JP2023043198A - キャスタブル耐火物 - Google Patents

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Abstract

【課題】超高温雰囲気で好適に使用できる耐熱性を有するキャスタブル耐火物であって、十分な強度及び信頼性を有すると共に安定して施工をすることができるキャスタブル耐火物を提供することにある。【解決手段】アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで0~2.5重量%のアルミナセメントと、外掛けで5~15重量%のアルミナゾルと、を含み、前記アルミナゾルが乳酸分散アルミナゾルであること、を特徴とするキャスタブル耐火物。【選択図】なし

Description

本発明はキャスタブル耐火物に関し、特に、カーボンブラック製造炉等の超高温工業炉に好適に使用することができる優れた耐熱性を有するキャスタブル耐火物に関する。
カーボンブラック製造炉等の各種超高温炉においては、焼成れんがが使用されることが多い。しかしながら、近年では施工のし易さ等の観点から、キャスタブル耐火物の使用が増加している。
ここで、殆どのキャスタブル耐火物はアルミナセメントを含有しており、当該アルミナセメントは炉の雰囲気によって低融点化することが問題となっている。アルミナセメントの含有量を低下させることで、キャスタブル耐火物の耐熱性を向上させることができるが、低融点化の問題を根本的に改善することはできない。
加えて、アルミナセメントの含有量を低下させるとキャスタブル耐火物の強度及び信頼性が低下する。また、施工体の強度が低下することから、キャスタブル耐火物の脱枠が困難となる。
これに対し、アルミナセメントの低減に伴う強度等の低下を、シリカゾルやアルミナゾル等のゾルの使用によって補う手法が検討されている。例えば、特許文献1(特開2019-214502号公報)においては、「シリカ原料を除く耐火性原料、シリカゾル及びアルミナセメントを含むキャスタブル耐火物の製造方法であって、平均粒子径が50nm以上であるシリカを含有するアルカリ性のシリカゾル水溶液に、分散剤を溶解させる工程と、更に前記シリカゾル水溶液に最大粒子径が5μm以下の耐火性原料を分散させてスラリーを得る工程と、前記スラリーと、アルミナセメントと、分散剤と、最小粒子径が5μm超の耐火性原料とを混合して得られた混合物を混練する工程と、を有することを特徴とするキャスタブル耐火物の製造方法」が開示されている。
特許文献1に記載のキャスタブル耐火物の製造方法においては、アルカリ性を示し、かつ、平均粒子径が50nm以上であるシリカゾルは、マグネシアやアルミナセメントなどの様に水と接触するとアルカリ性を示す耐火性原料と共存しても凝結しないことから、緻密な施工体を作製可能であり施工性および耐用性に優れたキャスタブル耐火物を製造可能な、新規かつ改良されたキャスタブル耐火物の製造方法を提供することができる、とされている。
また、特許文献2(特開2020-203807号公報)においては、「耐火材料100質量部と、アルミナ固形分濃度が20~60質量%であるpH4~9のアルミナゾル由来のアルミナ固形分を1.0~12.0質量部と、有機酸塩を0.02~1.0質量部と粒径5μm以下の軽焼マグネシアを0.02~3.0質量部とを含有することを特徴とする、不定形耐火物」が開示されている。
上記特許文献2に記載の不定形耐火物においては、上記構成を有することにより、バインダーとしてアルミナゾルを用いた従来の不定形耐火物の課題であった瞬時に凝集して施工に適切な作業可使時間の確保ができなかった問題及びゲル化による強度発現が低く十分な養生強度を得ることができない問題を解決して、施工に適切な作業可使時間の確保が可能で、十分な養生強度を有し、耐爆裂性及び耐スポール性に優れる効果を有することができるものである、とされている。
特開2019-214502号公報 特開2020-203807号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のキャスタブル耐火物の製造方法で使用されているシリカゾルは、シリカの融点が1723℃であり、カーボンブラック製造炉のような1800℃を超える超高温雰囲気で使用することは難しい。
