JP2023530316A - 貧血の治療のためのalk2阻害剤 - Google Patents

貧血の治療のためのalk2阻害剤 Download PDF

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Abstract

貧血の治療を必要とする対象において貧血を治療する方法であって、治療有効量のALK2阻害剤を対象に投与することを含む方法が本明細書で提供される。

Description

関連出願
本出願は、2021年2月23日に出願された米国仮特許出願第63/152,516号、2020年7月27日に出願された米国仮特許出願第63/056,761号、及び2020年6月16日に出願された米国仮特許出願第63/039,742号の優先権を主張し、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
骨髄異形成症候群(MDS)は、無効な造血、形態学的異形成、末梢血血球減少、及び急性骨髄性白血病への進行の高いリスクを特徴とするクローン性幹障害である。患者の大部分は、国際予後スコアリングシステム基準によって定義される低リスクまたは中リスクMDSを呈する。貧血は、MDSを有するこれらの患者における主要な治療上の課題であり、これらの患者の85%に存在する。MDSにおける貧血の病態生理学は、特に初期(すなわち、リスクが低い)MDSにおける炎症性貧血の病態生理学と重複し得る。MDSの多くの患者において、炎症促進性サイトカイン、例えばIL-6のレベルは、炎症中にヘプシジンの合成を誘導することが示されている。これらの患者について、標準的なケアは、主に、その症状に対する支持的ケアである、貧血患者のためのRBC輸血及びESAならびに出血及び感染症のリスクの管理を含む。慢性貧血及びRBC輸血は、生存に影響を及ぼす独立した危険因子であり、鉄過剰、疲労、生活の質の低下及び心血管リスクの増加に関連する。ESAは、MDSを有する一部の患者に臨床的利益を提供することができる。しかしながら、ESAで治療された患者の約30%のみが改善を達成する。利益は、通常、ベースラインで低いエリスロポエチンレベルを有する少数の患者に限定される。患者の大部分は血清エリスロポエチン濃度が上昇しており、これは、MDSにおける貧血が、外因性ESA投与によって補正することができないことが多い無効な赤血球生成に起因することを示している。貧血の治療及び輸血負荷の軽減は、低リスクまたは中リスクMDS患者における主要な治療目標である。これらの患者には、特にESAの失敗後の治療選択肢はほとんどない。
貧血はまた、多発性骨髄腫(MM)に罹患している患者に影響を与え、MMを有するほぼ全ての患者は、疾患の経過中に貧血に罹患するであろう。多発性骨髄腫は、骨髄における形質細胞のクローン増殖及び単クローン性高ガンマグロブリン血症を特徴とする悪性形質細胞障害である。症候性患者及びその治療の必要性は、CRAB基準(Kyle,R.A.;Rajkumar,S.V.Leukemia 2009;23:3-9)に従って、高カルシウム血症(C)、腎機能不全(R)、貧血(A)、及び/または骨病変(B)の存在によって定義される。米国における1,027名のMM患者のレトロスペクティブ研究は、貧血(ヘモグロビン濃度<120g/l)が患者の73%において診断時に存在したことを実証した(Kyle et al 2003,Mayo Clin Proc.2003;78:21-33)。MM患者720人を対象とした欧州広域調査では、診断時にヘモグロビンレベルが9.9g/dL以下であった患者は29.7%であり、これらの患者の85.3%は調査中のいずれかの時点で貧血であったことが示された(Birgegard G,et al.Eur J Haematol.2006;77:378-386)。MM患者の約10%は、8g/dL未満のヘモグロビンの値を有する(VanderWall K,et al.Crit.Rev.Oncog.2013;18:449-461)。非応答者及び再発性骨髄腫患者は、しばしば貧血に罹患し続けている。
貧血はまた、骨髄線維症(MF)患者の管理における課題であり、MF患者の35~54%はヘモグロビンレベルが10g/dL未満であると報告されており、これらの患者の約25%は診断時に赤血球(RBC)輸血に依存している。血清ヘプシジンレベルの上昇は、MF患者におけるヘモグロビンの減少、RBC輸血の必要性の増加、及び全生存期間の減少に関連することが示されている。貧血はまた、慢性腎疾患(CKD)の一般的な合併症である。CKDにおける貧血を有する患者の現在の管理は議論の余地があり、最近の臨床試験は、赤血球生成促進剤に関連する罹患率及び死亡率の増加を実証している。
貧血、特にMDS、MM、CKDまたはMFに関連する貧血の新しい治療法が依然として必要とされている。
貧血の治療を必要とする対象において貧血を治療する方法であって、式Iの化合物:
Figure 2023530316000001
またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、ここで、変数は、本明細書中で定義される。
本明細書で提供される方法では、式Iの化合物のRは、ヒドロキシで置換された架橋C-シクロアルキルであり得る。更に、式Iの化合物のRはテトラヒドロピランであり得る。
式Iの化合物は、化合物2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩であり得る。
式Iの化合物はまた、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ-[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩であり得る。
式Iの化合物はまた、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩であり得る。
式Iの化合物はまた、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミドフマラート二水和物であり得る。
本明細書で提供される貧血を治療する方法では、対象は骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している可能性がある。骨髄異形成症候群(MDS)は、多系統異形成を伴うMDS(MDS-MLD)、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)、過剰芽球を伴うMDS(MDS-EB)、孤立性del(5q)を伴うMDS、及び分類不能なMDS(MDS-U)からなる群から選択することができる。
更に、本明細書で提供される貧血を治療する方法では、対象は多発性骨髄腫(MM)に罹患している可能性がある。対象は、輸血依存性であっても、輸血非依存性であってもよい。
貧血を治療する方法における対象はまた、慢性骨髄単球性白血病(CMML)及び分類不可能なMDS/MPN重複症候群等の骨髄異形成症候群及び骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)重複症候群に罹患し得る。
本明細書で提供される方法の貧血は、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)であり得る。
本明細書で提供される貧血を治療する方法では、対象は骨髄線維症(MF)に罹患している可能性がある。MFに罹患している対象は、輸血依存性または輸血非依存性であり得る。
式Iの化合物は経口投与することができる。式Iの化合物は、貧血を治療するための単独療法として投与することもできる。この化合物は、約5mg~約500mgの用量で1日1回(QD)、またはより具体的には約50mgの用量で1日1回(QD)投与することができる。式Iの化合物は、5mg、25mg、もしくは50mgの錠剤、またはそれらの組合わせとして投与することができる。
ヘプシジンレベルの低下を必要とする対象においてヘプシジンレベルを低下させる方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む方法も本明細書で提供される。
ヘプシジンレベルを低下させる方法の対象は、貧血に罹患している可能性がある。貧血は、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)であり得る。対象は、輸血依存性であるか、または輸血非依存性のいずれかであり得る。
骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している対象におけるヘプシジンレベルを低下させる方法も本明細書で提供される。骨髄異形成症候群(MDS)は、多系統異形成を伴うMDS(MDS-MLD)、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)、過剰芽球を伴うMDS(MDS-EB)、孤立性del(5q)を伴うMDS、及び分類不能なMDS(MDS-U)からなる群から選択することができる。
ヘプシジンレベルを低下させる方法の対象は、多発性骨髄腫(MM)に罹患している可能性がある。ヘプシジンレベルを低下させる方法の対象は、骨髄線維症(MF)に罹患している可能性がある。ヘプシジンレベルを低下させる方法の対象は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)に罹患している可能性がある。ヘプシジンレベルを低下させる方法の対象は、慢性腎疾患(CKD)に罹患している可能性がある。
ヘプシジンレベルの低下を必要とする対象においてヘプシジンレベルを低下させる場合、式Iの化合物を経口投与することができる。式Iの化合物は、貧血を治療するための単独療法として投与することもできる。この化合物は、約5mg~約500mgの用量で1日1回(QD)、またはより具体的には約50mgの用量で1日1回(QD)投与することができる。式Iの化合物は、5mg、25mg、もしくは50mgの錠剤、またはそれらの任意の組合わせとして投与することができる。
マウスアデニン誘発性慢性腎臓疾患モデルの結果を示す図である。*p<0.05、**p<0.01;***p<0.001、テューキーの多重比較検定による一元配置ANOVA、LLN=正常値の下限。 腎疾患貧血モデルの左パネルにおける予防的投与及び右パネルにおける併用投与の結果を示す図である。**p<0.01である。***p<0.001、テューキーの多重比較検定による一元配置ANOVA、LLN=正常値の下限。
貧血の治療を必要とする対象において貧血を治療する方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む方法が本明細書で提供される。貧血は、赤血球数の減少、または血液中のヘモグロビンの正常量未満を特徴とする。貧血は、ヘモグロビンの酸素結合能の低下によっても引き起こされ得る。
ヘプシジンレベルの低下を必要とする対象においてヘプシジンレベルを低下させる方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む方法も本明細書で提供される。ヘプシジンは、鉄輸送体フェロポーチンに結合し、鉄輸送体フェロポーチンの内在化及び分解を誘導することによって、単球及びマクロファージからの十二指腸鉄吸収及び鉄輸送の両方を減少させる肝細胞で主に合成される小さなペプチドホルモンである(Nemeth E,et al.Science.2004;306:2090-2093;Theurl I,et al.Haematologica.2011;96:1761-1769,Zhao N,Zhang AS,et al.J Clin Invest.2013;123(6):2337-2343)。血清ヘプシジンレベルの上昇は、細網内皮系内の鉄の貯蔵を増強し、鉄の利用可能性の低下及び鉄制限赤血球生成をもたらす。ヘプシジン発現の不適切な増加は、ヒトにおいて重度の機能性鉄欠乏性貧血を引き起こし、慢性疾患の貧血の病態生理学の中心である(Weiss G,Goodnough LT.N Engl J Med 2005;352:1011-1023)。
ヘプシジンの上流制御因子であるアクチビン受容体様キナーゼ2(ALK2)の阻害は、循環鉄レベルを増加させ、貧血を改善するはずである。本明細書で提供される化合物は、ALK2キナーゼに対して強力な活性を有し、骨形成タンパク質(BMP)誘導ヘプシジン産生を阻害する。
鉄によるヘプシジンの恒常性制御は、MDSサブタイプのほとんどで破壊されることが観察され、過剰な芽球を伴う不応性貧血のような顕著な骨髄造血障害を伴う状態及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)ではほぼ完全に失われた(Santini V,et al.PLoS ONE.2011;6:e23109)。
