JP2927173B2 - 4級リン系化合物及びその製造方法並びに硬化触媒 - Google Patents

4級リン系化合物及びその製造方法並びに硬化触媒

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テトラフェニルボレー
トとリン原子に酸素原子を介して結合した芳香族基を有
するホスホニウムとの塩の構造を有し、エポキシ樹脂組
成物などの硬化触媒として有用な4級リン系化合物及び
その製造方法並びに硬化触媒に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
りエポキシ樹脂と硬化剤としてのフェノール樹脂とを含
むエポキシ樹脂組成物には硬化触媒が配合されており、
この硬化触媒としては、例えばイミダゾール誘導体、三
級アミン化合物、三級ホスフィン化合物やこれらの誘導
体等が用いられているが、これらの硬化触媒は、保存安
定性が悪く、また混練時に粘度が高くなり、成形時の流
動性が悪いという問題がある。
【0003】一方、特公昭56−45491号公報に
は、ノボラック型フェノール系樹脂とテトラフェニルホ
スホニウム・テトラフェニルボレート(以下、TPP−
Kと略す)とをノボラック型フェノール系樹脂の軟化点
以上の温度で加熱処理し、樹脂系がわずかに黄色味を帯
びた褐色ないし茶褐色の呈色状態になるまで加熱処理す
ることにより得られた化合物をエポキシ樹脂の硬化剤と
して用いることにより、保存安定性が良好で、耐湿性に
優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物が得られるこ
とが記載されている。
【0004】しかしながら、この硬化触媒は活性が低
く、速硬化性に劣るため多量に使用しなければならず、
かえってエポキシ樹脂組成物の保存安定性を損う結果と
なっていた。
【0005】また、上記TPP−Kも硬化触媒として有
用であり、ある一定温度から反応が進行するという潜在
性に優れてはいるものの、速硬化性に劣るという問題が
あり、更に従来より汎用されているトリフェニルホスフ
ィンは、速硬化性には優れているものの、保存安定性が
劣るという問題がある。
【0006】このように従来の硬化触媒は、保存安定
性、流動性が良好で、かつ速硬化性、耐湿性等の特性に
優れたエポキシ樹脂組成物を与えることは困難であっ
た。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、エポキシ樹脂組成物などに配合した場合に流動性、
速硬化性に優れ、かつ耐湿性、接着性等に優れた硬化物
を与えることができる4級リン系化合物及びその製造方
法並びに硬化触媒を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般
式(5)で示される4級リン系化合物に対して下記一般
式(6)又は(7)で示されるフェノール性水酸基を有
する芳香族化合物を加温下混合することにより、一般式
(5)で示される4級リン系化合物中のリン原子と結合
した芳香環が上記フェノール性水酸基を有する芳香族化
合物と置換反応し、下記一般式(1)で示されるリン原
子に酸素原子を介して結合する芳香族環を有する構造の
4級リン系化合物が生成することを知見した。そして、
この4級リン系化合物は、例えばエポキシ樹脂と硬化剤
であるフェノール樹脂との硬化触媒として優れた効果を
示し、従来の触媒であるトリフェニルホスフィンと比較
して、ある一定温度から反応が進行するという潜在性に
優れ、一方上記TPP−Kよりも高活性で反応性に優れ
るという長所を備え、しかも樹脂に対する相溶性に優
れ、かかる一般式(1)で示される4級リン系化合物を
硬化触媒として配合したエポキシ樹脂組成物は、保存安
定性、流動性が良好であり、かつ速硬化性に優れると共
に、耐湿性、接着性に優れた硬化物を与えることを見い
出し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
【化4】 (但し、式中R1は上記式(2)で示される基、R2は上
