本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
1.構成
1-1.エレベータシステムの概要
実施形態1におけるエレベータシステムの概要について説明する。図1は、実施形態1におけるエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における機器配置を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
本実施形態に係るエレベータシステムは、複数台のエレベータ60A~60Fと、エレベータ60A~60Fの運行を統合的に制御する群管理システムとを含む。本実施形態では、エレベータシステムが6台のエレベータ60A~60Fを有する例を示している。以下において、エレベータ60A~60Fを適宜1号機~6号機という。各エレベータ60A~60Fの乗車用開口がエレベータ乗場側に設けられており、利用者はエレベータ乗場からエレベータ60A~60Fに乗車する。なお、以下では、エレベータ60A~60Fを区別せずに「エレベータ60」という場合がある。
本実施形態では、ビルのロビー階等の特定階に、複数台のセキュリティゲート20が配置されている。利用者は、エントランス側からいずれかのセキュリティゲート20を通過して特定領域に進入する。特定領域とは、ビルにおいて、特定階のエントランス側からセキュリティゲート20を通過しないと入れない領域である。特定領域には、エレベータ乗場や、各エレベータ60のかご内のスペースや、エレベータ60を利用して移動可能な各階床のスペースを含む。
各階床のエレベータ乗場の近傍には、行先階登録装置30が配置されている。
本実施形態におけるエレベータシステムでは、利用者がエレベータ60のかごに乗車する前にセキュリティゲート20や行先階登録装置30で行先階を予め登録する行先階登録方式を採用している。群管理システムは、このように予め登録された行先階に関する呼び(行先階呼び)を、複数台のエレベータ60のうちのいずれかの号機に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を利用者に報知し、割り当てた号機に利用者を乗車させるように構成されている。
また、本実施形態におけるエレベータシステムでは、利用者は、行先階の登録をビル入館用のIDカード(ビル入館用のセキュリティ認証カード)を利用して行うことが可能に構成されている。IDカードは、例えばICタグを内蔵したICカードにより構成されている。IDカードは情報記録媒体の一例である。なお、本実施形態において、ビル入居テナントの社員やビル管理者は「一般利用者」に分類される利用者(「一般利用者」の属性を有する利用者)として分類され、それぞれ専用のIDカードが常時貸与される。これに対し、ビル入居テナントなどへの訪問者は「訪問者」に分類される利用者(「訪問者」の属性を有する利用者)として分類され、ロビー階などに設けられたビル受付などにおいてIDカードが一時的に貸与される。
なお、特定階の行先階登録装置30は、特定領域に進入した利用者が、群管理システムにより指定されたエレベータ60に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに、エレベータ60を利用することを可能とするために設けられている。
1-2.エレベータシステムの構成
1-2-1.概要
図2は、エレベータシステムの構成を示したブロック図である。エレベータシステムは、複数台のエレベータ60A~60Fと、これらのエレベータを統合的に制御する群管理システムと、を含む。エレベータの群管理システムは、群管理制御装置10と、複数台の行先階登録装置30と、複数台のエレベータ制御装置40A~40Fと、複数台のゲート表示器70とを有する。群管理システムは、セキュリティシステムに、信号伝送可能に接続される。セキュリティシステムは、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20、カードリーダ25及びカードリーダ36を有する。ゲート表示器70は、セキュリティゲート20に配置されている。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100及び行先階登録装置30との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置間は、情報伝送可能なネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、例えばEthernet(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークNW上に接続されている前述の各装置は、装置間において、各装置が有する入出力インタフェースにより、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送(情報伝送)が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
各エレベータ60(60A~60F)は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。
1-2-2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、複数台のエレベータ60A~60Fの運行を統合的に制御する。
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13と、を備える。
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
制御部11はさらに、アナウンス言語選択部15を有する。アナウンス言語選択部15は、かご内のアナウンスに用いるアナウンス言語を、予め登録されている複数の言語の中から選択する。後述するように、アナウンス言語選択部15は、アナウンス言語を選択するための言語リストAL(図17)を生成・更新し、エレベータ制御装置40に送信する。
入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース13は、群管理制御装置10が、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40(40A~40F)との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40に出力する。また、入出力インタフェース13は、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
1-2-3.行先階登録装置
図3は、行先階登録装置30の電気的構成を示したブロック図である。行先階登録装置30は、利用者が行先階の登録を行うための装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、操作部35とを備える。
記憶部32は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部31は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース33は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース33は、行先階登録装置30が群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース33は、制御部31から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース33は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部31に出力する。
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく画像等の表示を行う。
