JP2023159018A - 光検知素子及び受信装置 - Google Patents

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哲也 柴田
Tetsuya Shibata
英明 福澤
Hideaki Fukuzawa
友人 水野
Tomohito Mizuno
新 塚本
Arata Tsukamoto
雄一 笠谷
Yuichi Kasaya
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Abstract

【課題】実使用を考慮した新規な光検知素子及び受信装置を提供することを目的とする。【解決手段】この光検知素子は、磁性素子とコンデンサと抵抗とを備え、前記磁性素子と前記コンデンサとは、直列に接続され、前記抵抗は、前記磁性素子と前記コンデンサとに対して並列に接続され、前記磁性素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれたスペーサ層と、を備え、前記磁性素子には、光強度変化を有する光信号を含む光が照射される。【選択図】図2

Description

本発明は、光検知素子及び受信装置に関する。
インターネットの普及に伴い通信量は飛躍的に増大しており、光通信の重要性が非常に高まっている。光通信は、電気信号を光信号に変換し、光信号を用いて送受信を行う通信手段である。
例えば、特許文献1には、フォトダイオードを用いて、光信号を受信する受信装置が記載されている。フォトダイオードは、例えば、半導体のpn接合を用いたpn接合ダイオード等である。
特開2001-292107号公報
半導体のpn接合を用いた光検知素子は広く利用されているが、更なる発展のために新たなブレイクスルーが求められている。また新規な光検知素子の実使用を考慮した構成の検討が求められている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、実使用を考慮した新規な光検知素子及び受信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる光検知素子は、磁性素子とコンデンサと抵抗とを備え、前記磁性素子と前記コンデンサとは、直列に接続され、前記抵抗は、前記磁性素子と前記コンデンサとに対して並列に接続され、前記磁性素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれたスペーサ層と、を備え、前記磁性素子には、光強度変化を有する光信号を含む光が照射される。
(2)上記態様にかかる光検知素子は、第1電極層と第1誘電体とをさらに備え、前記磁性素子は、前記磁性素子の積層方向で対向する第1面と第2面とを有し、前記第1電極層は、前記第1面と電気的に接続され、前記第1電極層には、前記第1誘電体が充填されたスリットがあり、前記第1誘電体と前記第1電極層とは、前記コンデンサの少なくとも一部を構成していてもよい。
(3)上記態様にかかる光検知素子は、第1接続ビアと第2電極層とをさらに備え、前記抵抗は、前記第1電極層から分岐して前記第1電極層と接続部において接続され、前記抵抗は、前記第1電極層の前記接続部と前記第1接続ビアとの間にあり、前記スリットは、前記磁性素子と前記接続部との間にあり、前記第2電極層は、前記第2面及び前記第1接続ビアと電気的に接続され、前記第1接続ビアと前記抵抗とを介して前記第1電極層と電気的に接続されていてもよい。
(4)上記態様にかかる光検知素子において、前記磁性素子には、前記第1面側から前記光が照射されてもよい。
(5)上記態様にかかる光検知素子は、第3電極層と第2誘電体とをさらに備え、前記磁性素子は、前記磁性素子の積層方向で対向する第1面と第2面とを有し、前記磁性素子の積層方向において、前記第2誘電体の位置は、前記第3電極層と前記第2面との間にあり、前記第2誘電体と前記第3電極層とは、前記コンデンサの少なくとも一部を構成してもよい。
(6)上記態様にかかる光検知素子は、第2接続ビアと第4電極層とをさらに備え、前記抵抗は、前記第3電極層から分岐して前記第3電極層と接続部において接続され、前記抵抗は、前記接続部と前記第2接続ビアとの間にあり、前記第4電極層は、前記第1面及び前記第2接続ビアと電気的に接続され、前記第2接続ビアと前記抵抗とを介して前記第3電極層と電気的に接続されていてもよい。
(7)上記態様にかかる光検知素子において、前記磁性素子には、前記第1面側から前記光が照射されてもよい。
(8)第2の態様にかかる光検知素子は、磁性素子と抵抗とインダクタとを備え、前記磁性素子と前記抵抗とは、直列に接続され、前記インダクタは、前記磁性素子と前記抵抗とに対して並列に接続され、前記磁性素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれたスペーサ層と、を備え、前記磁性素子には、光強度変化を有する光信号を含む光が照射される。
(9)第3の態様にかかる受信装置は、磁性素子と回路とを備え、前記磁性素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれたスペーサ層と、を備え、前記磁性素子には、光強度変化を有する光信号を含む光が照射され、前記回路は、前記磁性素子に接続され、前記光信号により前記磁性素子から出力される出力電圧の時間当たりの変化量に対応した大きさの電圧を出力し、前記光信号を前記回路から出力される電圧に基づいて受信する。
(10)上記態様にかかる受信装置において、前記回路は、前記磁性素子と直列に接続されたコンデンサと、前記磁性素子と前記コンデンサとに対して並列に接続された抵抗と、を備えてもよい。
(11)上記態様にかかる受信装置において、前記回路は、前記磁性素子と直列に接続された抵抗と、前記磁性素子と前記抵抗とに対して並列に接続されたインダクタと、を備えてもよい。
上記態様にかかる光検知素子及び受信装置は、新規な原理で光の強度変化を検知でき、実使用も考慮された構成を有する。
第1実施形態に係る受信装置のブロック図である。 第1実施形態に係る光検知素子の回路図である。 第1実施形態に係る光検知素子の特徴部分の平面図である。 第1実施形態に係る光検知素子の特徴部分の断面図である。 第1実施形態に係る光検知素子の特徴部分の断面図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第1動作例の第1メカニズムを説明するための図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第1動作例の第2メカニズムを説明するための図である。 CR回路に入力された入力電圧とCR回路からの出力電圧の時間変化を示すグラフである。 第1実施形態に係る回路への入力電圧の時間変化と、第1実施形態に係る光検知素子からの出力電圧の時間変化との関係を示す。 第1実施形態に係る磁性素子の第2動作例を説明するための図である。 第1実施形態に係る絶対値回路の一例である。 第2実施形態に係る光検知素子の特徴部分の平面図である。 第2実施形態に係る光検知素子の特徴部分の断面図である。 第2実施形態に係る光検知素子の特徴部分の断面図である。 変形例に係る光検知素子の回路図である。 第3実施形態に係る光検知素子の回路図である。 第3実施形態に係る光検知素子の特徴部分の平面図である。 第3実施形態に係る光検知素子の特徴部分の断面図である。 第3実施形態に係る光検知素子の特徴部分の断面図である。 RL回路に入力された入力電圧とRL回路からの出力電圧の時間変化を示すグラフである。 第1適用例に係る通信システムの概念図である。 第1適用例に係る送受信装置のブロック図である。 通信システムの別の例の概念図である。 通信システムの別の例の概念図である。
以下、実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
方向について定義する。磁性素子10の積層方向をz方向とし、z方向と直交する面内の一方向をx方向、x方向及びz方向と直交する方向をy方向とする。z方向は、積層方向の一例である。以下、+z方向を「上」、-z方向を「下」と表現する場合がある。+z方向は、第2強磁性層2から第1強磁性層1へ向かう方向である。上下は、必ずしも重力が加わる方向とは一致しない。
「第1実施形態」
図1は、第1実施形態にかかる受信装置200のブロック図である。受信装置200は、光検知素子100と信号処理部110とを備える。
光検知素子100は、光強度変化を有する光信号を含む光を電気信号に変換する。本明細書における光とは、可視光線に限らず、可視光線よりも波長の長い赤外線や、可視光線よりも波長の短い紫外線も含む。可視光線の波長は例えば、380nm以上800nm未満である。赤外線の波長は例えば、800nm以上1mm以下である。紫外線の波長は例えば、200nm以上380nm未満である。
