JP2023003383A - 光検知素子、受信装置及び光センサー装置 - Google Patents

光検知素子、受信装置及び光センサー装置 Download PDF

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英明 福澤
Hideaki Fukuzawa
哲也 柴田
Tetsuya Shibata
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Abstract

【課題】シグナルとノイズの比であるSN比が大きい光検知素子、受信装置及び光センサー装置を提供する。【解決手段】この光検知素子は、複数の磁性素子を有し、前記複数の磁性素子のそれぞれは、光が照射される第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれるスペーサ層と、を備え、前記複数の磁性素子のうちの少なくとも2つは、照射される前記光のスポット内に入るように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、光検知素子、受信装置及び光センサー装置に関する。
光電変換素子は、様々な用途で用いられている。
例えば、特許文献1には、フォトダイオードを用いて、光信号を受信する受信装置が記載されている。フォトダイオードは、例えば、半導体のpn接合を用いたpn接合ダイオード等であり、光を電気信号に変換する。
また例えば、特許文献2には、半導体のpn接合を用いた光センサー及びこの光センサーを用いたイメージセンサーが記載されている。
特開2001-292107号公報 米国特許第9842874明細書
半導体のpn接合を用いた光検知素子は広く利用されているが、更なる発展のために新たな光検知素子が求められている。また光検知素子は、光を電気信号に変換するものであり、光検知においてシグナルとノイズの比であるSN比の向上が求められている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、SN比の大きい光検知素子、受信装置及び光センサー装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる光検知素子は、複数の磁性素子を備え、前記複数の磁性素子のそれぞれは、光が照射される第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれるスペーサ層と、を備え、前記複数の磁性素子のうちの少なくとも2つは、照射される前記光のスポット内に入るように配置されている。
(2)上記態様にかかる光検知素子において、前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第1磁性素子と第2磁性素子とを有し、前記第1磁性素子と前記第2磁性素子とは、前記第1強磁性層の体積が互いに異なってもよい。
(3)上記態様にかかる光検知素子において、前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記スポットの中心側にあり、前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記第1強磁性層の体積が大きくてもよい。
(4)上記態様にかかる光検知素子において、前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第1磁性素子と第2磁性素子とを有し、前記第1磁性素子と前記第2磁性素子とは、前記第1強磁性層の飽和磁化が互いに異なってもよい。
(5)上記態様にかかる光検知素子において、前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記スポットの中心側にあり、前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記第1強磁性層の飽和磁化が大きくてもよい。
(6)上記態様にかかる光検知素子において、前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第3磁性素子と第4磁性素子とを有し、前記第3磁性素子の前記第1強磁性層と前記光検知素子の前記光が照射される側の面である光照射面との間に第1中間層をさらに有し、前記第4磁性素子の前記第1強磁性層と前記光照射面との間に第2中間層をさらに有し、前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記光照射面の近くにあり、前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記第1強磁性層の体積が大きくてもよい。
(7)上記態様にかかる光検知素子において、前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第3磁性素子と第4磁性素子とを有し、前記第3磁性素子の前記第1強磁性層と前記光検知素子の前記光が照射される側の面である光照射面との間に第1中間層をさらに有し、前記第4磁性素子の前記第1強磁性層と前記光照射面との間に第2中間層をさらに有し、前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記光照射面の近くにあり、前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記第1強磁性層の飽和磁化が大きくてもよい。
(8)上記態様にかかる光検知素子において、前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第5磁性素子と第6磁性素子とを有し、前記第5磁性素子は、前記第6磁性素子より前記スポットの中心側にあり、前記第5磁性素子の前記第1強磁性層と前記光検知素子の前記光が照射される側の面である光照射面との間に第3中間層をさらに有し、前記第6磁性素子の前記第1強磁性層と前記光照射面との間に第4中間層をさらに有し、前記第4中間層は、前記第3中間層より前記光の透過率が高くてもよい。
(9)第2の態様にかかる受信装置は、上記態様にかかる光検知素子を有する。
(10)第3の態様にかかる光センサー装置は、上記態様にかかる光検知素子を有する。
上記態様にかかる光検知素子、受信装置及び光センサー装置は、光のSN比が大きい。
第1実施形態に係る光検知素子の斜視図である。 第1実施形態に係る光検知素子の平面図である。 第1実施形態に係る磁性素子の断面図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第1動作例の第1メカニズムを説明するための図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第1動作例の第2メカニズムを説明するための図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第2動作例の第1メカニズムを説明するための図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第2動作例の第2メカニズムを説明するための図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第2動作例の別の例を説明するための図である。 第1実施形態に係る磁性素子の第2動作例の別の例を説明するための図である。 第1実施形態の第1変形例に係る光検知素子の平面図である。 第1実施形態の第2変形例に係る光検知素子の平面図である。 第1実施形態の第3変形例に係る光検知素子の平面図である。 第2実施形態に係る光検知素子の平面図である。 第2実施形態に係る光検知素子の一部の断面図である。 第1磁性素子の出力電圧の光強度に対する変化を示す。 第2磁性素子の出力電圧の光強度に対する変化を示す。 第1磁性素子と第2磁性素子の合成出力電圧の光強度に対する変化を示す。 第3実施形態に係る光検知素子の平面図である。 第4実施形態に係る光検知素子の平面図である。 第5実施形態に係る光検知素子の平面図である。 第6実施形態に係る光検知素子の一部の断面図である。 第7実施形態に係る光検知素子の一部の断面図である。 第8実施形態に係る光検知素子の一部の断面図である。 第9実施形態に係る光検知素子の一部の断面図である。 第9実施形態の第1変形例に係る光検知素子の一部の断面図である。 第9実施形態の第2変形例に係る光検知素子の一部の断面図である。 第9実施形態の第3変形例に係る光検知素子の一部の断面図である。 第1適用例にかかる送受信装置のブロック図である。 通信システムの一例の概念図である。 第2適用例に係る光センサー装置の断面の概念図である。 端末装置の一例の模式図である。
以下、実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
方向について定義する。磁性素子10の積層方向をz方向とし、z方向と直交する面内の一方向をx方向、x方向及びz方向と直交する方向をy方向とする。z方向は、積層方向の一例である。以下、+z方向を「上」、-z方向を「下」と表現する場合がある。+z方向は、第2強磁性層2から第1強磁性層1へ向かう方向である。上下は、必ずしも重力が加わる方向とは一致しない。
「第1実施形態」
図1は、第1実施形態に係る光検知素子200の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る光検知素子200をz方向から見た平面図である。
光検知素子200は、照射される光Lの状態または状態の変化を電気信号に置き換える。光検知素子200は、複数の磁性素子10を有する。複数の磁性素子10は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
光Lは、可視光線に限らず、可視光線よりも波長の長い赤外線や、可視光線よりも波長の短い紫外線も含む。可視光線の波長は例えば、380nm以上800nm未満である。赤外線の波長は例えば、800nm以上1mm以下である。紫外線の波長は例えば、200nm以上380nm未満である。光Lは、例えば、高周波の光信号を含み強度変化する光、又は、波長域が制御された光(例えば波長フィルターを通過した光)である。高周波の光信号は、例えば、100MHz以上の周波数を有する信号である。光Lはレーザー光であってもよい。
スポットspは、被照射物に対して光Lが照射されている範囲である。中心における光強度の13.5%以上の強度の光が照射されている、中心を含む連続した領域がスポットspの範囲である。
