JP2023171743A - ホログラム積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】体積ホログラムは、体積ホログラム自身を原版として用い、体積ホログラムに複製用の感光材料を密着させて、感光材料側よりレーザーを照射することで、複製が可能となってしまう。偽造防止効果および意匠性に優れるホログラム積層体を提供する。【解決手段】体積ホログラム層3と、上記体積ホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光透過部および光反射部を有する金属層6と、を有する、ホログラム積層体10。【選択図】図1

Description

本開示は、ホログラム積層体に関する。
ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させて物体光の波面を干渉縞として感光材料に記録したものである。このホログラムに干渉縞記録時の参照光と同一条件の光を当てると干渉縞による回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生できる。ホログラムは、外観が美しく、複製が比較的困難である等の利点を有することから、セキュリティ用途等に多く使用されている。
ホログラムは、干渉縞の記録形態によっていくつかの種類に分類することができるが、代表的にはレリーフホログラムと体積ホログラムとに分けることができる。レリーフホログラムは、ホログラム層の表面に微細な凹凸パターンが賦型されたものである。一方、体積ホログラムは、光の干渉によって生じる干渉縞が、屈折率の異なる縞として厚み方向に三次元的に記録されたものである。体積ホログラムは、材料の屈折率差によって像が記録されたものであるため、レリーフホログラムに比べて複製することが困難である。
体積ホログラムは、ホログラム原版を用いて工業的に量産することが可能である。そのため、体積ホログラム自身を原版として用い、体積ホログラムに複製用の感光材料を密着させて、感光材料側よりレーザーを照射することで、複製が可能となってしまう。
そこで、偽造防止効果に優れるホログラムが望まれている。
例えば特許文献1、2には、偽造防止効果を高めるために、体積ホログラムとレリーフホログラムとが積層されているホログラム積層体が開示されている。
しかしながら、近年においてはホログラムを簡易的に複製する技術が普及し始めており、単にホログラムを用いるのみでは偽造防止手段としては不十分であることが指摘されている。
特開平6-118864号公報 特開2002-278434号公報
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、偽造防止効果および意匠性に優れるホログラム積層体を提供することを主目的とする。
本開示の一実施形態は、体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光透過部および光反射部を有する金属層と、を有する、ホログラム積層体を提供する。
本実施形態のホログラム積層体は、上記金属層の上記体積ホログラム層とは反対側の面に、レリーフホログラム層を有することが好ましい。この場合、上記金属層は、上記レリーフホログラム層の凹凸側の面に配置されていることが好ましい。
また、本実施形態のホログラム積層体は、上記体積ホログラム層の上記金属層とは反対側の面に、上記体積ホログラム層側から順に、接着層と、パターン状の発色部を有するレーザー発色層と、支持体とを有していてもよい。
本開示の他の実施形態は、レリーフホログラム層と、上記レリーフホログラム層の一方の面に配置され、ドット状の光透過部および光反射部を有する金属層と、を有する、ホログラム積層体を提供する。
また、本開示の他の実施形態は、レリーフホログラム層と、上記レリーフホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光半透過部および光反射部を有する金属層と、を有する、ホログラム積層体を提供する。
本実施形態のホログラム積層体は、上記金属層の上記レリーフホログラム層とは反対側の面に、体積ホログラム層を有することが好ましい。
本開示の他の実施形態は、上述のホログラム積層体を有する、カードを提供する。
本開示の他の実施形態は、上述のホログラム積層体を有する、ホログラム転写箔を提供する。
本開示の他の実施形態は、上述のホログラム積層体を有する、ホログラムラベルを提供する。
本開示の他の実施形態は、上述のホログラム積層体を有する、データページを提供する。
本開示の他の実施形態は、上述のデータページを備える、冊子類を提供する。
本開示においては、偽造防止効果および意匠性に優れ、可変情報の付与も可能なホログラム積層体を提供することができる。
本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 本開示におけるホログラム積層体を例示する概略断面図および平面図である。 実施例1のホログラム積層体の写真である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
また、本明細書において、「シート」には、「フィルム」と呼ばれる部材も含まれる。
また、「フィルム」には、「シート」と呼ばれる部材も含まれる。
以下、本開示におけるホログラム積層体、ならびにそれを用いたカード、ホログラム転写箔、ホログラムラベル、データページおよび冊子類について詳細に説明する。
A.ホログラム積層体
本開示におけるホログラム積層体は、3つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
I.第1実施態様
本実施態様のホログラム積層体は、体積ホログラム層と、上記体積ホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光透過部および光反射部を有する金属層と、を有する。
本実施態様のホログラム積層体について図を参照しながら説明する。図1は、本実施態様のホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、ホログラム積層体10は、体積ホログラム層3と、体積ホログラム層3の一方の面に配置され、パターン状の光透過部6aおよび光反射部6bを有する金属層6と、を有している。また、ホログラム積層体10は、さらに必要に応じて任意の層を有していてもよく、図1においては、支持体1と、第1接着層2と、体積ホログラム層3と、第1保護層4と、第2接着層5と、金属層6と、第2基材7とが順に配置されている。
ここで、本明細書において、パターン状の光透過部における「パターン」とは、後述するように、文字、図形、記号、またはこれらの組み合わせ等をいう。なお、図形には、例えば、多角形、円形、楕円形、星形等の単純な図形の他に、ストライプ、格子、絵柄、バーコード、二次元コード等も含まれる。
図2(a)、(b)は、図1に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図2(b)は図2(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図2(a)、(b)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から所定の角度以外の角度で光をホログラム積層体10に照射すると、金属層6はパターン状の光透過部6aおよび光反射部6bを有していることから、光透過部6aおよび光反射部6bでの光の明暗のコントラストによって、光透過部6aによる所定のパターンIbを観察することができる。具体的には、金属層6は数字「1」のパターン状の光透過部6aを有しており、観察者21側から所定の角度以外の角度で光を照射すると、金属層6の光透過部6aによる数字「1」のパターンIbを観察することができる。
図3(a)、(b)は、図1に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図3(b)は図3(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図3(a)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から所定の角度で再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、体積ホログラム層3に記録されている干渉縞による光の回折によって像が再生される。このとき、金属層6は、パターン状の光透過部6aおよび光反射部6bを有しており、光透過部6aでは光が透過可能であることから、図3(b)に示すように、金属層6の光透過部6aおよび光反射部6bでの光の明暗のコントラストによって、光透過部6aによる所定のパターンIbを観察することができるとともに、金属層6の光透過部6aにおいて体積ホログラム層3で再生された像Iaを観察することができる。具体的には、金属層6は数字「1」のパターン状の光透過部6aを有しており、観察者21側から所定の角度で再生照明光を照射すると、金属層6の光透過部6aによる数字「1」のパターンIbを観察することができるとともに、金属層6の光透過部6aにおいて、体積ホログラム層3で再生された星の像Iaを観察することができる。
このように本実施態様においては、パターン状の光透過部および光反射部を有する金属層が配置されていることにより、所定の角度以外の角度では金属層の光透過部による所定のパターンを観察することができ、一方で、所定の角度では金属層の光透過部による所定のパターンとともに金属層の光透過部において体積ホログラム層の再生像を観察することができる。よって、体積ホログラム層の存在を分かりにくくすることができ、偽造防止効果を向上させることができる。また、意匠性を向上させることもできる。さらに、例えばレーザー照射により金属層に光透過部を形成する場合には、パターン状の光透過部によって、例えば氏名、ID、シリアル番号、バーコード、二次元コード等の可変情報をホログラム積層体毎に付与することができ、ホログラム積層体をバリアブルな情報記録媒体として用いることができる。
図4は、本実施態様のホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。図4に例示するように、ホログラム積層体10は、体積ホログラム層3と、体積ホログラム層3の一方の面に配置され、パターン状の光透過部6aおよび光反射部6bを有する金属層6と、を有しており、金属層6の体積ホログラム層3とは反対側の面にレリーフホログラム層8が配置されている。また、ホログラム積層体10は、さらに必要に応じて任意の層を有していてもよく、図4においては、支持体1と、第1接着層2と、体積ホログラム層3と、第1保護層4と、第2接着層5と、金属層6と、レリーフホログラム層8と、第2基材7とが順に配置されている。また、金属層6は、レリーフホログラム層8の凹凸構造側の面に配置されており、反射層として機能することができる。なお、金属層6においては、光反射部6bだけでなく光透過部6aも反射層として機能し得る。
