JP2002103860A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002103860A
JP2002103860A JP2001009625A JP2001009625A JP2002103860A JP 2002103860 A JP2002103860 A JP 2002103860A JP 2001009625 A JP2001009625 A JP 2001009625A JP 2001009625 A JP2001009625 A JP 2001009625A JP 2002103860 A JP2002103860 A JP 2002103860A
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JP2001009625A
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Atsushi Umezawa
敦 梅沢
Wakana Ishizaka
和香奈 石坂
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録層上に隠蔽層、または隠蔽層および
装飾層を有するカード等の磁気記録媒体において、隠蔽
層の厚み、または隠蔽層および装飾層の合計厚みが増し
ても、エンボス文字割れが生じない磁気記録媒体を提供
することを課題とするものである。 【解決手段】 基材2上の磁気記録層3上に、粒径が4
μm〜20μmの金属色を呈する金属もしくは合金の球
状もしくは鱗片状の粒子を含み、厚みが0.5μm〜1
5μmの隠蔽層7を積層し、その上に模様層7、光回折
構造8等を積層し、隠蔽層7、模様層5、光回折構造8
等の厚みの合計を5μm〜25μmとすることにより、
エンボス文字割れを防止できた。磁気記録層3は、板状
比が1.5以上のBa−フェライトを用い、抗磁力が5
80〜720エルステッド、角形比が0.85以上であ
るものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カード等の磁気記
録媒体が保持する磁気記録層を、隠蔽性の高い粒子を含
有する隠蔽層で隠蔽した、いわゆる「隠蔽磁気記録媒
体」に関するものであり、さらに詳しくは、隠蔽層や隠
蔽層上の模様層の厚みが増すと、エンボス加工の際にエ
ンボ加工による浮き出し文字(以降、単にエンボス文字
と言う。)の部分において生じるひび割れ(「エンボス
文字割れ」と称する。)を防止した、改良された磁気記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基材に磁性材を含有する層を積層して磁
気記録層とした磁気記録媒体は、種々の用途において使
用されている。具体的には、プリペイドカード、定期
券、乗車券、入場券、競輪・競馬等の投票券、商品券、
株券、証書、預貯金用通帳、もしくは磁気タグ等の金券
や証券、預貯金用カード、クレジットカード、IDカー
ド(例えば身分証明書)、もしくは会員カード等のカー
ド類、磁気テープ、磁気転写テープ、または磁気ラベル
等がある。
【0003】これらの磁気記録媒体は、その磁気記録層
に対して専用の書込み機、および読取り機を用いて書込
みを行ない、記録された情報を手軽に読取れないよう注
意が払われているが、さらに近年、磁気記録層を隠蔽性
の高い塗膜で被覆し、見えにくくすることも行なわれて
いる(特公平5−76701号)。このように、隠蔽性
の高い塗膜で被覆されることにより、磁気記録層に制約
されない自由なデザインも可能になる利点が生じる。
【0004】しかし、磁気記録媒体においては、しばし
ば、エンボス文字を形成することがある。例えば、クレ
ジットカードや金融機関の預貯金用カードにおいては、
契約者もしくは預金者の氏名、カード番号、有効期限等
が、エンボス文字により形成されており、このエンボス
文字にカーボン紙と加圧ローラを適用することによっ
て、伝票上にエンボス文字の情報が転写される。エンボ
ス文字はこのように使用されるために、通常、文字の大
きさが3〜5mm程度、高さは、0.36〜0.48m
m程度と、かなり深いエンボス加工を行なって形成す
る。
【0005】従って、エンボス文字を形成しようとする
と、磁気記録媒体1の表面において、エンボス文字割れ
が生じやすくなり、この傾向は、隠蔽層が厚くなると目
立ち、あるいは、隠蔽層上に模様層を形成する場合に
は、隠蔽層と模様層の合計厚みが厚くなると、目立つも
のである。しかし、隠蔽層は、隠蔽性を確保するために
は、ある程度以上の厚みを要するし、模様層も、印刷効
果上、多色印刷を行なえば、厚みが増すものであり、い
ずれも、厚みを減らすことは難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、磁
気記録層上に隠蔽層、または隠蔽層および模様層を有す
るカード等の磁気記録媒体において、隠蔽層の厚み、ま
たは隠蔽層および模様層の合計厚みが増しても、エンボ
ス文字割れが生じない磁気記録媒体を提供することを課
題とするものである。
【0007】
【課題を解決する手段】上記の課題は、隠蔽層に分散さ
せる隠蔽のための金属もしくは合金の粒子の粒径範囲に
加えて、隠蔽層の厚み、もしくは隠蔽層・模様層の合計
の厚みのいずれか、または両方を規定することにより、
解決された。
【0008】第1の発明は、エンボス加工適性を有する
基材の少なくとも一部に磁気記録層を有し、前記磁気記
録層上を含む基材上に隠蔽層が積層された積層体からな
り、前記隠蔽層は、バインダー樹脂中に粒径が4μm〜
20μmの金属色を呈する金属もしくは合金の微粒子が
主成分として分散されてなる厚みが0.5μm〜15μ
mの層であり、前記積層体の前記隠蔽層が積層された区
域に、エンボス加工による浮き出し文字が形成されてい
ることを特徴とする磁気記録媒体に関するものである。
第2の発明は、エンボス加工適性を有する基材の少なく
とも一部に磁気記録層を有し、前記磁気記録層上を含む
基材上に少なくとも隠蔽層および模様層が積層された積
層体からなり、前記隠蔽層は、バインダー樹脂中に粒径
が4μm〜20μmの金属色を呈する金属もしくは合金
の微粒子が主成分として分散された層であって、前記隠
蔽層および前記模様層の厚みの合計が5μm〜25μm
であり、前記積層体の前記隠蔽層および前記模様層が積
層された区域に、エンボス加工による浮き出し文字が形
成されていることを特徴とする磁気記録媒体に関するも
のである。第3の発明は、エンボス加工適性を有する基
材の少なくとも一部に磁気記録層を有し、前記磁気記録
層上を含む基材上に少なくとも隠蔽層および模様層が積
層された積層体からなり、前記隠蔽層は、バインダー樹
脂中に粒径が4μm〜20μmの金属色を呈する金属も
しくは合金の微粒子が主成分として分散されてなる厚み
が0.5μm〜15μmの層であり、前記隠蔽層および
前記模様層の厚みの合計が5μm〜25μmであり、前
記積層体の前記隠蔽層および前記模様層が積層された区
域に、エンボス加工による浮き出し文字が形成されてい
ることを特徴とする磁気記録媒体に関するものである。
第4の発明は、第2または第3の発明において、前記模
様層が印刷層であることを特徴とする磁気記録媒体に関
するものである。第5の発明は、第2または第3の発明
において、前記模様層が光回折構造であることを特徴と
する磁気記録媒体に関するものである。第6の発明は、
第2または第3の発明において、前記模様層が下層側か
ら印刷層および光回折構造の二層の積層構造を有するこ