光Lのスポットspの範囲は、光学部材によって決定される。光学部材は、例えば、導波路、レンズ、光源等である。例えば、導波路を通過した光がスポットspを形成する。また、例えば、レンズを通過して集光した光がスポットspを形成する。光検知素子200は、光Lのスポットspを形成するこれらの光学部材を有していてもよい。この場合、例えば、光学部材は磁性素子10との間で後述する第1電極を挟む位置に配置される。
磁性素子10のそれぞれは、例えば、他の磁性素子10と直列又は並列に電気的に接続されている。この場合、光検知素子200は、例えば、複数の磁性素子10の合成抵抗、合成電位等を出力する。磁性素子10のそれぞれは、別々に後段の装置に接続されていてもよい。この場合、光検知素子200は、例えば、複数の磁性素子10のそれぞれの抵抗、電位等を出力する。後段の装置は、例えば、それぞれの磁性素子10からの出力を重ね合わせる。
磁性素子10のそれぞれに照射される光Lの状態が変化すると、光Lの状態の変化に応じて、磁性素子10のそれぞれから出力される電圧(それぞれの磁性素子のz方向の端部間の電位差)が変化する。図3は、第1実施形態に係る磁性素子10の断面図である。磁性素子10のそれぞれは、例えば、第1強磁性層1と第2強磁性層2とスペーサ層3とを有する。スペーサ層3は、第1強磁性層1と第2強磁性層2との間に位置する。磁性素子10は、これらの他に他の層を有してもよい。磁性素子10には、第1強磁性層1側から光が照射される。以下、磁性素子10の光が照射される側の面を照射面と称する。
磁性素子10は、例えば、スペーサ層3が絶縁材料で構成されたMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子である。この場合、磁性素子10は、第1強磁性層1の磁化の状態と第2強磁性層2の磁化の状態との相対的な変化に応じて、z方向の抵抗値(z方向に電流を流した場合の抵抗値)が変化する素子である。このような素子は磁気抵抗効果素子とも呼ばれる。
第1強磁性層1は、外部から光が照射されると磁化の状態が変化する光検知層である。第1強磁性層1は、磁化自由層とも呼ばれる。磁化自由層は、所定の外力が印加された際に磁化の状態が変化する磁性体を含む層である。所定の外力は、例えば、外部から照射される光L、磁性素子10のz方向に流れる電流、外部磁場である。第1強磁性層1の磁化は、第1強磁性層1に照射される光Lの強度に応じて、状態が変化する。
第1強磁性層1は、強磁性体を含む。第1強磁性層1は、例えば、Co、FeまたはNi等の磁性元素のいずれかを少なくとも含む。第1強磁性層1は、上述のような磁性元素と共に、B、Mg、Hf、Gd等の非磁性元素を含んでもよい。第1強磁性層1は、例えば、磁性元素と非磁性元素とを含む合金でもよい。第1強磁性層1は、複数の層から構成されていてもよい。第1強磁性層1は、例えば、CoFeB合金、CoFeB合金層をFe層で挟んだ積層体、CoFeB合金層をCoFe層で挟んだ積層体である。
第1強磁性層1は、膜面内方向(xy面内のいずれかの方向)に磁化容易軸を有する面内磁化膜でも、膜面直方向(z方向)に磁化容易軸を有する垂直磁化膜でもよい。
第1強磁性層1の膜厚は、例えば、1nm以上5nm以下である。第1強磁性層1の膜厚は、例えば、1nm以上2nm以下であることが好ましい。第1強磁性層1が垂直磁化膜の場合、第1強磁性層1の膜厚が薄いと、第1強磁性層1の上下にある層からの垂直磁気異方性印加効果が強まり、第1強磁性層1の垂直磁気異方性が高まる。つまり、第1強磁性層1の垂直磁気異方性が高いと、磁化がz方向に戻ろうとする力が強まる。一方、第1強磁性層1の膜厚が厚いと、第1強磁性層1の上下にある層からの垂直磁気異方性印加効果が相対的に弱まり、第1強磁性層1の垂直磁気異方性が弱まる。
第1強磁性層1の膜厚が薄くなると強磁性体としての体積は小さくなり、厚くなると強磁性体としての体積は大きくなる。外部からのエネルギーが加わったときの第1強磁性層1の磁化の反応しやすさは、第1強磁性層1の磁気異方性(Ku)と体積(V)との積(KuV)に反比例する。つまり、第1強磁性層1の磁気異方性と体積との積が小さくなると、光に対する反応性が高まる。このような観点から、光に対する反応を高めるためには、第1強磁性層1の磁気異方性を適切に設計したうえで第1強磁性層1の体積を小さくすることが好ましい。
第1強磁性層1の膜厚が2nmより厚い場合は、例えばMo,Wからなる挿入層を第1強磁性層1内に設けてもよい。すなわち、z方向に強磁性層、挿入層、強磁性層が順に積層された積層体を第1強磁性層1としてもよい。挿入層と強磁性層との界面における界面磁気異方性により第1強磁性層1全体の垂直磁気異方性が高まる。挿入層の膜厚は、例えば、0.1nm~0.6nmである。
第2強磁性層2は、磁化固定層である。磁化固定層は、所定の外部からのエネルギーが印加された際に磁化の状態が磁化自由層よりも変化しにくい磁性体からなる層である。例えば、磁化固定層は、所定の外部からのエネルギーが印加された際に磁化の向きが磁化自由層よりも変化しにくい。また、例えば、磁化固定層は、所定の外部からのエネルギーが印加された際に磁化の大きさが磁化自由層よりも変化しにくい。第2強磁性層2の保磁力は、例えば、第1強磁性層1の保磁力よりも大きい。第2強磁性層2は、例えば第1強磁性層1と同じ方向に磁化容易軸を有する。第2強磁性層2は、面内磁化膜でも、垂直磁化膜でもよい。
第2強磁性層2を構成する材料は、例えば、第1強磁性層1と同様である。第2強磁性層2は、例えば、0.4nm~1.0nmの厚みのCo、0.1nm~0.5nmの厚みのMo、0.3nm~1.0nmの厚みのCoFeB合金、0.3nm~1.0nmの厚みのFeが順に積層された積層体でもよい。
第2強磁性層2の磁化は、例えば、磁気結合層を介した第3強磁性層との磁気結合によって固定してもよい。この場合、第2強磁性層2、磁気結合層及び第3強磁性層を合わせたものを磁化固定層と称する場合もある。
第3強磁性層は、例えば、第2強磁性層2と磁気結合する。磁気結合は、例えば、反強磁性的な結合であり、RKKY相互作用により生じる。第3強磁性層を構成する材料は、例えば、第1強磁性層1と同様である。磁気結合層は、例えば、Ru、Ir等である。
スペーサ層3は、第1強磁性層1と第2強磁性層2との間に配置される非磁性層である。スペーサ層3は、導電体、絶縁体もしくは半導体によって構成される層、又は、絶縁体中に導体によって構成される通電点を含む層で構成される。スペーサ層3の膜厚は、後述する初期状態における第1強磁性層1の磁化と第2強磁性層2の磁化の配向方向に応じて調整できる。
例えば、スペーサ層3が絶縁体からなる場合は、磁性素子10は、第1強磁性層1とスペーサ層3と第2強磁性層2とからなる磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有する。このような素子はMTJ素子と呼ばれる。この場合、磁性素子10はトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magnetoresistance)効果を発現することができる。例えば、スペーサ層3が金属からなる場合は、磁性素子10は、巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)効果を発現することができる。このような素子はGMR素子と呼ばれる。
スペーサ層3が絶縁材料で構成される場合、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン又は酸化ケイ素等を含む材料を用いることができる。また、これら絶縁材料に、Al、B、Si、Mgなどの元素や、Co、Fe、Niなどの磁性元素を含んでもよい。第1強磁性層1と第2強磁性層2との間に高いTMR効果が発現するようにスペーサ層3の膜厚を調整することで、高い磁気抵抗変化率が得られる。TMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層3の膜厚は、0.5~5.0nm程度としてもよく、1.0~2.5nm程度としてもよい。
スペーサ層3を非磁性導電材料で構成する場合、Cu、Ag、Au又はRu等の導電材料を用いることができる。GMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層3の膜厚は、0.5~5.0nm程度としてもよく、2.0~3.0nm程度としてもよい。
スペーサ層3を非磁性半導体材料で構成する場合、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化ゲルマニウム、酸化ガリウム又はITO等の材料を用いることができる。この場合、スペーサ層3の膜厚は1.0~4.0nm程度としてもよい。
スペーサ層3として非磁性絶縁体中の導体によって構成される通電点を含む層を適用する場合、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムによって構成される非磁性絶縁体中に、Cu、Au、Alなどの非磁性の導体によって構成される通電点を含む構造としてもよい。また、Co、Fe、Niなどの磁性元素によって導体を構成してもよい。この場合、スペーサ層3の膜厚は、1.0~2.5nm程度としてもよい。通電点は、例えば、膜面に垂直な方向からみたときの直径が1nm以上5nm以下の柱状体である。
上述のように、磁性素子10は、スペーサ層3の構成材料によって、MTJ素子、GMR素子などと呼び名が異なることがあるが、総称して磁気抵抗効果素子とも呼ばれる。
磁性素子10は、この他、下地層、キャップ層、垂直磁化誘起層等を有してもよい。下地層は、第2強磁性層2の下側にある。下地層は、シード層又はバッファ層である。シード層は、シード層上に積層される層の結晶性を高める。シード層は、例えば、Pt、Ru、Hf、Zr、NiFeCrである。シード層の膜厚は、例えば1nm以上5nm以下である。バッファ層は、異なる結晶間の格子不整合を緩和する層である。バッファ層は、例えば、Ta、Ti、W、Zr、Hf又はこれらの元素の窒化物である。バッファ層の膜厚は、例えば、1nm以上5nm以下である。
キャップ層は、第1強磁性層1の上側にある。キャップ層は、プロセス過程で下層へのダメージを防ぐと共に、アニール時に下層の結晶性を高める。キャップ層の膜厚は、第1強磁性層1に十分な光が照射されるように、例えば3nm以下である。キャップ層は、例えば、MgO、W、Mo、Ru、Ta、Cu、Crまたはこれらの積層膜などである。