信号処理部110は、光検知素子100から受信した電気信号を処理する。信号処理部110は、例えば、信号受信部とプロセッサーとを有する。信号受信部は、信号処理部110の入力端子である。信号受信部は、入力端子に入力された信号を増幅する増幅器を備えてもよい。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。信号処理部110は、処理したデータを保存するメモリを有してもよい。信号処理部110で処理されたデータは、外部に出力される。
図2は、第1実施形態に係る光検知素子100の回路図である。光検知素子100は、例えば、磁性素子10と回路20と第1端子p1と第2端子p2とを備える。光検知素子100は、光強度変化を有する光信号を含む光Lが磁性素子10に照射されると、電気信号を出力する。光Lは、光強度変化を有する光信号を含む。光Lは強度変化を有する。
第1端子p1は、磁性素子10との接続端子である。第1端子p1には、電源80が接続される。電源80は、公知の物を用いることができる。電源80は、例えば、一定の直流電流を発生可能な直流電流源でもよい。電源80は、発生する直流電流値の大きさが変化可能な直流電流源でもよい。電源80は、磁性素子10へセンス電流Isを印加する。また電源80と磁性素子10との間には、インダクタ81を設けてもよい。インダクタ81には、チップインダクタ、パターン線路によるインダクタ、インダクタ成分を有する抵抗素子等を用いることができる。磁性素子10に外部から電流を流す必要が無い場合は、第1端子p1および電源80は無くてもよい。
第2端子p2は、光検知素子100の出力端子である。光検知素子100は、第2端子p2から電気信号を出力する。第2端子p2は、回路20と信号処理部110とを接続する。光検知素子100で検知された光信号は、電気信号に変換されて、第2端子p2から信号処理部110に送られる。
磁性素子10は、後述する下部電極E2側が基準電位に接続されている。回路20は、後述する抵抗Rが基準電位に接続されている。図2における基準電位は、グラウンドである。グラウンドは光検知素子100の外部に設けてもよい。基準電位は、グラウンド以外でもよい。
回路20は、光信号を含む光Lの照射により磁性素子10から出力される出力電圧の時間あたりの変化量に対応した大きさの電圧を出力する回路である。回路20に入力される入力電圧は、光信号を含む光Lの照射により磁性素子10から出力される出力電圧に対応する。磁性素子10から出力される出力電圧の時間あたりの変化量に対応した大きさの電圧は、例えば、時間を横軸、磁性素子10から出力される出力電圧を縦軸としたグラフの傾きに対応する。回路20は、例えば、回路20に入力された入力電圧を時間微分した値に対応した電圧を出力する微分回路である。
回路20は、例えば、図2に示すようにコンデンサCと抵抗Rとを含むCR回路である。CR回路は、コンデンサCの容量と抵抗Rの抵抗値とを調整することで、微分回路とほぼ同様に、CR回路に入力される入力電圧の時間あたりの変化量に対応した大きさの電圧を出力する。コンデンサCは、基準電位と第2端子p2との間で、磁性素子10と直列に接続されている。抵抗Rは、基準電位と第2端子p2との間で、直列に接続された磁性素子10とコンデンサCとに対して並列に接続されている。磁性素子10、コンデンサC及び抵抗Rを含む経路で見ると、磁性素子10、コンデンサC及び抵抗Rは、この順で直列に接続されている。
図3は、第1実施形態に係る光検知素子100の特徴部分の平面図である。図3では、後述する絶縁層90、下部電極E2等の一部の構成を省略している。図4及び図5は、第1実施形態に係る光検知素子100の特徴部分の断面図である。図4は、図3のA-A線に沿って切断した断面図である。図5は、図3のB-B線に沿って切断した断面図である。
光検知素子100は、例えば、磁性素子10と上部電極E1と下部電極E2と第1電極層21と第1誘電体22と抵抗23と接続電極24と第1接続ビア25と第2電極層26と絶縁層90とを備える。
磁性素子10は、照射される光Lの強度が変化すると、光Lの強度の変化に応じてz方向の抵抗値が変化する。磁性素子10のz方向の抵抗値が変化すると、磁性素子10からの出力電圧が変化する。そのため、磁性素子10に照射される光Lの強度が変化すると、光Lの強度の変化に応じて磁性素子10からの出力電圧が変化する。磁性素子10は、例えば、第1強磁性層1と第2強磁性層2とスペーサ層3とを有する。スペーサ層3は、第1強磁性層1と第2強磁性層2との間に位置する。磁性素子10は、これらの他に他の層を有してもよい。磁性素子10は、z方向で対向する第1面10Aと第2面10Bとを有している。スペーサ層3から見て、第1面10Aは、磁性素子10の第1強磁性層1側の面であり、第2面10Bは、磁性素子10の第2強磁性層2側の面である。
磁性素子10は、例えば、スペーサ層3が絶縁材料で構成されたMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子である。磁性素子10は、外部からの光Lが照射されると抵抗値が変化する。磁性素子10は、第1強磁性層1の磁化の状態と第2強磁性層2の磁化の状態との相対的な変化に応じて、z方向の抵抗値(z方向に電流を流した場合の抵抗値)が変化する。このような素子は磁気抵抗効果素子とも呼ばれる。
第1強磁性層1は、外部から光が照射されると磁化の状態が変化する光検知層である。第1強磁性層1は、磁化自由層とも呼ばれる。磁化自由層は、所定の外部からのエネルギーが印加された際に磁化の状態が変化する磁性体を含む層である。所定の外部からのエネルギーは、例えば、外部から照射される光、磁性素子10の積層方向に流れる電流、外部磁場である。第1強磁性層1の磁化は、照射される光の強度に応じて状態が変化する。
第1強磁性層1は、強磁性体を含む。第1強磁性層1は、例えば、Co、FeまたはNi等の磁性元素のいずれかを少なくとも含む。第1強磁性層1は、上述のような磁性元素と共に、B、Mg、Hf、Gd等の非磁性元素を含んでもよい。第1強磁性層1は、例えば、磁性元素と非磁性元素とを含む合金でもよい。第1強磁性層1は、複数の層から構成されていてもよい。第1強磁性層1は、例えば、CoFeB合金、CoFeB合金層をFe層で挟んだ積層体、CoFeB合金層をCoFe層で挟んだ積層体である。一般的に、「強磁性」は「フェリ磁性」を含む。第1強磁性層1は、フェリ磁性を示してもよい。一方、第1強磁性層1は、フェリ磁性ではない強磁性を示してもよい。例えば、CoFeB合金は、フェリ磁性ではない強磁性を示す。
第1強磁性層1は、膜面内方向(xy面内のいずれかの方向)に磁化容易軸を有する面内磁化膜でも、膜面直方向(z方向)に磁化容易軸を有する垂直磁化膜でもよい。
第1強磁性層1の膜厚は、例えば、1nm以上5nm以下である。第1強磁性層1の膜厚は、例えば、1nm以上2nm以下であることが好ましい。第1強磁性層1が垂直磁化膜の場合、第1強磁性層1の膜厚が薄いと、第1強磁性層1の上下にある層からの垂直磁気異方性印加効果が強まり、第1強磁性層1の垂直磁気異方性が高まる。つまり、第1強磁性層1の垂直磁気異方性が高いと、磁化M1がz方向に戻ろうとする力が強まる。一方、第1強磁性層1の膜厚が厚いと、第1強磁性層1の上下にある層からの垂直磁気異方性印加効果が相対的に弱まり、第1強磁性層1の垂直磁気異方性が弱まる。
第1強磁性層1の膜厚が薄くなると強磁性体としての体積は小さくなり、厚くなると強磁性体としての体積は大きくなる。外部からのエネルギーが加わったときの第1強磁性層1の磁化の反応しやすさは、第1強磁性層1の磁気異方性(Ku)と体積(V)との積(KuV)に反比例する。つまり、第1強磁性層1の磁気異方性と体積との積が小さくなると、光に対する反応性が高まる。このような観点から、光に対する反応を高めるためには、第1強磁性層1の磁気異方性を適切に設計したうえで第1強磁性層1の体積を小さくすることが好ましい。
第1強磁性層1の膜厚が2nmより厚い場合は、例えばMo,Wからなる挿入層を第1強磁性層1内に設けてもよい。すなわち、z方向に強磁性層、挿入層、強磁性層が順に積層された積層体を第1強磁性層1としてもよい。挿入層と強磁性層との界面における界面磁気異方性により第1強磁性層1全体の垂直磁気異方性が高まる。挿入層の膜厚は、例えば、0.1nm~0.6nmである。
第2強磁性層2は、磁化固定層である。磁化固定層は、所定の外部からのエネルギーが印加された際に磁化の状態が磁化自由層よりも変化しにくい磁性体からなる層である。例えば、磁化固定層は、所定の外部からのエネルギーが印加された際に磁化の向きが磁化自由層よりも変化しにくい。また、例えば、磁化固定層は、所定の外部からのエネルギーが印加された際に磁化の大きさが磁化自由層よりも変化しにくい。第2強磁性層2の保磁力は、例えば、第1強磁性層1の保磁力よりも大きい。第2強磁性層2は、例えば第1強磁性層1と同じ方向に磁化容易軸を有する。第2強磁性層2は、面内磁化膜でも、垂直磁化膜でもよい。第2強磁性層12の膜厚は、例えば、1nm以上5nm以下である。
第2強磁性層2を構成する材料は、例えば、第1強磁性層1と同様である。第2強磁性層2は、例えば、0.4nm~1.0nmの厚みのCoと0.4nm~1.0nmの厚みのPtとが交互に数回積層された多層膜でもよい。第2強磁性層2は、例えば、0.4nm~1.0nmの厚みのCo、0.1nm~0.5nmの厚みのMo、0.3nm~1.0nmの厚みのCoFeB合金、0.3nm~1.0nmの厚みのFeが順に積層された積層体でもよい。
