JP2023081329A - 粘着剤および/または接着剤 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023081329000001
【課題】任意のタイミングで外部刺激により柔軟に変化することのできる粘着剤および/または接着剤を提供する。
【解決手段】下記(a)成分及び(b)成分を含有する粘着剤層および/または接着剤層1、並びにはく離ライナー2を含むはく離ライナー付き粘着シートおよび/または接着シート10。
(a)成分:外部刺激により結合が開裂し、その後再結合し得る可逆分解性結合を分子内に有するポリマー、及び/又は前記可逆分解性結合をポリマーに導入可能な化合物
(b)成分:前記再結合を抑制する化合物
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤および/または接着剤、より具体的には、任意のタイミングでの外部刺激の付与により柔軟になる粘着剤および/または接着剤に関する。
ディスプレイ等の光学デバイスの中でも、OLEDに代表される薄型、可撓性ディスプレイは、複数の光学用フィルム、薄層デバイスが積層された状態で構成される。また、感圧センサなどの可撓性を要求されるデバイスも感圧部材と基板が積層された状態で構成される(特許文献1)。これらの層間充填剤には液状硬化樹脂や粘着剤、接着剤が選択され、作業性の向上、硬化収縮による反り、応力分散による可撓性の向上、といった観点から、粘着剤や接着剤(粘着剤等)が好ましく用いられている。
上記粘着剤等は、特に可撓性部材において、折り曲げ・折り畳みで生じる応力を分散・緩和する機能を担い、該機能は粘着剤等が柔軟であるほど効率的に発現されるとされ(特許文献2)、柔軟な粘着剤等が使用される。
特開2012-159463号公報 特開2020-109177号公報
一方で、柔軟な粘着剤等は僅かな応力でも大きく変形し、例えば打ち抜き刃での切り抜き時に、糊はみだし、糊欠け、これらに起因した工程汚染などが生じるなど、粘着剤等を製造・加工する時点で問題が生じることがある。加えて、このような粘着剤等では保管時には自重で糊はみだしが、運搬時には振動・接触による糊欠け、などの問題が生じることもある。
このため、製造・加工、保管、運搬等の際にはある程度の硬さを有し、部材へ使用する際には柔軟性を有する粘着剤や接着剤が求められている。
本発明はこのような課題を解決するためのものであって、その目的は任意のタイミングで外部刺激により柔軟性が向上し得る粘着剤および/または接着剤、または当該粘着剤や接着剤を形成し得る粘着剤および/または接着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意努力した結果、外部刺激により開裂する結合を有するポリマーと、上記開裂後の再結合を抑制する化合物とを含む粘着剤層および接着剤層によれば、任意のタイミングで外部刺激により柔軟性が向上することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、(a)成分及び(b)成分を含有する粘着剤および/または接着剤(粘着剤等)を提供する。
(a)成分:外部刺激により結合が開裂し、その後再結合し得る可逆分解性結合を分子内に有するポリマー、及び/又は上記可逆分解性結合をポリマーに導入可能な化合物
(b)成分:上記再結合を抑制する化合物
上記粘着剤等は(a)成分として可逆分解性結合を分子内に有するポリマーを含有する場合、併せて(b)成分を含有することにより、外部刺激によって上記ポリマーに含まれる上記可逆分解性結合が分解し、(b)成分によって開裂後の再結合が抑制される。これにより、粘着剤等におけるポリマーの構造が細断され、柔軟性が向上する。また、上記粘着剤等が(a)成分として上記ポリマーに上記可逆分解性結合を導入可能な化合物を含む場合、上記化合物を例えばモノマー成分や架橋剤として作用させることで上記ポリマー中に上記可逆分解性結合を導入することができる。
また、上記可逆分解性結合はジスルフィド結合であることが好ましい。
また、上記(b)成分はラジカル捕縛剤であることが好ましい。
また、上記ポリマーは熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化型樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂を含有する粘着剤等は例えば外部からの圧力で密着する粘着性を発揮することが可能となる。熱硬化型樹脂を含有する粘着剤等は、例えば加熱により硬化することで被着体と接着することができる。
また、上記ポリマーは結合又は分子同士の絡み合いによりネットワーク構造を形成されたポリマーであることが好ましい。このような構成を有する粘着剤等はポリマー同士の結合若しくはポリマー同士の絡み合いによってネットワーク構造を形成し、適度な硬さを有することが可能であり、外部刺激によって形成された可逆分解性結合が分解することにより、ポリマー構造が細断され、柔軟性が向上する。
また、上記粘着剤等は光学用途に好ましく使用される。
本発明に係る粘着剤および/または接着剤は、任意のタイミングで外部刺激の付与により柔軟性を向上することが可能である。
本発明の粘着剤層または接着剤層1がはく離ライナー2上に形成されたはく離ライナー付き粘着シートまたは接着シート10の断面模式図を表す。
[粘着剤、接着剤]
「粘着」は、外部からの感圧(例えば微小な圧力)によって、組成物が有する化学構造に基づく凝集力に基づき、2つの面が密着し、必要により剥離できる性質に関することを言う。これに対して、「接着」は、組成物が化学反応(硬化)して、硬化物を生成し、剥離を予定しておらず、2つの面が強固に接合できる性質に関することを言う。また、本明細書において、「粘着剤」は、流動性を有しない層状の粘着剤層であってもよく、上記粘着剤層を形成するための、流動性を有する粘着剤組成物であってもよい。同様に、「接着剤」は、流動性を有しない層状の接着剤層であってもよく、上記接着剤層を形成するための、流動性を有する接着剤組成物であってもよい。
本発明の粘着剤および/または接着剤は、下記(a)成分及び(b)成分を含有する。
(a)成分:外部刺激により結合が開裂し、その後再結合し得る可逆分解性結合を分子内に有するポリマー、及び/又は上記可逆分解性結合をポリマーに導入可能な化合物
(b)成分:上記再結合を抑制する化合物
外部刺激の付与によって結合が開裂する分解性の結合は、開裂後に再結合することが可能な可逆分解性結合と、開裂反応が不可逆的に進行し再結合しない不可逆分解結合とに分類される。本発明において(a)成分におけるポリマーは、このうち、可逆分解性結合を有する化合物である。なお、(a)成分におけるポリマーを「ポリマー(a1)」、上記可逆分解性結合をポリマーに導入可能な化合物を「化合物(a2)」と称する場合がある。なお、本明細書において、「粘着剤および/または接着剤」を「粘着剤等」と称する場合がある。
また、上記可逆分解性結合の開裂反応を引き起こす外部刺激としては、(a)成分における可逆分解性結合の種類に応じて適宜選択され、特に限定されないが、活性エネルギー線照射又は熱が挙げられる。特に、ポリマー(a1)が熱硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化型樹脂である場合の熱硬化反応又は活性エネルギー線硬化反応と上記開裂とを別々で生じさせることが可能である観点から、ポリマー(a1)が硬化性を有する場合の硬化性の種類とは異なる外部刺激であることが好ましい。上記外部刺激は、具体的には、ポリマー(a1)が熱硬化型樹脂である場合は活性エネルギー線照射が好ましく、ポリマー(a1)が活性エネルギー線硬化型樹脂である場合は熱が好ましい。
上記活性エネルギー線としては特に限定されないが、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外光、可視光などが挙げられる。特に、紫外線が好ましい。活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは特に限定されない。また、紫外光又は可視光照射用の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ等が挙げられる。
ポリマー(a1)は化合物(a2)を用いて得ることができる。化合物(a2)としては、例えば、上記可逆分解性結合を有する、モノマー成分、オリゴマー成分、架橋剤、硬化剤などが挙げられる。すなわち、ポリマー(a1)は、可逆分解性結合を有するモノマー成分及び/又はオリゴマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよく、上記架橋剤及び/又は上記硬化剤に由来する構造部を含んでいてもよい。化合物(a2)がモノマー成分やオリゴマー成分である場合、上記モノマー成分やオリゴマー成分を重合または他のモノマー成分と共重合することで上記可逆分解性結合を有するポリマー(a1)が得られる。
化合物(a2)としては、粘着剤等の経時着色を抑制する観点から、芳香環を有しないものであることが好ましい。一方、化合物(a2)としては、屈折率など他の特性を調整する場合には、芳香環を有するものが好ましい場合がある。
化合物(a2)が架橋剤または硬化剤である場合、化合物(a2)は、上記可逆分解性結合以外の官能基(官能基(L1))を有する。官能基(L1)としては、架橋密度を適度として粘着剤層等の柔軟性をある程度確保する観点から、チオール基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基が好ましい。また、化合物(a2)の官能基数は、ポリマー(a1)への導入後においてより高分子量化させ外部刺激の付与前にポリマーに一定の硬さを与えつつ、開裂後においてポリマーの分子量をより低下させ柔軟性を発揮させる観点から、2個以上であることが好ましい。一方で、官能基数が多くなると、多くのポリマーと架橋することとなり、可逆分解性結合の開裂による効果が得られにくくなるため、架橋密度を適度として粘着剤層等の柔軟性をある程度確保する観点から、官能基数は4個以下が好ましく、より好ましくは3個以下である。
