JP2023160677A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1ベルトから記録材へと第2ベルトを用いてトナー像を転写し、第1ベルトに対する押圧部材の押圧量が可変な構成において、ショック画像乱れを抑制しつつ、押圧部材の押圧量によらずに良好な転写性を得ることを可能とする。【解決手段】画像形成装置は、第1ベルトに当接して転写部N2を形成する第2ベルトと、複数の第2ベルト張架ローラと、第1ベルトを駆動する第1駆動部と、第2ベルトを駆動する第2駆動部と、第1ベルトを押圧可能な押圧部材と、押圧部材の第1ベルトに対する押圧量を変更可能な移動機構と、第1ベルトの周速度よりも第2ベルトの周速度の方が速くなるように制御すると共に、記録材にトナー像を転写する際の移動機構による押圧部材の位置の設定に基づいて、記録材にトナー像を転写する際の第1ベルトと第2ベルトとの間の周速差を変更するように制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いたプリンタ、印刷機、複写機、ファクシミリ装置、又はこれらのうち複数の機能を有する複合機などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いた画像形成装置では、感光体や中間転写体などの像担持体から紙などの記録材へ、転写部材を用いてトナー像を静電的に転写することが行われる。
特許文献1で提案されている画像形成装置のように、中間転写体としての中間転写ベルトから記録材へのトナー像の2次転写を行う転写部材(2次転写部材)として、複数の張架ローラに架け回されて回転する2次転写ベルトを用いるものがある。この構成では、中間転写ベルト及び2次転写ベルトを介して、中間転写ベルトの複数の張架ローラのうちの1つである2次転写内ローラと、2次転写ベルトの複数の張架ローラのうち1つである2次転写外ローラと、が当接して2次転写部が形成される。
また、特許文献2で提案されている画像形成装置のように、中間転写ベルトの搬送方向に関する2次転写部の上流で中間転写ベルトの内周面を押圧する押圧部材(バックアップシート)を有する構成がある。押圧部材は、中間転写ベルトを介して2次転写ベルトに対向して配置された2次転写内ローラと、中間転写ベルトの搬送方向の上流で2次転写内ローラに隣接して配置され上流ローラと、の間で中間転写ベルトを内周面側から外周面側に向けて押圧する。
なお、記録材に関して、「先端」、「後端」とは、特に明示しない場合もそれぞれ記録材の搬送方向に関する先端、後端のことをいうものとする。また、中間転写ベルトの搬送方向に関する2次転写部の上流のことを、単に「2次転写部の上流」などともいう。
特開2021-124682号公報 特開2017-9767号公報
近年、望まれる高い生産性(単位時間当たりの出力枚数)を満たすために、一層プロセススピード(中間転写ベルトの搬送速度)を上げることが求められるようになった。
ここで、プロセススピードを上げると、特に、エンボス紙のように表面に凹凸がある記録材の凹部(例えば深さ80~140μm)における転写性が落ちることがある。これは、次のような理由によるものである。つまり、2次転写時に2次転写内ローラ(又は2次転写外ローラ)に印加する電圧が高くなり、2次転写部の上流の中間転写ベルトと記録材とが密着しにくい箇所で、記録材の凹部での「ギャップ放電」が発生する。そして、この放電により、2次転写部に進入する前の中間転写ベルト上でトナーが2次転写しにくいトナーになってしまうからである。例えば、飛び散ったような画像となることがある。一方、上質紙(あるいは普通紙)やコート紙などの平滑な記録材では、プロセススピードを上げることによる上記の影響は少ない。
これに対し、エンボス紙の使用時に、前述した押圧部材により中間転写ベルトの内周面を押し込むと、2次転写部から上流に離れた箇所まで記録材と中間転写ベルトとが密着するようになる。そのため、記録材の凹部でのギャップ放電が抑制され、転写性が改善される。
しかしながら、ベルトに対する押圧部材の押圧量(押し込み量)を増やすと、「ショック画像乱れ」などと呼ばれる現象が特に記録材の先端部で顕在化するようになることがある。本発明者の検討によると、これは中間転写ベルトと2次転写ベルトとの速度差に要因があり、速度差が大きいとショック画像乱れが悪化する傾向があることがわかった。
つまり、中間転写ベルト及び2次転写ベルトの搬送速度の安定性を保つために、画像形成装置は中間転写ベルトの搬送速度と2次転写ベルトの搬送速度とに速度差を有するように設計されることがある。中間転写ベルトや2次転写ベルトの搬送速度の変動などにより、不用意に速度差ゼロをまたがないようにするためである。速度差ゼロをまたぐと、駆動列におけるギアの噛み合い箇所の変化などにより、中間転写ベルトや2次転写ベルトの搬送速度が不安定になる可能性がある。そして、押圧部材により中間転写ベルトを内周面側から外周面側に向けて押圧すると、中間転写ベルトと2次転写ベルトとの接触領域が増えるので、2次転写ベルトの駆動負荷が上がる。この状態で記録材が突入して負荷変動が生じると、記録材の挙動が不安定になる。この記録材が突入した際の負荷変動が、中間転写ベルトと2次転写ベルトとの速度差が大きいほど大きくなる傾向がある。更に説明すると、記録材の表面性のムラ(記録材の面内の摩擦力のムラ)などの影響で、記録材が2次転写部に突入すると2次転写ベルトの負荷変動が生じる。この負荷変動は、中間転写ベルトと2次転写ベルトとの速度差が大きいほど大きくなる傾向がある。そして、上述のように押圧部材により中間転写ベルトが押し込まれて2次転写ベルトの駆動負荷が上がっている状態では、この負荷変動の影響が顕著となりやすく、記録材の先端が2次転写部に突入した際に記録材の搬送速度が一瞬速くなるといった挙動をする。このように記録材の挙動が不安定になると、2次転写部の上流の中間転写ベルトがバタつく(記録材との距離が変動する)ことがある。更に、2次転写部の上流で押圧部材により押し込まれた中間転写ベルトと記録材とが近づいているので、2次転写部の前で中間転写ベルト上のトナー像を乱してしまい、ショック画像乱れが顕在化するようになる。
一方、多くの場合に使用される記録材である上質紙(あるいは普通紙)やコート紙に対して、エンボス紙に対する転写性の改善に合わせた押圧部材の押圧量とすると、次のような現象が生じやすくなる。つまり、2次転写部の上流における中間転写ベルトと記録材との接触距離が長くなっているため、中間転写ベルトと記録材とが擦れることで画像が乱れる「画像擦れ」などとよばれる現象が発生することがある。表面の凹凸による視認性の違いなどから、この現象の影響はエンボス紙では少ない。また、相対的に使用頻度が低いエンボス紙に対する転写性の改善に合わせた押圧部材の押圧量のままにしていると、中間転写ベルトと当接している押圧部材の先端のクリープ変形が加速されるという問題もある。
そこで、例えば、エンボス紙などを使用する場合と、上質紙(あるいは普通紙)やコート紙などを使用する場合とで、押圧部材により中間転写ベルトを押し込む量を変えられるように、押圧部材の押圧量が可変な構成とすることが望ましい。
しかしながら、上質紙(普通紙)やコート紙などの使用時に、押圧部材の押圧量を減らすと、中間転写ベルトの搬送速度と2次転写ベルトの搬送速度と速度差によっては、転写性が落ちることがある。そのため、上述のようなショック画像乱れの抑制だけを考慮して単に中間転写ベルトと2次転写ベルトとの速度差を小さくすることは望ましくない。
なお、以上では中間転写ベルトから記録材へのトナー像の転写部である2次転写部を例として従来の課題について説明したが、感光体などの他のベルト状の像担持体から記録材へのトナー像の転写部に関しても同様の課題が生じ得る。
したがって、本発明の目的は、第1ベルトから記録材へと第2ベルトを用いてトナー像を転写し、第1ベルトに対する押圧部材の押圧量が可変な構成において、ショック画像乱れを抑制しつつ、押圧部材の押圧量によらずに良好な転写性を得ることである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する回転可能な無端状の第1ベルトと、前記第1ベルトを張架する複数の第1ベルト張架ローラであって、内ローラ、及び前記第1ベルトの回転方向に関して前記内ローラよりも上流において前記内ローラに隣接して配置された上流ローラを含む複数の第1ベルト張架ローラと、前記第1ベルトの外周面に当接して前記第1ベルトから記録材へトナー像を転写する転写部を形成する回転可能な無端状の第2ベルトと、前記第2ベルトを張架する複数の第2ベルト張架ローラであって、前記第1ベルト及び前記第2ベルトを介して前記内ローラに当接して前記転写部を形成する外ローラ、前記第2ベルトにテンションを付与するテンションローラ、及び前記第2ベルトの回転方向に関して前記外ローラよりも上流かつ前記テンションローラよりも下流に配置され前記第2ベルトに駆動力を伝達する駆動ローラを含む複数の第2ベルト張架ローラと、前記第1ベルトを駆動する第1駆動部と、前記第2ベルトを駆動する第2駆動部と、前記第1ベルトの回転方向に関して前記内ローラよりも上流かつ前記上流ローラよりも下流で前記第1ベルトの内周面に接触可能であり、前記第1ベルトを内周面側から外周面側に向けて押圧可能な押圧部材と、前記押圧部材の位置を変更して、前記押圧部材の前記第1ベルトに対する押圧量を変更可能な移動機構と、記録材にトナー像を転写する際に、前記第1ベルトの周速度よりも前記第2ベルトの周速度の方が速くなるように前記第1駆動部又は前記第2駆動部の少なくとも一方を制御すると共に、記録材にトナー像を転写する際の前記移動機構による前記押圧部材の位置の設定に基づいて、記録材にトナー像を転写する際の前記第1ベルトの周速度と前記第2ベルトの周速度との間の周速差を変更するように、前記第1駆動部又は前記第2駆動部の少なくとも一方を制御する制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、第1ベルトから記録材へと第2ベルトを用いてトナー像を転写し、第1ベルトに対する押圧部材の押圧量が可変な構成において、ショック画像乱れを抑制しつつ、押圧部材の押圧量によらずに良好な転写性を得ることが可能となる。
