JP2511863B2 - スクロ−ル気体圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル気体圧縮機

Info

Publication number
JP2511863B2
JP2511863B2 JP61009104A JP910486A JP2511863B2 JP 2511863 B2 JP2511863 B2 JP 2511863B2 JP 61009104 A JP61009104 A JP 61009104A JP 910486 A JP910486 A JP 910486A JP 2511863 B2 JP2511863 B2 JP 2511863B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
scroll
oil
back pressure
pressure chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61009104A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62168986A (ja
Inventor
勝晴 藤尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP61009104A priority Critical patent/JP2511863B2/ja
Publication of JPS62168986A publication Critical patent/JPS62168986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2511863B2 publication Critical patent/JP2511863B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール気体圧縮機に関するものである。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、例
えば特開昭59−49386号公報にも示されているように吸
入室が外周部にあり吐出ポートがうず巻きの中心部に設
けられ、圧縮流体の流れが一方向のため高速運転時の流
体抵抗が小さくて圧縮効率が高いことは一般によく知ら
れている。
また、この種の高圧ガス密閉シェル構造の圧縮機は、
特開昭58−65986号公報で知られるように第2図に示す
構成あるいは特開昭58−67983号公報で知られるように
第3図に示す構成が発明され、背圧室の適切な圧力設定
により軸方向のスラスト力を軽減しながら各摺動部の潤
滑が次のように構成されていた。
すなわち第2図においては、旋回スクロール105は円
盤108の背面の旋回軸受部110にクランク軸104のクラン
ク109が挿入され、旋回スクロール105の自転を防止する
旋回機構111を有し、旋回スクロール105の背面はフレー
ム107により独立した空間112を形成し、この空間112は
旋回スクロール105の軸方向荷重をバランスするために
円盤108に設けた均圧穴113により圧縮途中の圧縮室と連
通して吸入圧力より高く吐出圧力よりも低い中間圧力に
設定されており、旋回軸受部110やラジアル軸受120、12
1への給油がクランク軸104の軸内に貫通して設けた偏心
穴126を通して吐出圧力と同圧力の密閉容器内下部の油
溜の潤滑油を中間圧力状態の空間112へ差圧を利用して
流入させる過程で行われ本質的には別々の給油経路を通
してなされる構成であった。
また第3図においては、鏡板摺動面202aへの給油が旋
回スクロールボス部軸受208、主軸受212a、212bへの給
油量に係わりなく直接、下部の油溜から偏心給油穴20
9、放射状給油通路210aを経由し差圧や遠心ポンプ作用
を利用して行われる構成であった。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第2図のような高圧空間内の油溜
から中間圧力状態の空間112への潤滑油の流入が旋回軸
受部110とラジアル軸受120の両方からなされる給油通路
の構成では、各軸受部への給油をそれぞれ一定量以上確
保する必要から空間112への流入潤滑油量が多くなり、
この潤滑油は最終的には空間112から均圧穴113を通して