とを特徴とする磁気記録媒体に関するものである。第7
の発明は、第1〜第6いずれかの発明において、前記微
粒子が鱗片状であることを特徴とする磁気記録媒体に関
するものである。第8の発明は、第1〜第6いずれかの
発明において、前記微粒子が球状であることを特徴とす
る磁気記録媒体に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1(a)は、本発明の磁気記録
媒体1の適用例の一例である、クレジットカードを示す
平面図であり、図1(b)は、模様やホログラムの位置
関係を示す図である。図1(a)に示す例において、磁
気記録媒体1は、カード基材2上に磁気記録層3が積層
され、また別の位置に、非接触型のICモジュール4が
埋め込まれており、磁気記録層上およびICモジュール
4上を含めて一面に隠蔽層7で覆われており、その上に
透明ホログラム8(破線でパターンを示す。)が一面に
積層されたものである。さらに、磁気記録媒体1は、透
明ホログラム8と隠蔽層7との間に、カード名である
「ABCD CARD」や任意のデザインを与えるため
の印刷5(もしくは模様層)が施されており、これらが
積層された積層体に、エンボス文字(エンボス加工によ
る浮き出し文字)6が設けられたものである。
【0010】図1の磁気記録媒体1における磁気記録層
3は、基本的には、どのようなものでもよいが、本発明
の好ましい態様においては、磁気記録層上に、隠蔽層に
加えて、模様層5、または、模様層5および光回折構造
(例えば、ホログラム)8が積層されるため、出力の弱
い磁気記録層では、実用上、記録された情報の読出しが
困難になる。このため、磁気記録層としては、板状比が
1.5以上のBa−フェライトが磁性材としてバインダ
樹脂中に分散された、抗磁力が580〜720エルステ
ッド、角形比が0.85以上であるものを用いることが
好ましい。
【0011】なお、図1を引用して説明した磁気記録媒
体1は、カードの一例を示すもので、カードの基材2に
適用される情報記録手段としては、公知の種々のものの
中から任意に選択できる。
【0012】図2〜図4は、本発明の磁気記録媒体1の
代表的な態様を説明するための断面図で、いずれもカー
ドの例で示してあり、図1の磁気記録媒体1で言えば、
A−A線で切断したときの積層構造を表すものである。
【0013】図2に示す磁気記録媒体1は、基材2に対
して磁気記録層3が、磁気記録層3の上面と基材2の上
面とが一続きの平面をなすよう埋め込まれており、この
ように磁気記録層3を有する基材2上に、隠蔽層7、お
よび模様層5が順次積層されており、磁気記録層3のあ
る箇所を外して、基材2、隠蔽層7、および模様層5か
らなる積層体にエンボス文字6が形成されたものであ
る。このエンボス文字6は、表側(図の上側)に凸状
に、かつ、裏側に凹状に形成されており、即ち、表裏に
及ぶ凹凸が形成されたものである。
【0014】図3に示す磁気記録媒体1は、図1におけ
るものと、基材2、磁気記録層3、および隠蔽層7との
関係は同じであるが、隠蔽層7上に、下から光反射性層
8bおよび光回折構造層8aとの積層構造からなる光回
折構造(例えば、ホログラム)8が積層されている点で
相違している。光回折構造層8aは、図中、丸で囲んだ
部分を拡大して示すように、層8aの下面に光回折構造
の微細な凹凸を有している。図3に示すものにおいて
は、やはり、磁気記録層3のある箇所を外して、基材
2、隠蔽層7、光反射性層8a、および光回折構造8b
とからなる積層体に、表裏に及ぶ凹凸からなるエンボス
文字6が形成されたものである。
【0015】図4に示す磁気記録媒体1は、積層体の構
造から言えば、図2に示すものに、図3における光回折
構造8が積層された構造を有しており、やはり、磁気記
録層3のある箇所を外して、基材2、隠蔽層7、模様層
5、光反射性層8a、および光回折構造8bとからなる
積層体に、表裏に及ぶ凹凸からなるエンボス文字6が形
成されたものである。ここにおける光反射性層8aは、
下層の模様層5を透視可能にするため、透明型であるこ
とが望ましい。
【0016】図2〜図4を引用して行なった説明におい
ては、エンボス文字6を、磁気記録層3のある箇所を外
して形成するとしたのは、通常、ストライプ状に設けら
れた磁気記録層3ある箇所にエンボス文字を形成する
と、数100μmの突出が生じるため、非常に大きなス
ペーシングロスとなるためであるが、後述するように、
磁気記録層3が全面に積層されている等の場合には、磁
気記録層3のある箇所にエンボス文字を形成することが
あり得る。
【0017】図2〜図4に示す例では、磁気記録層3と
基材2は、磁気記録層3の上面と基材2の上面とが一続
きの平面をなすよう埋め込まれて積層されているが、必
ずしもこのように積層されていなくてもよく、磁気記録
層3は基材2の上面から僅かであれば突出していてもよ
いし、あるいは、もっと基材の内部に埋め込まれていて
もよい。
【0018】図5は、基材2と磁気記録層3との関係を
示すもので、図5(a)および図5(b)のいずれにお
いても、基材2は、上下二枚のコアシート2bおよび2
b’の表側と裏側とに、各々一枚づつのオーバーシート
2aおよび2a’が配置された、四枚構成の積層体から
なっており、一般のカードはこのような積層体の基材を
有している。
【0019】このような慣用的な四枚構成の場合、二枚
のオーバーシート2a、および2a’の材質と厚みは同
じであるようにし、また、二枚のコアシート2b、およ
び2b’の材質と厚みは同じであるようにするのが普通
である。また、このような慣用的な四枚構成の場合、一
般的には、二枚のコアシート2b、および2b’は、隠
蔽性の有る、例えば白色のシートであり、二枚のオーバ
ーシート2a、および、2a’は、無色透明なシートと
することが多い。
【0020】図5(a)においては、二つの磁気記録層
3および3’が、各々、上下のオーバーシート2aの上
面および2a’の下面と、一続きの平面をなすよう埋め
込まれている。また、図5(b)においては、二つの磁
気記録層3および3’が、各々、上下のコアシート2b
の上面および2b’の下面と、一続きの平面をなすよう
埋め込まれており、このような構造も取り得るが、磁気
記録層3の性能との兼ね合いでオーバーシートの厚みを
決めるとよい。
【0021】図5(a)および図5(b)において、二
つの磁気記録層3および3’は、いずれも、厚み方向に
対して対象な位置に積層されているが、いずれかの磁気
記録層がオーバーシートの外側面にあり、他方の磁気記
録層はコアシートの外側面にある等、厚み方向に対して
対象な位置に積層されていてもよい。磁気記録層3の数
は、以上に図示した例に限らず、三つ以上であってもよ
い。
【0022】以上の各図では、磁気記録層3は、既に触
れたように、磁気ストライプを想定して描いてあるが、
磁気記録層3の平面形状は、ストライプ状に限らず、他
の形状であってもよいし、設ける位置も、以上の図にお
いては、カードの基材2の長手方向の一辺に沿ったやや
内側としたが、他の位置であってもよい。磁気記録層
は、記録の容量を増すために、基材の全面に設けてもよ
い。磁気記録層を二個所以上に設けるときは、全面の磁
気記録層とストライプ状の磁気記録層との組合わせもあ
る。
【0023】なお、磁気記録媒体1が、磁気記録層を二
個所以上に有している場合、いずれか一つの磁気記録層
は、先に述べた、板状比が1.5以上のBa−フェライ
トが磁性材としてバインダ樹脂中に分散されてなり、抗
磁力が580〜720エルステッド、角形比が0.85
以上であるものが望ましいが、他の磁気記録層は、他の