MM患者における貧血の原因はおそらく多因子性である。骨髄腫自体によるBM浸潤は、赤血球前駆体の数の減少、エリスロポエチン欠乏症(腎機能障害患者における)、エリスロポエチンに対する前赤芽球及びCFU-E細胞の応答性の低下、慢性炎症によるヘプシジンの産生増加による鉄利用の障害、及びパラプロテイン誘発性の血漿量の増加をもたらす(Konig et al,Clin Lymphoma Myeloma Leuk.2013;13:671-680)。
血清ヘプシジンは、健常個体及び年齢が一致する対照と比較して、MM患者において有意に高いことが示されている(Ibricevic-Balic et al,Med Arch.2016 Dec;70:429-432;Victor et al,Clin Lab.2017;63:1273-1277;and Maes et al,Blood.2010;116:3635-3644)。診断時にステージIIIのMMを有する患者は、正常対照よりも高い尿中ヘプシジンレベルを有していた。ヘプシジン血清レベルは、MM患者のヘモグロビン濃度と逆相関し(Katodritou et al,Am J Hematol.2008;83:697-701)、また、腎機能が正常なMM患者のヘモグロビン濃度と逆相関しており、これは、MM貧血の病因に対するヘプシジン増加の寄与の可能性を示している(Maes et al,2010)。更に、正常な腎機能を有する骨髄腫患者では、尿中ヘプシジンは診断時のヘモグロビンレベルと逆相関しており、上方制御されたヘプシジン発現と貧血との間の因果関係を強く示唆した。尿中ヘプシジンはまた、血清フェリチン及びC反応性タンパク質と有意に相関した(Sharma et al,Clin Cancer Res.2008;14:3262-3267)。
鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)は、稀な遺伝型の鉄欠乏性貧血である。鉄欠乏性貧血は、鉄が不足して赤血球数が少ない場合に起こる。鉄欠乏性貧血は、一般に、人の食事での鉄不足または慢性失血による後天性疾患であるが、IRIDAは、鉄欠乏を引き起こすTMPRSS6遺伝子の突然変異に起因する常染色体劣性状態である(Bhatia,P,et al.Pediatr.Hematol.Oncol.J.2017;2;48-53)。後天性鉄欠乏性貧血の一般的な形態は、経口鉄サプリメントまたは静脈内(IV)鉄注入によって一般的に治療されるが、IRIDAを有する患者はそれらの治療に完全には応答しない。
骨髄線維症(MF)の患者は、脾腫(髄外造血に起因する)、異化症状(炎症性サイトカインの過剰発現に起因する)及び貧血(骨髄不全及び脾臓封鎖に起因する)を発症し得る。MFは、主に、同種造血幹細胞移植(ASCT)で依然として治癒可能であるが、この療法は、MF患者のほとんどが受けるのに適しているとは考えられない。したがって、治療の目標はしばしば緩和的である。JAK阻害剤は、MF患者に治療を提供し得る。しかしながら、治療関連貧血は、多くの場合、この治療の欠点である。したがって、貧血は、MFの管理における課題のままであり、満たされていない主要な必要性を表す。難治性貧血は生活の質を低下させ、転帰不良の前兆となり、一部の患者において緩和的JAK阻害へのアクセスを制限するように作用し得る。MF関連貧血の治療法は存在するが、それらの有効性、耐久性、及び忍容性が限定されている。
CKDにおける貧血は、典型的には、正球性、正色素性及び低増殖性である。組換えヒトEPOの導入により、1980年後半に貧血管理が革命的になった。この赤血球生成促進剤及び関連する赤血球生成促進剤(ESA)は、衰弱症状を改善し、関連する合併症(二次的な鉄過剰、感染、及び移植を妨げる感作)を伴う輸血への依存から患者を解放することによって、患者に大きな利益をもたらした。しかしながら、最初の研究においてさえ、高血圧の悪化、発作、及び透析アクセス凝固を含む有害作用がESAを受けている患者において認められた。更に、ESAは、前向き無作為化比較試験において、死亡率、非致死性心血管事象、左室肥大、入院、及び腎疾患の進行等の貧血に関連する有害転帰を減少させない。
現在開発中の治療は、貧血特異的転帰の改善の可能性があるが、規制上の承認及び通常の臨床使用までの経路が依然として初期段階にある。
定義
以下に、本明細書で使用される様々な用語の定義を列挙する。これらの定義は、個々にまたはより大きな群の一部として、特定の場合に特に限定されない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される用語に適用される。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本開示の化合物は、標準的な命名法を用いて記載される。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、一般に、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用される命名法ならびに細胞培養、分子遺伝学、有機化学及びペプチド化学における実験室手順は、当技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。
本明細書で使用される場合、冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的対象の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1まで)を指す。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。更に、「含む(including)」という用語ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」の他の形態の使用は制限されない。
本明細書で使用される場合、「医薬組合わせ」または「組合わせ」は、併用または組合わせ製品の説明の有無にかかわらず、別個の化合物の製剤を指す。したがって、組合わせ化合物は、完全に別個の医薬剤形であってもよく、または互いに独立して販売される医薬組成物であってもよく、それらの併用のための説明書のみが、一緒に活性化するための同時または逐次使用のために、パッケージ装備、例えば、リーフレット等、または他の情報、例えば、医師及び医療スタッフ(例えば、口頭のコミュニケーション、書面によるコミュニケーション等)に提供される。
本明細書で使用される場合、「治療すること」または「治療」という用語は、疾患を阻害すること、例えば、疾患、状態もしくは障害を経験しているかもしくは示している個体において疾患、状態もしくは障害を阻害すること(すなわち、病態及び/または症状の更なる進展を阻止すること)、または疾患を改善すること、例えば、疾患、状態または障害の病態または総体症状を経験または示している個体における疾患、状態または障害を改善すること(すなわち、病状及び/または総体症状を逆転させること)、例えば、疾患の重症度を低下させることを指す。
本明細書で使用される「予防する」、「予防すること」または「予防」という用語は、予防される状態、疾患または障害に関連するかまたはそれによって引き起こされる少なくとも1つの症状の予防を含む。
本明細書で使用される場合、「患者」、「個体」または「対象」という用語は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物を指す。非ヒト哺乳動物としては、例えば、家畜及びペット、例えばヒツジ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ及び海洋哺乳動物が挙げられる。好ましくは、患者、対象または個体はヒトである。
本明細書で使用される場合、「輸血依存性」という語句は、血小板及び/またはRBC数が持続的に低いために、対象が8週間毎よりも頻繁に定期的な血小板及び/または赤血球(RBC)輸血を受けることを意味する。
本明細書で使用される場合、「輸血非依存性」という語句は、対象が少なくとも8週間連続して血小板及び/または赤血球(RBC)輸血を受けないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「単剤療法」という用語は、治療が疾患または状態を治療するために単一の活性医薬成分を使用することを意味する。単剤療法は、薬学的に許容される担体または賦形剤による治療を依然として含み得る。本明細書で提供される方法の一実施形態では、単一の活性医薬成分は式Iの化合物である。別の実施形態では、式Iの化合物は、ヤヌスキナーゼ阻害剤と併用しない単剤療法として投与される。
本明細書で使用される場合、「有効量」、「薬学的有効量」、及び「治療有効量」という用語は、所望の生物学的結果を提供するための非毒性であるが十分な量の薬剤を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因の軽減もしくは軽減、または生物系の任意の他の所望の変化であり得る。任意の個々の場合における適切な治療量は、日常的な実験を使用して当業者によって決定され得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、化合物の生物学的活性または特性を無効にせず、比較的非毒性である、すなわち、材料は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれが含まれる組成物の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく個体に投与され得る、担体または希釈剤等の材料を指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって親化合物が修飾されている、開示される化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミン等の塩基性残基の無機または有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩または有機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に記載される薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩が含まれる。本明細書で論じられる薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水または有機溶媒中、または2つの混合物中で反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリル等の非水性媒体が使用される。「薬学的に許容される塩」という語句は、単塩または1:1の塩に限定されない。例えば、「薬学的に許容される塩」には、ビス-塩酸塩等のビス-塩も含まれる。適切な塩のリストは、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に見出される。
本明細書で使用される場合、「組成物」または「医薬組成物」という用語は、少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される担体との混合物を指す。医薬組成物は、患者または対象への組成物の投与を容易にする。限定されないが、静脈内、経口、エアロゾル、非経口、眼、肺及び局所投与を含む、化合物を投与する複数の技術が当技術分野に存在する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、液体または固体の充填剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒または封入材料等の薬学的に許容される材料、組成物または担体、意図された機能を果たすことができるように患者に有用な化合物を運ぶまたは輸送することに関与する。典型的には、そのような構築物は、1つの器官または身体の一部から別の器官または身体の一部に運ばれるか、または輸送される。各担体は、本明細書に開示される化合物を含む製剤の他の成分と適合性であり、患者に有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る物質のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース及びスクロース等の糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;トラガント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐剤ワックス等の賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油等の油;グリコール、例えばプロピレングリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル等のエステル類;寒天;水酸化マグネシウム、及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤;界面活性剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬製剤に使用される他の非毒性適合性物質を含む。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」はまた、本明細書に開示される化合物の活性と適合性であり、患者にとって生理学的に許容されるありとあらゆるコーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、ならびに吸収遅延剤等を含む。補助的な活性化合物も組成物に組み込むことができる。「薬学的に許容される担体」は、本明細書に開示される化合物(複数可)の薬学的に許容される塩を更に含み得る。医薬組成物に含まれ得る他の追加の成分は当技術分野で公知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,PA)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「ALK2」または「ALK-2」という用語は、ACVRLK2、SKR1、ACVR1A、アクチビン受容体I型、アクチビン受容体様キナーゼ2、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ受容体R1、TGF-Bスーパーファミリー受容体I型、ACTRI、TSRI、アクチビンA受容体、II型様キナーゼ2、アクチビン受容体1型、ヒドロキシアルキル-タンパク質キナーゼ、ACTR-I、TSR-Iとしても知られるアクチビンA受容体I型(ACVRI)を指す。したがって、本明細書で使用される「ALK2阻害剤」は、ALK2の活性を調節する化合物を指す。