図5(a)、(b)は、図4に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図5(b)は図5(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図5(a)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から所定の角度以外の角度で再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、レリーフホログラム層8に記録されている干渉縞による光の回折によって像が再生される。このとき、金属層6は、パターン状の光透過部6aおよび光反射部6bを有することから、図5(b)に示すように、金属層6の光透過部6aおよび光反射部6bでの光の明暗のコントラストによって、光透過部6aによる所定のパターンIbを観察することができるとともに、レリーフホログラム層8で再生された像Icを観察することができる。具体的には、金属層6は格子状の光透過部6aを有しており、観察者21側から所定の角度以外の角度で再生照明光を照射すると、金属層6の光透過部6aによる格子のパターンIbを観察することができるとともに、レリーフホログラム層8で再生された文字「A」の像Icを観察することができる。
図6(a)、(b)は、図4に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図6(b)は図6(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図6(a)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から所定の角度で再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、体積ホログラム層3に記録されている干渉縞による光の回折によって像が再生される。このとき、上述したように、金属層6は、パターン状の光透過部6aおよび光反射部6bを有しており、光透過部6aでは光が透過可能であることから、図6(b)に示すように、金属層6の光透過部6aおよび光反射部6bでの光の明暗のコントラストによって、光透過部6aによる所定のパターンIbを観察することができるとともに、金属層6の光透過部6aにおいて体積ホログラム層3で再生された像Iaを観察することができる。具体的には、金属層6は格子状の光透過部6aを有しており、観察者21側から所定の角度で再生照明光を照射すると、金属層6の光透過部6aによる格子のパターンIbを観察することができるとともに、金属層6の光透過部6aにおいて、体積ホログラム層3で再生された星の像Iaを観察することができる。
本実施態様において、金属層の体積ホログラム層とは反対側の面にレリーフホログラム層が配置されている場合には、所定の角度以外の角度では金属層の光透過部による所定のパターンとともにレリーフホログラム層の再生像を観察することができ、一方で、所定の角度では金属層の光透過部による所定のパターンとともに金属層の光透過部において体積ホログラム層の再生像を観察することができる。よって、体積ホログラム層の存在を一層分かりにくくすることができ、偽造防止効果を向上させることができる。さらに、意匠性を向上させることもできる。
以下、本実施態様のホログラム積層体の各構成について説明する。
1.金属層
本実施態様における金属層は、体積ホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光透過部および光反射部を有する。
金属層の光透過部は光を透過する。金属層の光透過部において、特定波長の分光透過率は、例えば、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。光透過部における特定波長の分光透過率が上記範囲であることにより、所定の角度で再生照明光をホログラム積層体に照射したときに、金属層の光透過部において体積ホログラム層の再生像を観察しやすくすることができる。
また、金属層の光透過部によるパターンを観察しやすくすることもできる。
ここで、特定波長は、体積ホログラム層の再生波長であり、可視光領域の一部の波長である。
なお、金属層の光透過部における特定波長の分光透過率とは、ホログラム積層体から体積ホログラム層を除いた構成において、金属層の光透過部が配置されている領域での特定波長の分光透過率をいう。例えば、第2基材と金属層とを有する積層体や、第2基材とレリーフホログラム層と金属層とをこの順に有する積層体において、金属層の光透過部が配置されている領域での特定波長の分光透過率である。
金属層は、パターン状の光透過部を有していればよく、金属層において、光透過部が全体的にパターン状に配置されていてもよく、局所的にパターン状に配置されていてもよい。例えば、図5(a)、(b)は金属層6において光透過部6aが全体的にパターン状に配置されている例であり、図3(a)、(b)は金属層6において光透過部6aが局所的にパターン状に配置されている例である。
また、金属層の面積に対するパターン状の光透過部の合計面積の割合、すなわち、パターン状の光透過部の面積率は、光透過部のパターン形状に応じて異なるが、例えば、0.5%以上50%以下であり、1%以上30%以下であってもよく、5%以上25%以下であってもよい。光透過部の面積率が少なすぎると、光透過部における体積ホログラム層の再生像の観察が困難になる可能性がある。また、光透過部の面積率が多すぎると、体積ホログラム層の存在が分かりやすくなる可能性がある。
光透過部の平面視のパターン形状としては、光透過部において体積ホログラム層の再生像を観察することができれば特に限定されるものではなく、例えば、文字、図形、記号、またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。なお、図形には、例えば、多角形、円形、楕円形、星形等の単純な図形の他に、ストライプ、格子、絵柄、バーコード、二次元コード等も含まれる。
例えば、金属層において光透過部が全体的にストライプ状や格子状等に配置されている場合には、ストライプ状や格子状等の光透過部を透かして、金属層の全体で体積ホログラム層の再生像を観察することができる。また、例えば、金属層において文字、図形、記号等のパターンの光透過部が局所的に配置されている場合には、文字、図形、記号等のパターンの光透過部を透かして、金属層の一部で体積ホログラム層の再生像を観察することができる。
また、光透過部によって、例えば、氏名、ID、シリアル番号、バーコード、二次元コード等の可変情報をホログラム積層体毎に付与することができ、ホログラム積層体をバリアブルな情報記録媒体として用いることができる。
また、光透過部の線幅は、光透過部において体積ホログラム層の再生像を観察することができれば特に限定されるものではなく、光透過部のパターン形状等に応じて適宜選択される。
例えば光透過部がストライプ状や格子状である場合、光透過部の線幅は、5μm以上300μm以下であり、10μm以上100μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよい。光透過部の線幅が小さすぎると、光透過部における体積ホログラム層の再生像の観察が困難になる可能性や、光透過部のパターンの観察が困難になる可能性がある。また、光透過部の線幅が大きすぎると、体積ホログラム層の存在が分かりやすくなる可能性がある。
また、例えば光透過部がストライプ状または格子状である場合、ストライプのピッチまたは格子の間隔は、10μm以上500μm以下であり、30μm以上400μm以下であってもよく、100μm以上250μm以下であってもよい。ストライプのピッチや格子の間隔が小さすぎると、光透過部のパターンの観察が困難になる可能性や、光透過部のパターンの形成が困難になる可能性がある。また、ストライプのピッチや格子の間隔が大きすぎると、光透過部における体積ホログラム層の再生像の観察が困難になる可能性がある。
なお、光透過部の寸法は、例えば光学顕微鏡やレーザー顕微鏡等によりホログラム積層体の表面を観察することにより測定することができる。
金属層の材料としては、レーザー照射によって、金属層表面を酸化等、変質させる、または金属層を除去することにより、金属層に光透過部を形成することが可能な金属材料であれば特に限定されるものではない。中でも、金属層の材料は、レーザー照射によって金属層表面を酸化等、変質させることが可能な金属材料であることが好ましい。例えば、アルミニウム、亜鉛、インジウム、錫、チタン等が挙げられる。中でも、アルミニウムが好ましい。金属層は、上述したように、レリーフホログラム層の凹凸構造側の面に配置される反射層として機能することができ、アルミニウム膜が汎用されている。
なお、金属層表面を酸化等、変質させることによって、金属層に光透過部を形成する場合、光透過部は、金属層表面が酸化等、変質された部分となる。この場合、光透過部は、光反射部と同様に、反射性を有することができる。
金属層の厚さとしては、例えば、5nm以上1μm以下であり、10nm以上100nm以下であってもよい。金属層の厚さが薄すぎると、金属層の材料によっては金属層の光反射部における特定波長の分光透過率が高くなり、体積ホログラム層の存在が分かりやすくなる可能性がある。また、金属層の厚さが厚すぎると、光透過部の形成が困難になる可能性がある。
金属層の形成方法としては、例えば、第2基材の一方の面に金属層を形成した後、レーザー照射により金属層に光透過部を形成する方法が挙げられる。第2基材の一方の面に金属層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等が挙げられる。
また、レーザー照射により金属層に光透過部を形成する方法としては、一般的な金属層のレーザーマーキング方法を適用することができる。
後述するように、体積ホログラム層の金属層とは反対側の面に支持体が配置されている場合、金属層は、支持体の一方の面の全部に配置されていてもよく、支持体の一方の面の一部に配置されていてもよい。
また、後述するように、金属層の体積ホログラム層とは反対側の面にレリーフホログラム層が配置されている場合、金属層は、レリーフホログラム層の凹凸構造側の面に配置される反射層を兼ねることができる。
2.体積ホログラム層
本実施態様において、体積ホログラム層には干渉縞が記録されており、干渉縞により光が回折され、像が再生される。
本実施態様において、体積ホログラム層は、通常、反射型体積ホログラム層であり、いわゆるリップマンホログラムである。反射型体積ホログラム層とは、再生照明光を、体積ホログラム層の観察者側の面から照射することにより、像を再生することができる体積ホログラム層をいう。本実施態様においては、ホログラム積層体の金属層側から観察し、ホログラム積層体の金属層側から再生照明光を照射することにより、再生像を観察することができる。
体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像は、特に限定されるものではなく、適宜設計することができる。
体積ホログラム層は、透明であってもよく、半透明や不透明であってもよい。
体積ホログラム層に用いられる材料は、一般的な体積ホログラム層に用いられる材料と同様とすることができる。例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂、フォトレジスト、フォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料等の感光材料;等が挙げられる。