記式(3)又は(4)で示される基、R3は炭素数1〜
6の一価炭化水素基、nは1〜4の整数、mは0〜3の
整数である。なお、式(7)及び(4)においてmが1
以上の場合、R3は−OH又は−O−を有する芳香環に
存在しても、−OH又は−O−を有しない芳香環に存在
しても、両方に存在してもよい。)
【0010】従って、本発明は、上記一般式(1)で示
される4級リン系化合物、及び上記一般式(5)で示さ
れる4級リン系化合物と上記式(6)及び(7)で示さ
れる化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを
120〜250℃の温度で混合反応することを特徴とす
る上記一般式(1)で示される4級リン系化合物の製造
方法並びに上記4級リン系化合物からなるエポキシ樹脂
とフェノール樹脂硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物の
硬化触媒を提供する。
【0011】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の4級リン系化合物は、下記一般式(1)で
示されるものである。
【0012】
【化5】 (但し、式中R1は下記式(2)で示される基、R2は下
記式(3)又は(4)で示される基、R3は炭素数1〜
6の一価炭化水素基、nは1〜4の整数である。)
【0013】
【化6】 (但し、mは0〜3の整数を示すが、式(4)において
mが1以上の場合、R3は−O−を有する芳香環に存在
しても、−O−を有しない芳香環に存在しても、両方に
存在してもよい。)
【0014】このような4級リン系化合物としては、特
に下記式のものを例示することができる。
【0015】
【化7】 (式中、Meはメチル基を示す。)
【0016】本発明の一般式(1)で示される4級リン
系化合物の製造方法は、上述したように一般式(5)で
示される4級リン系化合物と式(6)及び(7)で示さ
れる化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを
120〜250℃、好ましくは160〜200℃の温度
で混合反応するもので、これにより一般式(5)で示さ
れる4級リン系化合物のリン原子に結合した4個の芳香
族環を酸素原子を介した1〜4個の芳香族環で置換し
て、本発明の式(1)の4級リン系化合物を得ることが
できる。
【0017】
【化8】 (但し、式中R3は炭素数1〜6の一価炭化水素基、m
は0〜3の整数であるが、式(7)においてmが1以上
の場合、R3は−OHを有する環に存在しても、−OH
を有しない環に存在しても、両方に存在してもよい。)
【0018】この場合、反応温度が120℃未満である
と、置換反応が非常に遅くなり、逆に反応温度が250
℃を超えると、一般式(5)で示される4級リン系化合
物の分解反応が起こるため、目的とする反応生成物を高
収率で得ることが困難になってしまう。
【0019】また、反応系中に酸素が存在すると、4級
リン系化合物が酸素により酸化されてP(III)から
P(V)へ変化し、4級リン系化合物の分解反応が起こ
り得るので、反応系から酸素は十分に除去することが望
ましく、反応は窒素等の不活性雰囲気下で行うことが好
ましい。
【0020】上記置換反応の機構はSnZであると考え
られるので、溶媒が置換反応に影響を及ぼし、目的生成
物によって溶媒を選択することが好ましい。この溶媒と
しては、プロトン性の溶媒、非プロトン性の溶媒、ある
いは上記一般式(6)又は(7)で示されるフェノール
性水酸基を有する芳香族化合物自身を例示することがで
きる。
【0021】プロトン性の溶媒を使用した場合、求核体
である芳香族カルボアニオンを中間体の遷移状態よりも
有効に安定化するため、置換反応の活性化エネルギーが
増大し、反応が遅くなる。また、プロトン性の溶媒の場
合、活性化エネルギーが高いため求核体はより正に帯電
したリン原子を攻撃するので、1置換体よりは2置換体
を、2置換体よりは3置換体を優先的に攻撃し、その結