操作部35は、行先階登録装置30に対するユーザ操作を受け付けるインタフェースである。操作部35は、操作内容に応じた信号を制御部31に出力する。
表示部34及び操作部35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成される。なお、表示部34と操作部35とは、表示部34に表示されているボタン等のオブジェクトと同等の指定を行うことが可能であれば、異なる部品を利用して別々に構成されてもよい。
図4は、行先階登録装置30の外観を模式的に示した図である。図5A、図5Bは、行先階登録装置30の表示部34における表示例を示した図である。
行先階登録装置30の側方には、カードリーダ36が配置されており、行先階の登録の際、利用者に、IDカードをカードリーダ37にかざして認証を行わせるように構成されている。
カードリーダ36は、利用者により所定距離よりも近い位置にかざされたIDカード(ICカード)のICタグに記録されたカードID(カード識別情報)を例えば電磁的に非接触で読み取る。カードリーダ36は、情報読取装置の一例である。カードIDは、情報読取装置で読み取られる情報の一例である。カードリーダ36は、読み取ったカードIDと、当該カードリーダ36のカードリーダID(カードリーダ識別情報)とを含むIDデータ信号をセキュリティサーバ100に送信する。
図4では、行先階登録装置30の表示部34に、デフォルト画面としての案内画面が表示されている例を示している。この案内画面では、例えば、「カードリーダにIDカードをかざしてください」というメッセージが表示される。図4の案内画面が表示部34に表示されているときに、利用者によりIDカードがカードリーダ36にかざされると、例えば図5Aに示すような登録操作画面が表示される。図5Aの登録操作画面では、表示部34に「行先階を選択してください」というメッセージとともに、1~9階の各行先階の行先階ボタンが表示されている。図5Aの登録操作画面で、いずれかの行先階ボタンが利用者により押されると(タッチされると)、エレベータの割り当てが行われ、例えば図5Bに示すような割当号機報知画面が表示される。図5Bの割当号機報知画面では、表示部34に「1号機にご乗車ください」というメッセージが表示されている。
1-2-4.エレベータ制御装置
図6は、エレベータ制御装置40A~40Fの電気的構成を示すブロック図である。エレベータ制御装置40A~40Fは、エレベータ60A~60Fに対応させて設けられ、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ60A~60Fの巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、エレベータ60A~60Fのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40A~40Fはそれぞれ、対応するエレベータ60A~60Fのかごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含むかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置10に出力する。なお、以下では、エレベータ制御装置40A~40Fを区別せずに「エレベータ制御装置40」という場合がある。
エレベータ制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43と、を備える。
記憶部42は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のエレベータ制御装置40の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部41は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部41は、記憶部42から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、エレベータ制御装置40における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース43は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース43は、エレベータ制御装置40と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース43は、制御部41から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース43は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部41に出力する。
入出力インタフェース43はさらに、表示装置62と、スピーカ64に対して電気的に接続されている。表示装置62及びスピーカ64は、エレベータ60のそれぞれに設けられた報知用の部材であり、エレベータ60の運転に関わる情報を報知する「かご内報知部」である。表示装置62及びスピーカ64はそれぞれ、予め登録された複数の言語にて表示又はアナウンス可能に構成され、多言語の報知に対応している。表示装置62及びスピーカ64は、エレベータ制御装置40によって制御される。
1-2-5.セキュリティゲート
セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への正規の利用者の進入を許可する一方、非正規の利用者の進入については規制する装置である。正規の利用者とは、利用者IDがカードデータベース(以下「カードDB」という)に登録されている利用者であり、非正規の利用者とは、利用者IDがカードDBに登録されていない利用者である。正規の利用者は、ビル管理者により発行された、利用者IDを格納する正規なIDカードを有している。
図7は、セキュリティゲート20の外観を示した図である。なお、図7は、図1の3台のセキュリティゲート20のうち最も左のセキュリティゲート20を示している。セキュリティゲート20は、筐体であるゲート本体20aと、カードリーダ25と、第1センサ26と、第2センサ27と、ゲートフラッパ28と、ゲート表示器70とを備える。
ゲートフラッパ28は、開閉自在の扉である。
ゲート本体20aには、セキュリティサーバ100から出力される信号などに基づいて、ゲートフラッパ28の開閉を制御する制御部、制御に必要なプログラムなどを格納する記憶部、セキュリティサーバ100との間で信号の授受を行う入出力インタフェースなどが収容されている。
カードリーダ25は、ゲート本体20aの上面の入口20i側に配置されている。カードリーダ25は、利用者により所定距離よりも近い位置にかざされたIDカード(ICカード)のICタグに記録されたカードID(カード識別情報)を例えば電磁的に非接触で読み取る。カードIDは、情報読取装置で読み取られる情報の一例である。カードリーダ25は、読み取ったカードIDと、当該カードリーダ36のカードリーダID(カードリーダ識別情報)とを含むIDデータ信号をセキュリティサーバ100に送信する。
第1センサ26は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの入口20i側を通過する利用者を検知する。第1センサ26は、利用者を検知すると、制御部を介して検知信号をセキュリティサーバ100に出力する。
第2センサ27は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの出口20e側を通過する利用者を検知する。第2センサ27は、利用者を検知すると、制御部を介して検知信号をセキュリティサーバ100に出力する。
ゲート表示器70は、群管理制御装置10が割り当てたエレベータ(割当号機)の名称などを表示する割当号機報知画面を表示する。ゲート表示器70は、群管理制御装置10から出力される割当結果信号を受信したときに、割当号機報知画面を表示する。