本明細書で使用される「単一製剤」という用語は、有効量の両方の治療薬を患者に送達するように製剤化された単一の担体またはビヒクルを指す。単一のビヒクルは、有効量の各薬剤を任意の薬学的に許容される担体または賦形剤と共に送達するように設計される。いくつかの実施形態では、ビヒクルは錠剤、カプセル剤、丸剤またはパッチである。他の実施形態では、ビヒクルは溶液または懸濁液である。
「単位用量」という用語は、本明細書では、治療されている患者への1つの剤形での両方の薬剤を一緒に同時投与することを意味するために使用される。いくつかの実施形態では、単位用量は単一製剤である。特定の実施形態では、単位用量は、各ビヒクルが薬学的に許容される担体及び賦形剤と共に有効量の少なくとも1つの薬剤を含むように、1つまたは複数のビヒクルを含む。いくつかの実施形態では、単位用量は、同時に患者に投与される1つまたは複数の錠剤、カプセル剤、丸剤またはパッチである。
「経口剤形」は、経口投与するために処方されたまたは意図された単位剤形を含む。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定された数の炭素原子(すなわち、C-Cアルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。)を有する直鎖または分岐鎖炭化水素を意味し、直鎖及び分岐鎖を含む。一実施形態では、C-C、C-C、C-Cアルキル基が本明細書に提供される。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、及びヘキシルが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、特定の実施形態では、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、2~4個、2~6個、または2~8個の炭素原子を含む炭化水素部分に由来する一価基を指す。アルケニル基は、別の基との結合点であってもなくてもよい。「アルケニル」という用語は、エテニル、1-プロペニル、1-ブテニル、ヘプテニル、オクテニル等を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、特定の実施形態では、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する、2~4個、2~6個、または2~8個の炭素原子を含む炭化水素部分に由来する一価基を指す。アルキニル基は、別の基との結合点であってもなくてもよい。「アルキニル」という用語には、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、ヘプチニル、オクチニル等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、アルキルが本明細書で定義される通りである-O-アルキル基を指す。アルコキシには、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ等が含まれる。一実施形態では、C-C、C-C、C-Cアルコキシ基が本明細書に提供される。
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル」という用語は、酸素原子が置換基及び水素原子に単独で結合している基-OHを指す。
本明細書で使用される場合、「シアノ」という用語は、炭素原子と置換基との間の単結合及び炭素原子と窒素原子との間の三重結合を有する基-CNを指す。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、1、2または3個の環を有する部分的または完全に飽和しており、そのような環が縮合していてもよい非芳香族炭素環式系を意味する。用語「縮合」は、第1の環と共通の(すなわち、共有されている)2個の隣接する原子を有することによって、第2の環が存在する(すなわち、取り付けられている、または形成されている)ことを意味する。シクロアルキルはまた、3~10個、3~8個、3~7個、3~6個及び5~10個の原子で変化する二環内の各個々の環を有する、本質的に架橋またはスピロ環式であり得る二環式構造を含む。「シクロアルキル」という用語には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、スピロ[3.3]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル及びビシクロ[1.1.1]ペンチルが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、3~10員のシクロアルキル基が本明細書に提供される。別の実施形態では、Cシクロアルキル基が本明細書に提供される。更に別の実施形態では、ビシクロ-Cシクロアルキル基が本明細書で提供される。更に別の実施形態では、架橋Cシクロアルキル基が本明細書に提供される。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、O及びSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子、1、2または3個の環を有する、非芳香族炭素環式系を意味し、そのような環は縮合していてもよく、縮合は上で定義される。ヘテロシクロアルキルはまた、3~8、5~10、4~6、または3~10個の原子で変化し、0、1、または2個のN、O、またはS原子を含む、二環内の各個々の環と本質的に架橋またはスピロ環式であり得る二環式構造を含む。用語「ヘテロシクロアルキル」には、環状エステル(すなわち、ラクトン)及び環状アミド(すなわち、ラクタム)が含まれ、具体的には、エポキシジル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル(すなわち、オキサニル)、ピラニル、ジオキサニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-チアジナニル、2-アザ-ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、5-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ-[2.2.1]ヘプタニル、3-アザ-ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ-[3.1.0]ヘキサニル、2-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]-オクタニル、3-オキサ-7-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノナニル、3-オキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.5]ノナニル、3-オキサスピロ[5.3]-ノナニル、及び8-オキサビシクロ-[3.2.1]オクタニルも含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、3~10員のヘテロシクロアルキル基が本明細書に提供される。他の実施形態では、5~10員のヘテロシクロアルキル基が本明細書に提供される。更に他の実施形態では、4~6員のヘテロシクロアルキル基が本明細書に提供される。
シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル部分が異なる環原子(すなわち、特定の結合点の表示なしで示され、または記載される)を介して指定された部分に結合または他の方法で付着し得る場合、炭素原子または例えば三価窒素原子のいずれを介しても、全ての可能な点が意図されることを理解されたい。例えば、「ピリジニル」という用語は2-、3-または4-ピリジニルを意味し、「チエニル」という用語は2-または3-チオエニル等を意味する。
本明細書で使用される場合、「ニトロ」という用語は、窒素原子が置換基に単独で結合し、第1の酸素原子に二重結合し、第2の酸素原子に単独で結合している基-NOを指す。したがって、窒素原子は正に帯電し、第2の酸素原子は負に帯電する。
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、ある原子または原子群が、別の基に結合した置換基として水素が置き換えられたことを意味する。
本明細書で提供される化合物、それらの合成、及びALK2に対するそれらの生物学的活性は、参照によりその全体が組み込まれるPCT/CN2017/093385(WO2018014829)に見出すことができる。
治療方法
一態様において、貧血の治療を必要とする対象において貧血を治療する方法であって、式Iの化合物:
Figure 2023530316000002
またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、
式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、方法が本明細書に提供される。
一実施形態では、Rは、ヒドロキシで置換された架橋C-シクロアルキルである。
別の実施形態では、Rはテトラヒドロピランである。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ-[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミドフマラート二水和物である。
別の実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している。
更に別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、多系統異形成を伴うMDS(MDS-MLD)、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)、過剰芽球を伴うMDS(MDS-EB)、孤立性del(5q)を伴うMDS、及び分類不能なMDS(MDS-U)からなる群から選択される。
更に別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は多系列異形成を伴うMDS(MDS-MLD)である。一実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)である。別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、過剰な芽球を伴うMDS(MDS-EB)である。更に別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、孤立性del(5q)を伴うMDSである。更に別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は分類不能MDS(MDS-U)である。