果4置換体が優先的に生成し、このため4置換体を得る
場合に有利である。従って、この場合は一般式(5)で
示される4級リン系化合物1モルに対し、フェノール性
水酸基を有する芳香族化合物を4モル以上、好ましくは
5〜20モル使用することが推奨される。プロトン性の
溶媒としては、例えばシクロヘキサノール、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、酢酸等のカルボン酸
類などを例示することができる。
【0022】一方、非プロトン性の溶媒を使用した場
合、溶媒は芳香族カルボアニオン求核体と反応の遷移状
態とのいずれの安定化にも寄与しないので、活性化エネ
ルギーはプロトン性の溶媒を用いた場合よりも減少し、
その結果反応速度は上昇する。また、非プロトン性の溶
媒を用いた場合、活性化エネルギーが小さいので、基質
に対する選択性が減少し、ほぼ等しい割合で求核攻撃が
起こり、このため1〜3置換体を生成するには有利な方
法である。従って、この場合は一般式(5)で示される
4級リン系化合物1モルに対し、フェノール性水酸基を
有する芳香族化合物を目的とする置換体の置換数に応じ
て1〜4モル程度使用することがよい。非プロトン性溶
媒としては各種炭化水素、四塩化炭素、ジオキサン、エ
ーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホネート
等を例示することができる。
【0023】上記一般式(6)又は(7)で示されるフ
ェノール性水酸基を有する芳香族化合物自身を溶媒とす
る場合、反応系はプロトン性の溶媒の系となるが、求核
体である芳香族カルボアニオンが十分過剰に存在し、ま
たこれらの芳香族化合物は反応基質である一般式(5)
で示される4級リン系化合物の溶媒和に関与しているた
め局所濃度的には十分過剰であるので、反応速度は十分
に高く、4置換体を選択的に生成することになり、4置
換体を得るために非常に適した系である。
【0024】上記置換反応の反応時間は、通常30分〜
4時間であり、溶媒を除去した後、クロロホルム、トル
エン等の溶媒で抽出、乾燥することにより、目的とする
一般式(1)で示される4級リン系化合物を得ることが
できる。なお、生成物の置換体数が異なる混合物として
得られた場合、これらの単離は、例えばカラムによる分
割などで行うことができる。
【0025】本発明の式(1)の4級リン系化合物は、
エポキシ樹脂とフェノール樹脂とを含む硬化性樹脂組成
物の硬化触媒として有用であり、エポキシ樹脂組成物等
の硬化性樹脂組成物に配合することにより、保存安定
性、流動性が良好で、速硬化性、耐湿性等の特性に優れ
た硬化物を与える組成物を得ることができる。
【0026】この場合、本発明の4級リン系化合物は、
テトラフェニルホスフィンのリン原子に結合した4個の
芳香族環を酸素原子を介した1〜4個の芳香族環で置換
したものであるが、この置換数をコントロールすること
により硬化触媒としての活性及び潜在性を制御すること
ができ、具体的には置換数が多いと高活性、高潜在性の
触媒となり、逆に置換数が少ないと比較的低活性、低潜
在性の触媒となる。
【0027】なお、式(1)の4級リン系化合物をエポ
キシ樹脂とフェノール樹脂とを含む硬化性樹脂組成物の
硬化触媒として用いる場合、その配合量は、エポキシ樹
脂とフェノール樹脂との合計100重量部に対し5〜3
0重量部、好ましくは10〜20重量部の範囲とするこ
とがよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の4級リン系化合物は、硬化触媒
として有用であり、これをエポキシ樹脂とフェノール樹
脂とを含む硬化性樹脂組成物に配合した場合に流動性、
速硬化性に優れ、かつ耐湿性、接着性等に優れた硬化物
を与えることができる。
【0029】また、本発明の製造方法によれば、かかる
4級リン系化合物を容易、確実に製造することができ
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0031】[実施例1]TPP−K16.3g(0.
