JP2024060774A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像バイアス電圧を調整して、印刷濃度を所定の濃度に調整する場合、最初に形成されるパッチの濃度が濃い状態であるとき、濃度補正の精度が悪くなってしまうことがあった。【解決手段】現像ローラ16と、記録用紙40を搬送する転写ベルト26と、感光体ドラム13上に形成されたトナー像を転写させる転写ローラ17と、転写ベルト26上に転写されたトナー像を検出する濃度センサ36と、濃度補正パターンを現像電圧初期値YDB´0で転写ベルト26に印刷し、印刷された濃度補正パターンの検出濃度と記憶済みの目標濃度とから現像電圧初期値YDB´0を補正する現像電圧値制御量YDB(A)を求める機構制御部64とを備え、機構制御部64は、現像電圧初期値YDB´0の絶対値を、現像電圧値制御量YDB(A)で補正された現像電圧値YDB1の絶対値よりも小さくする。【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関し、特に濃度補正処理に関する。
電子写真方式では、紙に印刷した際の濃度を所定の濃度に合わせるために、濃度補正制御を都度実行することが一般的である。濃度補正制御は、まず所定の現像電圧によってトナーを感光ドラム上に現像して、現像したトナーを転写ベルトに転写し、濃度センサで転写ベルト上のトナー濃度を検出する。また、電子写真装置は、トナー濃度に対する現像電圧の感度(以下、現像電圧感度と呼ぶ)を記憶しており、転写ベルト上で検出したトナー濃度が所定のトナー濃度になるように現像電圧感度から現像電圧の補正量を算出して、現像電圧にフィードバックすることで、紙上の濃度を目標濃度に近づける(例えば、特許文献1参照)。
特開2021-39161号公報(第15-19頁、図12)
最初に形成されるパッチの濃度が濃い状態であるとき、濃度補正の精度が悪くなってしまう(濃度補正後の濃度が目標濃度から濃い側にずれてしまう)ことがある。これは、現像電圧感度が常に一定ではないためである。このため、装置が記憶している現像電圧感度で、所定のトナー濃度に近づくよう現像電圧の補正量を算出したとすると、適正な補正量が得られない場合があった。
本発明による画像形成装置は、像担持体が担持する静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、前記像担持体に対向し、媒体を搬送する転写ベルトと、前記像担持体上に形成された現像剤像を転写させる転写部と、前記転写ベルト上に転写された前記現像剤像を検出する濃度検出手段と、所定デューティの濃度補正パターンを初期現像バイアスで前記転写ベルトに印刷し、印刷された濃度補正パターンの検出濃度と記憶済みの目標濃度とから前記初期現像バイアスを補正する補正値を求める濃度補正手段とを備え、前記濃度補正手段は、前記初期現像バイアスの絶対値を、前記補正値で補正された補正済み現像バイアスの絶対値よりも小さくすることを特徴とする。
本発明による別の画像形成装置は、像担持体が担持する静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、前記像担持体に対向し、媒体を搬送する転写ベルトと、前記像担持体上に形成された現像剤像を転写させる転写部と、前記転写ベルト上に転写された前記現像剤像を検出する濃度検出手段と、所定デューティの濃度補正パターンを前記転写ベルトに印刷し、印刷された濃度補正パターンの検出濃度と記憶済みの目標濃度とから現像バイアスを求める濃度補正手段とを備え、前記濃度補正手段は、前記濃度補正パターンを、濃度を変えて複数印刷し、検出した各濃度補正パターンの検出濃度と前記目標濃度とを比較し、前記目標濃度より低く、且つ前記目標濃度に最も近い濃度検出パターンを印刷したときの現像バイアス電圧値を、前記現像バイアスとすることを特徴とする。
本発明によれば、濃度補正処理の初期現像バイアスの絶対値を、補正値で補正された補正済み現像バイアスの絶対値より小さくしているため、適正な濃度補正処理を実施できる。
本発明による実施の形態1の画像形成装置の要部構成図を概略的に示す要部構成図である。 (a)は、濃度センサの構成を概略的に示す断面図であり、(b)はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の濃度検出の説明に供する図であり、(c)はブラック(K)の濃度検出の説明に供する図である。 画像形成装置の制御系の構成を示す機能ブロック図である。 画像形成装置によって使用される目標階調濃度値テーブルの例を示す図である。 画像形成装置によって使用される階調補正値テーブルの例を示す図である。 画像形成装置によって使用されるセンサ検出電圧・濃度値変換テーブルの例を示す図である。 画像形成装置によって使用される目標印刷濃度値データテーブルの例を示す図である。 画像形成装置によって使用される現像電圧値・濃度感度テーブルの例を示す図である。 画像形成装置によって使用されるLED駆動時間・濃度感度テーブルの例を示す図である。 画像形成装置の印刷動作の流れを示すフローチャートである。 画像形成装置の濃度補正処理の比較例となる濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。 画像形成装置によって使用される濃度検出パターンPAT1の例を示す図である。 画像形成装置によって使用される濃度検出パターンPAT2の例を示す図である。 画像形成装置11によって使用される濃度検出パターンPAT3の例を示す図である。 (a)から(f)は、デューティ15%、デューティ30%、デューティ50%、デューティ70%、デューティ85%、デューティ100%の各ディザパターンP15、P30、P50、P70、P85、P100の例を示す図である。 本発明が解決しようとする課題についての説明に供する図(グラフ)である。 図16で説明した現象のメカニズムの説明に供する図(グラブ)である。 本発明による実施の形態1の濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。 本実施による実施の形態2の濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。 本実施による実施の形態3の濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明による実施の形態1の画像形成装置11の要部構成図を概略的に示す要部構成図である。
画像形成装置11は、例えば電子写真カラープリンタとしての構成を備え、画像形成部を構成する、4つの独立した画像形成ユニットとしてのイメージドラムユニット(以後、IDユニットと称す)12K、12C、12M、12Y(特に区別する必要がない場合は単にIDユニット12と称す場合がある)が、媒体としての記録用紙40の搬送方向(矢印A方向)に沿って上流側から順に着脱自在に配置されている。IDユニット12Kはブラック(K)の画像を形成し、IDユニット12Cはシアン(C)の画像を形成し、IDユニット12Mはマゼンタ(M)の画像を形成し、IDユニット12Yはイエロー(Y)の画像を形成する。
本実施の形態においては、これらのIDユニット12K,12C,12M,12Yの構成は同一であり、収容されているトナーの色のみが異なるため、ここではブラック(K)のIDユニット12Kを例にとり、その内部構造を以下に説明する。
IDユニット12Kには、像担持体としての感光体ドラム13K(特に区別する必要がない場合は単に感光体ドラム13と称す場合がある)、感光体ドラム13Kの表面を均一に帯電する帯電ローラ14K(特に区別する必要がない場合は単に帯電ローラ14と称す場合がある)、感光体ドラム13Kの表面に形成された静電潜像に、現像剤としてのブラック用トナー(図示せず)を付着させ、トナー像を形成する現像手段としての現像ローラ16K(特に区別する必要がない場合は単に現像ローラ16と称す場合がある)、及び現像ローラ16Kに圧接させたトナー供給ローラ18K(特に区別する必要がない場合は単にトナー供給ローラ18と称す場合がある)とが配置されている。
トナー供給ローラ18Kは、IDユニット12K本体に対して着脱自在に装着されたトナーカートリッジ20K(特に区別する必要がない場合は単にトナーカートリッジ20と称す場合がある)に収容されたブラック用トナー(図示せず)を対応する現像ローラ16Kに供給するローラである。現像ローラ16Kには、現像ブレード19K(特に区別する必要がない場合は単に現像ブレード19と称す場合がある)が圧接されている。現像ブレード19Kは、現像ローラ16K上において、トナー供給ローラ18Kから供給されたブラック用トナーを薄層化するものである。
