JP2503172B2 - 遠心力成型体の製造方法 - Google Patents

遠心力成型体の製造方法

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JP2503172B2 JP4338656A JP33865692A JP2503172B2 JP 2503172 B2 JP2503172 B2 JP 2503172B2 JP 4338656 A JP4338656 A JP 4338656A JP 33865692 A JP33865692 A JP 33865692A JP 2503172 B2 JP2503172 B2 JP 2503172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートの遠心力
成型体の製造方法、詳しくは、コンクリートパイル、ポ
ール、及び鋼管複合杭等のパイル類、ヒューム管や鋼管
ライニングなどのヒューム管類、及びその他、遠心力を
利用して成型できる遠心力成型体の製造方法に関する。
【0002】なお、本発明でいうコンクリートとはモル
タル又はコンクリートを総称したものである。
【0003】
【従来の技術とその課題】従来、パイル類やヒューム管
類などは、コンクリートを遠心力成型又は振動遠心力成
型することによって製造されている。
【0004】そしてパイル類などの遠心力成型体は、例
えば、500kgf/cm2以上又は800kgf/cm2以上の高強度を必
要とすることから、一般に、高性能減水剤を、例えば、
セメントに対して固形分で0.65〜1.0重量%と多量に添
加して水・セメント比(以下、W/Cという)を下げ、
必要に応じてセッコウやセッコウを主成分とする高強度
混和材、シリカヒューム、又は膨張材等を各々単独又は
併用添加してコンクリートを調整し、型枠に投入し、回
転数を低速、中速、及び高速と段階的に大きくして遠心
力成型されている。
【0005】しかしながら、パイル類を製造する場合で
は、高性能減水剤を多量に添加するため、管内面のモル
タル層が締らず、多量のノロが発生しやすいという課題
があった。
【0006】即ち、遠心力成型すると、水と共にセメン
ト、セメント混和材、及び砂等の微粉末がノロとして絞
り出されやすいが、高性能減水剤の添加量を多くすれば
するほど、ノロの発生量が増加し、かつ、管内面のモル
タル層の締りが悪くなる傾向がある。
【0007】さらに管内面のモルタル層やノロの中には
セメントの他に添加した各種セメント混和材も多量に含
まれるので、それらの性能がパイル類では充分発揮され
ないことになる。そのためノロとして分離して無効とな
る各種セメント混和材の量を見越して、20重量%程度最
初から割り増ししてセメントに添加しておくなどの不経
済な使われ方をしている場合も少なくない。
【0008】一方、発生するノロの処理は公害問題にも
発展している。
【0009】また、高性能減水剤を使用したコンクリー
トは水抜けが悪く、これを使用した遠心力成型体は極端
な場合、管内面より1〜2cmのところに水が留り、水が
抜け切れないで留り層となり、ポーラスになっている状
態、いわゆる、ジャンカ層を形成しやすく、そのために
強度低下を招きやすい。
【0010】本発明者の実験によると、高性能減水剤が
セメントに対し0.2重量%でスランプが5cm以下であれ
ばノロの発生は小さいが、それ以上の高性能減水剤の添
加量では遠心力成型性状が不良となり、2〜3重量%で
スランプが5〜10cmの場合は締め固めが全くできなく、
遠心力成型後に、内面に分離したモルタル部分が管外に
流出するような極端な場合も認められる。また、高性能
減水剤が0.2重量%でもスランプが5cm以上となるとノ
ロが発生するようになることが認められた。
【0011】一方、ヒューム管類は、パイル類に比べ管
内面の仕上りが重要であり、その仕上りを含む成型性の
良否は、成型時間や製品歩留り、即ち、生産効率に影響