上記架橋剤または硬化剤である化合物(a2)としては、ジスルフィド結合を有する化合物が挙げられる。上記ジスルフィド結合を有する化合物としては、4,4′-ジチオ二酪酸、4,4′-ジチオジフェノール(ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド)、2,2′-ジチオジアニリン、4,4′-ジチオジアニリン、3,3′-ジチオジプロピオン酸、及びジチオジエタノールなどが挙げられる。これらの中でも、溶解性により優れる観点から、特に、4,4′-ジチオ二酪酸、又は4,4′-ジチオジフェノール、4,4′-ジチオジアニリンが好ましい。
また、この場合、化合物(a2)が上記原料モノマーとして上記粘着剤等組成物に配合されていてもよいし、化合物(a2)を構成単位として含むポリマー(a1)が上記ベースポリマーとして上記粘着剤等組成物に配合されていてもよい。上記モノマー成分やオリゴマー成分において、上記可逆分解性結合は、ポリマー(a1)において側鎖を構成する部分に有していてもよく、主鎖を構成する部分に有していても良い。側鎖を構成する部分に有する場合、大きく変形させた場合にも応力がかかりにくく、かつ実使用温度域(室温を想定)におけるハンドリング性を維持する、という観点で好ましい。一方で、主鎖を構成する部分に有する場合、上記可逆分解性結合の開裂後においてポリマーの分子量をより低下させ、柔軟性がより向上し大幅な物性変化を発現できる、という観点で好ましい。
上記(a)成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。すなわち、本発明の粘着剤等は、ポリマー(a1)又は化合物(a2)のいずれか一方のみを含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。また、ポリマー(a1)及び化合物(a2)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
本発明の粘着剤等中の化合物(a2)、化合物(a2)に由来する構成単位、及び化合物(a2)に由来する構造部からなる群より選択される1以上の合計の含有割合は、外部刺激付与後に開裂し、細断されることで充分な柔軟性を発揮させるために、本発明の粘着剤等の総量(但し、有機溶媒等の層形成時に残存しない成分は除く)100質量%に対して、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上である。また、架橋密度を適度とし外部刺激付与前において樹脂に適度な柔軟性を付与するため、50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
上記可逆分解性結合は、好ましくはラジカルとして開裂する結合であり、特に好ましくはジスルフィド結合(-S-S-)である。
ポリマー(a1)としては、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂などが挙げられる。中でも、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂を含有する粘着剤等(粘着剤層または接着剤)は例えば外部からの圧力で密着する粘着性を発揮することが可能となる。熱硬化型樹脂を含有する粘着剤等(粘着剤層または接着剤)は、例えば加熱により硬化することで被着体と接着することができる。ポリマー(a1)は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記熱硬化型樹脂としては熱硬化性を有する樹脂(熱硬化性樹脂)及び上記熱硬化性樹脂を硬化して得られる樹脂の両方が挙げられる。上記熱硬化性樹脂は熱硬化性の官能基を有する。上記熱硬化性樹脂における熱硬化性の官能基数は、2以上(例えば2~4)が好ましい。上記熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂などが挙げられる。中でも、エポキシ系樹脂が特に好ましい。
エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ系樹脂、スピロ環型エポキシ系樹脂、ナフタレン型エポキシ系樹脂、ビフェニル型エポキシ系樹脂、テルペン型エポキシ系樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ系樹脂、グリシジルアミン型エポキシ系樹脂、ノボラック型エポキシ系樹脂などが挙げられる。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙げられる。上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなどが挙げられる。上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えばテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂組成物等)、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。中でも、粘着剤等に凝集力と適度な柔軟性を付与できるため、アクリル系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂の設計は目的に応じて多種多様となり、柔軟性・弾性率などの機械物性、ガラス転移点などの熱物性、透過率・ヘイズ・屈折率などの光学物性、粘着力・密着力などの粘着剤等特有の特性値、の目的値に応じて、モノマー種、共重合組成比、分子量、分子量分布、架橋剤、配合組成比、などを適宜選択することが好ましい。
アクリル系樹脂は、樹脂を構成するモノマー成分として、アクリル系モノマー(分子中に(メタ)アクリロイル基を有するモノマー)を含む樹脂である。すなわち、上記アクリル系樹脂は、アクリル系モノマーに由来する構成単位を含む。上記アクリル系樹脂は、ポリマーを構成するモノマー成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むポリマーであることが好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」(「アクリル」および「メタクリル」のうち、いずれか一方または両方)を表し、他も同様である。
必須のモノマー成分としての上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく挙げられる。なお、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル(ラウリル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル(ステアリル(メタ)アクリレート)、イソステアリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの炭素数が1~20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、中でも、炭素数が2以上(好ましくは2~18、より好ましくは2~5)の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
上記アクリル系樹脂中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の含有割合は、アクリル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量%に対して、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上である。上記含有割合は、99質量%以下が好ましく、より好ましくは98質量%以下である。なお、もちろん、用途や求められる特性などによっては、アクリル系樹脂中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の含有割合は、アクリル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量%に対して、70質量%未満となる場合もある。
上記アクリル系樹脂は、樹脂を構成するモノマー成分として、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともに、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマー(共重合性モノマー)を含んでいてもよい。すなわち、上記アクリル系樹脂は、構成単位として、共重合性モノマーを含んでいてもよい。上記共重合性モノマーは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記共重合性モノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、ヒドロキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、アルコキシ基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、イソシアネート基含有モノマー、芳香族ビニル化合物、脂環式モノマー、芳香族性環含有(メタ)アクリレート、塩素含有モノマー、窒素含有モノマーなどが挙げられる。
上記アクリル系樹脂中の共重合性モノマーに由来する構成単位の含有割合は、アクリル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量%に対して、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上である。上記含有割合は、30質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。なお、もちろん、用途や求められる特性などによっては、上記アクリル系樹脂中の共重合性モノマーに由来する構成単位の含有割合は、アクリル系樹脂を構成するモノマー成分の総量100質量%に対して、0.1質量%未満であってもよい。
