JP2506295Y2 - 注出筒付きキャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、注出筒付きのキャップに係る。

「従来の技術」 頂壁に注出口を備えたキャップ本体上面に、上記注出
口を閉塞する栓付きの蓋板を上記キャップ本体上面から
外方へ突出することなく重ね、それ等キャップ本体と蓋
板とを肉薄ヒンジで連結した一体成形品のキャップが普
及しているが、該キャップでは上記肉薄ヒンジが疲労で
破損しないように、その材質にポリプロピレンを使用し
ている。ところで、合成樹脂成品は印刷装飾が困難で、
また合成樹脂材による一体成形品であるため、上記キャ
ップは装飾性に乏しく、そのため製品の差別化が困難で
あった。

このような欠点除去のために、本出願人は実開昭63-1
20863号公報が示すように、上記キャップ本体を別部材
として、キャップ本体の周壁外面に嵌合させた筒体と上
記蓋板とを三点ヒンジ機構で連結したポリプロピレン製
のキャップを提案した。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、キャップ本体を別部材とした上記キャ
ップは硬材質のポリプロピレンで成形されているため、
容器体に装着したときに、容器体口頸部とキャップ本体
との嵌合部分や、キャップ本体の注出口と蓋板の栓との
嵌合部分で液洩れするおそれがあった。この問題を解決
するために、実開昭60-92961号公報が示すキャップでは
キャップ本体を、密着性および弛み防止機能に優れた軟
材質のポリエチレンで成形し、かつ筒体及び蓋板を硬材
質のポリプロピレンで成形している。ところで、このキ
ャップでは、キャップ本体と栓との密着性が良いので、
開，閉栓時の摩擦抵抗が大きくなるから、蓋板に大きな
力を加えるないと、栓の開閉をスムーズに行うことがで
きない。このため、このようなキャップを、１回の注出
又は振出量を変えることなく、例えば胴部から肩部を介
して口頸部を起立して口部を絞った容器体に取付可能に
小型化する場合には、栓の太さが変わらないので上記摩
擦抵抗は小さくならないが、蓋板は小さくなる。したが
って、小型化した従来のキャップは栓の開閉時に力を加
える蓋板が小さくなり、栓の開閉操作がしにくい。

本願考案は小型化しても、栓の開閉操作を容易に行え
る注出筒付きキャップを提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 容器体胴部から肩部を介して起立した口頸部に打設嵌
合できる嵌合壁４を頂壁２裏面から垂下すると共に、そ
の頂壁から注出筒６を起立し、かつ頂壁２外周から、内
部中央に間隙を保って上記口頸部を収納させて第１周壁
７を垂下するポリエチレン等軟材質合成樹脂製の栓状部
材１と、上記第１周壁７の下端部に、上記容器体胴部の
上部外面に下部を嵌合させる第２周壁11の上端部を嵌着
させると共に該第２周壁後部の上端部から三点ヒンジ機
構14を介して上記栓状部材上面を開閉する蓋板15を突出
し、該蓋板頂壁16の下面からは上記注出筒の注出孔内へ
嵌合させて栓17を垂設し、その蓋板頂壁16の裏面から第
３周壁18を垂設して該第３周壁下端面を上記栓状部材の
頂壁２上面へ載置する、ポリプロピレン等耐屈折性に富
む硬材質の合成樹脂製キャップ本体10とで形成した。

「作用」 第１図、第４図の状態から蓋板15前部の指掛け部を押
上げすると、三点ヒンジ機構14の作用により蓋板は後方
へ弾性反転して開蓋し、又該開蓋状態から押上げにより
再び弾性反転して閉蓋する。

「実施例」 本案キャップは栓状部材とキャップ本体とからなる。
まず第１図から第３図が示す第１実施例について説明す
ると、栓状部材１は頂壁２の裏面から口頸部３に対して
上方からの押下げにより、即ち打設嵌合できる嵌合壁４
を垂下する。該嵌合筒は図示のように外筒4aと内筒4bと
の二重筒で形成するとよく、内筒4bは長く、かつその下
端部外径を小径として口頸部内面へ嵌合を容易とし、か
つ外筒4aは短くしてその下端内周に、口頸部上端外周に
周設した突条下面に係合できる第１係合突条５を周設し
ている。又その頂壁２からは注出筒６を起立すると共に
頂壁外周からは上記口頸部３を内部中央に間隙を保って
収納させた状態で、第１周壁７を垂下する。該第１周壁
後部は図示のように切欠いてもよい。またその第１周壁
の左右両部の下部内面には第２係合突条を横設してい
る。該栓状部材はポリエチレン等軟材質合成樹脂で形成
する。

