JP2023171275A - ポリエステル樹脂組成物及びポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】異物が少なく、色調が良好で、透明性に優れ、耐熱性と耐加水分解性に優れ、フィルム成形時の良好な静電印加性を有するポリエステル樹脂組成物を提供する。【解決手段】固有粘度が0.55dL/g以上のポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、p-トルエンスルホン酸成分の含有量が0.07~0.65mol/t、4級ホスホニウム成分の含有量が0.07~0.65mol/tであり、円相当径0.2μm以上の異物数が450個/0.1mm2以下、溶融比抵抗が4.0×106Ω・cm以下、色差計における色調b値が10.0以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(以降PETと記す)は、透明性や加工性に優れていることから、各種光学用フィルム、例えば液晶ディスプレイの部材のプリズムシート、光拡散シート、反射板、タッチパネル等のベースフィルム、反射防止用ベースフィルムやディスプレイの防爆用ベースフィルム、PDPフィルター用フィルム等の各種用途に用いられている。しかしながら、用途が幅広くなるにつれて、求められる品位も向上し、金属異物などフィルム欠点の原因を抑制する樹脂組成物が望まれている。
また、PET樹脂をフィルム化する際には、未固化のシート状物の上面に高電圧を印加し、シート状物を回転冷却ドラムに密着させる静電印加キャスト法が多く採用されている。静電印加キャスト法において製膜速度を高めるために回転冷却ドラムの速度を速くしていくと、シート状物と回転冷却ドラムとの密着力が低下しフィルムの厚み均一性や透明性の低下、印加ムラによるフィルム表面の欠点を生じさせる。
これらの課題に対して、以下の文献に示されるような検討がなされている。
例えば、特許文献1には、静電印加性を向上させる方法として、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物をポリエステルに多量に添加する方法が提案されている。しかし、この方法は静電印加性をある程度改良できるものの、酢酸マグネシウムに代表される金属化合物を多量に用いるため、金属異物が発生し、ポリエステルフィルムの要求品位に満たない問題があった。
特許文献2には、静電印加性を向上させる方法として、スルホン酸4級ホスホニウム塩を添加する方法が提案されているが、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を多量に含有させるため、金属異物抑制には不十分であった。
特許文献3には、スルホン酸化合物を添加し、かつ、重合触媒以外の金属元素を添加しないポリエステル樹脂組成物の製造方法が提案されているが、リン酸の添加量が多く、フィルム成形のための静電印加性を得るには不十分であった。
特開2006-249213号公報 国際公開第1990/8171号 特開平10-36495号公報
しかし、ポリエステル樹脂組成物に単にスルホン酸化合物またはスルホン酸ホスホニウム化合物を添加するだけでは、フィルム成形のための静電印加性を得るには不十分であった。また、スルホン酸化合物およびアルカリ金属の添加により異物が発生したり、ポリエステル樹脂組成物の耐熱性が不良となり、ゲル化を引き起こすという課題があった。つまり、前述した従来の技術では、フィルム成形時の静電印加性向上と、金属化合物に由来する異物低減、および耐熱性の改善によるゲル化物発生の抑制を両立するには不十分であった。本発明の目的は、異物が少なく、色調が良好で、透明性に優れ、耐熱性と耐加水分解性に優れ、フィルム成形時の良好な静電印加性を有するポリエステル樹脂組成物を提供することである。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明は、以下の構成を有する。
(1)固有粘度が0.55dL/g以上のポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、p-トルエンスルホン酸成分の含有量が0.07~0.65mol/t、4級ホスホニウム成分の含有量が0.07~0.65mol/tであり、円相当径0.2μm以上の異物数が450個/0.1mm以下、溶融比抵抗が4.0×10Ω・cm以下、色差計における色調b値が10.0以下であるポリエステル樹脂組成物。
(2)ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アルカリ金属元素の含有量が3重量ppm以下である、(1)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(3)ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であり、かつ、チタン元素の含有量が0.1重量ppm~20重量ppmである、(2)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(4)ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であり、かつ、ゲルマニウム元素の含有量が5重量ppm~150重量ppmである、(2)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(5)ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であり、かつ、アルミニウム元素の含有量が0.1重量ppm~100重量ppmである、(2)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(6)ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が50重量ppm~150重量ppmである、(2)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(7)(1)~(6)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を用いてなるフィルム。
本発明は、異物が少なく、色調が良好で、透明性に優れ、耐熱性と耐加水分解性に優れ、フィルム成形時の良好な静電印加性を有するポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「重量」、「重量%」、及び「重量部」は、「質量」、「質量%」、及び「質量部」とそれぞれ同義である。「元素」についても「原子」と同義に用いることがある。
本発明に用いられるポリエステル樹脂組成物とは、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂組成物を指す。
本発明のジカルボン酸成分は、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、ダイマー酸などが挙げられる。本発明のジカルボン酸としてより好ましい態様は、融点が高く、フィルムや繊維などに加工しやすいポリエステル組成物を得ることができる点で、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、またはこれらのアルキルエステルである。融点が高く、より好ましい加工性を得る点で、テレフタル酸、またはそのアルキルエステルであることがより好ましい。
本発明のジオール成分は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノールなどの飽和脂環式1級ジオール、イソソルビドなどの環状エーテルを含む飽和ヘテロ環1級ジオール、その他シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3-メチル-1,2-シクロペンタジオール、4-シクロペンテン-1,3-ジオール、アダマンタンジオールなどの各種脂環式ジオールや、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。またジオール以外にも本発明の効果を損なわない範囲で、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールも用いることができる。この中で、反応系外に留出させやすいことから、沸点230℃以下のジオールであることが好ましく、低コストであり反応性が高いことから、脂肪族ジオールがより好ましい。さらに、得られたポリエステル樹脂組成物やその成形品の機械的特性の観点からエチレングリコールが特に好ましい。