圧縮室に流入して圧縮効率低下を招くという問題があっ
た。
また、第3図のような鏡板摺動面202aへの給油が第2
図の給油構成に加えて新たに高圧空間の油溜から直接給
油する構成では、鏡板摺動面202aを通してうず巻き外周
部の吸入室へ潤滑油が流入するので第2図の構成以上に
圧縮室への潤滑油流入量が多くなり圧縮効率がさらに低
下するという問題があった。
そこで、本発明は給油通路を1本化して総給油量を減
らすとともに各摺動部への実質給油量を増加させること
により摺動摩擦抵抗が少なく高効率で耐久性に優れたス
クロール圧縮機を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のスクロール圧縮
機は、潤滑油供給元の潤滑油を背圧室へ供給するように
したスクロール式圧縮機を形成し、背圧室から吸入室ま
たはこれに通じる吸入側への連通路を、背圧室に連通し
た偏心軸部とその偏心軸部に嵌合する第1の軸受部の間
に形成された油通路を経由する構成としたものである。
作用 本発明は上記構成によって、潤滑油供給元と背圧室と
の差圧またはポンプ装置等によって供給される潤滑油
は、駆動軸を支承する第2の軸受部を通り、第2の軸受
部摺動面を潤滑しながら背圧室に流入し、背圧室内の摺
動面(例えば自転阻止機構部の摺動面など)を潤滑の
後、旋回スクロールに旋回運動を与える駆動軸の偏心軸
と嵌合する第1の軸受部を順次潤滑する。そして連通路
を経て吸入室またはこれに通じる吸入側に流入する。し
たがって、同一の潤滑油によって各部の潤滑ができ、各
部への給油量を増やしながら全体の給油量を少なくする
ことができるので、圧縮室への油流入による圧縮効率の
低下を少なくし、また十分な油量確保による油膜形成に
よって摺動部の摩耗を少なくし、軸受部から生じる振動
や騒音をおさえて静かで耐久性に優れ、圧縮効率の高い
スクロール圧縮機を提供することができるものである。
実施例 以下本発明の一実施例のスクロール圧縮機について、
図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール気体圧
縮機の縦断面図を示すものである。
第1図において、1は密閉シェル、2は密閉シェル1
に圧入固定された本体フレーム、3、4は本体フレーム
2の中心に設けられた第2の軸受部に相当する軸受であ
る。駆動軸5は軸受3、4に支承され、下端が開口した
偏心油穴6と軸受4に連通した横油穴7を設けている。
さらにその上端には表面に極細のら線状油溝8を有した
偏心軸部9が設けられ下端は密閉シェル1の底部の油溜
10にまで伸びて投入している。モータ11の回転子12は駆
動軸5に、固定子13は密閉シェル1に圧入固定されてい
る。
偏心軸部9に連結し、その中心の軸受穴14に第1の軸
受部にあたる軸受部15を備えた旋回スクロール16のラッ
プ支持円盤17は、その上面に直立した旋回スクロールラ
ップ18が一体的に形成され、軸受穴14から外周にまで貫
通した放射状油穴19と放射状油穴19の途中から斜外側方
向に環状の吸入室20と連通した極細の絞り通路21が設け
られ、その下面は本体フレーム2の上端開口穴に突出し
たスラスト軸受座23に支承されている。旋回スクロール
ラップ18は、その平面形状がうず巻き状をなし、その縦
断面は矩形をなして隣り合う旋回スクロールラップ18は
平行関係にある。
自転阻止用のオルダムリング24は、平らなリングの両
面に互いに直交する平行キー形状のキー部を備えたもの
で、ラップ支持円盤17とスラスト軸受座23との間に設け
られている。このオルダムリング24の上面側のキー部は
ラップ支持円盤17の背面に設けられたキー溝(図示せ
ず)に、下面側のキー部はスラスト軸受座23に設けられ
たキー溝(図示せず)にはめ込まれており、駆動軸5の
回転によってラップ支持円盤17は駆動軸5の軸心のまわ
りに円運動をし、旋回スクロールラップ18は旋回運動を
する。また、本体フレーム2の上端面には上端開口穴を
ふさいでラップ支持円盤17の背圧室25とした固定スクロ
ール26の鏡板27がスラスト軸受座23と共に旋回スクロー
ル16をシール機能を有する程度の微少隙間ではさむよう
に取付られ、本体フレーム2、ラップ支持円盤17、スラ
スト軸受座23とで形成された給油空間28は放射状油穴1
9、軸受穴14、ら線状油溝8を介して背圧室25に連通し
ている。
鏡板27の円盤側摺動面32には環状油溝33が設けられそ
