JP2024067309A - 乗物用照明構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の数を増やすことなく、複数箇所をそれぞれ十分な光の強さで照明可能な乗物用照明構造を提供する。【解決手段】乗物用内装材11は第1孔部20および第2孔部23を備え、照明装置30は、導光体31と、導光体31を保持する保持部33を有し、第1孔部20を塞ぐように配置され、透光性を有し、導光体31からの光を第1孔部20から照射させる第1透光部材32Aと、第1透光部材32Aの一部に重ね合わされる重畳部41を有し、第2孔部23を塞ぐように配置される、透光性を有する第2透光部材32Bと、を備え、第2透光部材32Bは、導光体31から発せられて第1透光部材32Aを通過した光が重畳部41において入射される構成とされ、重畳部41において入射された光を第2孔部23に導光して、第2孔部23から光を照射させる。【選択図】図2
Description
本明細書に開示される技術は、乗物用照明構造に関する。
自動車等の乗物用内装材には、意匠性を高める目的で、あるいは夜間の視認性や利便性を高める目的で、照明装置が取り付けられることがある。例えば、下記の特許文献1には、乗物用ドアの室内側面を構成するドアトリムに対し、線状に発光する照明装置を取り付けることを開示している。具体的には、このような照明装置は、LEDと、LEDから発せられる光を導光する線状の導光体とを備えてなり、ドアトリムに設けられたスリットに沿って導光体を配置することにより、導光体から発せられた光によってスリットを介して車室内を照射する構造が開示されている。
ところで、車両において複数箇所を照射したい場合には、それら複数箇所にそれぞれ光源が必要となり、構造が複雑になるとともに、コストが高くなるという問題がある。照射したい複数箇所が近接している場合には、光源を兼ねる構成とすることが考えられるが、光源を兼ねるとそれぞれの箇所を十分な光の強度で照射できない程度に離れている場合には、それぞれに光源を設けざるを得ない。
本明細書によって開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光源の数を増やすことなく、複数箇所をそれぞれ十分な光の強さで照明可能な乗物用照明構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために完成された本明細書に開示される技術は、乗物用内装材と、前記乗物用内装材に設けられた照明装置と、を備え、前記乗物用内装材は、その板面を貫通する第1孔部および第2孔部が形成されており、前記照明装置は、光源から発せられる光を導光可能な導光体と、前記乗物用内装材の乗物室外側において前記導光体を保持する保持部を有するとともに、前記第1孔部を塞ぐように配置され、透光性を有し、前記導光体から発せられる光を前記第1孔部から乗物室内に向けて照射させる構成とされる第1透光部材と、前記第1透光部材の一部に重ね合わされる重畳部を有するとともに、前記第2孔部を塞ぐように配置される、透光性を有する第2透光部材と、を備え、前記第2透光部材は、前記導光体から発せられて前記第1透光部材を通過した光が前記重畳部において入射されるとともに、前記重畳部において入射された光を前記第2孔部に導光して、前記第2孔部から乗物室内に向けて光を照射させる構成とされている、乗物用照明構造である。
上記構成によれば、第1孔部と第2孔部とが離れて配置されている場合でも、第1孔部から乗物室内を照射するために設けられた導光体から発せられる光を、第1透光部材を介して第2透光部材の重畳部で受け、第2孔部まで導光する構成とすることで、第1孔部および第2孔部の双方をそれぞれ十分な光の強さで照明することが可能となる。
前記第1孔部は長尺のスリット状をなし、前記導光体は長手状とされ、前記保持部により前記第1孔部に沿って配置されており、前記第2孔部は、前記第1孔部の延び方向と交差する方向において前記第1孔部と並んで形成されていてもよい。
第1孔部が長尺なスリット状とされ、第2孔部が第1孔部の延び方向と交差する方向に並んで設けられる場合には、第1孔部に沿って配置した導光体を第2孔部に近い位置まで引き回すことが特に困難である。上記構成によれば、このような場合であっても、第1孔部および第2孔部の双方をそれぞれ十分な光の強さで照射することができる一実施形態が実現可能とされる。