本発明におけるポリエステルとは、特に限定されないが、エチレンテレフタレート、エチレン-2,6-ナフタレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、ヘキサメチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、プロピレン-2,6-ナフタレート、ブチレン-2,6-ナフタレート、ヘキサメチレン-2,6-ナフタレート、シクロヘキサンジメチレン-2,6-ナフタレート単位等から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とすることが好ましい。中でも、エチレンテレフタレートを主要構成単位とするポリエステルは、成形加工性に優れるため特に好ましい。本発明の効果を損なわない範囲であれば、2種以上のポリエステルを混合しても良いし、共重合のポリエステルを用いても良いが、ポリエステル樹脂組成物の融点やガラス転移点などの熱特性を損なわない観点から、ポリエステルの構成単位の99mol%以上がエチレンテレフタレートであることが好ましく、共重合成分を実質的に含まないポリエチレンテレフタレートであることが特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、p-トルエンスルホン酸成分および4級ホスホニウム成分を含有する必要がある。ポリエステル樹脂組成物にp-トルエンスルホン酸成分および4級ホスホニウム成分を含有させることにより、フィルム成形時の良好な静電印加性を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対するp-トルエンスルホン酸成分の含有量を、0.07~0.65mol/tとする必要がある。好ましくは0.20~0.60mol/tであり、さらに好ましくは0.25~0.50mol/tである。p-トルエンスルホン酸成分の含有量が0.07mol/t未満の場合は、ポリエステル樹脂組成物溶融時の溶融比抵抗が高くなり、フィルム成形時の静電印加性が不良となる。p-トルエンスルホン酸の含有量が0.65mol/tを超える場合、p-トルエンスルホン酸成分由来の異物によりポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが悪化するほか、スルホン酸基によりポリエステル樹脂組成物の耐加水分解性が悪化する。
本発明においてp-トルエンスルホン酸成分は、p-トルエンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩などp-トルエンスルホン酸アニオンを有する化合物を指す。具体的には、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸カリウム、p-トルエンスルホン酸メチルなどが例示されるが、ポリエステル樹脂組成物中の異物抑制の観点から、p-トルエンスルホン酸成分はアルカリ金属を含まないことが好ましく、p-トルエンスルホン酸が好ましい。p-トルエンスルホン酸成分はエステル形成性官能基を持たないことから、ポリエステル樹脂に共重合されることなく樹脂中を分散しているため、ポリエステル樹脂組成物の融点やガラス転移点などの熱特性を損なうことなく、フィルム成形時の良好な静電印加性を付与することができるためである。加えて、エステル形成性官能基を持たないことから、スルホン酸化合物に由来する異物が形成した場合に異物粗大化を抑制することができる。p-トルエンスルホン酸成分以外で、炭素数6以上の直鎖アルキル基や、炭素数8以上のアリール基を用いると、スルホン酸化合物に由来する異物が形成した場合に異物が粗大化しやすいほか、ポリエステル樹脂組成物を重縮合反応槽から冷水中にストランド状に吐出しペレット化する工程において、冷水の泡立ちが多くなり生産性を損なうため、不適である。一方、ベンゼンスルホン酸や炭素数5以下のアルキルスルホン酸を用いると、ポリエステル樹脂組成物中に残存しにくくなりフィルム成形時の静電印加性が不良になるため、不適である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対する4級ホスホニウム成分の含有量を、0.07~0.65mol/tとする必要がある。好ましくは0.10~0.49mol/tであり、さらに好ましくは0.15~0.33mol/tである。4級ホスホニウム成分の含有量が0.07mol/t未満の場合は、ポリエステル樹脂組成物溶融時の溶融比抵抗が高くなり、フィルム成形時の静電印加性が不良となる。4級ホスホニウム成分の含有量が0.65mol/tを超える場合、異物が発生しポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが悪化する。
本発明において4級ホスホニウム成分は、4級ホスホニウムカチオンを有する化合物を指す。4級ホスホニウムの具体例として、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、メチルトリブチルホスホニウム、エチルトリブチルホスホニウム、オクチルトリブチルホスホニウム、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、ベンジルトリメチルホスホニウム、ベンジルトリエチルホスホニウム、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルホスホニウムが例示され、4級ホスホニウム成分としては、これらの水酸化物や、塩化物や臭化物といったハロゲン化物が挙げられる。なかでも、テトラブチルホスホニウムヒドロキシドが好ましい。
本発明において、p-トルエンスルホン酸成分、および、4級ホスホニウム成分をポリエステル樹脂組成物に含有させる方法は、特に限定されず、ポリエステル樹脂組成物の重縮合反応時に添加する方法や、二軸混練押出機などを用いて重縮合反応後のポリエステル樹脂組成物と混練する方法など、公知の方法により実施することができる。特に、p-トルエンスルホン酸や4級ホスホニウム成分に由来するポリエステル樹脂組成物中の異物を抑制するため、p-トルエンスルホン酸成分と4級ホスホニウム成分とを別々に、ポリエステル樹脂組成物の重縮合反応開始前までの反応系内に添加することで含有させる方法や、p-トルエンスルホン酸成分と4級ホスホニウム成分とを中和反応させてp-トルエンスルホン酸4級ホスホニウムのジオール溶液に調整してから、ろ過フィルターを通過させた後に、重縮合反応開始前までの反応系内に添加することで含有させる方法などが、好適である。
本発明のポリエステル樹脂組成物の固有粘度は、0.55dL/g以上である必要がある。これより小さい場合は、フィルム成形時の機械特性において不適となる。固有粘度の上限は限定されないが、フィルム成形における溶融押出時のせん断発熱による温度上昇を軽減し、樹脂溶融時の環状三量体の再生を抑制する観点、および、樹脂の熱劣化によるフィルム成形時の機械特性の悪化を防止する観点から、ポリエステル樹脂組成物の固有粘度は0.60dL/g以上であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、円相当径0.2μm以上の異物数が450個/0.1mm以下である必要がある。好ましくは400個/0.1mm以下であり、さらに好ましくは300個/0.1mm以下である。ポリエステル樹脂組成物中に、円相当径0.2μm以上の異物が450個/0.1mmより多く存在する場合、ポリエステル樹脂組成物の透明性を損なうことがある。ポリエステル樹脂組成物中の異物数測定方法の詳細は、実施例において説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、溶融比抵抗が4.0×10Ω・cm以下である必要がある。好ましくは3.5×10Ω・cm以下であり、さらに好ましくは3.0×10Ω・cm以下である。ポリエステル樹脂組成物の溶融比抵抗が4.0×10Ω・cmより大きい場合、このポリエステル樹脂組成物を用いてフィルムを成形するときに静電印加性が不良となる。ポリエステル樹脂組成物の溶融比抵抗測定方法の詳細は、実施例において説明する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、色差計における色調b値が10.0以下である必要がある。色調b値が大きいほどポリエステル樹脂組成物の黄味が強いことを意味し、これが10.0を上回ると、ポリエステル樹脂組成物の黄味が強く感じられ、不適である。さらに、色調b値は9.0以下であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物において、重縮合反応触媒は公知の化合物を使用できる。例えば、アンチモン、チタン、アルミニウム、スズ、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、鉛、マンガン、マグネシウムの酸化物、カルボン酸塩、酢酸塩、水酸化物、キレート錯体、アルコキシドなどが挙げられ、これら金属化合物の水和物であってもよい。これら重縮合反応触媒を添加する際の形態は粉体、スラリー、溶液のいずれでもよく、分散性の点から溶液またはスラリーとして添加することが好ましい。このときの溶媒は、ポリエステル樹脂組成物のジオール成分と同一であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物において、重縮合反応触媒にアンチモン化合物を使用する場合、重合反応性と分解反応に対する活性の観点から、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対してアンチモン元素の含有量が50重量ppm~150重量ppmの範囲であることが好ましい。アンチモン元素の含有量が150重量ppmを超える場合、ポリエステル樹脂組成物中の金属アンチモン量が多くなり、フィルム加工時に異物となるため好ましくない。アンチモン元素の含有量が50重量ppmより少ない場合、重合活性が不足し、ポリエステル樹脂組成物が目標の固有粘度に到達しなくなることがある。溶液ヘイズの悪化抑制の観点、および、ポリエステル樹脂組成物中の金属アンチモン抑制の観点から、アンチモン元素の含有量は50重量ppm~120重量ppmの範囲であることが好ましく、さらには50重量ppm~100重量ppmの範囲であることがより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物において、重縮合反応触媒にチタン化合物を使用する場合、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であることが好ましく、10重量ppm以下でありことがより好ましい。