一実施形態では、対象は、多発性骨髄腫(MM)に罹患している。
別の実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群及び骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)重複症候群に罹患している。更に別の実施形態では、MDS/MPN重複症候群は、慢性骨髄単球性白血病(CMML)または分類不能のMDS/MPN重複症候群である。
別の実施形態では、対象は、骨髄線維症(MF)に罹患している。更に別の実施形態では、貧血は、MF誘発性貧血として特徴付けられる。
別の実施形態では、貧血は鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)である。
更に別の実施形態では、対象は、輸血依存性である。更に別の実施形態では、対象は輸血依存性ではない。
一実施形態では、式Iの化合物は、経口投与される。
別の実施形態では、式Iの化合物は、貧血治療のための単独療法として投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、ヤヌスキナーゼ阻害剤と併用しない単剤療法として投与される。
なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、約5mg~約500mgの用量で1日1回(QD)投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、約50mgの用量で1日1回(QD)投与される。
一実施形態では、式Iの化合物は、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、及び500mgからなる群から選択される用量で投与される。
別の実施形態では、式Iの化合物は、5mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、10mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、15mgの用量で投与される。一実施形態では、式Iの化合物は、20mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、25mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、50mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、75mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、100mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、125mgの用量で投与される。実施形態では、式Iの化合物は、150mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、175mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、200mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、225mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、250mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、275mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、300mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、325mgの用量で投与される。実施形態では、式Iの化合物は、350mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、375mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、400mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、425mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、450mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、475mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、500mgの用量で投与される。
一実施形態では、式Iの化合物は、錠剤として経口投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、5mg、25mg、もしくは50mgの錠剤、またはそれらの任意の組合わせとして投与される。
別の態様では、貧血の治療を必要とする対象の貧血を治療する方法であって、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミドフマル酸二水和物を対象に投与することを含む方法が本明細書で提供される。
別の態様において、ヘプシジンレベルの低下を必要とする対象においてヘプシジンレベルを低下させる方法であって、式Iの化合物:
Figure 2023530316000003
またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、
式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、方法が本明細書に提供される。
一実施形態では、Rは、ヒドロキシで置換された架橋C-シクロアルキルである。
別の実施形態では、Rはテトラヒドロピランである。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、対象は貧血に罹患している。更に別の実施形態では、貧血は鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)である。
一実施形態では、対象は輸血依存性である。別の実施形態では、対象は輸血依存性ではない。
更に別の実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している。
別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、多系統異形成を伴うMDS(MDS-MLD)、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)、過剰芽球を伴うMDS(MDS-EB)、孤立性del(5q)を伴うMDS、及び分類不能なMDS(MDS-U)からなる群から選択される。
更に別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は多系列異形成を伴うMDS(MDS-MLD)である。一実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)である。別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、過剰な芽球を伴うMDS(MDS-EB)である。更に別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は、孤立性del(5q)を伴うMDSである。更に別の実施形態では、骨髄異形成症候群(MDS)は分類不能MDS(MDS-U)である。
一実施形態では、対象は、多発性骨髄腫(MM)に罹患している。
別の実施形態では、対象は、骨髄異形成症候群及び骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)重複症候群に罹患している。更に別の実施形態では、MDS/MPN重複症候群は、慢性骨髄単球性白血病(CMML)または分類不能のMDS/MPN重複症候群である。
別の実施形態では、対象は、骨髄線維症(MF)に罹患している。更に別の実施形態では、貧血は、MF誘発性貧血として特徴付けられる。更に別の実施形態では、MF誘発性貧血は、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)である。
一実施形態では、式Iの化合物は、経口投与される。
別の実施形態では、式Iの化合物は、ヘプシジンレベルを低下させるための単剤療法として投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、ヤヌスキナーゼ阻害剤と併用しない単剤療法として投与される。
別の態様では、慢性腎疾患(CDK)誘発性貧血の治療を必要とする対象において、慢性腎疾患(CDK)誘発性貧血を治療する方法であって、式Iの化合物:
Figure 2023530316000004
またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、
式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、方法が本明細書に提供される。
一実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミドフマラート二水和物である。
なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、慢性腎疾患(CDK)誘発性貧血を治療するための単独療法として投与される。
別の態様では、貧血の治療を必要とする対象において貧血を治療する方法であって、式Iの化合物:
Figure 2023530316000005
またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、
式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択され、
対象が骨髄線維症(MF)に罹患しており、JAK阻害剤で以前に治療されているか、またはJAK阻害剤治療を受けるのに適格ではない、
方法が本明細書に提供される。
一実施形態では、対象は、JAK阻害剤により以前に治療された。別の実施形態では、対象は、JAK阻害剤処置を受けるのに適格ではない。なおも別の実施形態では、対象は、JAK阻害剤治療に対して不耐性であるため、JAK阻害剤治療を受けるのに適格ではない。
一実施形態では、Rは、ヒドロキシで置換された架橋C-シクロアルキルである。
別の実施形態では、Rはテトラヒドロピランである。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
上記方法の一実施形態では、式Iの化合物は、約5mg~約500mgの用量で1日1回(QD)投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、約50mgの用量で1日1回(QD)投与される。
一実施形態では、式Iの化合物は、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、及び500mgからなる群から選択される用量で投与される。
別の実施形態では、式Iの化合物は、5mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、10mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、15mgの用量で投与される。一実施形態では、式Iの化合物は、20mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、25mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、50mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、75mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、100mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、125mgの用量で投与される。実施形態では、式Iの化合物は、150mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、175mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、200mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、225mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、250mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、275mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、300mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、325mgの用量で投与される。実施形態では、式Iの化合物は、350mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、375mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、400mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、425mgの用量で投与される。なおも別の実施形態では、式Iの化合物は、450mgの用量で投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、475mgの用量で投与される。更に別の実施形態では、式Iの化合物は、500mgの用量で投与される。