第2強磁性層2の磁化は、例えば、磁気結合層を介した第3強磁性層との磁気結合によって固定してもよい。この場合、第2強磁性層2、磁気結合層及び第3強磁性層を合わせたものを磁化固定層と称する場合もある。
第3強磁性層は、例えば、第2強磁性層2と磁気結合する。磁気結合は、例えば、反強磁性的な結合であり、RKKY相互作用により生じる。第3強磁性層を構成する材料は、例えば、第1強磁性層1と同様である。磁気結合層は、例えば、Ru、Ir等である。
スペーサ層3は、第1強磁性層1と第2強磁性層2との間に配置される層である。スペーサ層3は、導電体、絶縁体もしくは半導体によって構成される層、又は、絶縁体中に導体によって構成される通電点を含む層で構成される。スペーサ層3の膜厚は、後述する初期状態における第1強磁性層1の磁化と第2強磁性層2の磁化の配向方向に応じて調整できる。
例えば、スペーサ層3が絶縁体からなる場合は、磁性素子10は、第1強磁性層1とスペーサ層3と第2強磁性層2とからなる磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有する。このような素子はMTJ素子と呼ばれる。この場合、磁性素子10はトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magnetoresistance)効果を発現することができる。スペーサ層3が金属からなる場合は、磁性素子10は、巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)効果を発現することができる。このような素子はGMR素子と呼ばれる。磁性素子10は、スペーサ層3の構成材料によって、MTJ素子、GMR素子などと呼び名が異なることがあるが、総称して磁気抵抗効果素子とも呼ばれる。
スペーサ層3が絶縁材料で構成される場合、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン又は酸化ケイ素等を含む材料をスペーサ層3の材料として用いることができる。また、これら絶縁材料に、Al、B、Si、Mgなどの元素や、Co、Fe、Niなどの磁性元素を含んでもよい。第1強磁性層1と第2強磁性層2との間に高いTMR効果が発現するようにスペーサ層3の膜厚を調整することで、高い磁気抵抗変化率が得られる。TMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層3の膜厚は、0.5~5.0nm程度としてもよく、1.0~2.5nm程度としてもよい。
スペーサ層3を非磁性導電材料で構成する場合、Cu、Ag、Au又はRu等の導電材料を用いることができる。GMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層3の膜厚は、0.5~5.0nm程度としてもよく、2.0~3.0nm程度としてもよい。
スペーサ層3を非磁性半導体材料で構成する場合、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化ゲルマニウム、酸化ガリウム又はITO等の材料を用いることができる。この場合、スペーサ層3の膜厚は1.0~4.0nm程度としてもよい。
スペーサ層3として非磁性絶縁体中の導体によって構成される通電点を含む層を適用する場合、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムによって構成される非磁性絶縁体中に、Cu、Au、Alなどの非磁性の導体によって構成される通電点を含む構造としてもよい。また、Co、Fe、Niなどの磁性元素によって導体を構成してもよい。この場合、スペーサ層3の膜厚は、1.0~2.5nm程度としてもよい。通電点は、例えば、膜面に垂直な方向からみたときの直径が1nm以上5nm以下の柱状体である。
磁性素子10は、この他、下地層、キャップ層、垂直磁化誘起層等を有してもよい。下地層は、第2強磁性層2と下部電極E2との間にある。下地層は、シード層又はバッファ層である。
バッファ層は、異なる結晶間の格子不整合を緩和する層である。バッファ層は、例えば、Ta、Ti、Zr及びCrからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む金属又は、Ta、Ti、Zr及びCuからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む窒化物である。より具体的には、バッファ層は、例えば、Ta(単体)、NiCr合金、TaN(窒化タンタル)、CuN(窒化銅)である。バッファ層の膜厚は、例えば、1nm以上5nm以下である。バッファ層は、例えば、非晶質である。バッファ層は、例えば、シード層と下部電極E2との間に位置し、下部電極E2に接する。バッファ層は、下部電極E2の結晶構造が第2強磁性層2の結晶構造に影響を及ぼすことを抑制する。
シード層は、シード層上に積層される層の結晶性を高める。シード層は、例えば、バッファ層上にある。シード層は、例えば、Pt、Ru、Hf、Zr、NiFeCrである。シード層の膜厚は、例えば1nm以上5nm以下である。
キャップ層は、第1強磁性層1と上部電極E1との間にある。キャップ層は、プロセス過程で下層へのダメージを防ぐと共に、アニール時に下層の結晶性を高める。キャップ層の膜厚は、第1強磁性層1に十分な光が照射されるように、例えば3nm以下である。キャップ層は、例えば、MgO、W、Mo、Ru、Ta、Cu、Crまたはこれらの積層膜などである。
垂直磁化誘起層は、第1強磁性層1が垂直磁化膜の場合に形成される。垂直磁化誘起層は、第1強磁性層1上に積層される。垂直磁化誘起層は、第1強磁性層1の垂直磁気異方性を誘起する。垂直磁化誘起層は、例えば酸化マグネシウム、W、Ta、Mo等である。垂直磁化誘起層が酸化マグネシウムの場合は、導電性を高めるために、酸化マグネシウムが酸素欠損していることが好ましい。垂直磁化誘起層の膜厚は、例えば、0.5nm以上2.0nm以下である。
磁性素子10には、第1面10A側から光Lが照射される。上部電極E1は、例えば、磁性素子10の第1面10A側に配置される。光Lは、上部電極E1側から磁性素子10に照射され、少なくとも第1強磁性層1に照射される。例えば、上部電極E1は、磁性素子10の第1面10Aに接する。上部電極E1は、第1電極層21と接する。上部電極E1と第1電極層21とは一体化していてもよい。上部電極E1は、第1端子p1を介して電源80と接続される。
上部電極E1は、導電性を有する材料からなる。上部電極E1は、例えば、使用波長帯域の光に対して透過性を有する透明電極である。上部電極E1は、例えば、使用波長帯域の光の80%以上を透過することが好ましい。上部電極E1は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)等の酸化物である。上部電極E1は、これらの酸化物の透明電極材料の中に複数の柱状金属を有する構成としてもよい。上部電極E1として上記のような透明電極材料を用いることは必須ではなく、Au、CuまたはAlなどの金属材料を薄い膜厚で用いることで、照射される光を第1強磁性層1に到達させるようにしてもよい。上部電極E1の材料として金属を用いる場合、上部電極E1の膜厚は、例えば、3~10nmである。また上部電極E1は、光が照射される照射面に反射防止膜を有してもよい。
下部電極E2は、磁性素子10を挟んで上部電極E1と反対側にある。例えば、下部電極E2は、磁性素子10の第2面10Bに接する。下部電極E2は、第2電極層26と接する。図4に示すように、下部電極E2は、第2電極層26の一部でもよい。
下部電極E2は、導電性を有する材料からなる。下部電極E2は、例えば、Cu、AlまたはAuなどの金属により構成される。これらの金属の上下にTaやTiを積層してもよい。また、CuとTaの積層膜、TaとCuとTiの積層膜、TaとCuとTaNの積層膜を用いてもよい。また、下部電極E2として、TiNやTaNを用いてもよい。下部電極E2の膜厚は、例えば200nm~800nmである。
下部電極E2は、磁性素子10に照射される光に対して透過性を有するようにしてもよい。下部電極E2の材料として、上部電極E1と同様に、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)等の酸化物の透明電極材料を用いてもよい。上部電極E1のほうから光が照射される場合においても、光の強度によっては光が下部電極E2まで到達する場合もありうるが、この場合、下部電極E2が酸化物の透明電極材料を含んで構成されていることで、下部電極E2が金属で構成されている場合に比べて、下部電極E2とそれに接する層との界面における光の反射を抑制できる。