さらに、チタン元素の含有量が0.1重量ppm~20重量ppmであることが好ましく、チタン元素の含有量は2重量ppm~15重量ppmであることがより好ましい。アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であると、ポリエステル樹脂組成物中の金属アンチモン由来の異物が削減できる。金属アンチモンは、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物が還元されることで生成し、ポリエステル樹脂組成物中の異物となり、透明性の低下や、フィルム成形時の欠点の原因となることが知られている。チタン元素の含有量が20重量ppmを超える場合、ポリエステル樹脂組成物の色調b値と耐熱性が悪化し、好ましくない。チタン元素の含有量が0.1重量ppm未満の場合、重合活性が不足し、ポリエステル樹脂組成物が目標の固有粘度に到達しなくなることがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物において、重縮合反応触媒にゲルマニウム化合物を使用する場合、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であることが好ましく、10重量ppm以下であることがより好ましい。さらに、ゲルマニウム元素の含有量が5重量ppm~150重量ppmであることが好ましい。アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であると、ポリエステル樹脂組成物中の金属アンチモン由来の異物が削減でき、フィルム成形時の欠点を抑制できる。ゲルマニウム元素の含有量が150重量ppmを超える場合、異物が発生しやすくなり、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが悪化することがある。ゲルマニウム元素の含有量が5重量ppm未満の場合、重合活性が不足し、ポリエステル樹脂組成物が目標の固有粘度に到達しなくなることがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物において、重縮合反応触媒にアルミニウム化合物を使用する場合、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であることが好ましく、10重量ppm以下であることがより好ましい。さらに、アルミニウム元素の含有量が0.1重量ppm~100重量ppmであることが好ましく、アルミニウム元素の含有量上限は50重量ppmがより好ましく、30重量ppmがさらに好ましい。また、アルミニウム元素の含有量下限は、3重量ppmがより好ましい。アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であると、ポリエステル樹脂組成物中の金属アンチモン由来の異物が削減でき、フィルム成形時の欠点を抑制できる。アルミニウム元素の含有量が100重量ppmを超える場合、異物が発生しやすくなり、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが悪化するほか、色調b値と耐熱性が悪化し、好ましくない。アルミニウム元素の含有量が0.1重量ppm未満の場合、重合活性が不足し、ポリエステル樹脂組成物が目標の固有粘度に到達しなくなることがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、マンガン元素を含有することができる。ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、マンガン元素の含有量は40重量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30重量ppm以下である。マンガン元素を含有させることで、ゲル化率を低減できるが、マンガン元素の含有量が40重量ppmを超える場合は、異物が多くなり、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが悪化するため、好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、4級ホスホニウム成分以外のリン化合物を含有することができる。4級ホスホニウム成分以外のリン化合物は、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスホノ酢酸、もしくはこれらのメチルエステルまたはエチルエステル、フェニルエステル、さらにはハーフエステルより成る群から選ばれた1種以上が挙げられ、これら2種以上を混合して用いても良く、より好ましくはリン酸が用いられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、リン元素の含有量が3~50重量ppmであることが好ましく、さらに5~40重量ppmであることがより好ましい。リン元素の含有量は、4級ホスホニウム成分およびそれ以外のリン化合物の合計量を表している。リン元素の含有量が50重量ppmを超える場合、異物が多くなり、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが悪化するため、好ましくない。リン元素の含有量が3重量ppm未満の場合は、ポリエステル樹脂組成物溶融時の溶融比抵抗が高くなり、フィルム成形時の静電印加性が不良となるほか、好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でアルカリ金属元素を含有することができるが、円相当径0.2μm以上の異物を抑制し、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズ増加を抑制する観点から、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対してアルカリ金属の含有量が3重量ppm以下であることが好ましく、実質的に含有しないことがより好ましい。本発明のポリエステル樹脂組成物にアルカリ金属元素を含有させるためには、アルカリ金属化合物を使用する。アルカリ金属化合物としては、酢酸リチウムや、アルカリ金属水酸化物の水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸アルカリ金属塩のリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、スルホン酸化合物のアルカリ金属塩であるメタンスルホン酸ナトリウム、メタンスルホン酸カリウム、ブチルスルホン酸ナトリウム、ブチルスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、テトラフルオロエタンスルホン酸ナトリウム、テトラフルオロエタンスルホン酸カリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸カリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸カリウムなどが例示される。これらのアルカリ金属化合物を、ポリエステル樹脂組成物の重縮合反応時に添加する方法や、二軸混練押出機などを用いて重縮合反応後のポリエステル樹脂組成物と混練する方法など、公知の方法でポリエステル樹脂組成物に含有させることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、粒子を含有させることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物に含有させる粒子は、無機粒子であればシリカ、アルミナ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、カオリン、タルク、マイカ、カーボンブラック、シリコンが、有機粒子であれば架橋ポリスチレン、架橋シリコン、架橋アクリル、架橋スチレン-アクリル、架橋ポリエステル、ポリイミド、メラミンの樹脂粒子が例示されるが、粒子の種類は特に限定されない。経済性、熱安定性、粒子分散性の観点から、シリカ粒子、アルミナ粒子、架橋ポリスチレン粒子を用いることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物に粒子を含有させる方法は特に限定されないが、粒子分散性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂組成物の重縮合反応時に添加する方法や、二軸混練押出機などを用いて重縮合反応後のポリエステル樹脂組成物と混練する方法により、ポリエステル樹脂組成物に含有させることが好ましい。また、本発明のポリエステル樹脂組成物に含有させる粒子種の数は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されず、1種以上の粒子を含有させることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物に粒子を含有させる際の形態は粉体、スラリーのいずれでもよく、分散性の点からスラリーとして添加することが好ましい。また、スラリーは水スラリーでも、ポリエステル組成物のジオール成分のスラリーのいずれでも良いが、ポリエステル樹脂組成物の粒子分散性の観点から、ポリエステルのジオール成分と同一であることが好ましい。
以下に、本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法を具体的に記載する。
