JP2023166646A - ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体における内部量子効率と、硬化樹脂中に分散させシート状に成形した状態での励起光の吸収率と、を高水準で両立するユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を提供すること。【解決手段】本開示の一側面は、体積基準の累積粒度分布における50%累積径が10μm以下であり、ユーロピウムの含有量が0.4質量%以上であり、波長800nmの光に対する拡散反射率が92%以上である、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体に関する。
発光装置等のデバイスの小型化が進んでいる。デバイスのサイズに応じて適した蛍光体の粒径が異なることから、蛍光体の小粒径化が求められている。また、蛍光特性の面では、例えば、硬化樹脂中に蛍光体を分散させた状態における励起光の吸収率を向上させることが求められる。分散状態にある蛍光体の励起光の吸収率を向上させるためには個々の蛍光体の表面積を向上させることが有効であり、このような観点からも、蛍光体自体の小粒径化が求められる。
β型サイアロン蛍光体は、例えば、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、及び酸化ユーロピウム粉末を含む原料混合物を窒素雰囲気下で加熱することで得られる(例えば、特許文献1、特許文献2等)。原料混合物を加熱処理する過程で、β型サイアロン結晶が成長すると共に、発光中心となるユーロピウムが固溶されることによって、蛍光体が調製される。
特開2017-002278号公報 特許第6572373号公報
従来の製法に基づいて、小粒径のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を直接製造する場合、β型サイアロンの結晶成長を途中で抑制する手段が考えられるがユーロピウムの含有量を高めることが困難であり、励起光の吸収率の低下を招き得る。また、従来の製法に基づいて、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を製造し、その後、得られた蛍光体を粉砕することによって小粒径化する方法も考えられるが、蛍光体に生じる欠陥等によって内部量子効率の低下が生じ得る。
本開示の目的は、粉体における内部量子効率と、硬化樹脂中に分散させシート状に成形した状態での励起光の吸収率と、を高水準で両立するユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を提供することである。
本開示の一側面は、体積基準の累積粒度分布における50%累積径が10μm以下であり、ユーロピウムの含有量が0.4質量%以上であり、波長800nmの光に対する拡散反射率が92%以上である、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を提供する。
上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、体積基準の累積粒度分布における50%累積径が10μm以下と小粒径であり、ユーロピウムも十分に含有する。さらに、上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は波長800nmの光に対する拡散反射率が高く、蛍光体を構成する結晶内における欠陥等が抑制されている。このような構成を有することによって、上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、粉体における内部量子効率に優れ、硬化樹脂中に分散させシート状に成形した状態での励起光の吸収率に十分に優れる。
上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、β型サイアロン結晶を主結晶として含み、上記主結晶の格子定数aが7.6110以上であってよい。上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体におけるβ型サイアロンの結晶格子の格子定数aが上記範囲内であることによって、ユーロピウムの固溶量が多いことが示唆される。このようなユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、硬化樹脂中に分散させ、シート状に成形した状態での励起光の吸収率により優れる。
上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、色度Xが0.352以上であってよい。上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の色度Xが上記範囲内であることによって、ユーロピウムの固溶量が多いことが示唆される。このようなユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、硬化樹脂中に分散させ、シート状に成形した状態での励起光の吸収率により優れる。
本開示によれば、粉体における内部量子効率と、硬化樹脂中に分散させシート状に成形した状態での励起光の吸収率と、を高水準で両立するユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を提供できる。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書における「工程」とは、互いに独立した工程であってもよく、同時に行われる工程であってもよい。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の一実施形態は、体積基準の累積粒度分布における50%累積径が10μm以下であり、ユーロピウムの含有量が0.4質量%以上であり、波長800nmの光に対する拡散反射率が92%以上である。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体はβ型サイアロンを主結晶として含むことが好ましい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、本開示の趣旨を損なわない範囲で異相を含み得る。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、Si6-zAl8-z:Euの一般式で表される。上記一般式中、zは、0.0<z≦4.2であってよく、又は0.0<z≦0.5であってよい。上記一般式におけるzの値は、原料混合物の成分及び組成比を変更することで、調整することができる。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の組成において、窒素原子(N)及び酸素原子(O)の含有量は酸素窒素分析装置によって定量することができ、ユーロピウム(Eu)、ケイ素(Si)、及びアルミニウム(Al)の含有量は加圧酸分解法によって上記蛍光体を溶解させ、試料溶液を調製し、得られた試料溶液についてICP発光分光分析装置を用いて元素の定量分析を行うことによって確認できる。酸素窒素分析装置としては、例えば、堀場製作所製の「EMGA-920」(製品名)を使用できる。ICP発光分光分析装置としては、例えば、株式会社リガク製の「CIROS-120」(製品名)等を使用できる。