JP2605688B2 - スクロール気体圧縮機 - Google Patents

スクロール気体圧縮機

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JP2605688B2
JP2605688B2 JP61107051A JP10705186A JP2605688B2 JP 2605688 B2 JP2605688 B2 JP 2605688B2 JP 61107051 A JP61107051 A JP 61107051A JP 10705186 A JP10705186 A JP 10705186A JP 2605688 B2 JP2605688 B2 JP 2605688B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール気体圧縮機に関するものである。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、例
えば特開昭59−49386号公報にも示されているように、
吸入室が圧縮室を形成する渦巻の外周部にあり、吐出ポ
ートが渦巻の中心部に設けられ、圧縮流体の流れが一方
向のため高速回転運転時の流体抵抗が小さくて圧縮効率
が高いことが一般によく知られている。また、圧縮室の
吸入容積と圧縮完了時の圧縮室容積との割合、すなわ
ち、容積比が一定で圧縮のための吐出弁が不要であり、
吸入圧力と圧縮完了圧力との割合、すなわち、圧縮比が
一定であることも知られていてる。
また、この種の高圧ガス密閉構造の冷媒圧縮機として
は、特開昭58−65986号公報で知られるように第4図に
示す構成あるいは特開昭58−67983号公報で知られるよ
うに第5図に示す構成が発明され、旋回スクロールが固
定スクロールから常に離反しないように、背圧室の適切
な圧力設定により旋回スクロールを固定スクロールに常
に押圧し、圧縮室側から旋回スクロールに作用するスラ
スト力を軽減しながら各摺動部への潤滑が次のように構
成されていた。
すなわち、第4図においては、旋回スクロール105は
円盤108の背面の旋回軸受部110に駆動軸104のクランク
軸109が挿入され、旋回スクロール105の自転を防止する
旋回機構111を有し、旋回スクロール105の背面はフレー
ム107により独立した空間112を形成し、この空間112は
旋回スクロール105の軸方向荷重を軽減するために、円
盤108に設けた均圧孔113により圧縮途中の圧縮室と連通
して吸入圧力より高く吐出圧力よりも低い中間圧力に設
定されており、旋回スクロール105が固定スクロール26
から常に離反しないように、旋回スクロール105が固定
スクロール26に押圧され、圧縮室圧力により作用する旋
回スクロール105へのスラスト力が相殺されて軽減され
ている。また、旋回軸受部110やラジアル軸受120、121
への給油が駆動軸104の軸内に貫通して設けた偏心穴126
を通して吐出圧力と同圧力の密閉シェル内下部の油溜の
潤滑油を中間圧力状態の空間112へ差圧を利用して流入
させる過程で行われ、本質的には別々の給油経路を通し
てなされ、更に鏡板摺動面102aへの給油に別の給油経路
を必要とする構成であった。
また、第5図においては、固定スクロールの鏡板摺動
面202aへの給油が旋回スクロールのボス部軸受208、主
軸受212a,212bへの給油に係わりなく、直接、下部の油
溜から偏心給油穴209、旋回スクロール内に設けた放射
状給油通路210aを経由して差圧や遠心ポンプ作用を利用
して行われる構成であった。
発明が解決しょうとする問題点 しかしながら上記の第4図のような旋回スクロール10
5の背面全体を含む独立した空間112に圧縮途中のガスを
導入しているので、スクロール圧縮機の圧縮比が一定な
ことから、空間112の圧力は主として吸入圧力に依存
し、円盤108に設けた均圧孔113の開設位置によって決定