上記熱硬化型樹脂の含有割合は、特に限定されないが、粘着剤層等に適度な初期硬さと、外部刺激後の硬さを付与するために、本発明の粘着剤等の総量(但し、有機溶媒等の層形成時に残存しない成分は除く)100質量%に対して、3~95質量%が好ましく、より好ましくは5~90質量%、さらに好ましくは6~85質量%である。本発明の粘着剤等が熱硬化型樹脂をベースポリマーとして含む場合、上記含有割合は、50~95質量%が好ましく、より好ましくは60~90質量%、さらに好ましくは65~85質量%である。本発明の粘着剤等が熱可塑性樹脂をベースポリマーとして含む場合、上記含有割合は、3~80質量%が好ましく、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは7~30質量%である。なお、上記熱硬化型樹脂の量は、熱硬化性樹脂、その原料モノマー、架橋剤、及び架橋剤に由来する構造部の量を含む。
上記熱可塑性樹脂を含む場合、上記熱可塑性樹脂の含有割合は、特に限定されないが、粘着剤層等に適度な初期硬さと、外部刺激後の硬さを付与するために、本発明の粘着剤等の総量(但し、有機溶媒等の層形成時に残存しない成分は除く)100質量%に対して、20~97質量%が好ましく、より好ましくは50~95質量%、さらに好ましくは70~93質量%である。本発明の粘着剤等が熱硬化型樹脂をベースポリマーとして含む場合、上記含有割合は、30質量%以下が好ましく、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下であってもよく、0質量%であってもよい。なお、熱可塑性樹脂の量は、熱可塑性樹脂、その原料モノマー、架橋剤、及び架橋剤に由来する構造部の量を含む。
本発明の粘着剤等は(b)成分である可逆分解性結合の再結合を抑制する化合物を含有する。(b)成分は、(a)成分の外部刺激に伴って生じた開裂の再結合を抑制することができれば、特に限定されないが、ポリマー(a1)が開裂によりラジカルが生じる場合、ラジカル捕捉能をもつ化合物(ラジカル捕縛剤)が好ましい。上記ラジカル捕縛剤としては、光ラジカル重合開始剤、スピン捕捉剤、酸化防止剤、重合禁止剤、及び水素供与体などが挙げられる。
(b)成分の含有量は、適切な再結合抑制効果を発揮する観点から、化合物(a2)、化合物(a2)に由来する構成単位、及び化合物(a2)に由来する構造部からなる群より選択される1以上の合計の総量100質量部に対して、10~1000質量部であることが好ましく、50~500質量部であることがより好ましく、さらに好ましくは75~400質量部、最も好ましくは100~300質量部である。
また、本発明の粘着剤等は、必要に応じて上述の各成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、例えば、硬化触媒、上記化合物(a2)以外の架橋剤、架橋促進剤、重合開始剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール等)、オリゴマー、老化防止剤、充填剤(金属粉、有機充填剤、無機充填剤等)、着色剤(顔料や染料など)、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、粒状物、箔状物、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤などが挙げられる。上記その他の成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記硬化触媒としては、例えば有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物などが挙げられる。上記有機チタン化合物としては、チタンアルコキシド、チタンキレート、チタンアシレートなどが挙げられる。上記有機ジルコニウム化合物としてはジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムキレート、ジルコニウムアシレートなどが挙げられる。チタンアルコキシドとしては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネートが挙げられる。チタンキレートとしてはチタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレートが挙げられる。チタンアシレートとしては、チタンイソステアレートが挙げられる。ジルコニウムアルコキシドとしてはノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネートが挙げられる。ジルコニウムキレートとしてはジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネートが挙げられる。ジルコニウムアシレートとしてはステアリン酸ジルコニウムが挙げられる。
上記硬化触媒の含有割合は、特に限定されないが、粘着剤等に適度な初期硬さと、外部刺激後の硬さを付与する観点からに、本発明の粘着剤等の総量(但し、有機溶媒等の層形成時に残存しない成分は除く)100質量%に対して、0.005~3質量%が好ましく、より好ましくは0.01~1質量%、さらに好ましくは0.05~1質量%である。
上記化合物(a2)以外の架橋剤としてはポリマーを架橋するものであれば特に限定されないが、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、ポリオール化合物(ポリフェノール系化合物など)、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤、および多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートとしては2官能以上の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
以下、本発明の粘着剤等が流動性を有する粘着剤組成物または接着剤組成物である場合と粘着剤層または接着剤層である場合とに分けて、好ましい態様についてそれぞれ説明する。なお、本明細書において、粘着剤組成物および/または接着剤組成物を「粘着剤組成物等」と称する場合がある。また、本明細書において、粘着剤層および/または接着剤層を「粘着剤層等」と称する場合がある。
(粘着剤層、接着剤層)
図1は本発明の粘着剤等が粘着剤層等である場合の一実施形態の断面模式図である。図1に示す粘着剤層または接着剤層1は、はく離ライナー2の離型処理面に積層され、はく離ライナー付き粘着シートまたは接着シート10が形成されている。
本発明の粘着剤等が粘着剤層等である場合、上記粘着剤層等は、ポリマー(a1)及び(b)成分を少なくとも含むことが好ましい。ポリマー(a1)は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記粘着剤層等は、上述の各成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては上述の本発明の粘着剤等が含み得るその他の成分として例示及び説明されたものが挙げられる。上記その他の成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記粘着剤層等中のポリマー(a1)の含有割合は、上記粘着剤層等の総量100質量%に対して、30~99質量%が好ましく、より好ましくは40~97質量%、さらに好ましくは50~95質量%、最も好ましくは70~95質量%である。上記含有割合が30質量%以上であると、上記粘着剤層等に粘着性を付与しやすい。上記含有割合が99質量%以下であると、架橋剤や(b)成分を配合することによる組成設計が行いやすい。なお、化合物(a2)がモノマー成分やオリゴマー成分である場合、上記含有割合には化合物(a2)及び化合物(a2)に由来する構成単位の量が含まれる。また、上記ポリマー(a1)の量は、ポリマー(a1)、その原料モノマー、架橋剤、及び架橋剤に由来する構造部の量を含む
上記粘着剤層等中の架橋剤及び/又は架橋剤に由来する構造部の含有量は、ポリマー(a1)の総量100質量%に対して、0.5~50質量%が好ましく、より好ましくは1~35質量%、さらに好ましくは1.5~30質量%である。なお、化合物(a2)が架橋剤である場合、上記含有量には化合物(a2)及び化合物(a2)に由来する構造部の量が含まれる。
上記粘着剤層等はネットワーク構造を形成していることが好ましい。ネットワーク構造とは、分子同士が絡み合っている状態、若しくは分子鎖同士が何らかの結合を介して長大な分子を形成している状態をいう。すなわち、ポリマー(a1)は、結合又は分子同士の絡み合いによりネットワーク構造を形成されたポリマーであることが好ましい。このような構成を有する粘着剤層等はポリマー同士の結合若しくはポリマー同士の絡み合いによってネットワーク構造を形成し、適度の硬さを有することが可能であり、外部刺激によって形成された可逆分解性結合が分解することにより、ポリマー構造が細断され、柔軟性が向上する。
分子同士が絡み合っているとは、高分子同士が共有結合を介さずにネットワーク構造を形成している状態を指す。このような絡み合い構造を形成するには、種類の異なる相互に架橋反応を起こしづらいポリマーを含有することが好ましく、作製が容易である観点から熱可塑性樹脂と熱硬化型樹脂が混在している状態が好ましい。このような構成は、共有結合を介さない分、外部刺激付与前に比較的柔軟な粘着剤等に適する。
上記分子鎖同士が何らかの結合を介して長大な分子を形成している状態とは、単一高分子による重合ポリマーであることを指す。このような長大な分子を形成するには、単一のポリマーを含有することが好ましく、上述の熱硬化型樹脂を含有していることが好ましい。このような構成は分子鎖が長大に共有結合していることから、比較的硬い粘着剤等を形成でき、また、外部刺激によって切断される部位も増加することから、より外部刺激前後で柔軟性に差のある粘着剤等に適する。
本発明の粘着剤層および/または接着剤層は、外部刺激により硬さが低減する性質を有する。上記硬さは、例えば引張圧縮試験機で測定される、ヤング率が好ましい。すなわち、本発明の粘着剤層および/または接着剤層は、外部刺激によりヤング率が低減する性質を有する。