磁気特性を有するものであってもよい。
【0024】本発明において、基材2としては、エンボ
ス加工適性を有するものを選択して使用し、例えば、
紙、プラスチックシート、または金属箔もしくは金属板
等を単独か、又は組合せて使用することができ、用途に
よって必要な剛性、フレキシブルさ、加工の際の接着
性、もしくは印刷適性等を考慮して選択する。
【0025】磁気記録媒体1がカードの場合であれば、
加工の適性から、現在では塩化ビニル樹脂製のシートが
使われる事が多いが、近年のプラスチック素材の見直し
により、廃棄時の焼却において問題が生じないポリオレ
フィン系樹脂や、エンボス可能な非結晶性ポリエステル
系樹脂等のシートを使用することが好ましい。プラスチ
ックシートを用いる場合には、白色等の隠蔽色のもの
や、透明なものを使い分けることがある。
【0026】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂
の例としては、ジカルボン酸成分がテレフタル酸で、ジ
オール成分がエチレングリコール、および1,4−シク
ロヘキサンジメタノールで構成されるものが挙げられ
る。ジオール成分としては、前者が70質量%程度、後
者が30質量%程度である。
【0027】そのほか、プラスチックシートとしては、
ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、セルロースジアセテ
ート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
エステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂等)、
ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂のやポリオレフ
ィン系樹脂、その他の樹脂のシートも使用できる。
【0028】カード等の用途で、より耐熱性が要求さ
れ、しかもエンボス適性も必要なときには、上記したよ
うな非結晶性ポリエステル樹脂のシートを使用するとよ
く、またより高度な耐熱性が要求される場合には、非結
晶性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのブレ
ンド樹脂のシート等も使用できる。
【0029】磁気記録層3は、板状比が1.5以上のB
a−フェライトが磁性材としてバインダ樹脂中に分散さ
れてなるものであり、かつ磁気記録層3の抗磁力が58
0〜720エルステッド、角形比が0.85以上である
ことが望ましい。
【0030】上記において、板状比が1.5以上の磁性
体は、板状比が1.5未満の磁性体にくらべ、抗磁力が
温度等の変化に対して変化する割合が小さく、安定であ
り、また角形比についても大きくなる傾向が見られる。
抗磁力の上記の範囲は、現在、広く使われている、Fe
23を磁性材とした、抗磁力が650エルステッドであ
る磁気記録層に対応したもので、650エルステッドを
中心に、±70エルステッド(±約10%に相当)の範
囲のものであれば、650エルステッドの磁気記録層を
想定して作られている書込み、および読取りを行なう装
置で、書込み、もしくは読取りを行なう際に支障が生じ
ない。また、上記において、角形比が0.85以上であ
れば、角形比が0.85未満のものにくらべて高い出力
が得られるため、好ましい。
【0031】上記の磁性体は、バインダー樹脂、溶剤、
希釈材等と混合し、分散して得られる磁気記録層形成用
のインキ組成物もしくは塗料組成物を、公知の塗付方
法、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティ
ング法、ナイフエッジ法等により基材2上、もしくは基
材2を構成するシートに直接塗布し、乾燥等により硬化
させて、磁気記録層3とすることができる。
【0032】あるいは、基材2とは別のプラスチックフ
ィルム等に塗付し、形成したものを、接着剤を介する等
して基材2上に貼るか、もしくは離型性のプラスチック
フィルムに塗付し、形成したものを、接着剤を介する等
して基材2、もしくは基材2を構成するシート上に転写
して磁気記録層3としてもよい。あるいは、磁性体を、
真空蒸着法、スパッタリング、もしくはめっき等により
薄膜としても、磁気記録層3とすることが可能である。
【0033】磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物に用いるバインダー樹脂としては、ポリビニ
ルブチラール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、アクリル樹脂、スチレン/マレイン酸共重合体
樹脂、等を用いることができ、必要に応じて、ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂、もしくはウレタンエラストマー等
が添加される。
【0034】また耐熱性を考慮して、ポリアミド、ポリ
アミド樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはポリエーテルサ
ルフォン等のガラス転移点の高い樹脂を用いてもよく、
あるいはイソシアネート化合物等との硬化反応によりガ
ラス転移点が上昇する系を用いることもできる。
【0035】磁気記録層形成用のインキ組成物もしくは
塗料組成物には、これらのほか、必要に応じて、界面活
性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリ
コーンオイル、もしくはカーボン等が添加してあっても
よい。
【0036】磁気記録層3の厚みは、塗付方法によって
形成する際には、好ましくは、1〜100μm、より好
ましくは5〜20μm程度である。また、真空蒸着法、
スパッタリング、めっき等により形成する場合には、好
ましくは、10nm〜1μm、より好ましくは、50n
m〜200nmである。出力を大きくするためには、磁
気記録層3の厚みを厚くすることが好ましい。特に、磁
気記録層3上に隠蔽層7を積層したり、その他の層を積
層する場合には、磁気記録層3の厚みを厚くするとよ
い。
【0037】隠蔽層7は、磁気記録層3の存在を覆い隠
す事が目的で積層されるので、最小限、磁気記録層3の
上にのみ積層すればよく、これにより、磁気記録層3は
隠蔽される。けれども、カード等の磁気記録媒体1が磁
気記録層3を有することは、誰でも知っているので、磁
気記録層3の輪郭に合せた隠蔽層7を形成すると、磁気
記録層3の位置を明確化することになる。
【0038】一般的には、磁気記録層3を覆うだけでな
く、磁気記録層3の周辺をも含めて覆うことができる面
積とすることが好ましく、さらに、磁気記録層3を覆
い、かつカード基材2上の全面を覆うようにすれば、磁
気記録層3の位置は、一層、不明確になるので、好まし
い。また、磁気記録層3は、磁性材の色相に由来し、概
して暗色に着色しており、小さなカードにおいては、大
いにデザイン上の支障となるから、その意味でも、磁気
記録層3を覆って、基材上の全面に隠蔽層7を積層する
ことが好ましい。
【0039】なお、厳密には隠蔽とは言えない可能性も
あるが、隠蔽層7を模様状に設けてもよく、模様状の隠
蔽層7の隙間から磁気記録層3が物理的には見えていて
も、その隙間に磁気記録層3と周囲の基材との境界が覗
いていない限り、磁気記録層3の存在は判然としない。
このように隠蔽層を設けるのも、「少なくとも磁気記録
層上を隠蔽する」の範疇であると見なす。
【0040】隠蔽層7は、バインダー樹脂中に金色、も