025モル)、フェノール40.0g(0.425モ
ル)、プロトン性溶媒であるシクロヘキサノール250
mlを反応器に仕込み、シクロヘキサノールの沸点であ
る161℃(外温170℃)まで昇温し、窒素雰囲気下
これを3時間反応させ、次いで反応溶液から減圧下(2
mmHg、100℃)で未反応のフェノール及び反応溶
媒であるシクロヘキサノールを除去し、クロロホルムで
抽出して、融点82℃で褐色透明の下記式(1a)で示
される4級リン系化合物を固体状として1.47g(収
率5%)得た。なお、未反応物として原料のTPP−K
が14.8g(未反応率90%)得られた。
【0032】
【化9】
【0033】本発明の一般式(1)で 得られた4級リ
ン系化合物について元素分析を行い、下記に示す結果を
得た。また、NMR、赤外吸収スペクトルを分析し、赤
外吸収スペクトルより1100〜1200cm-1付近に
P−O結合に特徴的な吸収帯が認められ、上記式で示さ
れる4級リン系化合物であることを確認した。なお、図
1に赤外吸収スペクトルを示した。
【0034】 C H P B 計算値(%):79.9 5.58 4.29 1.50 実測値(%):82.1 5.21 4.40 1.32
【0035】[実施例2]TPP−K16.3g(0.
025モル)、反応基質及びプロトン性溶媒としてフェ
ノール40.0g(0.425モル)を反応器に仕込
み、フェノールの沸点である182℃(外温200℃)
まで昇温し、窒素雰囲気下これを3時間反応させ、次い
で反応溶液から減圧下(2mmHg、100℃)で未反
応のフェノールを除去し、クロロホルムで抽出して、融
点82℃で褐色透明の上記式(1a)で示される4級リ
ン系化合物を固体状として34.3g(収率95%)得
た。なお、未反応物として原料のTPP−Kが0.6g
(未反応率2.5%)得られた。 得られた4級リン系
化合物について元素分析を行い、下記に示す結果を得
た。また、NMR、赤外吸収スペクトルを分析し、赤外
吸収スペクトルより1100〜1200cm-1付近にP
−O結合に特徴的な吸収帯が認められ、上記式で示され
る4級リン系化合物であることを確認した。
【0036】 C H P B 計算値(%):79.9 5.58 4.29 1.50 実測値(%):78.1 5.51 4.10 1.62
【0037】[実施例3]TPP−K16.3g(0.
025モル)、フェノール9.3g(0.05モル)、
非プロトン性溶媒であるジメチルスルホネート250m
lを反応器に仕込み、ジメチルスルホネートの沸点であ
る182℃(外温190℃)まで昇温し、窒素雰囲気下
これを5時間反応させ、次いで反応溶液から減圧下(2
mmHg、100℃)で未反応のフェノール及び反応溶
媒であるジメチルスルホネートを除去し、クロロホルム
で抽出して、融点152℃で白色柱状の結晶として下記
式(1b)で示される4級リン系化合物を16.4g
(収率92%)得た。
【0038】
【化10】
【0039】得られた4級リン系化合物について元素分
析を行い、下記に示す結果を得た。また、NMR、赤外
吸収スペクトルを分析し、赤外吸収スペクトルより11
00〜1200cm-1付近にP−O結合に特徴的な吸収
帯が認められ、上記式で示される4級リン系化合物であ
ることを確認した。
【0040】 C H P B 計算値(%):83.5 5.84 4.48 1.57 実測値(%):81.0 5.92 4.62 1.89
【0041】[実施例4]実施例2におけるフェノール
に代えてp−クレゾール45.9g(0.425モル)
を使用してp−クレゾールの沸点である202℃まで昇
温し、実施例2と同様の処理をしたところ、融点86℃
の褐色透明の固体として下記式(1c)で示される4級
リン系化合物が18.3g(収率95%)得られた。
【0042】
【化11】
【0043】得られた4級リン系化合物について元素分
析を行い、下記に示す結果を得た。また、NMR、赤外
吸収スペクトルを分析し、赤外吸収スペクトルより11
00〜1200cm-1付近にP−O結合に特徴的な吸収
帯が認められ、上記式で示される4級リン系化合物であ
ることを確認した。なお、図2に赤外吸収スペクトルを
示した。
【0044】 C H P B 計算値(%):80.2 6.21 3.98 1.39 実測値(%):78.0 6.60 4.10 1.21
【0045】[実施例5]実施例3におけるフェノール
に代えてp−クレゾール5.4g(0.05モル)を使
用してジメチルスルホネートの沸点である182℃まで
昇温し、実施例3と同様の処理をしたところ、融点14
8℃の白色柱状結晶として下記式(1d)で示される4
級リン系化合物が17.0g(収率96%)得られた。
【0046】
【化12】
【0047】得られた4級リン系化合物について元素分
析を行い、下記に示す結果を得た。また、NMR、赤外
吸収スペクトルを分析し、赤外吸収スペクトルより11
