JP2506757B2 - アルキルチオアルカノエ−ト塩の製造方法 - Google Patents

アルキルチオアルカノエ−ト塩の製造方法

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JP2506757B2 JP62111662A JP11166287A JP2506757B2 JP 2506757 B2 JP2506757 B2 JP 2506757B2 JP 62111662 A JP62111662 A JP 62111662A JP 11166287 A JP11166287 A JP 11166287A JP 2506757 B2 JP2506757 B2 JP 2506757B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はメチオニンのアルカリ金属塩およびその同族
体の合成に関し、特に、アクロレインまたはシアン化水
素を前駆体として用いる必要なしに、高収率でこのよう
な化合物を合成する改良方法に関する。
〔従来の技術〕
メチオニン、すなわち、2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブチル酸のヒドロキシ同族体は動物の餌配合物とし
て周知である。2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチル
酸(HMBA)製造の従来的方法によれば、2−ヒドロキシ
−4−メチルチオブチロニトリル(HMBN)が鉱酸で中和
される。例えば、ブレイク(Blake)らの米国特許第2,7
45,745号に記載のように、HMBNは典型的には3−メチル
チオプロピオンアルデヒドをシアン化水素と反応させる
ことによつて製造される。この3−メチルチオプロピオ
ン−アルデヒド中間体はアクロレインとメチルメルカプ
タンとの縮合によつて製造されるのである。従つて、HM
BAの商業的製造においては、アクロレインとシアン化水
素が実質的に出発物質であつたわけである。
シアン化水素の毒性は周知である。アクロレインもま
た毒性があり、両方ともに可燃性物質である。従つて、
これらの原料の輸送および取扱いは高価である。
従つて、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチル酸お
よび関連する化合物を、アクロレインおよびシアン化水
素を前駆体として用いる必要なしに、製造する商業的に
可能な方法は長い間要望されていたものであつた。
プリエニンガー(Plieninger)の「メチルメルカプチ
ドナトリウムまたはセレン化ナトリウムによるガンマー
ブチロラクトンおよびアルフアーアミノ−ブチロラクト
ンの裂開。メチオニンの合成」、化学製造法(Chem.Be
r.)、83巻、ページ265〜268(1950)、ケミカル アブ
ストラクト44;9919bには、トルエン媒体中の非置換ブチ
ロラクトンとナトリウムメチルメルカプチドとの反応が
記載されている。この引用文献には、また、ナトリウム
メチルメルカプチドとアルフアーアミノブチロラクトン
とのトルエン溶媒中の反応によつてメチオニンが生成す
ることも記載されている。アルフアーアミノ−ブチロラ
クトンとメチルセレン化ナトリウムとの反応もさらにこ
の文献には記載されている。酢酸による中和は、これら
の反応によるアルカリ金属塩生成物を対応する遊離酸へ
転化する。プリエンニガーがさらに記載しているところ
によれば、メチルメルカプタンをメタノール含有金属ナ
トリウムへ通し、生成した混合物をば溶媒を蒸発させて
濃縮し、トルエンを添加し、そしてトルエンの沸点が達
せられるまで溶媒を蒸散させることによつて、ナトリウ
ムメチルメルカプチドの製造が行なわれる。別法として
は、金属ナトリウムをメチルメルカプタンと液体アンモ
ニアとの溶液へ添加し、次いでトルエンを加え、アンモ
ニアを蒸発させて、不定形ナトリウムメチルメルカプチ
ドを沈殿させる。
英国特許第651,165号もまた、アルフアーアミノ−ブ
チロラクトンとナトリウムメチルメルカプチドとの反応
によるメチオニンの製造について記載している。この特
許に記載の例は、アルフアーアミン−ブチロラクトン
(純粋)を乾燥ナトリウムメチルメルカプチド(純粋)
へ添加することによつて得られる激しい反応とキシレン
中の懸濁反応である。反応は150〜200℃の温度で行なわ
れる。この反応から得られたメチオニンのナトリウム塩
は酢酸で酸性化されpH7にする。先行技術として、同英
国特許は以下の方法によるメチオニンの製造を記載して
いる。すなわち、アルフアーアミノブチロラクトンのベ
ンゾイル化、アルコール性塩化水素との処理によるN−
ベンゾイル化合物のガンマ−クロロ−アルフアーベンゾ
イルアミノブチル酸エステルへの転化、およびこのエス
テルとナトリウムメチルメルカプチドとの反応によるN
−ベンゾイルメチオニンの製造である。このベンゾイル
ブロツク基は、加水分解によつて取除から、メチオニン
が生成される。
ドイツ特許第816,544号(ケミカル アブストラク
、47巻:2200e)に記載してあるところによれば、ベン
ゼンやトルエンのような不活性溶媒の存在下100〜200℃
の範囲の温度で対応するアルカリ金属アルキルメルカプ
チドまたはセレン化物をガンマ−ラクトンと反応させる
ことにより、ガンマ−アルキルチオまたは−セレン脂肪
酸またはこれらのアミン誘導体を製造する方法がある。
この特許の実施例には、トルエン懸濁液中でナトリウム
メチルメルカプチドとガンマ−ブチロラクトンとを反応
させることが説明されている。さらに実施例として、ナ
トリウムメチルメルカプチドとアルフアーアミノ−ガン
マ−ブチロラクトンとからのメチオニンの製造に対して
は同じトルエン媒体を用いることが示されている。
ケミカル アブストラクト51:2853cには他の方法が記
載されている。ここでは、トルエン媒体が、ナトリウム
メチルメルカプチドとガンマーブチロラクトンとの反応
のために用いられている。この場合、ラクトン基材はア
ルフアーベンゾイルアミノ−ガンマーブチロラクトンで
あり、ベンゾイル保護基は炭酸ナトリウムとの中和で除
去され、D,L−メチオニンが生成される。プレニンガー
の著作、英国特許第651,165号、ドイツ特許第816,544号
およびケミカル アブストラクトCA51:1835cに記載の方
法は、アルキルチオブチル酸塩の製造に有効であること
が示されてきてはいるが、トルエンやキシレンのような
不活性溶媒中の反応によつて得られる収率は今まで商業
的には魅力あるものではなかつた。
アリエス(Aries)のフランス特許第2,271,207号によ
ると、3−メチルチオプロピル−イソニトリルがナトリ
ウム水素化物の存在下でジアルキルカーボネートと反応