現像ローラ16は、静電潜像を現像するトナーを表面に担持する部材であり、感光体ドラム13の表面(周面)に接するように配置されている。この現像ローラ16は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う半導電性ウレタンゴム層とを有している。尚、このような現像ローラ16は、所定の周速度にて、例えば感光体ドラム13とは逆方向に回転するようになっている。
感光体ドラム13Kの表面に圧接するクリーニングブレード27K(特に区別する必要がない場合は単にクリーニングブレード27と称す場合がある)は、後述する転写後に感光体ドラム13K上に残ったブラック用トナー(残留トナー)を掻き落とし、例えば可撓性のゴム材又はプラスチック材などからなる。
感光体ドラム13Kの上部には、露光手段としてのLEDヘッド15K(特に区別する必要がない場合は単にLEDヘッド15と称す場合がある)が、感光体ドラム13Kに対向して配設されている。他の感光体ドラム13C,13M,13Yにも、同様にしてそれぞれ対応するLEDヘッド15C,15M,15Yが配置されている。LEDヘッド15は、対応する色の画像データに従って感光体ドラム13を選択的に露光し、その表面(表層部分)に静電潜像を形成する。
露光ヘッドとしてのLEDヘッド15は、LEDアレイと、LEDアレイを駆動するドライブIC及びデータ保持用のレジスタ群を搭載した基板と、LEDアレイから出射された光を集光する正立等倍結像レンズアレイ(例えば、セルフォック(登録商標)レンズアレイ)とを有している。LEDヘッド15は、インタフェース部としての通信部61(図3)から入力される画像データ信号に応じてLEDアレイを発光させる。露光ヘッドとしは、LEDヘッド15に限定されず、発光サイリスタアレイを用いた発光サイリスタヘッド、又は半導体レーザを備えたレーザ走査光学系、などであってもよい。
4つのIDユニット12の各感光体ドラム13の下方には、転写部としての転写ユニット21が配設されている。転写ユニット21は、転写ローラ17K,17C,17M,17Y(特に区別する必要がない場合は単に転写ローラ17と称す場合がある)と、転写ベルト駆動ローラ21aと、転写ベルト従動ローラ21bと、転写ベルト駆動ローラ21a及び転写ベルト従動ローラ21bによって、張架した状態で図1中の矢印A方向へ走行可能に配設された転写ベルト26を備えている。
転写ベルト26は、光沢のある表面を有しており、後述する濃度検出手段としての濃度センサ36の赤外LED36aの発光電流の調整の基準反射物としても用いられる。また、転写ベルト26の下部に、ベルトサーミスタ38が配置され、転写ベルト26の温度が監視される。尚、転写ベルト26上に付着する残留トナーは、ベルトクリーニングブレード34によって掻き取られてベルトクリーナ容器35内に収容される。
各転写ローラ17は、転写ベルト26を介してそれぞれ対応する感光体ドラム13に圧接して配置され、圧接により形成されたニップ部において、転写ベルト26によって搬送される記録用紙40をトナーと逆の極性に帯電させ、対応する感光体ドラム13に形成された各色のトナー像を順次記録用紙40に重ねて転写する。転写ベルト26の下流側には、記録用紙40が転写ベルト26から適切に分離されなかった状態を検出するための、又は、通過した記録用紙40の後端位置を検出するための転写排出センサ22が設けられている。
画像形成装置11の転写ユニット21の下部には、転写ベルト26に記録用紙40を供給するための給紙機構が配設されている。給紙機構は、記録用紙40を格納する給紙トレイ24、給紙トレイ24から記録用紙40を取り出すホッピングローラ43と、用紙ガイド部41に沿って記録用紙40を搬送し、斜行を矯正するレジストローラ対45等からなる。レジストローラ対45の前後に配置された用紙検出センサ44、49は、接触又は非接触で用紙の通過を検知する。用紙検出センサ44の検出信号はレジストローラ対45の駆動タイミングの基準となり、用紙検出センサ49の検出信号は、LEDヘッド15の発光タイミング及び転写ローラ17へ高電圧を印加するタイミングの基準となる。
更に、転写ベルト26による記録用紙40の排出側には、定着器28が画像形成装置11本体に対して着脱自在に設けられている。定着器28は、内部に熱源としてヒータ31を備えた加熱ローラ29と、図示しない圧縮スプリングにより加熱ローラ29に付勢される加圧ローラ30、加熱ローラ29の温度を検出する定着サーミスタ32を有し、記録用紙40に転写されたトナー像を熱と加圧によって定着する。
この定着器28の排出側には、記録用紙40を検出する定着排出センサ23が設けられており、定着器28におけるジャムの発生又は記録用紙40の加熱ローラ29への巻き付きの発生の有無を監視している。この定着排出センサ23の下流側には、用紙ガイド部42及び用紙スタッカ部48等が設けられている。
転写ベルト26の下部には、転写ベルト26と対向する位置に、センサカバー37を介して濃度センサ36が配置されている。濃度センサ36は、後述するように転写ベルト26上に転写された濃度検出用パターンの反射光の強度を測定することで、濃度検出用パターンの濃度を検出するために用いられる。また、画像形成装置11には、外気の温湿度が測定可能な位置に環境センサ25が配置される。環境センサ25は、例えば、温度センサと湿度センサとを含む。
尚、図1中のX、Y、Zの各方向は、記録用紙40がIDユニット12K,12C,12M,12Yを通過する際の搬送方向をX方向とし、感光体ドラム13の回転軸方向をY方向とし、これら両方向と直交する方向をZ方向としている。またここでは、Z方向が略鉛直方向となるように配置されるものとする。
以上のように構成された画像形成装置11における基本的な印刷動作の概略を説明する。先ず、給紙トレイ24内の記録用紙40は、ホッピングローラ43によって繰り出され、レジストローラ対45へ送られて斜行が矯正された後に転写ベルト26に送られ、この転写ベルト26の走行に伴って、IDユニット12K,12C,12M,12Yへと順次搬送される。レジストローラ対45の後段には用紙検出センサ49が配置され、通過する記録用紙40の通過を接触或いは非接触で検出し、後述する機構制御部64(図3)に検出信号を出力する。
一方、IDユニット12において、感光体ドラム13の表面は、帯電ローラ14によって帯電された後、対応するLEDヘッド15によって露光され、この露光によって表面に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された部分には、現像ローラ16上で薄層化されたトナーが静電的に付着されて対応する色のトナー像が形成される。各感光体ドラム13に形成されたトナー像は、対応する転写ローラ17によって記録用紙40に順次重ねて転写され、記録用紙上にカラーのトナー像を形成する。転写後に、各感光体ドラム13上に残留したトナーは、それぞれクリーニングブレード27によって除去される。
カラーのトナー像が形成された記録用紙40は、定着器28に送られる。この定着器28において、カラーのトナー像が記録用紙40に定着され、カラー画像が形成される。カラー画像が形成された記録用紙40は、用紙ガイド部42に沿って搬送され、用紙スタッカ部48へ排出される。以上のような過程を経て、カラー画像が記録用紙40上に形成される。
ここで、濃度センサ36の構成について、図2を参照しながら更に説明する。同図(a)は、濃度センサ36の構成を概略的に示す断面図であり、同図(b)は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の濃度検出の説明に供する図であり、同図(c)は、ブラック(K)の濃度検出の説明に供する図である。
同図に示すように、濃度センサ36は、発光部としての赤外LED36aと、第1の受光部としての鏡面反射光受光用のフォトトランジスタ36bと、第2の受光部としての拡散反射光受光用のフォトトランジスタ36cとを有する。イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、及びシアン(C)の各トナー像の濃度は、トナー像における拡散反射光を主に受光するフォトトランジスタ36cで検出され、ブラック(K)のトナー像の濃度は、転写ベルト26の表面における鏡面反射光を主に受光するフォトトランジスタ36bで検出される。
図2(b)に示すように、例えば、イエロー(Y)のトナー像の濃度検出を行う場合には、赤外LED36aから出射されて、転写ベルト26上に印刷された濃度検出パターンPYのイエロー(Y)のトナー像により拡散反射した光をフォトトランジスタ36cにおいて受光し、フォトトランジスタ36cはその光量に応じた電圧を出力する。よって、濃度検出パターンPYを形成するイエロートナーが多いほど(即ち、濃度が高いほど)、フォトトランジスタ36cにおいて受光する拡散反射光が多い(すなわち、出力電圧が高い)。マゼンタ(M)の濃度検出パターンPM及びシアン(C)の濃度検出パターンPCの濃度検出も、イエロー(Y)の濃度検出パターンPYの濃度検出と同様である。