第1電極層21は、磁性素子10の第1面10Aと電気的に接続されている。例えば図4に示すように、第1電極層21は、上部電極E1を介して第1面10Aと電気的に接続されている。例えば図4、5に示すように、第1電極層21は、z方向における位置が、磁性素子10よりも第1面10A側(+z方向側)になるように配置されている。第1電極層21は、導電性を有する材料からなる。第1電極層21は、例えば、Cu、AlまたはAuなどの金属により構成される。また、第1電極層21は、回路20の出力電圧を出力する電極であり、第2端子p2を介して信号処理部110と接続される。
第1電極層21は、スリットSLを有する。z方向からの平面視において、スリットSLの長手方向は、磁性素子10と第2端子p2とを繋ぐ線分と交差する方向になっている。スリットSLの内部は、第1誘電体22で充填されている。第1誘電体22は、例えば、Si、Al、Mgの酸化物、窒化物、酸窒化物である。第1誘電体22は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、窒化クロム(CrN)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)等である。
第1誘電体22と第1電極層21とは、図2で示すコンデンサCの少なくとも一部を構成する。スリットSLを挟む第1電極層21はコンデンサCの極板に対応し、第1誘電体22は極板間の誘電体に対応する。例えば、第1誘電体22の材料として比誘電率が3.8の酸化シリコンを用い、第1電極層21のz方向の厚さを0.8μm、y方向の幅を5μm、スリットSLのx方向の幅を0.1μmとすると、コンデンサCの容量値を0.001pFとすることができる。
第1電極層21は、例えば、磁性素子10(上部電極1E)と第2端子p2との間に接続部21Aを有する。接続部21Aは、第1電極層21に抵抗23が接続される部分である。接続部21Aは、例えば、z方向からの平面視において、磁性素子10と第2端子p2とを繋ぐ線分と交差する方向に突出して設けられている。スリットSLは、例えば、磁性素子10と接続部21Aとの間にある。
抵抗23は、図2の抵抗Rを構成する。抵抗23は、第1電極層21から分岐して第1電極層21と接続部21Aにおいて接続されている。抵抗23は、第1電極層21の接続部21Aと第1接続ビア25との間にある。抵抗23は、例えば、接続部21Aと接続電極24とを接続し、第1電極層21及び第1接続ビア25とに電気的に接続されている。抵抗23は、求められる抵抗値に合わせて材料、断面積等を設計できる。抵抗23には、例えば、NiCr合金、Ta、Ti、TaN、TaN、TiN、ZrN、SnO、CrSiO、RuOなどの金属、金属窒化物または金属酸化物を材料として用いることができる。例えば、抵抗23の材料として体積抵抗率が1μΩmのNiCr合金を用い、抵抗23のz方向の厚さを0.01μm、x方向の幅を1μm、y方向の長さを10μmとすると、抵抗23の抵抗値を1000Ωとすることができる。
接続電極24は、抵抗23と第1接続ビア25とを繋ぐ。接続電極24は無くてもよく、抵抗23が第1接続ビア25と直接接続されていてもよい。接続電極24には、第1電極層21で例示した材料と同様の材料を用いることができる。
第1接続ビア25は、絶縁層90をz方向に貫通する。第1接続ビア25は、抵抗23と第2電極層26とを電気的に接続する。第1接続ビア25は、例えば、接続電極24と第2電極層26とを接続する。第1接続ビア25には、第1電極層21で例示した材料と同様の材料を用いることができる。
第2電極層26は、磁性素子10の第2面10B及び第1接続ビア25と電気的に接続されている。例えば図4、5に示すように、第2電極層26は、z方向における位置が、磁性素子10よりも第2面10B側(-z方向側)になるように配置されている。第2電極層26は、第1接続ビア25と抵抗23とを介して第1電極層21と電気的に接続されている。第2電極層26は、基準電位に接続されており、例えば接地されている。第2電極層26は、例えば、xy面に沿って広がる形状を有している。第2電極層26には、第1電極層21で例示した材料と同様の材料を用いることができる。
絶縁層90は、多層配線の配線間や素子間を絶縁する絶縁体である。絶縁層90は、磁性素子10の周囲を覆う。絶縁層90は、例えば、Si、Al、Mgの酸化物、窒化物、酸窒化物である。絶縁層90は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、窒化クロム(CrN)、炭窒化シリコン(SiCN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)等である。
次いで、第1実施形態に係る光検知素子100の動作について説明する。磁性素子10の第1強磁性層1には、光強度変化を有する光信号を含む光Lが照射される。光Lが含む光信号は、少なくとも2段階の強度を有する。磁性素子10の積層方向の第1強磁性層1側にレンズを配置して、レンズを介して第1強磁性層1に集光した光が照射されるようにしてもよい。
磁性素子10のz方向の抵抗値は、光信号を含む光Lの第1強磁性層1への照射により変化する。第1強磁性層1に照射される光の強度が、第1強度と第2強度の2段階である場合を例に説明する。第2強度は、第1強度より大きいものとする。第1強度は、第1強磁性層1に照射される光の強度がゼロの場合でもよい。
図6及び図7は、磁性素子10の第1動作例を説明するための図である。図6は、第1動作例の第1メカニズムを説明するための図であり、図7は、第1動作例の第2メカニズムを説明するための図である。図6及び図7の上のグラフは、縦軸が第1強磁性層1に照射される光の強度であり、横軸が時間である。図6及び図7の下のグラフは、縦軸が磁性素子10のz方向の抵抗値であり、横軸が時間である。
まず第1強磁性層1に第1強度の光が充分な時間継続的に照射された状態(以下、初期状態と称する)において、第1強磁性層1の磁化M1と第2強磁性層2の磁化M2とは平行の関係にあり、磁性素子10のz方向の抵抗値は第1抵抗値R1を示し、磁性素子10からの出力電圧の大きさは第1の値を示す。磁性素子10のz方向の抵抗値は、磁性素子10のz方向にセンス電流Isを流すことで、磁性素子10のz方向の両端に電圧が発生し、その電圧値からオームの法則を用いて求められる。磁性素子10からの出力電圧は、上部電極E1と下部電極E2との間に発生する。
図6に示す例の場合、センス電流Isを第1強磁性層1から第2強磁性層2に向かって流す。この方向にセンス電流Isを流すことで、第1強磁性層1の磁化M1に対して、第2強磁性層2の磁化M2と同じ方向のスピントランスファートルクが作用し、初期状態において磁化M1と磁化M2とが平行になる。図6に示す例では、初期状態において磁化M1の方向と磁化M2の方向とが共に+z方向となっている。また、この方向にセンス電流Isを流すことで、第1強磁性層1の磁化M1が動作時に反転することを防止することができる。
次いで、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化する。第2強度は、第1強度より大きく、第1強磁性層1の磁化M1は初期状態から変化する。第1強磁性層1に光が照射されていない状態における第1強磁性層1の磁化M1の状態と、第1強磁性層1に第2強度の光が照射されている状態における第1強磁性層1の磁化M1の状態とは異なる。磁化M1の状態とは、例えば、z方向に対する傾き角、大きさ等である。
例えば、図6に示すように、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化すると、磁化M1はz方向に対して傾く。また例えば、図7示すように、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化すると、磁化M1の大きさが小さくなる。例えば、第1強磁性層1の磁化M1が光の照射強度によってz方向に対して傾く場合、その傾き角度は、0°より大きく90°より小さい。
第1強磁性層1の磁化M1が初期状態から変化すると、磁性素子10のz方向の抵抗値は第2抵抗値R2を示し、磁性素子10からの出力電圧の大きさは第2の値を示す。第2抵抗値R2は、第1抵抗値R1より大きく、出力電圧の第2の値は第1の値よりも大きい。第2抵抗値R2は、磁化M1と磁化M2とが平行である場合の抵抗値(第1抵抗値R1)と、磁化M1と磁化M2とが反平行である場合の抵抗値との間である。
図6に示す場合は、第1強磁性層1の磁化M1には第2強磁性層2の磁化M2と同じ方向のスピントランスファートルクが作用している。したがって、磁化M1は磁化M2と平行状態に戻ろうとし、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化すると、磁化M1は磁化M2と平行状態に戻る。図7に示す場合は、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度に戻ると、第1強磁性層1の磁化M1の大きさは初期状態の大きさに戻る。いずれの場合も磁性素子10のz方向の抵抗値は、第1抵抗値R1に戻る。つまり、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化した際に、磁性素子10のz方向の抵抗値は、第2抵抗値R2から第1抵抗値R1へ変化し、磁性素子10からの出力電圧の大きさは、第2の値から第1の値へ変化する。