され、次いでこの反応の生成物がメチオニンへと加水分
解される、メチオニンの製造方法が記載されている。こ
の3−メチルチオプロピルイソニトリルとジアルキルカ
ーボネートとの反応は、ジメチルホルムアミド中で行な
われ、その後溶剤は蒸発によつて除去され、残留物はペ
ンタンで洗浄され、メタノール中へ溶解される。加水分
解は塩化水素を添加して行なわれ、メチオニンはメタノ
ールとHClとを蒸発させることによつて回収され、残留
物はイソプロピルエーテルで洗浄され、pH6になるまで
水酸化ナトリウムが添加され、最後にメタノール中から
製造を結晶化させる。出発物質である3−メチルチオプ
ロピルイソニトリルは、テトラヘドロンレター(Tetrah
edron Letters)、1972、ページ1637中の記載に従つて
メチルチオプロピルアミンから容易に製造されると言わ
れている。
ジヤウオルスキー(Jaworski)の米国特許第3,671,21
2号には、HMBNの加水分解による2−ヒドロキシ−4−
メチルチオブチル酸の塩の製造についての記載がある。
HMBNはメチルメルカプタンと2−ヒドロキシ−4−クロ
ロ−ブチロニトリルとの縮合によつて製造される。この
引用文献には、2−ヒドロキシ−4−クロロブチロ−ニ
トリルとの製造方法については開示されていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は以下のとおりである。メチオニンのア
ルカリ金属塩、HMBAおよびその他関連化合物を製造する
ための新規な方法を提供すること、前駆体化合物として
アクロレインを使用する必要を回避する方法を提供する
こと、前駆体化合物としてシアン化水素を使用する必要
を回避する方法を提供すること、アルカリ金属塩生成物
を高収率で得る方法を提供すること、および前述の生成
物の製造において経済的に許容し得る生産性を与えるよ
うな方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
発明の概要 従つて、要約すれば、本発明は、 式:R1−S−(CH2)n−CH(R2)−C(O)−OM 〔式中、R1は低級アルキルで、Mはアルカリ金属で、n
は2,3,または4の整数で、R2は水素、水酸基、アミノ
基、−OR3、または−NH−R4(式中R3はアルキル基およ
びアリール基から選ばれ、R4はアルキル基、アリール
基、アシル基から選ばれる)である〕に該当する化合物
の製造方法に関するものである。本方法に従えば、式: R1−S−M (式中、R1とMとは上に定義したとおりである)に該当
するアルカリ金属メルカプチドが、非プロトン性極性有
機溶媒の存在下に式: (式中、R2とnとは上に定義したとおりである)に該当
するラクトンと反応される。
本発明は更に、式: R1−S−(CH2)n−CH(R2)−C(O)−OM (式中、R1、M、n、およびR2は上に定義したとおりで
ある)に該当する化合物の製造方法に関する。この方法
に従えば、式: R1−SH (式中、R1は上に定義したとおりである)に該当する低
級アルキルメルカプタンがアルカリ金属フエネートと反
応され、式: R1−S−M (式中、R1とMとは上に定義したとおりである)に該当
するアルカリ金属メルカプチドを生成する。このアルカ
リ金属メルカプチドは非プロトン性極性有機溶媒の存在
下に式: (式中、R2とnとは上に定義したとおりである)に当該
するラクトンと反応される。
本発明はさらに前述の型のアルキルチオアルカノエー
ト化合物の製造方法に関する。この方法においては、上
記に定義された型の低級アルキルメルカプタン、上記に
定義の型のラクトン、およびアルカリ金属フエネートが
混合され、非プロトン性極性有機溶媒の存在下に反応さ
れる。生じた混合物は、アルキルチオアルカノエート化
合物を生成するに足る十分な時間の間少なくとも80℃の
温度に維持される。
さらに、本発明に含まれるのは、前述の型のアルキル
チオアルカノエート化合物の製造方法において、アルキ
ルメチルカプチド基とラクトンとを、非プロトン性極性
有機溶媒よりなるアルカリ性媒体中にて混合することに
よつて原料混合物が製造されることを特徴とする方法で
ある。このメルカプチド基は、式: R1−S− (式中、R1は上に定義したとおりである)に該当し、ラ
クトンは前述の式に該当する。得られた混合物は、チオ
酸化合物を生成するに十分な時間の間、少なくとも80℃
の温度に維持される。
本発明は、さらに、前述の型のアルキルチオアルカノ
エート化合物を製造する方法において、置換または非置
換フェノールが、ピリジンおよび水と低沸の共沸混合物
を作る非プロトン性環置換ピリジンから選ばれる溶媒よ
りなる反応系にて、アルカリ金属水酸化物と最初に反応
されることを特徴とする方法に関する。水は共沸蒸留に
よつて反応系から除去され、かくして実質的に無水な反
応混合物が生成する。そして、アルキルメルカプタンが
このアルカリ金属フエネートと反応され、かくして、
式: R1−S−M (式中、R1とMとは上に定義したとおりである)に該当
するアルカリ金属メルカプチドが生成される。このアル
カリ金属メルカプチドが、非プロトン性極性有機溶媒の
存在下に、前述の式に該当するラクトンと反応される。
さらに本発明によつて想定されているのは、前述の型
のアルキルチオアルカノエート化合物を製造する方法に
おいて、次の方法である。この方法では、置換または非
置換フェノールが、ピリジンおよび水と低沸共沸混合物
を作る非プロトン性環置換ピリジンからなる群から選ば
れる溶媒よりなる反応系にて、アルカリ金属水酸化物と
反応される。水は共沸蒸留によつて反応系から除去さ
れ、かくして、実質的に無水な反応混合物が生成する。
この無水塩基性反応混合物が次いでメチルメルカプタン
と前述の式に対応するラクトンに混合され、その結果、
最終反応混合物が生成される。最終反応混合物は、該ア
ルキルチオアルカノエート化合物が生成するに十分な時
間の間、少なくとも80℃の温度に維持される。
他の目的および特徴は部分的には以下の記述において
明らかになるであろうし、また部分的には指摘されるこ
とであろう。
好適態様の説明 本発明に従つて以下のことが見出された。すなわち、
非プロトン性極性有機溶媒の存在下においてアルフアー
ヒドロキシブチロ−ラクトンとアルカリ金属チオメチレ
ートとを反応させることによつて、2−ヒドロキシ−4
−メチルチオブチル酸のアルカリ金属塩が、高収率かつ
経済的に許容し得る生産性にて製造することができると
いうことである。本発明の方法は、HMBAアルカリ金属塩
の製造に特に有利であるけれども、メチオニン塩、また
は非置換4−メチルチオブチル酸の塩の合成にもまた効
果的である。より一般的には、この方法は、式: R1−S−C(CH2)n−CH(R2)−C(O)−OM 〔式中、R1は低級アルキル基で、望ましくは炭素原子を