する。したがって、密閉シェル内の高圧空間の圧力が設
定圧力よりも高い場合には、吐出ポートに近い圧縮室に
高圧ガスが逆流して圧縮室圧力が高くなり、旋回スクロ
ール105が固定スクロールから離れ、それによって圧縮
室隙間が拡大して圧縮効率の著しい低下を招くという問
題が有る。
一方、この種問題解決の方策として、旋回スクロール
の円盤外周部を微小隙間で挟んで、圧縮室隙間を拡大さ
せない構成が特開昭55−142902号公報に記載されてい
る。
しかしながら、この構成も旋回スクロールを固定スク
ロールの側に常接すべく押圧する構成のために、密閉シ
ェル内の高圧空間の圧力が設定圧力よりも低い場合に
は、特に圧縮機低速運転時に、圧縮室隙間から吐出ポー
トへのガス漏れによって吐出ポートに近い圧縮室の圧力
が低くなり、圧縮室側から旋回スクロールに作用するガ
ス荷重が小さくなる。その結果、旋回スクロールと固定
スクロールとの接触力が過剰になると共に、旋回スクロ
ールの円盤外周部への給油不足も相まって、入力損失の
過大と摺動面の摩耗増加という問題があった。
また、第4図において、高圧空間内の油溜から中間圧
力状態の空間112への潤滑油の流入が旋回軸受部110とラ
ジアル軸受120の両方からなされる給油通路や鏡板摺動
面102への別の給油通路を必要とする構成では、各軸受
部や摺動面への給油をそれぞれ一定量以上確保する必要
から空間112や吸入室120への流入潤滑油が多くなり、こ
の潤滑油は最終的には均圧穴113などを通して圧縮室に
過剰流入して圧縮効率の低下を招くという問題があっ
た。
また、第5図の構成も旋回スクロールを固定スクロー
ルの軸方向に常時接触させ、鏡板摺動面202aへの給油を
第4図の構成から付加した構成のために、圧縮室や鏡板
摺動面202aを通じての吸入室への潤滑油供給量が過剰に
なり、密閉シェル内高圧空間の圧力変動が生じる場合も
上記同様の弊害を招くという課題があった。
そこで、本発明は吸入圧力と吐出圧力が変動した場合
でも、旋回スクロールの摺動面に作用する最大スラスト
力を軽減して、摺動摩擦抵抗を少なくする一方、圧縮室
への総給油量を減らすべく旋回スクロールの背圧室から
吸入側への給油通路を一本化して、高効率で耐久性に優
れたスクロール気体圧縮機を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明のスクロール気体圧
縮機は、旋回スクロールの背圧室が、吐出ポートに通じ
る油溜と吸入室またはこれに通じる吸入側とに通じた構
成において、背圧室と、旋回スクロールのラップ支持円
盤の外側部で且つ固定スクロールの鏡板と駆動軸を支持
する本体フレームで囲まれた給油空間とは、直接的には
区画された状態で絞り通路を介して連通し、吐出ポート
の圧力が圧縮室の容積変化で定まる最終圧縮室の圧力よ
りも高い圧縮不足の場合に、ラップ支持円盤が主として
鏡板に摺接し、吐出ポートの圧力が最終圧縮室の圧力よ
りも低い過圧縮の場合に、ラップ支持円盤が主としてス
ラスト軸受に摺接して潤滑されるべく、背圧室の上流側
および下流側の各通路抵抗と背圧室の範囲を設定すると
共に、スラスト軸受の外側の給油空間と吸入室とを連通
したものである。
作用 本発明は上記構成によって、油溜から背圧室に供給さ
れた潤滑油は、旋回スクロールのラップ支持円盤に背圧
力を付勢して圧縮室の側にスラスト力を与えると共に、
給油空間に供給されてラップ支持円盤の摺動面を潤滑し
た後、吸入室から圧縮室に流入し、圧縮室隙間を油膜密
封し圧縮効率向上に寄与する。
一方、旋回スクロールは、圧縮機高速運転時のよう
に、吐出ポートの圧力が圧縮室圧力よりも高い圧縮不足
時には、ラップ支持円盤の互いに反対側から作用する圧
縮室圧力と背圧付勢力とが相殺されてラップ支持円盤が
固定スクロールの鏡板と油膜を介して摺接する。
また、圧縮機低速運転時のように、吐出ポートの圧力
が圧縮室圧力よりも低い過圧縮時には、圧縮室圧力と背
圧付勢力とが相殺されてラップ支持円盤がスラスト軸受