画像形成装置の概略断面図である。 2次転写部の近傍の概略断面図である。 2次転写部の近傍の概略断面図である。 押圧部材の概略断面図である。 押圧部材の押圧量を説明するための概略断面図である。 画像形成装置の制御態様を示す概略ブロック図である。 実施例1の制御のフローチャート図である。 実施例2の制御のフローチャート図である。 実施例の効果を示す評価結果を示す表である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図(後述する感光ドラム1や中間転写ベルト6の張架ローラなどの回転軸線と略直交する断面)である。本実施例の画像形成装置100は、中間転写方式を採用したタンデム型のプリンタである。画像形成装置100は、例えば、パーソナルコンピュータなどの外部装置から送信された画像信号に応じて、電子写真方式を用いて紙などのシート状の記録材(転写材、シート、記録媒体、メディア、用紙)7にフルカラー画像を形成することができる。
画像形成装置100は、複数の画像形成部(ステーション)として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つの画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。これらの画像形成部SY、SM、SC、SKは、後述する中間転写ベルト6の略水平に配置される画像転写面の移動方向に沿って一列に配置されている。各画像形成部SY、SM、SC、SKにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。本実施例では、画像形成部Sは、後述する感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)、帯電装置2(2Y、2M、2C、2K)、露光装置3(3Y、3M、3C、3K)、現像装置4(4Y、4M、4C、4K)、1次転写ローラ5(5Y、5M、5C、5K)、クリーニング装置11(11Y、11M、11C、11K)などを有して構成される。
第1の像担持体としての、回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(電子写真写真感光体)である感光ドラム1は、図1中の矢印R1方向(反時計回り方向)に回転駆動される。感光ドラム1は、感光体駆動手段としてのドラム駆動装置(図示せず)から駆動力が伝達されて、所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電手段としての帯電装置2により、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電処理時に、帯電装置2には、帯電電源(図示せず)により所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光手段としての露光装置3により画像情報(画像信号)に基づいて走査露光され、画像情報に応じた静電潜像(静電像)が感光ドラム1上に形成される。本実施例では、露光装置3は、画像情報に応じて変調されたレーザー光を感光ドラム1上に照射するレーザースキャナー装置で構成されている。
感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置4により現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像(トナー画像、現像剤像)が形成される。現像装置4Y、4M、4Cは、それぞれ有彩色トナーであるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナーを収容しており、現像装置4Kは、ブラック(K)色のトナーを収容している。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の静電潜像の露光部(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)のトナーが付着する(反転現像方式)。現像時に、現像装置4が有する現像剤担持体としての現像ローラには、現像電源(図示せず)により所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
4つの感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面に当接するように、第2の像担持体としての、無端状のベルトで構成された回転可能な中間転写体である中間転写ベルト(第1ベルト)6が配置されている。中間転写ベルト6は、複数の張架ローラ(第1ベルト張架ローラ)としてのテンションローラ19、2次転写前ローラ20、2次転写内ローラ21、及び駆動ローラ22に架け回されて、所定のテンション(張力)で張架されている。テンションローラ19は、中間転写ベルト6に所定のテンションを付与し、中間転写ベルト6のテンションを一定に制御する。テンションローラ19は、その回転軸線方向の両端部において、付勢手段としての付勢部材である圧縮コイルバネなどで構成されたテンションバネ41によって、中間転写ベルト6の内周面側から外周面側に向けて付勢されている。2次転写前ローラ20は、中間転写ベルト6の搬送方向(表面の移動方向、回転方向)に関する2次転写部N2の上流近傍の中間転写ベルト6の面を形成する。2次転写内ローラ(内部材)21は、後述する2次転写外ローラ9と協働して、2次転写部N2を形成する。本実施例では、2次転写内ローラ21に2次転写電圧が印加される。駆動ローラ22は、中間転写ベルト6に駆動力を伝達する。駆動ローラ22は、駆動手段としての中間転写ベルト駆動装置(第1駆動部)61(図6)から駆動力が伝達されて回転駆動される。中間転写ベルト駆動装置61は、駆動源としての中間転写ベルト駆動モータ61a(図1)、駆動伝達部材などを有して構成される。これにより、中間転写ベルト6は、駆動ローラ22から駆動力が入力されて、図1中の矢印R2方向(時計回り方向)に、感光ドラム1の周速度と対応する周速度(プロセススピード)で回転(周回移動)する。本実施例では、中間転写ベルト6は、600~650mm/secの周速度(外周面の移動速度)で回転する。また、中間転写ベルト6の内周面(内面、裏面)側には、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに対応して、1次転写手段としてのローラ型の1次転写部材である1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kが配置されている。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6を感光ドラム1に向けて押圧して、感光ドラム1と中間転写ベルト6との接触部である1次転写部(1次転写ニップ)N1を形成する。テンションローラ19、2次転写前ローラ20、2次転写内ローラ21及び各1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6の回転に伴って従動回転する。また、中間転写ベルト6の内周面側において、中間転写ベルト6の搬送方向に関する2次転写内ローラ21よりも上流かつ2次転写前ローラ20よりも下流には、押圧部材(バックアップ部材)28が配置されている。押圧部材28については、後述して更に説明する。
上述のように感光ドラム1上に形成されたトナー像は、1次転写部N1において、回転している中間転写ベルト6上に転写(1次転写)される。1次転写時に、1次転写ローラ5には、1次転写電圧印加手段としての1次転写電源(図示せず)により、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である1次転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト6上の同一画像形成領域に重ね合わされるようにして順次1次転写される。本実施例では、1次転写部N1が、中間転写ベルト6にトナー像を形成する画像形成位置である。そして、中間転写ベルト6は、画像形成位置で担持されたトナー像を搬送する回転可能な無端状のベルトの一例である。