1〜約8個含有するもので、 R2は水素、水酸基、アミノ基、 −OR3、または NH−R4 (式中、R3はアルキル基またはアリール基で、R4はアル
キル基、アリール基、またはアシル基で、nは2,3,また
は4の整数である)である〕に該当する化合物の製造に
効果的である。従つて、一般には、アルカリ金属メルカ
プチド反応物は式: R1−S−M (式中、R1は低級アルキル基)に該当する。
本発明の方法に用いられるラクトン反応物は、式: (式中、R2は水素、水酸基またはアミノ基でnは2,3,ま
たは4の整数である)に該当する。遊離アミノ基の代り
に、R2はまたエーテル、アミド、あるいは置換アミン、
すなわち、式: −OR3または −NH−R4 (式中、R3はアルキル基またはアリール基でR4はアルキ
ル基、アリール基、またはアシル基であつてよい)に該
当する置換基であつてよい。R3がアルキル基である場合
には、炭素原子を1〜約12個含有するのが望ましい。ま
たそれがアリール基である場合には、非置換フエニル基
または1〜3個の置換基を有する置換フエニル基である
のが望ましく、それぞれの置換基は炭素原子1〜約4個
含有するアルキル基またはアルコキシ基から独立的に選
ばれる。R3を形成することができる代表的な基は、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、ドデシル
基、フエニル基、トリル基、およびエトキシフエニル基
を含含する。R4は、R3を形成することができる基ならば
どんなものでもよいが、またアシル基であつてもよい。
R4がアシル基の場合には、水素、炭素原子1〜約12個の
アルキル基、非置換フエニル基、または1〜3個の置換
基を有する置換フエニル基のいずれかで置換されたカル
ボニル基よりなつているのが望ましく、この場合、フエ
ニル基の置換基のそれぞれは、炭素原子1〜約4個のア
ルキル基またはアルコキシ基から独立的に選ばれる。R4
を形成することができる代表的なアシル基は、フオルミ
ル基、アセチル基、オクタノイル基、ベンゾイル基など
を含む。一般的には、アミノ基または水酸基の置換基の
副反応を禁ずるためにブロツク基を導入する必要は必ず
しもない。しかし本発明の方法は、前述の型の多くの置
換基で所望の合成を行うのに効果的である。
本発明の方法によつて得られる収率は、ナトリウムメ
チルメルカプチドを保護されていないアルフアーアミノ
−ブチロラクトン、保護されているアルフアーアミノ−
ブチロラクトンまたは非置換ブチロラクトンのいずれか
と反応させることによつて得られるメチオニンまたは関
連化合物の合成に対して報告されている方法よりも、顕
著に優れていることが見出されている。本開示は、発明
の特定的理論に限定されないけれども、非プロトン性極
性溶媒を用いると、副反応を制限し、メルカプチドによ
つてラクトン環を攻撃するのを促進するものと信じられ
ている。本発明に関しては、非プロトン溶媒とは、プロ
トンを与えない溶媒のことである。特に、本方法に用い
られる非プロトン溶媒はアルカリ金属カチオンを溶出さ
せるのに効果的であるが、メルカプチドアニオンをば実
質的に非溶出の反応性状態におくということ、従つて所
望の反応を促進し、4−メチルチオブチル酸または他の
最終的アルキルチオアルカン酸塩を高収率で製造するも
のと信じられている。
メルカプチドとラクトンとの反応の媒体として用いら
れる溶媒は、比較的高い双極子モーメント、望ましくは
1またはそれ以上を有しているべきであり、また10より
大きい誘電率を有しているのが望ましい。反応媒体は全
体がこのような性格の一つの溶媒または複数の溶媒より
なつているのが有利であるが、望ましい型の溶媒を少な
くとも30重量%含有する溶媒混合物中で、本発明の方法
を実施することもできる。この時、残余の溶媒は不活性
な溶媒、例えばトルエンやキシレンであるのが典型的で
ある。メルカプチド/ラクトン反応の溶媒として有用な
特定的非プロトン性極性溶媒の中には、ジメチルホルム
アルデヒド、ヘキサメチル燐酸トリアミド、ジメチルス
ルホキシドおよびテトラメチル尿素がある。しかし、も
つとも望ましい溶媒はピリジンおよび環置換アルキルピ
リジン、例えばピコリンである。代表的には、置換ピリ
ジン溶媒は1〜3個のアルキル置換基を有し得て、これ
ら置換基はそれぞれ炭素原子を1〜約5個有する。
本発明の方法を実施するに当つて、溶媒中のアルカリ
金属メルカプチドの溶液が最初に製造され、次いでこの
溶液にラクトンが添加されるのが望ましい。反応は80〜
150℃の範囲の温度、最も望ましくは120〜130℃で自動
的に決まる圧力下で行なわれるのが典型的である。副生
物の発生を最小限にするためには、実質的に無水の状態
で反応を行うのが肝要である。水または他のプロトン源
が存在すると、環のカルボニル基と酸素との間でラクト
ンを加水分解的に切断し、端部の水酸基を生成する傾向
がある。望ましい状態で反応が行なわれる時、反応は典
型的には数時間で完結するが、これは反応生成物混合物
を定期的にサンプリングすることによつて決定される。
終点の制御は生産性以外の目的のためには一般には臨界
的ではない。反応のしすぎという問題は一般には起きな
いからである。
ラクトンとアルカリ金属メルカプチドとは実質的に等
モル比で反応されるのが一般的である。反応量を最大に
するためには、反応物が、反応の初期段階においてアル
カリ金属メルカプチド濃度が飽和点に近ずくかあるいは
ある程度越えるような量でこの極性溶媒中へ仕込まれる
のが望ましい。
このような濃度では、アルカリ金属メルカプチド反応物
とアルキルチオアルカノエート生成物は共に、少なくと
も部分的には固相として存在してもよい。反応物の均一
な分散を確保し、反応の進行を促進するためには、反応
の間、仕込混合物を激しく撹拌することが望ましい。
反応の完結後は、生成物を回収するわけであるが、ど
んな従来的やり方でも良い。例えば、反応混合物を水で
希釈してもよく、この時には所望の生成物は水相中に取
出される。不純物、反応溶媒、および未反応物質は、次
いで有機溶剤、代表的にはクロロホルムのようなハロゲ
ン化溶剤を用いて、水相中から抽出することができる。
フライネート(抽残物)を真空中で濃縮すると、置換ま
たは非置換アルキルチオアルカン酸のアルカリ金属塩よ
りなる残留物が得られる。より以上の精製は、例えば再
結晶によつて行うことができる。
別の方法では、生成物を水相にとり、有機溶剤で不純
物を水相から抽出し、その後この水相を鉱酸で酸性化し
て、遊離したアルキルチオアルカン酸を得る。遊離酸は
メチルイソブチルケトンのような極性有機溶剤で抽出さ
れ、溶剤は水蒸気蒸留で除去され、遊離酸を含む水性の
残留物が得られる。
アルカリ金属メルカプチド反応物は、数多くの方法の
うちどれを用いても製造することができる。例えば、メ