体積ホログラム層は、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤については、一般的な体積ホログラム層に用いられる添加剤と同様とすることができる。例えば、増感色素、微粒子、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色剤、および、バインダー樹脂等を挙げることができる。
体積ホログラム層に用いられる材料は、中でも、バインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する感光材料や、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を含有する感光材料を好適に用いることができる。
後述するように、体積ホログラム層の金属層とは反対側の面に支持体が配置されている場合、体積ホログラム層は、支持体の一方の面の全部に配置されていてもよく、支持体の一方の面の一部に配置されていてもよい。
体積ホログラム層は、金属層と平面視上重なるように配置される。具体的には、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像が、金属層の光透過部と平面視上重なるように配置される。これにより、ホログラム積層体の金属層側から観察する場合に、金属層によって体積ホログラム層の存在を分かりにくくすることができ、また、金属層の光透過部において体積ホログラム層の再生像を観察することができ、偽造防止効果を向上させることができる。
なお、体積ホログラム層が、金属層と平面視上重なるように配置されているとは、体積ホログラム層の少なくとも一部が、金属層と平面視上重なっていることをいう。また、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像が、金属層の光透過部と平面視上重なるように配置されているとは、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像の少なくとも一部が、金属層の光透過部と平面視上重なっていることをいう。
また、後述するように、金属層の体積ホログラム層とは反対側の面にレリーフホログラム層が配置されている場合、体積ホログラム層は、レリーフホログラム層と平面視上重なるように配置されていてもよく、レリーフホログラム層と平面視上重ならないように配置されていてもよい。
体積ホログラム層が、レリーフホログラム層と平面視上重なるように配置されている場合においては、具体的には、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像が、レリーフホログラム層に記録された干渉縞により再生される像と平面視上重なるように配置される。これにより、ホログラム積層体のレリーフホログラム層側から観察する場合に、レリーフホログラム層によって、体積ホログラム層の存在を分かりにくくすることができ、偽造防止効果を向上させることができる。
また、体積ホログラム層が、レリーフホログラム層と平面視上重ならないように配置されている場合においては、具体的には、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像が、レリーフホログラム層に記録された干渉縞により再生される像と平面視上重ならないように配置される。この場合、体積ホログラム層の再生像とレリーフホログラム層の再生像とを合わせることで一つの像を形成するように設計してもよい。体積ホログラム層の再生像とレリーフホログラム層の再生像とで一体的な意匠を形成することができる。
なお、体積ホログラム層が、レリーフホログラム層と平面視上重なるように配置されているとは、体積ホログラム層の少なくとも一部が、レリーフホログラム層と平面視上重なっていることをいう。また、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像が、レリーフホログラム層に記録された干渉縞により再生される像と平面視上重なるように配置されているとは、体積ホログラム層に記録された干渉縞により再生される像の少なくとも一部が、レリーフホログラム層に記録された干渉縞により再生される像と平面視上重なっていることをいう。
体積ホログラム層の厚さは、所望の干渉縞を記録できる程度の厚さであれば特に限定されるものではなく、ホログラム積層体の用途や、体積ホログラム層の材料等に応じて適宜設定される。体積ホログラム層の具体的な厚さについては、一般的な体積ホログラム層の厚さと同様とすることができる。
体積ホログラム層の形成方法としては、例えば、上記の材料を含有する体積ホログラム形成用層に対し、波長の等しい物体光と参照光とを干渉させて干渉縞を記録させる方法が挙げられる。具体的に、反射型体積ホログラム層の形成方法としては、体積ホログラム形成用層の一方の面から物体光を入射させ、他方の面から参照光を入射させて干渉縞を記録する方法が挙げられる。
3.レリーフホログラム層
本実施態様において、レリーフホログラム層は、干渉縞に相当する凹凸構造を表面に有する。
本実施態様においては、金属層の光透過部のパターンや体積ホログラム層の再生像を観察する際に、ホログラム積層体のレリーフホログラム層側の面に光源を配置し、レリーフホログラム層側の面から観察することから、レリーフホログラム層は、通常、透明性を有する。レリーフホログラム層の透明性については、一般的なレリーフホログラム層と同様とすることができ、ホログラム積層体の用途に応じて適宜調整することができる。
レリーフホログラム層に記録された干渉縞により再生される像は、特に限定されるものではなく、適宜設計することができる。
レリーフホログラム層に用いられる材料は、一般的なレリーフホログラム層に用いられる材料と同様とすることができる。例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミック材料、サーモクロミック材料、カルコゲンガラス等の感光材料;等が挙げられる。
レリーフホログラム層は、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤については、一般的なレリーフホログラム層に用いられる添加剤と同様とすることができる。
レリーフホログラム層の凹凸構造の形状等については、所望の再生像の発現が可能な形状であればよく、一般的なレリーフホログラム層の凹凸構造と同様に適宜決定することができる。
レリーフホログラム層においては、通常、レリーフホログラム層の凹凸構造側の面に反射層が配置される。レリーフホログラム層の凹凸構造側の面に反射層が配置されていることにより、凹凸構造の反射および回折効率を高めることができ、高輝度なレリーフホログラム層の再生像を発現させることができる。反射層については、上記金属層が反射層を兼ねていてもよく、金属層とは別に、レリーフホログラム層の凹凸構造側の面に透明反射層が配置されていてもよい。透明反射層については後述する。
また、本実施態様においては、ホログラム積層体の金属層側の面、すなわちレリーフホログラム層側の面から観察することから、レリーフホログラム層は、凹凸構造側の面が金属層と対向し、凹凸構造とは反対側の面が観察者および光源側になるように配置される。
レリーフホログラム層の厚さは、所望の干渉縞に相当する凹凸構造を形成できる程度の厚さであれば特に限定されるものではなく、ホログラム積層体の用途や、レリーフホログラム層の材料等に応じて適宜設定される。レリーフホログラム層の具体的な厚さについては、一般的なレリーフホログラム層の厚さと同様とすることができる。
レリーフホログラム層の形成方法としては、例えば、エンボス法、2P法等が挙げられる。
4.任意の構成
本実施態様のホログラム積層体は、上記の体積ホログラム層、金属層、レリーフホログラム層の他に、必要に応じて任意の構成を有していてもよい。任意の構成としては、特に限定されるものではなく、本実施態様のホログラム積層体の用途や製造方法に応じて所望の機能を有する構成を用いることができる。任意の構成としては、例えば、支持体、基材、保護層、接着層、プライマー層、レーザー発色層、透明反射層、ハードコート層、帯電防止層、印刷層、インキ受容層、離型層、着色層、セパレータ等が挙げられる。
例えば図1に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1保護層4とをこの順に有する体積ホログラム転写箔、ならびに、第2接着層5と金属層6と第2基材7とをこの順に有する金属ラベルを用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラム転写箔および金属ラベルをこの順に配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1保護層4、第2接着層5、金属層6および第2基材7がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図7(a)に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1保護層4とをこの順に有する体積ホログラム転写箔、ならびに、第2接着層5と金属層6と第2保護層9とをこの順に有する金属転写箔を用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラム転写箔および金属転写箔をこの順に配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1保護層4、第2接着層5、金属層6および第2保護層9がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図7(b)に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1基材11とをこの順に有する体積ホログラムラベル、ならびに、第2接着層5と金属層6と第2基材7とをこの順に有する金属ラベルを用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラムラベルおよび金属ラベルをこの順に配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1基材11、第2接着層5、金属層6および第2基材7がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図7(c)に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1基材11とをこの順に有する体積ホログラムシート、ならびに、第2接着層5と金属層6と第2基材7とをこの順に有する金属ラベルまたは第2接着層5と金属層6と第2保護層9とをこの順に有する金属転写箔を用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラムシートを配置し、体積ホログラムシートの支持体1とは反対側の面に透明シート14を介して金属ラベルまたは金属転写箔を配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1基材11、第3接着層15、透明シート14、第2接着層5、金属