また、第1孔部が長手状とされた場合には、第1孔部から照射する光をムラが抑制された均一な光とすることが望まれるが、上記構成のように、第2透光部材を第1透光部材と別体に形成し、重ね合わせる構成とすることにより、第2透光部材が第1透光部材の導光状態や拡散状態に影響を与えることを抑制することができる。従って、第1孔部から均一な光を照射することができる。
前記保持部は、前記導光体をその長手方向に沿って収容する溝状をなし、前記重畳部は前記保持部の外面に重ね合わされていてもよい。
長尺とされた第1透光部材に、第2透光部材の重畳部を重ね合わせるための部分を設けようとした場合、当該第1透光部材内での光の導光状態や拡散状態を均一にするために、第1透光部材の全体に重畳部を重ね合わせるための部分を設ける必要がある。上記構成によれば、保持部を利用することにより、重畳部を重ね合わせる部分をあえて設ける必要がない。従って、第1透光部材を簡易な構成とすることができる。また、第2透光部材は必要な領域だけ設ければよいから、材料コストも抑えることができる。
前記第2透光部材は前記第2孔部に嵌め入れられる突部を有しており、前記重畳部において前記第1透光部材から入射させた光を前記突部に集光させる構成とされていてもよい。
前記乗物用内装材は乗物用ドアの室内面を構成するドアトリムであり、前記第1孔部は、前記ドアトリムに設けられたアームレストを縁取るスリット状とされており、前記第2孔部は、前記ドアトリムに設けられてその板面から乗物室外側に窪むインサイドドアハンドル収容部の内壁に設けられていてもよい。
本明細書に開示される技術によれば、光源の数を増やすことなく、複数箇所をそれぞれ十分な光の強さで照明可能な乗物用照明構造を提供することができる。
<実施形態1>
実施形態1の車両用照明構造(乗物用照明構造の一例)1を、図1から図4を参照しつつ説明する。本実施形態では、自動車等の車両用のドアトリム10(乗物用内装材の一例)における、照明装置30による照明構造について例示する。なお、各図において、FR及びRRの矢印は車両前方及び車両後方をそれぞれ示し、UP及びDWの矢印は車両上方及び車両下方をそれぞれ示し、IN及びOUTの矢印は車室内(乗物室内)側及び車室外(乗物室外)側をそれぞれ示す。
実施形態1の車両用照明構造(乗物用照明構造の一例)1を、図1から図4を参照しつつ説明する。本実施形態では、自動車等の車両用のドアトリム10(乗物用内装材の一例)における、照明装置30による照明構造について例示する。なお、各図において、FR及びRRの矢印は車両前方及び車両後方をそれぞれ示し、UP及びDWの矢印は車両上方及び車両下方をそれぞれ示し、IN及びOUTの矢印は車室内(乗物室内)側及び車室外(乗物室外)側をそれぞれ示す。
図1は、車両の室内側から見たドアトリム10の構成を説明する図である。ドアトリム10は、概して板状をなすトリムボード11を主体としており、図示されない金属製のドアインナパネルに対して室内側に、図示しないクリップ等によって取り付けられることで、車室の意匠性と居住性とを高めている。トリムボード11は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂材料(熱可塑性樹脂材料)等によって構成されており、その他、例えば、植物繊維(例えばケナフ)と合成樹脂とを混合した複合材料等により構成されていてもよい。
ドアトリム10には、図1に示すアームレスト12やドアポケット13、スピーカー14、インサイドドアハンドル15等が備えられており、トリムボード11は、大まかには、これらの部品の搭載性や意匠性等を考慮して、複数のトリムボード部材が互いに組み付けられることで構成されている。本実施形態のトリムボード11は、アッパーボード16、アームレストボード17、ロアボード18、およびポケットボード19等を備えて構成されている。