垂直磁化誘起層は、第1強磁性層1が垂直磁化膜の場合に形成される。垂直磁化誘起層は、第1強磁性層1上に積層される。垂直磁化誘起層は、第1強磁性層1の垂直磁気異方性を誘起する。垂直磁化誘起層は、例えば酸化マグネシウム、W、Ta、Mo等である。垂直磁化誘起層が酸化マグネシウムの場合は、導電性を高めるために、酸化マグネシウムが酸素欠損していることが好ましい。垂直磁化誘起層の膜厚は、例えば、0.5nm以上2.0nm以下である。
また光検知素子200は、それぞれの磁性素子10に接続される第1電極及び第2電極をさらに有してもよい。第1電極は、磁性素子10の第1面(照射面)に接する。第1面は、z方向において、磁性素子10の第1強磁性層1側の面である。第2電極は、磁性素子10の第2面に接する。第2面は、z方向において、磁性素子10の第2強磁性層2側の面である。第1電極と第2電極とは、例えば、磁性素子10をz方向に挟む。
第1電極及び第2電極は、導電性を有する材料からなる。第1電極及び第2電極は、例えば、Cu、Al、AuまたはRuなどの金属により構成される。これらの金属の上下にTaやTiを積層してもよい。また第1電極及び第2電極として、CuとTaの積層膜、TaとCuとTiの積層膜、TaとCuとTaNの積層膜を用いてもよい。また第1電極及び第2電極として、TiNやTaNを用いてもよい。
第1電極及び第2電極は、磁性素子10に照射される光の波長域に対して透過性を有してもよい。例えば、第1電極及び第2電極は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)等の酸化物の透明電極材料を含む透明電極でもよい。また第1電極及び第2電極は、こられの透明電極材料の中に複数の柱状金属を有する構成としてもよい。
磁性素子10は、例えば、各層の積層工程、アニール工程、加工工程によって作製される。各層は、例えば、スパッタリングにより成膜される。アニールは、例えば、250℃以上450℃以下で行う。積層膜の加工は、例えば、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて行う。積層膜は、柱状の磁性素子10となる。磁性素子10は、円柱でも角柱でもよい。例えば、磁性素子10をz方向から見た際の最短幅は、10nm以上2000nm以下としてもよく、30nm以上500nm以下としてもよい。上記工程により、磁性素子10が得られる。
図3は磁性素子10の一例を示したが、磁性素子は光の照射により磁化の状態が変化する強磁性体を有し、磁化の状態の変化に伴い抵抗値が変化するものであればよい。磁性素子には、例えば、上述のMTJ素子及びGMR素子のほか、異方性磁気抵抗(AMR:Anisotronipic Magnetoresistance)効果素子、超巨大磁気抵抗(CMR:Colossal Magnetoresistance)効果素子等を用いることができる。
次いで、磁性素子10の動作のいくつかの例について説明する。第1強磁性層1には、光強度が変化する光が照射される。磁性素子10のz方向の抵抗値は、光が第1強磁性層1に照射されることにより変化する。磁性素子10からの出力電圧は、光が第1強磁性層1に照射されることにより変化する。第1動作例では、第1強磁性層1に照射される光の強度が、第1強度と第2強度の2段階である場合を例に説明する。第2強度の光の強度は、第1強度の光の強度より大きいものとする。第1強度は、第1強磁性層1に照射される光の強度がゼロの場合でもよい。
図4及び図5は、第1実施形態に係る磁性素子10の第1動作例を説明するための図である。図4は、第1動作例の第1メカニズムを説明するための図であり、図5は、第1動作例の第2メカニズムを説明するための図である。図4及び図5の上のグラフは、縦軸が第1強磁性層1に照射される光の強度であり、横軸が時間である。図4及び図5の下のグラフは、縦軸が磁性素子10のz方向の抵抗値であり、横軸が時間である。
まず第1強磁性層1に第1強度の光が照射された状態(以下、初期状態と称する)において、第1強磁性層1の磁化M1と第2強磁性層2の磁化M2とは平行の関係にあり、磁性素子10のz方向の抵抗値は第1抵抗値Rを示す。磁性素子10のz方向の抵抗値は、磁性素子10のz方向にセンス電流Isを流すことで、磁性素子10のz方向の両端に電圧が発生し、その電圧値からオームの法則を用いて求められる。磁性素子10からの出力電圧は、第1電極と第2電極との間に発生する。図4に示す例の場合、センス電流Isを第1強磁性層1から第2強磁性層2に向かって流す。この方向にセンス電流Isを流すことで、第1強磁性層1の磁化M1に対して、第2強磁性層2の磁化M2と同じ方向のスピントランスファートルクが作用し、初期状態において磁化M1と磁化M2とが平行になる。また、この方向にセンス電流Isを流すことで、第1強磁性層1の磁化M1が動作時に反転することを防止することができる。
次いで、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化する。第2強度は、第1強度より大きく、第1強磁性層1の磁化M1は初期状態から変化する。第1強磁性層1に光が照射されていない状態における第1強磁性層1の磁化M1の状態と、第2強度における第1強磁性層1の磁化M1の状態とは異なる。磁化M1の状態とは、例えば、z方向に対する傾き角、大きさ等である。
例えば、図4に示すように、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化すると、磁化M1はz方向に対して傾く。また例えば、図5に示すように、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度から第2強度に変化すると、磁化M1の大きさが小さくなる。例えば、第1強磁性層1の磁化M1が光の照射強度によってz方向に対して傾く場合、その傾き角度は、0°より大きく90°より小さい。
第1強磁性層1の磁化M1が初期状態から変化すると、磁性素子10のz方向の抵抗値は第2抵抗値Rを示す。第2抵抗値Rは、第1抵抗値Rより大きい。第2抵抗値Rは、磁化M1と磁化M2とが平行である場合の抵抗値(第1抵抗値R)と、磁化M1と磁化M2とが反平行である場合の抵抗値との間である。
図4に示す場合は、第1強磁性層1の磁化M1には第2強磁性層2の磁化M2と同じ方向のスピントランスファートルクが作用している。したがって、磁化M1は磁化M2と平行状態に戻ろうとし、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化すると、磁性素子10は初期状態に戻る。図5に示す場合は、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度に戻ると、第1強磁性層1の磁化M1の大きさは元に戻り、磁性素子10は初期状態に戻る。いずれの場合も磁性素子10のz方向の抵抗値は、第1抵抗値Rに戻る。つまり、第1強磁性層1に照射される光の強度が第2強度から第1強度に変化した際に、磁性素子10のz方向の抵抗値は、第2抵抗値Rから第1抵抗値Rへ変化する。
磁性素子10のz方向の抵抗値は、第1強磁性層1に照射される光の強度の変化に対応して変化する。磁性素子10からの出力電圧は、第1強磁性層1に照射される光の強度の変化に対応して変化する。つまり、磁性素子10は、照射される光の強度の変化を出力電圧の変化に変換することができる。すなわち、磁性素子10は、光を電気信号に変換することができる。例えば、磁性素子10からの出力電圧が閾値以上の場合を第1信号(例えば、“1”)、閾値未満の場合を第2信号(例えば、“0”)として処理する。
ここでは初期状態において磁化M1と磁化M2とが平行な場合を例に説明したが、初期状態において磁化M1と磁化M2とが反平行でもよい。この場合、磁性素子10のz方向の抵抗値は、磁化M1の状態が変化するほど(例えば、磁化M1の初期状態からの角度変化が大きくなるほど)小さくなる。磁化M1と磁化M2とが反平行な場合を初期状態とする場合は、センス電流Isは第2強磁性層2から第1強磁性層1に向かって流すことが好ましい。この方向にセンス電流Isを流すことで、第1強磁性層1の磁化M1に対して、第2強磁性層2の磁化M2と反対方向のスピントランスファートルクが作用し、初期状態において磁化M1と磁化M2とが反平行になる。
第1動作例では、第1強磁性層1に照射される光が、第1強度と第2強度の2段階である場合を例に説明したが、第2動作例では第1強磁性層1に照射される光の強度が多段又はアナログ的に変化する場合について説明する。
図6及び図7は、第1実施形態に係る磁性素子10の第2動作例を説明するための図である。図6は、第2動作例の第1メカニズムを説明するための図であり、図7は、第2動作例の第2メカニズムを説明するための図である。図6及び図7の上のグラフは、縦軸が第1強磁性層1に照射される光の強度であり、横軸が時間である。図6及び図7の下のグラフは、縦軸が磁性素子10のz方向の抵抗値であり、横軸が時間である。
図6の場合、第1強磁性層1に照射される光の強度が大きくなると、光の照射による外部からのエネルギーによって第1強磁性層1の磁化M1は初期状態から傾く。第1強磁性層1に光が照射されていない状態における第1強磁性層1の磁化M1の方向と、光が照射された状態における磁化M1の方向との角度は、いずれも0°より大きく90°より小さい。
第1強磁性層1の磁化M1が初期状態から傾くと、磁性素子10のz方向の抵抗値は変化する。例えば、第1強磁性層1の磁化M1の傾きに応じて、磁性素子10のz方向の抵抗値は、第2抵抗値R、第3抵抗値R、第4抵抗値Rと変化する。第1抵抗値R、第2抵抗値R、第3抵抗値R、第4抵抗値Rの順に抵抗値は大きくなる。すなわち、第1強磁性層1の磁化M1の傾きに応じて、磁性素子10からの出力電圧は、第1電圧値から第2電圧値、第3電圧値、第4電圧値へと変化する。第1電圧値、第2電圧値、第3電圧値、第4電圧値の順に出力電圧は大きくなる。
磁性素子10は、第1強磁性層1に照射される光の強度が変化した際に、z方向の抵抗値が変化する。磁性素子10からの出力電圧は、第1強磁性層1に照射される光の強度が変化した際に変化する。例えば、第1電圧値を“0”、第2電圧値を“1”、第3電圧値を“2”、第4電圧値を“3”として規定すると、磁性素子10は4値の情報を出力できる。ここでは一例として4値を読み出す場合を示したが、出力電圧の閾値の設定により読み出す値の数は自由に設計できる。また磁性素子10は、アナログ値をそのまま出力してもよい。