の内側には環状の吸入室20が設けられ、さらにその内側
には旋回スクロールラップ18に平行で同形状寸法の固定
スクロールラップ34のうず巻きの中心部には密閉シェル
1の内側を吐出空間35とした吐出ポート36が設けられて
いる。
また、環状の吸入室20には側方より密閉シェル1を貫
通した吸入管37が接続され、密閉シェル1の側面にはモ
ータ11の上部コイルエンド側空間38に開口した吐出管39
が接続されている。密閉シェル1に圧入固定された本体
フレーム2の外側面には切欠き溝40が設けられ、この切
欠き溝40が密閉シェル1内の鏡板27の側の吐出空間35と
モータ11の側とを連通している。
以上のように構成されたスクロール気体圧縮機につい
て、以下その動作を説明する。
モータ11によって回転子12が回転し、駆動軸5が回転
駆動されると旋回スクロール16が旋回運動をし、吸入管
37を通して冷媒ガスが吸入室20に吸入され、この冷媒ガ
スは旋回スクロールラップ18と固定スクロール26のラッ
プ間に形成された圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロ
ールラップ18の旋回運動にともなって圧縮され吐出ポー
ト36より吐出空間35へ吐出され、冷媒ガス中に含まれる
潤滑油の一部はその自重などによって冷媒ガスから分離
して密閉シェル1と本体フレーム2との間の切欠き溝40
などを経て底部の油溜10に収集され、残りの潤滑油は吐
出冷媒ガスと共に吐出管39を経て外部の冷凍サイクルへ
搬出される。
一方、固定スクロール26の鏡板27と本体フレーム2と
によって吐出空間35から隔離されて形成された背圧室25
を経由する高圧側の油溜10から低圧側の吸入室20までの
差圧給油は次のようにして行われる。
すなわち、圧縮機の起動後、吐出冷媒ガスで充満され
た密閉シェル1の底部の油溜10の潤滑油は駆動軸5に設
けられた偏心油穴6、横油穴7と駆動軸5を支承する軸
受3、4と駆動軸5との間の微少隙間を通過することに
よって漸次減圧給油され吸入圧力と吐出圧力との中間圧
力の状態で背圧室25に供給される。さらに潤滑油は、偏
心軸部9の表面に設けられた極細のら線状油溝8や偏心
軸部9と旋回スクロール16の軸受部15との間の微少隙間
を通り漸次減圧給油された後、旋回スクロール16に設け
た軸受穴14、放射状油穴19、絞り通路21を経て漸次減圧
されながら吸入室20に流入し、吸入冷媒ガスと共に再び
圧縮、吐出される。また、放射状油穴19を通過中の潤滑
油は旋回スクロール16が旋回運動することにより生じる
遠心力作用で潤滑油中の冷媒ガスを分離しながら給油空
間28にも給油され鏡板27とラップ支持円盤17との間の摺
動面の微少リークや鏡板27の環状油溝33を経て漸次減圧
されながら給油空間28の全周囲から摺動面全域にわたり
ほぼ均一に吸入室20に流入しながら鏡板27とラップ支持
円盤17との間の摺動面を潤滑する。
この差圧給油方式によれば、ラップ支持円盤17の背面
の背圧室25の圧力を給油通路の通路抵抗調整によって吐
出圧力に近い状態から吸入圧力に近い状態にまで自由に
設定できるので、ラップ支持円盤17の背面に作用するガ
ス圧荷重と圧縮室内のガス圧荷重との荷重差を自由に調
整でき、それによってラップ支持円盤17を鏡板27の側へ
押しつけることも、また、鏡板27から離してスラスト軸
受座23の側に押しつけることもできる。
本実施例では定常運転時など潤滑油の粘性が低い場合
のラップ支持円盤17は鏡板21の側へスラスト力が作用す
るように、また、冷時起動直後など潤滑油の粘性が高い
場合のラップ支持円盤17はスラスト軸受座23の側へスラ
スト力が作用して鏡板27とラップ支持円盤17との間の摺
動面の隙間を調整して潤滑油の粘性に応じた摺動面の通
路抵抗調整を行なって背圧室25と軸受穴14間の差圧調整
により偏心軸部を通過する潤滑油量調整機能を備えてい
る。
なお、本実施例では油溜10から背圧室25への差圧のみ
による給油方式での給油例について説明したが、駆動軸
5の先端部や駆動軸5の中に設けたポンプ装置などによ
る強制給油方式併用の場合も同様の作用をする。また、
本実施例ではらせん状油溝8を偏心軸部9の表面に設け
たが軸受部15の内径面に設けた場合も同様の作用をす
る。
また、本実施例では油溜10から背圧室25への給油が駆
動軸5を支承する軸受3、4の隙間を介してのみ行われ
ているが、油溜10と背圧室25との間の給油経路の適当な