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の格子定数aの下限値は、例えば、7.6110以上であってよく、7.6115以上、7.6120以上、又は7.6130以上であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の格子定数aの上限値は、例えば、7.6200以下、又は7.6160以下であってよい。格子定数aが上述の範囲内であることで、結晶のひずみ及び欠陥を抑制し、蛍光特性の低下をより抑制することができる。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の格子定数cの下限値は、例えば、2.9100以上であってよく、2.9105以上、2.9110以上、又は2.9112以上であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の格子定数cの上限値は、例えば、2.9200以下、又は2.9117以下であってよい。格子定数cが上述の範囲内であることで、結晶のひずみ及び欠陥を抑制し、蛍光特性の低下をより抑制することができる。
本明細書における格子定数a及び格子定数cは、粉末X線解析によって測定される値を意味する。格子定数a及び格子定数cは、具体的には本明細書の実施例に記載の操作によって測定して求める。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の体積基準の累積粒度分布における50%累積径(D50)の上限値は、10μm以下であるが、例えば、9.8μm以下、9.6μm以下、9.0μm以下、8.0μm以下、7.0μm以下、5.0μm以下、3.0μm以下、1.0μm以下、又は0.7μm以下であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のD50の下限値は、例えば、0.1μm以上、0.3μm以上、又は0.5μm以上であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のD50は上述の範囲内で調整でき、例えば、0.1~10μm、又は0.5~9.8μmであってよい。小型デバイス用途においては蛍光体層の厚さが20μm以下になる場合もあるため、D50が大きすぎると均一な蛍光体層を形成できなくなり、また、D50が小さすぎると光の散乱、反射が多くなり、光を効率的に蛍光体中に吸収することが難しくなるため、上述の範囲内であることが好ましい。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の体積基準の累積粒度分布における10%累積径(D10)の上限値は、例えば、6μm以下、2μm以下、又は0.7μm以下であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のD10の下限値は、例えば、0.05μm以上、0.3μm以上、又は0.6μm以上であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のD10は上述の範囲内で調整でき、例えば、0.05~6μm、又は0.6~6μmであってよい。小型デバイス用途においてはD10が大きすぎると均一な蛍光体層を形成できなくなり、また、D10が小さすぎると光の散乱、反射が多くなり、光を効率的に蛍光体中に吸収することが難しくなるため、上述の範囲内であることが好ましい。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の体積基準の累積粒度分布における90%累積径(D90)の上限値は、例えば、30μm以下、25μm以下、20μm以下、16μm以下、7μm以下、又は2μm以下であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のD90の下限値は、例えば、0.5μm以上、1.0μm以上、又は1.5μm以上であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のD90は上述の範囲内で調整でき、例えば、0.5~30μm、又は1.5~7μmであってよい。小型デバイス用途においてはD90が大きすぎると均一な蛍光体層を形成できなくなり、また、D90が小さすぎると光の散乱、反射が多くなり、光を効率的に蛍光体中に吸収することが難しくなるため、上述の範囲内であることが好ましい。
上述のとおり体積基準の累積粒度分布における10%累積径、50%累積径、及び90%累積径をそれぞれD10、D50及びD90とした時に、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のスパン値[(D90-D10)/D50で示される値]の上限値は、例えば、2.30以下、2.10以下、1.90以下、又は1.70以下であってよい。スパン値が小さいと目的の粒度に近い粒子が多く、光を散乱、反射し易い超微粉が少なく、20μm以下の蛍光体層を形成する際に障害となる粗粉が少ないことを示すため、このスパン値の範囲が望ましい。
本明細書におけるD10、D50、及びD90はそれぞれ、レーザ回折・散乱法によって測定される体積基準の粒子径の分布曲線において、小粒径からの積算値が全体の10%、50%及び90%に達した時の粒子径をいう。D10、D50、及びD90は、具体的には本明細書の実施例に記載の操作によって測定して求める。なお、D50は、メディアン径とも呼ばれ、対象となる粒子の平均粒径を意味する。D10、D50、及びD90は、例えば、蛍光体製造の際の加熱温度及び加熱時間等の条件を調整することによって制御できる。
ユーロピウムの含有量は、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の全量基準で、0.4質量%以上である。ユーロピウムの含有量の下限値は、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の全量基準で、例えば、0.60質量%以上、0.70質量%以上、0.80質量%以上、又は0.85質量%以上であってよい。ユーロピウムの含有量の上限値は、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の全量基準で、例えば、2.00質量%以下、1.50質量%以下、1.30質量%以下、又は1.20質量%以下であってよい。ユーロピウムの含有量は上述の範囲内で調整でき、例えば、0.4~2.00質量%、又は0.4~1.50質量%であってよい。ユーロピウムの含有量は、例えば、後述する製造方法の第二工程におけるユーロピウム化合物の配合量、加熱温度及び圧力条件等を調整することで制御できる。ユーロピウムが少ないと励起光の吸収率が低下し、蛍光強度が低下し、逆にユーロピウムが多すぎると結晶にひずみが生じ、欠陥が増加し、蛍光特性が低下する可能性がある。また、ユーロピウムが多すぎると光のエネルギーをロスする濃度消光という現象が起こり、蛍光特性が低下する可能性がある。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体において、波長800nmの光に対する拡散反射率の下限値は92%以上であるが、例えば、93%以上、95%以上、96%以上、又は97%以上であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体において、波長800nmの光に対する拡散反射率の上限値は、例えば、99%以下、又は98%以下であってよい。拡散反射率は、例えば、後述する製造方法において、粉砕工程等を行わない、又は粉砕工程の条件を緩く設定することによって制御できる。粉砕工程の条件を緩く設定するとは、例えば、粉砕時間を短く設定する等を意味する。