磁性素子10からの出力電圧は、第1強磁性層1に照射される光の強度の変化に対応して変化し、照射される光の強度の変化を磁性素子10からの出力電圧の変化に変換することができる。すなわち、磁性素子10は、光を電気信号に置き換えることができる。
図6、7および後述する図9に示すように、第1動作例において、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化した際に、磁性素子10のz方向の抵抗値は第2抵抗値R2から第1抵抗値R1へ変化する。発明者は、磁性素子10のz方向の抵抗値が第1抵抗値R1から第2抵抗値R2へ変化し、磁性素子10からの出力電圧の大きさが第2の値から第1の値へ変化するのに要する時間が、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化するのに要する時間よりも長くなることを見出した。発明者は、第1強磁性層1への光の照射による磁化M1の状態の変化は、光の照射による電子熱の発生によるものと考えている。また発明者は、第1強磁性層1に照射される光の強度が小さくなる場合は、格子熱の熱緩和に時間を要し、磁化M1の状態の変化に時間を要すると考えている。
ここでは初期状態において磁化M1と磁化M2とが平行な場合を例に説明したが、初期状態において磁化M1と磁化M2とが反平行でもよい。この場合、磁性素子10のz方向の抵抗値は、磁化M1の状態が変化するほど(例えば、磁化M1の初期状態からの角度変化が大きくなるほど)小さくなる。初期状態において磁化M1と磁化M2とが反平行な場合は、センス電流Isは第2強磁性層2から第1強磁性層1に向かって流すことが好ましい。この方向にセンス電流Isを流すことで、第1強磁性層1の磁化M1に対して、第2強磁性層2の磁化M2と反対方向のスピントランスファートルクが作用し、初期状態において磁化M1と磁化M2とが反平行になる。
第1強磁性層1に照射された光信号を含む光Lは、磁性素子10で電気信号に置き換えられ、回路20に入力される。
図8は、CR回路に入力された入力電圧VinとCR回路からの出力電圧Voutの時間変化を示すグラフである。図8では、CR回路の抵抗Rの抵抗値を1000Ω、コンデンサCの容量値を0.001pFとし、入力電圧Vinの周波数を10GHzとした。図8に示すように、出力電圧Voutは、入力電圧Vinの時間あたりの変化量の絶対値が大きい部分に対応して絶対値の大きな値を示し、入力電圧Vinの時間あたりの変化量の絶対値が小さい部分(図8の例では、時間あたりの変化量がゼロの部分)に対応して絶対値の小さな値を示す。つまり、CR回路は、コンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値とを調整することで、微分回路とほぼ同様に、入力電圧Vinの時間あたりの変化量に対応した電圧を出力電圧Voutとして出力する。CR回路において、コンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値との積が時定数となり、この時定数の値によって入力電圧Vinの時間変化に対する出力電圧Voutの時間変化の様子が変化する。この時定数は、例えば、入力電圧Vinの周波数に応じて設定される。例えば、時定数が、入力電圧Vinの周波数の逆数である周期の半分よりも小さくなるように、コンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値とが設定される。図8の例では、時定数は、0.001[pF]×1000[Ω]=1[ps]であり、入力電圧Vinの半周期の長さである50psよりも小さくなっている。
第1実施形態に係る光検知素子100における回路20は、CR回路である。すなわち、図8に示す入力電圧Vinは、磁性素子10からの出力電圧に対応し、図8に示す出力電圧Voutは、回路20からの出力電圧(光検知素子100からの出力電圧)に対応する。
図9は、磁性素子10の第1動作例における、磁性素子10に照射される光の強度の時間変化と、回路20への入力電圧Vin(磁性素子10からの出力電圧)の時間変化と、回路20からの出力電圧の時間変化との関係を示す。図9の最も上の図は、磁性素子10に照射される光の強度の時間変化を示す。図9の上から2番目の図は、磁性素子10からの出力電圧の時間変化を示す。図9の最も下の図は、回路20からの出力電圧の時間変化を示す。
図9に示すように、回路20への入力電圧Vin(磁性素子10からの出力電圧)が大きくなる際に、回路20からの出力電圧Voutは大きな正の値を示し、回路20への入力電圧Vin(磁性素子10からの出力電圧)が小さくなる際に、回路20からの出力電圧Voutは絶対値の大きな負の値を示す。
そのため、受信装置200は、例えば、回路20からの出力電圧が閾値を超える場合に第1信号(例えば、“1”)から第2信号(例えば、“0”)に切り替わったと判断し、回路20からの出力電圧が閾値より小さい場合に第2信号(例えば、“0”)から第1信号(例えば、“1”)に切り替わったと判断し、回路20からの出力電圧が閾値の範囲内の場合に前の信号と同じ信号である(第1信号(例えば、“1”)のままである、または第2信号(例えば、“0”)のままである)と判断することができる。また、受信装置200は、回路20からの出力電圧の絶対値を求めることで、出力電圧の絶対値が閾値以上になった場合に光Lの強度が変化したと判断し、出力電圧の絶対値が閾値未満である場合に光Lの強度が変化していないと判断することもできる。
ここまで光検知素子100の動作の一例を示したが、光検知素子100の動作はこの例に限られるものではない。
図10は、第1実施形態に係る磁性素子10の第2動作例を説明するための図である。図10の最も上のグラフは、縦軸が第1強磁性層1に照射される光の強度であり、横軸が時間である。図10の上から2番目のグラフは、縦軸が磁性素子10のz方向の抵抗値であり、横軸が時間である。図10の上から3番目のグラフは、縦軸が回路20への入力電圧Vin(磁性素子10からの出力電圧)であり、横軸が時間である。図10の上から4番目のグラフは、縦軸が回路20からの出力電圧Voutであり、横軸が時間である。図10の上から5番目のグラフは、縦軸が回路20からの出力電圧の絶対値|Vout|であり、横軸が時間である。
第2動作例では、磁性素子10からの出力電圧(磁性素子10のz方向の抵抗値)が所定時間内に変化することを第1信号(例えば、“1”)とし、磁性素子10からの出力電圧(磁性素子10のz方向の抵抗値)が所定時間内に変化しないことを第2信号(例えば、“0”)として処理する。所定時間は、光信号の変調周波数によって決定される。
まず磁性素子10に照射される光信号を規定する。光信号は、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化する場合を第1信号(例えば、“1”)とし、第1強磁性層1に照射される光の強度が所定時間の間に亘って第1強度で維持される場合を第2信号(例えば、“0”)とする。第1強度から第2強度に変化した光の強度は、一定時間経過後に第1強度に戻る。
光信号は、磁性素子10の第1強磁性層1に照射される。第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化すると、第1強磁性層1の磁化M1は反転する。なお、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に戻る場合は、第1強磁性層1の磁化M1は反転しない。磁性素子10のz方向の抵抗値は、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化すると、低抵抗Rから高抵抗R又は高抵抗Rから低抵抗Rに変化する。すなわち、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化すると、第1強磁性層1の磁化M1と第2強磁性層2の磁化M2とが平行であるか、反平行であるかによらず、いずれの場合でも磁性素子10の抵抗値、すなわち磁性素子10からの出力電圧は変化する。すなわち、光信号として第1信号(例えば、“1”)の情報が入力された際に、磁性素子10からの出力電圧(磁性素子10の抵抗値)は変化する。
これに対し、磁性素子10の第1強磁性層1に光が照射されない又は照射される光の強度が小さい場合は、第1強磁性層1の磁化M1はその状態を維持する。そのため、第1強磁性層1に照射される光の強度が所定時間の間に亘って第1強度で維持される場合は、磁性素子10のz方向の抵抗値、すなわち磁性素子10からの出力電圧は変化しない。すなわち、光信号として第2信号(例えば、“0”)の情報が入力された際に、磁性素子10からの出力電圧(磁性素子10の抵抗値)は変化しない。
磁性素子10からの出力電圧は、回路20に入力される。磁性素子10からの出力電圧が大きくなる際に、光検知素子100の出力電圧Voutは大きな正の値を示し、磁性素子10の出力電圧が小さくなる際に、光検知素子100の出力電圧Voutは絶対値の大きな負の値を示す。