例えば、本発明におけるポリエステルがポリエチレンテレフタレート(以降PETと呼ぶ)である場合、通常、テレフタル酸あるいはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを原料とし、エステル化反応やエステル交換反応などの反応によりビスヒドロキシエチルテレフタレート(以降BHETと呼ぶ)に代表される低重合体を得た後、重縮合反応によって高分子量PETを得るプロセスで製造される。
低重合体のBHETを得る反応は特に限定されず、公知の反応により実施できる。例として、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを原料としてエステル交換反応触媒を加えることで進行するエステル交換反応や、テレフタル酸とエチレングリコールを原料として無触媒でもカルボン酸の自己触媒作用により進行するエステル化反応によりBHETを得ることができる。また、回収されたPET製品を解重合してBHETを得ることもできる。無触媒でもカルボン酸の自己触媒作用により反応が十分に進行し、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、マンガン化合物などの反応触媒を添加する必要がない点で、エステル化反応によることが好ましい。エステル化反応を無触媒で実施することにより、重縮合反応の段階における熱分解や異物の発生などを抑制することができる。
続いて、得られたBHETを重合槽へ移送し、p-トルエンスルホン酸成分や4級ホスホニウム成分等の添加剤、および、重縮合反応触媒などを添加した後、装置内温度をゆっくり279℃まで加熱し、常圧から133Pa以下まで減圧する。重合反応の進行に従って反応物の粘度が上昇する。所定の撹拌トルクとなった時点で反応を終了し、溶融PETを得る。その後、得られた溶融PETは口金よりストランド状に吐出、冷却し、カッターによってペレット化する方法によりポリエステル樹脂組成物を製造できる。
得られたポリエステル樹脂組成物は、乾燥工程前に予備結晶化することが好ましい。予備結晶化はポリエステル樹脂組成物に機械的衝撃を与えせん断処理を施す方法や、熱風流通下で加熱処理を施す方法などを採用することができる。
本発明のポリエステル組成物について、高分子量のポリエステル樹脂組成物を得るため、固相重合を行ってもよい。固相重合は、装置・方法は特に限定されないが、ポリエステル組成物を不活性ガス雰囲気下または減圧下、ポリエステル樹脂組成物の融点以下の温度で加熱処理することで実施される。不活性ガスはポリエステル樹脂組成物に対して不活性なものであればよく、例えば窒素、ヘリウム、炭酸ガスなどを挙げることができるが、経済性から窒素が好ましく用いられる。また、減圧条件では、より高真空にすることが固相重合反応に要する時間を短くできるため有利であり、具体的には110Pa以下を保つことが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、フィルム、繊維、成形体などの各種用途に好適に用いることができ、良好な静電印加性および透明性を有していることから、特にフィルムに好適に用いることができる。また、本発明のポリエステル樹脂組成物をフィルムに成形するときは、公知の成形加工方法でフィルムを成形することができる。本発明のポリエステル樹脂組成物をフィルムに加工する際に、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤、例えば、顔料および染料を含む着色剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、核剤、可塑剤、離型剤などの添加剤を1種以上添加することもできる。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなるフィルムは、溶融押出による未延伸フィルムであっても、または1軸延伸、2軸延伸を施した延伸フィルムであっても構わない。また、2軸延伸を施す場合は、逐次2軸延伸フィルムであっても同時2軸延伸フィルムであっても構わない。例えば、得られたポリエステル樹脂組成物のペレットを180℃で3時間以上真空乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは真空下で280~320℃に加熱された押出機に供給し、繊維焼結ステンレス金属フィルター内を通過させた後、スリット状のダイから押出し、キャストドラムに静電荷を印加させながら冷却して未延伸フィルムを得る。さらに、この未延伸フィルムを赤外線ヒーター装置に導き、ロール間でフィルムの走行方向である長手方向に延伸することで1軸延伸フィルムを得る。次いで、1軸延伸フィルムをクリップで把持して加熱しながら長手方向と直交する幅方向に延伸した後、冷却により結晶配向を完了させて逐次2軸延伸フィルムを得る。あるいは、未延伸フィルムを長手および幅方向に同時に延伸することで同時2軸延伸フィルムを得る。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなるフィルムは、フィルム全体が同じ樹脂で構成される単膜フィルムであっても構わないし、本発明のポリエステル樹脂組成物と他のポリエステル樹脂組成物を配合して構成される単膜フィルムであっても構わない。また、本発明のポリエステル樹脂組成物を含むフィルム層が少なくとも1層含まれる積層フィルムであっても構わない。本発明のポリエステル樹脂組成物を含むフィルム層を積層する場合、本発明のポリエステル樹脂組成物の配合量は特に限定されるものではない。また、得られるポリエステルフィルムに易滑性を与える観点から、粒子を含有したポリエステル樹脂組成物を配合することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、異物が少なく、色調が良好で、透明性(ヘイズ)に優れ、耐熱性、良好な静電印加性を有することから、積層セラミックコンデンサのグリーンシート成形用基材、液晶偏光板のセパレータ、ドライフィルムレジスト用基材のような離型用途のフィルムや、光学用途の高品位フィルムに好適に使用できる。本発明のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステルフィルムは、成形時に良好な静電印加性を有し、フィルムの厚みムラが少なく、金属異物が少なく透明性に優れる特徴をもつ。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、物性の測定方法、効果の評価方法は以下の方法で行った。
(1)ポリエステル樹脂組成物の固有粘度[η](単位:dL/g)
ポリエステル樹脂組成物の0.1gを0.001g以内の精度で秤量し、10mLのo-クロロフェノール(以降OCPと呼ぶ)を用いて100℃×30分間加熱して溶解した。溶液を室温まで冷却し、25℃の水槽中に設置したオストワルド粘度計に該溶液を8mL仕込み、標線を通過する秒数を計測した(A秒)。また、OCPのみ8mL用いて前記と同様に25℃の水槽中に設置したオストワルド粘度計で標線を通過する秒数を計測した(B秒)。固有粘度[η]は、[η]=-1+[1+4×K×{(A/B)-1}]^0.5/(2×K×C)の式により算出した。ここで、Kは0.343、Cは試料溶液の濃度(g/100mL)である。
(2)ポリエステル樹脂組成物の重合時間
ポリエステル樹脂組成物の重縮合反応において、装置内温度の昇温および常圧からの減圧を開始した時点を0分とし、所定の撹拌トルクとなった時点を反応終了として重合時間とした。重合時間が5時間を超える場合は、ポリエステル樹脂組成物の製造効率を損なうため、不適とした。
(3)ポリエステル樹脂組成物中の元素含有量(単位:重量ppm)
リン元素(原子)、マグネシウム元素(原子)、マンガン元素(原子)、アンチモン元素(原子)、チタン元素(原子)、ゲルマニウム元素(原子)、およびアルミニウム元素(原子)の含有量については、ポリエステル樹脂組成物の試料ペレットを溶融プレス機で円柱状に成形し、理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて蛍光X線強度を求め、あらかじめ作成しておいた検量線から算出した。
硫黄元素(原子)の含有量については、ポリエステル樹脂組成物の樹脂ペレットを三菱ケミカルアナリテック社製の自動試料燃焼装置(型番:AQF-2100)を用いて燃焼させ、発生したガスを溶液に吸収後、吸収液の一部をDIONEX社製のイオンクロマトグラフィー(型番:ICS1600)により分析した。試料は秤量からn=2で測定し、測定値の平均値を硫黄元素含有量とした。
アルカリ金属元素(リチウム元素(原子)、ナトリウム元素(原子)、カリウム元素(原子))の含有量については、原子吸光分析法(株式会社日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180-80形、フレーム:アセチレン空気)にて定量を行った。
(4)ポリエステル樹脂組成物の色調
ポリエステル樹脂組成物の樹脂ペレットを円柱状の粉体測定用セルに充填し、スガ試験機(株)社製の色差計(SMカラーメーターSM-T)で反射法を用いて、b値をn=3で測定した。測定値の算術平均を色調b値として、色調の評価指標とした。この値が9.0以下であれば良好、9.0より大きく10.0以下であれば合格、10.0を上回る場合は不合格とした。
(5)p-トルエンスルホン酸成分および4級ホスホニウム成分の含有量(単位:mol/t)