する。そのため仕上げの最後に新しいモルタルを塗布し
たり、蒸気養生後に管内面のモルタル層が皮一枚分、部
分的に剥離することを防止する内面剥離剤を塗布するな
どして、約30〜40分かかって製管しているのが現状であ
る。
【0012】また、ヒューム管類の製造において、高性
能減水剤に限らず一般の減水剤を使用すると締め固めが
不良となるため、それらを原則として使用しないのが通
常であり、必要強度を得るのに単位セメント量を多くす
る必要があり、不経済となっている。特に、膨張材を使
用してJIS A 5303の2種管や、全国ヒューム管協会規格
の3種管などのように、高外圧強度を得ようとする場合
は、単位セメント量がさらに多くなり、それに伴って膨
張材量も多くなる傾向がある。
【0013】そのため膨張ひび割れや熱ひび割れなどが
発生し、3種管をコンスタントに製造することができな
い、2種管も補強鉄筋を導入するなどの対策を講じては
いるもののひび割れは完全には防止できないなどの課題
があった。
【0014】さらに最近推進工法の発達に伴ない、軸方
向の圧縮強度である軸力の大きいヒューム管、いわゆる
推進管が要望され、パイル類に使用される高性能減水剤
量の約半分以下と各種セメント混和材を併用するように
なったが、高性能減水剤を使用すると前述のように遠心
力成型性が悪くなるので製管時間がさらに長くなり、製
品歩留りも悪く、高価なものとなる課題があった。
【0015】これら課題を解決しようとしたものが振動
遠心力成型法である。
【0016】振動遠心力成型法は、高性能減水剤を、例
えば、セメントに対し2〜4重量%と多量に添加し、W/
Cを25%以下にまで極力低下させ、スランプ0cmの硬練
りコンクリートを作り、遠心力と縦振動を組み合せて成
型する方法である。しかしながら、この方法ではノロの
分離がないかわりに脱水も生じにくい。
【0017】元来、遠心力成型はコンクリート中の各材
料の粒子径の大きい順に管の外側から内側に向って配列
し、いわば材料分離するものであるから、振動遠心力成
型した成型体の強度は振動成型体よりも低く、しかも、
硬練りコンクリートであるため、取扱いも容易ではな
い。
【0018】さらに、高性能減水剤を添加した遠心力成
型の改良技術として、セッコウ類と硫酸塩である明ばん
とを混合し、セメントに対し1.5重量%程度添加するこ
とにより、ヒューム管の内面のモルタル層の浮きを、生
成するエトリンガイトによって防止する方法が提案され
たがノロの発生は防止できず、水抜けを良くして遠心力
成型性を改善することもできないという課題が残った
(特開昭54−161627号公報)。
【0019】一方、チオ硫酸塩はセメントの凝結硬化を
促進する無機化合物として各種塩化物、硝酸塩、硫酸塩
等と共によく知られていたものである。
【0020】本発明者は、前述の従来技術の課題を種々
検討した結果、前述のセメントの凝結硬化を促進する無
機化合物の中でチオ硫酸塩だけが、高性能減水剤と併用
することによって遠心力成型性を改善できるという知見
を得て本発明を完成するに至った。
【0021】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
コンクリートに、高性能減水剤とコンクリートのセメン
ト100重量部に対して0.003〜4.0重量部のチ
オ硫酸塩を有効成分とする遠心力成型用セメント混和材
を配合し、3回以上回転数を変えて加速して遠心力成型
した後、前置き養生し、常圧蒸気養生することを特徴と
するコンクリートの遠心力成型体の製造方法、(2)コ
ンクリートを遠心力成型してなる成型体であって、圧縮
強度が500kgf/cm2 以上でかつ、締まっていないモル
タル層厚が4mm以下であることを特徴とする(1)記
載の製造方法による遠心力成型体である。
【0022】以下本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明に係る高性能減水剤とは、比較的多