しくは銀色等の金属色を呈する金属もしくは合金の粒子
が主成分として分散されてなる組成物からなり、そのよ
うな組成物には、さらに二酸化チタン等の隠蔽性の高い
顔料を含んでいてもよい。金属もしくは合金の粒子の素
材としては、本発明において、光反射性層を金属薄膜で
形成する際に用いるのと同様な金属、即ち、Cr、F
e、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Al、M
g、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、In、G
a、もしくはRb等の金属、またはこれらの金属を主成
分とする合金を使用することができる。
【0041】上記の金属もしくは合金の粒子は、隠蔽層
7の膜厚が0.5μm〜15μmの範囲であれば、隠蔽
層7とその他の装飾層の合計膜厚が5μm以上となって
も、粒径が4μm以上であれば、エンボス割れが生じな
いことが判明した。従って、粒径4μm以上の金属もし
くは合金の粒子を用いればよいが、エンボス割れに関し
ては良くても、粒径が大きくなるにつれ、隠蔽層内の金
属もしくは合金の粒子の充填度合いが減少して隠蔽性が
低下する傾向が強まる。
【0042】なお、上記において、隠蔽層7の厚さが
0.5μm未満では、層の形成の際に厚みムラが生じ
て、隠蔽性の確保が出来なくなる恐れが大きく、また、
15μmを越えると、金属色を呈する金属もしくは合金
の粒子を大きくしても、エンボス割れを生じやすい傾向
が避けれなくなるため、好ましくない。また、隠蔽層上
に、模様層や光回折構造を積層した場合、合計の厚みが
エンボス割れを生じるか否かに影響してくるが、粒径が
4μm〜20μmであれば、隠蔽層が0.5μm以上あ
れば、隠蔽層とそれらの装飾層との合計厚みが5μm以
上となっても、エンボス割れは生じない。なお、粒径の
値よりも隠蔽層が薄いのは、粒子を無視した皮膜部分の
みの厚みを隠蔽層の厚みとして計測しているためであ
る。ここで、金属色を呈する金属もしくは合金の粒子の
粒径とは平均粒径を指し、具体的には、レーザ回折式粒
度分布測定装置((株)島津製作所製、sald−20
00J)を用いたレーザ回折/散乱法で測定した値であ
る。
【0043】金属もしくは合金の粒子としては、種々の
形状のものを使用することができるが、実用的なものと
しては、球状のもの、または鱗片状のものである。ここ
で、球状のものとは、真球状のもの以外に、ほぼ球状の
ものも含むものとする。また、鱗片状とは、フレーク状
とも言い、鱗片の板厚に対して、鱗片の直径が充分大き
いものを指す。鱗片状の粒子の外形は、円形とは限ら
ず、概して不定形であり、直径/板厚の比(=アスペク
ト比)は、10以上、より好ましくは20以上である。
このアスペクト比は、次の段落で述べる観点からは、大
きければ大きいほどよいが、極端に大きいと、後述する
隠蔽層形成用インキ組成物もしくは塗料組成物の調製の
際に割れやすく、期待した隠蔽性が得られなくなる恐れ
があり、その意味で、アスペクト比は200以下、より
好ましくは100以下である。なお、後記する実施例に
おいては、アスペクト比が50のものを使用している。
【0044】球状の粒子は、鱗片状の粒子とくらべて機
械的強度が高いので、隠蔽層形成用インキ組成物もしく
は塗料組成物の調製の際に、充分な混練を行なうことが
できるので、これら組成物として塗付適性等の性状が優
れたものが得られる利点がある。鱗片状の粒子は、後述
する隠蔽層形成用インキ組成物もしくは塗料組成物中に
おいては、ランダムに配向するが、これら組成物を実際
に適用して得られる塗膜の厚みが鱗片の直径に匹敵する
か、あるいは、それより小さくなると、鱗片の直径方向
が塗膜の塗付方向に平行になる。従って、球状の粒子を
使用する場合にくらべて、粒子の使用量が少なくても、
充分な隠蔽性が得られる利点がある。また、鱗片状の粒
子を使用すると、球状の粒子を使用したときとくらべ、
塗膜の厚みをはるかに薄くしても、同じ程度の隠蔽性を
得ることが可能になる利点がある。
【0045】隠蔽性については、実用的な見地から、カ
ード用のオーバーシートに、金属もしくは合金の粒径や
層の厚み等を変えた隠蔽層を形成し、白紙と黒紙が互い
に接するようにして置いた上に重ねて、白紙と黒紙の境
界が見えるか否かで、隠蔽性なし・ありを判断した。こ
のような試験を繰返した結果、上記した条件下では、粒
径が20μm以下であれば、実用上、隠蔽性が満足され
ることが判明した。
【0046】隠蔽層7の形成は、バインダー樹脂、金
色、もしくは銀色等の金属色を呈する金属もしくは合金
の微粒子、必要に応じて二酸化チタン等の隠蔽剤、隠蔽
層の外観の色相を調整するための染料もしくは顔料等の
着色剤、並びにその他の添加剤を、溶剤および希釈剤と
共に混合して、溶解もしくは分散させて得られる隠蔽層
形成用のインキ組成物もしくは塗料組成物を用い、公知
の塗付方法、例えば、グラビアコーティング法、ロール
コーティング法、ナイフエッジ法等により基材2上の磁
気記録層3上に塗布し、乾燥等により硬化させて行なう
ことができる。あるいは、基材とは別の被塗付体に塗付
し形成したものを接着剤を介する等して、磁気記録層3
を有する基材2上に貼るか、剥離性の被塗付体に塗付し
形成したものを接着剤を介する等して、磁気記録層3を
有する基材2上に転写してもよい。
【0047】隠蔽層形成用のインキ組成物もしくは塗料
組成物に用いるバインダー樹脂としては、エチルセルロ
ース、ニトロセルロース、エチルヒドロキシセルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、もしくは酢
酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはス
チレン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、もしくはポ
リアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂もしくはメタクリ
ル樹脂の単独、あるいは共重合樹脂、ロジン、ロジン変
性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、もしく
は重合ロジン等のロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、また
はポリビニルブチラール樹脂等が使用できる。
【0048】また、隠蔽層形成用のインキ組成物もしく
は塗料組成物には、必要に応じて、磁気ヘッドのクリー
ニング効果を有する二酸化チタン、アルミナ、マイクロ
シリカ等の微粉末を添加してもよく、添加剤としては、
この他、必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワックス、グ
リース、乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、もしく
は分散剤等も使用できる。
【0049】模様層5は、通常、印刷法により形成し
た、文字、パターン等の模様を有するものであるか、着
色した無地の層(=ベタ層)である。形成法から、模様
層5は印刷層とも言える。磁気記録層3が基材の一部に
積層されているときは、模様層5は、磁気記録層3の上
方に積層してない場合もあるが、積層してあってもよ
い。模様層5は、一層で構成されていてもよいが、二層
や、図3中、符号5a、5b、および5cで説明するよ
うに、黄色、赤色、藍色の三原色や黒色を加えた四色で