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物0.5gをヘキサフルオロイソプロパノール8mLに溶解し、ジクロロメタン10mLで希釈後、メタノール30mLを徐々に添加し再沈した。遠心分離を行い、上澄液をダルマフラスコに採取した。残渣にジクロロメタン10mLとメタノール20mLを加えて洗浄し、上澄液を先ほどのダルマフラスコに採取した。ダルマフラスコを80℃に加温しながら緩やかに窒素ガスを吹き付け、濃縮後、ジメチルスルホキシドにてメスアップを行い、液体クロマトグラフィー(以降HPLCと記す)の試料とした。試料中のp-トルエンスルホン酸成分の含有量(mol/t)はあらかじめ作成しておいたp-トルエンスルホン酸の検量線から、4級ホスホニウム成分の含有量(mol/t)はあらかじめ作成しておいた各物質(テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、その他の4級ホスホニウム化合物を添加した場合でも同様)の検量線から、HPLC装置を用いて求めた。なお、HPLCで成分分割した各成分の同定には、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)による分析を行った。
HPLC測定条件は以下の通りである。
メーカー:HITACHI
機種名:Chromaster(検出器:5420、カラムオーブン:6310)
カラム:ODS-2 6.0×250mm、5μm(GLサイエンス)
移動相:A:B=40:60(A:0.1%リン酸水溶液、B:アセト二トリル)
流量:1.2mL/分
注入量:30μL
カラム温度:45℃
UV波長:235nm。
(6)ポリエステル樹脂組成物の溶融比抵抗(単位:Ω・cm)
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を290℃で溶融した後、面積0.5cmのステンレス製電極2枚を8mmの間隔で並行に挿入し、温度が安定した後に抵抗計(日置電機株式会社製:抵抗計RM3545)で抵抗値(R)を測定した。続いて、ρ(Ω・cm)=R×0.5/0.8 の式から溶融比抵抗(ρ)を算出した。
(7)ポリエステル樹脂組成物の耐熱性(主鎖分断率(%BB))(単位:%)
ポリエステル樹脂組成物5gを試験管に採取し、160℃で5時間真空乾燥後、290℃のオイルバス中で窒素気流300mL/分流通下、6時間溶融した。溶融物の固有粘度[η]6hr、および溶融前の固有粘度[η]0hrを用いて、主鎖分断率(%)=0.27×{[η]6hr^(-1.33)-[η]0hr^(-1.33)}の式により主鎖分断率を算出した。この値が0.43%以下であれば良好、0.43%より大きく0.48%以下であれば合格、0.48%を上回る場合を不合格とした。
(8)ポリエステル樹脂組成物のCOOH末端基量(単位:eq/t)
Mauriceの方法によって測定した(文献M.J.Maurice,F.Huizinga,Anal.Chem.Acta、22、363(1960))。
すなわち、ポリエステル樹脂組成物0.5gを0.001g以内の精度で秤量する。該試料にo-クレゾール/クロロホルムを7/3の質量比で混合した溶媒50mlを加え、加熱して内温が90℃になってから20分間加熱攪拌して溶解する。また混合溶媒のみもブランク液として同様に別途加熱する。溶液を室温に冷却し、1/50Nの水酸化カリウムのメタノール溶液で電位差滴定装置を用いて滴定をおこなう。また、混合溶媒のみのブランク液についても同様に滴定を実施する。
ポリエステル樹脂組成物のCOOH末端基量は、以下の式により計算した。
COOH末端基量(eq/t)={(V1-V0)×N×f}×1000/S
ここでV1は試料溶液での滴定液量(mL)、V0はブランク液での滴定液量(mL)、Nは滴定液の規定度(N)、fは滴定液のファクター、Sはポリエステル樹脂組成物の質量(g)である。
(9)ポリエステル樹脂組成物の耐加水分解性(COOH末端基増加量(ΔCOOH))(単位:eq/t)
ポリエステル樹脂組成物を飽和水蒸気下、155℃で4時間湿熱処理し、処理前後のCOOH末端基量を測定することで、COOH末端基増加量(ΔCOOH=処理後COOH-処理前COOH)を算出し耐加水分解性を評価した。なお、処理装置はPRESSERCOOKER306SIII(HIRAYAMA製作所(株)製)を使用した。ΔCOOHの値が低ければ低いほど、耐加水分解性が良好である。本発明のポリエステル樹脂組成物のΔCOOH値は80.0以下を良好、80.0より大きく90.0以下を合格とし、90.0を上回る場合は不合格とした。
(10)ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズ(単位:%)
ポリエステル樹脂組成物2.0gを、フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(60:40wt%)の混合溶媒20mLに100℃で60分撹拌して溶解させ、室温まで冷却後、その溶液を20mmのガラスセルに入れ、スガ試験機製ヘイズコンピューター(HGM-2DP)で測定した。溶液ヘイズの測定値が0.6%以下であればポリエステル樹脂組成物の透明性は良好、0.6%より大きく0.8%以下であれば透明性は合格とし、0.8%を上回る場合は不合格とした。
(11)ポリエステル樹脂組成物中の異物数(単位:個/0.1mm
ポリエステル樹脂組成物をプラズマ低温灰化処理法で除去し、粗大な異物を露出させる。処理条件は、異物が極力ダメージを受けない条件を選択する。その異物を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、異物画像をイメージアナライザで処理する。SEMの倍率は1000倍を選択する。観察箇所を変えて0.1平方mm以上測定を行い、観察される白色物について、円相当径0.2μm以上を異物とし異物個数をカウントした。
(12)ポリエステル樹脂組成物のゲル化率(単位:%)
ポリエステル樹脂組成物の樹脂ペレットを凍結粉砕器(Sprex CertiPerp社製)にて粉砕し、ステンレスビーカーに0.5g秤量した。真空乾燥機を用いて、50℃で2時間真空乾燥した後、空気と窒素の混合気体で酸素濃度1%とし、試料を秤量したステンレスビーカーに酸素濃度1%の混合気体を配管より通した後、該容器を300℃のオイルバスに浸し、酸素濃度1%の空気と窒素の混合気体を0.5L/分の流量で流通下、6時間加熱処理を行った。これを、20mlのOCPで、160℃で1時間溶解し、放冷した。この溶液を、ガラスフィルター(柴田化学社製、3GP40)を使用し濾過、ジクロロメタンにてガラスフィルターを洗浄した。ガラスフィルターを130℃で2時間乾燥し、濾過前後のガラスフィルターの重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶物(ゲル)の重量を算出し、OCP不溶物のリエチレンテレフタレート重量に対する重量分率を求め、ゲル化率(%)とした。ゲル化率は10%以下であれば優良、10%より大きく15%以下であれば良好とした。
(13)ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモン数(単位:個/0.1mm
ポリエステル樹脂組成物の樹脂ペレット2.0gを、ジクロロメタン-OCP混合溶媒20mLに溶解し、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過する。濾過後のフィルター上の異物を、走査型電子顕微鏡(SEM)の反射電子像で観察し、異物画像をイメージアナライザで処理する。SEMの倍率は1000倍を選択する。観察箇所を変えて0.1平方mm以上測定を行い、観察される白色物について、円相当径0.2μm以上を濾過捕捉物中の金属アンチモンとし個数をカウントし、ポリエステル樹脂組成物中の金属アンチモン数の指標とした。反射電子像で観察される白色物は、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)の観察により、アンチモンであることを確認した。濾過捕捉物中の金属アンチモン数は少ないほど良く、100個/0.1mm以下であれば良好、101個/0.1mm以上500個/0.1mm以下であれば合格、501個/0.1mm以上であれば不合格とした。
(14)ポリエステルフィルムの製膜性(静電印加性)
実施例・比較例において未延伸フィルムを製膜した際に、以下の基準で製膜性を判断した。
○(良好):問題なくフィルムが作成できた。
△(合格):キャストドラムへの密着性の低下が見られるが、フィルムの作成は問題なかった。
×(不合格):キャストドラムへの密着性が不良となり、フィルムの作成が困難となった。
(実施例1)
250℃にて溶解したBHET105重量部が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部(テレフタル酸に対して1.15倍モル)からなるスラリーを徐々に添加し、水を留出させながらエステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245~250℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とし、得られたエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)を留出装置の付いた重合装置に溶融状態で仕込んだ。
