すよう
に、合成樹脂フィルム(A)/銀蒸着層(B)/酸化チ
タン層(C)/合成樹脂保護層(D)/粘着剤層(E)
/剥離性シート(F)からなる積層構造を有するもので
ある。
なお、合成樹脂フィルム(A)と銀蒸着層(B)との
間に、アンカー層を設けてもよい。
〔発明の効果〕
銀蒸着層面をチタン(IV)アルコキシドで処理するこ
とにより、吸着水を除去することができ、さらに銀と化
学反応を生じない合成樹脂保護層で被覆することによ
り、高い信頼性を得ることができる。
〔実施例〕
[実施例1] 厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
に、750Åの銀層を真空蒸着法にて形成し、その上に、
テトラ−n−ブトキシチタンをグラビアコーターで0.2g
/m2被覆せしめ、170℃で10分間乾燥・熱処理を行ない、
酸化チタン保護層(厚み約1μm)を形成した。
次いで、その上に、ポリエステル樹脂20部、メチルイ
ソブチルケトン80部からなる塗液をロールコーターで塗
布した後乾燥して、厚み2μmの保護層を形成せしめ
た。
得られた銀蒸着反射フィルムをアクリル粘着剤によ
り、鋼板に固定して評価用のサンプルを得た。
[実施例2] 実施例1のテトラ−n−ブトキシチタンの代わりにテ
トラ−i−プロポキシチタンを用い、保護層の合成樹脂
として、ポリエステル樹脂の代わりにアクリル樹脂を用
いてサンプルを得た。
[比較例1] 実施例1に対して、テトラ−n−ブトキシチタンで処
理せずに、銀蒸着層面上に、直接ポリエステル樹脂保護
層を形成せしめて、サンプルを得た。
[比較例2] 実施例2に対して、テトラ−i−プロポキシチタンで
処理せずに、銀蒸着層面上に、直接アクリル樹脂保護層
を形成せしめて、サンプルを得た。
[比較例3] 50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、75
0Åの銀層を真空蒸着法にて形成し、さらに、スズ−イ
ンジウム−亜鉛が重量比で40:30:30の合金を厚み30Åと
なるように真空蒸着にて形成せしめ、アクリル粘着剤に
より鋼板に固定して評価サンプルを得た。
以上、5種類のサンプルについて、初期の全光線反射
率を測定した後、120℃と、60℃90%RHで経時試験を行
ない、反射率の測定を行なった。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明の銀蒸着反射フィ
ルム(実施例1〜2)は、優れた耐熱性、耐湿性を有し
ており、経時劣化の少ないものである。これに対して、
合成樹脂保護層(D)のみで酸化チタン保護層(C)を
有していないもの(比較例1〜2)は、耐熱性が特に悪
く、耐湿性も不十分である。また、スズ−インジウム−
亜鉛蒸着層を保護層とするもの(比較例3)は、耐湿性
が劣悪である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の銀蒸着反射フィルムの具体例を示す
断面図である。 1:合成樹脂フィルム(A)、2:銀蒸着層(B)、 3:酸化チタン保護層(C)、 4:合成樹脂保護層(D)、5:粘着剤層(E)、 6:剥離性シート(E)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂フィルムの片面に、銀蒸着層を有
    する銀蒸着反射フィルムにおいて、銀蒸着層面上に、チ
    タン(IV)アルコキシドを塗布・熱処理して形成された
    酸化チタン保護層が設けられていることを特徴とする銀
    蒸着反射フィルム。
  2. 【請求項2】酸化チタン保護層面上に、さらにポリエス
    テル樹脂またはアクリル樹脂からなる保護層が設けられ
    ている請求項1記載の銀蒸着反射フィルム。
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