形成された三層もしくは四層からなるものでもよい。ま
た、接着性を確保するため、基材2上もしくは磁気記録
層3上にプライマー層を介して積層されていてもよい。
なお、模様層5は、点や小さい形状が離れた形状からな
っていたり、つながってはいるものの、切り抜き状の形
状を有していてもよい。
【0050】具体的には、印刷、インキジェット、もし
くは電子写真等の印刷、もしくは印刷類似の手法を一回
適用して一層の模様層とする以外に、手法の複数回の適
用により、多層の模様層5とすることができる。模様層
5を印刷により形成する際に使用する、模様層形成用の
インキ組成物としては、上記した隠蔽層形成用のインキ
組成物もしくは塗料組成物に用いるとして例示したバイ
ンダー樹脂、染料もしくは顔料等の着色剤、並びに溶剤
もしくは希釈剤と共に混練して調製したものを用いる。
模様層の厚さは、一層であれば、0.5μmから2μm
程度で、通常、印刷一色あたり、1〜2μm程度であ
る。印刷の色数、特色の数等によって、層の数が事な
る。模様層を厚くすることは可能だが、隠蔽の目的で隠
蔽層が下層にあれば、模様層を厚くする必要はなく、従
って、0.5μmから10μm程度以下であり、通常は
5μm以下である。なお、模様層5自体は、隠蔽層7に
くらべると、変形しやすく、本来的にはエンボス割れを
生じにくいが、下層の隠蔽層7が割れてしまうと、割れ
た以外の部分では模様層5は隠蔽層7とよく接着してい
るので、結果として、模様層5が、下層の隠蔽層7が割
れた部分において伸ばされ、割れやすくなる傾向があ
る。
【0051】光回折構造8の代表例であるホログラムと
しては、平面ホログラム、体積ホログラムともに使用で
き、具体例としては、レリーフホログラム、リップマン
ホログラム、フルネルホログラム、フラウンホーファホ
ログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、レーザ
ー再生ホログラム(イメージホログラムなど)、白色光
再生ホログラム(レインボーホログラムなど)、カラー
ホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディ
スプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィ
ックステレオグラム、ホログラフィック回折格子などが
挙げられる。
【0052】このような光回折構造も、外観上は模様を
有しているので、模様層5の一つであるとも言える。光
回折構造8は、通常は、光回折構造層8aが上側(=観
察者側)であり、その下面に光反射性層8bが積層され
たものである。
【0053】光回折構造層8aを形成する材料として
は、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、PMMA)、
ポリスチレン、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂、
不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステ
ル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、
メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレ
ートなどの熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、或いは上記熱
可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することが
でき、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形
性物質、或いは、これらにラジカル重合性不飽和単量体
を加え電離放射線硬化性としたものなどを使用すること
ができる。このほか、銀塩、重クロム酸ゼラチン、サー
モプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、
強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミック
ス材料、カルコゲンガラスなどの感光材料なども使用で
きる。
【0054】光回折構造層8aは、上記の材料を用い
て、従来既知の方法によって形成することができる。例
えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリ
ーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸
の形で記録された原版をプレス型として用い、前記支持
体シート上に剥離性層、保護層を順に積層した積層シー
トの保護層の上に、前記光回折構造層用樹脂の塗布液を
グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法など
の手段で塗布して、塗膜を形成し、その上に前記原版を
重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧
着することにより、原版の凹凸模様を複製することがで
きる。また、フォトポリマーを用いる場合は、前記積層
シートの保護層上に、フォトポリマーを同様にコーティ
ングした後、前記原版を重ねてレーザー光を照射するこ
とにより複製することができる。
【0055】このように、表面凹凸のレリーフとして回
折格子やホログラムの干渉縞を光回折構造層の表面に記
録する方法は、量産性があり、コストも低くできる点で
特に好ましい。このような光回折構造層8aの膜厚は
0.1〜6μmの範囲が好ましく、0.1〜4μmの範
囲が更に好ましい。光回折構造8は、この光回折構造層
8aと、ごく薄い光反射性層8bとからなるので変形し
やすく、本来的にはエンボス割れを生じにくいが、下層
の隠蔽層7が割れてしまうと、割れた以外の部分では光
回折構造8は隠蔽層7(場合によっては模様層5を介し
ている。)とよく接着しているので、結果として、光回
折構造8が、下層の隠蔽層7が割れた部分において伸ば
され、割れやすくなる傾向がある。
【0056】前記のように光回折構造層8aの表面に凹
凸のレリーフとして回折格子やホログラムの干渉縞を記
録した場合には、その回折効率を高めるために、光反射
性層8bをレリーフ面に形成することが好ましい。光反
射性層8bとして、光を反射するアルミニウム等の金属
薄膜をレリーフ面に形成すれば反射型の光回折構造、代
表的にはホログラムが得られ、また、透明薄膜をレリー
フ面に形成すれば透明型の光回折構造、代表的にはホロ
グラムが得られる。反射型、もしくは透明型のいずれを
使用するかは、目的に応じて適宜選択することができる
が、光回折構造8の下側に模様層5を伴なうときは、磁
気記録媒体1の上面側からの模様層5の視認性を確保す
る意味で、透明型とすることが望ましい。
【0057】なお、透明性のない金属薄膜を光反射性層
として使用する場合、光反射性層は光回折構造層の観察
側とは反対側に向ける必要があるが、透明性のある光反
射性層の場合は、光反射性層をいずれに向けてもよい。
要は、光回折構造層のレリーフ面に光反射性層が積層さ
れた積層構造を観察側から光回折構造(代表的にはホロ
グラム)が見えるような向きに、配置すればよい。光回
折構造層の下層に印刷が施される場合、これらの視認性
を確保する意味で、光回折構造8は透過性を有すること
が必要であり、光回折構造8を、透明薄膜を用いた透明
型のものとすることが好ましい。