アッパーボード16はトリムボード11の上部を構成しており、前方部分において、ロアボード18に隣り合って配置されている。またアッパーボード16は、中央部分から後方部分においてその下端が車室内側に張り出しており(図2参照)、その張り出した部分の車室内側の下端が、同じく車室内側に張り出したアームレストボード17の上端と隣り合って配置されている。略水平方向に延びるアームレスト12は、アッパーボード16の張り出した部分の上面により構成されている。
アッパーボード16の下端とアームレストボード17の上端との間には、概ね前後方向に沿って連続して延びる長尺なスリット20が設けられている。スリット20は、車両内外方から見て略直線状に延びている(図1参照)。そして、このスリット20から車室内側に向けて光が照射されることで、アームレスト12の車室内側の縁部が線状の光によって装飾されるようになっている。光は、スリット20の車室外側に取り付けられた後述する照明装置30から発光される。
なお、上述したスリット20は、図2に示すように、トリムボード11の略鉛直方向に延びる主面から斜め約45度上方に向けて開口している。詳細には、アッパーボード16の下端部16Aは、車室外側かつ下方に向けて約45度傾いて延びる傾斜面状とされている。また、アームレストボード17の上端部17Aは、車室外側かつ上方に向けて約45度傾いて延びる傾斜面状とされている。スリット20は、これら傾斜面状の端部が一定の距離を介して対向配置されることにより、車室内側かつ斜め上方に向けて開口するように形成されている。
一方、アームレストボード17には、その板面から車室外側に窪む凹部21が形成されている。凹部21は、スリット20の下方に位置している。凹部21は、インサイドドアハンドル15を取り付けるためのインサイドドアハンドル収容空間を形成する部分である。この凹部21の上壁22には、凹部21内に光を照射するための孔部23が設けられている(図3参照)。この孔部23から下方に向けて照射される光は、所謂、スポット照明である。スリット20から照射される光と、孔部23から照射される光とは、異なる面から異なる方向に向けて照射されるようになっている。
このような構成において、孔部23に上述したスリット用の光源とは別の光源を設ける場合、光源が2つとなって構成が複雑になる。そこで、スリット用の光源を利用することが考えられる。しかし、スリット20と孔部23とは離れて配置されているため、光源の位置を調節するだけでは、スリット20の照明の光の強さを十分に確保しながら、孔部23からも十分な強さの光を照射することができない。本実施形態は、スリット用の光源を利用して、凹部21内にも十分な強さの光を照射可能としたものである。つまり、スリット20に隣接した位置に配置された光源を利用して、比較的に光源から離れた位置の孔部23からも十分な強さの光を照射可能としたものである。
以下、本実施形態の照明装置30について説明する。照明装置30は、図示しないLEDと、LEDから出射された光を導光可能な導光体31と、透光部材32と、を備えて構成されている。LEDは、図示しない制御装置を介して、車両に搭載されたバッテリ等の電源装置に接続されている。
導光体31は、断面が略円形に形成され、可撓性を有する長尺状(棒状)の導光材料により構成されている。導光材料とは、屈折率が空気よりも十分に高く、光を透過させる材料のことであって、例えばアクリル系樹脂等が挙げられる。導光体31の長手方向の寸法は、スリット20の長手方向の寸法と同等以上とされている。
導光体31は、長手方向における一端側の端面がLEDの発光面と対向して配されており、これにより、この一端側の端面は、LEDから出射された光が入射される光入射面とされている。導光体31は、内部を進行する光が臨界角より大きい入射角で外部の空気層との界面に入射すると、全反射しつつ、内部を伝播する構成となっている。つまり、その内部において光を他端側へ導光可能な構成のものである。
導光体31の外周面(側面)は、例えば、フッ素系樹脂を被覆するなどの処理がなされており、導光体31の内部に導入された光を外部に向かって放出させる構成とされている。つまり、導光体31の一端(光入射面)側から入射された光は、導光体31内部で全反射を繰り返すことで導光されつつ、一部が導光途中において外周面の全面から出射されることが可能となっている。これにより、導光体31全体が線状光源となり、その周囲を照らすことが可能となっている。このように、導光体31の外周面は、一端(光入射面)側から導光体31内部に入射された光を外部に出射させる光出射面とされる。