本明細書における拡散反射率は、紫外可視分光光度計を用いて測定されるユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の拡散反射スペクトルから決定される値を意味する。拡散反射率は、具体的には本明細書の実施例に記載の操作によって測定して求める。紫外可視分光光度計としては、例えば、日本分光株式会社製の「V-550」(製品名)等を用いることができる。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の色度Xの下限値は、例えば、0.352以上であってよく、0.360以上、0.370以上、又は0.380以上であってよい。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の色度Xの上限値は、例えば、0.410以下、0.400以下、又は0.390以下であってよい。色度Xがこの範囲であると、蛍光体の蛍光スペクトルが人の視感度曲線に近い蛍光スペクトルとなり、全光束が上昇する傾向であるため、輝度が高くなるため、この範囲が望ましい。
本明細書における色度Xは、蛍光スペクトルの465~780nmの範囲の波長域におけるスペクトルデータから、JIS Z8781-3:2016で規定されるXYZ表色系におけるCIE色度座標x値(色度X)をJIS Z8724:2015に準じ算出して得られる値を意味する。色度Xは、具体的には本明細書の実施例に記載の方法で測定して求める。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の粉体における455nm波長の励起光の吸収率は、例えば、45%以上、52%以上、55%以上、又は60%以上とすることができる。本明細書の粉体における励起光の吸収率は、空気と蛍光体の屈折率差による散乱及び反射の影響が大きい状態で、励起光を照射した場合に、蛍光体に励起光が吸収された割合を意味する。蛍光体の粉体を充填したセルに励起光を照射するため、粉体が励起光に当たる頻度はほぼ100%となる(なお、シートでの評価の場合は蛍光体の密度が疎であるため、励起光が蛍光体に当たらずに外部に出る可能性が高い。また、シートでの評価の場合は蛍光体の密度が疎であるため、励起光が蛍光体によって散乱、反射されて次の蛍光体に当たらず外部に出る可能性も高い)。粉体における励起光の吸収率は、具体的には本明細書の実施例に記載の方法で測定して求める。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の粉体における蛍光の内部量子効率は、例えば、70%以上、72%以上、又は73%以上とすることができる。本明細書における内部量子効率は、波長が455nmの青色光を用いて蛍光体を励起した場合に得られる蛍光の量子効率を意味する。内部量子効率は、具体的には本明細書の実施例に記載の方法で測定して求める。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、単独で用いてもよく、その他の蛍光体と組み合わせて用いることもできる。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は硬化樹脂中に分散させた状態での励起光吸収率にも優れることから、例えば、LED等の発光装置に使用することができる。蛍光体を分散させる際の硬化樹脂は、特に制限されず、例えば、発光装置等の封止樹脂として使用される樹脂等を用いることができる。
なお、蛍光体の粉体における励起光の吸収率は、測定対象となる蛍光体の粒子径が小さく、比表面積が大きいほど、蛍光体の粒子と周囲の雰囲気(空気)との屈折率の差による影響が顕著となり、散乱光、及び反射光を生じることから、見かけ上、励起光の吸収率は低下する傾向にある。一方で、蛍光体との屈折率差が蛍光体と空気よりも小さな硬化樹脂中では、上述のような散乱光、及び反射光の発生による影響が少ない。また、粉体での評価においては蛍光体が密な状態で存在し、これに対して励起光を照射するため、励起光が蛍光体に当たる頻度が高い。しかし、硬化樹脂中に蛍光体を分散させた成形体(例えば、シート)での評価においては状況が異なる。すなわち、樹脂に対して蛍光体を高濃度で配合すると粘度が高くなり、シート状に成形することやポッティングが難しくなるため、樹脂に分散させた状態で成形する際には蛍光体の濃度を低く抑える必要がある。したがって、得らえる硬化樹脂中における蛍光体は疎な状態となるため、当該成形体に励起光を照射した場合、蛍光体に励起光が当たる頻度が低下する。励起光を吸収する発光中心となる元素の濃度が同等で、且つ粒径が異なる種々の蛍光体を用いて、それぞれ蛍光体シート(硬化樹脂と、硬化樹脂中に分散した蛍光体とを有しシート状に成形された成形体。)を調製(硬化樹脂中の蛍光体の質量パーセント濃度は同じに設定する)し、得られた蛍光体シート同士で比較した場合、粒径の小さい蛍光体は比表面積が増加することから、励起光が蛍光体に当たる頻度が増加し、励起光の吸収率の向上を望むことができる。したがって、発光装置のように、硬化樹脂に分散させたうえで蛍光体を使用するような用途を想定する場合には、粉体における励起光の吸収率を評価するのみでなく、硬化樹脂中に分散した状態における励起光の吸収率を評価することが望ましい。
ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、硬化樹脂中に分散させシート状に成形した状態での励起光の吸収率に優れる。シート状に成形することは評価を行うための一例であって、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の使用の態様を特定するものではない。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を分散させた硬化樹脂を含む成形体の形状は、製品形状等に合わせて調整してよい。
上述のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、例えば、以下のような方法で製造することができる。ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法の一実施形態は、窒化物を含む原料組成物を加熱してβ型サイアロンを含む焼成体を得る工程(以下、第一工程ともいう)と、上記焼成体をユーロピウム化合物と共に、窒素分圧が0.60MPaG以下の圧力条件下で加熱処理して、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得る工程(以下、第二工程ともいう)、を有する。以下の説明では、第一工程における加熱処理を第一焼成ともいい、第二工程における加熱処理を第二焼成ともいう。また、各工程における加熱処理を経たものを焼成粉ともいう。上記例では、例えば、第一工程で得られるβ型サイアロンを含む焼成体を第一焼成粉、第二工程で得られるユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を第二焼成粉等ともいう。なお、上記第一工程で得られる「β型サイアロン」との用語は、β型サイアロン、賦活元素を含むβ型サイアロン蛍光体(例えば、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体)の双方を含むものとする。すなわち、第一工程において得られる焼成体は、それ自体蛍光体として機能し得る賦活元素を含むβ型サイアロン蛍光体を含む場合がある。