図2(c)に示すように、ブラック(K)の濃度検出パターンPKの濃度検出を行う場合には、赤外LED36aから出射されて、転写ベルト26上に印刷された濃度検出パターンPKを形成するブラック(K)のトナーを介し、転写ベルト26で鏡面反射した光をフォトトランジスタ36bにおいて受光し、フォトトランジスタ36bはその光量に応じた電圧を出力する。濃度検出パターンPKを形成するブラックトナーは、赤外LED36aから出射された光を吸収するため、ブラックトナーが多いほど(すなわち、濃度が高いほど)、フォトトランジスタ36bにおいて受光する鏡面反射光が少ない(すなわち、出力電圧が低い)。
濃度センサ36と転写ベルト26との間には、濃度センサ36をカバーする移動式のセンサカバー37(図1)が配置されている。センサカバー37は、駆動手段により、濃度検出中以外は濃度センサ36を覆う閉位置に移動し、濃度検出中は、濃度センサ36上の閉位置から濃度センサ36を開放する(濃度センサ36と転写ベルト26が対峙する)開位置に移動する。また、センサカバー37は、濃度センサ36の赤外LED36aのキャリブレーション用の基準拡散反射物として用いられる。
図3は、画像形成装置11の制御系の構成を示す機能ブロック図である。
同図において、通信部61は、ホストコンピュータとの物理的階層のインタフェースを担う部分であり、例えば、コネクタ及び通信用の処理回路を備えたチップで構成される。コマンド/画像処理部62は、ホスト側からのコマンド及び画像データを解釈又はビットマップに展開するための処理回路を有している。具体的には、コマンド/画像処理部62は、情報処理部としてのマイクロプロセッサ、記憶部であるRAM(Random Access Memory)などのメモリ、及びプログラム又はデータの展開のための特別なハードウェアなどを有している。コマンド/画像処理部62は、画像形成装置11の全体の動作を制御する。
コマンド/画像処理部62の濃度階調補正制御部62aは、濃度センサ36によって検出された濃度値に基づいて、入力された階調値の印刷濃度が目標値になるように、ビットマップの展開時に出力する階調値を補正する。
図4は、画像形成装置11によって使用される目標階調濃度値テーブル111の例を示す図である。記憶部62bには、濃度階調補正処理に用いる各種制御パラメータである目標階調濃度値テーブル111が予め記憶されている。図5は、画像形成装置11によって使用される階調補正値テーブル112の例を示す図である。濃度階調補正制御で決定した階調補正値からなる階調補正値テーブル112は、更新処理によって更新されて記憶部62bに記憶される。
図3において、LEDヘッドインタフェース部63は、図示しないセミカスタムLSI及びRAMなどから構成され、コマンド/画像処理部62からのビットマップに展開された画像データをLEDヘッド15のインタフェースに合わせて加工する。
濃度補正手段としての機構制御部64は、コマンド/画像処理部62からの指令に従い、各センサからの入力に基づいて、ホッピングローラ43を駆動させるホッピングモータ81、レジストローラ対45を駆動させるレジストモータ82、転写ベルト駆動ローラ21aを駆動させるベルトモータ83、加熱ローラ29を駆動させるヒートモータ84、感光体ドラム13などを駆動させるドラムモータ85の駆動を行う。
また、機構制御部64は、ヒータ31の制御、高圧制御部71の制御を行う。尚、ヒータ31は、加熱ローラ29の中に配置されたハロゲンランプであり、定着サーミスタ32の検出温度に基づいて温度制御が行われる。また、機構制御部64は、環境センサ25によって装置外部の温湿度(即ち、温度又は湿度又はこれらの両方)を測定し、転写ベルト26の表面温度が検出できる位置に配置されたベルトサーミスタ38により転写ベルト26の表面温度を測定する。
機構制御部64の濃度補正処理実行判定部64aは、例えば、画像形成装置11の電源投入時又は所定枚数印刷毎に、濃度補正処理を行う。或いは、機構制御部64の濃度補正処理実行判定部64aは、環境センサ25で検出した外気の温湿度変化又はベルトサーミスタ38で検出した転写ベルト26の温度変化などが、予め設定してある濃度補正処理実行条件を満たした場合に、濃度補正処理を行う。
機構制御部64の濃度補正制御部64bは、濃度センサ36が検出した濃度値に基づいて、濃度が目標値になるように、現像ローラ16に印加する現像電圧又はLEDヘッド15の発光量(駆動時間)をどの程度増減すればよいかを計算する。また、濃度補正制御部64bは、濃度センサ36が検出した濃度値に基づいて、濃度階調補正処理で用いる濃度値を計算する。
記憶部64cには、濃度補正処理に用いる各種制御パラメータ、即ち、センサ検出電圧・濃度値変換テーブル113、目標印刷濃度値データテーブル114、現像電圧値・濃度感度テーブル115、及びLED駆動時間・濃度感度テーブル116が記憶されている。
図6は、画像形成装置11によって使用されるセンサ検出電圧・濃度値変換テーブル113の例を示す図であり、図7は、画像形成装置11によって使用される目標印刷濃度値データテーブル114の例を示す図であり、図8は、画像形成装置11によって使用される現像電圧値・濃度感度テーブル115の例を示す図であり、図9は、画像形成装置11によって使用されるLED駆動時間・濃度感度テーブル116の例を示す図である。
また、記憶部64cには、濃度補正処理に用いる濃度補正パターンとしての濃度検出パターンPAT1、PAT2、PAT3(後述の図12から図14に示される)が予め記憶され、濃度補正制御で決定した現像電圧補正値及びLED駆動時間補正値を記憶する。更に記憶部64cは、濃度補正動作が実行完了すると、ベルトサーミスタ38で測定した転写ベルト26の表面温度と、環境センサ25で測定した装置外部の温湿度を更新記憶する。
図3において、機構制御部64の濃度センサ発光量調整部64dは、任意の基準反射物に対して、フォトトランジスタ36b、フォトトランジスタ36cの出力電圧が予め設定されている値となるように赤外LED36aの発光電流の調整を行う。本実施の形態では、赤外LED36aの発光電流の調整を濃度センサキャリブレーションと呼ぶ。
機構制御部64の履歴記憶部としての濃度補正履歴記憶部64eは、環境センサ25で検出した外気の環境、例えば温湿度変化など予め設定してある濃度補正処理実行条件ごとに、後述する現像電圧補正で計算された現像電圧補正値を過去複数回分まで記憶する。
高圧制御部71は、マイクロプロセッサ又はカスタムLSIなどから構成される高圧制御回路を有し、各IDユニット12における帯電電圧、現像電圧、供給電圧、及び転写ローラ17に印加される転写電圧の生成を制御する。帯電電圧発生部72は、帯電ローラ14への帯電電圧の印加と印加停止を行い、現像電圧発生部73は、現像ローラ16への現像電圧の印加を行い、供給電圧発生部74は、トナー供給ローラ18への供給電圧の印加を行い、転写電圧発生部75は、転写ローラ17への転写電圧の印加と印加停止を行う。
高圧制御部71の記憶部71aには、帯電電圧発生部72、現像電圧発生部73、供給電圧発生部74、及び転写電圧発生部75の各設定電圧値が記憶されている。
以上の構成において、先ず画像形成装置11が行う印刷動作について図10のフローチャートを参照しながら説明する。図10は、画像形成装置11の印刷動作の流れを示すフローチャートである。
<ステップS101> 画像形成装置11は、外部装置、即ちホストコンピュータから送られてきた画像データを、通信部61を介して受信する。
<ステップS102> コマンド/画像処理部62は、機構制御部64に対してヒータ31をウォームアップする指示を出すと共に、記憶部62bに格納されている階調補正値テーブル112(図5)の値に基づいて画像データの展開処理を行い、各色の画像のビットマップデータを生成する。コマンド/画像処理部62からウォームアップの指示を受けた機構制御部64は、ヒートモータ84を制御して加熱ローラ29を駆動し、ヒータ31(ハロゲンランプ)を制御して定着温度を調整する。
印刷可能条件がそろった場合、即ち、コマンド/画像処理部62の記憶部62bであるメモリに媒体上に印刷される1ページ分の各色の画像データが記憶され、且つ定着温度が最適温度に到達した場合、コマンド/画像処理部62は、機構制御部64に対して印刷開始の指令を出す。
<ステップS103> 印刷開始の指令を受けた機構制御部64は、ベルトモータ83及びドラムモータ85を制御して、転写ベルト駆動ローラ21a及び感光体ドラム13を駆動する。機構制御部64より高圧出力の指示を受けた高圧制御部71は、環境センサ25によって測定され温湿度に応じて、記憶部71aに記憶されている帯電電圧、現像電圧、供給電圧の各設定電圧値を読み出し、帯電電圧発生部72より帯電ローラ14への帯電電圧を、現像電圧発生部73より現像ローラ16への現像電圧を、供給電圧発生部74よりトナー供給ローラ18への供給電圧を生成して供給し、更に記憶部64cに保持されている現像電圧補正値を読み出し、現像電圧を補正する。