透光部材32は、2つの部材を組み合わせることにより形成されている。このうちの一方である第1透光部材32Aは、導光体31から出射された光をスリット20から車室内に向けて拡散させるレンズ機能を有するとともに、導光体31をトリムボード11のスリット20に対して適切な位置に保持するための部材である。第1透光部材32Aは、導光体31を保持した状態で、車室外側からトリムボード11に取り付けられる。
具体的には、第1透光部材32Aは、全体として概ね前後方向に延びる長尺な板状部材からなり、図2および図3に示されるように、長尺な導光体31を収容する収容部(保持部の一例)33を構成している。収容部33は、長手方向に直交する断面が略U字型の溝状をなしている。より詳細には、収容部33は、図2に示すように、上下方向の中央部分が車室内側かつ斜め下方に向けて凹む溝状をなしており、板面が上下方向に配されてなる収容底部34と、収容底部34の上端から車室外側かつ上方に向けて延びる上側壁35と、収容底部34の下端から車室外側かつ上方に向けて延びる下側壁36と、により構成されている。このうち、上側壁35が上述したスリット20を車室外側から塞ぐように配置される。また、収容底部34は、アームレストボード17の車室外面に重ね合わされるように配置される。
なお、上側壁35は、収容底部34に対して、アームレストボード17の上端部17Aの傾きに沿う角度に設定されている。また、下側壁36は、収容部33の開口側がやや拡径する角度に設定されている。
第1透光部材32Aの収容部33には、導光体31が収容される。導光体31は、収容底部34から離れた状態で上側壁35と下側壁36との間に配置され、スリット20に臨む位置で安定して保持される。
この第1透光部材32Aは、収容底部34から下方に向けて延びる複数の取付片部37において、トリムボード11(アームレストボード17)に対して締結部材により締結される(図3参照)。これにより、第1透光部材32Aは、上側壁35がスリット20を塞ぐようにアームレストボード17に対して位置決めされる(図2参照)。
このような構成により、導光体31から出射された光は、第1透光部材32Aの上側壁35により拡散されつつ、スリット20から車室内に向けて照射される。
一方、第2透光部材32Bは、図3に示すように、第1透光部材32Aと比較して前後方向に短い寸法とされた断面略U字形状をなす板状部材である。第2透光部材32Bは、図2に示すように、第1透光部材32Aの下側壁36の下面に重畳される重畳部41と、アームレストボード17の車室外面に重ね合わされる縦壁42と、凹部21の上壁22の上面に重ね合わされる横壁43とを備えている。横壁43の下面には、下方に向けて突出する突部44が設けられている。この突部44は、上述した凹部21の孔部23に対応する位置に設けられており、孔部23内に上方から嵌合可能とされている。
この第2透光部材32Bは、縦壁42においてトリムボード11(アームレストボード17)に対して締結部材により締結される(図3参照)。これにより、第2透光部材32Bは、第1透光部材32Aおよび凹部21に対して位置決めされる(図2参照)。
なお、重畳部41と第1透光部材32Aとの間に、透光性を有する例えば塩化ビニルのような軟質の材料からなるシートを介在させてもよい。そのようなシートを介在させることにより、振動による異音や、隙間の発生による光損失を抑制することができる。
このような構成により、導光体31から発せられて第1透光部材32Aの下側壁36を通過した光の一部は、第2透光部材32Bの重畳部41に入射され、重畳部41から縦壁42および横壁43に導光されつつ突部44に向けて集光され、突部44から凹部21内に照射される。このように、本実施形態の車両用照明構造1によれば、スリット20に隣接して設けた導光体31により、スリット20から車室内に照射する光を従来と同様に十分に強い(明るい)光としながら、導光体31から離れて配置されている孔部23にも、強い光を照射することが可能とされる。