位置から給油経路を圧縮機の外部に導き出し潤滑油の冷
却や油量調整を行って後再び給油経路を圧縮機内部に戻
しても良い。
また、本実施例では旋回スクロール16に軸受部を、駆
動軸5に偏心軸部5を設けたが旋回スクロール16に軸部
を、駆動軸5に軸受部を設けた組合せでも良い。
また、圧縮機停止後は背圧室25と油溜10または偏心油
穴6などとの間の差圧が零になるまで潤滑油が背圧室25
に供給され圧縮機再起動時の背圧室25は潤滑油でほぼ充
満されている。
以上のように上記実施例によれば油溜10から軸受3、
4に給油された潤滑油をプールする背圧室25と吸入室20
またはこれに通じる吸入側との間の連通には偏心軸部9
または軸受部15に嵌合する軸受または軸部の隙間あるい
は極細のらせん状油溝を経由する連通路を備えることに
より、背圧室25への給油系路を一本にすることができ、
冷媒ガス圧縮時に全荷重を受ける軸受部15の隙間や油溝
に背圧室に収集された潤滑油のほぼ大半を集中して連続
的に給油することができるので、背圧室25へ供給する潤
滑油量を少なくしながら給油効果が向上して軸受部15の
摺動面の摩擦トルクや摩耗が少なく耐久性に優れ動力損
失も少なくすることができると共に背圧室25から吸入室
20への潤滑油の流入量(流入熱量)が減少して圧縮効率
を著るしく向上させ、また、十分な油膜形成が可能とな
って軸受部15と偏心軸部9との間の隙間から生じる振動
や騒音を低下させスクロール圧縮機が本来有する低振
動、低騒音特性を高めることができる。
また、上記実施例では連通路の最上流側を偏心軸部9
の隙間あるいは極細のらせん状油溝8とすることによ
り、圧縮機再起動時には吸入室20と背圧室25との間の差
圧発生が早く背圧室25に充満された潤滑油を他の摺動面
よりも優先して圧縮時の全負荷が作用する軸受面に差圧
給油できるので起動時などに生じやすい液圧縮負荷にも
耐え高負荷が作用する最主要軸受部の耐久性を向上す
る。
また、上記実施例では連通路の最下流側を旋回スクロ
ール16のスラスト荷重受面部(ラップ支持円盤17の鏡板
27の側)とすることにより、潤滑油が背圧室25から吸入
室20へ流入する過程で漸次減圧されることにより潤滑油
のガス発泡が進み連通路の最下流ではガス発生が最も多
く摺動面間の微少隙間も発泡ガスが多少の通路抵抗を生
じる程度で通過して吸収室20へ流入するので、冷時起動
時など潤滑油の粘性が高くとも背圧室25から吸入室20へ
の流れ込みが停滞することによる背圧室25の異常圧力上
昇がないので冷媒ガス圧縮時のスラスト負荷も安定して
スラスト荷重軸受部の異常摩耗や摩擦損失も少なくでき
る。
また、上記実施例では連通路の中間通路をラップ支持
円盤17に設けることにより、可動スクロール16の軽量化
に基づく遠心力軽減による軸受部の動力損失や振動低減
は勿論のこと、背圧室25から吸入室20への流入終端通路
の数量や位置設定に制限されることがないので圧縮機の
回転数、圧力、温度、圧縮容積などの条件に合わせて最
適な連通路設定が可能で圧縮効率、耐久性、振動、騒音
などの圧縮機の特性を最大限に向上できる。
また、上記実施例では中間通路をラップ支持円盤17の
中央部から外周方向に向けて設けることにより、中間通
路途上の潤滑油は旋回スクロール16の旋回回転速度に応
じて遠心ポンプ作用による油圧が付加されて吸入室20ま
での摺動面を潤滑すると共に背圧室25に対する潤滑油の
ポンプ吸引効果により中間通路よりも上流側の摺動面へ
も旋回回転速度に応じた効果的な給油ができ摺動面の耐
久性向上や動力損失を低減することができる。
また、上記実施例では連通路の終端を極狭通路(絞り
通路21あるいは鏡板27とラップ支持円盤17との間の摺動
面の微少隙間)とすることにより極狭通路よりも上流側
の連通路に潤滑油をプールすることができ定常運転時や
再起動時などの区別なく常時、摺動面への連続給油でき
るので摺動面の耐久性向上は勿論のこと再起動直後など
の過渡運転時などに生じる旋回スクロールのバタつきに
よる振動や騒音を軽減することができる。
また、上記実施例では連通路の下流側通路(放射状油
穴19)の一部を分岐してラップ支持円盤17の外周部に設
けた給油空間28へ通じる給油通路を設けることにより、
旋回スクロール16が旋回運動することに基づく放射状油
穴19の遠心ポンプ作用により潤滑油中のガスをある程度
分離して給油空間28に潤滑油を充満させられるので鏡板