また図7の場合も同様に、第1強磁性層1に照射される光の強度が大きくなると、光の照射による外部からのエネルギーによって第1強磁性層1の磁化M1の大きさは初期状態から小さくなる。第1強磁性層1の磁化M1が初期状態から小さくなると、磁性素子10のz方向の抵抗値は変化する。例えば、第1強磁性層1の磁化M1の大きさに応じて、磁性素子10のz方向の抵抗値は、第2抵抗値R、第3抵抗値R、第4抵抗値Rと変化する。すなわち、第1強磁性層1の磁化M1の大きさに応じて、磁性素子10からの出力電圧は、第1電圧値から第2電圧値、第3電圧値、第4電圧値へと変化する。したがって、図6の場合と同様に、磁性素子10は、これらの出力電圧の違いを、多値又はアナログデータとして出力できる。
また第2動作例の場合も、第1動作例の場合と同様に、第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度に戻ると、第1強磁性層1の磁化M1の状態は元に戻り、磁性素子10は初期状態に戻る。
ここでは初期状態において磁化M1と磁化M2とが平行な場合を例に説明したが、第2動作例においても、初期状態において磁化M1と磁化M2とが反平行でもよい。
また第1動作例及び第2動作例では、初期状態において磁化M1と磁化M2とが平行又は反平行な場合を例示したが、初期状態において磁化M1と磁化M2とが直交していてもよい。例えば、第1強磁性層1がxy平面のいずれかの方向に磁化M1が配向した面内磁化膜で、第2強磁性層2がz方向に磁化M2が配向した垂直磁化膜の場合が、この場合に該当する。磁気異方性により磁化M1がxy面内のいずれかの方向に配向し、磁化M2がz方向に配向することで、初期状態において磁化M1と磁化M2とが直交する。
図8及び図9は、第1実施形態に係る光検知素子200の第2動作例の別の例を説明するための図である。図8と図9とは、磁性素子10に印加するセンス電流Isの流れ方向が異なる。図8は、センス電流Isを第1強磁性層1から第2強磁性層2に向かって流している。図9は、センス電流Isを第2強磁性層2から第1強磁性層1に向かって流している。
図8及び図9のいずれの場合でも、磁性素子10にセンス電流Isが流れることで、初期状態において磁化M1に対してスピントランスファートルクが作用している。図8の場合は、磁化M1が第2強磁性層2の磁化M2と平行になるように、スピントランスファートルクが作用している。図9の場合は、磁化M1が第2強磁性層2の磁化M2と反平行になるように、スピントランスファートルクが作用している。図8及び図9のいずれの場合でも、初期状態では、磁化M1に対する磁気異方性による作用がスピントランスファートルクの作用よりも大きいため、磁化M1はxy面内のいずれかの方向を向いている。
第1強磁性層1に照射される光の強度が大きくなると、光の照射による外部からのエネルギーによって第1強磁性層1の磁化M1は初期状態から傾く。磁化M1に加わる光の照射による作用とスピントランスファートルクによる作用との和が、磁化M1に係る磁気異方性による作用より大きくなるためである。第1強磁性層1に照射される光の強度が大きくなると、図8の場合の磁化M1は第2強磁性層2の磁化M2と平行になるように傾き、図9の場合の磁化M1は第2強磁性層2の磁化M2と反平行になるように傾く。磁化M1に作用するスピントランスファートルクの方向が違うため、図8と図9における磁化M1の傾き方向は異なる。
第1強磁性層1に照射される光の強度が大きくなると、図8の場合は磁性素子10の抵抗値は小さくなり、図9の場合は磁性素子10の抵抗値は大きくなる。すなわち、第1強磁性層1に照射される光の強度が大きくなると、図8の場合は磁性素子10からの出力電圧は小さくなり、図9の場合は磁性素子10の出力電圧は大きくなる。
第1強磁性層1に照射される光の強度が第1強度に戻ると、磁化M1に対する磁気異方性による作用により第1強磁性層1の磁化M1の状態は元に戻る。その結果、磁性素子10は初期状態に戻る。
ここでは第1強磁性層1が面内磁化膜であり、第2強磁性層2が垂直磁化膜の例を挙げて説明したが、この関係は逆でもよい。すなわち、初期状態において、磁化M1がz方向に配向し、磁化M2がxy面内のいずれかの方向に配向していてもよい。
第1実施形態に係る光検知素子200は、複数の磁性素子10が同じスポットsp内にある。複数の磁性素子10は、光Lに対して同じように挙動する。光検知素子200は、光Lに対して同じように挙動するそれぞれの磁性素子10からの出力を合成できる。さらに光検知素子200は、複数の磁性素子10が同一の光信号を同時に受光する。このため、光検知素子200では、出力信号に対するノイズを抑制できる。したがって、第1実施形態に係る光検知素子200は、SN比が大きい。
以上、第1実施形態について図面を参照して詳述したが、第1実施形態はこの例に限られるものではない。
例えば、図10に示す光検知素子200Aのように、磁性素子10がスポットsp内に同心円状に配列していてもよい。また例えば、図11に示す光検知素子200Bのように、磁性素子10がスポットsp内で、三角格子状に配列していてもよい。磁性素子10の配列は、これらの場合に限らず、六方格子状等、様々な配列を選択し得る。
また例えば、図12に示す光検知素子200Cのように、磁性素子10のそれぞれの平面視形状は矩形でもよい。
「第2実施形態」
図13は、第2実施形態に係る光検知素子201をz方向から見た平面図である。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。
光検知素子201は、複数の磁性素子20を有する。複数の磁性素子20は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
複数の磁性素子20は、第1磁性素子21と第2磁性素子22とを有する。第1磁性素子21と第2磁性素子22とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子21と第2磁性素子22とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。図14は、第2実施形態に係る光検知素子201の断面図である。図14は、図13のA-A線に沿った断面である。磁性素子20のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。図14では、磁性素子20のそれぞれに接続された第1電極11及び第2電極12と、磁性素子20の周囲を被覆する絶縁層Inを同時に図示している。絶縁層Inの材料は、例えば、金属元素または半金属元素を1種以上含む酸化物、窒化物または酸窒化物である。より具体的には、絶縁層Inの材料は、例えば、Al、Si、Ta、In、Hf、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Zr、Nb、Mg、B、Pb、Ca、LaおよびGeからなる群から選ばれる元素を1種以上含む酸化物、窒化物または酸窒化物である。
第1磁性素子21と第2磁性素子22とは、第1強磁性層1の体積が異なる。第1磁性素子21は、第2磁性素子22より第1強磁性層1の体積が大きい。第1磁性素子21と第2磁性素子22とは、第1強磁性層1の体積が異なるため、照射される光に対する感度が異なる。照射される光の強度の変化に対する第1強磁性層1の磁化M1の状態の変化の度合いは、第1強磁性層1の体積が小さいほど大きくなるため、照射される光に対する磁性素子20の感度は、第1強磁性層1の体積が小さいほど大きくなる。
図14に示す例は、z方向から見た際の第1強磁性層1の面積が異なるため、第1強磁性層1の体積が第1磁性素子21と第2磁性素子22とで異なる。図14に示す例では、第1強磁性層1の厚みは、第1磁性素子21と第2磁性素子22とで同じである。第1強磁性層1の体積は、z方向から見た際の面積に限らず、第1強磁性層1の厚みを異ならせることで異ならせてもよい。また複数の磁性素子20の中には、第1磁性素子21及び第2磁性素子22のいずれとも第1強磁性層1の体積が異なるものがあってもよい。図14に示す例では、第1磁性素子21と第2磁性素子22とは、スポットspの中心からの距離(z方向からの平面視におけるスポットspの中心とそれぞれの磁性素子の中心との距離)が異なる位置に配置されているが、第1磁性素子21と第2磁性素子22とは、スポットspの中心からの距離が同じ位置に配置されていてもよい。
図15は、第1磁性素子21からの出力電圧の照射される光の強度に対する変化を示す。図16は、第2磁性素子22からの出力電圧の照射される光の強度に対する変化を示す。
図16に示すように、第1強磁性層1の体積が相対的に小さい第2磁性素子22は、光Lの強度が小さい低強度領域で抵抗値が大きく変化する。即ち、第2磁性素子22は光Lの低強度領域において、出力電圧が大きく変化し、光Lに対する感度が相対的に高い。一方で、第2磁性素子22は、素早く最大抵抗値に至るため、光Lの強度が大きい高強度領域での抵抗値変化が少ない。即ち、第2磁性素子22は、光Lの高強度領域では、光Lの強度の変化に対する出力電圧の変化が少なく、光Lの強度の変化を検知するのが困難となる。したがって、第2磁性素子22は、光に対する感度が相対的に高い一方で、光Lの強度の変化を検知できる範囲が相対的に狭い。
これに対し、図15に示すように、第1強磁性層1の体積が相対的に大きい第1磁性素子21は、光Lの強度が小さい低強度領域での抵抗値の変化は緩やかである。即ち、第1磁性素子21は光Lの低強度領域において、出力電圧の変化が緩やかであり、光Lに対する感度が相対的に低い。一方で、第1磁性素子21は、抵抗値が飽和しにくいため、光Lの強度が大きい高強度領域でも十分な大きさの抵抗値変化を示す。即ち、第1磁性素子21は、光Lの高強度領域においても、光Lの強度の変化に対する出力電圧の変化が得られ、光Lの強度の変化を検知することができる。したがって、第1磁性素子21は、光Lに対する感度が相対的に低い一方で、光Lの強度の変化を検知できる範囲が相対的に広い。
図17は、第1磁性素子21と第2磁性素子22の合成出力電圧の光Lの強度に対する変化を示す。合成出力電圧は、例えば、第1磁性素子21の出力電圧と第2磁性素子22の出力電圧を足し合わせたものである。したがって、合成出力電圧は、光Lの低強度領域で値が大きく変化すると共に、光Lの高強度領域でも十分な大きさの値の変化を示す。すなわち、第1磁性素子21と第2磁性素子22とを有する光検知素子201は、光Lの低強度領域において光Lに対する感度が高く、且つ、光Lの強度の変化を広い光強度範囲で検知できる。
「第3実施形態」
図18は、第3実施形態に係る光検知素子202をz方向から見た平面図である。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。