量に添加しても過度の凝結遅延や空気連行作用がなく、
高分散性を発揮する減水剤であって、チオ硫酸塩と併用
することによってはじめて本発明の効果を得ることがで
きるものである。そして、高性能減水剤を使用しないコ
ンクリートはもちろんのこと、通常の減水剤とチオ硫酸
塩を併用しても効果なく、高性能減水剤単独でも効果は
見ることができない。
【0024】高性能減水剤は、土木学会発行コンクリー
トライブラリーNo.47「高強度コンクリート設計施工指針
(案)」によれば、その主成分の化学構造から、ポリアル
キルアリルスルホン酸塩系とトリアジン誘導体の高縮合
物系の2種類に大別されている。
【0025】ここで、ポリアルキルアリルスルホン酸塩
系に属するものは、ナフタレンスルホン酸又はその誘導
体、もしくは類縁物質のホルマリン高縮合物を主成分と
するものであり、具体的には、花王石鹸社製商品名「マ
イティ100」、「マイティ150」、「マイティHS」、「マイティ
150R」、及び「マイティ150RA」、山陽国策パルプ社製商品
名「サンフローPS」や「サンフローPSR」、竹本油脂社製商
品名「ポールファイン510N」、日曹マスタービルダーズ社
製商品名「NL-1450」 や「NL-1440」、並びに第一工業薬品
社製商品名「セルフロー110P」等が使用可能である。
【0026】また、トリアジン誘導体の高縮合物系に属
するものは、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩を主
成分とするものであり、具体的には、昭和電工社製商品
名「メルメントF-10」や日曹マスタービルダーズ社製商品
名「NL-4000」などが使用可能である。
【0027】市販品としてはポリアルキルアリルスルホ
ン酸塩系に属するものが主流であるが、本発明では、ポ
リアルキルアリルスルホン酸塩系、トリアジン誘導体の
高縮合物系いずれのものも使用可能である。これら高性
能減水剤の詳細はセメント協会発行「セメント・コンク
リート」No.427(1982)に掲載されている。
【0028】高性能減水剤の使用量は、固形分換算でセ
メント100重量部に対して、0.2〜5重量部が好ましく、
経済性や実際に必要な強度性状から0.4〜3重量部がよ
り好ましい。0.2重量部未満ではチオ硫酸塩との併用効
果が少なく、5重量部を超えると遠心力成型性は悪化
し、物性の向上もあまり期待されない。
【0029】本発明で使用するチオ硫酸塩としては、Na
やKなどのアルカリ金属塩、MgやCaなどのアルカリ土類
金属塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。通常工業
的に生産されているのはNa、K及びアンモニウムの各塩
であり、経済性からNa塩が最も好ましい。
【0030】チオ硫酸塩の使用量は、無水物換算でセメ
ント100重量部に対して、5重量部以下が好ましく、0.0
01〜4重量部がより好ましく、0.003〜2重量部が最も
好ましい。5重量部を超えるとノロの発生は少ないが、
脱水性が不良で締め固めの状態が悪く、管内面のモルタ
ル層が1〜2cm程度の軟らかい状態となりやすい。
【0031】本発明に係る高性能減水剤とチオ硫酸塩の
コンクリートにおける使用方法は特に制限はなく、セメ
ントに混合してからコンクリート配合しても、ミキサー
でコンクリートを混練りする際に添加してもよい。ま
た、混練り水に予め溶解しておくことも可能である。
【0032】本発明では、高性能減水剤とチオ硫酸塩の
他に、通常コンクリートに添加され得る、例えば、セッ
コウ類やセッコウを主成分とした高強度混和材、シリカ
ヒューム、及び膨張材等の化学混和材を併用することは
有効であり、それらの性能を十分に発揮できるものであ
る。
【0033】本発明に係るコンクリートは、通常の方法
で型枠に注入され、現場で実施されている方法、例え
ば、回転数を低速、中速、高速と段階的に加速するなど