すなわち、本発明の粘着剤層等は外部刺激付与前のヤング率と比較して、外部刺激付与後のヤング率が低値であることが好ましい。このような粘着剤層等は外部刺激の付与前において取り扱い性に優れ、外部刺激の付与後において、柔軟性、耐衝撃性、および高速域での形状変形耐性により優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前のヤング率(E1)と外部刺激付与後のヤング率(E2)の比[ヤング率(E2)/ヤング率(E1)]が、0.95未満(例えば0.1以上0.95未満)であることが好ましく、より好ましくは0.8以下(例えば0.2~0.8)、さらに好ましくは0.7以下(例えば0.3~0.7)である。この場合、外部刺激付与前後において粘着剤層等の柔軟性に優れ、微小変形に対する耐性に優れ、耐衝撃性、高速域での形状変形耐性、段差追従性、密着性などがより優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前のヤング率(E1)が、200MPa以下(例えば0.03~200MPa)であることが好ましい。また、上記粘着剤層等は、外部刺激付与後のヤング率(E2)が、50MPa以下(例えば0.001~50MPa)であることが好ましい。上記ヤング率を有する粘着剤層は外部刺激付与前において適度な硬さを有し、製造・加工、保管、運搬等の作業性により優れる。また、上記ヤング率を有する粘着剤層は外部刺激付与後において柔軟性に優れ、段差追従性、密着性などがより優れる。
上記粘着剤層は、外部刺激付与前のヤング率(E1)が、0.03~1.5MPaであることが好ましく、より好ましくは0.05~1.0MPa、さらに好ましくは0.1~0.8MPaである。上記ヤング率(E1)を有する粘着剤層は外部刺激付与前において適度な硬さを有し、取り扱い性により優れる。
上記接着剤層は、外部刺激付与前のヤング率(E1)が、0.1~200MPaであることが好ましく、より好ましくは0.3~100MPa、さらに好ましくは0.5~20MPaである。上記ヤング率を有する接着剤層は外部刺激付与前において適度な硬さを有し、製造・加工、保管、運搬等の作業性により優れる。
上記粘着剤層は、外部刺激付与後のヤング率(E2)が、1.0MPa未満(例えば0.001MPa以上1.0MPa未満)であることが好ましく、より好ましくは0.5MPa以下(例えば0.005~0.5MPa)、さらに好ましくは0.3MPa以下(例えば0.01~0.3MPa)である。上記ヤング率(E2)を有する粘着剤層は、外部刺激付与後において柔軟性に優れ、微小変形に対する耐性に優れ、耐衝撃性、高速域での形状変形耐性、段差追従性、密着性などがより優れる。
上記接着剤層は、外部刺激付与後のヤング率(E2)が、50MPa以下(例えば0.01MPa以上50MPa未満)であることが好ましく、より好ましくは10MPa以下(例えば0.05~10MPa)、さらに好ましくは5MPa以下(例えば0.1~5MPa)である。上記ヤング率を有する接着剤層は外部刺激付与後において柔軟性に優れ、段差追従性、密着性などがより優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の破断伸度と比較して、外部刺激付与後の破断伸度が高値であることが好ましい。なお、上記粘着剤層等は、外部刺激付与前後において500%伸張時で破断しなくてもよい。このような粘着剤層等は外部刺激の付与前において取り扱い性に優れ、外部刺激の付与後においては、微小変形に対する耐性に優れ、耐衝撃性、高速域での形状変形耐性により優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の破断伸度(B1)が、100~2000%であることが好ましく、より好ましくは100~1000%、さらに好ましくは120~900%、特に好ましくは150~850%である。上記破断伸度(B1)を有する粘着剤層等は外部刺激付与前において適度な硬さを有し、取り扱い性により優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与後の破断伸度(B2)が、100~1300%であることが好ましく、より好ましくは130~1100%、さらに好ましくは160~1000%である。上記ヤング率(B2)を有する粘着剤層等は外部刺激付与後において柔軟性に優れ、微小変形に対する耐性に優れ、耐衝撃性、高速域での形状変形耐性により優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の破断伸度(B1)と外部刺激付与後の破断伸度(B2)の比[破断伸度(B2)/破断伸度(B1)]が、1.1超(例えば1.1超2.0以下)であることが好ましく、より好ましくは1.2以上(例えば1.2~1.8)、さらに好ましくは1.3以上(例えば1.3~1.6)である。この場合、外部刺激付与前後において粘着剤層等の柔軟性に優れ、微小変形に対する耐性に優れ、耐衝撃性、高速域での形状変形耐性により優れる。
本発明の粘着剤層等は外部刺激により応力が低減する性質を有することが好ましい。上記応力は低減後において増加しないことが好ましい。このような粘着剤層等は、粘着剤層等を部材へ粘着または接着した状態において応力が増加することがなく、柔軟性が持続する。
上記応力としては、例えば張圧縮試験機で測定される、任意の倍率で引っ張ったときの応力(歪み応力)が挙げられる。上記特定の倍率で引っ張ったときの応力(歪み応力)は、少なくとも1つの倍率で引っ張ったときの応力(歪み応力)が低減するものであればよい。中でも、引張倍率100~500%のうちの少なくとも1点における歪み応力が低減することが好ましく、100%、200%、300%、および500%からなる群より選択される1以上の引張倍率において歪み応力が低減することが特に好ましい。以下、各引張倍率における応力の好ましい範囲を記載するが、これらの値は各引張倍率において破断しない場合の好ましい範囲である。
上記粘着剤層等は外部刺激付与前の応力(100%歪み応力)(以後、S1(100)と表記する)の値と、外部刺激付与後の応力(100%歪み応力)(以後、S2(100)と表記する)の値の比[S2(100)/S1(100)]が、0.95未満(例えば0.1以上0.95未満)であることが好ましく、より好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.8以下である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与により比較的弱い引張応力がさらに低減されたことを示し、引っ張った際の反発力が低く、折り畳み式の部材などの比較的低荷重の用途に適する。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の応力(100%歪み応力)(S1(100))が、0.03MPa以上(例えば0.03~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは0.05MPa以上(例えば0.05~6MPa)、さらに好ましくは0.2MPa以上(例えば0.2~3MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与後の応力(100%歪み応力)(S2(100))が、10MPa以下(例えば0.03~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは6MPa以下(例えば0.05~6MPa)、さらに好ましくは3MPa以下(例えば0.2~3MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の応力(200%歪み応力)(S1(200))と、外部刺激付与後の応力(200%歪み応力)(S2(200))の比[S2(200)/S1(200)]が、0.95未満(例えば0.1以上0.95未満)であることが好ましく、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.7以下である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与により比較的弱い引張応力がさらに軽減されたことを示し、引っ張った際の反発力が低く、折り畳み式の部材などの比較的低荷重の用途に適する。
本発明の接着剤層等は、外部刺激付与前の応力(200%歪み応力)(S1(200))が、0.05MPa以上(例えば0.05~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは0.1MPa以上(例えば0.1~4MPa)、さらに好ましくは0.2MPa以上(例えば0.2~2MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与後の応力(200%歪み応力)(S2(200))が、10MPa以下(例えば0.01~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは4MPa以下(例えば0.03~4MPa)、さらに好ましくは2MPa以下(例えば0.05~2MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の応力(300%歪み応力)(S1(300))と、外部刺激付与後の応力(300%歪み応力)(S2(300))の比[S2(300)/S1(300)]が、0.950未満(例えば0.1以上0.950未満)であることが好ましく、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.7以下である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与により引張応力が軽減されたことを示し、折り畳み式の部材などの比較的低荷重の用途に適する。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の応力(300%歪み応力)(S1(300))が、0.05MPa以上(例えば0.05~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは0.1MPa以上(例えば0.1~4MPa)、さらに好ましくは0.2MPa以上(例えば0.2~2MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与後の応力(300%歪み応力)(S2(300))が、10MPa以下(例えば0.03~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは4MPa以下(例えば0.05~4MPa)、さらに好ましくは2MPa以下(例えば0.07~2MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