中間転写ベルト6の外周面(外面、表面)側において、2次転写内ローラ21に対向する位置に、2次転写装置10が配置されている。2次転写装置10は、中間転写ベルト6の外周面に当接するように、無端状のベルトで構成された回転可能な2次転写ベルト(第2ベルト)15を有する。2次転写ベルト15は、記録材7を担持して搬送する記録材担持体として機能する。2次転写ベルト15は、複数の張架ローラ(第2ベルト張架ローラ)としての2次転写外ローラ9、分離ローラ24、テンションローラ25、補助ローラ26、及び駆動ローラ27に架け回されて、所定のテンション(張力)で張架されている。2次転写外ローラ(外部材)9は、2次転写内ローラ21と協働して、2次転写部N2を形成する。つまり、2次転写外ローラ9は、2次転写内ローラ21との間で中間転写ベルト6及び2次転写ベルト15を挟持して、中間転写ベルト6と2次転写ベルト15との接触部である2次転写部(2次転写ニップ)N2を形成する。本実施例では、2次転写外ローラ9は電気的に接地(グラウンドに接続)されている。分離ローラ24は、2次転写部N2を通過した後の記録材7を2次転写ベルト15から曲率分離する。テンションローラ25は、2次転写ベルト15に所定のテンションを付与する。テンションローラ25は、その回転軸線方向の両端部において、付勢手段としての付勢部材である圧縮コイルバネなどで構成されたテンションバネ42によって、2次転写ベルト15の内周面側から外周面側に向けて付勢されている。駆動ローラ27は、2次転写ベルト15に駆動力を伝達する。駆動ローラ27は、駆動手段としての2次転写ベルト駆動装置(第2駆動部)63(図6)から駆動力が伝達されて回転駆動される。2次転写ベルト駆動装置63は、駆動源としての2次転写ベルト駆動モータ63a(図1)、駆動伝達部材などを有して構成される。これにより、2次転写ベルト15は、駆動ローラ27から駆動力が入力されて、図1中の矢印R3方向(反時計回り方向)に回転(周回移動)する。2次転写外ローラ9、分離ローラ24、テンションローラ25及び補助ローラ26は、2次転写ベルト15の回転に伴って従動回転する。本実施例では、2次転写ベルト15の搬送速度(周速度)は、中間転写ベルト6の搬送速度(周速度)に対して速い搬送速度(例えば+0.4~+0.9%速い搬送速度)となるように設定されている。2次転写ベルト15の搬送速度については後述して更に説明する。
なお、本実施例では、上述のように、2次転写内ローラ21を電圧印加部材として用いてこれにトナーの正規の帯電極性と同極性の2次転写電圧を印加し、2次転写外ローラ9を対向電極として用いて電気的に接地している。ただし、2次転写外ローラ9を電圧印加部材として用いてこれにトナーの正規の帯電極性とは逆極性の2次転写電圧を印加し、2次転写内ローラ21を対向電極として用いて電気的に接地してもよい。
ここで、本実施例では、中間転写ベルト6として、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂又は各種ゴムなどに、帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させて構成された無端状のベルトが用いられる。また、中間転写ベルト6としては、体積抵抗率が5×10+8~5×10+12[Ω・cm]、厚みが0.070~0.400[mm]のものを好適に用いることができる。また、中間転写ベルト6としては、硬度がIRHD硬度で55~100°のものを好適に用いることができる。また、中間転写ベルト6としては、HEIDONトライボギアミューズType:94iを用いて測定した外周面の静止摩擦係数(SUS面に対する静止摩擦係数)が0.2~0.6のものを好適に用いることができる。
また、本実施例では、2次転写ベルト15として、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂又は各種ゴムなどに、帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させて構成された無端状のベルトが用いられる。また、2次転写ベルト15としては、体積抵抗率が1×10+8~1×10+11[Ω・cm]、厚みが0.07~0.1[mm]のものを好適に用いることができる。また、2次転写ベルト15としては、HEIDONトライボギアミューズType:94iを用いて測定した外周面の静止摩擦係数(SUS面に対する静止摩擦係数)が0.15~0.50のものを好適に用いることができる。
また、本実施例では、2次転写外ローラ9として、芯金と、芯金の周りに形成されたイオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層と、を有して構成されたローラを使用した。また、本実施例では、2次転写外ローラ9として、外径が23~25mm、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)環境にて2kVを印加して測定した場合に1×10+5~5×10+8Ωのローラを使用した。
また、本実施例では、1次転写ローラ5として、芯金と、芯金の周りに形成されたイオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層と、を有して構成されたローラを使用した。また、本実施例では、1次転写ローラ5として、外径が16~20mm、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)環境にて2kVを印加して測定した場合に1×10+5~1×10+8Ωのローラを使用した。
また、本実施例では、2次転写内ローラ21として、芯金と、芯金の周りに形成された電子導電性のゴム(EPDM)の弾性層と、を有して構成されたローラを使用した。また、本実施例では、2次転写内ローラ21として、外径が19~22mm、抵抗値がN/N(23℃、50%RH)環境にて50Vを印加して測定した場合に1×10+5~1×10+8Ωの転写ローラを使用した。
なお、中間転写ベルト6の張架ローラ及び2次転写ベルト15の張架ローラのそれぞれの回転軸線方向は互いに略平行である。
また、本実施例では、複数の張架ローラに張架された中間転写ベルト6、各1次転写ローラ5、ベルトクリーニング装置28、これらを支持するフレームなどを有して、中間転写ベルトユニットが構成されている。中間転写ベルトユニットは、メンテナンス又は交換のために画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能とされている。
記録材7は、給送部80から2次転写部N2へと搬送される。給送部80は、記録材収納部としての記録材カセット81、給送手段としての給送部材である給送ローラ82などを有する。なお、記録材カセット81及び給送ローラ82はそれぞれ複数設けられていてよい。記録材7は、記録材カセット81に収納されている。記録材カセット81に収納されている記録材7は、給送ローラ82などにより記録材カセット81から送り出される。また、記録材7の搬送方向に関して2次転写部N2の上流に、搬送手段としての搬送部材である、一対のレジストローラ8a、8bで構成されたレジストローラ対8が配置されている。給送ローラ82により記録材カセット81から送り出された記録材7は、レジストローラ対8へと搬送され、一旦停止させられる。レジストローラ対8は、一対のレジストローラ8a、8bのうち少なくともがレジストローラ駆動装置(図示せず)により回転駆動されることで、記録材7を図1中の矢印方向に挟持搬送する。レジストローラ対8は、中間転写ベルト6上のトナー像が2次転写部N2に搬送されるのに同期するようにして、記録材7を2次転写部N2まで搬送する。
上述のように中間転写ベルト6上に形成されたトナー像は、2次転写部N2において、中間転写ベルト6と2次転写ベルト15とに挟持されて搬送されている記録材7上に転写(2次転写)される。記録材7が2次転写部N2を通過する際に、2次転写内ローラ21には、2次転写電圧印加手段としての2次転写電源23により、トナー像の正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)の直流電圧である2次転写電圧(2次転写バイアス)が印加される。例えば、2次転写電圧を印加して-80~-95μAの電流を流すことで、中間転写ベルト6上のトナー像を記録材7に転写する。
トナー像が転写された記録材7は、分離ローラ24の位置まで搬送され、2次転写ベルト15から曲率分離される。2次転写ベルト15から分離された記録材7は、定着手段としての定着装置13へと搬送される。定着装置13は、未定着のトナー像を担持した記録材7を、定着回転体対によって挟持搬送することで加熱及び加圧して、トナー像を記録材7上に定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された記録材7は、画像形成装置100の外部(機外)へと排出(出力)される。
一方、1次転写部N1を通過した後の感光ドラム1上に残留したトナー(1次転写残トナー)などの付着物は、クリーニング手段としてのクリーニング装置11により感光ドラム11上から除去されて回収される。また、2次転写部N2を通過した後の中間転写ベルト6上に残留したトナー(2次転写残トナー)などの付着物は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置(静電式ブラシクリーニング装置)12により中間転写ベルト6上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置12は、ファーブラシ16a、16bによりトナーを回収する。そして、ベルトクリーニング装置12は、金属ローラ17a、17bに静電的にファーブラシ16a、16bのトナーを転移させ、クリーニングブレード18a、18bで該金属ローラ17a、17b上のトナーを掻き取って除去する。
2.2次転写工程
図2を参照して、本実施例における2次転写工程について更に説明する。図2は、本実施例における2次転写部N2の近傍を示す概略断面図(感光ドラム1、2次転写内ローラ21及び2次転写外ローラ9などの回転軸線方向と略直交する断面)である。
上述のように、本実施例では、2次転写ベルト15の搬送速度(周速度)は、中間転写ベルト6の搬送速度(周速度)に対して速い搬送速度となるように設定されている。そして、本実施例では、中間転写ベルト6の搬送速度と2次転写ベルト15の搬送速度とが、速度差ゼロをまたがないようになっている。これにより、前述のように、中間転写ベルト6及び2次転写ベルト15の搬送速度の安定性を保つようにしている。