図8は、セキュリティゲート20のゲート表示器70における表示例を示した図である。セキュリティゲート20を通過する利用者によりIDカードがカードリーダ25にかざされると、群管理制御装置10によりエレベータの割り当てが行われ、例えば図8に示すような割当号機報知画面がゲート表示器70に表示される。図8の割当号機報知画面では、「1号機にご乗車ください」というメッセージが表示されている。
1-2-6.セキュリティサーバ
セキュリティサーバ100は、セキュリティゲート20のカードリーダ25または行先階登録装置30のカードリーダ36から送信されてきたIDデータ信号に含まれるカードIDに基づいてセキュリティ認証を行うとともに、セキュリティゲート20の開閉を制御する。また、セキュリティサーバ100は、IDデータ信号を受信したときに、利用者の行先階などの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置10に出力する。
図9は、セキュリティサーバ100の電気的構成を示すブロック図である。セキュリティサーバ100は、コンピュータを利用して構成され、制御部101と、記憶部102と、入出力インタフェース103と、を備える。
記憶部102は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のセキュリティサーバ100の後述する各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部102は、データとして、カードDBを格納している。カードDBの構成については後述する。
また、記憶部102は、データとして、カードリーダデータベース(以下「カードリーダDB」という)を格納している。カードリーダDBの構成については後述する。
制御部101は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部101は、記憶部102から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティサーバ100における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース103は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース103は、セキュリティサーバ100が、カードリーダ25、カードリーダ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース103は、制御部101から出力された信号を所定の形式の信号に変換してカードリーダ25、カードリーダ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20に出力する。また、入出力インタフェース103は、カードリーダ25、カードリーダ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部101に出力する。
図10は、セキュリティサーバ100の記憶部102に格納されているカードリーダDBの構成を示す図である。カードリーダDBは、カードリーダIDに紐付けて、各カードリーダ(25,36)の設置階と、各カードリーダ(25,36)の設置ロケーションの情報とを格納している。
設置階は、カードリーダIDに対応するカードリーダ(25,36)が設置されている階を示す情報である。設置階は、カードリーダ(25,36)にIDカードをかざした利用者の出発階として利用される。
設置ロケーションは、カードリーダIDに対応するカードリーダ(25,36)が設置階内で設置されている位置を示す情報である。設置ロケーションは、設置階毎に、例えば「1」,「2」,「3」…などの通し番号により示される。
図10に示す例では、カードリーダID“0001”に紐付けて、設置階、及び設置ロケーションとして、“1”、及び“1”が登録されている。カードリーダID“0002”に紐付けて、設置階、及び設置ロケーションとして、“1”、及び“2”が登録されている。残りのカードリーダIDについても同様に、カードリーダIDに紐付けて、設置階及び設置ロケーションの情報が登録されている。
図11は、セキュリティサーバ100の記憶部102に格納されているカードDBの構成を示す図である。カードDBは、カードIDに紐付けて、デフォルト行先階と、利用者属性と、言語属性とを記録している。これらの情報のカードDBへの登録は例えばビル管理者により行われる。
「カードID」は、前述したように、IDカードを一意に識別するために設定された識別情報である。
「デフォルト行先階」は、利用者のデフォルト行先階を示す情報である。IDカードのカードIDに対応する行先階としては、例えば、利用者が入居している階床が設定される。
「利用者属性」は、利用者の属性を示す情報である。「利用者属性」としては、“訪問者”または“一般利用者”が登録される。“訪問者”は、利用者が「訪問者」に分類される利用者(「訪問者」の属性を有する利用者)であることを示す。“一般利用者”は、利用者が「一般利用者」に分類される利用者(「一般利用者」の属性を有する利用者)であることを示す。なお、その他の利用者属性(例えば「身障者」)が登録可能であってもよい。
「言語属性」は、利用者の言語属性を示す情報である。「言語属性」としては、“日本語”、“英語” 、“中国語” 、“韓国語”等の情報が登録される。図11に示す例では、計4か国語を例示しているが、その他の言語属性を含めて、任意の数の言語属性が登録可能であってもよい。本実施形態では、利用者属性が“訪問者”である場合、言語属性が登録されない場合を例示するが、このような場合に限らず、予め定められたデフォルト言語(例えば日本語)が自動的に登録されてもよい。
図11に示す例では、カードID“0001”に紐付けて、デフォルト行先階、利用者属性、及び言語属性として、“10”、“一般利用者”、及び“日本語”が登録されている。カードID“0003”に紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性として、“5”、“一般利用者”、及び“英語”が登録されている。また、カードID“1001”に紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性として、“5”、及び“訪問者”が登録されている。カードID“1002”に紐付けて、デフォルト行先階、及び利用者属性として、“3”、及び“訪問者”が登録されている。残りのカードIDについても同様に、カードIDに紐付けて、デフォルト行先階、利用者属性、及び、言語属性の情報(利用者属性が“一般利用者”の場合)の情報が登録されている。
2.動作
2-1-1.セキュリティゲートのゲートフラッパの開閉制御
セキュリティゲート20のゲートフラッパ28の開閉制御の一例について時系列的に説明する。ゲートフラッパ28は閉状態をデフォルトとする。利用者が、IDカードをカードリーダ25にかざしながらセキュリティゲート20に進入すると、カードリーダ25でIDカードからカードIDが読み取られ(取得され)、カードリーダ25からセキュリティサーバ100に、読み取られたカードIDと、当該カードリーダ25のカードリーダIDとを含むIDデータ信号が送信される。受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれとも一致しない場合、セキュリティサーバ100は、エラー信号を、カードリーダIDが示すカードリーダ25が配置されたセキュリティゲート20に送信する。この場合、セキュリティゲート20の制御部は、ゲートフラッパ28を閉状態で維持する。これにより、非正規のIDカードを提示した利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
これに対し、受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれかと一致した場合、セキュリティサーバ100は、開放信号を送信する。この場合、セキュリティゲート20の制御部は、ゲートフラッパ28を開状態に制御する。これにより、正規のIDカードをかざした利用者は、セキュリティゲート20を通過することができる。
