JP2023146707A - 塗装方法、及び、塗膜積層体 - Google Patents

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Hiroyuki Kadokawa
道彦 松原
Michihiko Matsubara
進 藤田
Susumu Fujita
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楓子 小林
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Abstract

【課題】本発明は、金属繊維を含有するコンクリート素地に対して、錆の発生を抑え、長期にわたり美観性が保持可能な塗膜を形成することができる塗装方法、及び、前記塗装方法により得られる塗膜積層体を提供する。【解決手段】本発明の塗装方法は、コンクリート素地に対する塗装方法であって、前記コンクリート素地は、金属繊維を含むものであり、前記コンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成した後、仕上材を塗装して仕上材層を形成することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート素地に対する塗装方法、及び、前記塗装方法により得られる塗膜積層体に関する。
従来、建築物の外壁を構成する材料として、プレキャストコンクリート板等のコンクリート系材料が使用されている。
このようなコンクリート系材料においては、その表面に塗装を施し、美観性を付与することも行われている。例えば、特許文献1には、コンクリート面に対し、透水防止剤、下地調整剤、フィラー、上塗り塗料等を用いて塗装を行うことが開示されている。
一方、コンクリート系材料の強度等を高めるため、セメントや無機粉末等を含むセメント組成物に、金属繊維を混入して硬化させることが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2008-88018号公報 特開2017-100888号公報
しかしながら、特許文献2のような金属繊維を含有するセメント組成物系材料の表面に塗装すると、経時的に錆が発生し、塗膜の美観性が損われるおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、金属繊維を含有するコンクリート素地に対して、錆の発生を抑え、長期にわたり美観性が保持可能な塗膜を形成することができる塗装方法、及び、前記塗装方法により得られる塗膜積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、金属繊維を含むコンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成した後、仕上材を塗装して仕上材層を形成する塗装方法を用いることで、錆の発生を抑制でき、長期にわたり美観性を保持することができる塗膜積層体を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、コンクリート素地に対する塗装方法であって、前記コンクリート素地は、金属繊維を含むものであり、前記コンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成した後、仕上材を塗装して仕上材層を形成することを特徴とする塗装方法に関する。
本発明の塗装方法は、前記コンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成した後、前記仕上材を塗装して仕上材層を形成する前に、前記下塗材層表面の巣穴に対して、パテ処理を行うことが好ましい。
本発明は、前記塗装方法によって得られることを特徴とする塗膜積層体に関する。
本発明の塗装方法によれば、金属繊維を含有するコンクリート素地に対して、錆の発生を抑制でき、長期にわたり美観性を保持することができる塗膜を形成した塗膜積層体を得ることができ、有用である。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
[コンクリート素地]
本発明の塗装方法は、コンクリート素地に対する塗装方法であって、前記コンクリート素地は、金属繊維を含むものであることを特徴とする。前記コンクリート素地が、金属繊維を含むことで、コンクリート素地としての強度(圧縮強度、曲げ強度、ひび割れ強度等)や耐久性等に優れ、有用となる。
前記コンクリート素地としては、金属繊維を含むことを特徴とする。このようなコンクリート素地は、セメント、骨材、混和剤、金属繊維、及び水等の混練物を硬化させることによって得られるものであり、金属繊維の作用により、強度、耐久性等を高めることができる。このようなコンクリート素地としては、例えば、金属繊維含有プレキャストコンクリート等が挙げられる。
前記金属繊維としては、例えば、鋼繊維、メッキ鋼繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
前記金属繊維の長さは2~80mmが好ましく、前記金属繊維の直径は0.01~1mmが好ましく、アスペクト比(金属繊維の長さ/金属繊維の直径)は10~200であることが好ましい。また、前記コンクリート素地における前記金属繊維の含有比率は、好ましくは0.1~10質量%である。