層6、および第2基材7または第2保護層9がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとし、透明シート14をオーバーシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図4に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1保護層4とをこの順に有する体積ホログラム転写箔、ならびに、第2接着層5と金属層6とレリーフホログラム層8と第2基材7とをこの順に有するレリーフホログラムラベルを用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラム転写箔およびレリーフホログラムラベルをこの順に配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1保護層4、第2接着層5、金属層6、レリーフホログラム層8および第2基材7がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図8(a)に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1保護層4とをこの順に有する体積ホログラム転写箔、ならびに、第2接着層5と金属層6とレリーフホログラム層8と第2保護層9とをこの順に有するレリーフホログラム転写箔を用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラム転写箔およびレリーフホログラム転写箔をこの順に配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1保護層4、第2接着層5、金属層6、レリーフホログラム層8および第2保護層9がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図8(b)に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1基材11とをこの順に有する体積ホログラムラベル、ならびに、第2接着層5と金属層6とレリーフホログラム層8と第2基材7とをこの順に有するレリーフホログラムラベルを用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラムラベルおよびレリーフホログラムラベルをこの順に配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1基材11、第2接着層5、金属層6、レリーフホログラム層8および第2基材7がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図8(c)に示すように、第1接着層2と体積ホログラム層3と第1基材11とをこの順に有する体積ホログラムシート、ならびに、第2接着層5と金属層6とレリーフホログラム層8と第2基材7とをこの順に有するレリーフホログラムラベルまたは第2接着層5と金属層6とレリーフホログラム層8と第2保護層9とをこの順に有するレリーフホログラム転写箔を用いて、支持体1の一方の面に体積ホログラムシートを配置し、体積ホログラムシートの支持体1とは反対側の面に透明シート14を介してレリーフホログラムラベルまたはレリーフホログラム転写箔を配置する場合、ホログラム積層体10において、支持体1、第1接着層2、体積ホログラム層3、第1基材11、第3接着層15、透明シート14、第2接着層5、金属層6、レリーフホログラム層8および第2基材7または第2保護層9がこの順に配置されていてもよい。この場合、例えば支持体1をコアシートとし、透明シート14をオーバーシートとすることで、ホログラム積層体10をカード等の情報記録媒体として用いることができる。
また、例えば図9(a)に示すように、第2基材7の一方の面に金属層6および体積ホログラム層3を順に配置する場合、ホログラム積層体10において、第2基材7、金属層6、プライマー層12、体積ホログラム層3、および第1接着層2がこの順に配置されていてもよい。この場合、ホログラム積層体10は、例えばホログラム転写箔、ホログラムラベル、埋込用ホログラムシートとして用いることができる。
また、例えば図9(b)に示すように、第2基材7の一方の面にレリーフホログラム層8、金属層6および体積ホログラム層3を順に配置する場合、ホログラム積層体10において、第2基材7、レリーフホログラム層8、金属層6、プライマー層12、体積ホログラム層3、および第1接着層2がこの順に配置されていてもよい。この場合、ホログラム積層体10は、例えばホログラム転写箔、ホログラムラベル、埋込用ホログラムシートとして用いることができる。
以下、任意の構成について説明する。
(1)支持体
本実施態様における支持体は、例えば、体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベルと、金属転写箔または金属ラベルとを貼付する被着体、あるいは、体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベルと、レリーフホログラム転写箔またはレリーフホログラムラベルとを貼付する被着体である。
本実施態様のホログラム積層体をカードとして用いる場合には、支持体は、カードのベースになる部材であり、コアシートである。コアシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂シートが挙げられる。コアシートは、例えば、樹脂シートから構成されていてもよく、樹脂シートの一方の面に着色層が配置されたものであってもよい。コアシートの外形は、カードの外形と同じである。
支持体は、透明であってもよく不透明であってもよい。支持体の色は、特に限定されず、任意の色とすることができる。
(2)第1基材および第2基材
本実施態様において、第1基材は、体積ホログラムラベルを用いてホログラム積層体を製造する場合に、体積ホログラムラベルにおいて体積ホログラム層を支持する部材である。また、第2基材は、金属ラベルやレリーフホログラムラベルを用いてホログラム積層体を製造する場合に、金属ラベルやレリーフホログラムラベルにおいて金属層やレリーフホログラム層を支持する部材である。また、第2基材は、第2基材の一方の面に、レリーフホログラム層、金属層、体積ホログラム層等の各層を順に形成する場合において、各層を支持する部材であってもよい。
第1基材および第2基材としては、体積ホログラム層や、金属層、レリーフホログラム層を支持できるものであれば特に限定されるものではなく、ホログラム積層体の用途に応じて適宜選択して用いることができる。
第1基材および第2基材としては、樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂等が挙げられる。
また、第1基材および第2基材の厚さは、ホログラム積層体の用途や種類等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、2μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上50μm以下である。
第1基材および第2基材は、体積ホログラム層や、金属層、レリーフホログラム層との密着性を高めることを目的として、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アンカーまたはプライマー処理等が挙げられる。プライマー剤としては、例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー剤を挙げることができる。
(3)第1保護層および第2保護層
本実施態様において、第1保護層は体積ホログラム層を保護する部材であり、体積ホログラム転写箔を用いてホログラム積層体を製造する場合に、転写された体積ホログラム層の物理的強度等を維持するものである。また、第2保護層は金属層やレリーフホログラム層を保護する部材であり、金属転写箔やレリーフホログラム転写箔を用いてホログラム積層体を製造する場合に、転写された金属層やレリーフホログラム層の物理的強度等を維持するものである。
第1保護層および第2保護層に用いられる材料としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等からなる群から選択される1種または2種以上を混合したものや、紫外線や電子線等に反応する電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。
第1保護層および第2保護層の厚さは、例えば、0.5μm以上5μm以下程度とすることができる。
(4)第1接着層および第2接着層
本実施態様において、第1接着層は、体積ホログラム転写箔や体積ホログラムラベルを用いてホログラム積層体を製造する場合に、体積ホログラム層と支持体とを接着させるための部材である。また、第1接着層は、第2基材の一方の面に、レリーフホログラム層、金属層、体積ホログラム層等の各層を順に形成する場合において、これらの層から構成される積層体を支持体に接着させるための部材であってもよい。また、第2接着層は、金属転写箔や金属ラベル、またはレリーフホログラム転写箔やレリーフホログラムラベルを用いてホログラム積層体を製造する場合に、金属層やレリーフホログラム層と体積ホログラム層とを接着させるための部材である。
体積ホログラム転写箔や、金属転写箔、レリーフホログラム転写箔を用いてホログラム積層体を製造する場合、第1接着層および第2接着層を構成する接着剤としては、ヒートシール剤が用いられる。
ヒートシール剤は、熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく、接着する部材の種類等に応じて適宜選択される。熱可塑性樹脂としては、例えば、マレイン酸変性塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン-イソブチルアクリレート共重合体、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アクリル系やメタクリル系等の(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメチルメタクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル系樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン・アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ヒートシール剤には、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、分散剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
体積ホログラム転写箔や、金属転写箔、レリーフホログラム転写箔を用いてホログラム積層体を製造する場合、第1接着層および第2接着層の厚さは、特に限定されるものではなく、接着する部材の種類等に応じて適宜選択されるが、例えば、0.3μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上25μm以下であることがより好ましい。