なお、セキュリティゲート20の制御部は、セキュリティサーバ100から開放信号を受信していないにもかかわらず、第1センサ26から検知信号を受信した場合、ゲートフラッパ28を閉状態で維持する。これにより、IDカードを提示していない利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
このように、正規のIDカードをかざした利用者は特定領域に進入することができるが、そうでない利用者は特定領域に進入することができない。よって、ビル内のセキュリティが確保される。
2-1-2.号機割当制御等
2-1-2-1.セキュリティゲートのカードリーダにIDカードがかざされたとき
利用者が、カードリーダ25にカードをかざしながらセキュリティゲート20に進入すると、カードリーダ25で、かざされたIDカードからカードIDが読み取られ、カードリーダ25からセキュリティサーバ100に、読み取られたカードIDと、当該カードリーダ25のカードリーダIDとを含むIDデータ信号が送信される。セキュリティサーバ100は、IDデータ信号に含まれるこれらの情報に基づいて、以下の(1)、(2)のいずれかの制御を行う。
(1)カードリーダ25から受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれかと一致する場合、セキュリティサーバ100は、カードDBでIDカードのカードIDに紐付けて登録されているデフォルト行先階、利用者属性、及び言語属性の情報を読み出す。また、セキュリティサーバ100は、カードリーダ25から受信したカードリーダIDに紐付けてカードリーダDBに格納されている設置階及び設置ロケーションの情報を読み出す。そして、セキュリティサーバ100は、出発階(設置階)、設置ロケーション、行先階(デフォルト行先階)、利用者属性、及び言語属性の情報を含む呼び情報を生成し、当該呼び情報を含む呼び情報信号を群管理制御装置10に送信する。
(2)カードリーダ25から受信したIDデータ信号に含まれるカードIDが、カードDBに登録されているカードIDのいずれとも一致しない場合、正規でないIDカードが利用されたことが考えられる。このような場合、セキュリティサーバ100は、呼び情報の生成を行わない。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信すると、受信した呼び情報信号に基づいて割当号機を決定し、決定した割当号機を示す割当結果信号を、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに配置されているゲート表示器70または行先階登録装置30に送信する。
ゲート表示器70は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、割当号機報知画面を表示する。
2-1-2-2.行先階登録装置のカードリーダにIDカードがかざされたとき
行先階登録装置30のカードリーダ36にカードがかざされたとき、セキュリティサーバ100及び群管理制御装置10は、セキュリティゲート20のカードリーダ25にIDカードがかざされたときと同様の処理を行う。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、表示部34に、割当号機を表示した割当号機報知画面を表示する。
2-1-3.エレベータシステムの具体的動作
エレベータシステムの具体的動作についてフローチャートを参照して説明する。
図12は、セキュリティサーバ100による呼び情報生成処理を説明したフローチャートである。
セキュリティサーバ100は、カードリーダ25またはカードリーダ36からIDデータ信号を受信したか否かを判断する(S1)。IDデータ信号には少なくとも、カードIDおよびカードリーダIDが含まれる。
カードリーダ25及びカードリーダ36のいずれからもIDデータ信号を受信していない場合(S1でNO)、セキュリティサーバ100は、ステップS1を再度実行する。
カードリーダ25またはカードリーダ36からIDデータ信号を受信した場合(S1でYES)、セキュリティサーバ100は、IDデータ信号に含まれているカードリーダIDに基づいて、IDデータ信号の送信元のカードリーダ25またはカードリーダ36の設置階および設置ロケーションを特定する(S2)。具体的には、セキュリティサーバ100は、カードリーダDBから、IDデータ信号が示すカードリーダIDに紐付けられている設置階および設置ロケーションの情報を読み出す。
セキュリティサーバ100は、IDデータ信号に含まれているカードIDに基づいて、利用者のデフォルト行先階、利用者属性および言語属性を特定する(S3)。具体的には、セキュリティサーバ100の制御部101は、カードDBから、IDデータ信号が示すカードIDに紐付けられているデフォルト行先階、利用者属性、及び言語属性を読み出す。
セキュリティサーバ100は、設置階、設置ロケーション、デフォルト行先階、利用者属性、及び言語属性の情報を含む呼び情報を生成し、当該呼び情報を含む呼び情報信号を群管理制御装置10に送信する(S4)。ステップS4を実行すると、セキュリティサーバ100は、ステップS1を再度実行する。
図13は、群管理制御装置10による割当処理を説明したフローチャートである。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信したか否かを判断する(S11)。呼び情報信号には、前述したように、設置階、設置ロケーション、デフォルト行先階、利用者属性、及び言語属性の情報が含まれる。
呼び情報信号を受信していない場合(S11でNO)、群管理制御装置10は、ステップS11を再度実行する。
呼び情報信号を受信した場合(S11でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報信号等に基づいて、当該呼びの出発階及び行先階を設定する(S12)。図14を参照してステップS12の処理を具体的に説明する。
図14は、群管理制御装置10による出発階、行先階の設定処理を説明したフローチャートである。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から受信した呼び情報に含まれる設置階及び設置ロケーションの情報に基づいて、利用者によって利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25であるか否かを判断する(S101)。この判断は例えば以下のように行うことができる。すなわち、群管理制御装置10の記憶部12に、各カードリーダの設置階及び設置ロケーションの情報に紐付けてセキュリティゲート20のカードリーダ25であるか否かを示す情報を記録した区別情報テーブルを格納しておく。群管理制御装置10は、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに基づいて当該区別情報テーブルを参照することで、利用者によって利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25であるか否かを判断する。
利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25である場合(S101でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報に含まれる設置階を出発階として設定するとともに、呼び情報に含まれるデフォルト行先階を行先階として設定する(S102)。