テトラブチルホスホニウムヒドロキシド0.0112重量部をエチレングリコール溶液として添加し、次いでp-トルエンスルホン酸0.0077重量部をエチレングリコール溶液として添加した。続いて、三酸化二アンチモン0.0084重量部をエチレングリコールスラリーとして添加した。引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、35分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して279℃とし、ポリエステル樹脂組成物の固有粘度が0.62dL/gとなるまで重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化して、円相当径0.2μm以上の異物数が290個/0.1mm、溶融比抵抗が2.2×10Ω・cmであるポリエステル樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル樹脂組成物は、表1に記載した量のp-トルエンスルホン酸成分、4級ホスホニウム成分、アンチモン元素、リン元素を含有していた。色調b値は6.8、耐熱性指標の主鎖分断率(%BB)は0.38%、耐加水分解性指標のCOOH末端基増加量(ΔCOOH)は72.9eq/t、溶液ヘイズは0.5%であり、いずれも良好な値であった。また、ゲル化率は21.6%、濾過捕捉物中の金属アンチモン数は270個/0.1mm、であり合格範囲内であった。
続いて、得られたポリエステル樹脂組成物の樹脂ペレットを160℃で8時間減圧乾燥した後、押出機に供給し、285℃の温度条件下で溶融押出しをおこない、静電印加された20℃のキャストドラム上にキャストすることで未延伸シートを得た。この未延伸シートを90℃に加熱された延伸ロールによって長手方向に3.5倍延伸し、次いでテンター式延伸機によって120℃で幅方向に4.0倍延伸し、その後230℃で10秒間の熱固定を施した。冷却ゾーンで均一に徐冷後、ロールに巻き取り、厚み16μmのポリエステルフィルムを得た。このポリエステルフィルムの製膜性評価では、静電印加性が良好であった。
(実施例2~7、比較例1~3)
p-トルエンスルホン酸の添加量を変更し、表1に記載の含有量とした以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示す。
実施例2~4と比較例1では、p-トルエンスルホン酸成分含有量の増加につれて円相当径0.2μm以上の異物の増加によりポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが上昇し、ΔCOOHも上昇した。これらの指標は、実施例2~4では合格範囲内であったが、比較例1では不合格となった。
実施例5~7と比較例2では、p-トルエンスルホン酸成分含有量の減少につれて溶融比抵抗上昇し、ポリエステルフィルムの製膜性評価において静電印加性が悪化する傾向であった。また、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモン数も増加した。これらの指標は、実施例5~7では合格範囲内であったが、比較例2では不合格となった。
さらに比較例3では、p-トルエンスルホン酸成分を添加しなかったため、溶融比抵抗が大きく上昇し、ポリエステルフィルムの製膜性が不合格であった。また、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモン数においても不合格であった。
(実施例8~14、比較例4~6)
テトラブチルホスホニウムヒドロキシドの添加量を変更し、表1に記載の含有量とした以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表2に示す。
実施例8~11と比較例4では、4級ホスホニウム成分含有量の増加につれて、円相当径0.2μm以上の異物の増加によりポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが上昇した。また、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモン数も増加した。これらの指標は、実施例8~11では合格範囲内であったが、比較例4では不合格となった。
実施例12~14と比較例5では、4級ホスホニウム成分含有量の減少につれて、溶融比抵抗上昇し、ポリエステルフィルムの製膜性評価において静電印加性が悪化する傾向であった。また、ΔCOOHも上昇する傾向であった。これらの指標は、実施例12~14では合格範囲内であったが、比較例5では不合格となった。
さらに比較例6では、4級ホスホニウム成分を添加しなかったため、溶融比抵抗が大きく上昇し、ポリエステルフィルムの製膜性が不合格であった。また、ΔCOOHの値も大きく不合格であった。
Figure 2023171275000001
Figure 2023171275000002
(実施例15)
250℃にて溶解したBHET105重量部が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部(テレフタル酸に対して1.15倍モル)からなるスラリーを徐々に添加し、水を留出させながらエステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245~250℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とし、得られたエステル化反応物105重量部(PET100重量部相当)を留出装置の付いた重合装置に溶融状態で仕込んだ。
事前に等モルのp-トルエンスルホン酸とテトラブチルホスホニウムヒドロキシドとを中和調整したp-トルエンスルホン酸テトラブチルホスホニウム0.0175重量部を、エチレングリコール溶液として添加し、次いで、テトラ-n-ブチルチタネート0.0050重量部をエチレングリコール溶液として添加した。引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、35分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して279℃とし、ポリエステル樹脂組成物の固有粘度が0.62dL/gとなるまで重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化して、円相当径0.2μm以上の異物数が180個/0.1mm、溶融比抵抗が2.2×10Ω・cmであるポリエステル樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。結果を表4に示す。
得られたポリエステル樹脂組成物は、色調b値が8.2と高めだが良好範囲内であった。また、実施例1のポリエステル樹脂組成物と比べて円相当径0.2μm以上の異物が少なく、また、アンチモン触媒を使用していないことから、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモンは観察されなかった。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(実施例16~19、比較例7、8)
テトラ-n-ブチルチタネートの添加量を変更して、表3に記載のチタン元素の含有量とした以外は、実施例15と同様の方法でポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表4に示す。
実施例16、17と比較例7では、チタン元素含有量の増加につれて、色調b値、%BB、ΔCOOHが上昇する傾向であったが、これらの指標は実施例16と17では合格範囲内であった。一方で、比較例7では、色調b値と%BBが不合格であった。
実施例18,19と比較例8では、チタン元素含有量の減少につれて、重合時間が長くなる傾向があったが、実施例18と19は合格範囲であった。一方で、比較例8ではチタン元素の含有量が少なく重縮合反応の活性が不足したため、重合時間が5時間を超えても目標の固有粘度に到達しなかった。そのため、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムの特性評価は実施しなかった。
(実施例20)
重縮合反応触媒としてテトラ-n-ブチルチタネートを添加する代わりに、二酸化ゲルマニウム0.0072重量部を、エチレングリコール溶液として添加した以外は、実施例15と同様の方法で、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。色調b値は6.8、%BBは0.34%、ΔCOOHは68.5eq/t、溶液ヘイズは0.5%であり、いずれも良好な値であった。また、ゲル化率は15.4%であり合格範囲内であった。アンチモン触媒を使用していないことから、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモンは観察されなかった。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(実施例21、22、比較例9、10)
二酸化ゲルマニウムの添加量を変更して、表3に記載のゲルマニウム元素の含有量とした以外は、実施例20と同様の方法でポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。
実施例21では、円相当径0.2μm以上の異物数が410個/0.1mmと多く、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが0.7%であったが合格範囲内であった。また、得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
比較例9では、円相当径0.2μm以上の異物数が480個/0.1mmとさらに多くなり、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが1.0%の不合格となった。
実施例22では、実施例20と比べてゲルマニウム元素量が少なく、重合時間が長くなったが、ポリエステル樹脂組成物の特性評価においては、いずれも合格範囲内であった。