チルメルカプタンのようなアルキルメルカプタンを金属
ナトリウムかナトリウム水素化物と反応させることによ
つて製造することができる。他のアルカリ金属やその水
素化物、例えば金属カリウムやカリウム水素化物も用い
ることができるけれども、ナトリウムのほうがはるかに
経済的である。金属ナトリウムからの製造は、例えば前
述のプリエンニンガーの著作に記載のやり方で行うこと
ができる。しかしながら、金属態アルカリ金属とアルカ
リ金属の水素化物は共に高価でもありまた取扱いに難が
ある。これらのメチルメルカプタンとの反応は極めて発
熱性でありかつ制御し難く、従つてこれらを工業規模で
用いることは通常は望ましくない。
本発明の、望ましく特に有利な態様においては、アル
キルメルカプタンとアルカリ金属フエネートとの間の反
応によつて、アルキル金属メルカプチドが効果的に製造
され得ることが見出されている。この方法によると、金
属態のアルカリ金属やアルカリ金属の水素化物を用いる
必要がないので、本方法の商業的魅力が著しく増大す
る。従来のものとは違つて、本発明のこの態様において
はアルカリ金属の水酸化物をば、アルキルチオアルカノ
エートの合成を行うのに必要な究極のアルカリ源として
用いることができる。アルカリ金属水酸化物は価格が安
いばかりでなく、どこでも用いられているものであり、
大量に商業的に輸送されているものである。
本発明のこの態様に従えば、フエネートの生成は、置
換または非置換フエノール、アルカリ金属水酸化物、お
よびピリジンまたは置換ピリジン溶剤を混合させて製造
される粗塩基性反応系において行なわれる。一般には、
アルカリ金属水酸化物とフエノールの等モル比が反応槽
へ仕込まれるのが便利である。反応混合物は、通常大気
圧下で共沸混合物の沸点まで加熱され、反応水(および
仕込反応物中に含まれる他の水もすべて)は、反応の間
あるいはさらにその後において系から追い出される。従
つて、もしピリジンと非置換フエノールが用いられる場
合には、110°〜120℃の範囲の温度で蒸留されるのが典
型的である。置換ピリジンを用いると、共沸物が一定の
圧力下で蒸留する温度が高くなる。水分を除去すること
によつて、反応混合物は、アルカリ金属フエネートを含
む無水塩基性薬剤へと転化される。
このあとでのメルカプチド/ラクトン反応においてフ
エノキシ置換アルキルチオアルカノエートの生成を最小
限にするためには、上記の塩基性薬剤の製造の際に置換
フエノールを用いることが有利な場合がある。使用置換
フエノールは、フエノールの水酸基に対してオルソの位
置に低級アルキル基または低級アルコキシ基(例えば炭
素原子1〜10個含有)を有しているのが望ましい。しか
し、他の置換基も、本発明の方法の多くの反応条件下に
おいて実質的に不活性ならば用いることができる。置換
基はメタまたはパラの位置にあつてもよい。特に好適な
フエノール反応物としては、2−メチルフエノール(0
−クレゾール)、2−エチルフエノール、2ーメトキシ
フエノール、2,4−ジメチルフエノール、2,6−ジメチル
フエノール、および2,4,6−トリメチル−フエノールが
挙げられる。
アルカリ金属メルカプチドは、アルキルメルカプタン
をアルカリ金属フエネートと反応させることによつて製
造される。アルキルメルカプタンを無水塩基性薬剤と混
合させて得られた系中でこの反応を行なわせるのが好ま
しい。少なくとも僅か過剰のメルカプタン、つまりフエ
ネート単位モル当り約1〜約3モルを系へ供給して、ア
ルカル金属メルカプチドを生成させるのが好ましい。こ
うすることによつてフエネートを完全に消費しつくす傾
向として、後続の工程でフエネートがラクトンと反応す
ることを防止するのである。
かくして得られたメルカプチドは、次に非プロトン性
溶媒の存在下で80〜150℃にてラクトンと反応させられ
る。この溶媒はピリジンあるいは置換ピリジンである
が、フエネートおよびメルカプチドが最初に製造された
時使われた溶媒である。本方法を実施するのに特に便利
な方法においては、まずラクトンとメルカプタンとが反
応槽へ仕込まれる。次いで反応槽は封じられ、反応混合
物が反応温度まで上げられ、反応を完結するに足るだけ
の時間保持される。好ましくは、ラクトンの仕込量は、
フエネートに対し大略化学量論的に等しく、一方メルカ
プタンは過剰に、典型的にはラクトン単位モル当り約1
〜約3モル、望ましくは約2モルを仕込む。生成量を最
大限にするためには、仕込量は、アルカリ金属フエネー
ト濃度が略々飽和になるようにするのが望ましい。反応
はその後は自動的に決まる圧力で行なわれる。
例えばサンプリングを定期的に行うことによつて決定
することができるが、反応が完結した後には、過剰のメ
ルカプタンをストリツピングによつて除去することがで
き、4−メチルチオアルカノエート生成物を、例えば前
述の方法のような便利な方法によつて回収するものとす
る。
〔実施例〕
以下、実施例にて本発明を説明する。
実施例1 水酸化ナトリウム(4g、0.1モル)、フエノール(9.4
g、0.1モル)およびピリジン(75ml)を100mlの三口丸
底フラスコに入れて反応させ、ナトリウムフエネートを
得た。反応生成物を大気圧下で沸点まで加熱し、共沸蒸
留で水を除去した。フラスコから留出する塔頂物を窒素
気流中で6インチ径のビゴロー(Vigreau)カラムに通
した。蒸留中のフラスコ液の温度は112°〜118℃の範囲
で、塔頂物のそれは97°〜118℃の範囲で、塔頂物のそ
れは97°〜114℃の範囲であつた。塔頂物水/ピリジン
約25mlが集められた。
その後、メチルメルカプタン(5g)を反応フラスコへ
導入した。つまり、メチルメルカプタンを粗原料から蒸
留し、ドライアイス凝縮器で凝縮し、フラスコ中のナト
リウムフエネート溶液へ重力で落したのである。得られ
た混合物に5分間熱を加え、フラスコ内容物の温度が75
℃に上つた後、フラスコ内容物へアルフアーヒドロキシ
ブチロラクトンを添加し始めた。アルフアーヒドロキシ
ブチロラクトン(10g、0.1モル)の添加は約10分間にわ
たつて行なわれ、その間加熱が続けられ、フラスコの内
味の温度は90℃まで上昇した。アルフアーヒドロキシブ
チロラクトンの添加終了後、加熱は2時間にわたつて続
けられ、その間、温度は最高112℃に達した。加熱停止
後、この反応混合物を一夜放置した。次の日、この反応
混合物を水(25ml)で希釈し、約45分間熱を再び加え
た。この間、温度は97℃に達した。冷却後、この混合物
をクロロホルム(50ml)で希釈し、水相と有機相とに静
置分離した。次いで、水相をそれぞれ25mlのクロロホル
ムで2回洗滌し、その後回転蒸発器で蒸発させた。残査
物は約110℃にて真空炉中に保存した。
このシロツプ状液を水(約30ml)中に液解し、濃硫酸
