JP2510810Y2 - 汎用エンジン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、芝刈り機や発電機などの駆動源に用いら
れる汎用エンジンに関し、詳しくはエンジンの各操作部
を一箇所に集中した汎用エンジンに関するものである。

［従来の技術］ この種の汎用エンジンでは、その始動をリコイルスタ
ータによって行うのが一般的であり、リコイルスタータ
は使用上の便宜を考慮して、エンジンの正面に設けられ
ている。またエンジンを始動する際に、エンジンスイッ
チ、チョークレバー、スロットルレバーなどを操作しな
ければならないが、これらの各操作部も、通常はエンジ
ンの正面側に設けられている。しかし、従来の汎用エン
ジンでは、それらの操作部は、一箇所には設けられてお
らず、散らばって配置されていた。例えば、実開昭61-2
7931号公報に記載の汎用エンジンでは、スロットルレバ
ーとチョークレバーとは比較的接近した位置に配置され
ているが、エンジンスイッチなどの電装品は、それらの
レバーとは離れた位置（リコイルスタータを挟んで反対
側のエンジン側面）に設けられていた。

［考案が解決しようとする課題］ 上記した従来の汎用エンジンでは、その始動や停止に
必要な各操作部が一箇所に集中して設けられていないの
で、操作性が悪く、使いにくかった。また電装品は、エ
ンジンの一側面から外方に張り出すように設けられてい
たので、エンジン全体の幅が増大し、芝刈り機や草刈り
機などの作業機に搭載する際に邪魔になるという不都合
があった。

この考案は上述の点に鑑みなされたもので、エンジン
の始動や停止時の操作性が良好で、各操作部が整然と配
置できて外観が優れ、エンジン全体がコンパクトにまと
まり、各操作機への搭載も容易な汎用エンジンを提供す
ることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するためにこの考案の汎用エンジン
は、ａ）リコイルスタータを正面に備え、エンジン本体
の上方にこれを覆うように燃料タンクを搭載した汎用エ
ンジンであって、ｂ）操作用パネルを、前記リコイルス
タータの直上方に手の入る空間が設けられるように、前
記燃料タンクからブラケットによって垂設し、ｃ）前記
操作用パネルに、少なくともエンジンスイッチ、チョー
クレバー、スロットルレバーおよびランプ類を配し、前
記操作パネルの裏面下部に、前記ランプ類の配線途中に
介装されるヒューズを交換可能に取り付けている。

［作用］ 上記構成を有するこの考案の汎用エンジンによれば、
例えばエンジンを始動する際に、エンジンスイッチを入
れたり、チョークレバーやスロットルレバーを作動した
りするという操作が、一つのパネル上で行える。またそ
のパネルの位置がエンジン正面のやや高い位置にあり、
見易いので、誤操作を起こすことがない。しかもパネル
は、燃料タンクから垂設され、パネルの下方には手が入
る開放空間が設けられているので、パネルの裏面側に取
り付けられているヒューズの交換が簡単に行える。さら
にエンジン（およびリコイルスタータ）の上には、燃料
タンクが設けられているので、その燃料タンクによりパ
ネルおよびエンジンスイッチなどの各操作部の上方が覆
われることになるから、塵芥や雨水などがパネル内に侵
入しにくい。

［実施例］ 以下、この考案の汎用エンジンの実施例を図面に基づ
いて説明する。

第１図は実施例にかかる汎用エンジンの正面図、第２
図は第１図のII-II線矢視図である。

第２図に示すように、エンジン本体１の右側に一体に
連設されたクランクケース２から、クランクシャフト３
の一端が出力軸3aとして突出している。クランクシャフ
ト３の他端にファン４が取着され、このファン４を収納
するファンカバー５が、エンジン本体１の左側に配設さ
れている。ファンカバー５の前面には、リコイルスター
タ６が装着されており、このリコイルスタータ６のカバ
ーから外部に突出した操作ノブ6a（第１図）を引っ張る
ことにより、エンジン本体１のクランクシャフト３が回
転する。またエンジン本体１上に、タンクブラケット７
を介して燃料タンク８が搭載されている。さらにエンジ
ン本体１の左側に、第１図のようにエアクリーナ９が取
り付けられている。

第１図および第２図に示すように、操作用パネル10
が、燃料タンク８の下でリコイルスタータ６の直上方に
配置されている。本実施例では、パネル10の上端側が、
前記タンクブラケット７から延設した支持ブラケット11
に、取付用ネジ12を以て取り付けられている。これによ
り、パネル10の下方に、第２図に示すような開放空間Ｓ
が形成される。パネル10には、第１図のようにその左側
からチョークレバー13、スロットルレバー14およびオイ
ル警告ランプ15が順に取り付けられており、またパネル
10の右端にエンジンスイッチ16が連設されている。さら
にパネル10の裏面側の下端部の前記オイル警告ランプ15
の電気回路の途中に、ヒューズ17が交換可能に装着され
ている。

燃料コック18が、第１図に示すように、エンジン本体
１の左側面下部に設けられている。また燃料コック18の
下端に、フィルター装置19が着脱自在に取り付けられて
いる。燃料コック18を前記パネル10上に設けていないの
は、燃料コック18内でペーパーロックが発生することが
あっても、その影響がエンジンに直接及ばないようにし
たためである。しかし、燃料コック18を、前記パネル10
上に設けることも可能であり、また構造はやや複雑にな
るが、燃料コック18の位置はそのままにして、その遠隔
操作用レバー（図示せず）をパネル10上に設けてもよ
い。なお第１図中の符号20は、エンジン本体１のマウン
ト用脚部である。

［考案の効果］ 以上説明したことから明らかなように、この考案の汎
用エンジンは、エンジンの始動や停止に必要な各操作部
を集中的に取り付けたパネルを、エンジン正面のリコイ
ルスタータの直上方の比較的高い位置に設けたので、操
作性が良好な上に、操作部が見易くなり、またエンジン
全体がコンパクトにまとまり、各種作業機への搭載が容
易である。

さらに操作パネルの下方には手が入る開放空間が設け
られているので、操作パネル裏面のヒューズを簡単に交
換できる。

またエンジン（およびリコイルスタータ）の上方に燃
料タンクが設けられ、その燃料タンクによってパネルお
よびエンジンスイッチなどの各操作部の上方が覆われて
いるから、塵芥や雨水などが操作パネル内に侵入しにく
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例にかかる汎用エンジンを示す
正面図、第２図は第１図のII-II矢視図である。 １……エンジン本体、２……クランクケース、３……出
力軸、５……ファンカバー、６……リコイルスタータ、
７……タンクブラケット、８……燃料タンク、10……操
作用パネル、11……支持ブラケット、13……チョークレ
バー、14……スロットルレバー、15……オイル警告ラン
プ、16……エンジンスイッチ、17……ヒューズ、18……
燃料コック。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リコイルスタータを正面に備え、エンジン
   本体の上方にこれを覆うように燃料タンクを搭載した汎
   用エンジンであって、 操作用パネルを、前記リコイルスタータの直上方に手の
   入る空間が設けられるように、前記燃料タンクからブラ
   ケットによって垂設し、 前記操作用パネルに、少なくともエンジンスイッチ、チ
   ョークレバー、スロットルレバーおよびランプ類を配
   し、前記操作パネルの裏面下部に、前記ランプ類の配線
   途中に介装されるヒューズを交換可能に取り付けたこと
   を特徴とする汎用エンジン。