と油膜を介して摺接し、摺動抵抗を軽減しながら旋回運
動する。
また、吐出ポートの圧力と最終圧縮室圧力とがほぼ同
程度の場合には、圧縮室圧力と背圧付勢力とが釣りあっ
てスラスト力が作用しないラップ支持円盤が、鏡板とス
ラスト軸受の表面に形成された油膜に支持され、摺動抵
抗の極めて小さい浮遊状態に近い形態で旋回運動を行
い、入力・騒音・振動の大幅低減に寄与する。
実 施 例 以下本発明の一実施例のスクロール冷媒圧縮機につい
て、図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧
縮機の縦断面図を示すものである。
第1図において、1は密閉シェル、2は密閉シェル1
に圧入固定された本体フレーム、3、4は本体フレーム
2の中心に設けられた軸受である。
駆動軸5は軸受3、4に支承され、下端が開口した偏
心油穴6と軸受4に連通した横油穴7を設けている。更
に、その上端には表面に粘性ポンプ機能を有する細い螺
旋状油溝8を有した偏心軸9が設けられ、下端は密閉シ
ェル1の底部の油溜10にまで伸びて没している。
モータ11の回転子12は駆動軸5に、固定子13は密閉シ
ェル1に圧入固定されている。
偏心軸部9に連結し、その中心に軸受穴14を備えた旋
回スクロール16のラップ支持円盤17は、その上面に直立
した旋回スクロールラップ18が一体的に形成され、軸受
穴14から外周にまで伸びた放射状油穴19と、放射状油穴
19の途中から斜め外側方向に伸びて環状の吸入室20に連
通した極細の絞り通路21と渦巻き中心に対してその反対
側の位置で吸入室20に直接連通しない絞り通路21aとが
各々設けられ、その下面は本体フレーム2の上部段付き
開口穴の底に設けたスラスト軸受23に支承されている。
旋回スクロールラップ18は、その平面形状が渦巻き状を
成し、その縦断面は矩形を成して隣合う旋回スクロール
ラップ18は平行関係にある。
自転阻止用のオルダムリング24は、平らなリングの両
面に互いに直交する平行キー形状のキー部を備えたもの
で、ラップ支持円盤17とスラスト軸受23との間に設けら
れている。このオルダムリング24の上面側のキー部はラ
ップ支持円盤17の背面に設けられたキー溝(図示せず)
に、下面側のキー部はスラスト軸受23に設けられたキー
溝(図示せず)に填め込まれており、駆動軸5の回転に
よってラップ支持円盤17は駆動軸5の軸心の回りに円運
動をし、旋回スクロールラップ18は旋回運動をする。
また、本体フレーム2の上端面には上部開口穴を寒い
でラップ支持円盤の17の旋回運動空間とした固定スクロ
ール26の鏡板27がスラスト軸受23と共にラップ支持円盤
17を油膜シール機能が保持できる程度の微小隙間で挟む
ように取り付けられている。
ラップ支持円盤17と本体フレーム2とで囲まれて形成
された旋回スクロール16の背圧室25は、固定スクロール
26の鏡板27と本体フレーム2とラップ支持円盤17の外周
面とで形成された給油空間28に、螺旋状油溝8,軸受穴1
4,放射状油穴19を順次経由して連通している。
鏡板27の円盤側摺動面32には連続または不連続な環状
油溝33が設けられ、ラップ支持円盤17が一定の旋回運動
範囲にある時のみ絞り通路21が環状油溝33の内側の吸入
室20に連通し、且つ、絞り通路21aが環状油溝33に連通
するように配置されている。
吸入室20の内側には、旋回スクロールラップ18に平行
で同形状寸法の固定スクロールラップ34が配置され、そ
の渦巻き中心部には、密閉シェル1の内側を吐出空間と
した吐出ポート36が設けられている。
また、環状の吸入室20には、側方より密閉シェル1を
貫通した吸入管37が接続され、密閉シェル1の外側面に
はモータ11の上部コイルエンド側空間38に開口した吐出
管39が接続されている。
密閉シェル1に圧入固定された本体フレーム2の外側
面には切り欠き溝40が設けられ、この切り欠き溝40が密