第一工程における原料組成物は、β型サイアロンを形成する原料となる化合物を含んでよい。β型サイアロンを形成する原料となる化合物は、例えば、窒化物及び酸化物等を含有し、好ましくは窒化物を含有する。窒化物としては、例えば、窒化ケイ素(Si)、及び窒化アルミニウム(AlN)等が挙げられる。酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、及び酸化ユーロピウム(Eu)等が挙げられる。
窒化ケイ素としては、α分率の高いものを用いることが好ましい。窒化ケイ素のα分率は、例えば、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよい。窒化ケイ素のα分率が上記範囲内であると、一次粒子成長を均一にすることができる。窒化ケイ素としては、酸素含有量の小さなものを用いることが好ましい。窒化ケイ素の酸素含有量は、例えば、3.0質量%以下、又は1.3質量%以下であってよい。窒化ケイ素の酸素含有量が上記範囲内であると、β型サイアロンにおける欠陥の発生をより抑制できる。
原料組成物は窒化物等に加えて他の成分を含有してもよい。
上記原料組成物を加熱する温度は、例えば、800~2100℃、1100~2100℃、1100~2000℃、1100~1950℃、又は1700~1950℃であってよい。上記原料組成物を加熱する温度を上述の範囲内とすることによって、後に得られる蛍光体の粒子径を小さなものとすることがより容易となる。また、上記原料組成物を加熱する時間は、例えば、1~20時間、3~20時間、又は5~20時間であってよい。
第一工程は省略してもよい。この場合、上記焼成体として、例えば、別途調製されたβ型サイアロンを含む焼成体を用いることができる。上記焼成体としては、例えば、市販のβ型サイアロン結晶、又はβ型サイアロン結晶を主結晶として含む蛍光体等を用いることができる。別途調製された上記焼成体を用いる場合、それ自体が小粒径のものを用いることが望ましい。本実施形態に係る製造方法においては、後述する第二工程によってユーロピウムの固溶量を向上させることができることから、β型サイアロン結晶を主結晶として含む蛍光体を用いる場合、発光中心となる元素の固溶量は小さいものであっても構わない。
第二工程は、上記焼成体をユーロピウム化合物と共に、窒素分圧が0.60MPaG以下の圧力条件下で加熱処理することで、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得る工程である。当該工程では、従来のβ型サイアロン蛍光体を得る製造方法に比べて低圧の条件下で焼成を行う。従来は、β型サイアロン、ユーロピウム賦活β型サイアロン又はβ型窒化ケイ素が分解しないように窒素加圧条件で焼成を行っているが、粒径を小さくするためには粒子成長を抑制することができるように低温で焼成を行う方法がとられている。この際、ユーロピウム又はユーロピウム化合物の揮発も同時に抑制され、気相経由でβ型サイアロン中にユーロピウムが固溶し難くなるため、得られるユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体におけるユーロピウム固溶量が低下する。換言すれば、従来とは異なり窒素分圧が低い条件下で焼成を行うことによって、ユーロピウム又はユーロピウム化合物の揮発を促進し、気相経由でのユーロピウムの供給量を増加させることによって、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体のユーロピウム固溶量を増量する効果が得られる。このような観点から、第二工程は、第一工程で得られた上記焼成体をユーロピウム化合物と共に、窒素分圧が0.60MPaG以下の圧力条件下で加熱処理することで、上記ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体におけるユーロピウムの含有量を向上させる工程ということもできる。この効果は第一工程時も同様に窒素分圧を低下させることでユーロピウム及びユーロピウム化合物の少なくとも一方の揮発を促進し、β型サイアロン中のユーロピウム固溶量を増量することが可能であるが、第一工程時はユーロピウムを構成元素として有する化合物以外の原料と液相又は新たな化合物を形成し、ユーロピウムの揮発によるβ型サイアロンへのユーロピウム固溶量を増量させる効果が比較的に小さい。
本実施形態に係る製造方法は、第一工程で得られる上記焼成体を加熱処理、又は、第一工程で得られる上記焼成体と、ケイ素、アルミニウム、及びユーロピウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む原料と、を混合した混合粉を加熱処理して焼成粉を得る工程を更に有してよい。上述の焼成粉を得る工程は複数回行ってもよく、順次、第三工程、第四工程等ともいう。さらに、焼成粉を得る工程(第三工程、第四工程等)は、第二工程の前でも第二工程の後でもよい。
上記焼成体及びユーロピウム化合物を予め混合してよい。混合には、乾式混合法又は湿式混合法を用いてもよい。乾式混合法は、例えば、V型混合機等を用いて各成分を混合する方法であってよい。湿式混合法は、例えば、水等の溶媒又は分散媒を加えて溶液又はスラリーを調製し各成分を混合して、その後、溶媒又は分散媒を除去する方法であってよい。
第二工程におけるユーロピウム化合物は、ユーロピウムを構成元素として有する化合物である。ユーロピウムの化合物は、例えば、ユーロピウムの酸化物(酸化ユーロピウム)、ユーロピウムの窒化物(窒化ユーロピウム)及びユーロピウムのハロゲン化物等が挙げられる。ユーロピウムのハロゲン化物は、例えば、フッ化ユーロピウム、塩化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、及びヨウ化ユーロピウム等が挙げられる。ユーロピウムの化合物は、好ましくは酸化ユーロピウムを含む。ユーロピウムの化物におけるユーロピウムの価数は、2価又は3価であってよく、好ましくは2価である。
第二工程は主に窒素を含んでいる雰囲気中で行うが、窒素以外のガスを含んでもよく、水素、一酸化炭素などの還元性ガス、アルゴンなどの希ガスが含まれていてもよい。
第二工程における上記焼成体等を加熱する際、窒素分圧が0.60MPaG以下の圧力条件下で行う。第二工程における窒素分圧(ゲージ圧)の上限値は、例えば、0.60MPaG以下、0.50MPaG以下、0.40MPaG以下、0.30MPaG以下、0.15MPaG以下、0.05MPaG以下、又は0.03MPaG以下であってよい。第二工程における窒素分圧の上限値を上記範囲内とすることで、ユーロピウムの固溶量をより向上させ、蛍光体における励起光の吸収率をより向上させることができる。第二工程における窒素分圧の下限値は、例えば、0.005MPaG以上、又は0.01MPaG以上であってよい。窒素分圧を上述の範囲内とすることで、ユーロピウム、又はユーロピウム化合物の揮発を可能とし、β型サイアロン蛍光体におけるユーロピウム固溶量をより十分なものとすることができる。第二工程における窒素分圧は上述の範囲内で調整してよく、例えば、0.005~0.60MPaG、又は0.005~0.50MPaGであってよい。