【0058】金属薄膜で光反射性層を形成するときは、
Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、A
l、Mg、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、I
n、Ga、もしくはRb等の金属、またはそれらの酸化
物、もしくはそれらの窒化物を単独で、もしくは組合わ
せて形成する。これらのうちでは、Al、Cr、Ni、
Ag、もしくはAu等が特に好ましい。金属薄膜で光反
射性層を形成するときは、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法などの薄膜形成法による。
【0059】光反射性層の材質としては、光回折構造層
とは屈折率の異なる物質の連続薄膜も挙げられる。連続
薄膜の膜厚は、薄膜を形成する材料の透明領域であれば
よいが、通常は100〜1000Åが好ましい。連続薄
膜をレリーフ面に形成する方法としては、真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜
形成法が挙げられる。連続薄膜は、その屈折率が光回折
構造層より大きくても小さくてもよいが、屈折率の差が
0.3以上あることが好ましく、差が0.5以上、更に
は1.0以上あることがより好ましい。
【0060】光回折構造層より屈折率が大きい連続薄膜
としては、ZnS、TiO2、Al23 、Sb23
SiO、TiO、SiO2 などが挙げられる。光回折構
造層より屈折率が小さい連続薄膜としては、LiF、M
gF2 、AlF3 などが挙げられる。また、厚さが20
0Å以下の場合には、光の透過率が比較的小さいため、
透明でありながら光反射性層として使用することができ
る。更に、光回折構造層とは屈折率の異なる透明な合成
樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレートの層を
光反射性層に用いることもできる。
【0061】本発明の磁気記録媒体1には、その最表面
に保護層を積層して、表面の耐久性を向上させることが
好ましい。保護層としては、透明性を有し、耐擦傷性、
耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、もしくは耐汚染性などの
耐久性を兼ね備えた樹脂が適しており、例えば、電離放
射線硬化性樹脂を使用して形成することができる。
【0062】具体的な電離放射線硬化性樹脂としては、
ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート
などが挙げられ、これらはそれぞれのプレポリマーに粘
度、或いは架橋密度を調整するために多官能または単官
能のモノマーを添加して用いてもよく、また、必要に応
じて公知の光反応開始剤、増感剤を添加して用いてもよ
い。このほか、ポリエン/チオール系の電離放射線硬化
性樹脂なども耐摩耗性に優れており、好ましく使用でき
る。
【0063】電離放射線硬化性樹脂には、更に必要に応
じて、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの添
加剤を加えることもできる。また、表面の滑り性を確保
する意味で、少量のワックス等を加えておくとよい。ま
た、保護層は、前記保護層形成用の樹脂に希釈剤もしく
は溶剤を添加し、混合、もしくは分散して保護層形成用
塗布液を作製し、従来公知の各種ロールコーティング方
式やグラビアコーティング方式で塗布した後、UV(紫
外線)照射、またはEB(電子線)照射などにより樹脂
を硬化させて形成することができる。なお、前記塗布液
に有機溶剤を添加した場合には、塗布後、先ず有機溶剤
を除くための熱風乾燥を行い、次いでUVまたはEBの
照射により樹脂の硬化を行うとよい。
【0064】このような保護層の厚さは、0.5〜4.
0μmの範囲にすることが好ましい。保護層の厚さが
0.5μm未満の場合は、充分な耐擦傷性、耐摩耗性が
得られず、また、4.0μmを超える厚さは、既に耐摩
耗性は充分にあるため必要性がなく、むしろ、磁気記録
媒体全体の厚さが増し、磁気記録・読み取り特性が低下
するおそれがあるため好ましくない。
【0065】本発明においては、磁気記録層3として、
板状比が1.5以上のBa−フェライトが磁性材として
バインダ樹脂中に分散されてなり、抗磁力が580〜7
20エルステッド、角形比が0.85以上であるものを
使用したことにより、磁気記録層上に、従来では実現が
難しかった8μm〜25μmの厚みを取る事が可能にな
るため、この厚みを利用して、上記したような種々の応
用を図ることが出来る。なお、上限の25μmを超える
と、スペーシングロスによる出力低下が大きくなり過
ぎ、事実上、書込み、および読取りが不可能になる。
【0066】基材2と隠蔽層7とは、基材2上に、隠蔽
層形成用の塗料組成物を塗布する等により、直接に積層
することもできるが、必要なら、接着剤層を介して積層
することもできる。
【0067】接着剤層は、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニ
ル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、もしくはゴム変性物等の中から適す
るものを適宜選択して、単独、もしくは2種以上の混合
系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他
の添加剤を加えて形成することができる。接着剤層は、
基材上に積層しておき、その上に各層を積層してもよい
が、基材上に転写する転写層に積層しておいて、適用し
てもよい。なお、接着させる対象のいずれか、もしくは
両方が熱融着性であるときは、接着剤層を省くこともで
きる。
【0068】上記のような材料で形成される接着剤層
は、通常、上記材料を溶液状の塗布液とし、これをロー
ルコーターなどで塗布、乾燥することによって形成でき
る。接着剤層の厚さは、0.5〜5μmの範囲が好まし
く、1.5〜3μmの範囲が更に好ましい。
【0069】本発明の磁気記録媒体1を形成する際に
は、磁気記録層3を有する基材2に対し、隠蔽層7を形
成した後、模様層5、光回折構造8、または模様層5お
よび光回折構造8を積層する。さらに必要なら、保護層
も積層する。これらの各層は逐次、塗布等により直接、
あるいは転写により積層すればよいが、予め、各層を転
写シート上に積層しておき、一度に転写できると、製造
効率がなお一層よい。特に、隠蔽層と、装飾層、例え
ば、模様層や光回折構造(例えば、ホログラム)のいず
れか、または両方を、同一の転写シートの転写層として
形成しておくと、これらの各層を一度に転写により積層
することが可能になる。
【0070】なお、エンボス文字6は、積層すべき各層
の積層を終えた時点で行ない、得られた積層体に、必要
な文字やパターンのエンボス型を接触させ、熱プレスを
用いて加熱、および加圧することにより、形成する。本
発明におけるエンボス文字は、決して限定的に考えるこ
とはないが、既に、規定や習慣により、この分野で行な
われている大きさ、エンボス高さを持つものであること
が好ましい。
【0071】エンボス文字の大きさは、横幅;2〜4m
m程度、縦;3〜5mm程度のもので、線幅が0.3〜
0.5mm程度のものである。このようなエンボス文字
は、例えば、クレジットカード用のエンボス機(データ
カード社製、DC9000)を使用し、JIS X 6
301で規定されるエンボス高さである0.40〜0.