第1接着層および第2接着層の厚さが薄すぎると、接着性が不十分になる可能性がある。
また、第1接着層および第2接着層の厚さが厚すぎると、転写時の加熱温度が高くなりすぎて、他の部材に損傷が生じる可能性がある。
第1接着層および第2接着層にヒートシール剤を用いる場合、第1接着層および第2接着層は、単層であってもよく、多層であってもよい。多層の場合、同一組成の層が積層されていてもよく、異なる組成の層が積層されていてもよい。
体積ホログラムラベルや、金属ラベル、レリーフホログラムラベルを用いてホログラム積層体を製造する場合、第1接着層および第2接着層を構成する接着剤としては、例えば、ヒートシール剤、感圧接着剤等が挙げられる。
ヒートシール剤については、上述したので、ここでの説明は省略する。
感圧接着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等が挙げられる。中でも、耐久性および接着性に優れ、低コストであるアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。また、感圧接着剤は、溶剤型粘着剤であってもよく、無溶剤型粘着剤であってもよい。無溶剤型粘着剤としては、感光性粘着剤を用いることができる。
アクリル系粘着剤は、アクリル系樹脂を主剤とし、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤等が添加される。
感圧接着剤には、その性能を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。また、紫外線や可視光線の照射により硬化する感光性粘着剤を用いる場合には、重合開始剤が添加される。なお、電子線の照射により硬化する感光性粘着剤を用いる場合には、重合開始剤は添加されない。
体積ホログラムラベルや、金属ラベル、レリーフホログラムラベルを用いてホログラム積層体を製造する場合、第1接着層および第2接着層の厚さは、例えば、4μm以上200μm以下であり、好ましくは5μm以上100μm以下である。
(5)レーザー発色層
本実施態様においては、例えば図10(a)、(b)に示すように、支持体1と体積ホログラム層3との間に、パターン状の発色部12aを有するレーザー発色層13が配置されていてもよい。レーザー発色層は、レーザー照射により発色する部材であり、パターン状の発色部を有する。レーザー照射によって金属層に光透過部を形成する際に、同時にレーザー発色層に発色部を形成することができる。この場合、金属層の光透過部のパターンと、レーザー発色層の発色部のパターンとが同一となり、金属層の光透過部における体積ホログラム層の再生像の視認性や、金属層の光透過部のパターンの視認性を高めることができる。また、レーザー照射による熱によって金属層が脆くなる傾向にあることから、支持体から体積ホログラム層を剥がそうとすると、金属層が凝集破壊しやすくなる、または金属層とプライマー層との間で剥離しやすくなり、支持体側に体積ホログラム層およびレーザー発色層が残ることになる。よって、偽造防止効果を向上させることができる。
レーザー発色層は、バインダー樹脂およびレーザー発色剤を含有することができる。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
レーザー発色剤としては、例えば、染料、顔料等の着色剤や、粘土類等を挙げることができる。
また、レーザー発色層は、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。
レーザー発色層の厚さは、例えば、0.2μm以上200μm以下であり、1μm以上150μm以下であってもよく、20μm以上100μm以下であってもよい。
レーザー発色層の形成方法としては、例えば、支持体の一方の面にバインダー樹脂およびレーザー発色剤を含有する樹脂組成物を塗布する方法が挙げられる。また、レーザー発色層に発色部を形成する方法としては、レーザー照射が挙げられる。本実施態様においては、レーザー照射により、金属層に光透過部を形成すると同時に、レーザー発色層に発色部を形成することができる。
(6)透明反射層
本実施態様においては、金属層とレリーフホログラム層との間であって、レリーフホログラム層の凹凸構造側の面に、透明反射層が配置されていてもよい。
透明反射層としては、例えば特開2013-014081号公報、特開2014-02646号公報等に記載されている透明金属反射層や透明樹脂反射層等を用いることができる。
5.ホログラム積層体の使用態様
本実施態様のホログラム積層体は、例えば、カード等の情報記録媒体として用いてもよく、ホログラム転写箔、ホログラムラベル、埋込用ホログラムシートとして用いてもよい。また、ホログラム積層体は、データページに用いることができる。なお、カード、ホログラム転写箔、ホログラムラベル、データページについては、後述する。
6.ホログラム積層体の製造方法
本実施態様のホログラム積層体の製造方法は、上述のホログラム積層体を製造することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なホログラム積層体の製造方法と同様とすることができる。
例えば、体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベルと、金属転写箔または金属ラベルとを用い、支持体上に体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベルを貼付した後、体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベル上に金属転写箔または金属ラベルを貼付してもよい。また、例えば、体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベルと、レリーフホログラム転写箔またはレリーフホログラムラベルとを用い、支持体上に体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベルを貼付した後、体積ホログラム転写箔または体積ホログラムラベル上にレリーフホログラム転写箔またはレリーフホログラムラベルを貼付してもよい。
また、第2基材上に、レリーフホログラム層、金属層、体積ホログラム層等の各層を順に形成してもよい。
また、例えば、支持体上に体積ホログラム層、金属層、レリーフホログラム層を配置して、積層体を得た後、積層体にレーザーを照射して金属層に光透過部を形成することができる。また、金属転写箔、金属ラベル、レリーフホログラム転写箔、またはレリーフホログラムラベルを予め準備し、これにレーザーを照射して金属層に光透過部を形成した後、支持体上に貼付してもよい。
II.第2実施態様
本実施態様のホログラム積層体は、レリーフホログラム層と、上記レリーフホログラム層の一方の面に配置され、ドット状の光透過部および光反射部を有する金属層と、を有する。
本実施態様のホログラム積層体について図を参照しながら説明する。図11は、本実施態様のホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。図11に例示するように、ホログラム積層体10は、レリーフホログラム層8と、レリーフホログラム層8の一方の面に配置され、ドット状の光透過部6aおよび光反射部6bを有する金属層6と、を有している。また、ホログラム積層体10は、さらに必要に応じて任意の層を有していてもよく、図11においては、支持体1と、第2接着層5と、金属層6と、レリーフホログラム層8と、第2基材7とが順に配置されている。また、金属層6は、レリーフホログラム層8の凹凸構造側の面に配置されており、反射層として機能することができる。なお、金属層6においては、光反射部6bだけでなく光透過部6aも反射層として機能し得る。
図12(a)、(b)は、図11に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図12(b)は図12(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図12(a)、(b)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、レリーフホログラム層8に記録されている干渉縞による光の回折によって像Icが再生される。具体的には、観察者21側から再生照明光を照射すると、レリーフホログラム層8で再生された文字「A」の像Icを観察することができる。このとき、後述の図13(c)に示すように、金属層6は微細なドット状の光透過部6aを有することから、観察者21側から光を照射しても、微細なドット状の光透過部6aによるパターンは目視で観察できない。
図13(a)~(c)は、図11に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図13(b)は図13(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図であり、図13(c)は図13(b)のA部分の拡大図である。図13(a)~(c)に示すように、観察者21とは反対側に光源22を配置し、光源22から光をホログラム積層体10に照射すると、金属層6の光透過部6aを透過した光によって、微細なドット状の光透過部6aによる所定のパターンIbを観察することができる。具体的には、観察者21とは反対側から光を照射すると、金属層6の微細なドット状の光透過部6aによる数字「1」のパターンIbを観察することができる。
このように本実施態様においては、微細なドット状の光透過部および光反射部を有する金属層が配置されているため、ホログラム積層体を透かして見ることにより、金属層の微細なドット状の光透過部によるパターンを観察することができる。そのため、観察者側から光を照射したときには、レリーフホログラム層の再生像を観察することができ、一方で、観察者とは反対側から光を照射したときには、金属層の微細なドット状の光透過部によるパターンを観察することができる。よって、レリーフホログラム層によって、金属層のドット状の光透過部の存在を分かりにくくすることができ、偽造防止効果を向上させることができる。また、意匠性を向上させることもできる。さらに、例えばレーザー照射により金属層に光透過部を形成する場合には、微細なドット状の光透過部によって、例えば氏名、ID、シリアル番号、バーコード、二次元コード等の可変情報をホログラム積層体毎に付与することができ、ホログラム積層体をバリアブルな情報記録媒体として用いることができる。
図14は、本実施態様のホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。図14に例示するように、ホログラム積層体10は、体積ホログラム層3と、体積ホログラム層3の一方の面に配置され、パターン状の光透過部6aおよび光反射部6bを有する金属層6と、を有している。また、ホログラム積層体10は、さらに必要に応じて任意の層を有していてもよく、図14においては、支持体1と、第1接着層2と、体積ホログラム層3と、第1保護層4と、第2接着層5と、金属層6と、レリーフホログラム層8と、第2基材7とが順に配置されている。また、金属層6は、レリーフホログラム層8の凹凸構造側の面に配置されており、反射層として機能することができる。