さらに、中間転写ベルト6の搬送速度に対して2次転写ベルト15の搬送速度を速くすることで、2次転写部N2の上流側で2次転写ベルト15を外周面側(中間転写ベルト6側)に撓ませて、記録材7の裏面から記録材7を支えることができる。つまり、本実施例では、2次転写ベルト15の搬送方向(表面の移動方向、回転方向)に関して、2次転写ベルト15の駆動ローラ27は、2次転写部N2を形成する2次転写外ローラ9よりも上流、かつ、2次転写ベルト15にテンションを付与テンションローラ25よりも下流に配置されている。そのため、この駆動ローラ27により2次転写ベルト15を中間転写ベルト6の搬送速度よりも速い搬送速度となるように駆動すると、特に2次転写部N2の上流側の駆動ローラ27までの範囲の2次転写ベルト15が外周面側(中間転写ベルト6側)に撓む。特に、本実施例では、2次転写ベルト15の駆動ローラ27は、2次転写ベルト15の搬送方向に関して2次転写内ローラ9の上流側に隣接して(すなわち、直上流に)配置されている。そのため、上記撓みがより生じやすい。これにより、2次転写部N2の上流で記録材7が垂れるなどして中間転写ベルト6から離れてしまうことを軽減し、2次転写部N2の上流での微弱な転写電界による「プレ転写」が発生するのを抑制することができる。なお、プレ転写は、上記微弱な転写電界により、中間転写ベルト6上からトナーが記録材7上の所定領域以外(本来転写されるべき位置とは異なる位置)に転写されてしまう現象である。
また、本実施例では、レジストローラ対8を構成する一対のレジストローラ8a、8bは、レジストローラ離間装置64により互いに離接可能なように構成されている。レジストローラ離間装置64は、離間駆動源(ソレノイドなど)64aと、一対のレジストローラ8a、8bの少なくとも一方を移動させる離間移動部64bと、を有して構成される。レジストローラ離間装置64は、一対のレジストローラ8a、8bを、互いに当接した状態と互いに離間した状態とに切り替えることができる。そして、本実施例では、画像形成装置100は、記録材7が2次転写部N2に到達するタイミングでレジストローラ対8の離間動作を行い、2次転写部N2で記録材7を挟持搬送するようになっている。これにより、2次転写部N2での記録材7の搬送速度とレジストローラ対8での記録材7の搬送速度との差によって生じる記録材7のループを抑制し、2次転写部N2の上流の記録材7の姿勢に対するレジストローラ対8の影響を小さくすることができる。上記レジストローラ対8を離間させるタイミングは、より詳細には、記録材7が2次転写部N2に到達するのと略同時、到達する直前、あるいは到達した直後のタイミングであることが望ましい。ただし、上記2次転写部N2の上流の記録材7の姿勢に対するレジストローラ対8の影響を十分に小さくすることができれば、記録材7が2次転写部N2を通過する際の任意のタイミングで上記レジストローラ対8を離間させることができる。このように、切り替え部としてのレジストローラ離間装置64は、記録材7を挟持して2次転写部N2へと搬送するレジストローラ対8が記録材7を挟持可能な第1状態と記録材7を挟持不可能な第2状態とに切り替える。そして、レジストローラ離間機構64は、記録材7が2次転写部N2を通過する際にレジストローラ対8を上記第2状態とする。
3.押圧部材
次に、本実施例における、押圧部材28について説明する。図3は、本実施例における2次転写部N2の近傍をより拡大して示す概略断面図(感光ドラム1、2次転写内ローラ21及び2次転写外ローラ9などの回転軸線方向と略直交する断面)である。なお、図3は、中間転写ベルト6を外した状態を示しており、押圧部材28が無い場合の中間転写ベルト6の張り面が破線(後述する共通接線L1)で示されている。また、図4は、本実施例における押圧部材28及び押圧部材28の支持部材29aを示す概略断面図(感光ドラム1、2次転写内ローラ21及び2次転写外ローラ9などの回転軸線方向と略直交する断面)である。また、図5は、ベルトに対する押圧部材の押圧量(押し込み量)を説明するための押圧部材28の近傍の概略断面図(感光ドラム1、2次転写内ローラ21及び2次転写外ローラ9などの回転軸線方向と略直交する断面)である。
図3に示すように、本実施例では、中間転写ベルト6の複数の張架ローラのうち2次転写内ローラ21と2次転写前ローラ20との間に張架された中間転写ベルト6の内周面に接触して、中間転写ベルト6を内周面側から外周面側へ押圧する、押圧部材(バックアップ部材)28が配置されている。押圧部材28は、2次転写部N2の上流において、2次転写内ローラ21に近接して設けられている。つまり、押圧部材28は、中間転写ベルト6の回転方向に関する、2次転写内ローラ21よりも上流、かつ、2次転写前ローラ20よりも下流において、中間転写ベルト6の内周面に接触可能なように配置されている。特に、本実施例では、押圧部材28は、記録材7の搬送方向に関して、2次転写ベルト15と重なる範囲の中間転写ベルト6の内周面に接触可能なように配置されている。
本実施例では、画像形成時(2次転写時)には、中間転写ベルト6の内周面と押圧部材28の先端部とが接触した状態とされる。押圧部材28は、中間転写ベルト6の内周面に接触して、中間転写ベルト6を内周面側から外周面側へ押圧することができる。これにより、押圧部材28は、2次転写内ローラ21と2次転写前ローラ20との間に形成される中間転写ベルト6の張り面を、中間転写ベルト6の内周面側から外周面側へ張り出させることができる。本実施例では、押圧部材28は、可撓性を有する樹脂製の板状部材で形成されており、押圧部材28は撓み弾性を利用して中間転写ベルト6を弾性付勢する。したがって、押圧部材28の形状(撓み量、変形量)あるいは位置は、押圧部材28が中間転写ベルト6を付勢する付勢力と、中間転写ベルト6の張力によって生じる抗力と、が釣り合う位置(あるいは形状)に決まる。そして、この押圧部材28の位置によって、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト6の形状(姿勢)が形成される。また、本実施例では、画像形成装置100には、押圧部材28の位置を変更することが可能な移動機構としての押圧部材駆動装置62が設けられている。これにより、本実施例では、画像形成装置100は、押圧部材28の位置、すなわち、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト6の形状(姿勢)を制御することが可能な構成となっている。
本実施例では、押圧部材28は、全体として、中間転写ベルト6の幅方向(搬送方向と略直交する方向)と略平行に配置される長手方向と、該長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有し、所定の厚さを有する、平面視略矩形の板状(シート状)の部材(バックアップシート)で構成されている。押圧部材28の長手方向の長さは、中間転写ベルト6の幅方向の長さと同等である。押圧部材28は、その短手方向の一端部(中間転写ベルト6の回転方向に関し下流側の端部)である自由端部(先端部)が、中間転写ベルト6の略全幅にわたり、中間転写ベルト6の内周面に接触可能であり、中間転写ベルト6を押圧可能である。また、本実施例では、押圧部材28は、その短手方向の他端部(中間転写ベルト6の回転方向に関し上流側の端部)である固定端部(基端部)側の一部が、支持部材29aに固定されている。ここで、押圧部材28、より詳細には押圧部材28の短手方向に関する自由端部(先端部)側の端部(ここでは、単に「先端」ともいう。)は、2次転写内ローラ21にできる限り近接して配置されることが望ましい。ただし、押圧部材28は、2次転写内ローラ21と接触しないように配置される。押圧部材28は、例えば、2次転写内ローラ21と中間転写ベルト6とが接触する位置から中間転写ベルト6の搬送方向上流側へ例えば2mm程度以上、典型的には10mm程度以上離した位置で中間転写ベルト6の内周面と接触するように配置される。また、押圧部材28は、例えば、2次転写内ローラ21と中間転写ベルト6とが接触する位置から中間転写ベルト6の回転方向上流側へ40mm以下程度、典型的には25mm以下程度離した位置で中間転写ベルト6の内周面と接触するように配置される。
図4に示すように、本実施例では、押圧部材28は、第1のシート28aと第2のシート28bとで構成されている。本実施例では、第1のシート28aが支持部材29aに自由長Jbが12.5~14.5mmになるように両面テープで貼り付けられている。更に、第2のシート28bが、第1のシート28aの先端に対する第2のシート28bの先端のずらし量Jaが2~4mmになるように、第1のシート28aの中間転写ベルト6側の面に両面テープで貼り付けられている。ここで、本実施例では、第2のシート28bは、自由長Jbにかからない領域において両面テープで第1のシート28aに貼り付けられている。なお、第1のシート28aと第2のシート28bとは、接着、締結などの他の固定手段により固定してもよい。押圧部材28は、第1のシート28aの先端と第2のシート28bの先端とで、中間転写ベルト6の内周面に接触する。
本実施例では、第1のシート28aとしては、ポリエステルなどの樹脂材料で形成された、厚みが0.4~0.6mm程度のシート状の部材を用いた。また、本実施例では、第2のシート28bとしては、第1のシート28aと同じ樹脂材料で形成された、厚みが0.2~0.3mm程度のシート状の部材を用いた。なお、本実施例では、中間転写ベルト6への当接状態を安定させるために、押圧部材28を第1のシート28aと第2のシート28bとの2枚のシート状の部材を貼り合わせて構成した。ただし、押圧部材28は、本実施例の構成に限定されるものではなく、例えば本実施例における第1のシート28aに相当するシート状の部材で構成され、本実施例における第2のシート28bは設けられていなくてよい。なお、押圧部材28を構成する樹脂材としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などを用いることができる。
