JP2505457Y2

JP2505457Y2 - 分割型の正面フライス

Info

Publication number: JP2505457Y2
Application number: JP4220590U
Authority: JP
Inventors: 文夫猪口; 明臣龍; 豊松下; 徳昭勝又
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1990-04-20
Filing date: 1990-04-20
Publication date: 1996-07-31
Anticipated expiration: 2005-04-20
Also published as: JPH042513U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、分割型の正面フライスに関し、特にアダプ
タとカッタ本体との接触状態が改善されるようにしたの
ものである。

（従来の技術）従来、この種の分割型の正面フライスとしては、例え
ば、実公昭60−35540号公報、実公昭63−48332号公報な
どにみられるものが開示されている。

そして、前者は、カッタ本体の環状側面にダルマ状の
取付け孔を穿設して、取付けボルトがねじ込まれた状態
でカッタ本体をアダプタから取外せるようにしたもので
ある。また、後者は、センタプレートおよびセンタボル
トを利用してカッタ本体をアダプタに対して着脱できる
ようにしたものである。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、仕上げ用の正面フライスについては、
正面側の刃先振れを小さくする必要がある。そして、分
割型の仕上げ用正面フライスでは、アダプタとカッタ本
体の接触状態が重要となり、接触状態を均一かつ再現性
のあるものにすることが問題点になっている。

このようなことから、本考案では、カッタ本体および
アダプタ間の接触状態を改善して、上記問題点を解消す
るようにした分割型の正面フライスを提供しようとする
ものである。

（課題を解決するための手段）本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、アダプタ
の取外け端面およびカッタ本体の後端面には、超硬合金
製の帯状プレートがそれぞれ周方向に３個等配されるよ
うにしたものである。そして、この帯状プレート同士の
接触は、カッタ本体の着脱回動範囲内で少なくともその
一部分が互いに面接触するよう構成したものである。

また、さらい刃チップを組込んだ分割型の正面フライ
スにおいては、さらに刃チップの等配位置が周方向基準
で帯状プレートの接触位置と表裏関係にあるようにした
ものである。

（作用）本考案の分割型の正面フライスは、複数個配置された
耐摩耗性に優れる帯状プレートの存在により、接触状態
が均一で安定し、かつ再現性がよくなるよう機能する。
この場合、接触状態は、カッタ本体の着脱回動範囲内で
互に接触するように設定されている。

そして、さらい刃チップを組込んだ分割型の正面フラ
イスでは、帯状プレートの接触位置と表裏関係にあるこ
とから、刃先振れが特に安定し、再現性が高くなるよう
になっている。

（実施例）以下、本考案分割型の正面フライスにおける一実施例
について図を参照しながら説明する。

第１図乃至第４図において、（１）は、図示しない工
作機械の主軸端に取付けられるアダプタであり、このア
ダプタ（１）の取付け端面（1a）には、カッタ本体
（２）が取付けられる。そして、このカッタ本体（２）
は、その先端面（2a）側の外周部分に切刃チップ（３）
が組込まれるようになっている。この切刃チップ（３）
は、図示の場合、粗刃チップ（3a）およびさらい刃チッ
プ（3b）からなり、この粗刃チップ（3a）は、略正方形
板状をなす超硬合金、サーメットまたはセラミックスか
らなる。また、さらい刃チップ（3b）は、超硬合金から
なる台金にCBN、ダイヤモンド等の超高圧焼結体からな
る刃先部分（４）を備えるようにしたものである。この
場合、粗刃チップ（3a）は、カッタ本体（２）のロケー
ト面（５）で位置決めされ、取付け楔（６）によって固
定される。また、さらい刃チップ（3b）は、取付け溝
（７）内に位置するブレード（８）にねじ止めされ、こ
のブレード（８）が調整楔（９）によって微調整される
とともに、取付け楔に（10）によって固定される。

なお、粗刃チップ（3a）については、例えば特公昭56
−23723号公報にみられるように半径方向の位置を順次
ずらせるようにした送り補償が配慮されている。この送
り補償の考え方は、回転方向を基準にしたときに、送り
補償していないものでは、さらい刃（3b）の次に位置す
る粗刃チップ（3a）には、切削送りが２倍かゝるため、
この余分にかゝる切削送り分を各粗刃チップ（3a）で略
均等負担するものである。