上記粘着剤層等は外部刺激付与前の応力(500%歪み応力)(以後、S1(500)と表記する)の値と、外部刺激付与後の応力(500%歪み応力)(以後、S2(500)と表記する)の値の比[S2(500)/S1(500)]が、0.950未満(例えば0.1以上0.950未満)であることが好ましく、より好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.8以下である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与により比較的強い引張応力が軽減されたことを示し、引っ張った際の反発力が低く、折り畳み式(特に、ローラブル等の巻き付ける方式)の部材などの比較的高荷重の用途に適する。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の応力(500%歪み応力)(S1(500))が、0.05MPa以上(例えば0.05~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは0.07MPa以上(例えば0.07~4MPa)、さらに好ましくは0.1MPa以上(例えば0.1~2MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与後の応力(500%歪み応力)(S2(500))が、10MPa以下(例えば0.05~10MPa)であることが好ましく、より好ましくは4MPa以下(例えば0.07~4MPa)、さらに好ましくは2MPa以下(例えば0.1~2MPa)である。このような粘着剤層等は、外部刺激付与後において柔軟性がよりいっそう優れる。
また、本発明の粘着剤層等は、外部刺激により、応力-ひずみ曲線におけるピーク強度(応力ピーク強度)や破断点応力が低減する性質を有していてもよい。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の応力-ひずみ曲線におけるピーク強度(応力ピーク強度)(破断する場合は破断点応力)が、1.0MPa以上であることが好ましく、より好ましくは1.2MPa以上、さらに好ましくは1.5MPa以上である。上記応力ピーク強度が1.0MPa以上であると、粘着剤層等は外部刺激付与前において適度な硬さを有し、取り扱い性により優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与後の応力-ひずみ曲線におけるピーク強度(応力ピーク強度)(破断する場合は破断点応力)が、0.05~1.0MPaであることが好ましく、より好ましくは0.1~0.8MPa、さらに好ましくは0.15~0.5MPaである。上記応力ピーク強度が上記範囲内であると、外部刺激付与後では柔軟性により優れ、段差追従性、密着性などがより優れる。
本発明の粘着剤層等は、外部刺激付与前の応力-ひずみ曲線におけるピーク強度と、外部刺激付与後の応力-ひずみ曲線におけるピーク強度の比(破断する場合は破断点応力の比)[外部刺激付与後/外部刺激付与前]が、0.95未満(例えば0.05以上0.95未満)であることが好ましく、より好ましくは0.8以下(例えば0.1~0.8)、さらに好ましくは0.7以下(例えば0.3~0.7)である。この場合、外部刺激付与前後において粘着剤層等の柔軟性、段差追従性、密着性がより大きく変化する傾向にある。
上記粘着剤層等は活性エネルギー線照射によってせん断貯蔵弾性率(G’)が低下することが好ましい。このような粘着剤等は活性エネルギー線照射によって柔軟性が向上する。また、上記せん断貯蔵弾性率(G’)は上記低下後において増加しないことが好ましい。
上記粘着剤層等は外部刺激付与前の25℃におけるせん断貯蔵弾性率(G’)が103~108Paであることが好ましく、より好ましくは104~107Pa、さらに好ましくは104~106Paである。このような弾性率を有する粘着剤層等は外部刺激付与前において適度な硬さを有し、製造・加工、保管、運搬等の作業性に優れる。
上記粘着剤層等は、外部刺激付与後の25℃におけるせん断貯蔵弾性率(G’)が102~106Paであることが好ましく、より好ましくは103~105Pa、さらに好ましくは103~104Paである。外部刺激付与後の弾性率が上記範囲であることにより、本発明の粘着剤層等は外部刺激付与後において柔軟性に優れ、段差追従性、密着性などが優れる。
上記粘着剤層等の厚さについては特に制限はないが、通常5~300μm程度であり、より好ましくは7~200μm、さらに好ましくは10~100μm、最も好ましくは10~50μmである。
(はく離ライナー)
はく離ライナーは、上記粘着剤層等の使用時まで接する粘着面を保護するものであり、上記粘着剤層等を使用するときに剥離される。
上記はく離ライナーの基材としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
上記はく離ライナーの剥離面(特に上記粘着剤層等と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。
上記はく離ライナーの厚さについては特に制限はないが、通常20~150μm程度である。
(粘着剤組成物、接着剤組成物)
上記粘着剤層は上記粘着剤組成物から形成される。また、上記接着剤層は上記接着剤組成物から形成される。上記粘着剤組成物等は、ベースポリマー及び/又はその原料モノマーと(b)成分とを少なくとも含むことが好ましい。中でも、得られる粘着剤層等に粘着性を発揮させる観点から、ベースポリマーを含むことが好ましい。上記ベースポリマーは、ポリマー(a1)及び/又はその他のポリマー(すなわち可逆分解性結合を有しないポリマー)であり、その他のポリマーであることが好ましい。粘着剤組成物等に含まれ得るベースポリマーを「ベースポリマー(p1)」と称する場合がある。ベースポリマー(p1)は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
ベースポリマー(p1)が上記その他のポリマーである場合、上記粘着剤組成物等は、さらに化合物(a2)を含む。また、この場合、さらに化合物(a2)と反応性を有するモノマー成分(モノマー成分(c))を含んでいてもよい。化合物(a2)は、上記その他のポリマー及び/又はモノマー成分(c)と反応性を有する。化合物(a2)が上記その他のポリマーと反応性を有する場合、粘着剤層等において熱や活性エネルギー線照射などにより上記その他のモノマーと化合物(a2)とが反応して例えばポリマー鎖を形成し、上記ポリマー鎖と上記その他のポリマーとが結合してネットワーク構造を形成し、ポリマー(a1)を含む粘着剤層等が得られる。化合物(a2)及びモノマー成分(c)を含む場合、粘着剤層等において熱や活性エネルギー線照射などにより化合物(a2)とモノマー成分(c)とが反応して例えばポリマー鎖を形成し、上記ポリマー鎖と上記その他のポリマーとが絡み合ってネットワーク構造を形成し、ポリマー(a1)を含む粘着剤層等が得られる。
上記粘着剤組成物等が上記原料モノマーを含む場合、上記原料モノマーを重合させる際に化合物(a2)がベースポリマー内に取り込まれ、ポリマー(a1)が形成される。あるいは、上記原料モノマーを重合させて上記その他のポリマーを形成し、その後化合物(a2)と反応させてポリマー(a1)が形成される。
すなわち、上記粘着剤組成物等としては、主として、(i)上記その他のポリマー、成分(b)、化合物(a2)、必要に応じてモノマー成分(c)を含む粘着剤組成物等、(ii)原料モノマー、成分(b)、化合物(a2)、必要に応じてモノマー成分(c)を含む粘着剤組成物等、(iii)ポリマー(a1)及び成分(b)を含む粘着剤組成物等が挙げられる。
よって、ポリマー(a1)は、上記その他のポリマー、化合物(a2)、及びモノマー(c)の反応物であってもよい。また、ベースポリマー(p1)がポリマー(a1)である場合、上記粘着剤層等は、未反応の化合物(a2)及び/又は未反応のモノマー(c)を含み得る。
ベースポリマー(p1)としては、上記熱可塑性樹脂、上記熱硬化型樹脂、上記活性エネルギー線硬化型樹脂などが挙げられる。中でも、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂を含有する粘着剤層等は例えば外部からの圧力で密着する粘着性を発揮することが可能となる。熱硬化型樹脂を含有する粘着剤層等は、例えば加熱により硬化することで被着体と接着することができる。
化合物(a2)としては、上述のように、上記可逆分解性結合を有する、モノマー成分、オリゴマー成分、架橋剤などが挙げられる。中でも、架橋剤が好ましく、より好ましくはジスルフィド結合を有する架橋剤である。
上記架橋剤としての化合物(a2)が有する官能基(L1)としては、中でも、ポリマー(a1)の架橋密度が適度となる観点から、ヒドロキシ基、カルボキシ基が好ましい。
化合物(a2)が上記その他のポリマーと反応性を有する場合、上記その他のポリマーは化合物(a2)における官能基(L1)と反応し得る官能基(L2)を有する。官能基(L2)としては、上述の官能基(L1)の種類に応じて適宜選択され、例えば、カルボキシ基、エポキシ基等の環状エーテルを含む基、アジリジル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルデヒド基などが挙げられる。