(5.3g)で酸性化し、次いでそれぞれ25mlのメチルイソ
ブチルケトンで4回抽出した。その後、このMIBK溶液を
回転蒸発器で蒸発させ、残渣は水(それぞれ25ml)で2
回希釈し、蒸留にかけて残余のMIBKを除去した。得られ
た生成物(11.3g)を分取して、気−液クロマトグラフ
イー(GLC)分析にかけた。n−ドデカン内部標準を用
いるGLCによると、生成物はHMBA78.6%であつた(収率5
9%)。
実施例2 2,6−ジメチルフエノール(12.2g、0.1モル)、水酸
化ナトリウム(4g、0.1モル)およびガンマ−ピコリン
(約75ml)を100mlフラスコへ仕込んだ。得られた粗塩
基性反応系をその沸点まで大気圧にて加熱し、水分を除
去した。塔頂物を、6インチビゴローカラムを通して反
応混合物から留出させ、留出物約25mlを集めた。この蒸
留中、塔頂物の温度は95°〜145℃の範囲にあつた。
上記のように、ジメチルフエネートの生成と水の除去
を行つた後、ナトリウム2,6−ジメチルフエネートおよ
びガンマ−ピコリンよりなる無水塩基性混合物をフイツ
シヤー・ポーター(Fischer−Porter)瓶に仕込んだ。
次に、メチルメルカプタン(10g)とアルフアーヒドロ
キシブチロラクトン(10.2g)を加え、この瓶を封口し
油浴に入れた。瓶中の混合物を自動的に決まる圧力下で
約7 1/2時間加熱した。温度は1/2時間後に135℃まで上
り、1時間後には130℃で安定した。残りの反応時間の
間は、ずつと130°〜131℃に維持した。反応瓶中の圧力
は、反応開始後1 1/2時間で43psigに達し、反応時間中
ずつとその圧力水準で終始した。反応完結後、瓶を開封
し、水(25ml)を反応混合物へ加え、生成酸塩を取出し
た。反応槽の中味を次いでクロロホルム(25ml)で抽出
し、溶剤とフエノールを水相から除去した。得られた有
機抽出物を今度は水25mlで抽出し生成物を回収した。そ
の後、水相を一緒にして、クロロホルムで2回(25mlず
つ)洗滌した。次いで、水相を回転蒸発器で蒸発させ、
ゴム状固形物(16.1g)を得、さらにこれを水(5g)に
溶解させ、粘稠なシロツプ状液(21.1g)を得た。この
生成物を分取して、GLC分析にかけた。GLC分析で観察さ
れた面積比を基準に計算し、生成物は、副生物である2,
4−ジヒドロキシブチレート1モル当り約10.6モルの2
−ヒドロキシ−4−メチルチオブチレートを含有してい
ると推算された。内部標準(n−ドデカン)を使用して
計算すると、生成物は2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブチレートを50.55%含有していることが分つた。出発
物質(アルフアーヒドロキシブチロラクトン)が純度92
%であると決定されたので、この値は収率77.2%に相当
した。
実施例3 水酸化ナトリウム(4g、0.1モル)、2,6−ジメチルフ
エノール(12.2g、0.1モル)およびガンマ−ピコリン
(約75ml)を窒素圧力下に100mlフラスコへ仕込んだ。
そして、反応を起させ、ナトリウム2,6−ジメチルフエ
ネートを生成させた。反応混合物を大気圧で沸点まで加
熱し、水分を除去した。水およびガンマ−ピコリンより
なる混合物をこの反応混合物中から留出させ、6インチ
ビゴローカラムから塔頂物として得た。塔頂物の温度
は、この蒸留中97°〜145℃の範囲であつた。
その後、上記ナトリウム2,6−ジメチルフエネートを
含有する無水塩基性混合物をフイツシヤー・ポーター瓶
へ移した。メチルメルカプタン(7g、0.14モル)とアル
フアーヒドロキシブチロラクトン(7.5g、0.073モル)
とを瓶中の無水塩基性混合物へ加えた。次いで、この瓶
を密栓し、油浴の中に入れ、中味を5 1/2時間自動的に
定まる圧力で加熱し、メルカプタンのナトリウムメルカ
プチドへの転化およびこのカルカプチドとラクトンとの
反応を起させ、ナトリウム2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブチレートを生成させた。この反応の間、温度は10
5〜138℃の間、圧力は19〜37psigの範囲であつた。反応
の終りには、この反応瓶を開栓し、水(25ml)を加え
た。この希釈反応混合物をクロロホルムで3回洗浄(一
回当り25ml)し、生じたクロロホルム液を全部合わせて
水25mlで1日洗浄した。得られた水相部分を全部一緒に
して、回転蒸発器中で水を放散させ、シロツプ状液を
得、これをさらに水で薄めて全量が20.0gになるように
した。
分取した生成物をGLC分析(n−ドデカン内部標準)
にかけると、上記試料は2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブチレート(HMBA)モナマー40.6重量%と2,4−ジヒ
ドロキシブチレート3.5%とを含有していることが示さ
れた。この値は、出発物質なるラクトンの純度92%を基
準にするとHMBAの収率8.1g、つまり80%であるというこ
とであつた。
実施例4 水酸化ナトリウム(4g、0.1モル)、フエノール(9.4
g、0.1モル)およびピリジン(75ml)を窒素気流中で撹
拌し、加熱し、ピリジン/水を6インチビゴローカラム
から留出させた。蒸留の初めは、内部の液の温度は112
℃であり、頂物の温度は94℃であつた。蒸留の終りに
は、内部液温は118℃であり、頂部の温度は114℃であつ
た。ピリジン/水約30〜40gが留出した。
ナトリウムフエネートを含有する液中から水を除去し
た後、メチルカプタン(4.8g、0.1モル)を気化させ、
ドライアイス凝縮器中で凝縮し、これを上記液中へ入れ
た。その後、この液中へのブチロラクトンの添加を開始
した。メチルメルカプトンの添加終了後約15分間に、ブ
チロラクトンを全部(8.6g、0.1モル)添加した。1時
間45分後、ベントラインに依然としてドライアイス凝縮
器をつけたまゝ、反応混合物を加熱し、反応をその後さ
らに2時間10分の間続行した。その間温度は75℃から還
流をかけて約105℃へ上昇した。次いで加熱を停止し、
冷却すると、反応混合物は非常に粘稠になり、固形物が
沈澱はじめた。この反応混合物は室温まで冷却されるま
でには、内容物はすつかり固形化した。
この時点において、水(20g)を添加し、生じた混合
物を98℃まで加熱し、次いで放置冷却した。均質化溶液
が得られたので、次いでこれをクロロホルムで3回(1
回25ml)抽出した。得られたラフイネートを回転蒸留器
にかけて、揮散分をとばし、さらに100℃の真空炉に入
れ、完全に乾燥し固形分(13.7g)を得た。分取した生
成物をGLC分析にかけた。その結果、 HOCH2CH2CH2CO2Na34.2面積%、 CH3SCH2CH2CH2CO2Na63.9面積%、および未知高沸物質1.