光検知素子202は、複数の磁性素子30を有する。複数の磁性素子30は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
複数の磁性素子30のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。図18に示す例では、磁性素子30の第1強磁性層1の体積は、スポットspの中心に近い磁性素子30ほど大きく、中心から離れた磁性素子30ほど小さい。すなわち、z方向から平面視した際に、その中心とスポットspの中心との間の距離が短い磁性素子30ほど、第1強磁性層1の体積は大きく、その中心とスポットspの中心との距離が長い磁性素子30ほど、第1強磁性層1の体積は小さい。以下、「スポットの中心に対して近い又は遠い」及び「スポットの中心側にある又はスポットの中心から離れている」等の表現は、z方向から見た際におけるスポットspの中心と磁性素子の中心との距離を示す。特定の磁性素子が「スポットの中心に対して近くにある」又は「スポットの中心側にある」場合、特定の磁性素子の中心とスポットspの中心との距離は、比較対象となる磁性素子の中心とスポットspの中心との距離より短い。また特定の磁性素子が「スポットの中心に対して遠くにある」又は「スポットの中心から離れている」場合、特定の磁性素子の中心とスポットspの中心との距離は、比較対象となる磁性素子の中心とスポットspの中心との距離より長い。
例えば、複数の磁性素子30は、第1磁性素子31と第2磁性素子32とを有する。第1磁性素子31と第2磁性素子32とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子31と第2磁性素子32とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。第1磁性素子31は、第2磁性素子32よりスポットspの中心側にある。すなわち、z方向から平面視した際に、第1磁性素子31の中心とスポットspの中心との距離は、第2磁性素子32の中心とスポットspの中心との距離より短い。第1磁性素子31の第1強磁性層1の体積は、第2磁性素子32の第1強磁性層1の体積より大きい。第1磁性素子31と第2磁性素子32とは、第1強磁性層1の体積が異なるため、光Lに対する感度が異なる。
図18に示す例は、z方向から見た際の第1強磁性層1の面積が異なるため、第1強磁性層1の体積が第1磁性素子31と第2磁性素子32とで異なる。図18に示す例では、第1強磁性層1の厚みは、第1磁性素子31と第2磁性素子32とで同じである。第1強磁性層1の体積は、z方向から見た際の面積に限らず、第1強磁性層1の厚みを異ならせることで異ならせてもよい。また複数の磁性素子30の中には、第1磁性素子31とも第2磁性素子32とも第1強磁性層1の体積が異なるものがあってもよい。
それぞれの磁性素子30の照射面における光強度は、スポットspの中心ほど大きい。第1強磁性層1の体積が相対的に大きい第1磁性素子31は、第2磁性素子32より高強度の光が照射されても出力が飽和しにくい(図15及び図16参照)。また第1強磁性層1の体積が相対的に小さい第2磁性素子32は、第1磁性素子31より光Lに対する感度が高い(図15及び図16参照)ため、照射される光の強度が第1磁性素子31より小さくても、第2磁性素子32からある程度の大きさの出力が得られる。このように、第3実施形態に係る光検知素子202では、光の強度の検知において第1磁性素子31からの出力と第2磁性素子32からの出力を共に有効に利用できるため、第3実施形態に係る光検知素子202はSN比が大きい。
「第4実施形態」
図19は、第4実施形態に係る光検知素子203をz方向から見た平面図である。第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。
光検知素子203は、複数の磁性素子40を有する。複数の磁性素子40は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。複数の磁性素子40のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。
複数の磁性素子40は、第1磁性素子41と第2磁性素子42とを有する。第1磁性素子41と第2磁性素子42とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子41と第2磁性素子42とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。第1磁性素子41と第2磁性素子42とは、第1強磁性層1の飽和磁化が異なる。第1磁性素子41は、第2磁性素子42より第1強磁性層1の飽和磁化が大きい。複数の磁性素子40の中には、第1磁性素子41とも第2磁性素子42とも第1強磁性層1の飽和磁化が異なる素子があってもよい。図19には、それぞれの磁性素子40の飽和磁化の一例を、それぞれの磁性素子40の下に記入した。図19に示す例では、第1磁性素子41と第2磁性素子42とは、スポットspの中心からの距離(平面視におけるスポットspの中心とそれぞれの磁性素子の中心との距離)が異なる位置に配置されているが、第1磁性素子41と第2磁性素子42とは、スポットspの中心からの距離が同じ位置に配置されていてもよい。第1強磁性層1の飽和磁化の大きさは、第1強磁性層1を構成する材料を異ならせることで異ならせることができる。例えば、第1強磁性層1がCoFeB合金で構成される場合、Coに対するFeの割合を大きくすると第1強磁性層1の飽和磁化を大きくすることができ、Coに対するFeの割合を小さくすると第1強磁性層1の飽和磁化を小さくすることができる。
第1磁性素子41と第2磁性素子42とは、第1強磁性層1の飽和磁化が異なるため、照射される光に対する感度が異なる。照射される光の強度の変化に対する第1強磁性層1の磁化M1の状態の変化の度合いは、第1強磁性層1の飽和磁化が小さいほど大きくなるため、照射される光に対する磁性素子40の感度は、第1強磁性層1の飽和磁化が小さいほど大きくなる。そのため、第1強磁性層1の飽和磁化が相対的に大きな第1磁性素子41は、光Lに対する感度が相対的に低い一方で、光Lの強度の変化を検知できる範囲が相対的に広い。第1磁性素子41からの出力電圧は、図15に示す第1磁性素子21と同様の挙動を光Lの強度変化に対して示す。第1強磁性層1の飽和磁化が相対的に小さい第2磁性素子42は、光Lに対する感度が相対的に高い一方で、光強度の変化を検知できる範囲が相対的に狭い。第2磁性素子42からの出力電圧は、図16に示す第2磁性素子22と同様の挙動を光Lの強度変化に対して示す。第1磁性素子41と第2磁性素子42の合成出力電圧は、図17に示す合成出力電圧と同様の挙動を光Lの強度変化に対して示す。
第1磁性素子41と第2磁性素子42とを有する光検知素子203は、第2実施形態にかかる光検知素子201と同様に、光Lの低強度領域において光Lに対する感度が高く、且つ、光Lの強度の変化を広い光強度範囲で検知できる。
ここで、第4実施形態に係る光検知素子203と第2実施形態に係る光検知素子201は、複数の磁性素子の中に、照射される光に対する感度が異なる素子が含まれているという点で共通する。したがって、光検知素子201の特徴的な構成と、光検知素子203の特徴的な構成とを組み合わせて、複数の磁性素子の中のいずれかの素子の照射される光に対する感度を、他の磁性素子と異なるものとしてもよい。具体的には、スポットsp内に入るように配置された少なくとも2つの磁性素子は、第1強磁性層1の体積及び飽和磁化の両方が互いに異なっていてもよい。
「第5実施形態」
図20は、第5実施形態に係る光検知素子204をz方向から見た平面図である。第5実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。
光検知素子204は、複数の磁性素子50を有する。複数の磁性素子50は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
複数の磁性素子50のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。図20に示す例では、磁性素子50の第1強磁性層1の飽和磁化は、スポットspの中心に近い磁性素子30ほど大きく、中心から離れた磁性素子30ほど小さい。すなわち、z方向から平面視した際に、その中心とスポットspの中心との間の距離が短い磁性素子50ほど、第1強磁性層1の飽和磁化は大きく、その中心とスポットspの中心との距離が長い磁性素子50ほど、第1強磁性層1の飽和磁化は小さい。図20には、それぞれの磁性素子50の飽和磁化の一例を、それぞれの磁性素子50の下に記入した。
例えば、複数の磁性素子50は、第1磁性素子51と第2磁性素子52とを有する。第1磁性素子51と第2磁性素子52とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子51と第2磁性素子52とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。複数の磁性素子50の中には、第1磁性素子51とも第2磁性素子52とも第1強磁性層1の飽和磁化が異なる素子があってもよい。第1磁性素子51は、第2磁性素子52よりスポットspの中心側にある。すなわち、z方向から平面視した際に、第1磁性素子51の中心とスポットspの中心との距離は、第2磁性素子52の中心とスポットspの中心との距離より短い。第1磁性素子51の第1強磁性層1の飽和磁化は、第2磁性素子52の第1強磁性層1の飽和磁化より大きい。第1磁性素子51と第2磁性素子52とは、第1強磁性層1の飽和磁化が異なるため、光Lに対する感度が異なる。
それぞれの磁性素子50の照射面における光強度は、スポットspの中心ほど大きい。第1強磁性層1の飽和磁化が相対的に大きい第1磁性素子51は、第2磁性素子52より高強度の光が照射されても出力が飽和しにくい。また第1強磁性層1の飽和磁化が相対的に小さい第2磁性素子52は、第1磁性素子51より光Lに対する感度が高いため、照射される光の強度が第1磁性素子51より小さくても、第2磁性素子52からある程度の大きさの出力が得られる。このように、第5実施形態に係る光検知素子204では、光の強度の検知において第1磁性素子51からの出力と第2磁性素子52からの出力を共に有効に利用できるため、第5実施形態に係る光検知素子204はSN比が大きい。