第二工程における加熱温度の上限値は、例えば、2100℃以下、2000℃以下、1900℃以下、又は1800℃以下であってよい。第二工程は比較的に低圧環境下で加熱処理を行うことから、加熱温度を上記範囲内とすることで、β型サイアロンの結晶の分解をより抑制することができる。第二工程における加熱温度の下限値は、例えば、800℃以上、1200℃以上、1300℃以上、又は1550℃以上であってよい。第二工程における加熱温度を上記範囲内とすることで、ユーロピウムの固溶量をより向上させ、蛍光体における励起光の吸収率をより向上させることができる。第二工程における加熱温度は上述の範囲内で調整してよく、例えば、800~2100℃、又は1200~1800℃であってよい。
第二工程は、例えば、第一工程における上記加熱処理する工程の前のβ型サイアロンにおける格子定数aの値(A)に対する第二工程における上記加熱処理する工程の後のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体における格子定数aの値(B)(すなわち、B/Aの値)が1.00005倍以上となるように上記焼成体を加熱処理する工程であってよい。第二工程は、B/Aの下限値は、例えば、1.00005倍以上、1.00020倍以上、又は1.00025倍以上であってよい。第二工程は、B/Aの上限値は、例えば、1.05倍以下、又は1.01倍以下であってよい。格子定数aが大幅に上昇すると結晶性が悪くなり、欠陥が増加する傾向にあるため、格子定数aに関する上述の値は上記範囲内であることが好ましい。
第二工程は、例えば、第一工程における上記加熱処理する工程の前のβ型サイアロンにおけるユーロピウムの含有量(C)に対する第二工程における上記加熱処理する工程の後のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体におけるユーロピウムの含有量(D)(すなわち、D[単位:質量%]/C[単位:質量%]の値)が1.1倍以上となるように上記焼成体を加熱処理する工程であってよい。第二工程は、D/Cの下限値は、例えば、1.1倍以上、1.6倍以上、又は2.7倍以上であってよい。上述の条件であると、β型サイアロン蛍光体におけるユーロピウム固溶量がより増加し、励起光の吸収率がより向上するため、蛍光特性が上昇し得る。
上述のD/Cの値とは、より具体的には、第一工程のβ型サイアロンを含む焼成体を酸処理することで得られる粉体におけるユーロピウムの含有量をC[単位:質量%]とし、第二工程で得られたユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を同様の条件で酸処理することで得られる粉体におけるユーロピウムの含有量をD[単位:質量%]としたときの、D/Cの値である。この際の酸処理は以下の条件で実施するものとする。すなわち、フッ化水素酸(濃度:50質量%)及び硝酸(濃度:70質量%)の混酸(フッ化水素酸と硝酸とを体積比で1:1となる様に混合したもの)に上記β型サイアロンを含む焼成体又はユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を添加し、75℃の温度下で、撹拌させながら30分間処理を行う。酸処理後、撹拌を終了し粉体を沈殿させ、上澄み及び酸処理で精製する微粉を除去する。蒸留水を更に添加し、撹拌した後、粉体を沈殿させ、上澄み及び微粉を除去する。上述の操作を水溶液のpHが8以下、且つ上澄みが透明になるまで繰り返し行って、得られた粉体を濾集し乾燥させたものを対象として、ユーロピウムの含有量を測定する。
上述のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法は、第一工程及び第二工程に加えて、その他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、例えば、アニール工程、並びに、第二工程において得られる蛍光体を酸及びアルカリの少なくともいずれか一方で処理する工程等が挙げられる。
第二焼成工程の後に、第二焼成工程の加熱温度よりも低い温度で第二焼成粉を加熱してアニール処理物を得るアニール工程をさらに含んでよい。また、上述の焼成粉を得る工程は複数回行う場合は、第三焼成工程以降の焼成工程の後に、第二焼成工程の加熱温度よりも低い温度で第三焼成工程以降の焼成粉を加熱してアニール処理物を得るアニール工程を更に含んでもよい。
アニール工程を含むことによって、得られるユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の発光効率をより一層向上させることができる。また、元素の再配列によって、β型サイアロンにおけるひずみや欠陥が除去され得るため、透明性も向上させることができる。なお、アニール工程では、異相が発生する場合があるが、これは後述する酸処理などによって除去することができる。
アニール工程は、不活性ガス、還元性ガス、及びこれらの混合ガスの雰囲気、並びに非酸化性雰囲気下で行うことができる。不活性ガスとしては、例えば、希ガス、及び窒素ガス等が挙げられる。還元性ガスとしては、例えば、水素ガス、一酸化炭素ガス、炭化水素ガス、及びアンモニアガス等が挙げられる。混合ガスは、上記不活性ガス及び上記還元性ガスの混合ガスが挙げられる。非酸化性雰囲気は、好ましくは、真空等の純窒素以外の非酸化性雰囲気である。アニール工程は、好ましくは、水素ガス雰囲気、及びアルゴン雰囲気下で行う。
アニール工程は、大気圧下又は加圧下のいずれで行ってもよい。アニール工程における熱処理温度は、特に限定されないが、好ましくは、1100~1700℃であり、より好ましくは1100~1650℃であり、更に好ましくは1200~1600℃である。
アニール工程の前に、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を構成する元素の化合物を添加し、混合してもよい。添加する化合物としては、特に限定されないが、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を構成する各元素の酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物、及び塩化物などが挙げられる。これらの中でも添加する化合物としては、特に、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ユウロピウム、及びフッ化ユウロピウム等を含むことが好ましい。これらの化合物を各熱処理物に添加することで、得られるユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の輝度をより一層向上させることができる。ただし、添加する化合物は、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体に固溶しない残分が、アニール工程後の酸処理やアルカリ処理などによって除去できるものであることが望ましい。