閉シェル1内の鏡板27の側の吐出空間35とモータ11の側
とを連通している。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、以下その動作を説明する。
モータ11の回転子12に連結された駆動軸5が回転駆動
されると、旋回スクロール16が旋回運動を行い、吸入管
37を通して冷媒ガスが吸入室20に導入される。この冷媒
ガスは旋回スクロールラップ18と固定スクロールラップ
34の間に形成された圧縮室内に閉じ込められ、旋回スク
ロールラップ18の旋回運動に伴って圧縮され吐出ポート
36より吐出空間35へ排出される。
冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部は、その自重など
によって冷媒ガスから分離して密閉シェル1と本体フレ
ーム2との間の切り欠き溝40などを経て底部の油溜10に
収集され、残りの潤滑油は吐出冷媒ガスと共に吐出管39
を経て外部の冷凍サイクルへ搬出される。
一方、背圧室25を経由する高圧側の油溜10から低圧側
の吸入室20までの給油は次のようにして行われる。
すなわち、圧縮機の起動後、吐出冷媒ガスで充満され
た密閉シェル1の底部の油溜10の潤滑油は、駆動軸5に
設けられた偏心油穴6,横油穴7,駆動軸5を支承する軸受
3,4の軸受隙間を通過することによって減圧され、吸入
圧力と吐出圧力との中間圧力の状態で背圧室25に給油さ
れる。更に潤滑油は、偏心軸部9の表面に設けられた細
い螺旋状油溝8の粘性ポンプ作用によって偏心軸部9と
偏心軸受部15との間の微小隙間を通り漸次減圧された
後、旋回スクロール16に設けられた軸受穴14,放射状油
穴19,絞り通路21を順次経由して減圧された後、鏡板27
に設けられた環状油溝33を介して吸入室20に間欠的に流
入する一方、鏡板27に設けられた別の環状油溝33にも絞
り通路21aを通して間欠的に流入する。
また、放射状油穴19を通過した潤滑油は、給油空間28
に流入した後、鏡板27とラップ支持円盤27との間の摺動
面の微小隙間や環状油溝33を経て漸次減圧されながら給
油空間のほぼ全周囲から摺動面全域にわたり吸入室20に
流入する過程でその摺動面を潤滑すると共に、ラップ支
持円盤17とスラスト軸受23との間の摺動面も潤滑する。
この差圧給油方式によれば、ラップ支持円盤17の背面
の背圧室25の圧力を給油通路の通路抵抗調整によって吐
出圧力に近い状態から吸入圧力に近い状態にまで自由に
設定できるので、背圧室25の圧力と付勢面積を設定する
ことによってラップ支持円盤17への付勢力を自由に調整
できる。その結果、ラップ支持円盤17に作用する圧縮室
内のガス圧荷重と背圧室25からの付勢力を相殺すること
によって、ラップ支持円盤17に作用する実スラスト力を
自由に調整できるので、ラップ支持円盤17を鏡板27の側
へ常時押し付けることも、また逆に、鏡板27から離して
スラスト軸受23の側に押し付けることも、また、鏡板27
とスラスト軸受27の間に浮遊させることもできる。
本実施例では吐出空間35の圧力が圧縮圧力よりも高い
圧縮不足状態の定常運転時(高速〜中速度運転)など潤
滑油の粘性が低い場合のラップ支持円盤17は、鏡板27の
側にスラスト力が作用して鏡板27と摺接するように設定
しており、また、吐出空間35の圧力が圧縮圧力よりも低
い過圧縮状態にある冷時起動直後や低速度運転状態など
潤滑油の粘性が高い場合のラップ支持円盤17は、スラス
ト軸受23の側にスラスト力が作用してスラスト軸受23と
摺接するように設定して、鏡板27とラップ支持円盤との
間を広げるべく調整するなど潤滑油の粘性に応じた摺動
面の通路抵抗調整を行っている。それによって、背圧室
25から偏心軸受部15を経由して吸入室20に流入する潤滑
油量の調整機能を備えている。
また、圧縮機停止後は、油溜10の潤滑油が背圧室25と
の差圧が無くなるまで背圧室25に供給され保持される。
圧縮機再起動時の背圧室25は潤滑油で充満されており、