ここで、第5実施形態に係る光検知素子204と第3実施形態に係る光検知素子202は、出力が飽和しにくい第1磁性素子31,51がスポットspの内側にあり、照射される光に対する感度が高い第2磁性素子32,52がスポットspの外側にあるという点で共通する。したがって、光検知素子202の特徴的な構成と、光検知素子204の特徴的な構成とを組み合わせて、複数の磁性素子の中のいずれかの素子の照射される光に対する感度を他の素子と異なるものとしてもよい。具体的には、スポットsp内に入るように配置された少なくとも2つの磁性素子において、スポットspの中心に近い磁性素子ほど、第1強磁性層1の飽和磁化と体積との積を大きくしてもよい。
「第6実施形態」
図21は、第6実施形態に係る光検知素子205の一部の断面図である。第6実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。図21では、磁性素子60のそれぞれに接続された第1電極11及び第2電極12と、磁性素子60の周囲を被覆する絶縁層In1、In2、In3を同時に図示している。
光検知素子205は、複数の磁性素子60を有する。複数の磁性素子60は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
複数の磁性素子60のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。例えば、複数の磁性素子60は、第1磁性素子61と第2磁性素子62とを有する。第1磁性素子61と第2磁性素子62とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子61と第2磁性素子62とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。
第1磁性素子61は、第2磁性素子62と異なる階層にある。第1磁性素子61と光照射面S1との間には第1電極11があり、第2磁性素子62と光照射面S1との間には絶縁層In1及び第1電極11がある。光照射面S1は、磁性素子、電極及び絶縁層を含む光検知素子の光が照射される面である。光照射面S1は、それぞれの磁性素子60の照射面とは異なる。複数の磁性素子60の中には、第1磁性素子61及び第2磁性素子62のいずれとも異なる階層にあるものがあってもよい。
複数の磁性素子60のうちの少なくとも2つは、他の磁性素子60と積層方向から見て重ならない。例えば、第1磁性素子61及び第2磁性素子62は、積層方向から見て、他の磁性素子60と重ならない。当該構成を満たすと、光Lが他の磁性素子60に阻害されずに、第1磁性素子61及び第2磁性素子62に照射される。複数の磁性素子60のそれぞれは、他の磁性素子60と積層方向から見て重ならないことが好ましい。
第6実施形態に係る光検知素子205は、複数の磁性素子60が同じスポットsp内にあるため、第1実施形態に係る光検知素子200と同様に、SN比が大きい。
「第7実施形態」
図22は、第7実施形態に係る光検知素子206の一部の断面図である。図22に示す一例において、z方向から平面視した際に、3つの磁性素子70のそれぞれの中心とスポットspの中心との距離とは、同じである。第7実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。図22では、磁性素子70のそれぞれに接続された第1電極11及び第2電極12と、磁性素子70の周囲を被覆する絶縁層In1、In2、In3を同時に図示している。
光検知素子206は、複数の磁性素子70を有する。複数の磁性素子70は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
複数の磁性素子70のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。例えば、複数の磁性素子70は、第1磁性素子71と第2磁性素子72とを有する。第1磁性素子71と第2磁性素子72とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子71と第2磁性素子72とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。第1磁性素子71は、特許請求の範囲における第3磁性素子の一例である。第2磁性素子72は、特許請求の範囲における第4磁性素子の一例である。
第1磁性素子71は、第2磁性素子72と異なる階層にある。第1磁性素子71と光照射面S1との間には第1電極11があり、第2磁性素子72と光照射面S1との間には絶縁層In1及び第1電極11がある。第1磁性素子71と光照射面S1との間の第1電極11は、特許請求の範囲における第1中間層の一例である。第2磁性素子72と光照射面S1との間の絶縁層In1及び第1電極11は、特許請求の範囲における第2中間層の一例である。複数の磁性素子70の中には、第1磁性素子71とも第2磁性素子72とも異なる階層にある素子があってもよい。
第1磁性素子71は、第2磁性素子72より光Lの光照射面S1の近くにある。第2磁性素子72と光照射面S1との間の絶縁層In1及び第1電極11の総厚(第2中間層の厚み)は、第1磁性素子71と光照射面S1との間の第1電極11の厚み(第1中間層の厚み)より厚い。光照射面S1と第1磁性素子71との間の光Lの透過率は、光照射面S1と第2磁性素子72との間の光Lの透過率より高い。
第1磁性素子71と第2磁性素子72とは、第1強磁性層1の体積が異なる。第1磁性素子71は、第2磁性素子72より第1強磁性層1の体積が大きい。第1磁性素子71と第2磁性素子72とは、第1強磁性層1の体積が異なるため、光Lに対する感度が異なる。
図22に示す例は、z方向から見た際の第1強磁性層1の面積が異なるため、第1強磁性層1の体積が第1磁性素子71と第2磁性素子72とで異なる。図22に示す例では、第1強磁性層1の厚みは、第1磁性素子71と第2磁性素子72とで同じである。第1強磁性層1の体積は、z方向から見た際の面積に限らず、第1強磁性層1の厚みを異ならせることで異ならせてもよい。また複数の磁性素子70の中には、第1磁性素子71とも第2磁性素子72とも第1強磁性層1の体積が異なるものがあってもよい。例えば、複数の磁性素子70のそれぞれの第1強磁性層1の体積は、光Lの光照射面S1から離れた磁性素子70ほど小さくなってもよい。
それぞれの磁性素子70に照射される光強度は、光照射面S1から離れるほど小さくなる。第1強磁性層1の体積が相対的に大きい第1磁性素子71は、第2磁性素子72より高強度の光が照射されても出力が飽和しにくい(図15及び図16参照)。また第1強磁性層1の体積が相対的に小さい第2磁性素子72は、第1磁性素子71より光Lに対する感度が高い(図15及び図16参照)ため、照射される光の強度が第1磁性素子71より小さくても、第2磁性素子72からある程度の大きさの出力が得られる。このように、第7実施形態に係る光検知素子206では、光の強度の検知において第1磁性素子71からの出力と第2磁性素子72からの出力を共に有効に利用できるため、第7実施形態に係る光検知素子206はSN比が大きい。
「第8実施形態」
図23は、第8実施形態に係る光検知素子207の一部の断面図である。図23に示す一例において、z方向から平面視した際に、3つの磁性素子80のそれぞれの中心とスポットspの中心との距離とは、同じである。第8実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。図23では、磁性素子80のそれぞれに接続された第1電極11及び第2電極12と、磁性素子80の周囲を被覆する絶縁層In1、In2、In3を同時に図示している。
光検知素子207は、複数の磁性素子80を有する。複数の磁性素子80は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
複数の磁性素子80のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。例えば、複数の磁性素子80は、第1磁性素子81と第2磁性素子82とを有する。第1磁性素子81と第2磁性素子82とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子81と第2磁性素子82とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。第1磁性素子81は、特許請求の範囲における第3磁性素子の一例である。第2磁性素子82は、特許請求の範囲における第4磁性素子の一例である。
第1磁性素子81は、第2磁性素子82と異なる階層にある。第1磁性素子81と光照射面S1との間には第1電極11があり、第2磁性素子82と光照射面S1との間には絶縁層In1及び第1電極11がある。第1磁性素子81と光照射面S1との間の第1電極11は、特許請求の範囲における第1中間層の一例である。第2磁性素子82と光照射面S1との間の絶縁層In1及び第1電極11は、特許請求の範囲における第2中間層の一例である。複数の磁性素子80の中には、第1磁性素子81と第2磁性素子82とのいずれとも異なる階層にある素子があってもよい。
第1磁性素子81は、第2磁性素子82より光Lの光照射面S1の近くにある。第2磁性素子82と光照射面S1との間の絶縁層In1及び第1電極11の総厚(第2中間層の厚み)は、第1磁性素子81と光照射面S1との間の第1電極11の厚み(第1中間層の厚み)より厚い。光照射面S1と第1磁性素子81との間の光Lの透過率は、光照射面S1と第2磁性素子82との間の光Lの透過率より高い。
第1磁性素子81と第2磁性素子82とは、第1強磁性層1の飽和磁化が異なる。図23には、それぞれの磁性素子80の飽和磁化の一例を示した。図23に示す例では、磁性素子80の第1強磁性層1の飽和磁化は、光Lの光照射面S1から離れた磁性素子80ほど小さい。第1磁性素子81の第1強磁性層1の飽和磁化は、第2磁性素子82の第1強磁性層1の飽和磁化より大きい。
それぞれの磁性素子70に照射される光強度は、光照射面S1から離れるほど小さくなる。第1強磁性層1の飽和磁化が相対的に大きい第1磁性素子81は、第2磁性素子82より高強度の光が照射されても出力が飽和しにくい。また第1強磁性層1の飽和磁化が相対的に小さい第2磁性素子82は、第1磁性素子81より光Lに対する感度が高いため、照射される光の強度が第1磁性素子81より小さくても、第2磁性素子82からある程度の大きさの出力が得られる。このように、第8実施形態に係る光検知素子207では、光の強度の検知において第1磁性素子81からの出力と第2磁性素子82からの出力を共に有効に利用できるため、第8実施形態に係る光検知素子207はSN比が大きい。