また、上記特許文献2に記載の不定形耐火物に使用されているアルミナゾルは高融点であるが、当該アルミナゾルは安定領域が狭く、例えば、pHが10以上となる場合は安定領域を超えてしまう。その結果、アルミナゾルのゲル化が早く、安定して施工を施すことが困難であり、実際に使用することが難しい。このような背景から、上記特許文献2に記載の不定形耐火物においてはアルミナゾルのpHが4~9の範囲に限定されている。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、超高温雰囲気で好適に使用できる耐熱性を有するキャスタブル耐火物であって、十分な強度及び信頼性を有すると共に安定して施工をすることができるキャスタブル耐火物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、キャスタブル耐火物の組成等について鋭意研究を重ねた結果、アルミナゾルを添加することでアルミナセメントの含有量を低下させ、当該アルミナゾルに乳酸分散アルミナゾルを使用すること等が極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで0~2.5重量%のアルミナセメントと、外掛けで5~15重量%のアルミナゾルと、を含み、
前記アルミナゾルが乳酸分散アルミナゾルであること、
を特徴とするキャスタブル耐火物、を提供する。
本発明の最大の特徴はアルミナゾルとして乳酸分散アルミナゾルを使用することであり、乳酸分散アルミナゾルを使用することで、キャスタブル耐火物のゲル化を遅らせ、安定した施工が加工なキャスタブル耐火物を実現することができる。
また、本発明のキャスタブル耐火物は、アルミナセメントの含有量を0~2.5重量%とすることで、使用環境下(高温環境下)におけるアルミナセメントの融点の低下に起因する機械的性質の低下を抑制し、キャスタブル耐火物に優れた耐熱性が付与されている。ここで、本発明のキャスタブル耐火物には、アルミナセメントを含有しないものも含まれる。
一方で、5~15重量%のアルミナゾルを添加することで、アルミナセメント含有量の低下に起因する強度低下を補い、キャスタブル耐火物に十分な強度及び信頼性が付与されている。適量のアルミナゾルを添加することで、アルミナセメントを含有しない場合であっても、キャスタブル耐火物を場内施工用等に使用することができる。
加えて、アルミナゾルに安定領域の広い乳酸分散アルミナゾルを使用することで、アルミナゾルのゲル化を抑制し、キャスタブル耐火物への安定した施工性の付与が実現されている。アルミナゾルは一般的に安定領域が狭く、pHが10以上となるキャスタブル耐火物では当該アルミナゾルの安定領域外となり、ゲル化の進行が早く使用することができない。これに対し、その理由は必ずしも明らかにはなっていないが、乳酸分散アルミナゾルを使用することで、アルミナゾルのpHが広域の範囲において、ゲル化の進行が抑制される。
また、本発明のキャスタブル耐火物においては、前記乳酸分散アルミナゾルのpHが7.5~8.5であり、前記乳酸分散アルミナゾルに含まれるアルミナ粒子の粒径が5~50nmであること、が好ましい。乳酸分散アルミナゾルは良好な安定性を有しているが、pHを7.5~8.5とし、アルミナ粒子の粒径を5~50nmとすることで、ゲル化の進行をより確実に抑制することができ、キャスタブル耐火物を安定して施工することができる。
また、本発明のキャスタブル耐火物においては、荷重軟化点が1750℃以上であること、が好ましい。1750℃以上の荷重軟化点を有することで、超高温雰囲気となるカーボンブラック製造炉にも好適に使用することができる。ここで、より好ましい荷重軟化点は1775℃以上であり、最も好ましい荷重軟化点は1800℃以上である。
また、本発明のキャスタブル耐火物においては、常温における24時間養生後の状態において、常温の圧縮強さが3MPa以上であり、常温の曲げ強さが0.5MPa以上であること、が好ましい。キャスタブル耐火物がこれらの機械的性質を有していることで、施工後の脱枠を容易に行うことができる。また、より好ましい圧縮強さは4MPa以上であり、最も好ましい圧縮強さは5MPa以上である。また、より好ましい曲げ強さは0.7MPa以上であり、最も好ましい曲げ強さは1.0MPa以上である。
本発明によれば、超高温雰囲気で好適に使用できる耐熱性を有するキャスタブル耐火物であって、十分な強度及び信頼性を有すると共に安定して施工をすることができるキャスタブル耐火物を提供することができる。
以下、本発明のキャスタブル耐火物についての代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