しかして、前記アダプタ（１）の取付け端面（1a）お
よびカッタ本体（２）の後端面（2b）には、耐摩耗性に
優れた超硬合金製の帯状プレート（11）（12）がそれぞ
れ周方向に等配されている。この帯状プレート（11）
（12）の取付けは、例えばビス止め、ろう付け等により
行なわれ、その接触面が精密に研削される。

また、この帯状プレート（11）（12）同士は、互に面
接触する関係にあるが、その接触状態については、カッ
タ本体（２）の着脱回動範囲内で設定される。例えば、
図示のようにカッタ本体（２）がセンタプレート（1
3）、センターボルト（14）およびスプリング（15）を
備えた補助ボルト（16）により着脱される場合には、第
５図（ａ）（ｂ）および第６図（ａ）（ｂ）で示される
ようなピン（17）およびガイド穴（18）による回動範囲
内で接触状態を設定する。そして、この接触状態は、取
付け時に接触面が完全に一致する場合に限定されず、図
示のように着脱回動範囲内で少なくともその一部分が互
に面接触すればよい。したがって、耐摩耗性に優れた帯
状プレート（11）（12）同士の面接触によって接触状態
が均一で安定し、かつその再現性も高められる。

なお、本実施例で帯状プレート（11）（12）を３個等
配したのは、３点支持による安定性を配慮したことによ
る。また図示のように、さらい刃チップ（3b）を組込ん
だ分割型の正面フライスにあっては、さらい刃チップ
（3b）の位置が、周方向基準では第１図および第６図
（ａ）（ｂ）で示されるように帯状プレート（11）（1
2）の接触位置と表裏関係にあるように構成される。こ
れは、さらい刃チップ（3b）の取付け剛性からくる安定
性を配慮して刃先振れを最小限に抑えようとしたもので
ある。

（考案の効果）本考案は、以上説明したようにカッタ本体（２）の取
付け回動範囲内で、複数個の帯状プレート（11）（12）
同士が互い面接触するように構成したものであるから、
カッタ本体（２）アダプタ（１）との接触状態が良好と
なり、またその再現性も非常に高められるものである。
したがって、分割型の正面フライスにおける刃先振れを
最小にすることができ、仕上げ切削に適用できるという
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案分割型の正面フライスにおける一実施
例を示す一部正面図、第２図は、その一部平面図、第３
図は、さらい刃チップ部分における一部断面図、第４図
は、粗刃チップ部分における一部断面図、第５図（ａ）
（ｂ）および第６図（ａ）（ｂ）は、カッタ本体および
アダプタの取付け状態を示す図で、第５図（ａ）は、カ
ッタ本体の挿入時の説明図、第５図（ｂ）は、その一部
側面図、第６図（ａ）は、カッタ本体のクランプ時の説
明図、第６図（ｂ）は、その一部側面図である。（１）…アダプタ、（1a）…取付け端面（２）…カッタ本体、（2a）…先端面（2b）…後端面、（３）…切刃チップ（3a）…粗刃チップ、（3b）…さらい刃チップ（11）（12）…帯状プレート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者勝又徳昭愛知県豊田市トヨタ町１番地トヨタ自動車株式会社内審査官和田雄二

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】アダプタ（１）の取付け端面（1a）には、
先端面（2a）の外周部分に切刃チップ（３）を備えたカ
ッタ本体（２）が取付けられている分割型の正面フライ
スにおいて、前記アダプタ（１）の取付け端面（1a）およびカッタ本
体（２）の後端面（2b）には、超硬合金製の帯状プレー
ト（11）（12）がそれぞれ周方向に複数配置されるとと
もに、これらの帯状プレート（11）（12）同士は、カッ
タ本体（２）の着脱回動範囲内で少なくともその一部分
が互に面接触するようになっていることを特徴とする分
割型の正面スライス。
【請求項２】前記カッタ本体（２）の先端面（2a）側に
は、切刃チップ（３）のうち３個のさらい刃チップ（3
b）が等配され、その等配位置が周方向基準では、前記
帯状プレート（11）（12）におけるカッタ本体（２）の
取付け時の接触位置と表裏関係になっている請求項１記
載の分割型の正面フライス。