キャップ本体10は、容器体胴部の上部外面に下部を嵌
合させる第２周壁11を有し、該第２周壁上端に付設した
内向きフランジ12の左右両部上面から係合壁13,13を起
立し、該係合壁の上端部外面に付設した第３係合突条下
面へ記述第１周壁７の第２係合突条を係合させ、かつそ
の内向きフランジ12の外周部上面へ第１周壁７下端面を
載置させることで第２周壁11上端部へ栓状部材１を嵌着
させている。また第２周壁11後部の上端部からは、公知
の三点ヒンジ機構14を介して栓状部材１上面を開閉する
蓋板15を突出しており、該蓋板の頂壁16の下面からは記
述注出筒６の注出孔内へ嵌合させる栓17を垂下する。ま
た蓋板15は頂壁16外周から第３周壁18を垂下し、該第３
周壁下端面を栓状部材１の頂壁２外周部上面へ載置して
いる。

第４図から第６図が示す第２実施例は、第２周壁11の
上端に付設した突条11aを第１周壁７の下部外周に周設
した凹溝内へ嵌合させてキャップ本体の第２周壁11と栓
状部材の第１周壁７とを嵌合させており、又蓋板頂壁16
の外縁や、内方から垂設した第３周壁18下端面を栓状部
材頂壁２の外周部上面へ載置し、蓋板頂壁外周から垂下
する第４周壁19は栓状部材頂壁２外周よりも外方に位置
させることで、その第４周壁前方下面全体を開蓋用の指
掛け部とするものである。尚キャップ本体第２周壁の前
後両部は長く、又左右両部は短く形成している。

キャップ本体10は、ポリプロピレンないしはこれと同
等の耐屈折性に富む硬質の合成樹脂材で形成する。

「考案の効果」 本案キャップは、既述構成とするもので、三点ヒンジ
機構14を介して蓋板15を付設したキャップであって、そ
の三点ヒンジ機構により蓋板を弾性反転させて開閉でき
る便利があり、またかかる三点ヒンジ機構の蓋板付きキ
ャップとするため、耐屈折性に富む硬材質の合成樹脂製
キャップとしたから口頸部に対する嵌合部分における密
着性および弛み防止機能が軟材質合成樹脂製のキャップ
に比べて低下する筈であるが、軟材質合成樹脂製の栓状
部材１を設けてその頂壁２裏面から口頸部に打設嵌合で
きる嵌合壁４を垂下し、かつその頂壁から注出筒６を起
立し、更に頂壁外周から、内部中央に間隙を保って口頸
部を収納させて第１周壁７を垂下して該第１周壁下端部
を、容器体胴部の上部外面に嵌合させる耐屈折性に富む
硬材質合成樹脂製キャップ本体の第２周壁11の上端部に
嵌着させたから、口頸部に対してキャップを打設嵌合さ
せてもその嵌合部分の密着性等が不完全となって液洩れ
或いは弛みが生ずることなく、更に軟材質合成樹脂製の
栓状部材頂壁の注出筒６内へ硬材質合成樹脂製キャップ
本体の蓋板裏面から垂下する栓17を嵌着させるから、そ
の注出孔の密閉が不完全となることもない。更に上記栓
状部材１の第１周壁７の下部内面にキャップ本体の第２
周壁11の上端部を嵌着させると共にそのキャップ本体の
蓋板15の第３周壁18下端面を上記栓状部材の頂壁２上面
へ載置させたから、蓋板15外周を容器体口頸部３の外方
へ突出させてもキャップの輪郭内に収納されるので不用
意に開栓されることがなくなり、キャップを小型化した
ときにも蓋板15を同じ比率で小さくせずに済むから、比
較的大きな蓋板を操作して開，閉栓を行うことができ、
また蓋板閉塞時において硬材質合成樹脂製キャップ本体
の第２周壁11と第３周壁18との間に軟材質合成樹脂製栓
状部材１の第１周壁７が位置することとなり、よってキ
ャップの装飾効果を高めることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は、本案キャップの第１実施例を示す
もので、第１図は前後方向断面図、第２図は左右方向断
面図、第３図はその平面図、第４図から第６図は第２実
施例を示すもので、第４図はそのキャップの前後方向断
面図、第５図は左右方向断面図、第６図はその平面図で
ある。 １……栓状部材、10……キャップ本体 15……蓋板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体胴部から肩部を介して起立した口頸
   部に打設嵌合できる嵌合壁４を頂壁２裏面から垂下する
   と共に、その頂壁から注出筒６を起立し、かつ頂壁２外
   周から、内部中央に間隙を保って口頸部を収納させて第
   １周壁７を垂下するポリエチレン等軟材質合成樹脂製の
   栓状部材１と、上記第１周壁７の下端部に、上記容器体
   胴部の上部外面に下部を嵌合させる第２周壁11の上端部
   を嵌着させると共に該第２周壁後部の上端部から三点ヒ
   ンジ機構14を介して上記栓状部材上面を開閉する蓋板15
   を突出し、該蓋板頂壁16の下面からは上記注出筒の注出
   孔内へ嵌合させて栓17を垂設し、その蓋板頂壁16の裏面
   から第３周壁18を垂設して該第３周壁下端面を上記栓状
   部材の頂壁２上面へ載置する、ポリプロピレン等耐屈折
   性に富む硬材質の合成樹脂製キャップ本体10とで形成し
   たことを特徴とする注出筒付きキャップ。