図15(a)、(b)は、図14に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図15(b)は図15(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図15(a)、(b)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、レリーフホログラム層8に記録されている干渉縞による光の回折によって像Icが再生される。具体的には、観察者21側から再生照明光を照射すると、レリーフホログラム層8で再生された文字「A」の像Icを観察することができる。このとき、後述の図16(c)に示すように、金属層6は微細なドット状の光透過部6aを有することから、観察者21側から光を照射しても、微細なドット状の光透過部6aによるパターンは目視で観察できない。
図16(a)~(c)は、図14に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図16(b)は図16(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図であり、図16(c)は図16(b)のA部分の拡大図である。図16(a)~(c)に示すように、観察者21とは反対側に光源22を配置し、光源22から光をホログラム積層体10に照射すると、金属層6の光透過部6aを透過した光によって、微細なドット状の光透過部6aによる所定のパターンIbを観察することができる。具体的には、観察者21とは反対側から光を照射すると、金属層6の微細なドット状の光透過部6aによる数字「1」のパターンIbを観察することができる。
図17(a)、(b)は、図14に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図17(b)は図17(a)においてホログラム積層体10の支持体1側の面から観察したときの平面図である。図17(a)、(b)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から所定の角度で再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、体積ホログラム層3に記録されている干渉縞による光の回折によって像Iaが再生される。
具体的には、観察者21側から再生照明光を照射すると、体積ホログラム層3で再生された星の像Iaを観察することができる。このとき、上述の図16(c)に示すように、金属層6は微細なドット状の光透過部6aを有することから、観察者21側から光を照射しても、微細なドット状の光透過部6aによるパターンは目視で観察できない。
本実施態様において、金属層のレリーフホログラム層とは反対側の面に体積ホログラム層が配置されている場合には、所定の角度では反射層の光透過部において体積ホログラム層の再生像を観察することができ、レリーフホログラム層側から観察したときにはレリーフホログラム層の再生像を観察することができ、一方で、体積ホログラム層側から観察したときには体積ホログラム層の再生像を観察することができ、また、ホログラム積層体を透かして観察したときには金属層の微細なドット状の光透過部によるパターンを観察することができる。よって、偽造防止効果を向上させることができる。さらに、意匠性を向上させることもできる。
本実施態様において、金属層および支持体以外の構成は、上記第1実施態様と同様とすることができる。
以下、本実施態様のホログラム積層体における金属層および支持体について説明する。
1.金属層
本実施態様における金属層は、体積ホログラム層の一方の面に配置され、ドット状の光透過部および光反射部を有する。
金属層はドット状の光透過部を有していればよく、ドットは、例えば、網点処理により生成されるドットであってもよく、誤差拡散法により生成されるドットであってもよい。
網点処理の場合、ドットの大きさで階調を表現することができ、ドットの密度は一定である。一方、誤差拡散法の場合、ドットの密度で階調を表現することができ、ドットの大きさは一定である。
ドットの大きさは、例えば、5μm以上400μm以下であり、10μm以上200μm以下であってもよく、20μm以上150μm以下であってもよい。ドットの大きさが小さすぎると、ドット状の光透過部によるパターンの観察が困難になる可能性がある。また、ドットの大きさが大きすぎると、光透過部の存在が分かりやすくなる可能性がある。
また、金属層の面積に対するドット状の光透過部の合計面積の割合、すなわち、ドット状の光透過部の面積率は、例えば、0.5%以上50%以下であり、1%以上30%以下であってもよく、5%以上25%以下であってもよい。光透過部の面積率が小さすぎると、ドット状の光透過部によるパターンの観察が困難になる可能性がある。また、光透過部の面積率が大きすぎると、光透過部の存在が分かりやすくなる可能性がある。
ドット状の光透過部により表現されるパターンとしては、例えば、文字、図形、記号、またはこれらの組み合わせ等パターンや、顔写真、風景写真等の写真のパターン等が挙げられる。
また、ドット状の光透過部により表現されるパターンによって、例えば、氏名、ID、顔写真、シリアル番号、バーコード、二次元コード等の可変情報をホログラム積層体毎に付与することができ、ホログラム積層体をバリアブルな情報記録媒体として用いることができる。
金属層の材料、厚さ、形成方法、配置等については、上記第1実施態様と同様とすることができる。
2.支持体
本実施態様においては、ホログラム積層体を透かして見ることで、金属層のドット状の光透過部によるパターンを観察することができることから、支持体は透明である。
支持体のその他の点については、上記第1実施態様と同様とすることができる。
III.第3実施態様
本実施態様のホログラム積層体は、レリーフホログラム層と、上記レリーフホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光半透過部および光反射部を有する金属層と、を有する。
本実施態様のホログラム積層体について図を参照しながら説明する。図18は、本実施態様のホログラム積層体の一例を示す概略断面図である。図18に例示するように、ホログラム積層体10は、レリーフホログラム層8と、レリーフホログラム層8の一方の面に配置され、パターン状の光半透過部6cおよび光反射部6bを有する金属層6と、を有している。また、ホログラム積層体10は、さらに必要に応じて任意の層を有していてもよく、図18においては、支持体1と、第2接着層5と、金属層6と、レリーフホログラム層8と、第2基材7とが順に配置されている。また、金属層6は、レリーフホログラム層8の凹凸構造側の面に配置されており、反射層として機能することができる。なお、金属層6においては、光反射部6bだけでなく光半透過部6cも反射層として機能し得る。
図19(a)、(b)は、図18に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図19(b)は図19(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図19(a)、(b)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、レリーフホログラム層8に記録されている干渉縞による光の回折によって像Icが再生される。具体的には、観察者21側から再生照明光を照射すると、レリーフホログラム層8で再生された文字「A」の像Icを観察することができる。このとき、金属層6はパターン状の光半透過部6cおよび光反射部6bを有しており、光半透過部6cおよび光反射部6bでは光学特性の差が小さいため、観察者21側から光を照射しても、パターン状の光半透過部6cによるパターンは目視で観察できない。
図20(a)、(b)は、図18に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図20(b)は図20(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図20(a)、(b)に示すように、観察者21とは反対側に光源22を配置し、光源22から光をホログラム積層体10に照射すると、金属層6の光半透過部6cを透過した光によって、パターン状の光半透過部6bによる所定のパターンIdを観察することができる。具体的には、観察者21とは反対側から光を照射すると、金属層6のパターン状の光半透過部6cによる数字「1」のパターンIdを観察することができる。
このように本実施態様においては、パターン状の光半透過部および光反射部を有する金属層が配置されているため、ホログラム積層体を透かして見ることにより、金属層のパターン状の光半透過部によるパターンを観察することができる。そのため、観察者側から光を照射したときには、レリーフホログラム層の再生像を観察することができ、一方で、観察者とは反対側から光を照射したときには、金属層のパターン状の光半透過部によるパターンを観察することができる。よって、レリーフホログラム層によって、金属層のパターン状の光半透過部の存在を分かりにくくすることができ、偽造防止効果を向上させることができる。また、意匠性を向上させることもできる。さらに、例えばレーザー照射により金属層に光半透過部を形成する場合には、パターン状の光透過部によって、例えば氏名、ID、シリアル番号、バーコード、二次元コード等の可変情報をホログラム積層体毎に付与することができ、ホログラム積層体をバリアブルな情報記録媒体として用いることができる。
図21は、本実施態様のホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。図14に例示するように、ホログラム積層体10は、体積ホログラム層3と、体積ホログラム層3の一方の面に配置され、パターン状の光半透過部6cおよび光反射部6bを有する金属層6と、を有している。また、ホログラム積層体10は、さらに必要に応じて任意の層を有していてもよく、図21においては、支持体1と、第1接着層2と、体積ホログラム層3と、第1保護層4と、第2接着層5と、金属層6と、レリーフホログラム層8と、第2基材7とが順に配置されている。また、金属層6は、レリーフホログラム層8の凹凸構造側の面に配置されており、反射層として機能することができる。
図22(a)、(b)は、図21に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図22(b)は図22(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図22(a)、(b)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、レリーフホログラム層8に記録されている干渉縞による光の回折によって像Icが再生される。具体的には、観察者21側から再生照明光を照射すると、レリーフホログラム層8で再生された文字「A」の像Icを観察することができる。このとき、金属層6はパターン状の光半透過部6cおよび光反射部6bを有しており、光半透過部6cおよび光反射部6bでは光学特性の差が小さいため、観察者21側から光を照射しても、パターン状の光半透過部6cによるパターンは目視で観察できない。