そのため、受信装置200は、例えば、回路20からの出力電圧Voutの絶対値|Vout|が閾値を超える場合を第1信号(例えば、“1”)と判断し、回路20からの出力電圧Voutの絶対値|Vout|が所定時間の間に亘って閾値より小さい場合を第2信号(例えば、“0”)と判断することができる。
ここで出力電圧Voutの絶対値|Vout|を求める際に、回路20と第2端子p2との間に絶対値回路70を設けてもよい。図11は、第1実施形態に係る絶対値回路の一例である。図11に示す絶対値回路70は、オペアンプA、Aと抵抗R、R、RとダイオードDとを有する。絶対値回路70の入力端子71には、回路20からの出力電圧Voutが入力され、絶対値回路70の出力端子72から、回路20からの出力電圧Voutの絶対値|Vout|が出力される。この場合、受信装置200は、例えば、回路20からの出力電圧Voutに基づく絶対値回路70からの出力電圧(光検知素子100からの出力電圧)が閾値を超える場合を第1信号(例えば、“1”)と判断し、絶対値回路70からの出力電圧(光検知素子100からの出力電圧)が所定時間の間に亘って閾値より小さい場合を第2信号(例えば、“0”)と判断することができる。
なお、第2動作例において、光検知素子に流すセンス電流の方向は、第1強磁性層1から第2強磁性層2に向かう方向でも、第2強磁性層2から第1強磁性層1に向かう方向でもよい。第2動作例においては、センス電流によるスピントランスファートルクがあまり大きくならないように、センス電流の値は小さいことが好ましい。また、初期状態において、第1強磁性層1の磁化M1と第2強磁性層2の磁化M2とが平行であるか、反平行であるかは第2動作例では問わない。
第1実施形態にかかる受信装置200は、光信号を回路20から出力される電圧に基づいて受信する。また第1実施形態にかかる光検知素子100及び受信装置200は、新規な原理で光の強度変化を検知でき、実使用も考慮された構成を有している。
磁性素子10の第1動作例においては、図9に示すように、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化した際に、磁性素子10からの出力電圧の大きさが第2の値から第1の値へ変化するのに要する時間が長いため、光信号の周波数が高い場合に、磁性素子10からの出力電圧が第1の値まで十分に戻らない場合がある。すなわち、例えば、本来、第2信号(例えば、“0”)と判断すべきところを第1信号(例えば、“1”)と誤認する場合がある。これに対し、図9に示すように、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化した際に、磁性素子10からの出力電圧の時間当たりの変化量は、光の強度が変化した直後が最も大きいため、光の強度が変化した直後に絶対値の大きな出力電圧が回路20から得られる。つまり、光信号を回路20からの出力電圧に基づいて受信する場合は、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化した際に、光の強度が変化した直後の絶対値の大きな出力電圧に基づいて光信号の強度変化を判断することができるため、磁性素子10の第1動作例において光信号の周波数が高い場合でもエラーが生じにくい。
「第2実施形態」
第2実施形態に係る受信装置は、光検知素子の構成が、第1実施形態に係る受信装置200と異なる。
図12は、第2実施形態に係る光検知素子101の特徴部分の平面図である。図12では、後述する絶縁層90、第4電極層36等の一部の構成を省略している。図13及び図14は、第2実施形態に係る光検知素子101の特徴部分の断面図である。図13は、図12のC-C線に沿って切断した断面図である。図14は、図12のD-D線に沿って切断した断面図である。
光検知素子101は、例えば、磁性素子10と上部電極E1と下部電極E2と第3電極層31と第2誘電体32と抵抗33と接続電極34と第2接続ビア35と第4電極層36と絶縁層90とを備える。光検知素子101において、光検知素子100と同様の構成には同様の符号を付し、説明を省く。
上部電極E1は、例えば、磁性素子10の第1面10Aに接する。上部電極E1は、第4電極層36と接する。上部電極E1と第4電極層36とは一体化していてもよい。上部電極E1は、例えば、その一部が、第4電極層36に形成された開口の中に埋め込まれている。
下部電極E2は、例えば、磁性素子10の第2面10Bに接する。下部電極E2は、第1端子p1を介して電源80と接続される。下部電極E2の一部は、第3電極層31の一部との間で第2誘電体32を挟んで対向する。
第3電極層31は、例えば図13、14に示すように、z方向における位置が、磁性素子10よりも第2面10B側(-z方向側)になるように配置されている。第3電極層31の一部は、下部電極E2の一部との間で第2誘電体32を挟んで対向する。第3電極層31には、第1電極層21で例示した材料と同様の材料を用いることができる。第2誘電体32には、第1誘電体22で例示した材料と同様の材料を用いることができる。第2誘電体32のz方向の位置は、第3電極層31と磁性素子10の第2面10Bとの間にある。第2誘電体32は、絶縁層90の一部でもよく、例えば、絶縁層90のうち下部電極E2及び第3電極層31とz方向に重なる部分である。第3電極層31は、回路20の出力電圧を出力する電極であり、第2端子p2を介して信号処理部110と接続される。
第2誘電体32と第3電極層31とは、図2で示すコンデンサCの少なくとも一部を構成する。第3電極層31と下部電極E2とはコンデンサCの極板に対応し、第2誘電体32は極板間の誘電体に対応する。例えば、第2誘電体32の材料として比誘電率が3.8の酸化シリコンを用い、下部電極E2と第3電極層31との間のz方向の間隔を0.1μm、下部電極E2と第3電極層31とがz方向において重なる部分のx方向の長さを0.8μm、y方向の長さ5μmとすると、コンデンサCの容量値を0.001pFとすることができる。
磁性素子10に外部から電流を流す必要が無く、第1端子p1および電源80が必要ない場合は、下部電極E2は無くてもよい。下部電極E2が無い場合、第3電極層31の一部は、磁性素子10とz方向に重なるように配置される。この場合、第2誘電体32は、z方向において磁性素子10と第3電極層31との間に挟まれるように配置され、磁性素子10の第2面10B側の層と第3電極層31とがコンデンサCの極板に対応し、第2誘電体32は極板間の誘電体に対応する。
第3電極層31は、例えば、磁性素子10(第2誘電体32)と第2端子p2との間に接続部31Aを有する。接続部31Aは、第3電極層31に抵抗33が接続される部分である。接続部31Aは、例えば、z方向からの平面視において、磁性素子10と第2端子p2とを繋ぐ線分と交差する方向に突出して設けられている。
抵抗33は、図2の抵抗Rを構成する。抵抗33は、第3電極層31から分岐して第3電極層31と接続部31Aにおいて接続されている。抵抗33は、第3電極層31の接続部31Aと第2接続ビア35との間にある。抵抗33は、例えば、接続部31Aと接続電極34とを接続し、第3電極層31及び第2接続ビア35とに電気的に接続されている。抵抗33は、求められる抵抗値に合わせて材料、断面積等を設計できる。抵抗33には、抵抗23で例示した材料と同様の材料を用いることができる。例えば、抵抗33の材料として体積抵抗率が1μΩmのNiCr合金を用い、抵抗23のz方向の厚さを0.01μm、x方向の幅を1μm、y方向の長さを10μmとすると、抵抗23の抵抗値を1000Ωとすることができる。
接続電極34は、抵抗33と第2接続ビア35とを繋ぐ。接続電極34は無くてもよく、抵抗33が第2接続ビア35と直接接続されていてもよい。接続電極34には、第1電極層21で例示した材料と同様の材料を用いることができる。
第2接続ビア35は、絶縁層90をz方向に貫通する。第2接続ビア35は、抵抗33と第4電極層36とを電気的に接続する。第2接続ビア35は、例えば、接続電極34と第4電極層36とを接続する。第2接続ビア35には、第1電極層21で例示した材料と同様の材料を用いることができる。
第4電極層36は、磁性素子10の第1面10A及び第2接続ビア35と電気的に接続されている。例えば図13、14に示すように、第4電極層36は、z方向における位置が、磁性素子10よりも第1面10A側(+z方向側)になるように配置されている。第4電極層36は、第2接続ビア35と抵抗33とを介して第3電極層31と電気的に接続されている。第4電極層36は、基準電位に接続されており、例えば接地されている。第4電極層36は、例えば、xy面に沿って広がる形状を有している。第4電極層36には、第1電極層21で例示した材料と同様の材料を用いることができる。
光検知素子101の回路図は図2に示す光検知素子100の回路図と同じであり、第2実施形態に係る受信装置は、第1実施形態に係る受信装置と同様の動作をする。また第2実施形態に係る受信装置は、第1実施形態に係る受信装置200と同様の効果を奏する。