比較例10では、実施例22よりもさらにゲルマニウム元素量が少なく、重縮合反応の活性が不足したため、重合時間が5時間を超えても目標の固有粘度に到達しなかった。そのため、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムの特性評価は実施しなかった。
(実施例23)
重縮合反応触媒としてテトラ-n-ブチルチタネートを添加する代わりに、酢酸アルミニウムのエチレングリコール溶液に変更して添加し、表3に記載のアルミニウム元素の含有量とした以外は、実施例15と同様の方法で、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。色調b値は6.9、%BBは0.38%、ΔCOOHは70.6eq/t、溶液ヘイズは0.5%であり、いずれも良好な値であった。また、ゲル化率は21.6%であり合格範囲内であった。アンチモン触媒を使用していないことから、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモンは観察されなかった。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(実施例24~28、比較例11、12)
酢酸アルミニウムの添加量を変更して、表3に記載のアルミニウム元素の含有量とした以外は、実施例23と同様の方法で、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。
実施例24~26と比較例11では、アルミニウム元素の含有量の増加につれて、円相当径0.2μm以上の異物の増加によりポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが上昇し、色調b値、%BB、ΔCOOHが上昇する傾向であったが、これらの指標は、実施例24~26では合格範囲内であった。一方で比較例11では、%BB、溶液ヘイズにおいて不合格となった。
実施例27、28と比較例12では、アルミニウム元素含有量の減少につれて、重合時間が長くなる傾向があったが、実施例27と28は合格範囲であった。一方で、比較例12ではアルミニウム元素の含有量が少なく重縮合反応の活性が不足したため、重合時間が5時間を超えても目標の固有粘度に到達しなかった。そのため、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムの特性評価は実施しなかった。
Figure 2023171275000003
Figure 2023171275000004
(実施例29~35、比較例13、14)
重縮合反応触媒を三酸化二アンチモンからテトラ-n-ブチルチタネートに変更し、チタン元素およびp-トルエンスルホン酸成分を、表5に記載の含有量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表6に示す。
実施例29は、実施例15とp-トルエンスルホン酸成分と4級ホスホニウム成分、チタン元素、リン元素の含有量が同一であるが、p-トルエンスルホン酸成分と4級ホスホニウム成分の添加方法を変更した。そのため、円相当径0.2μm以上の異物数が減少した。得られたポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムの評価においては、いずれの指標も合格範囲内であった。
実施例30~32と比較例13では、p-トルエンスルホン酸成分含有量の増加につれて円相当径0.2μm以上の異物の増加によりポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが上昇し、ΔCOOHも上昇した。これらの指標は、実施例30~32では合格範囲内であったが、比較例13では不合格となった。
実施例33~35と比較例14では、p-トルエンスルホン酸成分含有量の減少につれて溶融比抵抗上昇し、ポリエステルフィルムの製膜性評価において静電印加性が悪化する傾向であり、実施例33~35では合格範囲内であったが、比較例14では不合格となった。
(実施例36~42、比較例15、16)
重縮合反応触媒を三酸化二アンチモンからテトラ-n-ブチルチタネートに変更し、チタン元素、リン元素および4級ホスホニウム成分を、表5に記載の含有量に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表6に示す。
実施例36~39と比較例15では、4級ホスホニウム成分含有量の増加につれて、円相当径0.2μm以上の異物の増加によりポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが上昇し、実施例36~39では合格範囲内であったが、比較例15では不合格となった。
実施例40~42と比較例16では、4級ホスホニウム成分含有量の減少につれて、溶融比抵抗上昇し、ポリエステルフィルムの製膜性評価において静電印加性が悪化する傾向であった。また、ΔCOOHも上昇する傾向であった。これらの指標は、実施例40~42では合格範囲内であったが、比較例16では不合格となった。
Figure 2023171275000005
Figure 2023171275000006
(実施例43、44、比較例17)
テトラ-n-ブチルチタネート添加後に、次いで酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を添加し、表7に記載のマンガン元素の含有量とした以外は、実施例29と同様の方法で、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表8に示す。
実施例43では、実施例29のポリエステル樹脂組成物からマンガン元素を20重量ppm含有させたことで、円相当径0.2μm以上の異物数増加により溶液ヘイズが上昇したが、合格範囲内であった。また、ゲル化率が9.0%と優良な値となった。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
実施例44では、実施例43よりもマンガン元素含有量を増加させたところ、円相当径0.2μm以上の異物数がさらに増加し、溶液ヘイズが上昇したが、合格範囲内であった。また、ゲル化率は8.5%とさらに良化した。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
比較例17では、実施例44からマンガン元素含有量をさらに増加した。円相当径0.2μm以上の異物数はさらに増加し、溶液ヘイズが上昇し不合格となった。
(実施例45)
酢酸マンガンの代わりに、酢酸マグネシウムのエチレングリコール溶液を添加し、表7に記載のマグネシウム元素の含有量とした以外は、実施例43と同様の方法でポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表8に示す。
実施例29のポリエステル樹脂組成物からマグネシウム元素を20重量ppm含有させたことで、円相当径0.2μm以上の異物数増加により溶液ヘイズが上昇したが、合格範囲内であった。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(実施例46)
重縮合反応触媒をテトラ-n-ブチルチタネートから二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液に変更し、表7に記載のゲルマニウム元素の含有量とした以外は、実施例43と同様の方法でポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表8に示す。
マンガン元素を含有するため、実施例43のポリエステル樹脂組成物と同様に、円相当径0.2μm以上の異物数が多く溶液ヘイズが高いが、合格範囲内であった。一方、実施例43のポリエステル樹脂組成物と比べて色調b値は良化した。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(実施例47~49、比較例18)
テトラブチルホスホニウムヒドロキシドとp-トルエンスルホン酸の添加から、テトラ-n-ブチルチタネートの添加までの間に、リン酸をエチレングリコール溶液として添加し、表7に記載のリン元素の含有量とした以外は、実施例43と同様の方法でポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表8に示す。
実施例47では、リン酸を添加しなかった実施例43のポリエステル樹脂組成物と比べて、溶液ヘイズが同じ値であり合格範囲であった。また、溶融比抵抗が上昇したが、ポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
実施例48、49と比較例18では、実施例47からさらにリン酸添加量を増やし、リン元素の含有量を増加させた。これにより、円相当径0.2μm以上の異物数増加により溶液ヘイズが上昇し、実施例48と49では合格範囲であったが、比較例18では不合格となった。また、溶融比抵抗が上昇する傾向であったが、いずれの水準も、ポリエステルフィルムの製膜性評価において静電印加性は合格範囲であった。
(実施例50)
4級ホスホニウム成分を、テトラブチルホスホニウムヒドロキシドからテトラエチルホスホニウムヒドロキシドのエチレングリコール溶液に変更した以外は、実施例29と同様の方法でポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表8に示す。