27とラップ支持円盤17との間の摺動面などのスラスト荷
重受面部への充分な給油が可能となりスラスト荷重軸受
部の耐久性向上や摩擦損失低減は勿論のこと潤滑油充満
に基づくシール効果によって給油空間28と圧力的に遮断
された空間からの冷媒ガスの流入を防止して背圧室25か
ら吸入室20への安定した差圧給油ができ圧縮効率、耐久
性、振動、騒音などに好影響を及ぼす。
発明の効果 以上のように本発明は、潤滑油供給元の潤滑油を背圧
室へ供給するようにしたスクロール式圧縮機を形成し、
背圧室から吸入室またはこれに通じる吸入側への連通路
を、背圧室に連通した偏心軸部とその偏心軸部に嵌合す
る第1の軸受部の間に形成された油通路を経由する構成
としたことにより、潤滑油供給元から吸入室への給油経
路が一本となり、気体圧縮時に全荷重を受ける駆動軸の
偏心軸部または第1の軸受部の軸受隙間や油溝に、背圧
室に収集された潤滑油のほぼ大半を集中して連続的に給
油しながら背圧室への給油潤滑油量を少なくできるた
め、高い給油効果によって軸受部の摩擦トルクや摩耗を
少なくできる。その結果、耐久性に優れ、動力損失を少
なくできると共に背圧室から吸入室への潤滑油の流入量
(流入熱量)を減少して圧縮効率を著しく向上させ、ま
た、十分な油膜形成により軸受部の隙間を少なくして軸
受部から生じる振動や騒音を低下させることができる。
また、連通路の最上流側を偏心軸部の隙間あるいは油
溝とすることにより、圧縮機再起動時には吸入室と背圧
室との間の差圧発生が早く背圧室に充満された潤滑油を
他の摺動面よりも優先して圧縮時の全負荷が作用する偏
心軸部の軸受面に差圧給油できるので起動時などに生じ
やすい液圧縮負荷にも耐え最も信頼性を要する最主要軸
受部の耐久性を向上することができる。
また、連通路の最下流側を旋回スクロールのスラスト
荷重受面部とすることにより、気体を含浸している潤滑
油が背圧室から吸入室へ流入する過程で漸次減圧されて
潤滑油の気体発泡が進み連通路の最下流では気体発生が
最も多くなり摺動面間の微少隙間も発泡気体が多少の通
路抵抗を生じる程度で通過して吸入室に流入するので圧
縮機冷時起動時など潤滑油の粘性が高くとも背圧室から
吸入室への流れ込みが停滞することなく潤滑油供給元か
らの気体の流れ込みによる背圧室の異常圧力上昇もない
ので気体圧縮時のスラスト負荷も安定してスラスト荷重
軸受部の異常摩耗や摩擦損失を少なくすることができ
る。
また、連通路の中間通路をラップ支持円盤に設けるこ
とにより、可動スクロールの軽量化に基づく遠心力軽減
により軸受部の動力損失や振動の低減をはかることがで
き、さらに背圧室から吸入室への流入終端通路の数量や
位置設定に制限されることなく圧縮機の回転数、圧力、
温度、圧縮容積などの条件に合わせて最適な連通路設定
が可能で圧縮効率、耐久性、振動、騒音などの圧縮機特
性を最大限に向上できる。
また、中間通路をラップ支持円盤の中央部から外周方
向に向けて設けることにより、中間通路途上の潤滑油は
旋回スクロールの旋回回転速度に応じて遠心ポンプ作用
による油圧が付加されて吸入室までの摺動面を潤滑する
と共に背圧室に対する潤滑油のポンプ吸引効果により中
間通路よりも上流側の摺動面へも旋回回転速度に応じた
効果的な給油ができる。
また、連通路の終端を極細通路とすることにより、極
細通路の上流側の連通路に潤滑油をプールすることがで
き定常運転時や再起動時などの区別なく、常時、摺動面
への連続給油でき、特に再起動直後などの過渡運転時な
どに生じる旋回スクロールのバタつきによる振動や騒音
を軽減することができる。
また、連通路の下流側通路の一部を分岐してラップ支
持円盤の外周部空間へ通じる給油通路を設けることによ
り、旋回スクロールが旋回運動することに基づく外周部
空間へ通じる給油通路の遠心ポンプ作用により潤滑油中
の気体をある程度分離してラップ支持円盤の外周部空間
に潤滑油を充満させることができ鏡板とラップ支持円盤
との間の摺動面などのスラスト荷重受面部への給油を充
分行うことができるなどにより、摺動部の耐久性、圧縮
効率、振動、騒音など数多くの優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール気体圧縮
機の縦断面図、第2図および第3図はそれぞれ異なる従
来のスクロール圧縮機の縦断面図である。 1……密閉シェル、2……本体フレーム、5……駆動
軸、10……油溜、16……旋回スクロール、17……ラップ