本発明のキャスタブル耐火物は、アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで0~2.5重量%のアルミナセメントと、外掛けで5~15重量%の乳酸分散アルミナゾルと、を含んでいる。以下、主成分と各添加成分について詳細に説明する。
(1)キャスタブル耐火物の成分
(1-1)主成分(アルミナ)
本発明のキャスタブル耐火物の主成分(耐火性骨材)はアルミナであり、適当に粒度調整を施したアルミナ原料を用いることができる。アルミナ原料の種類は本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、従来公知の種々のアルミナ原料を用いることができる。
アルミナ原料には、例えば、電融アルミナ、電融ムライト、焼結アルミナ、合成ムライト、ボーキサイト、シリマナイト、バン土頁岩等の高アルミナ質原料を用いることができる。また、耐火性骨材としては、アルミナ原料に加えて、珪石、ろう石、シャモット等の珪酸質原料、マグネシアクリンカー、クロム鉱、スピネル等の塩基性原料を含んでいてもよい。また、その他、焼結クロミア、電融クロミア、ジルコン、ジルコニア、炭化珪素及び黒鉛等の一般に耐火物原料として使用されているものを含んでいてもよい。
(1-2)添加成分
(1-2-1)アルミナセメント
本発明におけるアルミナセメントは、アルミン酸カルシウムを主要構成化合物とする水硬性セメントであり、本発明のキャスタブル耐火物は、アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで0~2.5重量%のアルミナセメントを含んでおり、アルミナセメントを含有しない場合も存在する。
一般にキャスタブル耐火物には結合剤としてアルミナセメントが10重量%以上添加されているが、本発明のキャスタブル耐火物はアルミナセメントを含まない、又は含有量の上限がアルミナ原料100重量%に対して外掛けで2.5重量%となっていることが特徴となっている。その結果、使用環境下(高温環境下)におけるアルミナセメントの融点の低下に起因する機械的性質の低下を抑制し、キャスタブル耐火物に優れた耐熱性が付与されている。
ここで、アルミナセメントの含有量は、アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで0.5~2.0重量%とすることが好ましく、1.0~1.5重量%とすることがより好ましい。0.5重量%以上のアルミナセメントを含有することで、キャスタブル耐火物に良好な強度等の機械的性質を付与することができ、2.0重量%以下とすることで、使用環境下(高温環境下)におけるアルミナセメントの融点の低下に起因する機械的性質の低下をより顕著に抑制し、キャスタブル耐火物に優れた耐熱性を付与することができる。また、これらの効果は、アルミナセメントの含有量を1.0~1.5重量%とすることで、より確実に得ることができる。
アルミナセメントの種類は本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、従来公知の種々のアルミナセメントを用いることができる。
(1-2-2)乳酸分散アルミナゾル
本発明のキャスタブル耐火物は、アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで5~15重量%の乳酸分散アルミナゾルを含んでいる。
本発明における「乳酸分散アルミナゾル」とは、アルミナコロイドが溶液中に分散したゾルであり、当該溶液に乳酸を含むものを意味している。また、乳酸以外にアルカリ剤等を含んでいてもよく、例えば、乳酸とアルカリ剤の配合量等によって乳酸分散アルミナゾルのpHを調整することができる。
乳酸分散アルミナゾルは酸やアルカリとの混合安定性に優れ、広いpH値の範囲において安定化する(ゲル化が抑制される)。乳酸分散アルミナゾルが当該特性を発現する詳細な機構については必ずしも明らかになっていないが、乳酸がアルミナゾルの安定化に特異的に作用しているものと考えられる。これに対し、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を用いた場合は、安定性に優れた良好なアルミナゾルを得ることが極めて困難であり、産業的に用いることができない。