ここでIDユニット12の動作を説明する。尚、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各IDユニット12K、IDユニット12C、IDユニット12M、IDユニット12Yの画像形成処理は、互いに同様である。
高圧制御部71により帯電電圧、現像電圧、供給電圧が供給されると、帯電ローラ14には-1100[V]の帯電電圧が供給され、感光体ドラム13の表面を約-600[V]に帯電させる。また、現像ローラ16には-200[V]の現像電圧が、トナー供給ローラ18には-250[V]の供給電圧がそれぞれ供給され、現像ローラ16とトナー供給ローラ18の接触領域近傍では、現像ローラ16からトナー供給ローラ18に向かう方向の電界が形成される。
トナーカートリッジ20には、トナーが収容されており、トナーカートリッジ20から現像部へ供給されたトナーは、現像ローラ16とトナー供給ローラ18の接触領域で強く擦られて摩擦帯電される。本実施の形態においては、現像ローラ16及びトナー供給ローラ18の特性によりトナーは、マイナス極性に摩擦帯電される。
マイナス極性に摩擦帯電されたトナーは、現像ローラ16とトナー供給ローラ18の接触領域近傍で現像ローラ16からトナー供給ローラ18の方向を向いた電界から受けるクーロン力によって現像ローラ16上に付着する。付着したトナーは、現像ローラ16の回転に伴って現像ローラ16と現像ブレード19の接触部に運ばれ、現像ブレード19によって均一な厚さにならされてトナー層が形成される。現像ローラ16は、更に回転を続けて、トナー層を感光体ドラム13との接触領域に運ぶ。
一方、コマンド/画像処理部62は、1ページ毎のビットマップデータをLEDヘッドインタフェース部63に送信する。LEDヘッドインタフェース部63は、受信したビットマップデータに合わせてLEDヘッド15のLEDを点滅させて、-600Vに帯電された感光体ドラム13を露光して-60Vに除電することで、静電潜像を書き込む。このとき、記憶部64cに保持されているLED駆動時間補正値を読み出し、LED駆動時間を補正する。
感光体ドラム13の回転に伴い、感光体ドラム13の表面に書き込まれた静電潜像は、現像ローラ16との接触領域に到達する。現像ローラ16と感光体ドラム13の間には、-60Vに除電された領域である露光部分では、感光体ドラム13から現像ローラ16に向かう方向の電界が、-600Vのまま除電されていない領域である非露光部分では、逆向きの電界が形成される。このため、現像ローラ16上のマイナス極性に帯電したトナー層から露光部分にのみ選択的にトナーが付着し、静電潜像に基づくトナー像が形成される。即ち、静電潜像が現像される。
<ステップS104> IDユニット12が駆動され始めるのと同時に、機構制御部64は、ホッピングモータ81を駆動してホッピングローラ43を回転させ、給紙トレイ24の記録用紙40を1枚だけ用紙ガイド部41へ送る。機構制御部64は、用紙検出センサ44の出力を監視し、記録用紙40の先端がレジストローラ対45のローラ間に到達したことを検出するとホッピングモータ81を停止させる。
次に機構制御部64は、レジストモータ82を駆動してレジストローラ対45を回転させて記録用紙40を搬送し、用紙検出センサ49の出力を監視して記録用紙40の後端が転写ベルト26に到達したことを検出するとレジストモータ82を停止させる。続いて機構制御部64は、ベルトモータ83を駆動し、転写ベルト駆動ローラ21aを回転させ、転写ベルト26上に静電吸着された記録用紙40を感光体ドラム13と転写ベルト26の接触領域である転写ニップへ送る。
転写ベルト26によって搬送される記録用紙40の先端が、感光体ドラム13と転写ベルト26の接触領域に順次到達するタイミングに合わせて、機構制御部64より高圧出力の指示を受けた高圧制御部71は、転写電圧発生部75より転写ローラ17への転写電圧を生成し供給する。転写ローラ17には、3000Vの転写電圧が供給され、転写ベルト26から感光体ドラム13に向かう方向の電界が形成されるため、感光体ドラム13上に形成されたトナー像が、媒体上、即ち、転写ベルト26によって搬送される記録用紙40上、又は転写ベルト26上に転写される。
トナー像が転写された記録用紙40は、引き続き転写ベルト26により搬送され、定着器28へ送られる。機構制御部64は、転写排出センサ22の出力を監視して、転写ベルト26からの分離に失敗した記録用紙40をチェックしつつ、記録用紙40の後端が定着器28に到達したことを検出すると、ベルトモータ83及びドラムモータ85を停止する。
機構制御部64より高圧出力停止の指示を受けた高圧制御部71は、帯電電圧発生部72による帯電ローラ14への帯電電圧の供給、現像電圧発生部73による現像ローラ16への現像電圧の供給、供給電圧発生部74によるトナー供給ローラ18への供給電圧の供給、及び転写電圧発生部75による転写ローラ17への転写電圧の供給をそれぞれ停止する。尚、ベルトモータ83が駆動している間、転写ベルト26の上半部で表面に付着残留したトナーは、ベルトクリーニングブレード34によりかき落とされてベルトクリーナ容器35に収容される。
<ステップS105> 記録用紙40が定着器28に到達すると、定着器28は、既に定着可能温度に到達している加熱ローラ29と、これに圧接する加圧ローラ30との間に挟んで搬送し、記録用紙40上のトナー像を加熱、加圧してトナー像を記録用紙40に定着する。トナー像が定着された記録用紙40は、用紙ガイド部42に沿って搬送され、用紙スタッカ部48上へ排出される。機構制御部64は、定着排出センサ23の出力を監視し、定着器28におけるジャム又は加熱ローラ29への記録用紙40の巻き付きを監視しつつ、記録用紙40の後端が用紙スタッカ部48に到達したことを検出すると、ヒートモータ84の駆動及びヒータ31の温度制御を停止し、印刷動作を完了する。
次に本実施の形態による画像形成装置11が行う濃度補正処理を説明する前に、比較例としての濃度補正処理にいて図11のフローチャートを参照しながら説明する。図11は、画像形成装置11の濃度補正処理の比較例となる濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。
<ステップS201> 機構制御部64の濃度センサ発光量調整部64dは、濃度センサ36自体の温度による赤外LED36aの発光特性の変化、製造上発生しうる濃度センサ36自体の発光・受光感度のばらつき、を吸収するため、赤外LED36aの発光電流の調整を行う。前記したように、濃度センサキャリブレーションでは、キャリブレーションの基準反射物に対する鏡面反射光受光用のフォトトランジスタ36b、拡散反射光受光用のフォトトランジスタ36cの出力電圧が予め設定されている値となるよう赤外LED36aの発光電流を調整する。
ここでは、赤外LED36aの発光電流調整範囲を15[mV]~25[mV]とし、フォトトランジスタ36b及び36cの出力電圧範囲を0[V]~3[V]とする。またイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の濃度検出を行う際の赤外LED36aの発光電流のキャリブレーションの基準反射物として、濃度センサ36と転写ベルト26との間に配置されているセンサカバー37(図1)を用いる。
センサカバー37は、予め決められた基準とする拡散反射特性を有している。赤外LED36aがセンサカバー37に赤外光を照射したときの、フォトトランジスタ36cの出力電圧が設定値となるよう赤外LED36aの発光電流の調整を行う。ここでは、センサカバー37に赤外光を照射したときの拡散反射光受光用のフォトトランジスタ36cの出力電圧が、設定値2.00[V]になるように、赤外LED36aの発光強度が決定される。
ブラック(K)の濃度検出を行う際の赤外LED36aの発光電流のキャリブレーションの基準反射物としては、転写ベルト26を用いる。転写ベルト26は、予め決められた基準とする鏡面反射特性を有し、赤外LED36aが転写ベルト26に赤外光を照射したときの、フォトトランジスタ36bの出力電圧が設定値となるよう赤外LED36aの発光電流が設定される。ここでは、鏡面反射光受光用のフォトトランジスタ36bの出力電圧が、設定値2.50[V]になるように、赤外LED36aの発光強度が決定される。
<ステップS202> 機構制御部64の濃度補正制御部64bは、濃度補正履歴記憶部64eに、環境センサ25で検出した外気の温湿度変化など予め設定してある濃度補正処理実行条件ごとに記憶された補正値情報としての過去複数回分の現像電圧補正値の履歴の平均値DBH[V]を読みだして、現像電圧値を予め決められた初期値DBI[V]に足す。これにより、目標とする濃度に近い濃度から補正動作を行う。従って、イエロー(Y)の現像電圧初期値YDBは、
Figure 2024060774000002