得られたポリエステル樹脂組成物は、実施例29のポリエステル樹脂組成物と同等の特性を有しており、いずれの指標においても合格範囲内であった。また、得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(比較例19~21)
p-トルエンスルホン酸の代わりに、表7に記載のスルホン酸化合物を含有させた以外は、実施例48と同様の方法でポリエステル樹脂組成物およびポリエステルフィルムを得た。結果を表8に示す。
比較例19では、p-トルエンスルホン酸よりも炭素数が大きいドデシルベンゼンスルホン酸を使用したため、実施例48のポリエステル樹脂組成物と比べて円相当径0.2μm以上の異物数が多くなり、溶液ヘイズが高く不合格となった。また、溶融比抵抗が高く、ポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性が不合格であった。
比較例20では、エステル形成性官能基を2つもつ3,5-ジカルボキシベンゼンスルホン酸を使用したため、実施例48のポリエステル樹脂組成物と比べて円相当径0.2μm以上の異物数が多くなり、溶液ヘイズが高く不合格となった。また、溶融比抵抗が高めであったが、ポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性が合格範囲であった。
比較例21では、p-トルエンスルホン酸よりも炭素数が小さいメタンスルホン酸を使用したため、実施例48のポリエステル樹脂組成物と比べて溶融比抵抗が高くなり、ポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性が不合格となった。
(実施例51)
回収したPET製品250重量部に対して、エチレングリコール87重量部を反応装置に仕込み、同時に昇温開始して、240℃、常圧下で解重合を開始し、その後、徐々に昇温し2時間50分後に解重合反応を終了した。この時の反応生成物であるBHETを、開口10μmのプリーツ型フィルターで濾過した後、105重量部(PET100重量部相当)を留出装置の付いた重合装置に溶融状態で仕込んだ。
テトラブチルホスホニウムヒドロキシド0.0112重量部、次いでp-トルエンスルホン酸0.0077重量部をエチレングリコール溶液として添加し、続いて、テトラ-n-ブチルチタネート0.0050重量部をエチレングリコール溶液として添加した。引き続いて重合反応槽内を除々に減圧にし、35分で0.13kPa以下とし、それと同時に除々に昇温して279℃とし、ポリエステル樹脂組成物の固有粘度が0.62dL/gとなるまで重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化して、円相当径0.2μm以上の異物数が200個/0.1mm、溶融比抵抗が2.2×10Ω・cmであるポリエステル樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル樹脂組成物は、表7に記載した量のp-トルエンスルホン酸成分、4級ホスホニウム成分、チタン元素、リン元素を含有していた。色調b値は8.2、%BBは0.41%、ΔCOOHは77.2eq/t、溶液ヘイズは0.4%であり、いずれも良好な値であった。また、ゲル化率は22.0%と合格範囲内であり、アンチモン触媒を使用していないことから、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモンは観察されなかった。続いて、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。このポリエステルフィルムの製膜性評価では、静電印加性が良好であった。
Figure 2023171275000007
Figure 2023171275000008
(実施例52~55)
三酸化二アンチモンの添加量を変更し、表9に記載の含有量とした以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表10に示す。
得られたポリエステル樹脂組成物は、アンチモン元素含有量が増加するにつれて、%BBとポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモン数が増加傾向であったが、いずれの指標も合格範囲内であった。得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(実施例56、57)
p-トルエンスルホン酸成分を、p-トルエンスルホン酸とp-トルエンスルホン酸ナトリウムの混合物に変更して、表9に記載のアルカリ金属含有量とした以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表10に示す。
得られたポリエステル樹脂組成物は、アルカリ金属元素の含有量の増加につれて、円相当径0.2μm以上の異物の増加によりポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが上昇したが、合格範囲内であった。一方、また、得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(比較例22)
p-トルエンスルホン酸成分を、p-トルエンスルホン酸ナトリウムに変更して、表9に記載のアルカリ金属含有量とした以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表10に示す。
得られたポリエステル樹脂組成物は、実施例57のポリエステル樹脂組成物よりもアルカリ金属元素の含有量が増加し、円相当径0.2μm以上の異物が560個/0.1mmと不適であったことから、ポリエステル樹脂組成物の溶液ヘイズが1.0%の不合格となった。
(実施例58、59)
テトラブチルホスホニウムヒドロキシドとp-トルエンスルホン酸の添加から三酸化二アンチモンの添加までの間に、リン酸をエチレングリコール溶液として添加し、さらに、三酸化二アンチモンの添加後に酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を添加して、表9に記載の含有量とした以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表10に示す。
実施例58で得られたポリエステル樹脂組成物の色調b値は7.0、%BBは0.29%、ΔCOOHは78.7eq/tであり、いずれも良好な値であった。溶液ヘイズは0.7%、濾過捕捉物中の金属アンチモン数は270個/0.1mmであり、いずれも合格範囲内であった。さらに、ゲル化率は8.7%と優良な値であった。
実施例59で得られたポリエステル樹脂組成物の色調b値は7.3、%BBは0.30%、ΔCOOHは66.9eq/t、ゲル化率は10.6%であり、いずれも良好な値であった。また、溶液ヘイズは0.7%、濾過捕捉物中の金属アンチモン数は270個/0.1mmであり、いずれも合格範囲内であった。
実施例58と59で得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性は良好であった。
(実施例60、61)
重縮合反応触媒を三酸化二アンチモンから二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液に変更し、表9に記載のゲルマニウム元素の含有量とした以外は、実施例59、61と同様にしてポリエステル樹脂組成物、および、ポリエステルフィルムを得た。結果を表10に示す。
実施例60と61で得られたポリエステル樹脂組成物は、いずれの特性も合格範囲内であり、さらに、ポリエステル樹脂組成物の濾過捕捉物中の金属アンチモンは観察されない良好な結果であった。また、得られたポリエステルフィルムの製膜性評価において、静電印加性はいずれも良好であった。
Figure 2023171275000009
Figure 2023171275000010

Claims (7)

  1. 固有粘度が0.55dL/g以上のポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、p-トルエンスルホン酸成分の含有量が0.07~0.65mol/t、4級ホスホニウム成分の含有量が0.07~0.65mol/tであり、円相当径0.2μm以上の異物数が450個/0.1mm以下、溶融比抵抗が4.0×10Ω・cm以下、色差計における色調b値が10.0以下であるポリエステル樹脂組成物。
  2. ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アルカリ金属元素の含有量が3重量ppm以下である、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であり、かつ、チタン元素の含有量が0.1重量ppm~20重量ppmである、請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であり、かつ、ゲルマニウム元素の含有量が5重量ppm~150重量ppmである、請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が15重量ppm以下であり、かつ、アルミニウム元素の含有量が0.1重量ppm~100重量ppmである、請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. ポリエステル樹脂組成物の全重量に対して、アンチモン元素の含有量が50重量ppm~150重量ppmである、請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を用いてなるポリエステルフィルム。
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