7面積%であることが示された。
実施例5 水酸化ナトリウムのペレツト(4g、0.1モル)、フエ
ノール(9.4g、0.1モル)およびピリジン(75ml)を100
ml三口丸底フラスコに仕込み、加熱して6インチのビゴ
ローカラムからピリジン/H2Oを留出させた。約30〜40m
lのピリジン/H2Oを留出し、最後の3塔頂温度は113℃
であつた。
次の日、メチルメルカプタンを気化し、ドライアイス
凝縮器で凝縮し、前述のピリジン/H2O蒸留器に残つて
いる塔底物へ添加した。メチルメルカプタン(約5g)の
全部を添加した後、蒸留器からのベントラインに依然と
してドライアイス凝縮器をつけておきながら、蒸留器を
加熱して、メチルメルカプタンを常圧にて還流させなが
らブチロラクトン(8.6g)を添加した。ラクトンをすべ
て添加した後も、加熱を還流下に続行した。ラクトンの
添加終了約1/2時間で、反応混合物は99℃の温度に達し
たので、この時点で加熱を中止した。
上記の液が約48℃の温度に冷却された後、水(20g)
を添加し、次いで再び加熱した。温度が約63℃になつた
時、固形物はすべて溶解した。この時点でさらに水(5
g)を溶液に添加し、さらに10分間だけ加熱を続行し
た。温度は86℃へ上昇した。次いで、加熱を中断し溶液
を約1時間45分間だけ放置冷却した。冷却された溶液を
クロロホルムで3回洗浄した(1回当り25ml)。そし
て、回転蒸発器で蒸発させて液を減量した。残渣は100
℃の真空炉中で乾燥した。乾燥固体の重量は13.7gであ
つた。分取した生成物をGLCで分析すると、HOCH2CH2CH2
CO2Na44.5面積%、CH3SCH2CH2CH2CO2Na54.3%および未
知高沸物1.0%となつた。
実施例6 水酸化ナトリウム(4g、0.1モル)、フエノール(9.4
g、0.1モル)およびピリジン(75ml)をN2下に100ml三
口丸底フラスコへ仕込んだ。熱を加え、ピリジン/H2O
の一部(約30ml)を6インチビゴローカラムから留出さ
せた(塔頂温度=98〜114℃)。
メチルメチルカプタン(5g)を気化し、ドライアイス
凝縮器で凝縮し、上記のナトリウムフエネート/ピリジ
ン溶液へ添加した。メチルメルカプタンの添加は約1時
間30分にわたつてゆつくり行なわれた。
フラスコからのベントラインにはドライアイス凝縮器
を働かせながら、フラスコ中の混合物を加熱した。約10
分間内に、混合物は還流下約75℃の温度に達した。この
時点で、ブチロラクトンの混合物への添加が開始され
た。約10分間のあいだに全部で8.6gのブチロラクトンが
添加された。添加終了時点までに、反応混合物の温度は
78℃まで上つた。加熱はさらに2時間15分間続行され、
その間に温度は114℃まで上つた。次いで加熱を止め、
混合物を放冷した。
次の日、冷くなつた混合物に水(25ml)を添加し、加
熱した。約35分内に温度は96℃へと上昇し、混合物は均
質溶液となつた。次に加熱を止め、混合物が冷却した
後、クロロホルム25mlで3回これを洗つて、フエノー
ル、ピリジンおよび有機不純物を抽出した。水相のラフ
イネートは次いで回転蒸発器で揮発分を放散され、残渣
を100〜110℃の温度の真空下で保持、乾燥した。乾燥固
形生成物(14.1g)を分取し、これをGLCで分析したこと
ろ、HOCH2CH2CH2CO2Naを28.8%、CH3SCH2CH2CH2CO2Naを
67.3%、および不明分を3.4%含有していることが判明
した。
実施例7 水酸化ナトリウム(4g、0.1モル)とフエノール(9.4
g、0.1モル)をピリジン(75ml)中に溶解した。熱を、
生じた混合物に加え、水/ピリジン留分(25ml)を6″
ビゴローカラムから塔頂物として留出させた。塔頂物の
温度は、この蒸留の間96°〜113℃の範囲であつた。
かくして得られたピリジン中のナトリウムフエネート
無水液に対してメチルメルカプタン(5,5g)を添加し
た。メチルメルカプタンは他の供給源からゆつくり留出
させ、ドライアイス凝縮器でその蒸気を凝縮させたもの
で、この凝縮液を上記のフエネート溶液へ重力で流入さ
せた。メチルメルカプタンの添加は約1時間40分で行つ
た。メチルメルカプタン添加完結後、反応混合物含有槽
からのベントラインに上記のドライアイス凝縮器をつけ
たまゝ、この反応混合物に熱を加え、ブチロラクトンの
添加を始めた。約5分間に、ブチロラクトンの含量4,3g
を添加した。この添加完了時、混合物の温度は約75℃で
あつた。加熱が続けられ、温度が77℃に達した時、混合
物中の固形分は完全に溶解した。加熱をさらに1時間続
行したら、この間に温度は約86℃へ上昇した。
その後、重炭酸ナトリウム(5g)と水(25ml)を反応
物へ添加し、熱をかけた。約30分以内に温度が約96℃ま
で上つたので、この時点で加熱を停止した。この水溶液
混合物を放冷した後、クロロホルム25mlで3回抽出洗浄
した。水溶液側のラフイネートを次いで回転蒸発器で放
散させ、固形残渣(13.1g)を得た。この生成物を分取
し、GLC分析にかけたところ、以下の相対的濃度(面積
%)の揮発性成分を含有していることが判つた。
すなわち、HOCH2CH2CH2Na18.2%、 CH3SCH2CH2CH2CO2Na80.3および未知のピーク部分0.4%
である。
実施例8 水酸化ナトリウム(4g)とフエノール(9.4g)とをピ
リジン(75ml)に溶解し、約(25mlのピリジン/水留分
をビゴローカラムから留出させた。塔頂温度は、この蒸
留の間、94°〜114℃の範囲であつた。
上記ナトリウムフエネートのピリジン中の溶液をフイ
ツシヤー・ポーター瓶へ入れ、氷浴へ入れて冷却した。
次いで、メチルメルカプタン(10g)とガンマーブチロ
ラクトン(8.6g)とを上記瓶中の溶液へ入れた。瓶を密
封し、磁気式撹拌機で撹拌した。次に熱を加え、約2時
間55分の間、自動的に定まる圧力で反応を行つた。この
間、温度は89℃まで上り、瓶中の圧力は最大約21psigに
達した。次に加熱を停止した。瓶中の中味が約室温まで
冷却した後、大気圧に戻し、水(25ml)をこの反応混合
物へ添加した。生じた水溶液混合物をクロロホルム(一
回25mlずつで三回)で抽出した。ラフイネートの水相部
を回転蒸発器にかけて、水分をとばし、約14.9g、の残
渣を得た。
生成物を分取したものをGLC分析へかけたところ、揮
発成分として以下の面積%のものがあることが示され
た。すなわち、HOCH2CH2CH2CO2Na2.16%CH3SCH2CH2CH2C
O2Na77.4%、および未知の高沸分ピーク0.4%である。
実施例9 水酸化ナトリウム(4g)とフエノール(9.4g)とをガ
ンマーピコリン(約75ml)中に溶解した。熱を上記混合
物に加え、ナトリウムフエネートを生成させた。そし
て、水とピコリン(約25ml)とより成る留分を放散させ
た。頂塔温度は、蒸留中96°〜144℃の範囲であつた。
かくして得たナトリウムフエネートのピコリン中の溶
液をフイツシヤー・ポーター瓶に入れ、これにメチルメ
ルカプタン(10.3g)とブチロラクトン(8.6g)とを添
加した。次にこの瓶を密封し、水浴中へ入れ、熱をこの
瓶の内容物に加え、自動的に定まる圧力下で反応を起さ
せた。加熱は約2時間15分間続行され、その間温度は約
95℃へ上り、圧力は最大約22psigに達した。加熱停止後
30分間で、上記の瓶のふたを開け大気へ開放し、水(25
ml)を瓶中の混合物へ添加した。
生じた水溶液混合物をクロロホルムで3回(1回当り
25ml)抽出し、その後水相のラフイネートを回転蒸発器
にかけて、固形生成物13.9gを得た。
分取された生成物をGLC分析にかけると、以下の組成
(面積%)を有する揮発性成分であることが判つた。す
なわち、フエノール0.8%、HOCH2CH2CH2CO2Na19.1%、 CH3SCH2CH2CH2CO2Na79.1%、および高沸分0.5%であ
る。
実施例10 水酸化ナトリウム(4g)とフエノール(9.4g)をガン
マ−ピコリン(約75ml)に溶解した。ナトリウムフエネ
ートを生成させ、系から水を除去するために熱を加え
た。水/ピコリン留分約25mlが6インチ径のビゴローカ
ラムの頂部から留出した。反応および蒸留中の塔頂物の