再起動直後しばらくの間(密閉シェル1内の圧力がある
程度上昇し、停止中に油溜10に溜った冷媒液が蒸発する
まで)は、この潤滑油が螺旋状油溝8の粘性ポンプ作用
と差圧によって背圧室25より下流の各摺動部へ供給され
る。
なお、給油空間28の圧力は、背圧室25圧力と吸入圧力
との中間圧力〜吸入圧力に近い圧力まで自由に設定でき
る。
また、本実施例では絞り通路21を吸入室20と環状油溝
33とに交互に間欠連通させ同じタイミングで絞り通路21
aを環状油溝33にのみ間欠連通させる構成であるが、連
通タイミングをずらせても良い。
更に、絞り通路21を常時、吸入室20に連通させ絞り通
路のみを環状油溝33に間欠連通させても良く、また、環
状油溝を極細形状として複数個設けて不均一に配置して
も良い。
また、第2図、第3図は本発明の他の実施例で、偏心
軸9に設けられた螺旋状油溝8aの終端部が極細に設けら
れ、圧縮機停止後、潤滑油が背圧室25から吸入室20へ過
剰流出させないで圧縮機再起動時の初期給油の円滑化を
図っている。
また、絞り通路21は吸入室20に常時連通するが、絞り
通路21aと給油空間28とが環状油溝33に間欠連通する構
成で、環状油溝33の内側と外側との両側から間欠給油さ
れる。
上記実施例では螺旋状油溝8を偏心軸9の表面に設け
たが、偏心軸受部15の内周面にもうけても同様な粘性ポ
ンプ作用による給油ができる。
また、上記実施例では旋回スクロール16の軸受穴14に
駆動軸5の偏心軸部9を挿入したクランク機構を示した
が、駆動軸の上端部に偏心穴を設け旋回スクロールに軸
部を設けたクランク機構でも良い。
また、上記実施例では油溜10から背圧室25へ差圧給油
したが、駆動軸5に設けた偏心油穴6による遠心ポンプ
作用などで給油しても良く、その結果、背圧室25を油溜
10と同じ圧力にしても良い。
なお、上記実施例では冷媒圧縮機について説明した
が、酸素、窒素、ヘリウムなど他の気体を圧縮する気体
圧縮機についても同様の作用・効果が期待できる。
発明の効果 以上のように本発明は、旋回スクロールの背圧室が、
吐出ポートに通じる油溜と吸入室またはこれに通じる吸
入側とに通じた構成において、背圧室と、旋回スクロー
ルのラップ支持円盤の外側部で且つ固定スクロールの鏡
板と駆動軸を支持する本体フレームで囲まれた給油空間
とは、直接的には区画された状態で絞り通路を介して連
通し、吐出ポートの圧力が圧縮室の容積変化で定まる最
終圧縮室の圧力よりも高い圧縮不足の場合に、ラップ支
持円盤が主として鏡板に摺接し、吐出ポートの圧力が最
終圧縮室の圧力よりも低い過圧縮の場合に、ラップ支持
円盤が主としてスラスト軸受に摺接して潤滑されるべ
く、背圧室の上流側および下流側の各通路抵抗と背圧室
の範囲を設定すると共に、スラスト軸受の外側の給油空
間と吸入室とを連通したことにより、旋回スクロールの
ラップ支持円盤が固定スクロールの鏡板および本体フレ
ームのスラスト軸受のいずれとも小さなスラスト力で摺
接できるように背圧室圧力を調整して最適な旋回スクロ
ールへの付勢力とラップ支持円盤の両側摺接面(鏡板と
スラスト軸受との摺接面)での潤滑油膜形成を確保する
ことができるので、旋回スクロールの軸方向移動が抑制
され、圧縮室軸方向隙間が減少して圧縮室隙間からの気
体漏れを低減することができる。
また、ラップ支持円盤への過剰な背圧力や極端な背圧
不足がなく、スラスト荷重が平均化されて小さくなり、
最大スラスト荷重も大幅に軽減するので、ラップ支持円
盤の両側摺接面(鏡板とスラスト軸受との摺接面)での
油膜形成と併せて著しい入力の低減と耐久性の向上が図
れる。
特に、吐出ポートの圧力が圧縮室の容積変化で定まる
最終圧縮室の圧力とほぼ同程度の場合には、旋回スクロ
ールのラップ支持円盤が固定スクロールの鏡板および本
体フレームのスラスト軸受と摺接する際のスラスト荷重
がほとんど作用しない程度にまで小さくなり、ラップ支