一実施形態では、式Iの化合物は、錠剤として経口投与される。別の実施形態では、式Iの化合物は、5mg、25mg、もしくは50mgの錠剤、またはそれらの任意の組合わせとして投与される。
更に別の態様では、ヘプシジンレベルの低下を必要とする対象においてヘプシジンレベルを低下させる方法であって、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミドフマル酸二水和物を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
一態様において、骨髄異形成症候群(MDS)の治療を必要とする対象において骨髄異形成症候群(MDS)を治療する方法であって、式Iの化合物:
Figure 2023530316000006
またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、
式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、方法が本明細書に提供される。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミドフマラート二水和物である。
別の態様では、多発性骨髄腫(MM)の治療を必要とする対象において多発性骨髄腫(MM)を治療する方法であって、式Iの化合物:
Figure 2023530316000007
またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、
式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、方法が本明細書に提供される。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシ-ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
更に別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である。
別の実施形態では、式Iの化合物は、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミドフマラート二水和物である。
本方法の別の実施形態では、対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、方法または治療は、ベースラインと比較して、または健康な個体のレベルと比較して、患者のヘプシジン血清レベルを低下させる。ヘプシジン血清レベルは、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または約100%超低下し得る。いくつかの実施形態では、ヘプシジン血清レベルは、ベースラインと比較して約50%以上低下する。いくつかの実施形態では、ヘプシジン血清レベルは、約150ng/mL、140、130、120、110、100、90、80、70、60または約50ng/mL未満に低下する。ヘプシジンレベルは、ラジオイムノアッセイ、ELISA、リガンド結合アッセイまたは質量分析を含む標準的な技術によって試験することができる。
いくつかの実施形態では、方法または治療は、ベースラインと比較して、または健康な個体のレベルと比較して、患者の血清中鉄濃度を増加させる。血清中鉄濃度は、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または約100%を超えて増加し得る。血清中鉄濃度は、標準的な技術によって試験することができる。
いくつかの実施形態では、方法または治療は、ベースラインと比較して、または健康な個体のレベルと比較して、患者のヘモグロビン血清レベルを増加させる。ヘモグロビン血清レベルは、約5%、10%、15%、20%、25%または約30%を超えて上昇し得る。ヘモグロビンレベルは、標準的な技術によって試験することができる。
いくつかの実施形態では、方法または治療は、ベースラインと比較して、または健康な個体のレベルと比較して、患者のトランスフェリン飽和度(TSAT)を増加させる。TSATは、約5%、10%、15%、20%、25%または約30%を超えて増加し得る。TSATは、標準的な技術によって試験することができる。
いくつかの実施形態では、方法または治療は、ベースラインと比較して、または健康な個体のレベルと比較して、患者のフェリチン血中レベルを低下させる。フェリチン血中レベルは、約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または約100%を超えて低下し得る。フェリチン血中レベルは、標準的な技術によって試験することができる。
投与/投薬量/製剤
別の態様では、本明細書に開示される化合物を薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物または医薬組合わせが本明細書で提供される。
組合わせの投与には、単一の製剤または単位剤形での組合わせの投与、組合わせの個々の薬剤の同時であるが別々の投与、または組合わせの個々の薬剤の任意の適切な経路による連続的な投与が含まれる。組合わせの個々の薬剤の投与量は、組合わせ中の他の薬剤(複数可)と比較して、薬剤(複数可)の1つをより頻繁に投与する必要があり得る。したがって、適切な投薬を可能にするために、包装された医薬製品は、薬剤の組合わせを含有する1つ以上の剤形と、薬剤の組合わせの1つを含有するが、組合わせの他の薬剤(複数可)を含有しない1つ以上の剤形とを含有し得る。
医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に有毒ではなく、特定の患者、組成物、及び投与様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るように変化させることができる。
特に、選択される投与量レベルは、使用される特定の化合物の活性、投与時間、化合物の***速度、治療の期間、化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態及び以前の病歴、ならびに医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存する。
当業者である医師、例えば外科医または獣医師は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し処方することができる。例えば、外科医または獣医師は、医薬組成物の投与を開始して、必要なレベルよりも低いレベルで開示された化合物を投与して、所望の治療効果を達成し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させるためにことができる。
特定の実施形態では、投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、化合物を投薬単位形態で製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される投薬単位形態は、治療される患者のための単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬ビヒクルに関連して所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の本開示の化合物を含有する。投薬単位形態は、(a)開示された化合物の特有の特徴及び達成されるべき特定の治療効果、ならびに(b)患者における疼痛、うつ病性障害または薬物中毒の処置のためのそのような開示された化合物を配合/製剤化する技術分野に固有の制限によって決定され、それらに直接依存する。
一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を使用して製剤化される。一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、治療有効量の開示化合物及び薬学的に許容される担体を含む。
本明細書で論じられる組成物のいずれかの投与経路には、経口、経鼻、直腸、膣内、非経口、頬側、舌下または局所が含まれる。化合物は、任意の適切な経路による投与、例えば経口または非経口、例えば経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌、(経)頬、(経)尿道、膣(例えば、経膣及び膣周囲)、(内)鼻及び(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、髄腔内、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入及び局所投与のために製剤化され得る。一実施形態では、好ましい投与経路は経口である。
適切な組成物及び剤形としては、例えば、錠剤、カプセル、カプレット、丸剤、ゲルキャップ、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、シロップ、顆粒、ビーズ、経皮パッチ、ゲル、粉末、ペレット、マグマ、ドロップ剤、クリーム、ペースト、プラスター、ローション、ディスク、坐剤、経鼻または経口投与用の液体スプレー、吸入用の乾燥粉末またはエアロゾル化製剤、膀胱内投与用の組成物及び製剤等が挙げられる。製剤及び組成物は、本明細書に記載される特定の製剤及び組成物に限定されないことを理解されたい。
経口適用のために、錠剤、糖衣錠、液体、ドロップ、坐剤、またはカプセル、カプレット及びゲルキャップが特に適している。経口使用を意図した組成物は、当技術分野で公知の任意の方法に従って調製され得、そのような組成物は、錠剤の製造に適した不活性で非毒性の薬学的賦形剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含有し得る。そのような賦形剤としては、例えば、ラクトース等の不活性希釈剤、コーンスターチ等の造粒崩壊剤;デンプン等の結合剤;及びステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤が挙げられる。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、またはそれらは、エレガンスのためのまたは有効成分の放出を遅延させるための公知の技術によってコーティングされていてもよい。経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性希釈剤と混合される硬ゼラチンカプセルとして提供され得る。
非経口投与のために、開示される化合物は、注射もしくは注入、例えば静脈内、筋肉内もしくは皮下注射もしくは注入のために、またはボーラス用量もしくは連続注入での投与のために製剤化され得る。懸濁化剤、安定化剤または分散剤等の他の配合剤を任意に含む、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンを使用してもよい。
キット
本開示はまた、例えば、貧血等のALK2の活性に関連する疾患または障害の治療または予防に有用な医薬キットであって、治療有効量の式Iの化合物またはその実施形態のいずれかを含む医薬組成物を収容する1つ以上の容器を含む、医薬キットを含む。そのようなキットは、当業者には容易に明らかであるように、例えば、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を含む容器、追加の容器等、1つまたは複数の様々な従来の医薬キット構成要素を更に含むことができる。投与される成分の量、投与のための指針、及び/または成分を混合するための指針を示す、インサートまたはラベルとしての説明書もキットに含めることができる。