上述のように、本実施例では、画像形成装置100は、押圧部材28の位置を変更する押圧部材駆動装置62を有する(図3)。押圧部材駆動装置62は、押圧部材28の位置を変更することで、2次転写部N2の上流における中間転写ベルト31の形状(姿勢)を制御することができる。換言すると、押圧部材駆動装置62は、押圧部材28の位置を変更することで、中間転写ベルト6に対する押圧部材28の侵入量(後述するH)を制御して、中間転写ベルト6に対する押圧部材28の押圧量(後述するI)を制御することができる。また、押圧部材駆動装置62は、押圧部材28の位置を変更することで、押圧部材28の中間転写ベルト6に対する当接又は離間の状態を変更することができるようになっていてよい。なお、押圧部材28の押圧量を変更することに、押圧部材28の中間転写ベルト6に対する当接又は離間の状態を変更することが含まれるものとする。
本実施例では、押圧部材駆動装置62は、移動部としての支持部材29aに作用する作用部としての偏心カム30と、偏心カム30を駆動する駆動源としてのカム駆動モータ(ステッピングモータ)31と、を有して構成される。支持部材29aは、その長手方向に関する両端部の回動軸部29bを中心として、中間転写ベルト6の幅方向と略平行な回動軸線の周りを回動可能なように、中間転写ベルトユニットや装置本体のフレーム(図示せず)などに支持されている。このように、支持部材29aを中間転写ベルト6の幅方向と略平行な回動軸線の周りを回動させることで、押圧部材28を該回動軸線の周りを回動させて、押圧部材28の位置を変更することができる。ここで、本実施例では、押圧部材28の位置を変更するとは、より詳細には、中間転写ベルト6が無いと仮定した場合の押圧部材28の先端の位置(以下、単に「先端位置」ともいう。)を変更することをいう。具体的には、本実施例では、押圧部材28の位置を変更するとは、押圧部材駆動装置62により支持部材29aの位置を変更することをいう。偏心カム30は、支持部材29aと接触し、回転角度に応じて回転中心からの半径が一様に変化する無段階面を有する。したがって、偏心カム30が回転することで、支持部材29aが回動軸部29bを中心として回動する。なお、本実施例では、支持部材29aは、偏心カム30と係合する方向に回動するように付勢されている。支持部材29aは、押圧部材28を介して中間転写ベルト6の張力により付勢される他、支持部材29aを付勢する付勢手段としての付勢部材であるバネなどが設けられていてもよい。これにより、押圧部材28を中間転写ベルト6から離間させることができる。
後述する制御部50は、光学式センサなどで構成されたカム位置センサ(図示せず)からの信号により、偏心カム30のホームポジション(HP位置)を検知できるようになっている。また、制御部50の後述するメモリ52には、押圧部材28の侵入量H(あるいは押圧量I)と、カム駆動モータ31に入力するパルス数(入力パルス数)と、の関係を示す情報が記憶されている。そして、制御部50は、偏心カム30のホームポジション(すなわち、押圧部材28のホームポジション)から、カム駆動モータ31に任意のパルス数を入力することで、支持部材29aを任意の位置に移動させて押圧部材28を任意の位置に移動させることができる。これにより、押圧部材28の侵入量H(あるいは押圧量I)を可変制御することができる。
図3及び図5を参照して、中間転写ベルト6に対する押圧部材28の押圧量(押し込み量)について説明する。中間転写ベルト6に対する押圧部材28の押圧量は、概略、押圧部材28が、2次転写内ローラ21と2次転写前ローラ20とに張架されて形成される中間転写ベルト6の張り面に対して、中間転写ベルト6を外側に張り出させる量である。2次転写前ローラ20は、複数の張架ローラのうち2次転写内ローラ21よりも中間転写ベルト6の回転方向に関して上流で2次転写内ローラ21に隣接して配置された上流ローラの一例である。つまり、図5において、中間転写ベルト6と接する側の2次転写内ローラ21と2次転写前ローラ20との共通の接線を共通接線L1とする。このとき、押圧部材28の押圧量Iは、共通接線L1から押圧部材28の先端までの法線距離(共通接線L1と、押圧部材28の先端を通り共通接線L1と平行な線と、の間の距離)として定義することができる。なお、中間転写ベルト6の回転方向に関する2次転写内ローラ21と2次転写外ローラ9との相対位置によっては、2次転写外ローラ9(より詳細にはその上の2次転写ベルト15)と2次転写前ローラ20とに張架されて2次転写部N2の上流の中間転写ベルト6の張り面が形成される場合がある。この場合は、中間転写ベルト6と接する側の2次転写外ローラ9(より詳細にはその上の2次転写ベルト15)と2次転写前ローラ20との共通の接線に対して、上記同様に押圧量を定義することができる。そして、本実施例では、この中間転写ベルト6に対する押圧部材28の押圧量は、中間転写ベルト6に対する押圧部材28の侵入量(押圧部材28の先端位置)で制御することができる。中間転写ベルト6に対する押圧部材28の侵入量Hは、図3に示すように、上記共通接線L1と中間転写ベルト6が張架されていない状態における押圧部材28の先端までの法線距離(共通接線L1と、中間転写ベルト6が張架されていない状態における押圧部材28の先端を通り共通接線L1と平行な線と、の間の距離)として定義することができる。本実施例では、偏心カム30が回転することにより、画像形成時(2次転写時)には、侵入量H(図3)を1.5~3.8mm設定できるようになっている。そして、このように押圧部材28の侵入量Hを設定することによって、押圧部材28により中間転写ベルト6の張り面を変化させる量、すなわち、押圧量I(図5)を1.0~3.0mm程度となるようにした。
なお、押圧部材70の押圧量Iは、記録材7が、2次転写部N2の入口近傍及び2次転写部N2を通過している際に、所望の値となっていればよい。2次転写部N2の入口近傍は、より詳細には、記録材7の搬送方向に関する、押圧部材28が中間転写ベルト6と接触する位置から2次転写部N2までの間の、中間転写ベルト6の領域に対応する領域である。また、例えば、画像形成装置100のスタンバイ状態(電源ONでジョブの入力を待機している状態)、あるいは電源OFF状態やスリープ状態では、押圧部材28を中間転写ベルト6から離間した位置又は単に接触した位置(いずれも侵入量Hは0mm)に配置することができる。これにより、画像形成装置100が放置された際の押圧部材70の変形などを抑制することができる。本実施例では、押圧部材28のホームポジションは、押圧部材28が中間転写ベルト6から離間しているか、画像形成時(2次転写時)よりも小さい侵入量H(例えば0~1mm)で中間転写ベルト6に接触する位置に設定されている。そして、本実施例では、画像形成装置100のスタンバイ状態、あるいは電源OFF状態やスリープ状態では、押圧部材28はホームポジションに配置される。
なお、図3において、2次転写内ローラ21の回転中心を通り上記共通接線L1と直交する直線(2次転写内ローラ21の回転中心から共通接線L1に下した垂線)を内ローラ中心線L2とする。また、図3において、2次転写外ローラ9の回転中心を通り上記共通接線L1と直交する直線(2次転写外ローラ9の回転中心から共通接線L1に下した垂線)を外ローラ中心線L3とする。このとき、本実施例では、2次転写外ローラ9は、2次転写ベルト15の搬送方向に関して内ローラ中心線L2よりも外ローラ中心線L3の方が下流側に位置するように配置されている。特に、本実施例では、2次転写ローラ9は、内ローラ中心線L2と外ローラ中心線L3との間の距離Eが1.5~2.5mmになるように配置されている。このような構成の場合、2次転写ベルト15の作用による中間転写ベルト6と記録材7との接触距離の変更を行いやすい傾向があるため、後述する中間転写ベルト6と2次転写ベルト15との速度差を変更する効果を得やすい傾向がある。ただし、本発明は斯かる構成に限定されるものではなく、内ローラ中心線L2と外ローラ中心線L3とが同じ位置にある構成や、内ローラ中心線L2よりも外ローラ中心線L3の方が上流側に位置する構成であってもよい。
4.制御態様
図6は、本実施例の画像形成装置100の制御態様を示す概略ブロック図である。画像形成装置100には、制御部50が設けられている。制御部50は、演算処理手段としてのCPU51、記憶手段としてのメモリ52、制御部50に対する信号の入出力部(図示せず)などを有して構成される。メモリ52は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどで構成される。制御部50は、CPU51により、ROMに格納された制御プログラムに従い、RAMを作業領域として用いて、画像形成装置100が備えた各種センサからの入力信号などに基づいて、画像形成装置100の各部を統括制御することができる。例えば、制御部50には、中間転写ベルト駆動装置61(具体的には中間転写ベルト駆動モータ61a)、押圧部材駆動装置62(具体的にはカム駆動モータ31)などが接続されている。また、制御部50には、2次転写ベルト駆動装置63(具体的には2次転写ベルト駆動モータ63a)、レジストローラ離間装置64(具体的には離間駆動源64a)、画像形成部Sの各部の制御装置などが接続されている。また、制御部50には、画像形成装置100に設けられた操作部(ユーザーインターフェース(UI))70が接続されている。操作部70は、制御部50によって制御されて情報を表示する表示部(表示手段)、及びユーザーやサービス担当者などの操作者による操作によって制御部50に情報を入力する入力部(入力手段)を有する。操作部70は、表示手段及び入力手段の機能を有するタッチパネルを有して構成されていてよい。また、画像形成装置100には、パーソナルコンピュータなどの外部装置、画像読取装置などが接続されていてよい。