また、透光部材32を第1透光部材32Aおよび第2透光部材32Bの2つの部材で構成したことにより、第1透光部材32Aより短尺の第2透光部材32Bが、長尺とされた第1透光部材32Aに対して導光状態あるいは拡散状態に影響を与えることが抑制され、もって、スリット20から安定して均一な光を照射することが可能となる。また、第1透光部材32Aの延び方向において第2透光部材32Bを適宜所望の位置に取り付けることができるため、両部材を一体に形成する構成と比較して設計の自由度を高めることができ、製造コストを抑えることができる。
なお、上述した透光部材32は、導光体31と同様に、LEDが発する光に対して光透過性の高い樹脂材料(例えば、アクリル樹脂等に代表される、いわゆる光学樹脂)を主体として構成されていると、光損失を低く抑えられる点において好ましい。
次に、作用効果について説明する。本実施形態の車両用照明構造1は、トリムボード11(ドアトリム10)と、トリムボード11に設けられた照明装置30と、を備え、トリムボード11は、その板面を貫通するスリット20および孔部23が形成されており、照明装置30は、LEDから発せられる光を導光可能な導光体31と、トリムボード11の車室外側において導光体31を保持する収容部33を有するとともに、スリット20を塞ぐように配置され、透光性を有し、導光体31から発せられる光をスリット20から車室内に向けて照射させる構成とされた第1透光部材32Aと、第1透光部材32Aの一部に重ね合わされる重畳部41を有するとともに、孔部23を塞ぐように配置される、透光性を有する第2透光部材32Bと、を備え、第2透光部材32Bは、導光体31から発せられて第1透光部材32Aを通過した光が重畳部41において入射される構成とされ、重畳部41において入射された光を孔部23に導光して、孔部23から車室内(凹部21内)に向けて光を照射させる構成とされている。
上記構成によれば、スリット20と孔部23とが離れて配置されている場合でも、スリット20から車室内を照射するために設けられた導光体31から発せられる光を、第1透光部材32Aを介して第2透光部材32Bの重畳部41で受け、孔部23まで導光する構成とすることで、スリット20および孔部23の双方をそれぞれ十分な光の強さで照明することが可能となる。
また、導光体31は長手状とされ、収容部33によりスリット20に沿って配置されており、孔部23は、スリット20の延び方向と交差する方向においてスリット20と並んで形成されている。
孔部23がスリット20の延び方向と交差する方向に並んで設けられる場合には、スリット20に沿って配置した導光体31を孔部23に近い位置まで引き回すことが特に困難である。上記構成によれば、このような場合であっても、スリット20および孔部23の双方をそれぞれ十分な光の強さで照射することができる。
また、長手状のスリット20は、該スリット20から照射する光をムラが抑制された均一な光とすることが望まれるが、上記構成のように、第2透光部材32Bを第1透光部材32Aと別体に形成し、重ね合わせる構成とすることにより、第2透光部材32Bが第1透光部材32Aの導光状態や拡散状態に影響を与えることを抑制することができる。従って、スリット20から均一な光を照射することができる。
また収容部33は、導光体31をその長手方向に沿って収容する溝状をなし、重畳部41は収容部33の外面であって、孔部23に近い位置に重ね合わされている。
長尺とされた第1透光部材32Aに、第2透光部材32Bの重畳部41を重ね合わせるための部分を設けようとした場合、当該第1透光部材32A内での光の導光状態や拡散状態を均一にするために、第1透光部材32Aの長さ方向の全体に重畳部41を重ね合わせるための部分を設ける必要がある。上記構成によれば、収容部33を利用することにより、重畳部41を重ね合わせる部分をあえて設ける必要がない。従って、第1透光部材32Aを簡易な構成とすることができる。また、第2透光部材32Bは必要な領域だけ設ければよいから、材料コストも抑えることができる。
また、第2透光部材32Bは孔部23に嵌め入れられる突部44を有しており、重畳部41において第1透光部材32Aから入射させた光を突部44に集光させる構成とされている。このような構成により、凹部21内に強い光を照射することができる。