上述のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法が、第二工程又はアニール工程において得られる蛍光体を酸及びアルカリの少なくともいずれか一方で処理する工程(酸処理工程又はアルカリ処理工程)を有する場合、例えば、蛍光体内における結晶欠陥密度を減少させ、β型サイアロンの熱分解等によって生成した固溶体表面に存在するケイ素を低減させ、並びに、β型サイアロンを含む焼成体の調製時に副生した窒化アルミニウム(AlN)の疑似多形であるAINポリタイポイド等を減少させることができる。酸としては、例えば、フッ化水素酸及び硝酸等が挙げられる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明する。ただし、本開示は、下記の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、原材料として、高純度窒化ケイ素粉末:宇部興産株式会社製、商品名「UBE窒化ケイ素 SN-E10」、酸素含有量1.0質量%、α分率95質量%以上、窒化アルミニウム粉末:株式会社トクヤマ製、商品名「窒化アルミニウム粉末 Eグレード」、酸素含有量0.8質量%、酸化ユーロピウム粉末:信越化学工業株式会社製、商品名「酸化ユーロピウム 微粉 RUPタイプ」を用いた。
(比較例1)
[ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の調製]
容器に、窒化ケイ素が96.0質量%、窒化アルミニウムが2.8質量%、酸化アルミニウムが0.5質量%、及び酸化ユーロピウム粉末が0.7質量%となるように各原材料を測り取り、V型混合機(筒井理化学機械株式会社製)によって混合し、混合物を得た。得られた混合物を目開き250μmの篩を全通させ凝集物を取り除くことで、原料組成物を得た。篩を通らない凝集物は粉砕し、篩を通るように粒径を調整した。
蓋付き円筒型窒化ホウ素容器(デンカ株式会社製、窒化ホウ素(商品名:デンカ ボロンナイトライド N-1)を主成分とする成型品、内径:10cm、高さ:10cm)に、上述のとおり調製した原料組成物を200g測り取った。その後、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉中に配置し、窒素ガス雰囲気下(圧力:0.025MPaG)で1800℃まで昇温し、1800℃の加熱温度で、3時間加熱を行った。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して粉末状の焼成体を得た。
得られた焼成体20gを、内径5cm、高さ3.5cmの蓋付き円筒型窒化ホウ素容器に充填し、カーボンヒーターの電気炉で、大気圧アルゴン雰囲気中、1500℃で8時間のアニール処理を行い、アニール処理物を得た。
次に、得られたアニール処理物を、フッ化水素酸(濃度:50質量%)及び硝酸(濃度:70質量%)の混酸(フッ化水素酸と硝酸とを体積比で1:1となるように混合したもの)に添加し、75℃の温度下で撹拌させながら30分間酸処理を行った。酸処理後、撹拌を終了し粉体を沈殿させて、上澄み及び酸処理で精製した微粉を除去した。その後、蒸留水を更に加え再度撹拌した。撹拌を終了し粉体を沈殿させ上澄み及び微粉を除去した。かかる操作を水溶液のpHが8以下で、上澄み液が透明になるまで繰り返し、得られた沈殿物をろ過、乾燥することで、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
[ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の評価]
比較例1で得られたユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体について、後述するとおり、粒度分布、ユーロピウム含有量(Eu含有量)、800nmの光に対する拡散反射率、格子定数a、格子定数c、色度X、粉体の吸収率、内部量子効率、及び硬化樹脂シート中に分散した状態における励起光の吸収率を評価した。結果を表2に示す。
<粒度分布(D10、D50及びD90)>
蛍光体の粒度分布は、JIS R 1629:1997「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に記載のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法に準拠して行った。測定には、粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、製品名:「Microtrac MT3300EX II」)を用いた。具体的には、まず、測定対象となる蛍光体0.1gをイオン交換水100mLに投入し、超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、製品名:「Ultrasonic Homogenizer US-150E」、チップサイズ:φ20、Amplitude:100%、発振周波数:19.5KHz、振幅:約31μm)を用いて3分間、分散処理を行い、測定サンプルを調製した。その後、粒子径分布測定装置を用いて粒度を測定した。得られた粒度分布からD10,D50及びD90を決定した。
<ユーロピウム含有量>
ユーロピウム含有量は、ICP発光分光分析装置を用いて決定した。まず、加圧酸分解法によって蛍光体を溶解させ、試料溶液を調製した。得られた試料溶液を対象として、ICP発光分光分析装置(株式会社リガク製、商品名:CIROS-120)を用いてユーロピウムの定量分析を行った。得られた結果から、ユーロピウム含有量を算出した。
<800nmの光に対する拡散反射率>
β型サイアロン蛍光体の拡散反射率は、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V-550)に、積分球装置(商品名:ISV-469)を取り付けて測定した。標準反射板(スペクトラロン(登録商標))でベースライン補正を行った後、測定対象となるβ型サイアロン蛍光体の粉末を充填した固体試料ホルダーを分光光度計に取り付けて、500~850nmの波長範囲で拡散反射率を測定した。測定結果のうち、特に、800nmにおける拡散反射率の値を採用した。
<格子定数a及び格子定数c>
焼成体及びβ型サイアロン蛍光体について、X線回折装置(株式会社リガク製、商品名:UltimaIV)を用い、CuKα線を用いた粉末X線回折を行った。得られたX線回折パターンからリーベルト解析法によって、a軸格子定数(格子定数aの長さ)及びc軸格子定数(格子定数cの長さ)を算出した。
<粉体の吸収率(455nmの励起光の吸収率)、内部量子効率、及び外部量子効率>
455nmの励起光の吸収率、内部量子効率、及び外部量子効率は、以下の手順で算出した。まず、測定対象である蛍光体を、凹型セルに表面が平滑になるように充填し、積分球の開口部に取り付けた。発光光源であるXeランプから455nmの波長に分光した単色光を、光ファイバーを用いて蛍光体の励起光として上記積分球内に導入した。この励起光である単色光を測定対象である蛍光体に照射し、蛍光スペクトルを測定した。測定には、分光光度計(大塚電子株式会社製、商品名:MCPD-7000)を用いた。