官能基(L1)と官能基(L2)の組み合わせとしては、カルボキシ基と環状エーテルを含む基、環状エーテルを含む基とカルボキシ基、カルボキシ基とアジリジル基、アジリジル基とカルボキシ基、ヒドロキシ基とイソシアネート基、イソシアネート基とヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基と(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシ基とアミノ基、アミノ基とヒドロキシ基、環状エーテルを含む基とヒドロキシ基、ヒドロキシ基と環状エーテルを含む基等が挙げられる。これらの中でも、反応追跡の容易さの観点から、カルボキシ基と環状エーテルを含む基の組み合わせ、環状エーテルを含む基とカルボキシ基の組み合わせ、環状エーテルを含む基とヒドロキシ基の組み合わせ、ヒドロキシ基と環状エーテルを含む基の組み合わせが好ましい。すなわち、官能基(L1)がヒドロキシ基又はカルボキシ基、官能基(L2)が環状エーテルを含む基(特にエポキシ基)が好ましい。
官能基(L2)を有する上記その他のポリマーにおける官能基(L2)の数は、ポリマー(a1)への導入後においてより高分子量化させ、開裂後においてポリマーの分子量をより低下させる観点から、2個以上(例えば2~4個)であってよい。一方で、架橋密度を適度として粘着剤層等の柔軟性をある程度確保する観点から、官能基(L2)の数は3個以下が好ましく、より好ましくは2個である。
モノマー成分(c)は2以上の重合性官能基を有する化合物である。上記重合性官能基としては、架橋剤としての化合物(a2)が有する官能基(L1)と反応し得る官能基(L3)であることが好ましい。これにより、モノマー(c)は重合しつつ化合物(a2)により架橋することで、分子内に可逆分解性結合を有するポリマー鎖を形成することができる。また、官能基(L3)は官能基(L2)と反応し得ることが好ましい。官能基(L3)としては、上述の官能基(L1)や官能基(L2)の種類に応じて適宜選択され、例えば、カルボキシ基、環状エーテルを含む基、アジリジル基、ヒドロキシ基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルデヒド基などが挙げられる。
官能基(L1)と官能基(L3)の組み合わせとしては、上述の官能基(L1)と官能基(L2)の組み合わせとして例示及び説明されたものが挙げられる。中でも、反応追跡の容易さの観点から、カルボキシ基と環状エーテルを含む基の組み合わせ、環状エーテルを含む基とカルボキシ基の組み合わせ、環状エーテルを含む基とヒドロキシ基の組み合わせ、ヒドロキシ基と環状エーテルを含む基の組み合わせが好ましい。すなわち、官能基(L1)がヒドロキシ基又はカルボキシ基、官能基(L3)が環状エーテルを含む基(特にエポキシ基)が好ましい。
モノマー成分(c)における官能基(L3)の数は、ポリマー(a1)への導入後においてより高分子量化させ、開裂後においてポリマーの分子量をより低下させる観点から、2個以上(例えば2~4個)であってよい。一方で、架橋密度を適度として粘着剤層等の柔軟性をある程度確保する観点から、官能基(L3)の数は3個以下が好ましく、より好ましくは2個である。
官能基(L3)としては、中でも、環状エーテル基を有する基が好ましく、エポキシ基が特に好ましい。すなわち、上記モノマー成分(c)としてはエポキシ化合物が好ましい。このようなエポキシ化合物としては、例えば、4,4′-イソプロピリデンジシクロヘキサノールと(クロロメチル)オキシランなどが挙げられる。
モノマー成分(c)の重合性官能基の当量は、架橋構造を密になりすぎず適度とする観点から、100~10000eq/gが好ましく、より好ましくは150~9000eq/gである。モノマー成分(c)は一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
ベースポリマー(p1)が上記その他のポリマーである場合、上記粘着剤組成物等中のモノマー成分(c)の含有量は、ベースポリマー(p1)の総量100質量部に対して、5~600質量部が好ましく、より好ましくは7~500質量部である。上記その他のポリマーが熱硬化性樹脂である場合、上記含有量は、200~600質量部が好ましく、より好ましくは300~500質量部、さらに好ましくは350~450質量部である。上記その他のポリマーが熱可塑性樹脂である場合、上記含有量は、3~80質量部が好ましく、より好ましくは5~50質量部、さらに好ましくは7~30質量部である。
ベースポリマー(p1)がポリマー(a1)である場合、上記粘着剤組成物等中のモノマー成分(c)の含有量は、ポリマー(a1)の総量100質量%に対して、5~95質量%が好ましく、より好ましくは7~90質量%である。ポリマー(a1)が熱硬化性樹脂である場合、上記含有割合は、50~95質量%が好ましく、より好ましくは60~90質量%、さらに好ましくは65~85質量%である。ポリマー(a1)が熱可塑性樹脂である場合、上記含有割合は、3~50質量%が好ましく、より好ましくは5~40質量%、さらに好ましくは6~30質量%である。
上記粘着剤組成物等は、上述の各成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては上述の本発明の粘着剤等が含み得るその他の成分として例示及び説明されたものや、有機溶媒等の溶媒が挙げられる。上記その他の成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記粘着剤組成物等中の上記その他のポリマーの含有割合は、上記粘着剤組成物等の総量(但し、有機溶媒等の層形成時に残存しない成分は除く)100質量%に対して、5~99質量%が好ましく、より好ましくは10~95質量%である。上記その他のポリマーが熱硬化性樹脂である場合、上記含有割合は、5~50質量%が好ましく、より好ましくは7~40質量%、さらに好ましくは10~30質量%である。上記その他のポリマーが熱可塑性樹脂である場合、上記含有割合は、30~99質量%が好ましく、より好ましくは50~95質量%、さらに好ましくは60~90質量%である。上記含有割合が5質量%以上であると、上記粘着剤層等に粘着性を付与しやすい。上記含有割合が99質量%以下であると架橋剤や(b)成分を配合することによる組成設計が行いやすい。
上記粘着剤組成物等中の架橋剤及び/又は架橋剤に由来する構造部の含有量は、上記その他のポリマー及び/又はモノマー成分(c)の総量100質量部に対して、0.5~50質量部が好ましく、より好ましくは1~35質量部、さらに好ましくは1.5~30質量部である。なお、化合物(a2)が架橋剤である場合、上記含有量には化合物(a2)の量が含まれる。
本発明の粘着剤等の製造方法の一実施形態について説明する。例えば、図1に示すはく離ライナー付き粘着シートまたは接着シート10は、下記の方法で作製することができる。基材層や離型処理が施されたはく離ライナー2の離型処理面に、粘着剤層または接着剤層1を形成する粘着剤組成物等を塗布して塗布層を形成した後、加熱による脱溶媒や熱硬化、あるいは活性エネルギー線照射による硬化を行い、当該塗布層を固化させることによって作製することができる。なお、活性エネルギー線照射を行う場合、上記塗布層上に別途はく離ライナーを貼り合わせた後に行う、
上記粘着剤組成物等は、本発明の効果を損なわない限り、いずれの形態であってもよい。例えば、粘着剤組成物等は、エマルジョン型、溶剤型(溶液型)、熱溶融型(ホットメルト型)などであってもよい。中でも、生産性に優れる粘着剤層等が得やすい点より、溶剤型が好ましい。
上記粘着剤組成物等がポリマー(a1)を含む場合、上記塗布層を固化させる際の加熱により上記粘着剤層等が形成される。また、上記粘着剤組成物等が上記その他のポリマー及び/又は原料モノマーと化合物(a2)とを含む場合、上記塗布層を固化させる際の加熱や活性エネルギー線照射より、必要に応じて原料モノマーが重合し、化合物(a2)が原料モノマーの重合物や上記その他のポリマーと結合を形成し、ポリマー(a1)が形成されると同時に、上記粘着剤層等が形成される。上記粘着剤層等は、その後に加熱や活性エネルギー線照射を行ってもよいし、またポリマー(a1)が熱硬化性樹脂である場合は熱硬化を行ってもよい。このようにして図1に示すはく離ライナー付き粘接着シート10が得られる。
本発明の粘着剤等の用途は特に限定されず、あらゆる用途に使用することができる。本発明の粘着剤等は、例えば光学用途、すなわち光学部材に貼り合わせる用途に使用することができる。本発明の粘着剤等は、例えば、電気電子機器等の光学部材において、各種部材または部品を所定の部位(例えば、筐体等)に取り付ける(装着する)際に用いられる。なお、「電気電子機器」とは、電気機器または電子機器の少なくともいずれかに該当する機器をいう。上記電気電子機器としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置や、携帯電子機器などが挙げられる。上記画像表示装置としては、上記携帯電子機器における画像表示装置や、電車やバスなどの車両内外のディスプレイ(ロールディスプレイ)などが挙げられる。
上記携帯電子機器としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノート型パソコン、各種ウェアラブル機器(例えば、腕時計のように手首に装着するリストウェア型、クリップやストラップ等で体の一部に装着するモジュラー型、メガネ型(単眼型や両眼型。ヘッドマウント型も含む。)を包含するアイウェア型、シャツや靴下、帽子等に例えばアクセサリの形態で取り付ける衣服型、イヤホンのように耳に取り付けるイヤウェア型等)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、音響機器(携帯音楽プレーヤー、ICレコーダー等)、計算機(電卓等)、携帯ゲーム機器、電子辞書、電子手帳、電子書籍、車載用情報機器、携帯ラジオ、携帯テレビ、携帯プリンター、携帯スキャナ、携帯モデムなどが挙げられる。なお、本明細書において「携帯」とは、単に携帯することが可能であるだけでは充分ではなく、個人(標準的な成人)が相対的に容易に持ち運び可能なレベルの携帯性を有することを意味するものとする。