ここで、第8実施形態に係る光検知素子207と第7実施形態に係る光検知素子206は、出力が飽和しにくい第1磁性素子71,81が相対的に光Lの光照射面S1の近くにあるという点で共通する。したがって、光検知素子206の特徴的な構成と、光検知素子207の特徴的な構成とを組み合わせて、複数の磁性素子の中のいずれかの素子の照射される光に対する感度を他の素子と異なるものとしてもよい。具体的には、スポットsp内に入るように配置された少なくとも2つの磁性素子において、光Lの光照射面S1に近い磁性素子ほど、第1強磁性層1の飽和磁化と体積との積を大きくしてもよい。
「第9実施形態」
図24は、第9実施形態に係る光検知素子208の一部の断面図である。第9実施形態において、第1実施形態と同様の構成は同様の符号を付し、説明を省く。図24では、磁性素子90のそれぞれに接続された第1電極11及び第2電極12と、磁性素子90の周囲を被覆する絶縁層In1、In2、In3を同時に図示している。また図24において、左側(-x側)ほどスポットspの中心に近い。
光検知素子208は、複数の磁性素子90を有する。複数の磁性素子90は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。
複数の磁性素子90のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。例えば、複数の磁性素子90は、第1磁性素子91と第2磁性素子92とを有する。第1磁性素子91と第2磁性素子92とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子91と第2磁性素子92とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。第1磁性素子91は、特許請求の範囲における第5磁性素子の一例である。第2磁性素子92は、特許請求の範囲における第6磁性素子の一例である。
第1磁性素子91は、第2磁性素子92よりスポットspの中心側にある。第1磁性素子91は、第2磁性素子92と異なる階層にある。第1磁性素子91と光照射面S1との間には絶縁層In1、絶縁層In2及び第1電極11があり、第2磁性素子92と光照射面S1との間には絶縁層In1及び第1電極11がある。第1磁性素子91と光照射面S1との間の絶縁層In1、絶縁層In2及び第1電極11は、特許請求の範囲における第3中間層の一例である。第2磁性素子92と光照射面S1との間の絶縁層In1及び第1電極11は、特許請求の範囲における第4中間層の一例である。複数の磁性素子90の中には、第1磁性素子91と第2磁性素子92とのいずれとも異なる階層にある素子があってもよい。
第2磁性素子92は、第1磁性素子91より光Lの光照射面S1の近くにある。第1磁性素子91と光照射面S1との間の絶縁層In1、絶縁層In2及び第1電極11の総厚(第3中間層の厚み)は、第2磁性素子92と光照射面S1との間の絶縁層In1及び第1電極11の総厚(第4中間層の厚み)より厚い。第4中間層は、第3中間層より光Lの透過率が高い。図24に示す例では、磁性素子90は、スポットspの中心から離れた磁性素子90ほど光Lの光照射面S1の近くにある。また、図24に示す例では、第1磁性素子91と第2磁性素子92とで、第1強磁性層1の体積及び第1強磁性層1の飽和磁化は同じである。
光照射面S1における光強度は、スポットspの中心ほど大きい。第9実施形態に係る光検知素子208は、スポットspの中心から相対的に離れた第2磁性素子92が、第1磁性素子91よりも光Lの光照射面S1との間の光Lの透過率が高くなっている。当該構成を満たすと、光強度の弱いスポットspの外周側に配置された磁性素子90にも十分な強度の光Lを照射することができる。従って、第1磁性素子91と第2磁性素子92に照射される光強度のバラツキを小さくできる。これにより、第1磁性素子91と第2磁性素子92の両方について、出力を飽和させずにある程度の出力を得ることができる。つまり、第9実施形態に係る光検知素子208では、光の強度の検知において第1磁性素子91からの出力と第2磁性素子92からの出力を共に有効に利用できるため、第9実施形態に係る光検知素子208はSN比が大きい。
第9実施形態の一例について詳述したが、第9実施形態はこの例に限られない。
(第1変形例)
例えば、図25は、第9実施形態の第1変形例にかかる光検知素子208Aの一部の断面図である。図25において、左側(-x側)ほどスポットspの中心に近い。
光検知素子208Aは、複数の磁性素子100と保護膜105とを有する。複数の磁性素子100は、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。複数の磁性素子100のそれぞれは、磁性素子10と同様の層構成を有する。例えば、複数の磁性素子100は、第1磁性素子101と第2磁性素子102とを有する。第1磁性素子101と第2磁性素子102とは、照射される光Lのスポットsp内に入るように配置されている。第1磁性素子101と第2磁性素子102とは、例えば、互いに直列又は並列に電気的に接続されている。第1磁性素子101は、特許請求の範囲における第5磁性素子の一例である。第2磁性素子102は、特許請求の範囲における第6磁性素子の一例である。第1磁性素子101は、第2磁性素子102よりスポットspの中心側にある。
図25に示す例において、保護膜105は、スポットspの中心に近いほどその厚みが厚い。保護膜105は、例えば、光照射面S1がxy平面に対して傾斜している。保護膜105の光照射面S1は、階段状でもよい。第1磁性素子101と光照射面S1との間の保護層105及び第1電極11は、特許請求の範囲における第3中間層の一例である。第2磁性素子102と光照射面S1との間の保護層105及び第1電極11は、特許請求の範囲における第4中間層の一例である。第4中間層は、第3中間層より光Lの透過率が高い。
光検知素子208Aにおいて、スポットspの中心から相対的に離れた第2磁性素子102が、第1磁性素子101よりも光Lの光照射面S1との間の光Lの透過率が高くなっている。したがって、第1磁性素子101と第2磁性素子102に照射される光強度のバラツキを小さくできる。
(第2変形例)
例えば、図26は、第9実施形態の第2変形例にかかる光検知素子208Bの一部の断面図である。図26において、左側(-x側)ほどスポットspの中心に近い。図26において図25と同様の構成には、同様の符号を付す。
光検知素子208Bは、誘電膜106、107、108を有する。誘電膜106、107、108の材料は、例えば、金属元素または半金属元素を1種以上含む酸化物、窒化物または酸窒化物である。より具体的には、誘電膜106、107、108の材料は、例えば、Al、Si、Ta、In、Hf、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Zr、Nb、Mg、B、Pb、Ca、LaおよびGeからなる群から選ばれる元素を1種以上含む酸化物、窒化物または酸窒化物である。誘電膜106は、第1磁性素子101上にある。誘電膜107は、第2磁性素子102上にある。誘電膜108は、第3磁性素子103上にある。誘電膜106は、誘電膜107より光Lの透過率が低い。誘電膜107は、誘電膜108より光Lの透過率が低い。誘電膜の光Lの透過率は、例えば、誘電体の材料によって異ならせることができる。また、誘電体に添加する添加物の量を異ならせて、誘電膜の光Lの透過率を異ならせることもできる。一例として、誘電膜106の材料が酸化ハフニウム(HfO)であり、誘電膜107の材料が酸化アルミニウム(Al)であり、誘電膜108の材料が酸化ケイ素(SiO)である組合せが挙げられる。この場合、例えば波長500nmの光に対する透過率は、酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)の順に低いので、光Lの波長が500nmの場合、誘電膜106は誘電膜107より光Lの透過率が低くなり、誘電膜107は誘電膜108より光Lの透過率が低くなる。
光検知素子208Bにおいて、スポットspの中心から相対的に離れた第2磁性素子102が、第1磁性素子101よりも光Lの光照射面S1との間の光Lの透過率は高い。したがって、第1磁性素子101と第2磁性素子102に照射される光強度のバラツキを小さくできる。
(第3変形例)
例えば、図27は、第9実施形態の第3変形例にかかる光検知素子208Cの一部の断面図である。図27において、左側(-x側)ほどスポットspの中心に近い。図27において図25と同様の構成には、同様の符号を付す。
光検知素子208Cは、第1電極11A、11B、11Cのそれぞれの光Lの透過率が互いに異なる。第1電極11Aは、第1電極11Bより光Lの透過率が低い。第1電極11Bは、第1電極11Cより光Lの透過率が低い。第1電極の透過率は、例えば、第1電極の組成を異ならせることで異ならせることができる。例えば、第1電極の材料として酸化インジウムスズ(ITO)を用いた場合、インジウムに対するスズの組成比を大きくすることで、光の透過率を大きくすることができる。
光検知素子208Cにおいて、スポットspの中心から相対的に離れた第2磁性素子102が、第1磁性素子101よりも光Lの光照射面S1との間の光Lの透過率は高い。したがって、第1磁性素子101と第2磁性素子102に照射される光強度のバラツキを小さくできる。
以上、本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記の実施形態及び変形例の特徴的な構成をそれぞれ組み合わせてもよい。
上記の実施形態及び変形例にかかる光検知素子は、イメージセンサー等の光センサー装置、通信システムの送受信装置等に適用できる。
図28は、第1適用例にかかる送受信装置1000のブロック図である。送受信装置1000は、受信装置300と送信装置400とを備える。受信装置300は光信号L1を受信し、送信装置400は光信号L2を送信する。
受信装置300は、例えば、光検知素子301と信号処理部302とを備える。光検知素子301は、上述の実施形態又は変形例のいずれかの光検知素子である。受信装置300において、複数の磁性素子の第1強磁性層1には、高周波の光信号L1を含み強度変化する光が照射される。光検知素子301は、光信号L1を電気信号に変換する。光検知素子301の動作は、第1動作例、第2動作例のいずれでもよい。信号処理部302は、光検知素子301で変換した電気信号を処理する。信号処理部302は、光検知素子301から生じる電気信号を処理することにより、光信号L1に含まれる信号を受信する。受信装置300は、光信号L1に含まれる信号を、例えば複数の磁性素子の合成出力電圧に基づいて受信する。