制御部50は、外部装置や操作部70から入力されるジョブの情報に基づいて、画像形成動作を実行するように、画像形成装置100の各部を制御する。ジョブの情報は、開始指示(開始信号)、記録材7に関する情報などの画像形成条件に関する情報(指令信号)、及び画像情報(画像信号)などを含む。なお、記録材7に関する情報(記録材情報)とは、普通紙、上質紙、光沢紙、グロス紙、コート紙、エンボス紙、厚紙、薄紙、紙質などの一般的な特徴に基づく属性(いわゆる、紙種カテゴリー)、坪量、厚さ、剛性などの数値や数値範囲、あるいは銘柄(メーカー、商品名、品番などを含む。)などの、記録材7を区別することのできる任意の情報を包含するものである。記録材7に関する情報によって区別される記録材7ごとに、記録材7の種類を構成するものとみることができる。また、記録材7に関する情報は、例えば「普通紙モード」、「エンボス紙モード」といった、画像形成装置100の動作設定を指定するプリントモードの情報に含まれていたり、プリントモードの情報で代替されたりしてもよい。
画像形成装置100は、一つの開始指示により開始される、単数又は複数の記録材7に画像を形成して出力する一連の動作であるジョブ(プリントジョブ、印刷ジョブ)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程(画像形成動作)、前回転工程、複数の記録材7に画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材7に形成して出力する画像の静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写、2次転写を行う期間であり、画像形成時(画像形成期間)とはこの期間のことをいう。より詳細には、これら静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写、2次転写の各工程を行う位置で、画像形成時のタイミングは異なる。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程(記録材間工程、画像間工程)は、複数の記録材7に対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成)の記録材7と記録材7との間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時(非画像形成期間)とは、画像形成時以外の期間であって、次のような期間が含まれる。つまり、前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程などが含まれる。また、電源OFF状態、スリープ状態、スタンバイ状態、スタンバイ状態から前回転工程又は前多回転工程を開始するまでの間の期間などが含まれる。本実施例では、画像形成装置100は、非画像形成時に、押圧部材28の位置を設定(調整)する動作を行うことができる。
5.本実施例の制御
図7を参照して、本実施例におけるジョブの動作について説明する。図7は、本実施例におけるジョブの手順の概略を示すフローチャート図である。
制御部50は、ジョブがスタートすると、押圧部材駆動装置62により、押圧部材28を、中間転写ベルト6に対する侵入量Hが1.5~2.2mmとなる位置に移動させる(S1)。次に、制御部50は、中間転写ベルト6の搬送速度(周速度)に対して2次転写ベルト15の搬送速度(周速度)が+0.35~+0.45%速くなるように、中間転写ベルト6、2次転写ベルト15を駆動する(S2)。なお、S2では、感光ドラム1などの他の要素の駆動も行われる。ここで、中間転写ベルト6の搬送速度(周速度)に対する2次転写ベルト15の搬送速度(周速度)の差(2次転写ベルト15の搬送速度(周速度)の方が速い場合に正の値)のことを単に「周速差」ともいう。この「周速差」は、周速度の違いを表すものであればよく、単に差分だけを意味するものではなく、本実施例のように速度比も含むものである。次に、制御部50は、ジョブの情報に基づいて次の画像を形成(通紙)する記録材7がエンボス紙か否かを判断する(S3)。制御部50は、S3でエンボス紙ではないと判断した場合は、そのままの侵入量H、周速差で画像の出力を行う(S8、S9)。次に、制御部50は、ジョブの全ての画像の出力が終了したか否かを判断する(S6)。制御部50は、S6で終了したと判断した場合は、押圧部材駆動装置62により、押圧部材28を、中間転写ベルト6に対し非当接又は侵入量Hが0~1.0mmになるようにホームポジション(HP位置)に退避させて(S7)、ジョブを終了する。ジョブの待機中に、押圧部材28を、中間転写ベルト6に侵入させない(単に接触)、画像形成時よりも小さい侵入量で侵入させる、又は接触させない位置に退避することで、押圧部材28の先端のクリープ変形をより軽減できる。また、制御部50は、S6で終了していないと判断した場合は、S3の処理に戻る。
一方、制御部50は、S3でエンボス紙であると判断した場合は、押圧部材駆動装置62により、押圧部材28を、中間転写ベルト6に対する侵入量Hが3.0~3.8mmとなる位置に移動させる(S4)。次に、制御部50は、中間転写ベルト6の搬送速度(周速度)に対して2次転写ベルト15の搬送速度(周速度)が+0.05~+0.15%速くなるように、本実施例では2次転写ベルト15の駆動速度を変更する(S5)。その後、制御部50は、上述と同様に、S6、S7の処理に進む。なお、周速差を変更するためには、中間転写ベルト6の搬送速度と2次転写ベルト15の搬送速度とのいずれを変更してもよいし、両方を変更してもよい。ただし、画像への影響などの観点から、2次転写ベルト15の搬送速度を変更することが好ましい。
なお、本実施例では、エンボス紙としては、特種製紙レザック66の坪量151g/mを用いた。また、本実施例では、エンボス紙以外の普通紙としてキヤノンGF-C081を用いた。
図9は、本実施例の制御の効果を説明するための評価結果を示す表である。評価項目は、記録材7としてエンボス紙、普通紙を用いた場合の「ショック画像乱れ」、「転写性」、「画像擦れ」である。なお、転写性については、エンボス紙では特にギャップ放電による転写性の低下、普通紙では特にプレ転写による転写性の低下について評価した。各評価項目についての評価結果は、次のように示している。「〇(良好)」は、各評価項目の画像不良が確認できなかった場合を示す。また、「△(やや不良)」は、各評価項目の画像不良が若干発生し、場合によっては実用上問題になることがあることを示す。「×(不良)」は、各評価項目の画像不良が発生し、多くの場合に実用上問題になる可能性があることを示す。
図9に示すように、押圧部材28の侵入量Hを3.0~3.8mm(S4)とすると、2次転写部N2の上流で記録材7と中間転写ベルト6とが密着するようになる。したがって、記録材7の表面の凹部でのギャップ放電が抑制されて転写性が改善されるため、エンボス紙に対する転写性が改善する。
ただし、侵入量Hを3.0~3.8mm(S4)として、周速差を+0.35~+0.45%(S9)のままにすると、次のようになる。つまり、押圧部材28による押圧に加えて、2次転写ベルト15の撓みによっても、中間転写ベルト6と2次転写ベルト15との接触領域が増えた状態となる。そのため、2次転写ベルト15の駆動負荷が上がっており、この状態で記録材7が2次転写部N2に突入して負荷変動が生じると、エンボス紙、普通紙のいずれの場合も前述のようにショック画像乱れが顕在化するようになる。前述のように、上記負荷変動により記録材7の挙動が不安定になり、かつ、2次転写部N2の上流で押圧バックアップシートに押し込まれた中間転写ベルト6と記録材7とが近づいているためである。そこで、上記負荷変動を抑制するために、中間転写ベルト6と2次転写ベルト15との速度差を減らし、周速度を+0.5~+0.15%(S5)にする。これにより、上記負荷変動により記録材7の挙動が不安定になることを抑制でき、エンボス紙、普通紙のいずれの場合もショック画像乱れを軽減することができる。
一方、侵入量Hを3.0~3.8mm(S4)としていると、普通紙では画像擦れが発生する場合があり、転写性が低下する場合がある。これは、前述のように、2次転写部の上流における中間転写ベルト6と記録材7との接触距離が長くなっていることにより、中間転写ベルト6と記録材7とが擦れることで画像が乱れることがあるためである。表面の凹凸による視認性の違いなどから、この現象の影響はエンボス紙では少ないが、普通紙では顕在化することがある。また、侵入量Hを3.0~3.8mmのまま使い続けると、中間転写ベルト6と当接している押圧部材28の先端のクリープ変形が加速されてしまう。
そこで、普通紙の場合に、侵入量Hを1.5~2.2mm(S8)にすることとしても、周速差が+0.05~+0.15%(S5)であると、プレ転写による転写性の低下が発生するようになる。これに対し、本発明者の鋭意検討によれば、普通紙の場合は、押圧部材28の侵入量Hが1.5~2.2mm(S8)であっても、周速差を+0.35~+0.45%(S9)とすれば、転写性を確保することができる。前述のように、2次転写ベルト15の撓みによって、記録材7の裏面から記録材7を支え、中間転写ベルト6と2次転写ベルト15との接触距離を確保できるからである。