によって求められる。マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像電圧初期値MDB、CDB、KDB、の算出過程も、イエロー(Y)の場合と同様である。
一方、LED駆動時間は予め決められた初期値DK[s]に設定する。
<ステップS203> 機構制御部64の濃度補正制御部64bは、記憶部64cに記憶されているセンサ検出電圧・濃度値変換テーブル113(図6)、目標印刷濃度値データテーブル114(図7)、現像電圧値・濃度感度テーブル115(図8)、及びLED駆動時間・濃度感度テーブル116(図9)を読み込む。
<ステップS204> 機構制御部64の濃度補正制御部64bは、濃度検出実施の信号を受け取ると、記憶部64cに予め記憶されている濃度検出パターンPAT1を転写ベルト26上に印刷し始める。
図12は、画像形成装置11によって使用される濃度検出パターンPAT1の例を示す図である。
濃度検出パターンPAT1は、搬送方向(矢印A方向)下流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に並んでおり、トナー現像面積率は100%である。トナー現像面積率は、転写ベルト26上の所定面積の領域中において、現像されたトナーの占める割合のことであり、「デューティ」と呼ばれる。また、濃度検出パターンPAT1を構成する個々のパターン部分は、長さLp[mm]である。濃度検出パターンPAT1を構成するパターン部分は、搬送方向に間隔を開けずに並んでいる。
機構制御部64は、読み取るパターン部分の色に応じて濃度センサ36の赤外LED36aを発光させ、濃度検出パターンPAT1に赤外光を照射する。フォトトランジスタ36b及びフォトトランジスタ36cは、図示せぬセンサ回路により駆動されており、受光エネルギーに比例した電流信号を出力する。この電流信号は、センサ回路によって電圧信号に変換され、機構制御部64によって読み取られる。機構制御部64は、読み取ったパターン部分がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)であるときは、拡散反射光受光用のフォトトランジスタ36cの出力電圧を読み取り、読み取ったパターン部分がブラック(K)であるときは、鏡面反射光受光用のフォトトランジスタ36bの出力電圧を読み取る。
ここでは、最初に検出されるパターン部分は、デューティ100%のパターン部分PY100であるため、機構制御部64は、フォトトランジスタ36cの出力電圧を読み取る。次に、機構制御部64は、転写ベルト26を、パターン部分長Lp[mm]移動させることにより、デューティ100%のパターン部分PM100の中央部と濃度センサ36の検出位置とを合わせ、フォトトランジスタ36cの出力電圧を読み取る。以下、機構制御部64は、濃度検出パターンPAT1のすべてのパターン部分に対して順次出力電圧を読み取る。
機構制御部64は、読み取った出力電圧をセンサ検出電圧・濃度値変換テーブル113(図6)を用いて濃度値に変換する。センサ検出電圧・濃度値変換テーブル113のテーブル値は、センサ検出電圧と濃度値との関係を示す1次近似式の係数である係数Aと係数Bを実験的に求めた最適値である。ここでは、イエロー(Y)の濃度値の算出過程を説明する。マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の濃度値の算出過程も、イエロー(Y)のものと同様である。
読み取った濃度検出パターンPAT1のデューティ100%のイエロー(Y)のパターン部分PY100のセンサ検出電圧をYV100、係数AをY(A)、係数BをY(B)とすると、濃度値YOD100は、以下の数式(2)で表される。
Figure 2024060774000003
尚、濃度値YOD100のように、文字右下に表す数値は、そのときの濃度検出パターンのデューティを示す。
<ステップS205> 機構制御部64は、ステップS204で算出した濃度値と目標印刷濃度値データテーブル114(図7)の目標濃度値とを比較し、これらの差分から各色の現像電圧値をどの程度増減すればよいかを計算する。この計算には、記憶部64cに記憶されている現像電圧値・濃度感度テーブル115(図8)が用いられる。現像電圧値・濃度感度テーブル115のテーブル値ΔDB50は、現像電圧値が1V変化するときの濃度値の変化量である。ここで、装置に記憶させている現像電圧値・濃度感度テーブル115は、目標濃度付近において、よりよく補正が可能なように設定してある。
現像電圧値を変化させると、現像されるトナー層の厚さを変化させることができ、これを利用して、低デューティ部から高デューティ部までの濃度を増減させることができる。ここでは、デューティ100%のときのイエロー(Y)の補正値としての現像電圧値制御量YDB(A)は、濃度値YOD100とイエロー(Y)の目標濃度値YODT100とを用いて、以下の数式(3)で求められる。マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像電圧値制御量MDB(A)、CDB(A)、KDB(A)は、イエロー(Y)の場合と同様に求められる。
Figure 2024060774000004
機構制御部64は、上数式(3)で求めた各カラーの現像電圧値制御量YDB(A)、MDB(A)、CDB(A)、KDB(A)に基づいて、高圧制御部71に現像電圧を増減するための指示を出す。現像電圧発生部73は、イエロー(Y)の場合には印刷動作時に現像電圧初期値YDBに現像電圧値制御量YDB(A)を加えた補正後の補正済み現像バイアスとしての現像電圧値YDB[V]を次数式(4)で算出し、IDユニット12Yの現像ローラ16に供給する。
Figure 2024060774000005
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の補正後の現像電圧値MDB[V]、CDB[V]、KDB[V]も、イエロー(Y)の場合と同様に算出される。
尚、今回、濃度補正履歴記憶部64eに記憶される現像電圧補正値は、数式(4)で算出した現像電圧値YDB[V]から初期値DBIを引いた電圧値となる。
<ステップS206> 図13は、画像形成装置11によって使用される濃度検出パターンPAT2の例を示す図である。
機構制御部64は、濃度検出実施の指示信号を受け取ると、記憶部64cに予め記憶されている濃度検出パターンPAT2を転写ベルト26上に印刷する。濃度検出パターンPAT2は、搬送方向(矢印A方向)下流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に並んだパターン部分を有しており、デューティ50%である。このときの現像電圧値は、現像電圧補正後の現像電圧値YDB[V]、MDB[V]、CDB[V]、KDB[V]である。
濃度検出パターンPAT2は、濃度検出パターンPAT1と同様に、パターン部分長Lp[mm]、各パターン部分終端から次のパターン部分までの間に空白なしに印刷される。ディザパターンのドット配置は、例えば、45°の網点ディザ(後述の図15(c)に示される)である。
機構制御部64は、濃度センサ36にて各色のパターン部分の出力電圧を読み取り、センサ検出電圧・濃度値変換テーブル113(図6)により濃度値に変換する。読み取った濃度検出パターンPAT2のデューティ50%のセンサ検出電圧をそれぞれYV′50[V]とすると、イエロー(Y)の濃度値YOD′50は、以下の数式(5)で求められる。
Figure 2024060774000006
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の濃度値MOD′50、COD′50、KOD′50も、イエロー(Y)の場合と同様に求められる。
<ステップS207> 機構制御部64は、上数式(5)で求めた濃度値と目標印刷濃度値データテーブル114(図7)を比較し、これらの差分に基づいて、各色のLEDヘッド15の個々のLED駆動時間をどの程度増減すればよいかを計算する。この計算には、記憶部64cに記憶されているLED駆動時間・濃度感度テーブル116(図9)を用いる。LED駆動時間・濃度感度テーブル116のテーブル値は、LED駆動時間が1[%]変化するときの濃度値の変化量である。LED駆動時間を変化させると、主に低デューティ部から中間デューティ部の濃度を増減させることができる。
本実施の形態では、イエロー(Y)のLED駆動時間制御量YDK(A)は、濃度値YOD′50と目標濃度値YODT50を用いて、以下の数式(6)で求められる。
Figure 2024060774000007
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のLED駆動時間制御量MDK(A)、CDK(A)、KDK(A)は、イエロー(Y)の場合と同様に求められる。