して遠心力成型又は振動遠心力成型される。
【0034】本発明において、遠心力成型体を遠心力成
型後、前置き養生し、その後、常圧蒸気養生する。例え
ば、遠心力成型後、1〜4時間前置き養生し、40〜100
℃で2〜6時間保持して常圧蒸気養生し、その後自然放
冷する方法で養生することが可能である。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに説明す
る。
【0036】実施例1 表1に示すコンクリートの配合No.Iを用いてコンクリ
ートを作り、表2のようにチオ硫酸塩や高性能減水剤を
添加して、17kgのコンクリートとした。それを外径20c
m、長さ30cm、厚み5cm(20φ×30L×5cmtと示す)の
供試管を遠心力成型した。遠心力成型条件は6Gで4
分、20Gで5分、さらに、30Gで3分であった。その後
4時間前置きし、昇温2時間、65℃で4時間保持の常圧
蒸気養生を行い、その後自然放冷した。遠心力成型中の
脱水量とモルタル層の厚みを測定し、脱水量を加味した
遠心力成型後の実際の水セメント比を次式から算出し
た。
【0037】
【数1】
【0038】また、10φ×20cmLの振動成型体を作り、
遠心力成型体と同様に養生し、翌日脱型し、24時間後の
圧縮強度の比較を行った。結果を表2に併記する。
【0039】<使用材料> セメント:普通ポルトランドセメント、電気化学工業社
製 細骨材 :姫川産川砂、比重2.65 粗骨材 :姫川産砕石、比重2.68 チオ硫酸塩A:チオ硫酸ナトリウム無水塩、工業用 チオ硫酸塩B:チオ硫酸カルシウム無水塩、試薬 チオ硫酸塩C:チオ硫酸カリウム無水塩、工業用 チオ硫酸塩D:チオ硫酸アンモニウム無水塩、工業用 チオ硫酸塩E:チオ硫酸リチウム無水塩、試薬 減水剤F:高性能減水剤、花王石鹸社製商品名「マイテ
イ100」粉末
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表から明らかなように、本発明の遠心力成
型体の製造方法を使用することによって、成型体の締め
固めが良好になり、成型時の脱水量が多く、振動成型体
より強度が大であることが明らかであり、チオ硫酸塩の
種類による効果には大きな差が見られず、チオ硫酸塩の
少量添加でも極めて大きな効果を発揮する。また、チオ
硫酸塩の最適添加量は、セメント100重量部に対して、
0.003〜2重量部である。
【0043】実施例2 表1に示すコンクリートの配合No.II 〜Xを用い、それ
らに、チオ硫酸ナトリウムをセメント100重量部に対し
て、0.1重量部一定添加してコンクリートを作り、表3
に示すように高性能減水剤の種類と添加量を変化したこ
と以外は実施例1と同様に行った。液状の高性能減水剤
は固形分換算で添加し、水は混練水の一部とした。高性
能減水剤の銘柄によってスランプが多少変動するため、
若干の水量を加減してスランプを一定とした。また、同
一スランプのコンクリートで減水率=(プレーンコンク
リートの単位水量−減水剤使用コンクリートの単位水
量)×100/プレーンコンクリートの単位水量)を向上さ
せるために配合No.IX は24.0kg/ コンクリート1m3、配
合No. Xは38.4kg/ コンクリート1m3のシリカヒューム
を用いた。結果を表3に併記する。
【0044】<使用材料> シリカヒューム:フェロシリコン製造時の副生物、0.1
μ 高性能減水剤G:第一工業薬品社製商品名「セルフロー1
10P」、粉末 高性能減水剤H:昭和電工社製商品名「メルメントF−1
0」、粉末 高性能減水剤I:花王石鹸社製商品名「マイティ150」固
形分換算 高性能減水剤J:花王石鹸社製商品名「マイティ150R」固
形分換算 高性能減水剤K:花王石鹸社製商品名「マイティHS」固
形分換算 高性能減水剤L:山陽国策パルプ社製商品名「サンフロ
ーPS」固形分換算 高性能減水剤M:山陽国策パルプ社製商品名「サンフロ