得られた蛍光スペクトルのデータから、励起反射光フォトン数(Qref)及び蛍光フォトン数(Qem)を算出した。励起反射光フォトン数は、励起光フォトン数と同じ波長範囲で、蛍光フォトン数は465~800nmの範囲で算出した。また同じ装置を用い、積分球の開口部に反射率が99%の標準反射板(Labsphere社製、スペクトラロン(登録商標))を取り付けて、波長が455nmの励起光のスペクトルを測定した。その際、450~465nmの波長範囲のスペクトルから励起光フォトン数(Qex)を算出した。
上述の算出結果から、以下に示す計算式に基づいて、測定対象である蛍光体の455nmの励起光の吸収率、内部量子効率、及び外部量子効率を求めた。
455nmの励起光の吸収率=((Qex-Qref)/Qex)×100
内部量子効率=(Qem/(Qex-Qref))×100
外部量子効率=(Qem/Qex)×100
なお、上記式から外部量子効率と、455nmの励起光の吸収率、及び内部量子効率との関係式は以下のように表すことができる。
外部量子効率=455nm光吸収率×内部量子効率
<粉体の色度X>
色度Xは、蛍光スペクトルの465~780nmの範囲の波長域におけるスペクトルデータから、JIS Z8781-3:2016で規定されるXYZ表色系におけるCIE色度座標x値(色度X)をJIS Z8724:2015に準じ算出することで求めた。
なお、β型サイアロン蛍光体の標準試料(株式会社サイアロン製、NIMS Standard Green lot No.NSG1301)について、上述の測定方法に準拠して、455nmの励起光の吸収率、内部量子効率、外部量子効率、及び色度Xを測定したところ、455nmの励起光の吸収率は74.4%、内部量子効率は74.8%、外部量子効率は55.6%、色度Xは0.356であった。
455nmの励起光の吸収率、内部量子効率、外部量子効率、及び色度Xに関する各測定値は、測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変わると値が変動する場合がある。したがって、各種測定値としては、本明細書に記載の測定方法によって測定する値を採用する。しかし、測定装置のメーカー、製造ロットナンバー等を変更する場合は、上述したβ型サイアロン蛍光体の標準試料による測定値を基準値として、各測定値の補正を行うこともできる。
<硬化樹脂シート中に分散した状態における励起光の吸収率>
[硬化樹脂シート(測定サンプル)の調製]
まず、測定対象である蛍光体粉末40質量部と、シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製、商品名:OE-6630)60質量部と、を自転・公転ミキサーを用いて撹拌処理及び脱泡処理することによって均一な混合物(液体)を得た。次に、上記混合物を、透明な第一のフッ素樹脂フィルム上に滴下し、その滴下物の上からさらに透明な第二のフッ素樹脂フィルムを重ねることによって、シート状の積層物を得た。さらにシート状の積層物を、第一のフッ素樹脂フィルム及び第二のフッ素樹脂フィルムの合計厚みに50μmを加えたギャップを持つローラーを用いて、上記滴下物の層の厚みを調整して、未硬化シートに成形した。
上記未硬化シートを、150℃、60分間の条件で加熱処理した。加熱処理の後、第一のフッ素樹脂フィルム及び第二のフッ素樹脂フィルムをはく離して、膜厚が50±5μmである、蛍光体が内部に分散した硬化樹脂シートを得た。
[光学特性の評価]
450~460nmの範囲内にピーク波長を持つ青色発光ダイオード(青色LED)を用意した。当該青色LEDから発せられた青色光のピーク波長における強度をIi[W/nm]とし、上述のとおり調製した硬化樹脂シートの一方の面側に上記青色光を照射して、硬化樹脂シートの他方の面側から発せられる光の450~460nmの範囲内におけるピーク波長の強度をIt[W/nm]としたとき、硬化樹脂シート中に分散した状態における蛍光体の励起光の吸収率は、(Ii―It)/Iiで表される値となる。本明細書においては、実施例及び比較例で調製された蛍光体について、硬化樹脂シート中に分散した状態における蛍光体の励起光の吸収率を、比較例1で測定される硬化樹脂シート中に分散した状態における蛍光体の励起光の吸収率を基準とする相対値として評価した。
(実施例1)
[ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の調製]
比較例1と同様にして焼成体を調製した。次に、上記焼成体が99.5質量%、及び酸化ユーロピウム粉末が0.5質量%となるように混合物を調整し、これを円筒型窒化ホウ素容器に充填して、この容器を、金属ヒーターを備える電気炉内に配置した。窒素ガス雰囲気下(圧力:0.025MPa)で1800℃まで昇温し、1800℃の加熱温度で、3時間加熱を行った(第二工程に相当)。加熱後、上記容器内で粒子が緩く凝集した塊状物を乳鉢で解砕し、250μmの篩に通すことによって粉体を得た。
得られた粉体20gを、内径5cm、高さ3.5cmの蓋付き円筒型窒化ホウ素容器に充填し、カーボンヒーターの電気炉で、大気圧アルゴン雰囲気中、1500℃で8時間のアニール処理を行い、アニール処理物を得た。
次に、得られたアニール処理物を、フッ化水素酸(濃度:50質量%)及び硝酸(濃度:70質量%)の混酸(フッ化水素酸と硝酸とを体積比で1:1となるように混合したもの)に添加し、75℃の温度下で撹拌させながら30分間酸処理を行った。酸処理後、撹拌を終了し粉体を沈殿させて、上澄み及び酸処理で精製した微粉を除去した。その後、蒸留水を更に加え再度撹拌した。撹拌を終了し粉体を沈殿させ上澄み及び微粉を除去した。かかる操作を水溶液のpHが8以下で、上澄み液が透明になるまで繰り返し、得られた沈殿物をろ過、乾燥することで、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例2)
第二工程で配合するユーロピウム粉末の配合量を1.0質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例3)
第二工程で配合するユーロピウム粉末の配合量を3.0質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例4)
第二工程で配合するユーロピウム粉末の配合量を3.0質量%とし、第二工程での加熱時間を15時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例5)
第二工程で配合するユーロピウム粉末の配合量を3.0質量%とし、第二工程での加熱時間を27時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例6)
第二工程で配合するユーロピウム粉末の配合量を2.5質量%とし、第二工程での加熱時間を15時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。得られたユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体(実施例1と同様にアニール、酸処理、ろ過、及び乾燥して得られたユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体)を更にボールミルによって直径1mmのジルコニアボールで、水溶媒中で20時間かけて粉砕し、その後、ストークスの式から2μm以下の微粉をカットする条件でデカンター処理して、微粉を除去することで、蛍光体の粒度分布を調整した。実施例6のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体としては、上述の粒度分布を調整した後のものを評価対象とした。