本発明のキャスタブル耐火物においては、乳酸分散アルミナゾルが耐火骨材等の結合剤として機能するため、従来一般的に結合剤として使用されるアルミナセメントの含有量を低下させても、キャスタブル耐火物の強度を確保することができる。乳酸分散アルミナゾルの含有量は、アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで7~13重量%とすることが好ましく、8~12重量%とすることがより好ましい。
また、乳酸分散アルミナゾルのpHは、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、キャスタブル耐火物の組成や所望の特性等に応じて適宜調整すればよいが、pHを7.5~8.5とすることが好ましい。pHを7.5~8.5とすることでゲル化の進行をより確実に抑制することができ、キャスタブル耐火物を安定して施工することができる。なお、一般的に得られる乳酸の安全データシートによると、乳酸のpHは約1.2とされている。
また、乳酸分散アルミナゾルのアルミナ粒子の粒径は、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、従来公知の種々のアルミナ粒子とすればよいが、粒径を5~50nmとすることが好ましい。アルミナ粒子の粒径を5~50nmとすることで、アルミナゾルの流動性や均質性等を維持しつつ、ゲル化の進行をより確実に抑制することができ、キャスタブル耐火物を安定して施工することができる。
(1-3)任意の添加成分
(1-3-1)分散剤
主成分である耐火物骨材中への各添加成分の分散性を向上させ、キャスタブル耐火物の流動性を向上させるために、分散剤を添加してもよい。分散剤の添加量はキャスタブル耐火物の組成等に応じて適宜調整すればよいが、例えば、外掛けで0.01~0.5重量%とすることができる。
分散剤は本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、キャスタブル耐火物に使用されている従来公知の種々の分散剤を用いればよい。当該分散剤としては、例えば、適当な有機酸塩や縮合リン酸塩等を使用することができる。
(1-3-2)結合剤
アルミナセメントに代えて、又はアルミナセメントに加えて、適量の水硬性アルミナを結合剤として添加してもよい。
(1-3-3)その他
主成分であるアルミナ原料の他、焼結クロミア、電融クロミア、ジルコン、ジルコニア、炭化珪素、黒鉛等の一般に耐火物原料として使用される耐火物粒子を必要に応じて添加してもよい。また、適量の水を添加してもよい。
(2)キャスタブル耐火物の特性
(2-1)耐熱性
本発明のキャスタブル耐火物の荷重軟化点は1750℃以上であることが好ましい。1750℃以上の荷重軟化点を有することで、超高温雰囲気となるカーボンブラック製造炉にも好適に使用することができる。ここで、より好ましい荷重軟化点は1775℃以上であり、最も好ましい荷重軟化点は1800℃以上である。
キャスタブル耐火物の荷重軟化点は、JIS R2209(耐火れんがの荷重軟化点の試験方法)に準じて測定すればよい。
(2-2)機械的性質
本発明のキャスタブル耐火物は、常温における24時間養生後の状態において、常温の圧縮強さが3MPa以上であり、常温の曲げ強さが0.5MPa以上であることが好ましい。キャスタブル耐火物がこれらの機械的性質を有していることで、施工後の脱枠を容易に行うことができる。より好ましい圧縮強さは4MPa以上であり、最も好ましい圧縮強さは5MPa以上である。また、より好ましい曲げ強さは0.7MPa以上であり、最も好ましい曲げ強さは1.0MPa以上である。
キャスタブル耐火物の圧縮強さ及び曲げ強さは、JIS R2553(キャスタブル耐火物の強さ試験方法)に基づいて測定すればよい。
(3)キャスタブル耐火物の製造方法
本発明のキャスタブル耐火物を製造する方法は、上記各原料が均一に混合できればよく、従来公知の種々の製造方法を用いることができる。例えば、各原料の所定の割合で配合し、当該配合物を混練することでキャスタブル耐火物を得ることができる。
得られたキャスタブル耐火物は安定性に優れ、十分な施工時間を確保することができる。また、施工体は高い強度及び信頼性を有しており、キャスタブル耐火物の脱枠も容易に実施することができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
≪実施例≫
表1に実施例1として示す割合(重量%)で原料を調整し、実施キャスタブル耐火物を得た。耐火原料以外の組成の数値は、耐火原料100重量%に対する外掛け重量%である。表1に示す各原料を混練した後、型枠に流し込み、常温にて24時間養生後に脱枠した。