利用されたカードリーダがセキュリティゲート20のカードリーダ25でない場合(S101でNO)、群管理制御装置10は、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30に、受付許可信号を送信する(S103)。受付許可信号は、利用者による行先階の登録操作を行先階登録装置30が受け付けることを許可する命令と、呼び情報信号が示す利用者属性の情報とを含む信号である。受付許可信号の送信は例えば以下のように行うことができる。すなわち、群管理制御装置10の記憶部12に、各カードリーダの設置階及び設置ロケーションの情報に紐付けて送信先情報を記録した送信先情報テーブルを格納しておく。群管理制御装置10は、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに基づいて当該送信先情報テーブルを参照することで、呼び情報信号が示す設置階及び設置ロケーションに配置されているゲート表示器70または行先階登録装置30の送信先情報を取得し、受付許可信号を送信することができる。なお、群管理制御装置10は、割当結果信号についても同様の方法で、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30に送信することができる。
群管理制御装置10は、行先階登録装置30から割当依頼信号を受信したか否かを判断する(S104)。割当依頼信号には、後述するように、出発階(設置階)、設置ロケーション、行先階、利用者属性、及び言語属性の情報が含まれている。
割当依頼信号を受信していない場合(S104でNO)、群管理制御装置10は、ステップS104を再度実行する。
割当依頼信号を受信した場合(S104でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報に含まれる設置階を出発階として設定するとともに、割当依頼信号が示す行先階を行先階として設定する(S105)。
ステップS102またはS105を実行すると、群管理制御装置10は、図13のステップS13の処理を実行する。すなわち、群管理制御装置10は、ステップS12で設定された出発階及び行先階に基づいて、割当号機を決定する(S13)。
割当号機の決定は、例えば、輸送性能に関連する指標である割当評価値に基づいて行う。群管理制御装置10の制御部11は、各号機毎に割当評価値を求め、求めた割当評価値のうち最適割当てを示す割当評価値を有する号機に行先階呼びを割り当て、当該号機を割当号機に決定する。割当評価値に基づく割当方法は公知の方法を利用することができる。例えば、全号機及び全呼びについての待ち時間の総和やサービス完了時間の総和が最も少なくなる割当方法を利用することができる。
群管理制御装置10は、呼び情報が示す設置階及び設置ロケーションに配置されている行先階登録装置30またはゲート表示器70に、割当号機の情報を含む割当結果信号を送信する(S14)。これにより、ゲート表示器70または行先階登録装置30の表示部34に、割当号機の情報(割当号機名等)を表示した割当号機報知画面が表示される。
ここで、利用者が行先階登録装置30を利用して行先階登録を行った場合における行先階登録装置30による呼び登録処理について説明する。行先階登録装置30を利用した行先階登録は、前述したように、セキュリティゲート20を通過して特定領域内に入った利用者が、セキュリティゲート20の通過時に指定されたエレベータ60に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに行われる。
図15は、行先階登録装置30による呼び登録処理を説明したフローチャートである。このフローチャートによる処理は、エレベータシステムが稼働中に常時実行される。
行先階登録装置30は、まず、表示部34に案内画面を表示する(S21)。例えば、行先階登録装置30は、前述した図4に示すような案内画面を表示部34に表示する。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から受付許可信号を受信したか否かを判断する(S22)。前述したように、受付許可信号は、利用者による行先階の登録操作を行先階登録装置30が受け付けることを許可する信号であり、利用者がカードリーダ36にIDカードをかざした際にセキュリティサーバ100から出力される。
群管理制御装置10から受付許可信号を受信していない場合(S22でNO)、行先階登録装置30は、ステップS21に戻ってその処理を実行する。
群管理制御装置10から受付許可信号を受信した場合(S22でYES)、行先階登録装置30は、表示部34に登録操作画面を表示する(S23)。例えば、前述した図5Aに示すような登録操作画面を表示部34に表示する。
行先階登録装置30は、受付許可信号の受信時刻rtに現在時刻を設定する(S24)。具体的には、行先階登録装置30の制御部31は、表示信号の受信時刻rtとして現在時刻を記憶部32に記憶させる。
行先階登録装置30は、いずれかの行先階ボタンが押されたか否かを判断する(S25)。
いずれかの行先階ボタンが押された場合(S25でYES)、行先階登録装置30は、群管理制御装置10に割当依頼信号を送信する(S26)。割当依頼信号は、当該行先階登録装置30の設置階(出発階)、当該行先階登録装置30の設置ロケーション、押された行先階ボタンに対応する行先階、並びに群管理制御装置10から受信した利用者属性および言語属性の情報(呼び情報)を含む。行先階登録装置30の設置階、設置ロケーションは、当該行先階登録装置30に併設されているカードリーダ36に紐づけてカードリーダDBに格納されている設置階、設置ロケーションと同じ内容の情報であり、例えば、各行先階登録装置30の記憶部32に記憶されている。行先階登録装置30の制御部31は、割当依頼信号の生成の際に、記憶部32から設置階、設置ロケーションを読み出して利用する。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信したか否かを判断する(S27)。割当結果信号は、割当依頼信号に対する応答として群管理制御装置10から送信される信号であり、割当号機の情報を含む。
群管理制御装置10から割当結果信号を受信していない場合(S27でNO)、行先階登録装置30は、ステップS27を再度実行する。
群管理制御装置10から割当結果信号を受信した場合(S27でYES)、行先階登録装置30は、割当結果信号が示す割当号機の情報に基づいて、表示部34に割当号機を所定時間表示する(S28)。例えば、前述した図5Bに示すような割当号機報知画面を表示部34に表示させる。所定時間は、利用者が「割当号機」を視認可能な程度の長さの時間であり、例えば4秒である。
ステップS28の処理を実行すると、行先階登録装置30の制御部31は、ステップS21に戻り、表示部34に案内画面を表示させる。
いずれの行先階ボタンも押されていない場合(S25でNO)、行先階登録装置30は、ステップS24で設定された受信時刻rtに差分時間Cを加算した時刻よりも現在時刻が後であるか否かを判断する(S29)。差分時間Cは、登録操作画面の表示継続時間であり、利用者が余裕を持って行先階の指定操作を行うことが可能な時間に設定されている。差分時間Cは、例えば10秒である。
受信時刻rtに差分時間Cを加算した時刻よりも現在時刻が後でない場合(S29でNo)、行先階登録装置30は、ステップS25を再度実行する。
受信時刻rtに差分時間Cを加算した時刻よりも現在時刻が後である場合(S29でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、ステップS21に戻り、表示部34に案内画面を表示させる。これにより、登録操作画面を表示部34に表示した後、例えば利用者が立ち去って、いずれの行先階ボタンも押されない状態が差分時間C以上経過した場合には、案内画面に切り替えられることとなる。
2-1-4.かご内多言語アナウンス方法
上述したエレベータシステムは、かご内の利用者に対して多言語でのアナウンスを行う。エレベータシステムは、カードIDのそれぞれに紐づけられている「言語属性」の情報に基づいて、かご内アナウンスに使用するアナウンス言語を選択し、選択した1つ又は複数のアナウンス言語を用いてかご内アナウンスを行う。具体的な制御方法について、図16以降の図面を用いて以下説明する。