機構制御部64は、上数式(6)で求めた各色のLED駆動時間制御量YDK(A)、MDK(A)、CDK(A)、KDK(A)に基づいて、LEDヘッドインタフェース部63に各LEDヘッド15の駆動時間を増減する指示を出す。機構制御部64は、印刷動作時にLED駆動時間の初期値にLED駆動時間制御量YDK(A)、MDK(A)、CDK(A)、KDK(A)に基づく補正値を加えたLED駆動時間で、各LEDヘッド15を露光させる。
例えば、イエロー(Y)の場合、補正後のLED駆動時間YDK[s]は、LED駆動時間の初期値YDK[s]とLED駆動時間制御量YDK(A)を用いて、以下の数式(7)で求められる。
Figure 2024060774000008
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の補正後のLED駆動時間MDK[s]、CDK[s]、KDK[s]は、イエロー(Y)の場合と同様に求められる。
<ステップS208> 図14は、画像形成装置11によって使用される濃度検出パターンPAT3の例を示す図である。
機構制御部64は、濃度検出実施の指示信号を受け取ると、記憶部64cに予め記憶されている濃度検出パターンPAT3を転写ベルト26上に印刷し始める。このときの現像電圧値及びLED駆動時間は、現像電圧補正後の現像電圧値YDB[V]、MDB[V]、CDB[V]、KDB[V]、及びLED駆動時間補正後のLED駆動時間YDK[s]、MDK[s]、CDK[s]、KDK[s]とする。
濃度検出パターンPAT3は、搬送方向(矢印A方向)下流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に並ぶ複数のパターン部分が、6セット並んでおり、それぞれのセットのデューティは、15%、30%、50%、70%、85%、100%とする。濃度検出パターンPAT3は、濃度検出パターンPAT1と同様に、パターン部分長Lp[mm]、各パターン部分終端から次のパターン部分までの間に空白なしに印刷される。但し、図14において、デューティ30%、50%、70%、85%のパターンの一部が省略されている。
図15(a)から(f)は、デューティ15%、デューティ30%、デューティ50%、デューティ70%、デューティ85%、デューティ100%の各ディザパターンP15、P30、P50、P70、P85、P100の例を示す図である。図14の濃度検出パターンPAT3のディザパターンのドット配置は、図15(a)から(f)に示すとおりであり、45°の網点ディザである。尚、濃度検出に用いる濃度検出パターンPAT1~PAT3は、図15(a)から(f)に示されるパターンに限るものではなく、ディザパターンの種類や構成、デューティの組み合わせ、カラーの並び順、各パターン部分の長さ、間隔などは、都合に応じて変えてもよい。
機構制御部64は、濃度センサ36から各色のパターン部分の出力電圧を受け取り、センサ検出電圧・濃度値変換テーブル113(図6)に基づいて、出力電圧を濃度値に変換する。
読み取った濃度検出パターンPAT3のデューティ15%、30%、50%、70%、85%、100%パターン部分のセンサ検出電圧をそれぞれYV″15、YV″30、YV″50、YV″70、YV″85、YV″100とすると、イエロー(Y)の濃度値YOD″15、YOD″30、YOD″50、YOD″70、YOD″85、YOD″100は、以下の数式(8)~(13)で表される。
Figure 2024060774000009
Figure 2024060774000010
Figure 2024060774000011
Figure 2024060774000012
Figure 2024060774000013
Figure 2024060774000014
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の濃度値も、イエロー(Y)の場合と同様に求められる。
<ステップS209> コマンド/画像処理部62の濃度階調補正制御部62aは、濃度検出パターン印刷・検出処理(ステップS208)にて機構制御部64が読み取った濃度検出パターンPAT3のデューティ15%、30%、50%、70%、85%、100%のパターン部分の濃度値YOD″15、YOD″30、YOD″50、YOD″70、YOD″85、YOD″100を受け取る。コマンド/画像処理部62の濃度階調補正制御部62aは、受け取った各デューティのパターン部分の濃度値から、256階調レベル分の濃度値を計算する。
ここで、デューティ15%、30%、50%、70%、85%、100%の各デューティを0~255までの256階調レベルで表すと、以下のようになる。デューティ0%は、0階調レベルであり、デューティ15%は、38階調レベルであり、デューティ30%は、77階調レベルである。デューティ50%は、128階調レベルであり、デューティ70%は、179階調レベルである。デューティ85%は、217階調レベルであり、デューティ100%は、255階調レベルである。
イエロー(Y)での、0階調レベルの濃度値をYODG、38階調レベルの濃度値をYODG38、77階調レベルの濃度値をYODG77、128階調レベルの濃度値をYODG128、179階調レベルの濃度値をYODG179、217階調レベルの濃度値をYODG217、255階調レベルの濃度値をYODG255とすると、各階調レベルの濃度値は以下の数式(14)から数式(20)で表される。
Figure 2024060774000015
Figure 2024060774000016
Figure 2024060774000017
Figure 2024060774000018
Figure 2024060774000019
Figure 2024060774000020
Figure 2024060774000021
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各階調レベルの濃度値も、イエロー(Y)の場合と同様に表される。
また、1階調レベルから37階調レベルの間のl階調レベル(l=1~37)の濃度値をYODG、39階調レベルから76階調レベルの間のm階調レベル(m=39~76)の濃度値をYODG、78階調レベルから127階調レベルの間のn階調レベル(n=78~127)の濃度値をYODG、129階調レベルから178階調レベルの間のo階調レベル(o=129~178)の濃度値をYODG、180階調レベルから216階調レベルの間のp階調レベル(p=180~216)の濃度値をYODG、218階調レベルから254階調レベルの間のq階調レベル(q=218~254)の濃度値をYODGとした場合、各濃度値は、以下の数式(21)から(26)で表される。
Figure 2024060774000022
Figure 2024060774000023
Figure 2024060774000024
Figure 2024060774000025
Figure 2024060774000026
Figure 2024060774000027
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の階調レベルの濃度値も、イエロー(Y)の場合と同様に表される。
次に、コマンド/画像処理部62の濃度階調補正制御部62aは、算出した各256階調レベルの濃度値と目標階調濃度値テーブル111(図4)の階調レベルとを比較する。濃度階調補正制御部62aは、算出した各256階調レベルの中から、目標階調濃度値テーブル111の各256階調レベルの濃度値と一致する階調レベルを探し出し、目標階調濃度値テーブル111の階調レベルを入力階調値とし、目標階調濃度値テーブル111の濃度値と一致する算出した各256階調レベルを出力階調値として、階調補正値テーブル112を更新する。
ここで、濃度階調補正制御について更に説明する。例えば、目標階調濃度値での100階調レベルの濃度値と一致する、算出した各256階調レベルが、90階調レベルであったとすると、算出した各256階調レベルでの100階調レベルの濃度値は、目標階調濃度値の100階調レベルの濃度値よりも濃くなっている。
この場合、100階調レベルの入力信号をそのまま100階調レベルの出力信号として印刷した場合、実際に印刷するときの濃度値が目標とする濃度値よりも濃く印刷される。そこで、100階調レベルの入力信号を目標階調濃度値での100階調レベルの濃度値と一致する、算出した90階調レベルを出力信号として置き換えて画像処理することで、実際に印刷するときの濃度値が目標とする濃度値に補正することができる。
図16は、本発明が解決しようとする課題についての説明に供する図(グラフ)である。横軸に、図11の濃度補正動作フローのステップS204で、濃度検出パターンを濃度センサ36で検出した電圧を数式(2)で変換した濃度(濃度補正前濃度)、縦軸に、ステップS205の現像電圧補正を経て、ステップS206で濃度検出パターンを濃度センサで検出した電圧を数式(2)で変換した濃度(濃度補正後濃度)、を示している。