よって、本実施例では、押圧部材28の侵入量Hを3.0~3.8mm(S4)にするのは記録材7の表面に凹凸があるエンボス紙の場合のみにし、その場合には周速差を+0.05~+0.15%に低下させることとした。これにより、エンボス紙におけるショック画像乱れを抑制しつつ、普通紙における良好な転写性を得ることができる。また、記録材7の表面に凹凸があるエンボス紙などの使用頻度が相対的に低い記録材7に対してのみ、侵入量Hを大きくするので、押圧部材28の先端のクリープ変形の進行を抑制しながら、押圧部材28をより押し込んだときのショック画像乱れを軽減することが可能となる。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、トナー像を担持する回転可能な無端状の第1ベルト6と、第1ベルトを張架する複数の第1ベルト張架ローラであって、内ローラ21、及び第1ベルト6の回転方向に関して内ローラ21よりも上流において内ローラ21に隣接して配置された上流ローラ20を含む複数の第1ベルト張架ローラと、第1ベルト6の外周面に当接して第1ベルト6から記録材7へトナー像を転写する転写部N2を形成する回転可能な無端状の第2ベルト15と、第2ベルト15を張架する複数の第2ベルト張架ローラであって、第1ベルト6及び第2ベルト15を介して内ローラ21に当接して転写部N2を形成する外ローラ9、第2ベルト15にテンションを付与するテンションローラ42、及び第2ベルト15の回転方向に関して外ローラ9よりも上流かつテンションローラ42よりも下流に配置され第2ベルト15に駆動力を伝達する駆動ローラ27を含む複数の第2ベルト張架ローラと、第1ベルト6を駆動する第1駆動部61と、第2ベルト15を駆動する第2駆動部63と、第1ベルト6の回転方向に関して内ローラ21よりも上流かつ上流ローラ20よりも下流で第1ベルト6の内周面に接触可能であり、第1ベルト6を内周面側から外周面側に向けて押圧可能な押圧部材28と、押圧部材28の位置を変更して、押圧部材28の第1ベルト6に対する押圧量を変更可能な移動機構62と、記録材7にトナー像を転写する際に、第1ベルト6の周速度よりも第2ベルト15の周速度の方が速くなるように第1駆動部61又は第2駆動部63の少なくとも一方を制御すると共に、記録材7にトナー像を転写する際の移動機構62による押圧部材28の位置の設定に基づいて、記録材7にトナー像を転写する際の第1ベルト6の周速度と第2ベルト15の周速度との間の周速差を変更するように、第1駆動部61又は第2駆動部63の少なくとも一方を制御する制御部50と、を有する。
本実施例では、制御部50は、記録材7にトナー像を転写する際の押圧部材28の位置の設定が、第1位置である場合よりも、第1位置よりも押圧量が大きい第2位置である場合の方が、上記周速差が小さくなるように、第1駆動部61又は第2駆動部63の少なくとも一方を制御する。また、本実施例では、第1駆動部61、第2駆動部63は、記録材7にトナー像を転写する際に第1ベルト6の周速度と第2ベルト15の周速度との大小が逆転することがないように、それぞれ第1ベルト6、第2ベルト15を駆動する。また、本実施例では、画像形成装置100は、記録材7を挟持して転写部N2へと搬送する搬送部材8と、搬送部材8が記録材7を挟持可能な第1状態と記録材7を挟持不可能な第2状態とに切り替える切り替え部64と、を有し、切り替え部64は、記録材7が転写部N2を通過する際に搬送部材8を第2状態とする。また、本実施例では、内ローラ21の回転軸線と略直交する断面において、第1ベルト6と接する側の内ローラ21と上流ローラ20との共通の接線を共通接線をL1、内ローラ21の回転中心を通り共通接線L1と直交する直線を内ローラ中心線L2、外ローラ9の回転中心を通り共通接線L1と直交する直線を外ローラ中心線L3としたとき、第2ベルト15の回転方向に関して内ローラ中心線L2よりも外ローラ中心線L3の方が下流側に位置する。また、本実施例では、制御部50は、画像形成の開始指示を待機している際の押圧部材28の位置が、記録材7にトナー像を転写する際の押圧部材28の位置よりも上記押圧量が小さい位置となるように、移動機構62を制御する。また、本実施例では、制御部50は、トナー像が転写される記録材7の種類に基づいて、該記録材7にトナー像を転写する際の移動機構62による押圧部材28の位置を設定し、第1種類の記録材Pにトナー像を転写する際よりも、第1種類よりも表面の凹凸が大きい第2種類の記録材7にトナー像を転写する際の方が、上記押圧量が大きくなるように、押圧部材28の位置を設定する。また、本実施例では、駆動ローラ27は、第2ベルト15の回転方向に関して、外ローラ9よりも上流において外ローラ9に隣接して配置されている。
以上説明したように、本実施例では、画像形成装置100は、中間転写ベルト6から記録材7へと2次転写ベルト15を用いてトナー像を転写し、中間転写ベルト6に対する押圧部材28の押圧量が可変な構成とされる。本実施例によれば、斯かる構成において、ショック画像乱れを抑制しつつ、押圧部材28の押圧量によらずに良好な転写性を得ることが可能となる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
図8を参照して、本実施例におけるジョブの動作について説明する。図8は、本実施例におけるジョブの手順の概略を示すフローチャート図である。図8の手順において、実施例1で説明した図7の手順と同様の処理には同一のステップ番号(S1~S9)を付している。図8の手順では、S10の処理が追加されていること、及びS6でジョブの全ての画像の出力が終了していない(「No」)と判断され場合にS3の処理ではなくS4の処理に戻る点が図7の手順と異なる。
つまり、本実施例では、制御部50は、エンボス紙ではない場合に侵入量Hを1.5~2.2mm、周速差を+0.35~+0.45%としたまま画像の出力を行った後(S8、S9)、S10でジョブの全ての画像の出力が終了したか否かを判断する。そして、制御部50は、S10で終了したと判断した場合は、押圧部材28をホームポジション(HP位置)に退避させて(S7)、ジョブを終了する。また、制御部50は、S10で終了していないと判断した場合は、S3の処理に戻る。
一方、本実施例では、制御部50は、エンボス紙の場合に、侵入量Hを3.0~3.8mm、周速差を+0.05~+0.15%として画像の出力を行った後(S4、S5)、S6でジョブの全ての画像の出力が終了したか否かを判断する。そして、制御部50は、S6で終了したと判断した場合は、押圧部材28をホームポジション(HP位置)に退避させて(S7)、ジョブを終了する。また、制御部50は、S6で終了していないと判断した場合は、S4の処理に戻り、記録材7の種類の判断をスキップして、記録材7の種類によらず侵入量H、周速差を維持する。
なお、実施例1と同様、本実施例ではエンボス紙としては、特種製紙レザック66の坪量151g/mを用いた。また、本実施例では、エンボス紙以外の普通紙としてキヤノンGF-C081を用いた。
そして、本実施例の制御によっても、図9を参照して実施例1で説明したのと同様の効果がえられる。ただし、本実施例では、ジョブ中にエンボス紙が選択されるとそのジョブが終了するまで、侵入量Hが3.0~3.8mm、周速差が+0.05~+0.15%で画像の出力が継続される(S4、S5、S6)。そのため、実施例1よりは押圧部材28の侵入量Hを大きくしている時間が長くなる場合がある。その結果、押圧部材28の先端のクリープ変形が促進される場合がある。しかし、本実施例においても、侵入量Hを大きくするのは、エンボス紙のように使用頻度が相対的に低い記録材7が選択された場合のみである。そのため、大方のジョブではS3、S8、S9、S10のループになり、本実施例でも押圧部材28の先端のクリープ変形は抑制できる。
つまり、実施例1では、図7に示すように、普通紙とエンボス紙とが混載されたジョブ中、1枚ごとに常に記録材7の種類を識別して、侵入量Hと周速差を設定する(S3→・・・S6→S3→・・・)。これに対し、本実施例では、図8に示すように、ジョブ中にエンボス紙が選択され、エンボス紙用の侵入量Hと周速差に設定した後(S3、S4、S5)、該ジョブの残りの記録材7の種類の識別をしない。そして、ジョブが終了と判断され、侵入量をHP位置にするまで(S7)、そのままの侵入量Hと周速差で該ジョブの残りの画像の出力を継続する。ジョブ中に1度もエンボス紙が選択されない場合は、その繰り返しになる(S3→S8→S9→S10→S3→・・・)。本実施例では、実施例1よりは押圧部材28の侵入量Hを大きくしている時間が長くなる場合があるので、押圧部材28の先端のクリープ変形が促進される場合がある。しかし、本実施例では、ジョブ中の侵入量・周速差の変更による時間のロスを削減することができる。そのため、本実施例の制御は、1つのジョブが終了するまでの生産性を優先させる場合に使用することが有効である。また、エンボス紙のように使用頻度が相対的に低い記録材Sの場合にのみ侵入量Hが大きくされるので、大方のジョブではS3、S8、S9、S10のループになり、本実施例でも押圧部材28の先端のクリープ変形は抑制される。なお、実施例1の制御と、本実施例の制御とを、それぞれ例えば画質優先モード、生産性優先モードとして、操作部70や外部装置から操作者が任意に選択して設定できるようにしてもよい。
このように、本実施例では、制御部50は、トナー像が転写される記録材7の種類に基づいて、該記録材7にトナー像を転写する際の移動機構62による押圧部材28の位置を設定し、複数の記録材7にトナー像を転写する連続画像形成中に、トナー像が転写される記録材7の種類に基づいて押圧部材28の位置の設定を、第1位置から、第1位置よりも押圧部材28の第1ベルト6に対する押圧量が大きい第2位置に変更した場合、その後該連続画像形成において記録材7にトナー像を転写する際の押圧部材28の位置の設定は、該記録材7の種類によらず第2位置に維持するように制御する。