まず、群管理制御装置10による言語リストの生成・送信処理の詳細について、図16を参照して説明する。群管理制御装置10のアナウンス言語選択部15は、セキュリティゲート20又は行先階登録装置30から送信される呼び情報に含まれる利用者の言語属性の情報に基づいて、かご内アナウンスで使用するアナウンス言語を選択するための「言語リストAL」を生成する。
図16に示すように、群管理制御装置10のアナウンス言語選択部15(以下、単に群管理制御装置10とする。)は、X号機に乗車中の利用者全員の言語属性について、lang(i)=言語という言語リストALを生成する(S31)。
「i」は、X号機に乗車中の各利用者に割り当てられる番号(利用者番号)である。群管理制御装置10は、図16に示すフローを実行する時点でX号機に乗車中の利用者に関連する呼び情報を特定し、特定した呼び情報のそれぞれに対して利用者番号を割り当てる。群管理制御装置10は例えば、セキュリティゲート20又は行先階登録装置30から送信される呼び情報の信号を受信した順番に基づいて、各利用者(呼び情報)に対して、“1”、“2”、“3”・・という利用者番号を割り当てる。
lang(i)は、利用者番号が割り当てられた利用者(呼び情報)のそれぞれに対応する言語を示す情報である。lang(i)は、利用者番号“i”が割り当てられた呼び情報に含まれる「言語属性」の情報が登録される。図11に示したように、利用者属性が“訪問者”であり言語属性の情報が登録されていない場合は、予め定めたデフォルト言語(例えば日本語)をlang(i)に設定してもよい。
図17は、言語リストALの生成・更新の一例を示す図である。(A)に示すように、ステップS31により最初に生成される言語リストALには、要素は入っていない。
群管理制御装置10は、iに1を代入する(S32)。
群管理制御装置10は、言語リストALにlang(i)が含まれるか否かを判断する(S33)。最初にステップS33を実行する場合、言語リストALにはlang(i)の情報は存在しないため、言語リストALにlang(1)は入っていないと判断される(S33でNO)。この場合、群管理制御装置10は、言語リストALにlang(1)を追加する(S34)。図17に示す例では、(B)に示すように、利用者番号“1”に対応するlang(1)は“日本語”であるため、lang(1)=日本語という情報が言語リストALに追加される。
群管理制御装置10は、X号機に乗車中の全利用者について完了したか否かを判断する(S35)。具体的には、利用者番号が割り当てられた全ての利用者(呼び情報)のそれぞれについてステップS33(およびステップS34)を実行した場合に、全利用者について完了したと判断される(S35でYES)。
全利用者のそれぞれについてステップS33を実行するまでは、全乗車予定者について完了していないと判断され(S35でNO)、群管理制御装置10は、iに1を加算する(S36)。最初にステップS34を実行する場合、i=1であるため、iに1を加算してi=2とする。
群管理制御装置10は、ステップS33を再度、実行する。すなわち、言語リストALにlang(2)が含まれているか否かを判断する(S33)。図17に示す例では、(B)に示すように、lang(1)と同様に、lang(2)も日本語であるため、言語リストALにlang(2)は含まれていると判断される(S33でYES)。この場合、群管理制御装置10は、ステップS34をスキップし、ステップS35を実行する。
上記の通り、ステップS33~S36を繰り返し実行することで、利用者番号が割り当てられた利用者のそれぞれに対応する言語を言語リストALに過不足なく追加する。
図17の(B)に示す例では、X号機に乗車中の利用者の合計人数が3人であり、lang(3)は英語である。群管理制御装置10は、言語リストALにlang(3)は含まれていないと判断し(S33でNO)、言語リストALにlang(3)=英語の情報を追加する(S34)。
リストALにlang(3)を追加すると、X号機に乗車中の全利用者について完了したと判断され(S35でYES)、群管理制御装置10は、図17の(B)に示す言語リストALを、X号機のエレベータ制御装置40に送信する(S37)。言語リストALは、かご内アナウンスで使用するアナウンス言語を選択したリストであり、図17に示す例では、“日本語”と“英語”がアナウンス言語として選択されている。
エレベータ制御装置40は、群管理制御装置10から送信された言語リストALに基づいて、かご内アナウンスを行う。具体的には、エレベータ制御装置40はスピーカ64を制御して、言語リストALに含まれるアナウンス言語を用いてかご内アナウンスを行う。図17の(B)に示す例では、“日本語”と“英語”がアナウンス言語に選択されているため、日本語によるアナウンスと、英語によるアナウンスを交互に行う。例えば、「扉が閉まります」というアナウンスの後に、「Doors Closed」というアナウンスを行い、「3階に到着します」というアナウンスの後に、「Third Floor」というアナウンスを行う。アナウンスの種類は、これらに限らず、「扉が開きます」、「満員です」、「扉から離れてください」、「火災です。ドアが開いたら降りてください」、「地震です。ドアが開いたら降りてください」等、任意のアナウンスを行ってもよい。
上記アナウンス方法によれば、予め登録された複数の言語の中から、エレベータ60に乗車中の利用者の言語のみをアナウンス言語に選択し、選択したアナウンス言語を用いてかご内アナウンスを行う。かご内アナウンスを多言語で行う場合でも、必要最小限の言語を選択しているため、利用者の全員が理解できるような言語でのアナウンスを行いながら、アナウンスにかかる時間を短くすることができる。これにより、かご内の利用者により適切なアナウンスを行うことができる。
言語のアナウンス順序については、任意の順序であってもよい。例えば、予め登録している複数のアナウンス言語についての優先順位に従った順序や、利用者番号の小さい方から先にアナウンスする順序や、利用者人数の多い方から先にアナウンスする順序であってもよい。
言語リストALを生成した後は、かご内の利用者が変更になる所定のタイミング(例えば戸開完了時)で言語リストALを更新する。具体的な言語リストALの更新・送信方法について、図18を参照して説明する。
図18に示すように、群管理制御装置10は、X号機がある階に着床して戸開が完了したか否かを判断する(S41)。具体的には、X号機がある階に着床して、扉が完全に開いた時点で、戸開が完了したと判断する(S41でYES)。扉が完全に開くことで、利用者の出入りが発生する。
群管理制御装置10は、言語リストALを更新する(S42)。具体的には、ゲートウェイ20および/又は行先階登録装置30から送信される呼び情報を含む信号に基づいて、X号機に乗車中の利用者(呼び情報)を特定し、利用者のそれぞれに対して利用者番号を割り当てる。そして、図16に示したフローと同様の処理(S32~S35)を行うことにより、利用者番号が割り当てられた各利用者に対応するlang(i)を言語リストALに追加することで、言語リストALを更新する。
群管理制御装置10はステップS42を実行するにあたり、利用者番号を一旦リセットして、現在乗車中の利用者全員に改めて利用者番号を割り当てる。このような場合に限らず、前回の利用者番号を続けて使用し、新たに乗車する利用者に新たな利用者番号を割り当てるようにしてもよい。
図17に示す例では、(C)に示すように、更新された言語リストALは、利用者番号“1”に対応するLang(1)=英語、利用者番号“2”、“3”に対応するLang(2)、Lang(3)=中国語、利用者番号“4”に対応するLang(4)=韓国語という情報が登録されている。
群管理制御装置10は、更新した言語リストALをX号機のエレベータ制御装置40に送信する(S43)。エレベータ制御装置40は、群管理制御装置10から送信された最新のリストALに基づいて、かご内アナウンスを行う。図17の(C)に示す例では、“英語”、“中国語”、“韓国語”がアナウンス言語に選択されているため、英語によるアナウンスと、中国語によるアナウンスと、韓国語によるアナウンスをそれぞれ行う。