補正前濃度が目標濃度付近である場合に補正後濃度が目標濃度付近に補正されやすい一方で、補正前濃度が薄くなるほどに徐々に補正後濃度が目標濃度よりも濃い側にずれていく。更に、補正前濃度が目標濃度より濃く、かつ、ある一定の濃度を超えたときに急激に補正後濃度が濃くなっていく傾向が見られる。
図17は、図16で説明した現象のメカニズムの説明に供する図(グラブ)である。横軸に現像電圧、縦軸に濃度検出パターンを濃度センサ36で検出した電圧を数式(2)で変換した濃度を示している。
同グラフに示すように、現像電圧の絶対値が大きくなるほど濃度は飽和する。<ステップS204>で印刷・検出した結果がAであったとき、機構制御部64は、読み取った濃度値と目標印刷濃度値データテーブル114の目標濃度値とを比較し、これらの差分から各色の現像電圧値をどの程度増減すればよいかを計算し、目標濃度であるBに向かおうとするために、現像電圧をΔDB分だけ補正するが、実際は装置の現像電圧と濃度の関係に従って、B'地点へ向かい、濃度が濃い状態となる。この現象は、目標濃度が飽和濃度に近い場合において、顕著に発生することになる。
現像電圧値を予め決められた初期値DB[V]に、前回の濃度補正の補正結果である現像電圧値制御量DB(A)を足したものを設定するため、目標とする濃度に近い濃度から補正動作を行うが、補正後の濃度はある程度のバラツキを持っている状態であるため、濃い側に振れてしまうことがある。一回濃い状態で濃度補正が始まった場合、上記の現象が発生することで、その後の濃度補正で濃い濃度に落ち着くことが多くなってしまう。
従って、ステップS204で現像電圧補正を実施する前に検出される濃度検出パターンを意図的に薄くして、目標とする濃度よりも薄いところから現像電圧補正をすることで、上記課題の解決を図る。
以下、上記課題を解消するための本発明による実施の形態1の濃度補正処理にいて、図18のフローチャートを参照しながら説明する。図18は、本実施の形態による実施の形態1の濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、同フローチャートのステップS301~S302は、図11に示すフローチャートのステップS201~S202と略同じであり、同じくステップS304~S310は、図11に示すフローチャートのステップS203~S209と略同じであるため、これ等の各ステップでの処理内容説明は省略する。尚、相違点については後述する。
<ステップS303> ここでは、ステップS302でセットされた現像電圧値を、濃度が薄くなる方へ調整する。但し、現像電圧値の調整を大きくしすぎて補正前濃度が過剰に薄くなると、図16で説明したように、補正後濃度が濃い側にずれてしまうことがわかっているため、適切な調整量になるよう設定する必要がある。
このため、本実施の形態では、調整値としての現像電圧値調整量DB(S)は、実験で求めた濃度補正後の濃度のばらつきODσを、図8に示す現像電圧値・濃度感度テーブル115に基づいて現像電圧値に換算した値とする。ここでは、イエロー(Y)のYDB(S)を以下の数式(27)で求められる。
Figure 2024060774000028
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のMDB(S)、CDB(S)、KDB(S)も、イエロー(Y)の場合と同様に求められる。尚、ΔYDB100は、現像電圧値が1V変化するときの濃度値の変化量である。
例として、実験的に求めた濃度ばらつきYODσが0.1、ΔYDB100が6.67×10-3とすると、
YDB(S)=15[V]
と計算できる。
計算した現像電圧値調整量を基に、ステップS303で、濃度検出パターンを印刷する際の初期現像バイアスとしての現像電圧初期値YDB´を以下の数式(28)のように求める。
Figure 2024060774000029
この計算により、現像電圧値の絶対値は、元の数式(1)より適度に小さくなり、目標濃度より薄い濃度からステップS306の現像電圧補正を実施できる。これにより、補正後濃度を目標濃度により近づけることができる。尚、ここではステップS306(ステップS205に相当)における数式(4)において、YDBがYDB´となる。
また、補正後の濃度ばらつきσや現像電圧値調整テーブル値ΔDB100は、環境によって変わるため、現像電圧値調整量は環境毎にテーブルを持っていても良い。表1は、現像電圧値調整量テーブルの例を示す図である。同表のNNは中温中湿、HHは高温高湿、LLは低温低湿を意味する。
Figure 2024060774000030
また、記憶部64cに記憶されたベルトサーミスタ38で測定した転写ベルト26の表面温度や、環境センサ25で測定した装置外部の温湿度といった前回濃度補正の濃度補正条件と、次に濃度補正が実行されるときの濃度補正条件が大きく異なる場合は、数式(27)で計算される現像電圧値調整量DB(S)では調整量が不足して、濃度が目標値よりも低いところから補正ができない可能性がある。このように濃度補正条件が前回から大きく異なるケースにおいては、数式(28)で計算される現像電圧初期値YDB´に対して更に現像電圧値を絶対値で小さい方向に調整する動作を実施してもよい。
以上のように、本実施の形態の画像形成装置によれば、濃度補正処理での初期現像バイアス(現像電圧初期値)を、過去の実績から求めた補正済み現像バイアス(現像電圧値YDB)に近い数式(1)に示すYDBから、YDBよりも数式(27)で求めた調整値(現像電圧値調整量DB(S))だけ小さい、数式(28)で算出したYDB´とする。これにより、
初期現像バイアス(現像電圧初期値)の絶対値
<補正済み現像バイアス(現像電圧値)の絶対値
とすることが可能となる。
以上のように、本実施の形態の画像形成装置11によれば、現像バイアス電圧による濃度補正を開始する際の現像電圧初期値の絶対値を、補正後の現像電圧値の絶対値よりも小さく設定できるため、精度よく濃度を補正することが可能となり、また、濃度が濃い状態で維持されることが無くなるため、トナー消費量の低減も可能となる。
実施の形態2.
本発明による実施の形態2の濃度補正処理にいて、図19のフローチャートを参照しながら説明する。図19は、本実施の形態による濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。
本実施の形態の画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置と主に異なる点は、図19のフローチャートに示す濃度補正処理の流れが、前記した図18のフローチャートに示す実施の形態1の濃度補正処理の流れと一部異なる点である。従って、本実施の形態の画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置11と共通する分部には同符号を付して、或は図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態の画像形成装置の要部構成は、上記以外において実施の形態1の画像形成装置の要部構成と共通するため、必要に応じて図1~図3を参照する。
ここで、図19フローチャートのステップS401は、図18に示すフローチャートのステップS301と同じであり、同じくステップS404~S410は、図18に示すフローチャートのステップS304~S310と同じであるため、これ等の各ステップでの処理内容説明は省略する。
<ステップS402> 本実施の形態において、図3に示す機構制御部64の濃度補正制御部64bは、記憶部64cに予め記憶されている濃度検出パターンPAT1を転写ベルト26上に印刷する動作を、現像電圧値を所定の変化量で絶対値を小さくしながら複数回繰り返す。機構制御部64は、読み取った複数の出力電圧をセンサ検出電圧・濃度値変換テーブル113(図6)を用いて濃度値に変換する。尚、表の係数A,Bは、検出するパターンのデューティによって異なり、例えば係数Aの場合Y15(A)・・・Y100(A)ように、色毎に6種類用意されている。
<ステップS403> このステップでは、複数の濃度値データと目標印刷濃度値データテーブル114(図7)の目標濃度値とを比較し、目標濃度値より低く、且つ最も目標濃度値に近い濃度検出パターンPAT1を印刷したときの現像バイアス電圧値を現像電圧初期値YDB´(数式(28)参照)としてIDユニット12Yの現像ローラ16に供給する。
以上のように、本実施の形態の画像形成装置では、現像バイアス電圧による濃度補正を開始する際の現像電圧初期値の絶対値を、補正後の現像電圧値の絶対値よりも小さく設定できるため、精度よく濃度を補正することが可能となり、また、濃度が濃い状態で維持されることが無くなるため、トナー消費量の低減も可能となる。また濃度検出パターンを複数印刷する代わりに、過去の調整電圧値の履歴を記憶する必要がなくなる。
実施の形態3.