当業者は、本明細書に記載の特定の手順、実施形態、特許請求の範囲、及び実施例に対する多数の等価物を認識するか、または日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。そのような均等物は、本開示の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によって網羅されると考えられた。例えば、限定するものではないが、反応時間、反応サイズ/体積、及び実験試薬、例えば溶媒、触媒、圧力、大気圧条件、例えば窒素雰囲気、及び還元剤/酸化剤を含む反応条件の変更は、当技術分野で認識されている代替物を用いて、日常的な実験のみを使用して、本出願の範囲内であることを理解されたい。
値及び範囲が本明細書に提供される場合はいつでも、これらの値及び範囲によって包含される全ての値及び範囲は、本開示の範囲内に包含されることを意味することを理解されたい。更に、これらの範囲内に入る全ての値、ならびに値の範囲の上限または下限もまた、本出願によって企図される。
以下の実施例は、本開示の態様を更に説明する。しかしながら、それらは、記載されているような本開示の教示の限定では決してない。
本明細書に開示される化合物及び方法は、以下の実施例によって更に説明されるが、これは更なる限定として解釈されるべきではない。本開示の実施は、別段の指示がない限り、当技術分野の技術の範囲内にある有機合成、細胞生物学、細胞培養、及び分子生物学の従来の技術を使用する。
本明細書に開示される化合物を調製する方法は、少なくともWO2018/014829号に見出すことができ、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
実施例1:臨床プロトコル
健康な成人参加者に単回用量として経口投与した場合の化合物Aの安全性、耐容性及び薬物動態(PK)を評価するために、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ-[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ-[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド(「化合物A」)を用いて、第1a相二重盲検、無作為化、プラセボ対照、単回用量、用量漸増及び食品効果試験を行っている。
化合物Aは、各用量レベルで9名の健康な参加者に単回用量として、10mg、25mg、50mg、100mg、及び175mgの用量レベルで投与されている。重篤な有害事象(SAE)は観察されておらず、全ての有害事象(AE)は軽度であり、全ての用量レベルで自己制限的であった。
1.1.利点/リスク評価
試験設計は、重要なPK情報を収集しながら、参加者の安全性を最大化する。用量漸増は、試験が進行するにつれて収集される安全性情報及びPKデータを用いて進行する。安全信号の発生を識別するために、全ての参加者において全てのAE(血液学、血液化学及び肝機能検査異常を含む)が監視される。
ラット及びイヌにおける化合物Aの28日間反復投与毒性試験では、両種において認められなかった有害作用レベル(NOAEL)での所見は、肝臓における鉄染色のわずかな増加に限定され、肝機能試験(LFT)または肝臓における顕微鏡所見の関連する増加はなく、これらの所見は、鉄代謝におけるALK2媒介変化に起因していた。より高用量では、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の増加、ならびに肝臓鉄蓄積に続発すると考えられる肝臓の顕微鏡所見が観察された。鉄パラメータ及び肝機能検査を臨床的に監視する。
より高用量でのALK3の阻害に関連すると考えられる更なる有害所見には、腸間膜リンパ節の関連する変化を伴う消化管の粘膜肥大及び過形成、毛包の成長期停止、及び鉄代謝の更なる変化が含まれた。更に、より高用量のイヌで心拍数の増加が観察された。心拍数、皮膚/毛髪、及び消化管トラックの潜在的な増加も臨床的に監視される。
非臨床毒物学研究における全ての有害所見は、計画された用量範囲にわたって参加者における予想される曝露を超える曝露に関連していた。
1.2.目的及びエンドポイントの詳細
表1は、研究の目的及びエンドポイントを示す。
Figure 2023530316000008
Figure 2023530316000009
Figure 2023530316000010
2.試験設計
2.1.全体設計
この第1/2相非盲検多施設用量設定試験は、輸血依存性または症候性貧血を呈するMDSまたはMMの参加者において単剤療法として投与された化合物Aの安全性及び忍容性、PK、PD、ならびに予備的有効性を評価することを意図している。
2.2.全体的な研究期間
試験は、第1の参加者がインフォームドコンセント用紙(ICF)に署名したときに開始する。試験の終了は、全ての参加者が最大6ヶ月の治療を完了したとき、または早期に治療を中断し、適用可能な安全性追跡調査を完了したとき、または試験依頼者が試験を終了したときに起こる。化合物Aを依然として受けており、臨床的利益を得ており、研究終了時に進行性疾患の証拠を何ら有していない参加者は、この試験またはロールオーバープロトコルの下で化合物Aによる治療を受け続ける選択肢を有し得る。
参加者は、安全性フォローアップ訪問を含む試験の全ての段階を完了した場合、試験を完了したと見なされる。
各参加者について、試験は以下を含む。
・スクリーニングに関しては、最大28日間である。
・参加者が試験薬から利益を得ており、試験薬中止の基準を満たしていない限り、最大6ヶ月の連続28日間の治療サイクルでの連続試験薬治療。
・安全性フォローアップ期間に更に30日間。
・6ヶ月毎の治療後追跡調査。
2.3.試験終了
試験責任医師は、試験契約書に規定された条件に従って、いつでも治験参加を中止する権利を保持している。試験責任医師は、施設内審査委員会/独立倫理委員会(IRB/IEC)に試験の完了または早期終了を通知し、その通知書の写しを試験依頼者または試験依頼者の指定する者に送付し、試験実施施設の試験規制ファイル用に1部保管するものとする。
試験依頼者は、規制上の決定によって必要とされる場合、またはデータ監視委員会(DMC)の助言に基づいて、試験を選択的に中止することができる。試験が時期尚早に終了した場合、試験依頼者は、試験者、IRB/IEC及び規制機関に試験終了の決定及び理由を通知する。DMCは、正当な場合、研究の終了を推奨し得る。
3.試験集団
適格基準からの逸脱は、試験の科学的完全性、規制上の許容性、及び/または参加者の安全性を潜在的に危険にさらす可能性があるため、許容されない。したがって、本プロトコルに規定されている基準を遵守することが不可欠である。採用基準及び登録基準に対するプロトコルの逸脱(プロトコルの放棄または適用除外としても知られる)の前向きな承認は許可されない。
3.1.組み入れ基準
参加者は、以下の基準の全てが適用される場合にのみ試験に含まれる資格がある。
1.試験のための書面のインフォームドコンセント用紙(ICF)を理解する能力及び署名する意思があること。
2.ICFに署名する時点で18歳以上であること。
3.以下のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータススコア:
a.用量漸増段階については0または1
b.用量拡大段階については0、1または2。
4.平均余命は6ヶ月を超える。
5.以下の基準に基づいて、妊娠または子供をもうけることを避けることを約束する。
a.生殖可能性を有する男性参加者は、スクリーニングから最後の試験薬投与の90日後まで子供をもうけないようにするための適切な予防措置を講じることに同意しなければならず、この期間中は***の提供を控えなければならない。妊娠を防止する際に許容される方法は、参加者に伝達され、参加者の理解が確認されるべきである。
b.妊娠可能な女性(WOCBP)である女性参加者は、最初の投与前(最初の試験薬物用量の3日以内)にスクリーニングで血清妊娠検査が陰性でなければならず、スクリーニングから安全性フォローアップ訪問を通して妊娠を回避するための適切な予防措置を講じることに同意しなければならない(表2参照)。妊娠を防止する際に許容される方法は、参加者に伝達され、参加者の理解が確認されるべきである。
c.妊娠していると考えられない女性参加者が適格である。
Figure 2023530316000011
疾患特性を定義する選択基準:
6.以下のように定義される輸血依存性または症候性貧血を呈する参加者:
a.貧血:測定の間に少なくとも7日間(注:RBC輸血は、スクリーニング中のHgb測定の少なくとも2週間前でなければならない)、3回別々に記録されたスクリーニング中に10g/dL未満のHgb値が実証された。
b.輸血依存性:参加者は、サイクル1の1日目の直前の28日間に少なくとも4単位のRBC輸血を受けたか、またはサイクル1の1日目の直前の8週間に少なくとも4単位のRBC輸血を受け、Hgbレベルは8.5g/dL未満であり、出血または治療誘発性貧血はない。更に、直近の輸血エピソードは、サイクル1の1日目の28日前に発生していなければならない。
MDS参加者:
7.ESAまたはレナリドミド等の貧血のために利用可能な療法を受ける資格がないか、またはそれに応答しなかった。
8.ヒドロキシ尿素以外の細胞減少療法を必要としない参加者。
9.BM及び末梢血骨髄芽球数<10%の参加者。
10.以下の組織学的に確認された診断(2016年WHO基準[Swerdlow et al 2017]による):
a.MDS.
b.CMML.
c.分類不能なMDS/MPN重複症候群。
注:MDS-RSまたは非定型慢性骨髄性白血病、若年性骨髄単球性白血病、または環状鉄芽球及び血小板増加症を伴うMDS/MPNを呈する参加者は含まれない。
MM参加者の場合:
11.多発性骨髄腫の組織学的に確認された診断(2016年WHO基準[Swerdlow et al 2017]による):
12.利用可能な標準処理の失敗後;標準的な治療選択肢には、以下が含まれる:アルキル化剤、グルココルチコイド、免疫調節薬IMiD(レナリドミド、ポマリドミドまたはサリドマイド)、プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブ)、及びダラツムマブ。
3.2.除外基準
以下の基準のいずれかが適用される場合、参加者は試験から除外される。
1.任意の事前の同種異系幹細胞移植またはそのような移植の候補を受けていること。
2.試験薬の最初の投与前28日以内の大きな手術。
3.参加者の疾患を治療するための任意の事前の化学療法、免疫調節薬物療法、免疫抑制療法、生物学的療法、内分泌療法、標的療法、抗体または低メチル化剤を、試験薬物の最初の用量の5半減期または28日(いずれか短い方)前までに投与する。
a.グルココルチコイド(参加者がC1D1の直前の4週間にわたって安定した用量を有し、治療に起因してグレード2以上の毒性を示さない場合、ステロイドは試験中継続され得る)及びヒドロキシ尿素(用量漸増コホートにおけるサイクル2から及び用量拡大におけるサイクル1から過剰増殖性疾患を治療するために使用され得る)を除いて許容される。
4.試験薬の最初の投与前28日以内に、別の治験薬による治療を受けるか、または治験薬による治療を受けていた。注:参加者がCOVID-19の徴候または症状を治療するために何らかの治療を受けなければならなかった場合、試験依頼者の医療モニターに連絡する必要がある。
5.試験薬物の最初の用量の28日前以内の任意の時点で、ESA、G-CSFもしくはGM-CSF、ロミプロスチン、またはエルトロンボパグによる治療を受けている参加者。
6.試験薬物の最初の投与前の28日間または5半減期(いずれか長い方)以内に、CYP3A4/5の効力のある/強力な阻害剤または誘導剤による治療を受けること、または試験中にそのような治療を受けることが予想されること。
7.試験薬の最初の投与前28日以内の任意の事前放射線療法。単一部位または小領域への緩和的放射線療法は、試験薬の初回投与前に少なくとも1週間のウォッシュアウトで可能になる。
8.該当する場合、MDSまたはMM以外の任意の血液悪性腫瘍の存在。
9.過去5年間の活性浸潤性悪性腫瘍。例外には、治験責任医師の裁量で参加する資格があり得る、早期基底細胞もしくは扁平上皮皮膚癌、子宮頸部の上皮内癌の完全切除、または甲状腺乳頭癌及び甲状腺濾胞癌の完全切除を受けた参加者が含まれる。放射線または手術で治療された前立腺癌等の緩徐進行型の挙動を有する悪性腫瘍を有する参加者は、受けた治療法で治癒したと合理的に予想される限り、登録され得る。
10.CNSが関与する既知の活動性疾患。
11.最近(過去12ヶ月以内)の不安定狭心症もしくは急性心筋梗塞、またはニューヨーク心臓病学会クラスIIIもしくはIVのうっ血性心不全、または薬物治療によって制御されない臨床的に有意な不整脈を含む、臨床的に有意なまたは制御されていない心疾患の病歴。最初の投与量の試験薬の前の少なくとも1ヶ月間、ペースメーカー及び十分に制御された律動を有する参加者は許容される。