支持円盤、20……吸入室、21……絞り通路、25……背圧
室、26……固定スクロール、27……鏡板、36……吐出ポ
ート、37……吸入管、39……吐出管。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロール26の一部を成す鏡板27の一
    面に形成されたうず巻状の固定スクロールラップ34に対
    して旋回スクロール16の一部をなすラップ支持円盤17上
    の旋回スクロールラップ18をかみ合わせ、前記固定スク
    ロールラップ34の外側には吸入室20を形成し、前記ラッ
    プ支持円盤17は、駆動軸5を支持する本体フレーム2と
    前記鏡板27との間に自転阻止機構24を介して旋回可能に
    支承され、さらに偏心軸部9とこの偏心軸部9に嵌合す
    る第1の軸受部15とからなる前記駆動軸5と前記ラップ
    支持円盤17との軸嵌合部を、前記本体フレーム2および
    前記ラップ支持円盤17によって形成された背圧室25内に
    位置させ、この背圧室25を前記駆動軸5を支承する第2
    の軸受部3、4を介して潤滑油供給元10と連通させ、前
    記旋回スクロール16の旋回運動により、前記固定スクロ
    ールラップ34と前記旋回スクロールラップ18との間に形
    成される圧縮室の容積変化を利用して流体を圧縮すると
    ともに、前記潤滑油供給元10の潤滑油を前記背圧室25へ
    供給するようにしたスクロール式圧縮機を形成し、前記
    背圧室25から前記吸入室20またはこれに通じる吸入側へ
    の連通路25〜8〜14〜19〜21を、前記背圧室25に連通し
    た前記偏心軸部9と前記第1の軸受部15の間に形成され
    た油通路8を経由する構成としたスクロール気体圧縮
    機。
  2. 【請求項2】連通路の最上流側を偏心軸部9と第1の軸
    受部15との隙間あるいは前記偏心軸部9または前記第1
    の軸受部15に設けた油溝とした特許請求の範囲第1項記
    載のスクロール気体圧縮機。
  3. 【請求項3】連通路の最下流側を旋回スクロール16のス
    ラスト荷重受面部23とした特許請求の範囲第1項記載の
    スクロール気体圧縮横。
  4. 【請求項4】連通路の中間通路を、ラップ支持円盤17に
    設けられ、かつ前記ラップ支持円盤17および駆動軸5の
    軸嵌合部と連通する油通路とした特許請求の範囲第1項
    記載のスクロール気体圧縮機。
  5. 【請求項5】ラップ支持円盤17の中央部から外周方向に
    延出する中間通路とした特許請求の範囲第4項記載のス
    クロール気体圧縮機。
  6. 【請求項6】連通路の終端を極狭通路21とした特許請求
    の範囲第1項または第3項記載のスクロール気体圧縮
    機。
  7. 【請求項7】連通路の下流側通路の一部を分岐してラッ
    プ支持円盤17の外周部空間へ通じる給油路を設けた特許
    請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載のスクロー
    ル気体圧縮機。
JP61009104A 1986-01-20 1986-01-20 スクロ−ル気体圧縮機 Expired - Lifetime JP2511863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61009104A JP2511863B2 (ja) 1986-01-20 1986-01-20 スクロ−ル気体圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61009104A JP2511863B2 (ja) 1986-01-20 1986-01-20 スクロ−ル気体圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62168986A JPS62168986A (ja) 1987-07-25
JP2511863B2 true JP2511863B2 (ja) 1996-07-03

Family