前記コンクリート素地は、さらに有機繊維を含むものであってもよい。前記有機繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、エチレンビニルアルコール共重合体繊維、ナイロン繊維、セルロース繊維、ポリアセタール繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、水性ビニロン繊維、及び、ジュート繊維等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
[下塗材層]
本発明の塗装方法は、前記コンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成することを特徴とする。前記防錆性下塗材は、コンクリート素地中の金属繊維に起因する錆の発生を抑制する役割を担うものである。
前記防錆性下塗材としては、樹脂、及び、防錆剤を含むものが使用できる。前記樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。このような樹脂の形態としては、例えば、水溶性樹脂、水分散性樹脂(樹脂エマルション)、溶剤可溶形樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散形樹脂、粉末樹脂等が挙げられる。また、これら樹脂は架橋反応性を有するものであってもよい。
前記防錆性下塗材における樹脂としては、特に、前記エポキシ樹脂が好適である。前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラック型ビスフェノールFエポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グシシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ブタジエン系エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、チオール系エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリオール変性エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
前記エポキシ樹脂を前記防錆性下塗材に使用する場合、硬化剤としてアミン硬化剤を使用することができる。前記アミン硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環状ポリアミン、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドアミン、脂環式ポリアミドアミン、芳香族ポリアミドアミン等のポリアミン化合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
前記防錆剤としては、市販または公知の材料を使用することができる。具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸マンガン、リン酸カルシウム等のリン酸系防錆剤、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ストロンチウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸チタニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩系防錆剤、亜リン酸亜鉛、亜リン酸鉄、亜リン酸アルミニウム等の亜リン酸系防錆剤、モリブデン酸カルシウム、モリンブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウム等のモリブデン酸系防錆剤、酸化バナジウム等のバナジウム系防錆剤、ストロンチウムクロメート、ジンクロメート、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリウムクロメート等のクロメート系防錆剤等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
前記防錆剤は、前記樹脂(固形分)100質量部に対して、好ましくは1~150質量部、より好ましくは5~100質量部の比率で混合することができる。防錆剤の比率が前記範囲内であれば、コンクリート素地中の金属繊維に起因する錆発生の抑制効果を十分に得ることができる。
前記防錆性下塗材には、前記成分の他、例えば、着色顔料、体質顔料、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、湿潤剤、顔料分散剤、界面活性剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、触媒、硬化促進剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を、本発明の効果が著しく阻害されない範囲内で混合することができる。
前記下塗材層は、上述のような防錆性下塗材を塗装(塗付)、乾燥することにより形成することができる。