送信装置400は、例えば、光源401と電気信号生成素子402と光変調素子403とを備える。光源401は、例えば、レーザー素子である。光源401は、送信装置400の外部にあってもよい。電気信号生成素子402は、送信情報に基づき電気信号を生成する。電気信号生成素子402は、信号処理部302の信号変換素子と一体となっていてもよい。光変調素子403は、電気信号生成素子402で生成された電気信号に基づき、光源401から出力された光を変調し、光信号L2を出力する。
図29は、通信システムの一例の概念図である。図29に示す通信システムは、2つの端末装置500を有する。端末装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。
端末装置500のそれぞれは、受信装置300と送信装置400とを備える。一方の端末装置500の送信装置400から送信された光信号を、他方の端末装置500の受信装置300で受信する。端末装置500間の送受信に使用される光は、例えば可視光である。受信装置300は、光検知素子301として上述の光検知素子を有する。上述の光検知素子はSN比が優れるため図29に示す通信システムは信頼性が高い。
図30は、第2適用例に係る光センサー装置2000の断面の概念図である。光センサー装置2000は、例えば、回路基板120と配線層130と複数の光センサーSとを有する。配線層130及び複数の光センサーSのそれぞれは、回路基板120上に形成されている。
複数の光センサーSのそれぞれは、例えば、光検知素子200と波長フィルターFとレンズRとを有する。図30では光検知素子200を用いる例を示したが、別の実施形態及び変形例にかかる光検知素子を用いてもよい。光検知素子200には、波長フィルターFを透過した光が照射される。光検知素子200は、上述のように、複数の磁性素子10に照射された光を電気信号に置換する。光検知素子200は、第2動作例で動作することが好ましい。
波長フィルターFは、特定の波長の光を選別して特定の波長域の光を透過させる。それぞれの波長フィルターFが透過させる光の波長域は、同じでも異なってもよい。例えば、光センサー装置2000は、青色(380nm以上490nm未満の波長域)を透過させる波長フィルターFを有する光センサーS(以下、青色センサーと称する。)と、緑色(490nm以上590nm未満の波長域)を透過させる波長フィルターFを有する光センサーS(以下、緑色センサーと称する。)と、赤色(590nm以上800nm未満の波長域)を透過させる波長フィルターFを有する光センサーS(以下、赤色センサーと称する。)と、を有してもよい。青色センサー、緑色センサー、赤色センサーを1画素とし、この画素を配列することで、光センサー装置2000をイメージセンサーとして用いることができる。
レンズRは、光を複数の磁性素子10に向かって集光する。一つの波長フィルターFの下方に複数の光検知素子200が配置されている。
回路基板120は、例えば、アナログデジタル変換器121と出力端子122とを有する。光センサーSから送られた電気信号は、アナログデジタル変換器121でデジタルデータに置換され、出力端子122から出力される。
配線層130は、複数の配線131を有する。複数の配線131の間には、層間絶縁膜132がある。配線131は、光センサーSのそれぞれと回路基板120との間、回路基板120に形成された各演算回路の間を電気的に繋ぐ。光センサーSのそれぞれと回路基板120とは、例えば、層間絶縁膜132をz方向に貫通する貫通配線を介して接続される。光センサーSのそれぞれと回路基板120との間の配線間距離を短くすることで、ノイズを低減できる。
配線131は、導電性を有する。配線131は、例えば、Al、Cu等である。層間絶縁膜132は、多層配線の配線間や素子間を絶縁する絶縁体である。層間絶縁膜132は、例えば、Si、Al、Mgの酸化物、窒化物、酸窒化物である。層間絶縁膜132は、例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化クロム、炭窒化ケイ素(SiCN)、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)等である。
上述の光センサー装置2000は、例えば、端末装置に用いることができる。図31は、端末装置600の一例の模式図である。図31の左は端末装置600の表面であり、図31の右は端末装置600の裏面である。端末装置600は、カメラCAを有する。上述の光センサー装置2000は、このカメラCAの撮像素子に用いることができる。図31では、端末装置600の一例として、スマートフォンを例示したが、この場合に限られない。端末装置600は、スマートフォン以外に、例えば、タブレット、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等である。
1…第1強磁性層、2…第2強磁性層、3…スペーサ層、10,20,30,40,50,60,70,80,90,100…磁性素子、21,31,41,51,61,71,81,91,101…第1磁性素子、22,32,42,52,62,72,82,92,102…第2磁性素子、11,11A,11B,11C…第1電極、12…第2電極、105…保護膜、106,107,108…誘電膜、200,200A,200B,200C,201,202,203,204,205,206,207,208,208A,208B,208C…光検知素子、120…回路基板、121…アナログデジタル変換器、122…出力端子、130…配線層、131…配線、132…層間絶縁膜、300…受信装置、301…光検知素子、302…信号処理部、400…送信装置、401…光源、402…電気信号生成素子、403…光変調素子、500,600…端末装置、1000…送受信装置、2000…光センサー装置、CA…カメラ、F…波長フィルター、R…レンズ、S…光センサー

Claims (10)

  1. 複数の磁性素子を備え、
    前記複数の磁性素子のそれぞれは、光が照射される第1強磁性層と、第2強磁性層と、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに挟まれるスペーサ層と、を備え、
    前記複数の磁性素子のうちの少なくとも2つは、照射される前記光のスポット内に入るように配置されている、光検知素子。
  2. 前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第1磁性素子と第2磁性素子とを有し、
    前記第1磁性素子と前記第2磁性素子とは、前記第1強磁性層の体積が互いに異なる、請求項1に記載の光検知素子。
  3. 前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記スポットの中心側にあり、
    前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記第1強磁性層の体積が大きい、請求項2に記載の光検知素子。
  4. 前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第1磁性素子と第2磁性素子とを有し、
    前記第1磁性素子と前記第2磁性素子とは、前記第1強磁性層の飽和磁化が互いに異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の光検知素子。
  5. 前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記スポットの中心側にあり、
    前記第1磁性素子は、前記第2磁性素子より前記第1強磁性層の飽和磁化が大きい、請求項4に記載の光検知素子。
  6. 前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第3磁性素子と第4磁性素子とを有し、
    前記第3磁性素子の前記第1強磁性層と前記光検知素子の前記光が照射される側の面である光照射面との間に第1中間層をさらに有し、
    前記第4磁性素子の前記第1強磁性層と前記光照射面との間に第2中間層をさらに有し、
    前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記光照射面の近くにあり、
    前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記第1強磁性層の体積が大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載の光検知素子。
  7. 前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第3磁性素子と第4磁性素子とを有し、
    前記第3磁性素子の前記第1強磁性層と前記光検知素子の前記光が照射される側の面である光照射面との間に第1中間層をさらに有し、
    前記第4磁性素子の前記第1強磁性層と前記光照射面との間に第2中間層をさらに有し、
    前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記光照射面の近くにあり、
    前記第3磁性素子は、前記第4磁性素子より前記第1強磁性層の飽和磁化が大きい、請求項1~6のいずれか一項に記載の光検知素子。
  8. 前記複数の磁性素子は、前記スポット内に入るように配置された第5磁性素子と第6磁性素子とを有し、
    前記第5磁性素子は、前記第6磁性素子より前記スポットの中心側にあり、
    前記第5磁性素子の前記第1強磁性層と前記光検知素子の前記光が照射される側の面である光照射面との間に第3中間層をさらに有し、
    前記第6磁性素子の前記第1強磁性層と前記光照射面との間に第4中間層をさらに有し、
    前記第4中間層は、前記第3中間層より前記光の透過率が高い、請求項1~7のいずれか一項に記載の光検知素子。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の光検知素子を有する受信装置。
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載の光検知素子を有する光センサー装置。
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