本発明による実施の形態3の濃度補正処理にいて、図20のフローチャートを参照しながら説明する。図20は、本実施の形態による濃度補正処理の流れを示すフローチャートである。
本実施の形態の画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置と主に異なる点は、図19のフローチャートに示す濃度補正処理の流れが、前記した図18のフローチャートに示す実施の形態1の濃度補正処理の流れと一部異なる点である。従って、本実施の形態の画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置11と共通する分部には同符号を付して、或は図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態の画像形成装置の要部構成は、上記以外において実施の形態1の画像形成装置の要部構成と共通するため、必要に応じて図1~図3を参照する。
ここで、図20フローチャートのステップS501~S503は、図11に示すフローチャートのステップS201~S203と同じであり、同じくステップS506~S509は、図11に示すフローチャートのステップS206~S209と同じであるため、これ等の各ステップでの処理内容説明は省略する。
<ステップS504> 本実施の形態において、図3に示す機構制御部64の濃度補正制御部64bは、濃度検出実施の信号を受け取ってから、記憶部64cに予め記憶されている濃度検出パターンPAT1を転写ベルト26上に印刷する動作を、現像電圧値を所定の変化量で絶対値を小さくしながら複数回繰り返す。機構制御部64は、読み取った複数の出力電圧をセンサ検出電圧・濃度値変換テーブル113(図6)を用いて濃度値に変換する。
<ステップS505> このステップでは、複数の濃度値データと目標印刷濃度値データテーブル114(図7)の目標濃度値とを比較し、目標濃度値より低く、且つ最も目標濃度値に近い濃度検出パターンPAT1を印刷したときの現像バイアス電圧値を現像電圧値YDB(数式(4)参照)としてIDユニット12Yの現像ローラ16に供給する。
以上のように、本実施例では、現像電圧を振った複数の濃度検出パターンを印刷・検出し、目標濃度より薄く、且つ目標濃度に近い濃度検出パターンを検知し、対応する現像バイアス電圧値を使用することで、精度よく濃度を補正することが可能となる。また補正時の濃度検出パターンの印刷回数を減らすことで、トナーの消費や補正時間を抑制することができる。
上記実施の形態では、画像形成装置11がカラープリンタである例を説明したが、画像形成装置11は、多機能プリンタ、ファクシミリ、又は複写機であってもよい。また、ここでは画像形成装置11が直接転写方式のプリンタである例を説明したが、中間転写方式のプリンタであってもよい。
11 画像形成装置、 12 IDユニット、 13 感光体ドラム、 14 帯電ローラ、 15 LEDヘッド、 16 現像ローラ、 17 転写ローラ、 18 トナー供給ローラ、 19 現像ブレード、 20 トナーカートリッジ、 21 転写ユニット、 21a 転写ベルト駆動ローラ、 21b 転写ベルト従動ローラ、 22 転写排出センサ、 23 定着排出センサ、 24 給紙トレイ、 25 環境センサ、 26 転写ベルト、 27 クリーニングブレード、 28 定着器、 29 加熱ローラ、 30 加圧ローラ、 31 ヒータ、 32 定着サーミスタ、 34 ベルトクリーニングブレード、 35 ベルトクリーナ容器、 36 濃度センサ、 36a 赤外LED 36b 鏡面反射光受光用のフォトトランジスタ、 36c 拡散反射光受光用のフォトトランジスタ、 37 センサカバー、 38 ベルトサーミスタ、 40 記録用紙、 41 用紙ガイド部、 42 用紙ガイド部、 43 ホッピングローラ、 44 用紙検出センサ、 45 レジストローラ対、 48 用紙スタッカ部、 49 用紙検出センサ、 61 通信部、 62 コマンド/画像処理部、 62a 濃度階調補正制御部、 62b 記憶部、 63 LEDヘッドインタフェース部、 64 機構制御部、 64a 濃度補正処理実行判定部、 64b 濃度補正制御部、 64c 記憶部、 64d 濃度センサ発光量調整部、 64e 濃度補正履歴記憶部、 71 高圧制御部、 71a 記憶部、 72 帯電電圧発生部、 73 現像電圧発生部、 74 供給電圧発生部、 75 転写電圧発生部、 81 ホッピングモータ、 82 レジストモータ、 83 ベルトモータ、 84 ヒートモータ、 85 ドラムモータ、 111 目標階調濃度値テーブル、 112 階調補正値テーブル、 113 センサ検出電圧・濃度値変換テーブル、 114 目標印刷濃度値データテーブル、 115 現像電圧値・濃度感度テーブル、 116 LED駆動時間・濃度感度テーブル。

Claims (10)

  1. 像担持体が担持する静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、
    前記像担持体に対向し、媒体を搬送する転写ベルトと、
    前記像担持体上に形成された現像剤像を転写させる転写部と、
    前記転写ベルト上に転写された前記現像剤像を検出する濃度検出手段と、
    所定デューティの濃度補正パターンを初期現像バイアスで前記転写ベルトに印刷し、印刷された濃度補正パターンの検出濃度と記憶済みの目標濃度とから前記初期現像バイアスを補正する補正値を求める濃度補正手段と
    を備え、
    前記濃度補正手段は、前記初期現像バイアスの絶対値を、前記補正値で補正された補正済み現像バイアスの絶対値よりも小さくすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記濃度補正手段は、前記補正値を含む補正値情報の履歴を記憶する履歴記憶部を備え、前記補正値情報に基づいて次に求める前記補正済み現像バイアスを予想し、予想した前記補正済み現像バイアスの絶対値を、所定の調整値だけ小さくして前記初期現像バイアスとすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記濃度補正手段は、前記補正値情報の履歴の平均に基づいて前記補正済み現像バイアスを予想することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 外気の温度と湿度を測定する環境検出手段を有し、
    前記履歴記憶部に記憶された前記補正値情報の履歴が、各補正値情報が求められた際の、環境毎に記憶されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 前記調整値は、実験で求めた、前記補正済み現像バイアスで印刷した前記濃度補正パターンの検出濃度のばらつきを、現像電圧値に換算した値であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  6. 外気の温度と湿度を測定する環境検出手段を有し、
    前記調整値は、環境毎に予め記憶された値であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  7. 前記所定デューティが100%であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  8. 前記濃度補正手段は、前記濃度補正パターンを、濃度を変えて複数印刷し、検出した各濃度補正パターンの検出濃度と前記目標濃度とを比較し、前記目標濃度より低く、且つ前記目標濃度に最も近い濃度検出パターンを印刷したときの現像バイアス電圧値を、前記初期現像バイアスとすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  9. 前記所定デューティが100%であることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 像担持体が担持する静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、
    前記像担持体に対向し、媒体を搬送する転写ベルトと、
    前記像担持体上に形成された現像剤像を転写させる転写部と、
    前記転写ベルト上に転写された前記現像剤像を検出する濃度検出手段と、
    所定デューティの濃度補正パターンを前記転写ベルトに印刷し、印刷された濃度補正パターンの検出濃度と記憶済みの目標濃度とから現像バイアスを求める濃度補正手段と
    を備え、
    前記濃度補正手段は、前記濃度補正パターンを、濃度を変えて複数印刷し、検出した各濃度補正パターンの検出濃度と前記目標濃度とを比較し、前記目標濃度より低く、且つ前記目標濃度に最も近い濃度検出パターンを印刷したときの現像バイアス電圧値を、前記現像バイアスとすることを特徴とする画像形成装置。
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