48mmが得られるように条件を設定して熱プレスする
ことにより形成される。なお、エンボス文字の凸部の頂
部に着色を行ない、エンボス文字を見えやすくする、い
わゆるティッピングを行なってもよい。
【0072】
【実施例】(製造手順A)カード基材および磁気記録層
転写シートを次のようにして準備した。まず、厚さ50
μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの表面
に、下記組成の磁気記録層形成用組成物(1)を、グラ
ビアコート法により塗布して、残留磁束密度が1.7m
axwell/cmとなるよう、磁気記録層を形成して
磁気記録層転写シートとした。 (磁気記録層形成用組成物(1)) ・Baフェライト(磁性粉) (抗磁力;620エルステッド、板状比;2.2) 36質量部 ・ウレタン樹脂 12質量部 ・トルエン 18質量部 ・メチルエチルケトン 15質量部 ・メチルイソブチルケトン 15質量部 ・イソシアネート系硬化剤 4質量部
【0073】上記で得られた磁気記録層転写用シートを
用い、カードのオーバーシート用である、厚み100μ
mの透明なポリ塩化ビニル樹脂シート上の所定の位置に
熱転写し、表面に磁気記録層が積層されたオーバーシー
トを得た。
【0074】得られた、磁気記録層が積層されたオーバ
ーシートを、磁気記録層が上側になるように置き、その
下に、厚み280μmの半透明なポリ塩化ビニル樹脂シ
ートを二枚と、一番下に磁気記録層を積層していない厚
み100μmのオーバーシート用の透明なポリ塩化ビニ
ル樹脂シートを置き、以上の四枚のシートを重ねたもの
を、温度;150℃、圧力;25Kg/cm2、プレス
時間;15分間の条件で熱プレスを行ない、四枚のシー
トが積層され、磁気記録層の上面が最上面のオーバーシ
ートの上面と一続きの平面を形成したカード基材用の積
層体を得た。
【0075】得られた積層体の磁気記録層がある側の表
面の全面に、下記組成の隠蔽層形成用組成物(2)を用
い、シルクスクリーン印刷法により塗布し、乾燥して、
乾燥後の厚さが5μmの隠蔽層を形成した。なお、以降
において使用する隠蔽層形成用組成物は、下記の隠蔽層
形成用組成物(2)の組成をそのまま使用するか、もし
くは、アルミニウム粉末(粒径;10μm)を50質量
部配合してある点を、配合質量部を保ったまま、使用す
る金属粉末の素材、粉末を構成する粒子の形状、もしく
は粒径を変更した組成を持つものである。 (隠蔽層形成用組成物(2)) ・アクリル系樹脂 10質量部 ・酢酸ビニル系樹脂 10質量部 ・アルミニウム粉末(粒径;10μm) 50質量部 ・顔料 4質量部 ・溶剤(トルエン/シクロヘキサノン=1/1) 50質量部
【0076】その後、さらに隠蔽層上の、磁気記録層上
を除く全面に通常のオフセットインキを用いたオフセッ
ト印刷により、厚さ1μmの着色層を印刷形成した後、
積層体の所定の位置で打抜いて、約86mm×54mm
の磁気カードを得た。
【0077】上記の製造手順Aに従い、隠蔽層中の金属
粒子の材質、粒子の形状、粒径、隠蔽層の厚み、装飾層
(ここでは着色層)の厚みを変えた各実施例、および各
比較例の磁気カードを製造し、そのようにして得られた
磁気カードに、データカード社製、エンボス機(品番;
DC9000)を用いてエンボス文字を形成した。
【0078】(製造手順B)なお、後記する実施例1
1、比較例11および12、実施例34、比較例26お
よび27においては、次のようなホログラム転写シート
を準備し、製造手順Aにおけるのと同様にして、カード
基材用の積層体の磁気記録層上に、磁気隠蔽層、および
着色層(1μm)を積層した上に、ホログラム転写シー
トの転写層、即ち、接着剤層、光反射層、ホログラム形
成層、保護層、および離型性樹脂層の積層体を転写して
からエンボス文字を形成した。従って、上記の実施例1
1、比較例11および12、実施例34、比較例26お
よび27については、装飾層とは、着色層およびホログ
ラム転写シートの転写層を合せたものを指す。ただし、
それぞれの実施例、および比較例において、隠蔽層中の
金属粒子の形状、および粒径を変えて、磁気カードを製
造した。
【0079】(ホログラム転写シートの準備)片面コロ
ナ放電処理した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルムのコロナ放電処理面に、下記
組成の離型層形成用組成物(3)をグラビアリバースコ
ート法により塗布して、乾燥後の厚さが0.5μmの離
型層を形成した。 (離型層形成用組成物(3)) ・メラミン系樹脂 5質量部 ・酢酸セルロース樹脂 1質量部 ・パラトルエンスルフォン酸 0.05質量部 ・メチルアルコール 25質量部 ・エチルアルコール 45質量部
【0080】次いで、離型層上に、下記組成の保護層形
成用組成物(4)をグラビアリバースコート法により塗
布し、紫外線照射装置(出力160W/cmの高圧水銀
ランプ2灯式)により、紫外線を照射量500mJ/c
2の条件で照射し、硬化後の厚さが1μmの保護層を
形成した。 (保護層形成用組成物(4)) ・ポリウレタンアクリレートプレポリマー 20質量部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部 ・2−ヒドロキシエチルアクリレート 5質量部 ・光重合開始剤 1質量部 ・増感剤 1質量部
【0081】さらに、保護層上に、下記組成のホログラ
ム層形成用組成物(5)をグラビアリバースコート法に
より塗布して、乾燥後の厚さが2μmのホログラム形成
用層を形成した。 (ホログラム層形成用組成物(5)) ・アクリル樹脂 40質量部 ・メラミン樹脂 10質量部 ・シクロヘキサノン 50質量部 ・メチルエチルケトン 25質量部
【0082】上記のホログラム形成用層の表面に、ホロ
グラムの凹凸を有するホログラム原版を用い、温度;1
50℃、圧力;50kg/cm2、およびプレス時間;
1分間の条件で、ホログラム原版の凹凸を賦型し、ホロ
グラム層とした。得られたホログラム層の凹凸面に、ス
パッタ法により、厚さ20nmのZnSの薄膜層を形成
して光反射性層とした。
【0083】最後に、光反射性層上に、下記組成の接着
剤層形成用組成物(6)を、グラビアリバースコート法
により塗布して、乾燥後の厚さが2μmの接着剤層を形
成して、ホログラム転写シートとした。 (接着剤層形成用組成物(6)) ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 20質量部 ・アクリル樹脂 10質量部 ・酢酸エチル 20質量部 ・トルエン 50質量部
【0084】上記で得られたホログラム転写シートを用
い、実施例1で得られた、カード基材/隠蔽層/着色層
からなる積層構造の着色層上に転写し、所定のサイズに
打抜いて、基材/隠蔽層/着色層/接着剤層/光反射性
層/ホログラム層/保護層が順に積層された、ホログラ
ムを有する磁気カードを得た。基材上の各層の厚さは、
隠蔽層;5μm、着色層;1μm、接着剤層;2μm、
光反射性層;20nm、ホログラム層;2μm、および
保護層;1μmであり、合計約11.5μmである。
【0085】以降の「表1」〜「表3」に、各実施例、
および各比較例で得られた磁気カードにおける隠蔽層の
隠蔽性、およびエンボス文字の文字割れを目視で評価し
た結果を示す。ただし、「表1」〜「表3」中、「エン
ボス文字割れ」の評価における○は、エンボス文字割れ
の無いものを、×は、エンボス文字割れの有るものを意
味する。また、「隠蔽性」の評価における○は、隠蔽層
による隠蔽性が良好で、磁気記録層の位置が判別不能な