本発明の粘着剤等は、任意のタイミングで外部刺激の付与により柔軟性を向上することが可能である。このため、製造・加工、保管、運搬等の際にはある程度の硬さを有する状態として取り扱い性に優れることとすることができる。例えば打ち抜き刃での切り抜き時には糊はみだしや糊欠け、これらに起因した工程汚染などを防止することができる。また、保管時には自重で糊はみだしが起こりにくく、運搬時には振動・接触による糊欠けが生じにくい。そして、部材に貼り合わせて使用する際は柔軟性を向上させることで、密着力、接着力、折り曲げ性、折り畳み性、耐屈曲性などに優れることとすることができる。また、本発明の粘着剤層等は、非可逆分解性結合を分子内に有するポリマーを含むため、外部刺激により、密着力や接着力を変動させることができる。
<粘着シート、接着シート>
本発明の粘着剤層等を用いて粘着シートおよび/または粘着シートを得ることができる。なお、本明細書において、粘着シートおよび/または粘着シートを「粘着シート等」と称する場合がある。上記粘着シート等は、基材(基材層)を有しない、いわゆる「基材レスタイプ」の粘着シート等であってもよいし、基材を有するタイプの粘着シート等であってもよい。なお、本明細書において、「基材レスタイプ」の粘着シート等を「基材レス粘着シート等」と称する場合があり、基材を有するタイプの粘着シート等を「基材付き粘着シート等」と称する場合がある。上記基材レス粘着シート等としては、例えば、本発明の粘着剤層等のみからなる両面粘着シート等や、本発明の粘着剤層等とその他の粘着剤層等(本発明の粘着剤層等以外の粘着剤層等)からなる両面粘着シート等が挙げられる。また、上記基材付き粘着シート等は、基材と、上記基材の少なくとも一方の面に形成された本発明の粘着剤層等とを含む粘着シート等であり、例えば、基材の片面側に本発明の粘着剤層等を有する片面粘着シート等や、基材の両面側に本発明の粘着剤層等を有する両面粘着シート等や、基材の一方の面側に本発明の粘着剤層等を有し、他方の面側にその他の粘着剤層等を有する両面粘着シートなどが挙げられる。なお、上記の「基材(基材層)」とは、支持体のことであり、粘着シート等を被着体に使用(貼付)する際には、粘着剤層等とともに被着体に貼付される部分である。粘着シート等の使用(貼付)時に剥離されるはく離ライナーは、上記基材に含まれない。
本発明の粘着シート等が基材付き粘着シート等である場合の基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム、反射防止(AR)フィルム、防眩(AG)フィルム、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられる。また、上記基材としては、紙、布、不織布等の多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔などが挙げられる。上記プラスチックフィルムなどの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、商品名「アートン」(環状オレフィン系ポリマー、JSR株式会社製)、商品名「ゼオノア」(環状オレフィン系ポリマー、日本ゼオン株式会社製)等の環状オレフィン系ポリマーなどのプラスチック材料が挙げられる。なお、これらのプラスチック材料は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記基材の厚さは、特に限定されないが、例えば、10~150μmが好ましく、より好ましくは15~125μm、さらに好ましくは25~100μmである。なお、上記基材は単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、上記基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理などの公知慣用の表面処理が適宜施されていてもよい。
上記粘着シート等は、使用時まで、粘着剤層等の表面(粘着面または接着面)にはく離ライナーが設けられていてもよい。なお、上記粘着シート等が両面粘着シート等である場合の各粘着面または接着面は、2枚のはく離ライナーによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっているはく離ライナー1枚により、ロール状に巻回される形態(巻回体)で保護されていてもよい。はく離ライナーは粘着剤層等の保護材として用いられ、被着体に貼付する際に剥がされる。また、上記粘着シート等が基材レス粘着シート等の場合、はく離ライナーは粘着剤層等の支持体としての役割も担う。なお、剥離ライナーは必ずしも設けられなくてもよい。
以上で説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、表1の「-」で示す評価結果は、当該延伸倍率において歪みが大きすぎることなどに起因して信頼性のあるデータを取得することが困難であり測定不能であったものを示す。表2の「-」で示す評価結果は評価を行っていないことを示す。
実施例1
エポキシモノマー(商品名「HBE100」、新日本理化株式会社製、モノマー成分(c)に相当)100質量部、エポキシ系樹脂(商品名「1256B40」、三菱ケミカル株式会社製)25質量部、硬化剤として4,4′-ジチオ二酪酸(東京化成工業株式会社製、化合物(a2)に相当)20質量部、ラジカル捕縛剤(商品名「Omnirad TPO H」、IGM Resins B.V.社製、化合物(b)に相当)25質量部、硬化触媒(商品名「ZC700」、マツモトファインケミカル株式会社製)0.1質量部、及びアセチルアセトン(AcAc)3質量部を、それぞれメチルエチルケトン500質量部に添加し、混合撹拌して混合溶液を調製した。
この混合溶液をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR1(商品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)に塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥後、塗布面をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR2(商品名「MRE#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離面側をかぶせることで、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む厚さ50μmの粘接着シートを作製した。なお、本明細書において、「粘接着」とは、粘着性および接着性の両方の性質を有していることをいう。
実施例2
エポキシモノマーとして商品名「jER828」(三菱ケミカル株式会社製)を使用したこと以外は実施例1同様にして、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
実施例3
ラジカル捕縛剤として商品名「Omnirad 651」(IGM Resins B.V.社製)を使用したこと以外は実施例2と同様にして、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
実施例4
硬化剤として4,4′-ジチオジフェノール(東京化成工業株式会社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
実施例5
硬化剤として4,4′-ジチオジフェノール(東京化成工業株式会社製)を使用したこと以外は実施例2と同様にして、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例1
ラジカル捕縛剤を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例2
硬化剤として4,4’-エチリデンビスフェノールを使用したこと以外は実施例1と同様にして、熱硬化型樹脂を含む粘接着シートを作製した。
比較例3
ラジカル捕縛剤を使用しないこと以外は比較例2と同様にして、熱硬化型樹脂を含む粘接着シートを作製した。
実施例6
[アクリル系ポリマーの調製]
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、n-ブチルアクリレート(BA)95質量部と、アクリル酸(AA)5質量部と、重合開始剤としての2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部と、溶媒としての酢酸エチル122質量部と含む混合物を、60℃で7時間、窒素雰囲気下で撹拌した。これにより、アクリルポリマー(ポリマーA)を含有するポリマー溶液を得た。このポリマー溶液中のアクリルポリマーの重量平均分子量(Mw)は60万であった。
上記アクリル系ポリマー100質量部(酢酸エチルに溶解)、架橋剤(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学株式会社製)0.1質量部、エポキシモノマー(商品名「HBE100」、新日本理化株式会社製、モノマー成分(c)に相当)100質量部、硬化剤(4,4′-ジチオ二酪酸、化合物(a2)に相当)2質量部、硬化触媒(商品名「ZC700」、マツモトファインケミカル株式会社製)0.1質量部、アセチルアセトン3質量部、及びラジカル捕縛剤(商品名「Omnirad TPO H」、IGM Resins B.V.社製)5質量部をそれぞれに添加し、混合撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶液をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR1(商品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)に塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥後、塗布面をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR2(商品名「MRE#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離面側をかぶせることで、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む厚さ50μmの粘接着シートを作製した。
実施例7