持円盤の両側摺接面が油膜上で浮遊状態を形成され、入
力の大幅な低減ができる。
また、潤滑油膜による緩衝作用を受けるラップ支持円
盤の軸方向振動が極めて小さくなり、圧縮機の低振動・
低騒音を実現できる。
また本発明は、駆動軸の偏心軸と偏心軸受部のいずれ
か一方の摺動部のみを経由して背圧室と吸入室または吸
入側とを連通させたことにより、吐出ポートに通じる油
溜から吸入室への給油通路が一系統になり、しかもラッ
プ支持円盤に作用するスラスト力が小さいことから給油
量を減少させ得るので、吸入室への過剰給油による圧縮
損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧縮
機の縦断面図、第2図および第3図は本発明の他の実施
例におけるスクロール冷媒圧縮機の部分断面図、第4図
および第5図はそれぞれ異なる従来のスクロール圧縮機
の縦断面図である。 1……密閉シェル、2……本体フレーム、5……駆動
軸、9……偏心軸、10……油溜、16……旋回スクロー
ル、17……ラップ支持円盤、20……吸入室、21……絞り
通路、25……背圧室、26……固定スクロール、27……鏡
板、36……吐出ポート。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に
    形成された渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋
    回スクロールの一部をなすラップ支持円盤上の旋回スク
    ロールラップを揺動自在に噛み合わせ、両スクロール間
    に渦巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラ
    ップの中心部には吐出ポートを設け、前記固定スクロー
    ルラップの外側には吸入室を設け、前記ラップ支持円盤
    は、反圧縮室側に設けられた背圧室に隣接し、且つ、駆
    動軸を支承する本体フレームに設けたスラスト軸受と前
    記鏡板との間に、前記ラップ支持円盤の両摺動面に油膜
    形成可能な微小隙間で配置され、更に前記ラップ支持円
    盤の自転阻止機構を介して旋回可能に前記駆動軸の偏心
    軸と偏心軸受部のいずれか一方に支承され、前記固定ス
    クロールラップと前記旋回スクロールラップとの間に形
    成される圧縮室の容積変化を利用して流体を圧縮するよ
    うにしたスクロール式圧縮機構を形成し、前記背圧室
    は、前記吐出ポートに通じる油溜と前記吸入室またはこ
    れに通じる吸入側とに通じた構成において、前記背圧室
    と、前記ラップ支持円盤の外側部で且つ前記鏡板と前記
    本体フレームで囲まれた給油空間とは、直接的には区画
    された状態で絞り通路を介して連通し、前記吐出ポート
    の圧力が前記圧縮室の容積変化で定まる最終圧縮室の圧
    力よりも高い圧縮不足の場合に、前記ラップ支持円盤が
    主として前記鏡板に摺接し、前記吐出ポートの圧力が前
    記最終圧縮室の圧力よりも低い過圧縮の場合に、前記ラ
    ップ支持円盤が主として前記スラスト軸受に摺接して潤
    滑されるべく、前記背圧室の上流側および下流側の各通
    路抵抗と前記背圧室の範囲を設定すると共に、前記スラ
    スト軸受の外側の前記給油空間と前記吸入室とを連通し
    たスクロール気体圧縮機。
  2. 【請求項2】駆動軸の偏心軸と偏心軸受部のいずれか一
    方の摺動部のみを経由して背圧室と吸入室または吸入側
    とを連通させた特許請求の範囲第1項に記載のスクロー
    ル気体圧縮機。
JP61107051A 1986-05-09 1986-05-09 スクロール気体圧縮機 Expired - Lifetime JP2605688B2 (ja)

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