00〜1200cm-1付近にP−O結合に特徴的な吸収
帯が認められ、上記式で示される4級リン系化合物であ
ることを確認した。
【0048】 C H P B 計算値(%):83.6 6.17 4.31 1.50 実測値(%):84.7 6.60 4.15 1.52
【0049】[実施例6、比較例]上で得られた4級リ
ン系化合物を硬化触媒として用いたエポキシ樹脂組成物
を作製し、得られたエポキシ樹脂組成物のゲル化時間、
示差走査熱量測定(DSC)を測定した。なお、比較と
してトリフェニルホスフィン、TPP−Kを使用した。
【0050】エポキシ樹脂組成物は、下記に示すエポキ
シ樹脂、フェノール樹脂を表1に示す量で用い、これに
硬化触媒をエポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計100
グラムに対して0.5ミリモル使用し、これらの混合物
を100℃、2分の条件で溶融混合し、これを粉砕した
後、80#通過品を用いた。
【0051】<エポキシ樹脂>下記構造式で示されるエ
ポキシ化ビスフェノール誘導体で、軟化点105℃、エ
ポキシ当量190(油化シェルエポキシ社製YX400
0H)。
【0052】
【化13】
【0053】<フェノール樹脂>下記構造式で示される
ナフタレン骨格を有するフェノール樹脂で、軟化点が1
08〜112℃、水酸基当量が140(日本化薬社製、
商品名カヤハードNHN)。
【0054】
【化14】
【0055】ゲル化時間は、エポキシ樹脂組成物を17
5℃で加熱したときの硬化開始時間(sec)を示し、
時間が短いほど速硬化性が良い。
【0056】また、示差走査熱量測定は、エポキシ樹脂
組成物を30〜250℃の範囲で10.0℃/分の昇温
速度で測定したときの発熱ピーク温度を示し、この温度
が高いほど潜在性に優れる。結果を表1に併記する。な
お、表1中、各組成の量はグラム数を示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果より、本発明の4級リン系化合
物を用いたエポキシ樹脂組成物(実験No.1〜4)
は、トリフェニルホスフィンを用いたもの(実験No.
5)と比較して潜在性に優れ、またTPP−Kを用いた
もの(実験No.6)と比較して速硬化性に優れること
が認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の4級リン系化合物
の赤外吸収スペクトルのチャートである。
【図2】実施例4で得られた本発明の4級リン系化合物
の赤外吸収スペクトルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 一弘 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 若尾 幸 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 塩原 利夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 9/54 C08G 59/68 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される4級リン系
    化合物。 【化1】 (但し、式中Rは下記式(2)で示される基、R
    下記式(3)又は(4)で示される基、Rは炭素数1
    〜6の一価炭化水素基、nは1〜4の整数である。) 【化2】 (但し、mは0〜3の整数を示すが、式(4)において
    mが1以上の場合、Rは−O−を有する芳香環に存在
    しても、−O−を有しない芳香環に存在しても、両方に
    存在してもよい。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(5)で示される4級リン系
    化合物と下記式(6)及び(7)で示される化合物から
    選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250
    ℃の温度で混合反応することを特徴とする請求項1記載
    の一般式(1)で示される4級リン系化合物の製造方
    法。 【化3】 (但し、式中Rは炭素数1〜6の一価炭化水素基、m
    は0〜3の整数であるが、式(7)においてmが1以上
    の場合、Rは−OHを有する環に存在しても、−OH
    を有しない環に存在しても、両方に存在してもよい。)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の4級リン系化合物からな
    るエポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とを含むエポキ
    シ樹脂組成物の硬化触媒。
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