図23(a)、(b)は、図21に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図23(b)は図23(a)においてホログラム積層体10の第2基材7側の面から観察したときの平面図である。図23(a)、(b)に示すように、観察者21とは反対側に光源22を配置し、光源22から光をホログラム積層体10に照射すると、金属層6の光半透過部6cを透過した光によって、パターン状の光半透過部6cによる所定のパターンIdを観察することができる。具体的には、観察者21とは反対側から光を照射すると、金属層6のパターン状の光半透過部6cによる数字「1」のパターンIdを観察することができる。
図24(a)、(b)は、図21に示すホログラム積層体を観察したときの図であり、図24(b)は図24(a)においてホログラム積層体10の支持体1側の面から観察したときの平面図である。図24(a)、(b)に示すように、観察者21側に光源22を配置し、光源22から所定の角度で再生照明光をホログラム積層体10に照射すると、体積ホログラム層3に記録されている干渉縞による光の回折によって像Iaが再生される。
具体的には、観察者21側から再生照明光を照射すると、体積ホログラム層3で再生された星の像Iaを観察することができる。このとき、金属層6はパターン状の光半透過部6cおよび光反射部6bを有しており、光半透過部6cおよび光反射部6bでは光学特性の差が小さいため、観察者21側から光を照射しても、パターン状の光半透過部6cによるパターンは目視で観察できない。
本実施態様において、金属層のレリーフホログラム層とは反対側の面に体積ホログラム層が配置されている場合には、レリーフホログラム層側から光を照射して観察したときには、レリーフホログラム層の再生像を観察することができ、一方で、体積ホログラム層側から光を照射して観察したときには、体積ホログラム層の再生像を観察することができ、また、ホログラム積層体を透かして観察したときには金属層のパターン状の光半透過部によるパターンを観察することができる。よって、偽造防止効果を向上させることができる。さらに、意匠性を向上させることもできる。
本実施態様において、金属層および支持体以外の構成は、上記第1実施態様と同様とすることができる。
以下、本実施態様のホログラム積層体における金属層および支持体について説明する。
1.金属層
本実施態様における金属層は、体積ホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光半透過部および光反射部を有する。
金属層の光半透過部は光を透過する。金属層の光半透過部において、特定波長の分光透過率は、例えば、10%以上75%以下であることが好ましく、20%以上60%以下であることがより好ましく、30%以上50%以下であることがさらに好ましい。光半透過部における特定波長の分光透過率が上記範囲であることにより、観察者側から光を照射したときには光半透過部によるパターンを観察しにくくすることができ、一方で、観察者とは反対側から光を照射したときには光半透過部によるパターンを観察しやすくすることができる。
なお、金属層の光半透過部における特定波長の分光透過率は、ホログラム積層体から体積ホログラム層を除いた構成において、金属層の光半透過部が配置されている領域での特定波長の分光透過率をいう。例えば、第2基材とレリーフホログラム層と金属層とをこの順に有する積層体において、金属層の光半透過部が配置されている領域での特定波長の分光透過率である。
金属層において、光半透過部の配置、光半透過部の面積率、光半透過部の平面視のパターン形状等については、上記第1実施態様における金属層の光透過部と同様とすることができる。
また、光半透過部の線幅は、観察者側から光を照射したときには光半透過部によるパターンを観察しにくく、一方で、観察者とは反対側から光を照射したときには光半透過部によるパターンを観察することができれば特に限定されるものではなく、光半透過部のパターン形状等に応じて適宜選択される。
例えば光半透過部がストライプ状や格子状である場合、光半透過部の線幅は、5μm以上300μm以下であり、10μm以上100μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよい。光半透過部の線幅が小さすぎると、観察者とは反対側から光を照射したときに光半透過部のパターンの観察が困難になる可能性がある。また、光半透過部の線幅が大きすぎると、観察者側から光を照射したときに光透過部の存在が分かりやすくなる可能性がある。
なお、光半透過部の寸法は、例えば光学顕微鏡やレーザー顕微鏡等によりホログラム積層体の表面を観察することにより測定することができる。
金属層の材料、厚さ、配置等については、上記第1実施態様と同様とすることができる。
なお、金属層表面を酸化等、変質させることによって、金属層に光半透過部を形成する場合、光半透過部は、金属層表面が酸化等、変質された部分となる。この場合、光半透過部は、光反射部と同様に、反射性を有することができる。
金属層の形成方法としては、例えば、第2基材の一方の面に金属層を形成した後、レーザー照射により金属層に光半透過部を形成する方法が挙げられる。第2基材の一方の面に金属層を形成する方法については、上記第1実施態様と同様とすることができる。また、レーザー照射により金属層に光半透過部を形成する方法としては、一般的な金属層のレーザーマーキング方法を適用することができる。この際、レーザーの出力を調整することにより、光半透過部の光学特性を制御することができる。具体的には、レーザーの出力が低いと、光半透過部における特定波長の分光透過率が低くなる傾向にある。
2.支持体
本実施態様においては、ホログラム積層体を透かして見ることで、金属層のパターン状の光半透過部によるパターンを観察することができることから、支持体は透明である。
支持体のその他の点については、上記第1実施態様と同様とすることができる。
B.カード
本開示におけるカードは、上述のホログラム積層体を有する。
本開示においては、ホログラム積層体をカードとして用いてもよい。また、ホログラム積層体が、ホログラム転写箔、ホログラムラベル、または埋込用ホログラムシートである場合には、コアシートの一方の面にホログラム積層体を配置することができる。
ホログラム積層体をカードとして用いる場合には、例えば、上述の図7(a)~(c)および図8(a)~(c)に示すような構成とすることができる。図7(a)、(b)および図8(a)、(b)においては、支持体1をコアシートとすることができ、図示しないが、金属層6やレリーフホログラム層8等を覆うように支持体の一方の面に透明シート(オーバーシート)が配置されていてもよい。また、図7(c)、図8(c)においては、支持体1をコアシートとし、透明シート14をオーバーシートとすることができる。
また、ホログラム積層体が、ホログラム転写箔、ホログラムラベル、または埋込用ホログラムシートである場合には、例えば、上述の図9(a)、(b)に示すような構成とすることができる。カードにおいては、コアシートの一方の面にホログラム積層体を配置することができる。
透明シートは、体積ホログラム層、金属層、レリーフホログラム層を保護する部材である。また、透明シートが情報記録媒体の最表面に配置されている場合には、情報記録媒体の表面を保護するオーバーシートとして機能することができる。
透明シートとしては、透明性を有するシートであればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂シートが挙げられる。透明シートの表面は、例えば、鏡面状であってもよく、マット状であってもよい。透明シートの外形は、カードの外形と同じである。
ホログラム積層体をカードとして用いる場合、ホログラム積層体は、必要に応じて任意の構成を有していてもよい。任意の構成としては、カードの用途に応じて、所望の機能を備える構成を適宜選択して用いることができる。任意の構成としては、例えば、第3接着層、印刷層、中間シート、オーバーシート、層間接着層、ICチップを含むICモジュール、ICチップおよびアンテナを含むインレット、磁気ストライプ等が挙げられる。
例えば図7(a)~(b)、図8(a)~(b)において、図示しないが、第2保護層9または第2基材7を覆うように支持体1の一方の面に透明シートが配置されている場合、透明シートと第2保護層9または第2基材7との間に第3接着層が配置されていてもよい。第3接着層を構成する接着剤としては、例えば、ヒートシール剤が挙げられる。ヒートシール剤については、上述した通りである。
カードとしては、例えば、各種のICカード、運転免許証、保険証、社員証、会員証、学生証等のIDカード、クレジットカード、デビットカード、キャッシュカード、カードキー、ポイントカード、プリペイドカード等を挙げることができる。
C.ホログラム転写箔
本開示におけるホログラム転写箔は、上述のホログラム積層体を有する。本開示においては、ホログラム積層体をホログラム転写箔として用いることができる。
ホログラム積層体をホログラム転写箔として用いる場合には、例えば、上述の図9(a)、(b)に示すような構成とすることができる。この場合、図示しないが、第1接着層の体積ホログラム層とは反対側の面にセパレータが配置されていてもよい。
D.ホログラムラベル
本開示におけるホログラムラベルは、上述のホログラム積層体を有する。本開示においては、ホログラム積層体をホログラムラベルとして用いることができる。
ホログラム積層体をホログラムラベルとして用いる場合には、例えば、上述の図9(a)、(b)に示すような構成とすることができる。この場合、図示しないが、第1接着層の体積ホログラム層とは反対側の面にセパレータが配置されていてもよい。
E.データページ
本開示におけるデータページは、上述のホログラム積層体を有する。
データページを構成するホログラム積層体は、例えば、上述の図9(a)、(b)に示すようなホログラム積層体とすることができる。この場合、ホログラム積層体は、ホログラム転写箔、ホログラムラベル、または埋込用ホログラムシートである。データページにおいては、コアシートの一方の面にホログラム積層体を配置することができる。また、コアシートのホログラム積層体とは反対の面に、内部にICチップを含むICチップ保持シートと、第1透明シートとが順に配置され、金属層やレリーフホログラム層等を覆うように支持体の一方の面に第2透明シートが配置されていてもよい。
コアシートは、データページを冊子類に組み込むための接続部分を有する部材である。
データページは、コアシートの接続部分を介して、冊子類の表紙および他のページに縫合等によって取り付けることができる。
コアシートとしては、例えば、繊維シートや、繊維シートの両面に樹脂シートが配置されたシート等が挙げられる。
また、コアシートは、例えば、体積ホログラム層やレリーフホログラム層と平面視上重なるように開口部を有していてもよい。開口部において、データページの片面または両面から体積ホログラム層やレリーフホログラム層を確認することができる。
ICチップ保持シートは、内部にICチップを含む部材である。ICチップ保持シートは、内部にICチップの他、アンテナ等を含むことができる。また、ICチップ保持シートは、上記コアシートを兼ねていてもよい。