前記塗装(塗付)する方法としては、例えば、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を適宜採用すればよい。乾燥は、常温(好ましくは0~40℃)で行えばよく、必要に応じ加温して行うこともできる。
前記防錆性下塗材の塗付け量は、好ましくは0.05~0.5kg/m、より好ましくは0.08~0.3kg/mである。
本発明の塗装方法は、前記コンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成した後、前記仕上材を塗装して仕上材層を形成する前に、前記下塗材層表面の巣穴に対して、パテ処理を行うことが好ましい。このようなパテ処理を行うことにより、コンクリート素地中の金属繊維に起因する錆の発生を抑制する効果をいっそう高めることができる。前記パテ処理は、下塗材層表面の巣穴に対し、パテ材を充填することにより行うことができる。
前記パテ材としては、各種樹脂を主成分として使用でき、例えば、シリコーン系パテ材、変性シリコーン系パテ材、ポリサルファイド系パテ材、変性ポリサルファイド系パテ材、エポキシ系パテ材、アクリルウレタン系パテ材、ポリウレタン系パテ材、アクリル系パテ材、SBR系パテ材、ブチルゴム系パテ材等が使用できる。
前記パテ材としては、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ系パテ材を用いることが好適である。このようなエポキシ系パテ材では、硬化剤としてアミン硬化剤を使用することができる。前記エポキシ樹脂、及び、前記アミン硬化剤としては、前記防錆性下塗材で例示したものと同様のものを使用することができる。
前記パテ材としては、前記各種樹脂に加えて、充填剤や着色顔料等を含むものが使用することができる。
前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、カオリン、ゼオライト、珪藻土等が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
前記充填剤の比率は、前記樹脂100質量部(固形分)に対して、好ましくは50~400質量部、より好ましくは80~300質量部である。充填剤の比率が前記範囲内であれば、作業性、耐発錆性等の点で好適である。
前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、鉄-クロム複合酸化物、マンガン-ビスマス複合酸化物、マンガン-イットリウム複合酸化物、鉄-マンガン複合酸化物、鉄-銅-マンガン複合酸化物、鉄-クロム-コバルト複合酸化物、銅-クロム複合酸化物、銅-マンガン-クロム複合酸化物、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。これら着色顔料の1種または2種以上を適宜選定して使用することにより、パテ材の色調を設定することができる。
前記パテ材の色調は、下塗材の色調とは異なることが望ましい。これにより、パテ材の処理を確実に行うことができ、耐発錆性の点でも好適である。
前記パテ材と前記下塗材との色差(△E)は、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上である。具体的には、標準白紙に、前記パテ材と前記下塗材のそれぞれを塗付け量0.2kg/mで塗装し、塗面を水平に置いて、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で48時間乾燥したときの被膜のL値、a値、b値(測定点3箇所の平均値)より、下記式にて算出することができる。L値、a値、b値は、CIE(国際照明委員会)1976(JIS Z8729)のL表色におけるL値、a値、b値であり、色彩色差計を用いて測定することができる。
<式>△E={(L -L +(a -a +(b -b 0.5
(式中、L 、a 、b はそれぞれ防錆性下塗材のL、a、bを示し、L 、a 、b はそれぞれパテ材のL、a、bを示す。)
前記パテ材を巣穴に充填する際には、へら等を用いることができる。前記パテ処理は、少なくとも下塗材層表面の巣穴を対象に行えばよいが、下塗材層の表面全体を対象に行うこともできる。
本発明では、前記防錆性下塗材の塗装により、コンクリート素材の表面状態に起因する巣穴が顕在化しやすくなる。そのため、前記パテ処理の対象となる巣穴が特定しやすくなり、効率良くパテ処理を行うことができ、耐発錆性の点でも好適である。
前記パテ材の使用量は、巣穴の状態等により、適宜設定すればよいが、好ましくは0.2kg/m以下、より好ましくは0.01~0.1kg/mである。
[仕上材層]
本発明の塗装方法では、下塗材層に対して、仕上材を塗装して仕上材層を形成することを特徴とする。このような仕上材の塗装により、所望の色彩を付与することができるとともに、コンクリート素地中の金属繊維に起因する錆発生の抑制効果が高まり、長期にわたり美観性を保持することができる。さらに、防水性、耐候性、耐汚染性等の物性を高めることもできる。