エポキシモノマーとして商品名「jER828」(三菱ケミカル株式会社製)を使用したこと以外は、実施例6と同様にして、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
実施例8
[アクリル系ポリマーの調製]
アクリル系ポリマーの原料として、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)63重量部、N-ビニルピロリドン(NVP)15重量部、メチルメタクリレート(MMA)9重量部、およびヒドロキシエチルアクリレート(HEA)13重量部を使用した以外は実施例6と同様の条件で重合を行い、アクリルポリマー(ポリマ-B)を含有するポリマー溶液を得た。
上記アクリル系ポリマー100重量部(酢酸エチルに溶解)に、イソシアネート系架橋剤(商品名「タケネートD110N」、三菱ケミカル株式会社製)4重量部、硬化剤(4,4’-ジチオジアニリン、化合物(a2)に相当)1質量部、架橋触媒(商品名「ZC700」、マツモトファインケミカル株式会社製)0.1質量部、アセチルアセトン2質量部、およびラジカル捕縛剤(商品名「Omnirad TPO H」、IGM Resins B.V.社製)4質量部をそれぞれに添加し、混合撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶液をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR1(商品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)に塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥後、塗布面をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR2(商品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離面側をかぶせることで、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む厚さ50μmの粘接着シートを作製した。
実施例9
実施例6で調製したものと同様のアクリルポリマー100質量部(酢酸エチルに溶解)に、架橋剤(1,3-ビス(4,5-ジヒドロ-2-オキサゾリル)ベンゼン、以後「1,3-PBO」と称する、TCI社製)4重量部、硬化剤(4,4'-ジチオ二酪酸、化合物(a2)に相当)5質量部、およびラジカル捕縛剤(商品名「Omnirad TPO H」、IGM Resins B.V.社製)5質量部をそれぞれに添加し、混合撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶液をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR1(商品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)に塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥させた。乾燥後、塗布面をポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR2(商品名「MRF#38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離面側をかぶせることで、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む厚さ50μmの粘接着シートを作製した。
実施例10
硬化剤として4,4′-ジチオジフェノール(東京化成工業株式会社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例4
実施例6で調製したアクリル系ポリマー100質量部(酢酸エチルに溶解)に架橋剤(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学株式会社社製)0.1質量部を添加し、混合撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶液を使用したこと以外は実施例6と同様にして、粘接着シートを作製した。
比較例5
ラジカル捕縛剤を使用しないこと以外は実施例6と同様にして熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例6
ラジカル捕縛剤を使用しないこと以外は実施例7と同様にして熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例7
ラジカル捕縛剤を使用しないこと以外は実施例8と同様にして熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例8
ラジカル捕縛剤を使用しないこと以外は実施例9と同様にして熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例9
ラジカル捕縛剤を使用しないこと以外は実施例10と同様にして熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
比較例10
硬化剤を使用しないこと以外は実施例9と同様にして熱硬化性樹脂、(ポリマー(a1)に相当)を含む粘接着シートを作製した。
(UV照射)
実施例および比較例で得られた粘接着シートについて、露出した粘着面にさらにはく離ライナーを貼り合わせた状態で、クォークテクノロジー社製のUV-LED照射装置(型番「QEL-350-RU6W-CW-MY」)を用い、波長365nmのUV-LEDランプを光源として使用し、波長320~390nmの範囲での照射積算光量を8000mJ/cm2として紫外線照射を行った。
<評価>
実施例及び比較例で得られた粘接着シートに関し、以下の評価を行った。なお、下記評価(1)~(4)は、UV照射を行う前後において行った。結果を表に示す。
(1)引張試験
実施例1~5及び比較例1~3
50μm厚の粘接着シートを10mm×30mmに切り出し、両面のはく離ライナーを除いた状態で、高さ30mmの短冊状サンプルを作製した。この上下10mm部分を引張圧縮試験機(商品名「オートグラフAGS-50NX」、株式会社島津製作所製)のチャックジグで固定し、チャック間距離10mm、引張速度300mm/minの条件で引張試験を行った。破断時の歪み量を破断伸度(%)、破断時の最大応力を破断応力(Pa)とした。
実施例6~10及び比較例4~10
50μm厚の粘接着シートを60mm×30mmに切り出し、両面のはく離ライナーを除いた状態で、長辺方向に巻き取り、高さ30mmの円柱状サンプルを作製した。この上下10mm部分を引張圧縮試験機(商品名「オートグラフAGS-50NX」、株式会社島津製作所製)のチャックジグで固定し、チャック間距離10mm、引っ張り速度300mm/minの条件で引張試験を行った。破断時の歪み量を破断伸度(%)、破断時の最大応力を破断応力(Pa)とした。
(2)ヤング率E
上記弾性率の評価において得られたスペクトルから、弾性変形領域での歪みεに対する応力σの変化量(E=Δσ/Δε)から算出した。
(3)破断点応力または応力ピーク強度
上記引張試験において得られたスペクトルについて、凸形状のピークの値が得られる場合はその値を応力ピーク強度とした。但し、上に凸形状のピークが得られずに粘接着シートが破断した場合は、破断点応力を採用した。
(4)歪み応力
上記引張試験において得られたスペクトルについて、各歪み(%)における応力を歪み応力とした。
Figure 2023081329000002
Figure 2023081329000003
以下、本開示に係る発明のバリエーションを記載する。
[付記1]
下記(a)成分及び(b)成分を含有する粘着剤および/または接着剤。
(a)成分:外部刺激により結合が開裂し、その後再結合し得る可逆分解性結合を分子内に有するポリマー、及び/又は前記可逆分解性結合をポリマーに導入可能な化合物
(b)成分:前記再結合を抑制する化合物
[付記2]
前記可逆分解性結合がジスルフィド結合である付記1に記載の粘着剤および/または接着剤。
[付記3]
前記再結合を抑制する化合物がラジカル捕縛剤である付記1または2に記載の粘着剤および/または接着剤。
[付記4]
前記ポリマーが熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化型樹脂である付記1~3のいずれか1つに記載の粘着剤および/または接着剤。
[付記5]
前記ポリマーが結合又は分子同士の絡み合いによりネットワーク構造を形成されたポリマーである付記1~4のいずれか1つに記載の粘着剤および/または接着剤。
[付記6] 光学用途に使用される付記1~5のいずれか1つに記載の粘着剤および/または接着剤。
1 粘着剤層または接着剤層
2 はく離ライナー
10 はく離ライナー付き粘着シートまたは接着シート

Claims (6)

  1. 下記(a)成分及び(b)成分を含有する粘着剤および/または接着剤。
    (a)成分:外部刺激により結合が開裂し、その後再結合し得る可逆分解性結合を分子内に有するポリマー、及び/又は前記可逆分解性結合をポリマーに導入可能な化合物
    (b)成分:前記再結合を抑制する化合物
  2. 前記可逆分解性結合がジスルフィド結合である請求項1に記載の粘着剤および/または接着剤。
  3. 前記再結合を抑制する化合物がラジカル捕縛剤である請求項1または2に記載の粘着剤および/または接着剤。
  4. 前記ポリマーが熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化型樹脂である請求項1または2に記載の粘着剤および/または接着剤。
  5. 前記ポリマーが結合又は分子同士の絡み合いによりネットワーク構造を形成されたポリマーである請求項1または2に記載の粘着剤および/または接着剤。
  6. 光学用途に使用される請求項1または2に記載の粘着剤および/または接着剤。
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