また、スリット20は、ドアトリム10に設けられたアームレスト12を縁取るように形成されており、孔部23は、アームレストボード17(ドアトリム10)に設けられてその板面から車室外側に窪む凹部21の上壁22に設けられている。
<実施形態2>
次に、実施形態2を図5によって説明する。なお、以下においては実施形態1と異なる構成についてのみ説明するものとし、実施形態1と同様の構成には実施形態1と同じ符号を付すこととし、重複する説明を省略する。
次に、実施形態2を図5によって説明する。なお、以下においては実施形態1と異なる構成についてのみ説明するものとし、実施形態1と同様の構成には実施形態1と同じ符号を付すこととし、重複する説明を省略する。
本実施形態は、第1透光部材132Aに孔部23側に延びる延設部を設けたところが上記実施形態1と異なる。具体的には、第1透光部材132Aは、導光体31を収容する収容部133の収容底部134を長手方向の全体に亘って下側壁136の下方まで延設した縦延設部138と、縦延設部138の下端から同じく長手方向の全体に亘って凹部21の上面に沿う方向に車室外側に向けて屈曲された横延設部139を設ける構成とされている。
一方、第2透光部材132Bは、第1透光部材132Aと比較して前後方向に短い寸法とされた断面略L字形状をなす板状部材とされ、上述した縦延設部138の車室内面に重畳して配置される縦壁(重畳部の一例)142と、横延設部139の下面に重畳して配置される横壁(重畳部の一例)143とを備えている。縦壁142の車室内面はアームレストボード17の車室外面に重ね合わされており、横壁143の下面は凹部21の上面に重ね合わされている。つまり、第2透光部材132Bは、第1透光部材132Aとアームレストボード17との間に挟持された状態とされている。横壁143の下面には、下方に向けて突出して凹部21の孔部23に嵌め入れられる突部144が設けられている。
なお、本実施形態において第1透光部材132Aの収容底部134および縦延設部138は、アームレストボード17との間に第2透光部材132Bの縦壁142を挟持するべく、縦壁142の厚み寸法分アームレストボード17から車室外側に離隔した位置に配置されるように設定されている。また、第1透光部材132Aの横延設部139は、凹部21との間に第2透光部材132Bの横壁143を挟持するべく、横壁143の厚み寸法分凹部21の上壁22の上面から上方に離隔した位置に配置されるように設定されている。
このような構成によれば、導光体31から発せられて第1透光部材132Aに入射した光の一部は、収容底部134および下側壁136から縦延設部138および横延設部139に導光されるとともに外部に出射され、その出射された光の一部が第2透光部材132Bの縦壁142および横壁143に入射されて、導光されつつ突部144に向けて集光され、突部144から凹部21内に照射される。このように、本実施形態の車両用照明構造2によっても、スリット20から車室内に照射される光を従来と同様に十分に明るい光としながら、スリット20の照明に利用する光源を利用し、孔部23がスリット20から離れて配置されているにも関わらず、凹部21内も明るく照射することが可能とされる。
<他の実施形態>
本明細書に開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
本明細書に開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、第1孔部が長尺なスリット状とされ、第2孔部が短い長孔状である形態を示したが、第1孔部および第2孔部の組合せは上記実施形態に限るものでなく、例えば両方を長尺なスリットとしたり、両方を短い孔状とした形態も技術的範囲に含まれる。
(2)第1透光部材および第2透光部材の構成は上記実施形態に限るものでなく、適宜変更することができる。また、重畳部の構成も、上記実施形態に限るものでない。
(3)上記実施形態では、第2透光部材32B、132Bが、孔部23に嵌め入れられる突部44,144を備える形態を示したが、突部を備えない形態も技術的範囲に含まれる。