前記仕上材としては、例えば、樹脂、及び顔料を含むものが使用できる。前記仕上材における樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合樹脂等が挙げられる。このような樹脂の形態としては、例えば、水溶性樹脂、水分散性樹脂(樹脂エマルション)、溶剤可溶形樹脂、無溶剤形樹脂、非水分散形樹脂、粉末樹脂等が挙げられ、この中でも、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶形樹脂、非水分散形樹脂から選ばれる1種以上が好適である。また、これら樹脂は架橋反応性を有するものであってもよい。
前記顔料としては、着色顔料、及び/又は、体質顔料を使用することができる。
前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄、鉄-クロム複合酸化物、マンガン-ビスマス複合酸化物、マンガン-イットリウム複合酸化物、鉄-マンガン複合酸化物、鉄-銅-マンガン複合酸化物、鉄-クロム-コバルト複合酸化物、銅-クロム複合酸化物、銅-マンガン-クロム複合酸化物、べんがら、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、パーマネントカーミン、アントラキノンレッド、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ベンツイミダゾロンイエロー、クロムグリーン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット、アルミニウム顔料、パール顔料等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
前記体質顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
前記仕上材は、本発明の効果が著しく損われない範囲内であれば、前記成分以外の各種成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、カップリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、体質顔料、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、繊維、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、低汚染化剤、親水化剤、撥水剤、触媒、溶剤、水等が挙げられる。
前記仕上材は、前記樹脂、前記顔料、及び、必要に応じ上述の各種成分を常法によって均一に混合することで製造することができる。また、前記仕上材の形態は、例えば、1液型、2液型、またはそれ以上の多液型とすることができる。
前記仕上材としては、1種または2種以上の仕上材が使用できる。このような仕上材としては、例えば、主材、中塗材、上塗材等が挙げられる。
前記上塗材は、仕上材層の表面側で塗膜を形成するものであり、色彩付与の役割を担い、耐候性、耐汚染性等の物性を発揮するものである。
前記上塗材の樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる1種または2種以上が好適である。
前記上塗材としては、顔料として着色顔料を含むものが好ましい。これにより、所望の色彩を付与することができる。
前記上塗材における着色顔料の比率は、樹脂固形分100質量部に対して、好ましくは1~500質量部、より好ましくは5~200質量部、さらに好ましくは10~150質量部である。着色顔料の比率がこのような範囲内であれば、色彩付与、耐候性等の点で好適である。
前記上塗材としては、水に対する接触角が70°以下となる塗膜を形成するものが、耐汚染性等の点で好ましい。このような上塗材は、例えば、低汚染化剤、親水化剤等の配合により得ることができる。
前記上塗材の光沢(艶)の程度は、適宜設定することができ、例えば、艶有り、7分艶、5分艶、3分艶、艶消し等の艶を呈するものが使用できる。
前記上塗材の60°鏡面光沢度としては、好ましくは15超、より好ましくは20以上である。このような上塗材は、耐発錆性等の点で好適である。上塗材の鏡面光沢度は、ガラス板に、すきま150μmのフィルムアプリケータを用いて上塗材を塗り、塗面を水平に置いて標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で48時間乾燥したときの鏡面光沢度(測定角度60度、測定点10箇所の平均値)を測定することによって得られる値である。
前記中塗材は、前記上塗材の下方で塗膜を形成するものであり、密着性、隠蔽性等の向上化に寄与するものである。例えば、上塗材としてフッ素樹脂系上塗材を使用する場合、中塗材として、アクリル樹脂系中塗材、ウレタン樹脂系中塗材等を使用することができる。
前記主材は、前記下塗材層の表面側に塗膜を形成するものであり、防水性、下地追従性、密着性、強度等の物性向上化に寄与するものであり、前記主材は、少なくとも、樹脂、及び、顔料を含有するものを用いることができる。
前記主材の樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂等から選ばれる1種または2種以上が好適である。主材の樹脂としては、錆抑制効果、防水性、下地追従性等の点から、特に可とう性エポキシ樹脂が好ましい。