以上説明したように、本実施例によれば、ジョブ中の侵入量・周速差の変更による時間のロスを削減して生産性を確保しつつ、実施例1と同様の効果を得ることができる。上述のように、本実施例によっても、押圧部材28の先端のクリープ変形の進行を相応に抑制しながら、押圧部材28をより押し込んだときのショック画像乱れを軽減することが可能である。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、記録材に関する情報は、操作部や外部装置から入力されるジョブの情報から取得したが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。例えば、画像形成装置内に記録材の厚さや表面性を検知する検知手段を設け、この検知手段により検知された記録材の厚さや表面性の情報に基づく制御を行うことも可能である。例えば、超音波や光学センサを用いた公知のメディアセンサを用いることができる。なお、記録材の表面性に関する指標値は、ベック平滑度などの所定の規格に従う値に換算された値に限定されるものではなく、記録材の表面の平滑性や表面粗さと相関性を有する値であればよい。
また、上述の実施例のように、操作部や外部装置から記録材に関する情報を入力する場合、操作部から直接的に記録材に関する情報を入力(複数の選択肢から選択することを含む。)することに限定されるものではない。例えば、複数の記録材カセットから所定の記録材カセットが選択されることで、予め該記録材カセットに関係付けられて記憶部に記憶されている該記録材カセットに収容された記録材に関する情報が取得されてもよい。
また、上述のように、記録材に関する情報などのジョブの情報は、画像形成装置の操作部から入力されることに限定されるものではなく、画像形成装置に通信可能に接続された外部装置から入力されてよい。この場合、前述の入出力部などが、制御部に情報を入力する入力部として機能する。
また、上述の実施例では、押圧部材は、可撓性を有する平面状のシート材で構成されるものとして説明したが、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。押圧部材は、例えば、2次転写部の上流の中間転写ベルトと接触する接触部材と、バネなどの弾性部材と、を有し、中間転写ベルトを弾性付勢する構成であってもよい。例えば、比較的剛性の高い板金で形成された接触部材を圧縮コイルバネや引張バネなどで構成される弾性部材(付勢部材)で付勢することで中間転写ベルトを弾性付勢する構成としてもよい。この場合、移動機構は、接触部材と弾性部材とを有して構成される押圧部材を移動させる(例えば、弾性部材を移動させるなど)ように構成することができる。接触部材としては、例えば、スポンジやゴムなどの弾性体で形成されたローラ、樹脂、金属などの剛体で形成されたローラなどを用いてもよい。ただし、押圧部材を2次転写部に十分に近接して配置することが容易であることから、押圧部材は平面状のシート材で構成することが好ましい。また、押圧部材は、金属製の薄板などで構成することもできるが、中間転写ベルトの摩耗や転写電流のリークを抑制する観点などから、押圧部材は樹脂材料で構成することが好ましい。
また、上述の実施例では、普通紙などを使用する場合に侵入量(あるいは押圧量)を小さくしてベルトを押圧したが、この場合に押圧部材をベルトに単に接触させたり、ベルトから離間させたりして、侵入量を0mmとしてもよい。
また、上述の実施例では、侵入量(あるいは押圧量)及び周速差の設定を2段階で変更したが、例えばエンボス紙の凹凸の深さなどに応じて、更に多段階に変更するようにしてもよい。この場合、例えば、凹凸が深いほど、押圧量を大きくし、周速差を小さくするなどすることができる。
また、上述の実施例では、ベルト状の像担持体が中間転写ベルトである場合について説明したが、画像形成位置で担持されたトナー像を搬送する無端状のベルトで構成された像担持体であれば、本発明を適用することができる。このようなベルト状の像担持体としては、上述の実施例における中間転写ベルトの他、感光体ベルトや静電記録誘電体ベルトが例示できる。
また、本発明は、上述の実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。したがって、ベルト状の像担持体を用いる画像形成装置であれば、タンデム型/1ドラム型、帯電方式、静電像形成方式、現像方式、転写方式、定着方式の区別無く実施できる。上述の実施例では、トナー像の形成/転写に係る主要部を中心に説明したが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機など、種々の用途で実施できる。
1 感光ドラム
6 中間転写ベルト
7 記録材
8 レジストローラ対
9 2次転写外ローラ
15 2次転写ベルト
25 2次転写ベルトのテンションローラ
27 2次転写ベルトの駆動ローラ
28 押圧部材(バックアップシート)

Claims (9)

  1. トナー像を担持する回転可能な無端状の第1ベルトと、
    前記第1ベルトを張架する複数の第1ベルト張架ローラであって、内ローラ、及び前記第1ベルトの回転方向に関して前記内ローラよりも上流において前記内ローラに隣接して配置された上流ローラを含む複数の第1ベルト張架ローラと、
    前記第1ベルトの外周面に当接して前記第1ベルトから記録材へトナー像を転写する転写部を形成する回転可能な無端状の第2ベルトと、
    前記第2ベルトを張架する複数の第2ベルト張架ローラであって、前記第1ベルト及び前記第2ベルトを介して前記内ローラに当接して前記転写部を形成する外ローラ、前記第2ベルトにテンションを付与するテンションローラ、及び前記第2ベルトの回転方向に関して前記外ローラよりも上流かつ前記テンションローラよりも下流に配置され前記第2ベルトに駆動力を伝達する駆動ローラを含む複数の第2ベルト張架ローラと、
    前記第1ベルトを駆動する第1駆動部と、
    前記第2ベルトを駆動する第2駆動部と、
    前記第1ベルトの回転方向に関して前記内ローラよりも上流かつ前記上流ローラよりも下流で前記第1ベルトの内周面に接触可能であり、前記第1ベルトを内周面側から外周面側に向けて押圧可能な押圧部材と、
    前記押圧部材の位置を変更して、前記押圧部材の前記第1ベルトに対する押圧量を変更可能な移動機構と、
    記録材にトナー像を転写する際に、前記第1ベルトの周速度よりも前記第2ベルトの周速度の方が速くなるように前記第1駆動部又は前記第2駆動部の少なくとも一方を制御すると共に、記録材にトナー像を転写する際の前記移動機構による前記押圧部材の位置の設定に基づいて、記録材にトナー像を転写する際の前記第1ベルトの周速度と前記第2ベルトの周速度との間の周速差を変更するように、前記第1駆動部又は前記第2駆動部の少なくとも一方を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、記録材にトナー像を転写する際の前記押圧部材の位置の設定が、第1位置である場合よりも、前記第1位置よりも前記押圧量が大きい第2位置である場合の方が、前記周速差が小さくなるように、前記第1駆動部又は前記第2駆動部の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1駆動部、前記第2駆動部は、記録材にトナー像を転写する際に前記第1ベルトの周速度と前記第2ベルトの周速度との大小が逆転することがないように、それぞれ前記第1ベルト、前記第2ベルトを駆動することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 記録材を挟持して前記転写部へと搬送する搬送部材と、
    前記搬送部材が記録材を挟持可能な第1状態と記録材を挟持不可能な第2状態とに切り替える切り替え部と、
    を有し、
    前記切り替え部は、記録材が前記転写部を通過する際に前記搬送部材を前記第2状態とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記内ローラの回転軸線と略直交する断面において、前記第1ベルトと接する側の前記内ローラと前記上流ローラとの共通の接線を共通接線L1、前記内ローラの回転中心を通り前記共通接線L1と直交する直線を内ローラ中心線L2、前記外ローラの回転中心を通り前記共通接線L1と直交する直線を外ローラ中心線L3としたとき、前記第2ベルトの回転方向に関して前記内ローラ中心線L2よりも前記外ローラ中心線L3の方が下流側に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、画像形成の開始指示を待機している際の前記押圧部材の位置が、記録材にトナー像を転写する際の前記押圧部材の位置よりも前記押圧量が小さい位置となるように、前記移動機構を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、トナー像が転写される記録材の種類に基づいて、該記録材にトナー像を転写する際の前記移動機構による前記押圧部材の位置を設定し、第1種類の記録材にトナー像を転写する際よりも、前記第1種類よりも表面の凹凸が大きい第2種類の記録材にトナー像を転写する際の方が、前記押圧量が大きくなるように、前記押圧部材の位置を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、トナー像が転写される記録材の種類に基づいて、該記録材にトナー像を転写する際の前記移動機構による前記押圧部材の位置を設定し、複数の記録材にトナー像を転写する連続画像形成中に、トナー像が転写される記録材の種類に基づいて前記押圧部材の位置の設定を、第1位置から、前記第1位置よりも前記押圧量が大きい第2位置に変更した場合、その後該連続画像形成において記録材にトナー像を転写する際の前記押圧部材の位置の設定は、該記録材の種類によらず前記第2位置に維持するように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記駆動ローラは、前記第2ベルトの回転方向に関して、前記外ローラよりも上流において前記外ローラに隣接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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