もの、×は、隠蔽層による隠蔽性が不十分で、磁気記録
層の位置が判別可能なものを意味する。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、バインダー樹
脂中に粒径が4μm〜20μmの金属色を呈する金属も
しくは合金の微粒子が主成分として分散されてなる、厚
みが0.5μm〜15μmの隠蔽層を有しているので、
下層の磁気記録層が隠蔽されており、かつエンボス文字
部におけるエンボス文字割れのない磁気記録媒体を提供
できる。請求項2の発明によれば、バインダー樹脂中に
粒径が4μm〜20μmの金属色を呈する金属もしくは
合金の微粒子が主成分として分散されてなる隠蔽層と、
模様層とを有していて、隠蔽層および模様層の厚みの合
計が5μm〜25μmであるので、下層の磁気記録層が
隠蔽されており、かつエンボス文字部におけるエンボス
文字割れのない磁気記録媒体を提供できる。請求項3の
発明によれば、バインダー樹脂中に粒径が4μm〜20
μmの金属色を呈する金属もしくは合金の微粒子が主成
分として分散されてなる、厚みが0.5μm〜15μm
の隠蔽層と、模様層とを備え、隠蔽層および模様層の厚
みの合計が5μm〜25μmであるので、隠蔽層により
下層の磁気記録層が確実に隠蔽されており、かつエンボ
ス文字部におけるエンボス文字割れのない磁気記録媒体
を提供できる。請求項4の発明によれば、請求項2また
は3の発明の効果に加え、模様層が印刷層であるので、
意図された色彩、もしくはパターン、またはそれらの両
方からなる、優れた外観を、印刷層によって与えること
が可能な磁気記録媒体を提供できる。請求項5の発明に
よれば、請求項2または3の発明の効果に加え、模様層
が光回折構造であるので、光回折構造特有の色相とパタ
ーンによる、優れた外観を持ち、かつ、光回折構造に特
有な偽造防止効果を備えた磁気記録媒体を提供できる。
請求項6の発明によれば、請求項2または3の発明の効
果に加え、模様層が下層側から印刷層および光回折構造
の二層の積層構造を有するので、印刷層の存在に基づ
く、意図された色彩、もしくはパターン、またはそれら
の両方からなる、優れた外観を、印刷層によって与える
ことが可能である上、光回折構造特有の色相とパターン
による、優れた外観をも持ち、かつ、光回折構造に特有
な偽造防止効果をも備えた磁気記録媒体を提供できる。
請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項6いずれか
の発明の効果に加え、微粒子として鱗片状のものを使用
したので、充分な隠蔽性を有しながら、粒子の使用量が
少ないか、もしくは隠蔽層の塗膜が薄い磁気記録媒体を
提供できる。請求項8の発明によれば、請求項1〜請求
項6いずれかの発明の効果に加え、微粒子として球状の
ものを使用したので、粒子の機械的強度が高く、隠蔽層
形成用インキ組成物もしくは塗料組成物の調製の際に、
充分な混練を行なうことができるので、均質な塗膜が得
られ、従って、性能が均一な隠蔽層を有する磁気記録媒
体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体がカードである場合の図である。
【図2】隠蔽層上に模様層を有するカードの断面図であ
る。
【図3】隠蔽層上に光回折構造を有するカードの断面図
である。
【図4】隠蔽層上に模様層および光回折構造を有するカ
ードの断面図である。
【図5】カードの基材を示す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体(カード) 2 基材 3 磁気記録層 4 ICモジュール 5 印刷(または模様層) 6 浮き出し文字 7 隠蔽層 8 光回折構造(例;ホログラム) 9 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA01 JA02 JA08 JA18 JA19 JA26 KA02 KA06 KA09 KA16 KA37 KA40 KA48 KA51 LA03 LA11 LA27 LA28 LA29 2K008 AA13 EE04 FF11 FF17 GG05 5D006 AA04 AA05 AA06 DA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンボス加工適性を有する基材の少なく
    とも一部に磁気記録層を有し、前記磁気記録層上を含む
    基材上に隠蔽層が積層された積層体からなり、前記隠蔽
    層は、バインダー樹脂中に粒径が4μm〜20μmの金
    属色を呈する金属もしくは合金の微粒子が主成分として
    分散されてなる厚みが0.5μm〜15μmの層であ
    り、前記積層体の前記隠蔽層が積層された区域に、エン
    ボス文字が形成されていることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 エンボス加工適性を有する基材の少なく
    とも一部に磁気記録層を有し、前記磁気記録層上を含む
    基材上に少なくとも隠蔽層および模様層が積層された積
    層体からなり、前記隠蔽層は、バインダー樹脂中に粒径
    が4μm〜20μmの金属色を呈する金属もしくは合金
    の微粒子が主成分として分散された層であって、前記隠
    蔽層および前記模様層の厚みの合計が5μm〜25μm
    であり、前記積層体の前記隠蔽層および前記模様層が積
    層された区域に、エンボス文字が形成されていることを
    特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 エンボス加工適性を有する基材の少なく
    とも一部に磁気記録層を有し、前記磁気記録層上を含む
    基材上に少なくとも隠蔽層および模様層が積層された積
    層体からなり、前記隠蔽層は、バインダー樹脂中に粒径
    が4μm〜20μmの金属色を呈する金属もしくは合金
    の微粒子が主成分として分散されてなる厚みが0.5μ
    m〜15μmの層であり、前記隠蔽層および前記模様層
    の厚みの合計が5μm〜25μmであり、前記積層体の
    前記隠蔽層および前記模様層が積層された区域に、エン
    ボス文字が形成されていることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記模様層が印刷層であることを特徴と
    する請求項2または3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記模様層が光回折構造であることを特
    徴とする請求項2または3記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記模様層が下層側から印刷層および光
    回折構造の二層の積層構造を有することを特徴とする請
    求項2または3記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記微粒子が鱗片状であることを特徴と
    する請求項1〜請求項6いずれか記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記微粒子が球状であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項6いずれか記載の磁気記録媒体。
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