ーPSR」固形分換算 高性能減水剤N:竹本油脂社製商品名「ポールファイン5
10N」固形分換算 高性能減水剤O:日曹マスタービルダーズ社製商品名
「NL−1450」固形分換算 高性能減水剤P:日曹マスタービルダーズ社製商品名
「NL−4000」固形分換算 その他は実施例1で使用したものと同様
【0045】
【表3】
【0046】表から明らかなように、本発明の遠心力成
型体の製造方法を使用することによって、成型体の締め
固めが良好になり、成型時の脱水量が多く、振動成型体
より強度が大であることが明らかであり、一定量以上の
高性能減水剤で大きな効果を発揮し、実用的又は経済的
に最も好ましい量は、セメント100重量部に対して、0.2
〜5重量部である。
【0047】実施例3 実施例2の実験No.2- 6において、チオ硫酸ナトリウム
をセメント100重量部に対して、0.003重量部と0.01重量
部添加したこと以外は実施例2と同様に行った。結果を
表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】表から明らかなように、本発明の遠心力成
型体の製造方法を使用することによって、成型体の締め
固めが良好になり、成型時の脱水量が多く、振動成型体
より強度が大である。
【0050】実施例4 表1に示すコンクリートの配合No.XI 〜XIIに膨張材60k
g/m3を配合し、さらに、配合No. XIIは高性能減水剤I
を0.7重量部、配合No.XIII は高性能減水剤Iを0.7重量
部とチオ硫酸塩Cを0.1重量部配合して、JIS 2種管の
実際のヒューム管、内径60cm、長さ243cm、厚み5cmの
実機製造を行った。螺旋筋の鉄筋比は0.86%、ピッチ45
mm、ストレート筋の鉄筋比0.23%、螺旋筋とストレート
筋の太さは各々5cmφである。通常の方法で遠心力成型
し、蒸気養生と散水養生を行った。材令14日で外圧強度
試験と実管のコアの圧縮強度試験を行った。コアの圧縮
試験は、ヒューム管体から30cmφのコアを抜き出し、管
軸方向が圧縮方向となるように巾10cm、長さ20cm、厚さ
5cmの供試体を切り出し、明らかに偏心荷重のものを除
外し、n=5で試験を行った。結果を表5に示す。
【0051】<使用材料> 膨張材 :電気化学工業社製商品名「デンカCSA#20」 その他は実施例1又は2で使用したものを使用
【0052】
【表5】
【0053】表から明らかなように、本発明の遠心力成
型体の製造方法によって成型したヒューム管は比較例に
比べ、脱水量が多く、締め固め状態も、指で押してもそ
の跡がつかない程強固に締り、管体強度も大きく、か
つ、外圧強度が規格値より約1t/mも大きいものが得ら
れることがわかる。
【0054】実施例5 表1に示すコンクリートの配合No.XIV 〜XVIIを用い、
混和材を、配合No.XIV〜XVIは47kg/m3、配合No.XVII は
45kg/m3配合し、さらに、配合No.XIV〜配合No.XVII は
高性能減水剤Nを0.7重量部、配合No.XV 〜XVIIはチオ
硫酸塩Dを0.1重量部配合して、30φ×300L×6cmtの
RCパイルを製造した。12mmφのPC鋼棒を8本使用
し、螺旋筋として5mmφの鉄線を50mmピッチで使用し
た。通常の盛り込み方式で遠心力成型、蒸気養生を行い
翌日脱型した。ただし、配合No.XVIは、ポンプ圧送によ
り型枠に投入し、遠心力成型後、蒸気養生を行い翌日脱
型した。遠心力成型時パイルの両端に蓋をしてノロや脱
水された水が漏れないようにし、脱型時に脱水量、ノロ
の状態、及び製管状態を観察した。また、このRCパイ
ルより30φ×100cmLの供試体を2本切り出し、切断面
をセメントペーストでキャッピングし、材令3日の強度
を測定した。さらに、同一配合のコンクリートを振動成
型して、10φ×20cmLの供試体を作成し、同一養生し、
同様に強度測定を行った。結果を表6に示す。なお、配
合No.XIV は800kgf/cm2以上の高強度パイル製造におけ