ここまで、第1実施形態及び第2実施形態では、回路20がCR回路の場合を例示したが、回路20は、光信号により磁性素子10から出力される出力電圧の時間あたりの変化量に対応した大きさの電圧を出力する回路であれば、これに限られるものではない。
例えば、図15に示す光検知素子102のように、回路20はオペアンプを有する回路でもよい。図15に示す回路20は、オペアンプAmと抵抗RとコンデンサCとを有する。図15に示す回路20は、回路20に入力された入力電圧を時間微分した値に対応した電圧を出力する微分回路である。
「第3実施形態」
第3実施形態に係る受信装置は、光検知素子の構成が、第1実施形態に係る受信装置200と異なる。
図16は、第3実施形態に係る光検知素子103の回路図である。光検知素子103は、例えば、磁性素子10と回路40と第1端子p1と第2端子p2とを備える。光検知素子103において、光検知素子100と同様の構成には同様の符号を付し説明を省く。
回路40は、光信号を含む光Lの照射により磁性素子10から出力される出力電圧の時間あたりの変化量に対応した大きさの電圧を出力する回路である。回路40に入力される入力電圧は、光信号を含む光Lの照射により磁性素子10から出力される出力電圧に対応する。回路40は、例えば、回路40に入力された入力電圧を時間微分した値に対応した電圧を出力する微分回路である。
回路40は、例えば、図16に示すように抵抗RとインダクタL’を含むRL回路である。RL回路は、抵抗Rの抵抗値とインダクタL’のインダクタンスとを調整することで、微分回路とほぼ同様に、RL回路に入力される入力電圧の時間あたりの変化量に対応した大きさの電圧を出力する。抵抗Rは、基準電位と第2端子p2との間で、磁性素子10と直列に接続されている。インダクタL’は、基準電位と第2端子p2との間で、直列に接続された磁性素子10と抵抗Rとに対して並列に接続されている。磁性素子10、抵抗R及びインダクタL’を含む経路で見ると、磁性素子10、抵抗R及びインダクタL’は、この順で直列に接続されている。
図17は、第3実施形態に係る光検知素子103の特徴部分の平面図である。図17では、インダクタL’、後述する絶縁層90、下部電極E2等の一部の構成を省略している。図18及び図19は、第1実施形態に係る光検知素子103の特徴部分の断面図である。図18は、図17のE-E線に沿って切断した断面図である。図19は、図17のF-F線に沿って切断した断面図である。
光検知素子103は、例えば、磁性素子10と上部電極E1と下部電極E2と第1電極層41と抵抗43と第1接続電極42と第2接続電極44と第1接続ビア45と第2電極層46と絶縁層90とを備える。
磁性素子10は、第1実施形態に係る磁性素子10と同じである。上部電極E1は、例えば、磁性素子10の第1面10A側に配置され、磁性素子10の第1面10Aと第1電極層41とに接する。上部電極E1と第1電極層41とは一体化していてもよい。下部電極E2は、例えば、磁性素子10の第2面10B側に配置され、磁性素子10の第2面10Bと第2電極層46とに接する。下部電極E2は、第2電極層46の一部でもよい。
第1電極層41は、磁性素子10の第1面10Aと電気的に接続されている。例えば図18に示すように、第1電極層41は、上部電極E1を介して第1面10Aと電気的に接続されている。第1電極層41には、第1実施形態の第1電極層21の材料として例示したものと同じものを用いることができる。第1電極層41は、抵抗43に接続されている。
抵抗43は、図16の抵抗Rを構成する。抵抗43には、第1実施形態の抵抗23の材料として例示したものと同じものを用いることができる。抵抗43は、第1電極層41と第1接続電極42とを接続する。抵抗43は、求められる抵抗値に合わせて材料、断面積等を設計できる。例えば、抵抗43の材料として体積抵抗率が1μΩmのNiCr合金を用い、抵抗43のz方向の厚さを0.4μm、x方向の長さを2μm、y方向の幅を1μmとすると、抵抗43の抵抗値を5Ωとすることができる。
第1接続電極42は、抵抗43とインダクタL’とを接続する。第1接続電極42には、第1実施形態の第1電極層21の材料として例示したものと同じものを用いることができる。第1接続電極42は、パッド42Aを有する。パッド42Aには、インダクタL’が接続される。インダクタL’には、例えばチップインダクタを用いることができる。インダクタL’のインダクタンス値は、例えば、0.1mHである。
第2接続電極44は、インダクタL’と第1接続ビア45とを接続する。第2接続電極44には、第1実施形態の第1電極層21の材料として例示したものと同じものを用いることができる。第2接続電極44は、パッド44Aを有する。パッド44Aには、インダクタL’が接続される。
第1接続ビア45は、絶縁層90をz方向に貫通する。第1接続ビア45は、第2接続電極44(パッド44A)と第2電極層46とを電気的に接続する。第1接続ビア45には、第1実施形態の第1電極層21の材料として例示したものと同じものを用いることができる。
第2電極層46は、磁性素子10の第2面10B及び第1接続ビア45と電気的に接続されている。第2電極層46は、基準電位に接続されており、例えば接地されている。第2電極層46は、例えば、xy面に沿って広がる形状を有している。第2電極層46には、第1実施形態の第1電極層21の材料として例示したものと同じものを用いることができる。
次いで、第3実施形態に係る光検知素子103の動作について説明する。磁性素子10の第1強磁性層1には、光強度変化を有する光信号を含む光Lが照射される。第1強磁性層1に照射された光信号を含む光Lは、磁性素子10で電気信号に置き換えられ、回路40に入力される。
図20は、RL回路に入力された入力電圧VinとRL回路からの出力電圧Voutの時間変化を示すグラフである。図20では、RL回路の抵抗Rの抵抗値を5Ω、インダクタL’のインダクンス値を0.1mHとし、入力電圧Vinの周波数を5kHzとした。図20に示すように、出力電圧Voutは、入力電圧Vinの時間あたりの変化量の絶対値が大きい部分に対応して絶対値の大きな値を示し、入力電圧Vinの時間あたりの変化量の絶対値が小さい部分(図20の例では、時間あたりの変化量がゼロの部分)に対応して絶対値の小さな値を示す。つまり、RL回路は、インダクタL’のインダクタンス値と抵抗Rの抵抗値とを調整することで、微分回路とほぼ同様に、入力電圧Vinの時間あたりの変化量に対応した電圧を出力電圧Voutとして出力する。RL回路において、インダクタL’のインダクタンス値を抵抗Rの抵抗値で割った値が時定数となり、この時定数の値によって入力電圧Vinの時間変化に対する出力電圧Voutの時間変化の様子が変化する。この時定数は、例えば、入力電圧Vinの周波数に応じて設定される。例えば、時定数が、入力電圧Vinの周波数の逆数である周期の半分よりも小さくなるように、インダクタL’のインダクタンス値と抵抗Rの抵抗値とが設定される。図20の例では、時定数は、0.1[mH]/5[Ω]=20[μs]であり、入力電圧Vinの半周期の長さである100μsよりも小さくなっている。
第3実施形態に係る光検知素子103における回路40は、RL回路である。すなわち、図20に示す入力電圧Vinは、磁性素子10からの出力電圧に対応し、図20に示す出力電圧Voutは、回路40からの出力電圧(光検知素子103からの出力電圧)に対応する。回路40への入力電圧Vin(磁性素子10からの出力電圧)が大きくなる際に、回路40からの出力電圧Voutは大きな正の値を示し、回路40への入力電圧Vin(磁性素子10からの出力電圧)が小さくなる際に、回路40からの出力電圧Voutは絶対値の大きな負の値を示す。
受信装置200は、第1実施形態の場合と同様に、例えば、回路40からの出力電圧が閾値を超える場合に第1信号(例えば、“1”)から第2信号(例えば、“0”)に切り替わったと判断し、回路20からの出力電圧が閾値より小さい場合に第2信号(例えば、“0”)から第1信号(例えば、“1”)に切り替わったと判断し、回路40からの出力電圧が閾値の範囲内の場合に前の信号と同じ信号である(第1信号(例えば、“1”)のままである、または第2信号(例えば、“0”)のままである)と判断することができる。また、受信装置200は、回路40からの出力電圧の絶対値を求めることで、出力電圧の絶対値が閾値以上になった場合に光Lの強度が変化したと判断し、出力電圧の絶対値が閾値未満である場合に光Lの強度が変化していないと判断することもできる。
また受信装置200は、第1実施形態と同様に、回路40からの出力電圧Voutの絶対値|Vout|が閾値を超える場合を第1信号(例えば、“1”)と判断し、回路40からの出力電圧Voutの絶対値|Vout|が所定時間の間に亘って閾値より小さい場合を第2信号(例えば、“0”)と判断してもよい。また第1実施形態に係る光検知素子100と同様に、回路40と第2端子p2との間に絶対値回路70を設けてもよい。
第3実施形態に係る受信装置は、回路40が回路20と同様の機能を示すため、第1実施形態に係る受信装置200と同様の効果を奏する。