ICチップ保持シートは、内部にICチップやアンテナ等を含むことができる構成であればよく、例えば、多層構成とすることができる。ICチップ保持シートしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂シートを用いることができる。
また、ICチップ保持シートは、例えば、体積ホログラム層やレリーフホログラム層と平面視上重なるように開口部を有していてもよい。開口部において、データページの片面または両面から体積ホログラム層やレリーフホログラム層を確認することができる。
第1透明シートおよび第2透明シートは、データページの表面を保護する部材である。
第1透明シートおよび第2透明シートとしては、透明性を有するシートであればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂シートを用いることができる。
ホログラム積層体をデータページとして用いる場合、ホログラム積層体は、必要に応じて任意の構成を有していてもよい。任意の構成としては、データページの用途に応じて、所望の機能を備える構成を適宜選択して用いることができる。任意の構成としては、例えば、レーザー印字層、白色層、印刷層、中間層等が挙げられる。
F.冊子類
本開示における冊子類は、上述のデータページを備える。冊子類としては、例えば、パスポート等を挙げることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本開示を具体的に説明する。
[実施例1]
(1)フィルムAおよびフィルムBの作製
まず、フィルムAおよびフィルムBを、それぞれ独立の工程によって別々に作製した。
(フィルムBの作製)
基材Bとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(ルミラーT60;東レ社製)を用いた。基材B上に、ポリメチルメタクリレートが溶媒中に溶解した樹脂組成物をバーコーターにて厚さが1μmとなるように塗布し、乾燥させることで保護層を形成し、フィルムBを得た。
(フィルムAの作製)
基材Aとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラーT60;東レ社製)を用いた基材A上に、下記の組成を有する体積ホログラム層用組成物を、グラビアコート法で30m/分の速度で塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させ、厚さ約10μmの体積ホログラム形成用層を形成した。さらに、この体積ホログラム形成用層上に、厚さ38μmの表面が離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(SP-PET;三井化学トーセロ社製)をラミネートして、フィルムAを得た。
<体積ホログラム層用組成物の組成>
・ポリメチルメタクリレート 100質量部
・9,9-ビス(4-アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン 5質量部
・1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 70質量部
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 5質量部
・3,9-ジエチル-3’-カルボキシメチル―2,2’-チオカルボシアニンヨードニウム塩 1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
・メタノール 30質量部
(2)体積ホログラム転写箔の作製
次に、体積ホログラム形成用層にホログラムを記録し、樹脂層を積層した。具体的には、まず、フィルムAから離型PETフィルムを剥がし、露出した体積ホログラム形成用層をホログラム原版にラミネートし、波長532nmのレーザー光を用いて、入射角45°、出射角0°でリップマンホログラムを撮影、記録した。次いで、ホログラム原版からフィルムAを剥離し、露出した体積ホログラム層面へ、ポリプロピレンフィルム(アルファンE-201F;王子エフテックス社製)をラミネートして、ポリプロピレンフィルム、体積ホログラム層、基材Aをこの順に有する積層体1を得た。
次に、上記積層体1からポリプロピレンフィルムを剥離し、フィルムBを80℃に加熱しながらラミネートし、基材B、保護層、体積ホログラム層、基材Aをこの順に有する積層体2を得た。その後、上記積層体2を加熱し、定着させた。具体的には、上記積層体2を、90℃の雰囲気下で3分間維持した後に、高圧水銀灯で2500mJ/cmの紫外線を照射し、定着させた。
次いで、上記積層体2から基材Aを剥離し、露出した体積ホログラム層に、エチレン-酢酸ビニル共重合体が溶媒中に溶解したヒートシール剤組成物を、バーコーターにて厚さが5μmとなるように塗布し、乾燥させることによって、ヒートシール層を形成した。これにより、体積ホログラム転写箔を得た。
(3)レリーフホログラムラベルの作製
基材Cとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(ルミラーT60;東レ社製)を用いた。基材Cの片面に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型を圧着した状態で紫外線を照射して硬化させ、ホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を形成した。得られたホログラム形成層の微細凹凸上に、アルミニウムを厚さが400Åになるよう蒸着して、金属層を形成した。その金属層の露出面に、アクリル系樹脂(PE-118;ニッセツ社製)が溶媒中に溶解した感圧接着剤組成物を、バーコーターにて厚さが20μmとなるように塗布し、乾燥させることによって感圧接着層を形成した。これにより、レリーフホログラムラベルを得た。
(4)ホログラム積層体の作製
体積ホログラム転写箔を支持体へ、120℃に加熱しながら加圧することで転写し、基材Bを剥離して保護層を露出させた。その後、保護層面にレリーフホログラムラベルを、感圧接着層を貼り合わせて積層した。この際、体積ホログラムは、レリーフホログラム再生像に対し、再生光の入射方向を反時計回りに90°回転して積層した。
(5)金属層へのレーザー描画
上記ホログラム積層体に対して、レーザビーム径:40μm、描画時の走査間隔:220mで格子状に描画を行い、格子の線幅40μm、格子の間隔220μmの格子状の光透過部と、光反射部とを有するパターンを形成した。
[評価1]
まず、作製したホログラム積層体に対し、再生照明光を約45°の入射角度で照射、再生照明光と同じ側からホログラム積層体を約0°の観察角度で観察した。このときの再生像は、図25(a)に示すように、レリーフホログラムの再生像(英語のアルファベットの文字、麻の葉模様、および「GENUINE」のマイクロ文字)のみ確認できた。次に、再生照明光の入射方向を反時計回りに90°回転させた位置から約45°の入射角度で照射、再生照明光と同じ側からホログラム積層体を約0°の観察角度で観察した。このときの再生像は、図25(b)に示すように、格子状の光透過部を透かして、体積ホログラムの再生像(波線模様など)を確認することができた。また、図25(b)において、体積ホログラムの再生像については、目視で緑色も観察できた。なお、本開示において、体積ホログラムの再生像の色は特に限定されない。
[実施例2]
(1)レリーフホログラムフィルムの作製
基材Dとして、厚さ16μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(ルミラー;東レ社製)を用いた。基材Dの片面に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型を圧着した状態で紫外線を照射して硬化させ、ホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を形成した。得られたホログラム形成層の微細凹凸上に、アルミニウムを厚さが400Åになるよう蒸着して、金属層を形成した。また、その金属層の露出面に、プライマー樹脂を塗布し、プライマー層を形成した。
(2)ホログラム積層体の作製
次に、体積ホログラム形成用層にホログラムを記録し、樹脂層を積層した。具体的には、まず、実施例1で用いたフィルムAから離型PETフィルムを剥がし、露出した体積ホログラム形成用層をホログラム原版にラミネートし、波長532nmのレーザー光を用いて、入射角45°、出射角0°でリップマンホログラムを撮影、記録した。このとき、体積ホログラムの再生像は、基材A側を正面とした。次いで、ホログラム原版からフィルムAを剥離し、露出した体積ホログラム層面へ、ポリプロピレンフィルム(アルファンE-201F;王子エフテックス社製)をラミネートして、ポリプロピレンフィルム、体積ホログラム層、および基材Aをこの順に有する積層体1を得た。
次に、上記積層体1からポリプロピレンフィルムを剥離し、レリーフホログラムフィルムを80℃に加熱しながらラミネートし、基材D、レリーフホログラム層、金属層、プライマー層、体積ホログラム層、および基材Aをこの順に有する積層体2を得た。その後、上記積層体2を加熱し、定着させた。具体的には、上記積層体2を、90℃の雰囲気下で3分間維持した後に、高圧水銀灯で2500mJ/cmの紫外線を照射し、定着させた
(3)金属層へのレーザー描画
上記ホログラム積層体に対して、レーザビーム径:80μmで描画を行い、直径80μmのドット状の光透過部と、光反射部とを有する人の顔の画像を形成した。
[評価2]
まず、作製したホログラム積層体に対し、基材D側から再生照明光を約45°で照射し、再生照明光と同じ側からホログラム積層体を約0°の観察角度で観察した。このとき、レリーフホログラムの再生像のみ観察できた。次に、ホログラム積層体に対し、基材A側から再生照明光を約45°の入射角度で照射し、再生照明光と同じ側からホログラム積層体を約0°の観察角度で観察した。このとき、レリーフホログラムの再生像に加え、体積ホログラムの再生像も観察できた。また、ホログラム積層体を屋内照明にかざして観察した。このとき、レーザーで描画した人の顔を観察することができた。
[実施例3]
実施例2で作製したホログラム積層体に対し、レーザビーム径:80μmで描画を行い、光半透過部と、光反射部とを有する人の顔の画像を形成した。
[評価3]
評価2と同様にホログラム積層体を観察したところ、実施例2と同様の結果が得られた。
1 … 支持体
2 … 第1接着層
3 … 体積ホログラム層
4 … 第1保護層
5 … 第2接着層
6 … 金属層
6a … 光透過部
6b … 光反射部
6c … 光半透過部
7 … 第2基材
8 … レリーフホログラム層
9 … 第2保護層
10 … ホログラム積層体
11 … 第1基材
12 … プライマー層
13 … レーザー発色層
14 … 透明シート
15 … 第3接着層
21 … 観察者
22 … 光源

Claims (1)

  1. 体積ホログラム層と、
    前記体積ホログラム層の一方の面に配置され、パターン状の光透過部および光反射部を有する金属層と、
    を有する、ホログラム積層体。
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