前記可とう性エポキシ樹脂としては、例えば、脂肪族変性エポキシ樹脂、ブタジエン系エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、チオール系エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリオール変性エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。この中でも、ウレタン変性エポキシ樹脂が好適である。
前記主材の顔料としては、体質顔料を含むものが好ましい。前記主材における体質顔料の比率は、防水性、下地追従性、密着性、強度等の点から、樹脂固形分100質量部に対し、好ましくは30~500質量部、より好ましくは50~400質量部である。
前記主材は、顔料として体質顔料に加え着色顔料を含むこともできる。主材の顔料容積濃度は、好ましくは10~70%、より好ましくは20~60%である。このような顔料容積濃度であれば、防水性、下地追従性、密着性、強度等の点で好適である。
本発明では、前記仕上材(例えば、主材、中塗材、上塗材等)を塗装することにより、仕上材層を形成することができ、具体的には、以下の方法を採用することができる。
(1)仕上材として上塗材のみを塗装して仕上材層を形成する。
(2)仕上材として、中塗材、及び上塗材を塗装して仕上材層を形成する。
(3)仕上材として、主材、及び上塗材を塗装して仕上材層を形成する。
(4)仕上材として、主材、中塗材、及び上塗材を塗装して仕上材層を形成する。
前記仕上材の塗装においては、公知の塗装器具を用いることができる。前記塗装器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛等を使用することができる。
前記仕上材の塗付け量は、仕上材の種類や塗装器具の種類等に応じて適宜設定すればよいが、上塗材や中塗材については、好ましくは0.05~0.5kg/m、より好ましくは0.08~0.4kg/mの範囲内とすることができ、主材については、好ましくは0.1~4kg/m、より好ましくは0.2~3kg/mの範囲内とすることができる。
前記仕上材の塗装時には、必要に応じ、前記仕上材を適宜希釈することもできる。また、前記仕上材の乾燥は、常温(好ましくは0~40℃)で行えばよく、必要に応じて、加温して行うこともできる。
本発明において、仕上材層は弾性を有することが望ましい。仕上材層が弾性を有することにより、コンクリート素地中の金属繊維に起因する錆発生の抑制効果がいっそう高まり、長期にわたり美観性を十分に保持することができる。さらに、防水性、下地追従性等の物性を一段と高めることもできる。
前記仕上材層が弾性を有する場合、仕上材層の伸び率は、30~500%であることが好ましく、50~300%であることがより好ましい。なお、伸び率は、JIS A6909「7.29伸び試験」の「20℃時の伸び試験」の方法によって測定した値(20℃時の伸び率)である。
[塗膜積層体]
本発明は、前記塗装方法により、コンクリート素地に対する塗膜積層体を得ることを特徴とする。このような塗膜積層体では、コンクリート素地中の金属繊維に起因する錆の発生を抑制することができ、長期にわたり美観性を保持することができる。
前記塗膜積層体を構成する塗装塗膜層としては、その平均乾燥膜厚(下塗材層及び仕上材層の合計乾燥膜厚の平均値)は、特に限定されないが、好ましくは100μm未満、より好ましくは40~99μm、さらに好ましくは50~98μmとすることができる。本発明では、防錆性下塗材等の作用により、このように比較的薄い膜厚であっても耐発錆性の効果を得ることができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。なお、本発明は、ここでの実施例に制限されるものではない。
コンクリート素地、下塗材、パテ材、中塗材、及び、上塗材として、以下のものを用意した。
[コンクリート素地]
・素地1;金属繊維含有プレキャストコンクリート
・素地2:プレキャストコンクリート(金属繊維を含まない)
[下塗材]
・下塗材1:防錆性溶剤系下塗材(可溶型エポキシ樹脂、防錆剤、着色顔料、体質顔料、及び芳香族系溶剤を主成分とする主剤と、アミン硬化剤からなる2液型エポキシ樹脂防錆下塗材。色調:赤褐色。防錆剤比率:樹脂固形分100質量部に対して28質量部。)
・下塗材2:防錆性水性下塗材(エポキシ樹脂エマルション、防錆剤、着色顔料、体質顔料、及び水を主成分とする主剤と、アミン硬化剤からなる2液型エポキシ樹脂防錆下塗材。色調:赤褐色。防錆剤比率:樹脂固形分100質量部に対して15質量部。)
・下塗材3:溶剤系下塗材(可溶型エポキシ樹脂、着色顔料、体質顔料、及び芳香族系溶剤を主成分とする主剤と、アミン硬化剤からなる2液型エポキシ樹脂下塗材。色調:赤褐色。)
・下塗材4:水性下塗材(エポキシ樹脂エマルション、着色顔料、体質顔料、及び水を主成分とする主剤と、アミン硬化剤からなる2液型エポキシ樹脂下塗材。色調:赤褐色。)
[パテ材]
・パテ1:エポキシ樹脂パテ材(エポキシ樹脂、充填剤、着色顔料、及び芳香族系溶剤を主成分とする主剤と、アミン硬化剤からなる2液型エポキシ樹脂パテ材。色調:灰色。充填剤比率:樹脂固形分100質量部に対して150質量部。)
[中塗材]