ID=11711319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61009104A Expired - Lifetime JP2511863B2 (ja) 1986-01-20 1986-01-20 スクロ−ル気体圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2511863B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2675313B2 (ja) * 1987-11-21 1997-11-12 サンデン株式会社 スクロール型圧縮機
JPH01271680A (ja) * 1988-04-22 1989-10-30 Sanden Corp スクロール型圧縮機
JPH039094A (ja) * 1989-06-02 1991-01-16 Sanden Corp スクロール型圧縮機
US5306126A (en) * 1991-03-27 1994-04-26 Tecumseh Products Company Scroll compressor lubrication control
JPH09151866A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Sanyo Electric Co Ltd スクロール圧縮機
CN104093986B (zh) * 2012-12-27 2016-12-14 松下电器产业株式会社 涡旋式压缩机
CN115788875B (zh) * 2022-11-29 2023-12-29 苏州中成新能源科技股份有限公司 一种压缩机运动结构及其装配工艺

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55160192A (en) * 1979-05-28 1980-12-12 Hitachi Ltd Sealed scroll fluid equipment
JPS59110886A (ja) * 1982-12-17 1984-06-26 Hitachi Ltd スクロ−ル流体機械
JPS59110883A (ja) * 1982-12-17 1984-06-26 Hitachi Ltd スクロール圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62168986A (ja) 1987-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0733829B2 (ja) スクロ−ル圧縮機
JP2007138868A (ja) スクロール圧縮機
EP0717192B1 (en) Oil level control device for a compressor
JP2511863B2 (ja) スクロ−ル気体圧縮機
JPS63131889A (ja) スクロ−ル気体圧縮機
JPH0826861B2 (ja) スクロール気体圧縮機
JPS61178589A (ja) スクロ−ル圧縮機
JPH0765580B2 (ja) スクロール気体圧縮機
JPS6210487A (ja) スクロール気体圧縮機
JPH0435636B2 (ja)
JPH08303364A (ja) スクロール気体圧縮機
JP7263554B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2605688B2 (ja) スクロール気体圧縮機
JP2574599B2 (ja) スクロール圧縮機
JPH08284853A (ja) スクロール圧縮機
US11933306B2 (en) Scroll compressor and refrigeration cycle apparatus
JPH02227583A (ja) スクロール圧縮機
JPH11324944A (ja) スクロール圧縮機
JPH0650274A (ja) スクロール圧縮機
JPH04203381A (ja) ヘリウム用スクロール圧縮機の油注入機構
JPH0678756B2 (ja) スクロ−ルコンプレツサ
JPH07286587A (ja) 給油制御手段を備えたスクロール冷媒圧縮機
WO2022244240A1 (ja) 圧縮機
JPH08303370A (ja) スクロール気体圧縮機
JPH0742945B2 (ja) スクロール気体圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term