12.治験責任医師の意見で臨床的に意味のある異常なECGの病歴または存在。450ミリ秒を超えるスクリーニングQTc間隔は、試験依頼者の医療モニターによって承認されない限り除外される。脳室内伝導遅延(QRS間隔120ミリ秒)を有する参加者の場合、JTc間隔は、試験依頼者の承認を得てQTcの代わりに使用され得る。左束分岐ブロックを有する参加者は除外される。ペースメーカーによるQTc延長を有する参加者は、試験依頼者の医療モニターからの事前承認を得て登録することができる。
13.全身性抗生物質、抗真菌剤、または抗ウイルス剤による治療を必要とする慢性または現在の活動性感染症の存在。抗生物質、抗真菌または抗ウイルス治療の使用を必要とする急性感染の参加者は、抗生物質抗真菌または抗ウイルス治療の経過が完了し、感染がもはや活動的でなくなるまで、スクリーニング/登録を遅らせるべきである。
14.慢性肝疾患(例えば、慢性アルコール性肝疾患、自己免疫性肝炎、硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、ヘモクロマトーシス、非アルコール性脂肪性肝炎)の診断を受けた参加者。
15.活動性A型肝炎、HBV、もしくはHCV感染が知られている、またはHIV陽性であることが知られている参加者。
16.RBCパック及び血小板輸血を含む血液成分の輸血を望まない。
17.試験薬の投与及び必要な試験来院への参加を含む、試験への完全な参加を妨げる治験責任医師の判断による症状(例えば、用量スケジュール及び試験評価を遵守することができない、可能性が低い、または望まない)、参加者に重大なリスクをもたらす、または研究データの解釈を妨げる。
18.試験要件を遵守する能力を妨げる活性アルコールまたは薬物中毒。
19.試験薬の初回投与前28日以内に投薬(すなわち、食道炎の現在の症候性または内視鏡的所見)で制御されなかった胃食道逆流疾患。
20.安定したグレード2末梢神経障害等、解消すると予想されない安定した慢性毒性(≦グレード2)を除いて、以前の治療からグレード2以上の未解決の毒性を有する。
21.化合物Aを含む医薬組成物中の任意の活性物質または賦形剤の使用に対する既知の過敏症、重篤な反応、または任意の既知の禁忌。
22.妊娠中または授乳中の女性。
23.経口薬を嚥下及び保持することができない。
24.禁止薬物の現在の使用。
25.表3に定義されるスクリーニング時の検査値を有する参加者。
Figure 2023530316000012
一次分析及び試験終了
一次分析は、全ての参加者が少なくとも6ヶ月の試験薬物治療を完了し、サイクル6で全ての安全性評価を完了した後、または試験薬物を早期に中止した後に行われる。化合物Aを依然として受けており、臨床的利益を得ており、研究終了時に進行性疾患の証拠を何ら有していない参加者は、化合物Aによる治療を受け続ける選択肢を有し得る。試験の終了は、全ての参加者が治療を中断し、適用可能な安全性追跡調査を完了したとき、または試験依頼者が試験を終了したときに起こる。
実施例2:MF誘導性貧血のための臨床プロトコル
この試験は、輸血依存性または症候性貧血を呈するMF患者において、化合物A単独(治療群A[TGA])またはルキソリチニブと組み合わせて(治療群B[TGB])を評価する第1/2相非盲検多施設用量漸増及び拡大試験である。TGAについては、JAK阻害剤で以前に治療されていなければならない(少なくとも12週間にわたって、JAK阻害剤に対して抵抗性、難治性または応答喪失である)、または不耐性である、またはJAK阻害剤治療を受ける資格がなく(例えば、重度の貧血のためにJAK阻害剤治療を受けなかった、及び/または貧血のためのものを除いて症状がなく、脾腫もない参加者)、動的国際予後スコアリングシステム(DIPSS)によるリスクカテゴリーが中間-2または高であり、TGBの場合、患者は、試験治療の最初の用量の前に12週間以上連続してルキソリチニブの治療的かつ安定なレジメンを受けており、DIPSSリスクカテゴリーが中-1もしくは-2、または高でなければならない。適格患者であるためには、18歳以上でなければならず、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)のパフォーマンスステータスが用量漸増段階では0~1、または用量拡大段階では0~2であり、平均余命が6ヶ月を超えていなければならず、また、組織学的に確認された原発性または続発性(真性赤血球増加症後、本態性血小板血症後)MFを有していなければならない。
患者が何らかの他の血液悪性腫瘍を有する場合、同種幹細胞移植または自家幹細胞移植を受けたことがある場合、試験薬の初回投与後28日以内に大手術を受けたことがある場合、あるいは事前の化学療法、免疫調節薬、免疫抑制療法、生物学的療法、内分泌療法もしくは標的療法、または抗体/低メチル化剤を、試験薬の最初の用量の5半減期または28日前に受けた場合、患者は不適格である。
試験のパート1(用量漸増)では、患者をTGAまたはTGBに登録する。化合物A単独療法は、TGA中50mg/日の開始用量(28日間サイクル)で経口投与される。用量漸増段階は、ベイズ最適区間設計を使用して最大耐量(MTD)を決定し、治療関連毒性グレード≧2が観察されるまで用量の増加は100%(2倍)を超えない。TGBでの用量漸増は、TGAで安全かつ忍容可能であると決定された最大評価用量未満の2つの用量レベルから開始し(推奨用量拡張[RDE])、TGBの患者は、ルキソリチニブと組み合わせて化合物Aを受ける。パート1の各治療群では、24人以下の患者が用量漸増段階で治療される。パート2(用量拡大)では、TGB中のRDEを、約25人の患者においてルキソリチニブと組み合わせて評価することになる。患者は最大12ヶ月間治療を受け、患者が臨床的利益を得ており、進行性疾患の証拠がない場合、治療を継続することができる。
主な試験目的は、化合物A単独療法またはルキソリチニブと組み合わせた化合物Aの安全性及び忍容性を決定することである(有害事象[AE]の頻度及び重症度、身体検査、ならびにバイタルサイン及び検査値のモニタリング、ならびにTGBに対する用量制限毒性、MTD及びRDEの同定によって評価する)。二次目的は、化合物A単独療法またはルキソリチニブと組み合わせた化合物Aの有効性を決定し(貧血応答、貧血応答の持続時間、ヘモグロビンのベースラインからの平均変化、及び24週目及び48週目までのRBC輸血率によって評価した)、化合物Aの薬物動態を評価し、ヘプシジンレベル、鉄ホメオスタシス及び赤血球生成に対する単独療法またはルキソリチニブと組み合わせた化合物Aの効果を評価することである。
実施例3:マウスアデニン誘発慢性腎臓病モデル
慢性腎臓疾患に関連する貧血は、肝ホルモンヘプシジンに関連している(Akchurin et al.,Am.J.Physiol.Renal Physiol.,2016)。したがって、ALK2の阻害によるヘプシジンレベルの低下は、疾患のこの態様に対抗するための有用な治療戦略であろう。この仮説を試験するために、貧血も引き起こす慢性腎疾患のマウスモデルを使用した。経口投与されたアデニンは、2,8-ジヒドロキシアデニンに代謝され、腎臓の尿細管で結晶化する。この代謝産物の蓄積は、腎障害(腎症)、炎症、及びその後の貧血を引き起こす。マウス(典型的には、6週齢~10週齢の雄C57B/6マウス)に、アデニン(最大用量50mg/kg QD)を強制経口投与により28日間投与する。この期間中、マウスを腎機能及び血液学における変化について毎週監視する。貧血発症を採血によって追跡して、赤血球数、ヘモグロビンレベル、及びヘマトクリットを含む全血球数(CBC)を測定する。これらの血液パラメータにおける滴は、貧血を示すであろう。貧血発症は、28日間のアデニン投与後に起こることが分かっており、経口アデニンの停止後数週間続く(Rahman et al.,PLoS One,2018)。腎機能の変化は、アデニン投与の10日以内に検出可能であり(Jia et al.,BMC Nephrology,2013;Rahman et al.,PLoS One,2018)、クレアチニン及び血中尿素窒素(BUN)の血漿レベルの分析によって監視される(Rahman et al.,PLoS One,2018)。血漿クレアチニン、血漿BUN及び尿タンパク質の増加(>2倍)は腎損傷を示す。体重はまた、全体的な健康状態の徴候として毎週監視される。
他の箇所に記載されているように、内部パイロット研究は、腎障害がアデニン投与の10日間以内に起こり、ヘプシジンレベルがアデニン投与の3~4週間以内に増加し、ヘモグロビン及びヘマトクリットのレベルがアデニン投与の4週間後に低下することを示している(Rahman et al.,PLoS One,2018)。
研究は、獣医の監督下で、Incyte IACUCによって確立され承認されたガイドライン及びプロトコルに従って行われる。
結果
ALK2阻害剤が腎損傷によって引き起こされる貧血を軽減する能力を調べるために、雄C57BL/6マウス(Charles River Laboratories)に経口アデニン(45mg/kg QD)を28日間投与した。マウスのコホートにもビヒクル溶液を投与して、比較のために正常血中レベルのベースラインを維持した(n=10)。CBCによる血液パラメータの変化及び体重の変化についてマウスを毎週監視した。アデニンの最初の投与の14日後から開始して、アデニンを受けているマウスに、30mg/kg QD(n=8)または100mg/kg QD(n=9)のいずれかの化合物A、あるいはビヒクル対照(n=10)を投与した。マウスに、アデニン投与停止後14日間を含む21日間投薬した。最終分析を、化合物Aの最後の投与の1週間後、アデニン投与開始の42日後に行った。この実験の結果を図1に示す。左パネルは、試験の42日目のヘモグロビンレベルを示す。アデニン及びビヒクルを投与したマウスは、ヘモグロビンレベルの減少によって示されるように、貧血の徴候を示したが、アデニンを含まないビヒクルを投与したマウスは、正常なヘモグロビンレベルを示した。化合物Aは、このモデルにおいてヘモグロビン(HGB)レベルを用量依存的に改善した。アデニンを投与したマウスでは、化合物A処置マウスにおけるHGBレベルの変化は、ビヒクル処置マウスと比較した場合に有意に増加した。更に、化合物Aによる貧血の減少は、図1の右側のパネルに示すように、体重によって決定されるように、全体的な健康の増加をもたらした。化合物Aを投与したマウスは、化合物Aを含まないアデニンを投与したマウスと比較して体重が増加した。
化合物Aの投与を、ヘプシジンレベルが上昇した時点で、ほぼアデニン投与で、腎疾患の進行が遅くなるように開始することの効果を調べるための試験を行った。雄C57BL/6マウスに、経口アデニン(45mg/kg QD)を28日間投与した。マウスのコホートにもビヒクル溶液を投与して、比較のために正常血中レベルのベースラインを維持した(n=8)。CBCによる血液パラメータの変化及び体重の変化についてマウスを毎週監視した。アデニンを投与されたマウスには、30mg/kg QD(n=8)または100mg/kg QD(n=8)のいずれかの化合物A、あるいはビヒクル対照(n=8)を投与した。化合物Aの投与は、アデニン投与開始後14または21日のいずれかで開始し、21日間継続し、その後、血液分析まで更に1週間続けた。14日目に開始した投与は、ヘプシジンの増加が起こる前に開始したため、「予防的」と呼ばれた。21日目に開始した投与は、投与がヘプシジンレベルの上昇と一致したため、「同時」と呼ばれた。図2は、左のパネルにおける予防的投与及び右のパネルにおける同時投与の結果を示す。化合物Aの予防的投与は、ヘモグロビンレベルの用量依存的増加をもたらし、これらの動物における貧血の改善を示した。化合物Aの100mg/kg QD用量もまた、C57BL/6マウスについて正常範囲内にヘモグロビンレベルを回復させた。同様に、化合物Aの同時投与も、用量依存的なヘモグロビンレベルの有意な増加をもたらした。全体として、化合物Aは、このモデルにおいて生じる貧血を改善することができた。ヘモグロビンレベルの改善は、モデルにおける貧血の原因となるヘプシジンの増加の前に、またはそれと同時に投与しながら達成することができる。
開示された主題は、本明細書に記載された特定の実施形態及び実施例によって範囲が限定されるべきではない。実際、記載されたものに加えて、本開示の様々な変更は、前述の説明及び添付の図面から当業者には明らかになるであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