る一般的配合である。
【0055】<使用材料> 混和材 :電気化学工業社製商品名「デンカΣ1000」主成
分セッコウ その他は実施例1又は実施例2と同様
【0056】
【表6】
【0057】表から明らかなように、本発明の遠心力成
型体の製造方法によって成型したコンクリートパイル
は、比較例に比べ、脱水量が大で、その強度は振動成型
体のものより高く、スランプの程度に影響されず効果を
発揮し、経済的な配合で実施することが可能である。
【0058】実施例6 表1に示すコンクリートの配合No.XVIII 〜XXを用い、
混和材を40kg/m3、高性能減水剤Gを3重量部配合し、
さらに、配合No.XIX と配合No.XX はチオ硫酸塩Aを0.2
重量部配合し、振動遠心力成型法で内径60cm、長さ243c
m 、厚さ6cmのヒューム管を作った。鉄筋は実施例4と
同様にし、先ず5G程度の低速で型枠を回転させながら
コンクリートを投入し、その後25G程度の中速回転にす
ると同時に振巾4mm、振動数2700回/分の縦振動を90秒
加え、その後40Gの回転で遠心力成型を行った。材令28
日で水圧による内圧試験を行い、管が水圧により破壊し
たり、亀裂が入ったりして、水圧が上昇しない時の最大
値、最大水圧を測定した。また、同一配合のコンクリー
トを用い、10φ×20cmLの供試体を振動成型し、同一養
生後材令28日の圧縮強度を測定した。結果を表7に示
す。
【0059】<使用材料> 混和材 :大阪セメント社製商品名「ノンクレーブ」主
成分II型無水セッコウ その他は実施例1又は実施例2と同様
【0060】
【表7】
【0061】表から明らかなように、本発明の遠心力成
型体の製造方法によって成型したヒューム管は、比較例
に比べ、最大水圧が大きい。この理由は、製管時に比較
例は全く脱水されなかったのに対し、実施例のヒューム
管は脱水量が多く、強度が向上していることによるもの
と考えられる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の遠心力成型体の
製造方法を使用することによって、 1.管内面のモルタル層を締め固め、ノロの発生を低減
又は防止し、セメント混和材の性能を充分に発揮させる
ことができる。 2.脱水量を大きくし、遠心力成型体の密実化を促し、
強度を向上させることができる。 3.高性能減水剤の量やスランプの大小に関係なく、遠
心力成型性を向上させ、ヒューム管等では高性能減水剤
の使用によって、単位セメント量やセメント混和材量を
減少させ、経済性を図ることができる。 4.振動遠心力成型においても、脱水を促し、強度を向
上させ、軟かいコンクリートでも十分に成型でき、物性
も劣らないものとすることができる。 等の効果を奏する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートに、高性能減水剤とコンク
    リートのセメント100重量部に対して0.003〜
    4.0重量部のチオ硫酸塩を有効成分とする遠心力成型
    用セメント混和材を配合し、3回以上回転数を変えて加
    速して遠心力成型した後、前置き養生し、常圧蒸気養生
    することを特徴とするコンクリートの遠心力成型体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 コンクリートを遠心力成型してなる成型
    体であって、圧縮強度が500kgf/cm2 以上でかつ、締
    まっていないモルタル層厚が4mm以下であることを特
    徴とする請求項1記載の製造方法による遠心力成型体。
JP4338656A 1984-09-10 1992-12-18 遠心力成型体の製造方法 Expired - Lifetime JP2503172B2 (ja)

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