(比較例2)
原料組成物における酸化ユーロピウムの配合量を1.0質量%に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を調製した。
(比較例3)
第二工程において、酸化ユーロピウムを配合せず、窒素ガス雰囲気の圧力を0.8MPaGに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を調製した。
(比較例4)
第二工程において、窒素ガス雰囲気の圧力を0.8MPaGに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を調製した。
(比較例5)
第二工程において、酸化ユーロピウムの配合量を1.0質量%とし、窒素ガス雰囲気の圧力を0.8MPaGに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を調製した。
(比較例6)
第二工程において、酸化ユーロピウムを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を調製した。
(比較例7)
第二工程において、酸化ユーロピウムの配合量を3.0質量%とし、加熱温度を1820℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を調製した。
(比較例8)
[ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の調製]
比較例1と同様にして原料組成物を調製した。次に、蓋付き円筒型窒化ホウ素容器(デンカ株式会社製、窒化ホウ素(商品名:デンカ ボロンナイトライド N-1)を主成分とする成型品、内径:10cm、高さ:10cm)に、上述のとおり調製した原料組成物を200g測り取った。その後、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉中に配置し、窒素ガス雰囲気下(圧力:0.8MPaG)で1950℃まで昇温し、1950℃の加熱温度で、10時間加熱を行った。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して粉末状の焼成体を得た。
上述のようにして得られた焼成体を用いて、上記焼成体が97質量%、及び酸化ユーロピウム粉末が3.0質量%となるように混合物を調整し、これを円筒型窒化ホウ素容器に充填して、この容器を、金属ヒーターを備える電気炉内に配置した。窒素ガス雰囲気下(圧力:0.8MPaG)で2000℃まで昇温し、2000℃の加熱温度で、8時間加熱を行った(焼成工程)。加熱後、上記容器内で粒子が緩く凝集した塊状物を乳鉢で解砕し、250μmの篩に通すことによって粉体を得た。
得られた粉体20gを、内径5cm、高さ3.5cmの蓋付き円筒型窒化ホウ素容器に充填し、カーボンヒーターの電気炉で、大気圧アルゴン雰囲気中、1500℃で8時間のアニール処理を行い、アニール処理物を得た。
次に、得られたアニール処理物を、フッ化水素酸(濃度:50質量%)及び硝酸(濃度:70質量%)の混酸(フッ化水素酸と硝酸とを体積比で1:1となるように混合したもの)に添加し、75℃の温度下で撹拌させながら30分間酸処理を行った。酸処理後、撹拌を終了し粉体を沈殿させて、上澄み及び酸処理で精製した微粉を除去した。その後、蒸留水を更に加え再度撹拌した。撹拌を終了し粉体を沈殿させ上澄み及び微粉を除去した。かかる操作を水溶液のpHが8以下で、上澄み液が透明になるまで繰り返し、得られた沈殿物をろ過、乾燥することで、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例9)
比較例8と同様にして調製したユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を、ボールミルによって直径5mmのジルコニアボールで水溶媒中かけて20時間で粉砕し、その後、ストークスの式から2μm以下の微粉をカットする条件でデカンター処理して微粉を除去することで、蛍光体の粒度分布を調整した。比較例9のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体としては、上述の粒度分布を調整した後のものを評価対象とした。
[ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の評価]
実施例1~6及び比較例2~9で得られたユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体について、比較例1で得られたユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体と同様にして、粒度分布、ユーロピウム含有量(Eu含有量)、800nmの光に対する拡散反射率、格子定数a、格子定数c、色度X、粉体の吸収率、内部量子効率、及び硬化樹脂シート中に分散した状態における励起光の吸収率を評価した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2023166646000001
Figure 2023166646000002
表2に示される比較例1及び2の結果から、低温及び低圧下で、原料組成物を短時間で加熱処理することによって小粒径の蛍光体を製造した場合、原料組成物における酸化ユーロピウム粉末の配合量を大きくしても、蛍光体におけるユーロピウム含有量を高めることが困難であることが確認された。一方、表1に示されるように、第二工程を設け、当該工程においてユーロピウム化合物を配合し加熱処理する実施例1~6によって製造した場合、蛍光体におけるユーロピウム含有量の大きな蛍光体が得られることが確認された。このようにして得られたユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、粉体の内部量子効率に優れ、且つ硬化樹脂シート中に分散した状態における励起光の吸収率にも優れたものであることが確認された。
本開示によれば、粉体における内部量子効率と、硬化樹脂中に分散させシート状に成形した状態での励起光の吸収率と、を高水準で両立するユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を提供できる。

Claims (3)

  1. 体積基準の累積粒度分布における50%累積径が10μm以下であり、
    ユーロピウムの含有量が0.4質量%以上であり、
    波長800nmの光に対する拡散反射率が92%以上である、ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体。
  2. β型サイアロン結晶を主結晶として含み、前記主結晶の格子定数aが7.6110以上である、請求項1に記載のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体。
  3. 色度Xが0.352以上である、請求項1又は2に記載のユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体。
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