上記の実施形態にかかる光検知素子及び受信装置は、通信システムの送受信装置等に適用できる。
図21は、第1適用例に係る通信システム1000の概念図である。図21に示す通信システム1000は、複数の送受信装置300と、送受信装置300間を繋ぐ光ファイバーFBと、を備える。通信システム1000は、例えば、データセンター内及びデータセンター間のような短、中距離の通信、都市間のような長距離の通信に用いることができる。送受信装置300は、例えば、データセンター内に設置される。光ファイバーFBは、例えば、データセンター間を繋ぐ。通信システム1000は、例えば、光ファイバーFBを介して送受信装置300の間の通信を行う。通信システム1000は、光ファイバーFBを介さずに、送受信装置300の間の通信を無線で行ってもよい。
図22は、第1適用例に係る送受信装置300のブロック図である。送受信装置300は、受信装置200と送信装置210とを備える。受信装置200は光信号L1を受信し、送信装置210は光信号L2を送信する。送受信に用いる光は、例えば、波長が1000nm以上2000nm以下の近赤外光である。
受信装置200は、例えば、光検知素子100と信号処理部110とを備える。光検知素子100は、光検知素子101、102と置き換えてもよい。光検知素子100は、光信号L1を電気信号に変換する。磁性素子10には、光強度変化を有する光信号L1を含む光が照射される。磁性素子10に照射される光は、例えば、レーザー光である。信号処理部110は、光検知素子100で変換した電気信号を処理する。信号処理部110は、光検知素子100から生じる電気信号を処理することにより、光信号L1に含まれる信号を受信する。
送信装置210は、例えば、光源211と電気信号生成素子212と光変調素子213とを備える。光源211は、例えば、レーザー素子である。光源211は、送信装置210の外部にあってもよい。電気信号生成素子212は、送信情報に基づき電気信号を生成する。電気信号生成素子212は、信号処理部110の信号変換素子と一体となっていてもよい。光変調素子213は、電気信号生成素子212で生成された電気信号に基づき、光源211から出力された光を変調し、光信号L2を出力する。
またここまで、送受信装置を図21に示す通信システム1000に適用する例を示したが、通信システムはこの場合に限られない。
例えば、図23は、通信システムの別の例の概念図である。図23に示す通信システム1001は、2つの携帯端末装置500間の通信である。携帯端末装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット等である。
携帯端末装置500のそれぞれは、受信装置200と送信装置210とを備える。一方の携帯端末装置500の送信装置210から送信された光信号を、他方の携帯端末装置500の受信装置200で受信する。携帯端末装置500間の送受信に使用される光は、例えば可視光である。それぞれの受信装置200は、例えば、光検知素子100と信号処理部110とを備える。光検知素子100は、光検知素子101、102と置き換えてもよい。
また例えば、図24は、通信システムの別の例の概念図である。図24に示す通信システム1002は、携帯端末装置500と情報処理装置600との間の通信である。情報処理装置600は、例えば、パーソナルコンピュータである。
携帯端末装置500は送信装置210を備え、情報処理装置600は受信装置200を備える。携帯端末装置500の送信装置210から送信された光信号は、情報処理装置600の受信装置200で受信される。携帯端末装置500と情報処理装置600と間の送受信に使用される光は、例えば可視光である。それぞれの受信装置200は、例えば、光検知素子100と信号処理部110とを備える。光検知素子100は、光検知素子101、102と置き換えてもよい。
以上、本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1…第1強磁性層、2…第2強磁性層、3…スペーサ層、10…磁性素子、10A…第1面、10B…第2面、20,40…回路、21,41…第1電極層、21A,31A…接続部、22…第1誘電体、23,33,43,R…抵抗、24,34…接続電極、25,45…第1接続ビア、26…第2電極層、31…第3電極層、32…第2誘電体、35…第2接続ビア、36…第4電極層、42…第1接続電極、44…第2接続電極、42A,44A…パッド、70…絶対値回路、80…電源、81,L’…インダクタ、90…絶縁層、100,101,102,103…光検知素子、110…信号処理部、200…受信装置、210…送信装置、211…光源、212…電気信号生成素子、213…光変調素子、300…送受信装置、500…携帯端末装置、600…情報処理装置、1000,1001,1002…通信システム、Am…オペアンプ、C…コンデンサ、E1…上部電極、E2…下部電極、FB…光ファイバー、Is…センス電流、L…光、L1,L2…光信号、p1…第1端子、p2…第2端子、p3…第3端子、p4…第4端子

Claims (11)

  1. 磁性素子とコンデンサと抵抗とを備え、
    前記磁性素子と前記コンデンサとは、直列に接続され、
    前記抵抗は、前記磁性素子と前記コンデンサとに対して並列に接続され、
    前記磁性素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれたスペーサ層と、を備え、
    前記磁性素子には、光強度変化を有する光信号を含む光が照射される、光検知素子。
  2. 第1電極層と第1誘電体とをさらに備え、
    前記磁性素子は、前記磁性素子の積層方向で対向する第1面と第2面とを有し、
    前記第1電極層は、前記第1面と電気的に接続され、
    前記第1電極層には、前記第1誘電体が充填されたスリットがあり、
    前記第1誘電体と前記第1電極層とは、前記コンデンサの少なくとも一部を構成する、請求項1に記載の光検知素子。
  3. 第1接続ビアと第2電極層とをさらに備え、
    前記抵抗は、前記第1電極層から分岐して前記第1電極層と接続部において接続され、
    前記抵抗は、前記第1電極層の前記接続部と前記第1接続ビアとの間にあり、
    前記スリットは、前記磁性素子と前記接続部との間にあり、
    前記第2電極層は、前記第2面及び前記第1接続ビアと電気的に接続され、前記第1接続ビアと前記抵抗とを介して前記第1電極層と電気的に接続されている、請求項2に記載の光検知素子。
  4. 前記磁性素子には、前記第1面側から前記光が照射される、請求項2又は3に記載の光検知素子。
  5. 第3電極層と第2誘電体とをさらに備え、
    前記磁性素子は、前記磁性素子の積層方向で対向する第1面と第2面とを有し、
    前記磁性素子の積層方向において、前記第2誘電体の位置は、前記第3電極層と前記第2面との間にあり、
    前記第2誘電体と前記第3電極層とは、前記コンデンサの少なくとも一部を構成する、請求項1に記載の光検知素子。
  6. 第2接続ビアと第4電極層とをさらに備え、
    前記抵抗は、前記第3電極層から分岐して前記第3電極層と接続部において接続され、
    前記抵抗は、前記接続部と前記第2接続ビアとの間にあり、
    前記第4電極層は、前記第1面及び前記第2接続ビアと電気的に接続され、前記第2接続ビアと前記抵抗とを介して前記第3電極層と電気的に接続されている、請求項5に記載の光検知素子。
  7. 前記磁性素子には、前記第1面側から前記光が照射される、請求項5又は6に記載の光検知素子。
  8. 磁性素子と抵抗とインダクタとを備え、
    前記磁性素子と前記抵抗とは、直列に接続され、
    前記インダクタは、前記磁性素子と前記抵抗とに対して並列に接続され、
    前記磁性素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれたスペーサ層と、を備え、
    前記磁性素子には、光強度変化を有する光信号を含む光が照射される、光検知素子。
  9. 磁性素子と回路とを備え、
    前記磁性素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれたスペーサ層と、を備え、
    前記磁性素子には、光強度変化を有する光信号を含む光が照射され、
    前記回路は、前記磁性素子に接続され、前記光信号により前記磁性素子から出力される出力電圧の時間あたりの変化量に対応した大きさの電圧を出力し、
    前記光信号を前記回路から出力される電圧に基づいて受信する、受信装置。
  10. 前記回路は、前記磁性素子と直列に接続されたコンデンサと、前記磁性素子と前記コンデンサとに対して並列に接続された抵抗と、を備える、請求項9に記載の受信装置。
  11. 前記回路は、前記磁性素子と直列に接続された抵抗と、前記磁性素子と前記抵抗とに対して並列に接続されたインダクタと、を備える、請求項9に記載の受信装置。
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