温度は96°〜144℃の範囲であつた。
かくして得たピコリン中のナトリウムフエネート溶液
をフイツシヤー・ポーター瓶に入れた。この瓶にまたメ
ルカプタン(10g)とブチロラクトン(8.6g)とを添加
した。この瓶を密封し、油浴の中へ入れた。油浴を通し
て熱を加えた。反応が自動的に定まる圧力にて起つた。
反応中温度は120℃まで上昇した。圧力は最高36psigに
達した。約2時間15分後に、加熱を停止した。後30分間
反応物を冷却した時に、水(25ml)をこれに加えた。
生じた水溶液混合物を、次にクロロホルム25ml/回に
て3回抽出洗浄した。得られた水相であるラフイネート
を回転蒸発器で濃縮し、固形残渣(15.3g)を得た。こ
の試料を分取し、GLC分析へかけた。その結果以下の組
成の揮発性生成物が得られたことが示された。すなわ
ち、フエノール0.3%、HOCH2CH2CH2CO2Na13.5%、 CH3SCH2CH2CH2CO2Na84.9%、および高沸ピーク0.97%で
ある。
実施例11 水酸化ナトリウム(4g)と2,6−ジメチルフエノール
(12.2g)とを、ガンマーピコリン(約75ml)中へ溶解
した。この混合物中から水を除去するために、混合物へ
熱を加えた。水/ピコリン混合物約25mlがビゴローカラ
ム(6インチ径)の塔頂より留出した。反応および蒸留
中の塔頂温度は110°〜144℃の範囲であつた。
かくして得た、ピコリン中のナトリウム2,6−ジメチ
ルフエネート溶液をフイツシヤー・ポーター瓶に入れ、
さらにメチルメルカプタン(約10.4g)とブチロラクト
ン(8.5g)とをこれに添加した。次にこの瓶を密封し、
油浴中へ入れた。この油浴を通じて熱を加え、自動的に
定まる圧力にて反応を続行した。加熱は約2時間30分の
間継続した。その間、温度は131℃まで上り、圧力は最
高約28psigまでに達した。加熱を中止した後約15分で、
この瓶を大気圧に開放し、反応物へ水(25ml)を加え
た。
かくして得られた、水溶液混合物をクロロホルム(25
ml/回)で3回洗浄した。残存する水相を回転蒸発器に
かけて水分を除去し、固形生成物14.2gを得た。この生
成物(分取された)のGLC分析によると、以下の組成の
揮発性成分が得られたことを示した。すなわち、 HOCH2CH2CH2CO2Na11.0%、CH3SCH2CH2CH2CO2Na88.1%高
沸分に帰せられるべきピークは実質上存在しなかつた。
〔発明の効果〕
以上からわかるように、本願発明は、毒性のあるアク
ロレインまたはシアン化水素を前駆体として用いる必要
なしに、高収率でアルキルチオアルカノエート化合物を
得ることができるというすぐれた効果があり、極めて有
用である。

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: R1−S−(CH2)n−CH(R2)−C(O)−OM 〔式中、R1は低級アルキル基で、Mはアルカリ金属で、
    nは2、3、または4の整数で、 R2は水素、水酸基、アミノ基、 −OR3および −NH−R4 (式中、R3はアルキル基およびアリール基よりなる群か
    ら選ばれ、そしてR4はアルキル基、アリール基およびア
    シル基よりなる群から選ばれる)よりなる群より選ばれ
    る〕に該当する化合物を製造する方法において、式: R1−S−M (式中、R1とMとは上に定義したとおりである) に該当するアルカリ金属メルカプチドを、非プロトン性
    極性有機溶媒の存在下において、式: (式中、R2とnとは上に定義したとおりである) に該当するラクトンと反応させることを特徴とするアル
    キルチオアルカノエート塩の製造方法。
  2. 【請求項2】非プロトン性極性溶媒が、1より大きい双
    極子モーメントおよび約10より大きい誘電率を有する特
    許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】溶媒が、ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
    チル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメ
    チル尿素、ピリジンおよび環置換アルキルピリジンから
    なる群から選ばれる特許請求の範囲第2項に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】溶媒が、ピリジン及び環置換アルキルピリ
    ジンから選ばれる特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  5. 【請求項5】R1が、メチル基である特許請求の範囲第1
    項に記載の方法。
  6. 【請求項6】R2が、水酸基である特許請求の範囲第5項
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】溶媒が、ジメチルホルムアミド、ヘキサメ
    チル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメ
    チル尿素、ピリジン、および環置換アルキルピリジンよ
    りなる群から選ばれる特許請求の範囲第6項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】溶媒が、ピリジン及び環置換アルキルピリ
    ジンよりなる群より選ばれる特許請求の範囲第7項に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】反応が、約80°〜150℃の温度で行われる
    特許請求の範囲第7項に記載の方法。
  10. 【請求項10】ラクトン1モル当たり、アルカリ金属メ
    ルカプチド約1〜約3モルが、仕込まれる特許請求の範
    囲第9項に記載の方法。
  11. 【請求項11】アルカリ金属メルカプチドが、式: R1−SH (式中、R1は低級アルキル基である)に該当する低級ア
    ルキルメルカプタンをアルカリ金属フエネートと反応さ
    せることにより製造される特許請求の範囲第1項に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】溶媒が、1より大きい双極子モーメント
    および約10より大きい誘電率を有する特許請求の範囲第
    11項に記載の方法。
  13. 【請求項13】溶媒が、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
    メチル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、テトラ
    メチル尿素、ピリジンおよび環置換アルキルピリジンか
    らなる群から選ばれる特許請求の範囲第12項に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】溶媒が、ピリジンまたは環置換アルキル
    ピリジンよりなる特許請求の範囲第13項に記載の方法。
  15. 【請求項15】アルカリ金属メルカプチドが、約80°〜
    約150℃の間の温度で該ラクトンと反応させられる特許
    請求の範囲第11項に記載の方法。
  16. 【請求項16】ラクトン1モル当たり、アルカリ金属メ
    ルカプチド約1〜約3モルが、仕込まれる特許請求の範
    囲第11項に記載の方法。
  17. 【請求項17】R1が、メチル基で、R2が水酸基である特
    許請求の範囲第11項に記載の方法。
  18. 【請求項18】式: R1−S−(CH2)n−CH(R2)−C(O)−OM 〔式中、R1は低級アルキル基より成り、Mはアルカリ金
    属で、nは2、3、または4の整数で、 R2は水素、水酸基、アミノ基、 −OR3および −NH−R4 (式中、R3はアルキルおよびアリールよりなる群から選
    ばれ、そしてR4はアルキル、アリールおよびアシル基よ
    りなる群より選ばれる)よりなる群から選ばれる〕に該
    当するアルキルチオアルカノエート化合物を製造する方