上記アナウンス方法によれば、(B)に示すような“日本語”、“英語”のアナウンスだけでなく、(C)に示すような“英語”、“中国語”、“韓国語”のアナウンスを行う等、エレベータ乗車中の利用者の言語属性に応じて適切なアナウンスを行うことができる。特に、エレベータ60を設置するビルに様々な国の企業が入居している場合や、エレベータ60を設置する建物が観光地にある場合等により適切なアナウンスを行うことができる。
(実施形態1についてのまとめ及び効果等)
(1)実施形態1のエレベータの群管理システムは、
エレベータ乗車前に読み取られた利用者の識別情報に基づいて生成された呼び情報に基づく呼びを複数台のエレベータ60のいずれかに割り当てる制御部11を備えたエレベータの群管理システムであって、
複数台のエレベータ60はそれぞれ、かご内で複数のアナウンス言語(報知言語)によりアナウンス可能(報知可能)なスピーカ64(かご内報知部)を備え、
制御部11は、あるエレベータ60のスピーカ64にアナウンスを行わせる際に、複数のアナウンス言語の中から、当該エレベータ60に割り当てられている1つ又は複数の呼び情報に含まれる利用者の言語属性に対応するアナウンス言語を選択し、選択したアナウンス言語でアナウンスを行わせる。
この構成により、エレベータ60に乗車している利用者の言語属性に対応するアナウンス言語を選択し、選択したアナウンス言語でアナウンスを行うことで、多言語でアナウンスを行う場合でも、利用者全員が理解できるような言語でのアナウンスを行いながら、アナウンスにかかる時間を短くすることができる。これにより、かご内の利用者により適切な案内を行うことができる。
(2)実施形態1のエレベータの群管理システムにおいて、
スピーカ64は、かご内で複数のアナウンス言語によりアナウンス可能なかご内アナウンス部である。
この構成により、かご内の利用者に対してより適切なアナウンスを行うことができる。
(実施形態2)
図19は、実施形態2におけるセキュリティサーバ100の記憶部102に格納されているカードDBの構成を示す図である。
実施形態1のカードDBは、1つのカードIDに対して1つの言語属性が登録されていたのに対して、実施形態2のカードDBは、1つのカードIDに対して2つの言語属性が登録可能である点が異なる。
図19に示すように、「言語属性」は、「第1言語」と「第2言語」を含む。例えば、「第1言語」は、利用者にとって最も使用頻度の高い言語(例えば母国語)が登録され、「第2言語」は、第1言語の次に使用頻度の高い言語が登録される。
図19に示す例では、カードID“0001”、“0002”、“0003”のそれぞれに紐付けて、第1言語、及び第2言語として、“日本語”、“英語”が登録されている。カードID“0004”、“0005”、“0006”のそれぞれに紐付けて、第1言語、及び第2言語として、“中国語”、“英語”が登録されている。カードID“0007”、“0008”のそれぞれに紐付けて、第1言語、及び第2言語として、“韓国語”、“中国語”が登録されている。カードID“0009”に紐付けて、第1言語、及び第2言語として、“イタリア語”、“英語”が登録されている。カードID“0010”に紐付けて、第1言語、及び第2言語として、“スペイン語”、“英語”が登録されている。
図20は、図19に示すカードDBに基づく呼び情報に基づいて、アナウンス言語を選択・送信する処理を示すフローチャートである。
図20に示すように、群管理制御装置10は、X号機に乗車中の利用者全員の言語属性について、First lang(i)=第1言語、Second lang(i)=第2言語という言語リストALを生成する。言語リストALの一例を図21に示す。
図21に示すように、言語リストALは、利用者番号“i”のそれぞれに対応するFirst lang(i)、Second lang(i)という2つの言語情報を含む。図21に示す例では、利用者番号“1”、“2”のそれぞれに対して、第1言語として“日本語”が登録され、第2言語として“英語”が登録されている。利用者番号“3”に対して、第1言語として“中国語”が登録され、第2言語として“英語”が登録されている。
群管理制御装置10は、言語リストALに含まれる第1言語の種類数が、閾値未満であるか否かを判断する(S202)。具体的には、第1言語の種類数に閾値(例えば3)を予め定めており、言語リストALに含まれる第1言語の種類数が閾値未満であるか否かを判断する。図21に示す例では、言語リストALに含まれる第1言語は、“日本語”、“中国語”であり、第1言語の種類数は“2”である。例えば閾値が3である場合には、第1言語の種類数は閾値未満であると判断され(ステップS202でYES)、ステップS203に移行する。
群管理制御装置10は、言語リストALに含まれる全ての第1言語をアナウンス言語に選択する(S203)。図21に示す例では、言語リストALに含まれる全ての第1言語である“日本語”、及び“中国語”が、アナウンス言語に選択される。群管理制御装置10は、選択したアナウンス言語を、X号機のエレベータ制御装置40に送信する(S205)。
アナウンス言語を受信したエレベータ制御装置40は、スピーカ64を制御して、日本語と中国語の2言語でかご内アナウンスを行う。これにより、利用者番号1、2の利用者は少なくとも日本語のアナウンスを理解することができ、利用者番号3の利用者は少なくとも中国語のアナウンスを理解することができる。
第1言語の種類数が少ない場合は、利用者全員の第1言語を用いてアナウンスを行うことで、アナウンスにかかる時間が過剰に長くならないようにしながら、利用者全員に馴染みの深い言語でのアナウンスを行うことができる。
言語のアナウンス順序については、実施の形態1と同様であってもよい。すなわち、予め登録している複数のアナウンス言語についての優先順位に従った順序や、利用者番号の小さい方から先にアナウンスする順序や、利用者人数の多い方から先にアナウンスする順序等であってもよい。
図20に示すフローでは、群管理制御装置10がアナウンス言語を選択しているが、このような場合に限らず、エレベータ制御装置40がアナウンス言語を選択してもよい。すなわち、群管理制御装置10は言語リストALを生成してエレベータ制御装置40に送信し、エレベータ制御装置40が受信した言語リストALに基づいてアナウンス言語の選択処理(S202~S204)を実行してもよい。
図21とは異なるパターンの言語リストALの一例を図22に示す。図22に示す言語リストALでは、図21に示した利用者番号1~3の利用者に加えて、利用者番号4~6の利用者がX号機に乗車中であり、それぞれに対応する第1言語、及び第2言語が登録されている。利用者番号“4”に紐づけて、第1言語、及び第2言語として“韓国語”、及び“中国語”が登録されており、利用者番号“5”に紐づけて、第1言語、及び第2言語として“イタリア語”、及び“英語”が登録されており、利用者番号“6”に紐づけて、第1言語、及び第2言語として“スペイン語”、及び“英語”が登録されている。
図22に示す例では、言語リストALに含まれる第1言語は、“日本語”、“中国語”、“韓国語”、“イタリア語”、“スペイン語”であり、第1言語の種類数は“5”である。例えばステップS202における閾値が3である場合、言語リストALに含まれる第1言語の種類数は閾値未満でないと判断され(S202でNO)、ステップS204に移行する。
群管理制御装置10は、言語リストALに含まれる第1言語と第2言語を含めて最も多い言語と、当該最も多い言語を含まない利用者の第1言語をアナウンス言語に選択する(S204)。具体的には、群管理制御装置10は、言語リストALにおいて第1言語と第2言語に含まれている数をカウントし、カウント数が最も多い言語を抽出する。図22に示す例では、“英語”のカウント数が5であり(利用者番号1、2のカウント数は2)、他の言語に比べて最も多いため、最も多い言語としてアナウンス言語に選択される。さらに、この“英語”を第1言語と第2言語のいずれにも含まない利用者は利用者番号“4”の利用者であるため、利用者番号“4”に紐づけられている第1言語の“韓国語”が、次のアナウンス言語に選択される。