ここで、表1に記載のアルミナセメントは、アルミナ値が70%以上の高純度アルミナセメントである。また、乳酸分散アルミナゾルは、乳酸を分散剤として含有するアルミナコロイドが水溶液中に分散したゾルである。当該乳酸分散アルミナゾルのpHは8、アルミナ粒子の1次粒径は5~10nmとなっている。また、アルミナゾルは水を分散媒としたアルミナ水和物のコロイド溶液であり、安定化剤として酢酸が使用されたものである。また、シリカゾルは、Na安定型アルカリ性ゾルであり、シリカ含有量が40%となっている。
Figure 2023043198000001
[評価]
混練後のキャスタブル耐火物の可使時間(ゲル化が抑制され使用可能な時間)、脱枠後のキャスタブル耐火物の圧縮強さ、曲げ強さ及び荷重軟化点を測定した。
(1)可使時間
混練した原料をビニール袋に入れて実際に触りながら硬化の進行を判断し、可使時間を測定した。得られた結果を表1に示す。
(2)圧縮強さ
JIS R2553(キャスタブル耐火物の強さ試験方法)に基づいて、脱枠後のキャスタブル耐火物の圧縮強さを測定した。得られた結果を表1に示す。
(3)曲げ強さ
JIS R2553(キャスタブル耐火物の強さ試験方法)に基づいて、脱枠後のキャスタブル耐火物の曲げ強さを測定した。得られた結果を表1に示す。
(4)荷重軟化点
JIS R2209(耐火れんがの荷重軟化点の試験方法)に準じて、脱枠後のキャスタブル耐火物の荷重軟化点を測定した。得られた結果を表1に示す。
≪比較例≫
表1に比較例1~比較例4として示す割合で原料を調整したこと以外は実施例と同様にして、比較キャスタブル耐火物を得た。また、実施例と同様にして、各比較キャスタブル耐火物の可使時間、脱枠後のキャスタブル耐火物の圧縮強さ、曲げ強さ及び荷重軟化点を測定した。得られた結果を表1に示す。
実施キャスタブル耐火物には乳酸分散アルミナゾルが添加されており、180分間の十分に長い可使時間を有している。加えて、アルミナセメントの含有量が少ないにもかかわらず、高い圧縮強さと曲げ強さを有している。更に、荷重軟化点が1800℃となっており、超高温雰囲気での使用が可能な耐熱性を有している。
これに対し、アルミナセメントの含有量が少なく、無機粒子を含むゾルが添加されていない比較例1においては、キャスタブル耐火物の圧縮強さ及び曲げ強さが共に小さな値となっており、施工後に脱枠するための強度が得られていない。
また、比較例2ではアルミナセメントの含有量低下を補うためにシリカゾルが添加されている。シリカはアルミナと比較して融点が低く、キャスタブル耐火物の荷重軟化点は1600℃と低い値となっている。
また、比較例3ではアルミナセメントの含有量低下を補うためにアルミナゾルが添加されているが、当該アルミナゾルは安定性に乏しく、原料の混練後にゲル化が急速に進行し、施工することができなかった(可使時間が0分)。
更に、比較例4ではキャスタブル耐火物は十分な量のアルミナセメントを含有しており、圧縮強さ及び曲げ強さは高い値を示しているが、荷重軟化点が低く、超高温化で使用することはできない。
以上の結果より、超高温雰囲気で好適に使用できる耐熱性を有するキャスタブル耐火物であって、十分な強度及び信頼性を有すると共に安定して施工をすることができるキャスタブル耐火物を得るためには、アルミナセメントの含有量を低下させ、当該含有量低下を補うために乳酸分散アルミナゾルを添加することが極めて重要であることが分かる。

Claims (4)

  1. アルミナ原料100重量%に対して、外掛けで0~2.5重量%のアルミナセメントと、外掛けで5~15重量%のアルミナゾルと、を含み、
    前記アルミナゾルが乳酸分散アルミナゾルであること、
    を特徴とするキャスタブル耐火物。
  2. 前記乳酸分散アルミナゾルのpHが7.5~8.5であり、
    前記乳酸分散アルミナゾルに含まれるアルミナ粒子の粒径が5~50nmであること、
    を特徴とする請求項1に記載のキャスタブル耐火物。
  3. 荷重軟化点が1750℃以上であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のキャスタブル耐火物。
  4. 常温における24時間養生後の状態において、常温の圧縮強さが3MPa以上であり、常温の曲げ強さが0.5MPa以上であること、
    を特徴とする請求項1~3のうちのいずれかに記載のキャスタブル耐火物。
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