    法において、その方法が、非プロトン性極性有機溶媒の
    存在下において式: R1−S−H (式中、R1は上に定義したとおりである)に該当する低
    級アルキルメルカプタン、アルカリ金属フエネートと、
    式: (式中、R2は上に定義したとおりである)に該当するラ
    クトンとを混合して反応させ、そして該アルキルチオア
    ルカノエート化合物を生成するに足る時間の間少なくと
    も80℃の温度に上記の混合物を維持することを特徴とす
    るアルキルチオアルカノエート化合物の製造方法。
  19. 【請求項19】溶媒が、1より大きい双極子モーメント
    および約10より大きい誘電率を有する特許請求の範囲第
    18項に記載の方法。
  20. 【請求項20】溶媒が、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
    メチル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、テトラ
    メチル尿素、ピリジンおよび環置換アルキルピリジンよ
    りなる群から選ばれる特許請求の範囲第19項に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】溶媒が、ピリジンおよび環置換アルキル
    ピリジンよりなる群から選ばれる特許請求の範囲第20項
    に記載の方法。
  22. 【請求項22】低級アルキルメルカプタンとラクトンと
    が、該ラクトン1モル当たり、該低級アルキルメルカプ
    タン約1〜約3モルの比率で仕込まれる系において反応
    が行われる特許請求の範囲第18項に記載の方法。
  23. 【請求項23】R1が、メチル基で、R2が、水酸基である
    特許請求の範囲第18項に記載の方法。
  24. 【請求項24】式: R1−S−(CH2)n−CH(R2)−C(O)−OM 〔式中、R1は低級アルキル基より成り、Mはアルカリ金
    属で、nは2、3、または4の整数で、 R2は水素、水酸基、アミノ基、 −OR3および −NH−R4 (式中、R3はアルキル基およびアリール基よりなる群よ
    り選ばれ、そしてR4はアルキル基、アリール基、および
    アシル基より成る群から選ばれる)よりなる群から選ば
    れる〕に該当するアルキルチオアルカノエート化合物を
    製造する方法において、その方法が、非プロトン性極性
    有機溶媒を含有するアルカリ媒体の存在下においてアル
    キルメルカプチド基源とラクトンとの混合によって仕込
    混合物を製造すること、および 該アルキルチオアルカノエート化合物を生成するに足る
    時間の間少なくとも80℃の温度に該混合物を維持するこ
    とよりなり、しかも 該メルカプチド基が、式: R1−S− (式中、R1は上に定義したとおりである)に該当し、か
    つ該ラクトンが、式: (式中、R2とnは上に定義したとおりである)に該当す
    ることを特徴とするアルキルチオアルカノエート化合物
    の製造方法。
  25. 【請求項25】溶媒が、1より大きい双極子モーメント
    および約10より大きい誘電率を有する特許請求の範囲第
    24項に記載の方法。
  26. 【請求項26】溶媒が、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
    メチル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、テトラ
    メチル尿素、ピリジンおよび環置換アルキルピリジンよ
    りなる群より選ばれる特許請求の範囲第25項に記載の方
    法。
  27. 【請求項27】溶媒が、ピリジンまたは環置換アルキル
    ピリジンよりなる特許請求の範囲第26項に記載の方法。
  28. 【請求項28】アルキルメルカプチド基源とラクトンと
    が、該ラクトンの当量あたり該アルキルメルカプチド基
    約1〜3当量の比率で仕込まれる系において反応が行わ
    れる特許請求の範囲第24項に記載の方法。
  29. 【請求項29】R1がメチル基で、R2が水酸基である特許
    請求の範囲第24項に記載の方法。
  30. 【請求項30】アルカリ金属フエネートが、水と低沸共
    沸物を形成するピリジンおよび非プロトン性環置換ピリ
    ジンよりなる群から選ばれる溶媒を含む粗塩基性反応系
    において置換または非置換フェノールをアルカリ金属の
    水酸化物と反応させ、共沸蒸留によって該粗塩基性反応
    系から水を除去し、かくしてアルカリ金属フエネートを
    含有する実質的に無水の塩基性薬剤混合物を形成するこ
    とによって製造される特許請求の範囲第11項に記載の方
    法。
  31. 【請求項31】アルカリ金属メルカプチドが、無水塩基
    薬剤系においてアルキルメルカプタンをアルカリ金属フ
    エネートと反応させることによって製造される特許請求
    の範囲第30項に記載の方法。
  32. 【請求項32】ピリジンまたは環置換アルキルピリジン
    よりなる群より選ばれる溶媒の存在下に、ラクトンが、
    アルカリ金属メルカプチドと反応させられる特許請求の
    範囲第31項に記載の方法。
  33. 【請求項33】メルカプタンとラクトンとが、該ラクト
    ンの1モルあたり該メルカプタン約1〜3モルの比率で
    仕込まれる系において反応が行われる特許請求の範囲第
    32項に記載の方法。
  34. 【請求項34】R1が、メチル基で、R2が、水酸基である
    特許請求の範囲第30項に記載の方法。
  35. 【請求項35】式: R1−S−(CH2)n−CH(R2)−C(O)−OM 〔式中、R1は低級アルキル基より成り、Mはアルカリ金
    属で、nは2、3、または4の整数で、 R2は水素、水酸基、アミノ基、 −OR3および −NH−R4 (式中、R3はアルキル基およびアリール基よりなる群よ
    り選ばれ、そしてR4はアルキル基、アリール基、および
    アシル基よりなる群から選ばれる)よりなる群から選ば
    れる〕に該当するアルキルチオアルカノエート化合物を
    製造する方法において、その方法が、 水と低沸共沸物を形成するピリジンおよび非プロトン性
    環置換ピリジンよりなる群から選ばれる溶媒を含む粗塩
    基性反応系において置換または非置換フェノールをアル
    カリ金属の水酸化物と反応させること、 共沸蒸留によって該粗塩基性反応系から水を除去するこ
    と、かくして実質的に無水の塩基性薬剤混合物を形成す
    ること、 該無水塩基性薬剤混合物と式: R1−S−H (式中、R1は上に定義したとおりである)に該当する低
    級アルキルメルカプタンおよび式: (式中、R2とnとは上に定義したとおりである)に該当
    するラクトンと混合することによって、最終反応混合物
    を製造すること、および 該アルキルチオアルカノエート化合物を生成するに足る
    時間の間少なくとも80℃の温度に該混合物を維持するこ
    と、 の諸段階よりなることを特徴とするアルキルチオアルカ
    ノエート化合物の製造方法。
  36. 【請求項36】溶媒が、1より大きい双極子モーメント
    および約10より大きい誘電率を有する特許請求の範囲第
    35項に記載の方法。
  37. 【請求項37】溶媒が、ジメチルホルムアミド、ヘキサ
    メチル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、テトラ
    メチル尿素、ピリジンおよび環置換アルキルピリジンよ
    りなる群より選ばれる特許請求の範囲第36項に記載の方
    法。
  38. 【請求項38】該溶媒が、ピリジンまたは環置換アルキ
    ルピリジンよりなる特許請求の範囲第37項に記載の方
    法。
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