・中塗材1:溶剤系中塗材(可溶型ポリオール、着色顔料、及び芳香族系溶剤を主成分とする主剤と、ポリイソシアネート硬化剤からなる2液型ウレタン樹脂中塗材)
・中塗材2:水性中塗材(アクリルウレタン樹脂エマルション、着色顔料、及び水を主成分とする1液型ウレタン樹脂中塗材)
[上塗材]
・上塗材1:溶剤系上塗材(可溶型フッ素ポリオール、着色顔料、及び芳香族系溶剤を主成分とする主剤と、ポリイソシアネート、及びシリケート化合物を主成分とする硬化剤からなる2液型フッ素樹脂上塗材。60°鏡面光沢度82。)
・上塗材2:水性上塗材(フッ素樹脂エマルション、着色顔料、及び水を主成分とする主剤と、シリケート化合物を主成分とする硬化剤からなる2液型フッ素樹脂上塗材。60°鏡面光沢度80。)
(実施例1)
素地1に対して、下塗材1を塗付け量0.12kg/mにてスプレー塗装し、24時間乾燥させて、下塗材層を形成した。この下塗材層に対し、中塗材1を塗付け量0.1kg/mにてスプレー塗装し、24時間乾燥後、上塗材1を塗付け量0.1kg/mにてスプレー塗装し、168時間乾燥させて、仕上材層を形成した。塗装塗膜層の平均乾燥膜厚は80μmであった。
(実施例2)
素地1に対して、下塗材1を塗付け量0.12kg/mにてスプレー塗装し、24時間乾燥させて、下塗材層を形成した。次いで、下塗材層の表面に存在する巣穴にパテ1(下塗材1との色差30)をヘラにて充填した。24時間乾燥後、この下塗材層に対し、中塗材1を塗付け量0.1kg/mにてスプレー塗装し、24時間乾燥後、上塗材1を塗付け量0.1kg/mにてスプレー塗装し、168時間乾燥させて、仕上材層を形成した。塗装塗膜層の平均乾燥膜厚は80μmであった。
(実施例3)
下塗材、中塗材、上塗材として、それぞれ下塗材2、中塗材2、上塗材2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した(塗装塗膜層の平均乾燥膜厚80μm)。
(実施例4)
下塗材、中塗材、上塗材として、それぞれ下塗材2、中塗材2、上塗材2を使用した以外は、実施例2と同様の方法で試験体を作製した(下塗材2とパテ材1との色差28、塗装塗膜層の平均乾燥膜厚80μm)。
(比較例1)
下塗材として、下塗材3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した(塗装塗膜層の平均乾燥膜厚80μm)。
(比較例2)
下塗材、中塗材、上塗材として、それぞれ下塗材4、中塗材2、上塗材2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した(塗装塗膜層の平均乾燥膜厚80μm)。
(参考例1)
素地として素地2を使用し、下塗材として下塗材3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で試験体を作製した(塗装塗膜層の平均乾燥膜厚80μm)。
(耐発錆性の評価)
以上の方法で得られた実施例等における試験体について、JIS K5600-7-9:2006「塗膜の長期耐久性-サイクル腐食試験方法」のサイクルDに準じて120サイクル試験した後、試験体表面の錆の発生個数を計測した。評価基準は、以下の通りである。なお、A及びB評価の場合は、実用面において、問題のないレベルであると評価した。
A:錆の発生なし
B:錆の発生個数1~5個
C:錆の発生個数6~10個
D:錆の発生個数11個以上
(美観性の評価)
上記耐発錆性の評価と同様に、各試験体について、JIS K5600-7-9:2006「塗膜の長期耐久性-サイクル腐食試験方法」のサイクルDに準じて120サイクル試験した後、試験前と試験後の試験体の外観を比較観察し、美観性を評価した。評価基準は、以下の通りである。なお、A及びB評価の場合は、実用面において、問題のないレベルであると評価した。
A:外観変化なし
B:錆汁による汚染面積1%以下
C:錆汁による汚染面積1%超5%以下
D:錆汁による汚染面積5%超
上記評価の結果については、以下の表1に示した。
上記表1の評価結果より、全ての実施例において、耐発錆性、及び、美観性に優れることが確認できた。一方、比較例1及び2では、下塗材に防錆性下塗材を使用しなかったため、錆の発生が認められ、耐発錆性に劣り、更に錆の発生により、美観性も劣り、実用面で問題があることが確認できた。

Claims (3)

  1. コンクリート素地に対する塗装方法であって、
    前記コンクリート素地は、金属繊維を含むものであり、
    前記コンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成した後、仕上材を塗装して仕上材層を形成することを特徴とする塗装方法。
  2. 前記コンクリート素地に対して、防錆性下塗材を塗装して下塗材層を形成した後、
    前記仕上材を塗装して仕上材層を形成する前に、
    前記下塗材層表面の巣穴に対して、パテ処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の塗装方法。
  3. 請求項1又は2に記載の塗装方法によって得られることを特徴とする塗膜積層体。
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