(4)上記実施形態では、車両のドアトリム10におけるアームレスト12に設けられたスリット20と、凹部21(インサイドドアハンドル収容空間)とから光が照射される構造について例示したが、乗物用照明構造は、車両のドアトリム以外のサイドトリム、クォータートリムなどの車両の車室側面のトリム部、乗物の天井や床等、任意の場所に適用することができる。
1、2:車両用照明構造(乗物用照明構造)、10:ドアトリム(乗物用内装材)、11:トリムボード(乗物用内装材)、12:アームレスト、16:アッパーボード(乗物用内装材)、17:アームレストボード(乗物用内装材)、20:スリット(第1孔部)、21:凹部(インサイドドアハンドル収容部)、22:上壁(内壁)、23:孔部(第2孔部)、30:照明装置、31:導光体、32:透光部材、32A、132A:第1透光部材、32B、132B:第2透光部材、33、133:収容部(保持部)、41:重畳部、44、144:突部、142:縦壁(重畳部)、143:横壁(重畳部)
Claims (5)
- 乗物用内装材と、前記乗物用内装材に設けられた照明装置と、を備え、
前記乗物用内装材は、その板面を貫通する第1孔部および第2孔部が形成されており、
前記照明装置は、
光源から発せられる光を導光可能な導光体と、
前記乗物用内装材の乗物室外側において前記導光体を保持する保持部を有するとともに、前記第1孔部を塞ぐように配置され、透光性を有し、前記導光体から発せられる光を前記第1孔部から乗物室内に向けて照射させる構成とされる第1透光部材と、
前記第1透光部材の一部に重ね合わされる重畳部を有するとともに、前記第2孔部を塞ぐように配置される、透光性を有する第2透光部材と、を備え、
前記第2透光部材は、前記導光体から発せられて前記第1透光部材を通過した光が前記重畳部において入射されるとともに、前記重畳部において入射された光を前記第2孔部に導光して、前記第2孔部から乗物室内に向けて光を照射させる構成とされている、乗物用照明構造。 - 前記第1孔部は長尺のスリット状をなし、
前記導光体は長手状とされ、前記保持部により前記第1孔部に沿って配置されており、
前記第2孔部は、前記第1孔部の延び方向と交差する方向において前記第1孔部と並んで形成されている、請求項1に記載の乗物用照明構造。 - 前記保持部は、前記導光体をその長手方向に沿って収容する溝状をなし、
前記重畳部は前記保持部の外面に重ね合わされている、請求項2に記載の乗物用照明構造。 - 前記第2透光部材は前記第2孔部に嵌め入れられる突部を有しており、前記重畳部において前記第1透光部材から入射させた光を前記突部に集光させる構成とされている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の乗物用照明構造。
- 前記乗物用内装材は乗物用ドアの室内面を構成するドアトリムであり、
前記第1孔部は、前記ドアトリムに設けられたアームレストを縁取るスリット状とされており、
前記第2孔部は、前記ドアトリムに設けられてその板面から乗物室外側に窪むインサイドドアハンドル収容部の内壁に設けられている請求項1または請求項2に記載の乗物用照明構造。
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JP2022177280A JP2024067309A (ja) | 2022-11-04 | 2022-11-04 | 乗物用照明構造 |
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JP2024067309A true JP2024067309A (ja) | 2024-05-17 |
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JP2022177280A Pending JP2024067309A (ja) | 2022-11-04 | 2022-11-04 | 乗物用照明構造 |
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-
2022
- 2022-11-04 JP JP2022177280A patent/JP2024067309A/ja active Pending
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