本明細書中に引用される全ての参考文献(例えば、刊行物または特許または特許出願)は、あたかも個々の参考文献(例えば、刊行物または特許もしくは特許出願)が全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、その全体が全ての目的のために参照により本明細書中に組み込まれる。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。

Claims (48)

  1. 貧血の治療を必要とする対象における貧血の治療に使用するための、式Iの化合物:
    Figure 2023530316000013
    またはその薬学的に許容される塩であって、
    式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
    は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
    は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、
    前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
  2. がヒドロキシで置換された架橋C-シクロアルキルである、請求項1に記載の使用のための化合物。
  3. がテトラヒドロピランである、請求項1または2に記載の使用のための化合物。
  4. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  5. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の使用のための化合物。
  6. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の使用のための化合物。
  7. 前記対象が骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  8. 前記骨髄異形成症候群(MDS)が、多系統異形成を伴うMDS(MDS-MLD)、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)、過剰芽球を伴うMDS(MDS-EB)、孤立性del(5q)を伴うMDS、及び分類不能なMDS(MDS-U)からなる群から選択される、請求項7に記載の使用のための化合物。
  9. 前記対象が多発性骨髄腫(MM)に罹患している、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  10. 前記対象が骨髄線維症(MF)に罹患している、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  11. 前記貧血が鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  12. 前記対象が輸血依存性である、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  13. 前記対象が輸血依存性ではない、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  14. 前記式Iの化合物が経口投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  15. 前記式Iの化合物が貧血治療のための単独療法として投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  16. 前記式Iの化合物が、約5mg~約500mgの用量で1日1回(QD)投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  17. 前記式Iの化合物が、約50mgの用量で1日1回(QD)投与される、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  18. 前記式Iの化合物が、5mg、25mg、もしくは50mgの錠剤、またはそれらの組合わせとして投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  19. ヘプシジンレベルの低下を必要とする対象において、ヘプシジンレベルを低下させるために使用するための、式Iの化合物:
    Figure 2023530316000014
    またはその薬学的に許容される塩であって、
    式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
    は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
    は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、
    前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
  20. がヒドロキシで置換された架橋C-シクロアルキルである、請求項19に記載の使用のための化合物。
  21. がテトラヒドロピランである、請求項19または20に記載の使用のための化合物。
  22. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項19~21のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  23. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項22に記載の使用のための化合物。
  24. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項22に記載の使用のための化合物。
  25. 前記対象が貧血に罹患している、請求項19~24のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  26. 前記貧血が鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(IRIDA)である、請求項25に記載の使用のための化合物。
  27. 前記対象が輸血依存性である、請求項19~26のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  28. 前記対象が輸血依存性ではない、請求項19~26のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  29. 前記対象が骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している、請求項19~28のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  30. 前記骨髄異形成症候群(MDS)が、多系統異形成を伴うMDS(MDS-MLD)、単一系統異形成を伴うMDS(MDS-SLD)、過剰芽球を伴うMDS(MDS-EB)、孤立性del(5q)を伴うMDS、及び分類不能なMDS(MDS-U)からなる群から選択される、請求項29に記載の使用のための化合物。
  31. 前記対象が多発性骨髄腫(MM)に罹患している、請求項19~28のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  32. 前記対象が骨髄線維症(MF)に罹患している、請求項19~28のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  33. 前記式Iの化合物が経口投与される、請求項19~32のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  34. 前記式Iの化合物が、ヘプシジンレベルを低下させるための単剤療法として投与される、請求項19~33のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  35. 前記式Iの化合物が、約5mg~約500mgの用量で1日1回(QD)投与される、請求項19~34のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  36. 前記式Iの化合物が、約50mgの用量で1日1回(QD)投与される、請求項19~35のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  37. 前記式Iの化合物が、5mg、25mg、もしくは50mgの錠剤、またはそれらの組合わせとして投与される、請求項19~36のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  38. 慢性腎疾患(CKD)誘発性貧血の治療を必要とする対象における慢性腎疾患誘発性貧血の治療における使用のための、式Iの化合物:
    Figure 2023530316000015
    またはその薬学的に許容される塩であって、
    式中、Rは、ヒドロキシルまたはC-Cアルコキシで場合により1回、2回または3回置換されていてもよい架橋5~10員シクロアルキルであり、
    は、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cアルコキシ、3~6員シクロアルキル、及び3~6員ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、これらは全て、Rで場合により置換されており、
    は、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、SO-C-Cアルキル、及びSOHからなる群から選択される、
    前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
  39. がヒドロキシで置換された架橋C-シクロアルキルである、請求項38に記載の使用のための化合物。
  40. がテトラヒドロピランである、請求項38または39に記載の使用のための化合物。
  41. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-(3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項38~40のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  42. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ-[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1R,5S)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ-[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求41に記載の使用のための化合物。
  43. 前記式Iの化合物が、2-アミノ-N-(4-ヒドロキシビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-(4-((1S,5R)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)フェニル)ニコチンアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項41に記載の使用のための化合物。
  44. 前記式Iの化合物が経口投与される、請求項38~43のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  45. 前記式Iの化合物が、慢性腎疾患(CKD)誘発性貧血を治療するための単独療法として投与される、請求項38~44のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  46. 前記式Iの化合物が、約5mg~約500mgの用量で1日1回(QD)投与される、請求項38~45のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  47. 前記式Iの化合物が、約50mgの用量で1日1回(QD)投与される、請求項38~45のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  48. 前記式Iの化合物が、5mg、25mg、もしくは50mgの錠剤、またはそれらの組合わせとして投与される、請求項38~47のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
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