群管理装置10は、選択したアナウンス言語として、“英語”と“韓国語”をX号機のエレベータ制御装置40に送信する(S205)。
アナウンス言語を受信したエレベータ制御装置40は、スピーカ64を制御して、英語と韓国語の2言語でかご内アナウンスを行う。これにより、利用者番号1~3、5、6の利用者は少なくとも英語のアナウンスを理解することができ、利用者番号4の利用者は少なくとも韓国語のアナウンスを理解することができる。
第1言語の種類数が多い場合は、利用者全員の第1言語を選択すること(S203)に代えて、第1言語と第2言語を含めて最も多くの利用者に対応した言語(英語)と、当該言語に馴染みの浅い利用者の第1言語(韓国語)をアナウンス言語に選択する(S204)。これにより、利用者全員の第1言語をアナウンス言語に選択する場合(S203)に比べて、利用者全員が理解できるような言語でのアナウンスを行いつつ、アナウンスにかかるトータルの時間が過剰に長くならないようにすることができる。
言語のアナウンス順序については、実施の形態1と同様の順序にしてもよい。なお、別の例として、リストALに含まれる第1言語と第2言語を含めて最も多い言語(例えば英語)を先にアナウンスし、当該最も多い言語を含まない利用者の第1言語(例えば韓国語)を次にアナウンスしてもよい。
(実施形態2についてのまとめ及び効果等)
(1)実施形態2のエレベータの群管理システムにおいて、
呼び情報は、言語属性の情報として、利用者の第1言語および第2言語の情報を含む。
この構成により、第1言語と第2言語の組合せに基づいてアナウンス言語を選択することができ、例えば、図20に示すようなアナウンス言語の選択処理が可能となり、より柔軟なアナウンス制御を行うことができる。
(2)実施形態2のエレベータの群管理システムにおいて、
制御部11は、エレベータ60に割り当てられている1つ又は複数の呼び情報の第1言語の種類数が閾値未満である場合、複数のアナウンス言語(報知言語)の中から、当該第1言語に対応するアナウンス言語を選択する。
この構成により、第1言語の種類数が少ない場合は、第1言語に基づくアナウンスを行うことで、アナウンスにかかる時間を短くしながら、利用者全員が理解できるようなアナウンスを行うことができる。
(2)実施形態2のエレベータの群管理システムにおいて、
制御部11は、エレベータ60に割り当てられている1つ又は複数の呼び情報の第1言語の種類数が閾値以上である場合、複数のアナウンス言語(報知言語)の中から、呼び情報における第1言語と第2言語を含めて最も多い言語と、当該最も多い言語を含まない利用者の第1言語に対応する報知言語とを選択する。
この構成により、第1言語の種類数が多い場合は、第1言語と第2言語の組合せに基づいてアナウンス言語を選択することで、利用者全員が理解できるようなアナウンスを行いながら、アナウンスにかかる時間を短くすることができる。
(実施形態3)
実施形態1、2では、エレベータ60に設けたスピーカ64を用いて音声アナウンスによる報知を行う場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、エレベータ60に設けた表示装置62を用いて、表示による報知を行う場合において、上述したアナウンス言語(報知言語)の選択処理を同様に適用してもよい。
図23は、実施形態3に係る表示装置62を用いたかご内表示画面120の表示例を示す図である。図23に示すように、かご内表示画面120は、階数表示部122と、移動表示部124と、メッセージ表示部126とを含む。
階数表示部122は、エレベータ60が着床している階又は最も接近している階を表示する(図23に示す例では、2階を示す「2」の文字を表示)。移動表示部124は、エレベータ60が移動中であることを表示する(図23に示す例では、下降を示す下向きの矢印を表示)。エレベータ60が停止しているときは、移動表示部124は何も表示しない。メッセージ表示部126は、エレベータ60の運転に関するメッセージを表示する。
メッセージ表示部126は、多言語でメッセージを表示することが可能である。図23に示すメッセージ表示部126は、複数言語のメッセージを併記して表示し、日本語メッセージ表示部126Aと、英語メッセージ表示部126Bと、中国語メッセージ表示部126Cとを含む。この場合、報知言語として、“日本語”、“英語”、“中国語”が選択されている。図23に示す例では、メッセージ表示部126A、126B、126Cはそれぞれ、「ドアが開きます」という日本語、英語、中国語のメッセージを表示する。
図23に示すように、表示装置62を用いた画面表示による報知を行う場合であっても、実施形態1、2のようにスピーカ64を用いた音声アナウンスを行う場合に類似する効果を奏することができる。すなわち、実施形態3に係る群管理制御装置10は、実施形態1、2と同様の方法により、セキュリティゲート20又は行先階登録装置30から送信される呼び情報に含まれる利用者の言語属性に基づいて報知言語(表示言語)を選択し、選択した報知言語を用いてかご内での報知(表示)を行う。このように、必要最小限の報知言語を選択しているため、利用者全員が理解可能な言語での報知を行いながら、かご内表示画面120の表示が煩雑になることを抑制し、シンプルで分かりやすい画面にすることができる。これにより、予め定められた1つ又は複数の言語で一律に表示する場合に比べて、利用者に対してより適切な案内を行うことができる。
なお、図23に示すように各言語のメッセージを併記する場合に限らず、各言語のメッセージを所定時間毎に切り替えるようにかご内表示画面120を制御してもよい。このような場合であっても同様の方法で報知言語を選択して表示することで、一部の利用者が自分の理解可能な言語が表示されるまで待つ時間が過剰に長くなる、といった不便を解消することができる。
また、実施形態3の表示案内方法を、実施形態2のかご内アナウンス方法に組み合わせてもよい。例えば、実施形態2で作成した言語リストALに含まれる第1言語のうち、アナウンス言語に選定されなかった第1言語について、図23に示すような各言語のメッセージをかご内表示画面120に表示するようにしてもよい。図22に示す例では、言語リストALの第1言語で音声アナウンスに選定された韓国語を除き、利用者1、2の第1言語の日本語、利用者3の第1言語の中国語、利用者5の第1言語のイタリア語、利用者6の第1言語のスペイン語によるメッセージを、かご内表示画面120に表示してもよい。この場合、利用者全員が音声アナウンスまたは画面表示の何れかの方法により、第1言語で報知内容を知ることが可能になる。
(他の実施形態)
前記実施形態では、情報記録媒体がIDカード(ICカード)である場合について例示した。しかし、本発明では、情報記録媒体は、ICカードとして機能する携帯通信端末であってもよい。また、情報記録媒体は、非接触で読み取り可能なものでなく、接触して読み取られるものであってもよい。
前記実施形態では、IDカード(ICカード)にカードIDのみが記録されている場合について例示した。しかし、IDカード(ICカード)に、デフォルト行先階、利用者属性及び言語属性の情報が記録されていてもよい。この場合、セキュリティサーバの記憶部のカードDBには、セキュリティ認証用のカードIDのみが記録されるだけでよい。セキュリティサーバは、IDカード(ICカード)から読み取られた言語属性、利用者属性、デフォルト行先階、許可階の情報を群管理制御装置に送信する。
前記実施形態では、各装置の制御部は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成されてもよい。
前記実施形態では、ネットワークNWはEthernetであり、各装置の入出力インタフェースはLANアダプタ等を利用して構成されている。しかし、これは一例であり、ネットワークNWは、例えばIEEE規格に準拠した無線LANで構成され、入出力インタフェースは無線LANアダプタ等で構成されてもよい。