JP2022539342A - tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの固体形態およびそれらを調製する方法 - Google Patents

tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの固体形態およびそれらを調製する方法 Download PDF

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tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの固体状態形態、医薬組成物、調製およびその使用。

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2019年6月24日に出願された米国仮特許出願第62/865,826号に対する優先権および/またはその利益を主張し、これは、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれ、本出願について主張する優先権および/または利益の基礎としての役割を果たす。
本明細書に記載の主題は、tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの固体状態形態、例えば、結晶性形態およびアモルファス形態、その医薬組成物、調製のための方法、ならびにその使用に関する。
N-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDA受容体)は、記憶獲得、保持および学習などの多くのより高次の認知機能において基礎をなすシナプス可塑性において、ならびにある一定の認知経路において、および痛みの知覚において、主要な役割を果たすと考えられている。NMDA受容体はまた、広域スペクトルのCNS障害に関与すると思われる。したがって、NMDA受容体調節剤は、薬学的利益を提供することができる。
tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートは、例えば、うつの処置のために有用であり得るNMDA受容体調節剤として、米国特許第9,512,134号(前記特許は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に開示されている。医薬組成物およびそれらの製造において使用することができる化合物Aの安定な固体状態形態についての必要性が残されている。
下記に記載および説明される以下の態様およびその実施形態は、例示的かつ実例であって、範囲を限定するものではないことを意味する。
一態様において、tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレート(本明細書の以下において「化合物A」)の固体形態が提供される。化合物Aは、下記の構造:
Figure 2022539342000002
を有する。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態Iとして表される化合物Aの結晶性無水形態が本明細書に開示される。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態IIとして表される化合物Aの結晶性二水和物形態が本明細書に開示される。
いくつかの実施形態において、化合物Aのアモルファス形態が本明細書に開示される。
別の態様において、少なくとも1種の薬学的に許容される担体および化合物Aの固体形態を含む医薬組成物が本明細書に開示される。
いくつかの実施形態において、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤および化合物Aの結晶性形態Iを含む医薬組成物が本明細書に開示される。
いくつかの実施形態において、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤および化合物Aの結晶性形態IIを含む医薬組成物が本明細書に開示される。
いくつかの実施形態において、薬学的に許容される賦形剤および化合物Aのアモルファス形態を含む医薬組成物が本明細書に開示される。
別の態様において、NMDA調節に応答する疾患または障害、例えば、大うつ病性障害のための処置の必要性が認識された対象を処置する方法であって、それを必要とする前記対象に、治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物が、薬学的に許容される賦形剤および化合物Aの固体形態を含む、方法が開示される。
いくつかの実施形態において、NMDA調節に応答する疾患または障害、例えば、大うつ病性障害のための処置の必要性が認識された対象を処置する方法であって、それを必要とする前記対象に、治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物が、薬学的に許容される賦形剤および化合物Aの結晶性形態Iを含む、方法が開示される。
いくつかの実施形態において、NMDA調節に応答する疾患または障害、例えば、大うつ病性障害のための処置の必要性が認識された対象を処置する方法であって、それを必要とする前記対象に、治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物が、薬学的に許容される賦形剤および化合物Aの結晶性形態IIを含む、方法が開示される。
いくつかの実施形態において、NMDA調節に応答する疾患または障害、例えば、大うつ病性障害のための処置の必要性が認識された対象を処置する方法であって、それを必要とする前記対象に、治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物が、薬学的に許容される賦形剤および化合物Aのアモルファス形態を含む、方法が開示される。
別の態様において、化合物Aの固体形態を調製する方法が開示される。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態Iを調製する方法が開示される。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態IIを調製する方法が開示される。
いくつかの実施形態において、化合物Aのアモルファス形態を調製する方法が開示される。
いくつかの非限定的な例示的実施形態を下記に列挙する。
例示実施形態1:化合物A:
Figure 2022539342000003
の固体結晶性形態Iを調製する方法であって、
化合物Aを酢酸エチルに溶解させ、溶液を加熱すること;
溶液を冷却すること;および
ジイソプロピルエーテルを溶液に添加すること
を含む、方法。
例示実施形態2:溶液が、約65℃~約70℃に加熱される、例示実施形態1に記載の方法。
例示実施形態3:溶液が、約25℃に冷却される、例示実施形態1に記載の方法。
例示実施形態4:化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3および12.8を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態5:化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9を有するものから選択される1個または複数のピーク(2θ)をさらに有する、例示実施形態4に記載の方法。
例示実施形態6:化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8および13.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態7:化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3および15.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態8:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7および16.8を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態9:化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8および17.3を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態10:化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3および18.5を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態11:化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9を有するものから選択される3、4または5個のピーク(2θ)を有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態12:化合物Aの固体結晶性形態Iが、図1に示されるXRPDパターンの1個と実質的に類似のXRPDパターンを有する、例示実施形態1~3のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態13:化合物Aの固体結晶性形態Iが、約159℃の吸熱ピークを有するDSCを有する、例示実施形態1~12のいずれか1項に記載の方法。
例示実施形態14:化合物A:
Figure 2022539342000004
の固体結晶性形態であって、
化合物Aの結晶性形態Iである、固体結晶性形態。
例示実施形態15:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3および12.8を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態16:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9を有するものから選択される1個または複数のピーク(2θ)をさらに有する、例示実施形態15に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態17:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8および13.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態18:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3および15.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態19:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7および16.8を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態20:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8および17.3を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態21:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3および18.5を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態22:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9を有するものから選択される3、4または5個のピーク(2θ)を有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態23:図1に示されるXRPDパターンの1個と実質的に類似のXRPDパターンを有する、例示実施形態14に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態24:約159℃の吸熱ピークを有するDSCを有する、例示実施形態14~23のいずれか1項に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態25:例示実施形態14~24のいずれか1項に記載の固体結晶性形態を含む固体組成物であって、固体組成物が、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%含まない、固体組成物。
例示実施形態26:例示実施形態14~24のいずれか1項に記載の固体結晶性形態および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
例示実施形態27:固体結晶性形態が、医薬組成物中のtert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である、例示実施形態26に記載の医薬組成物。
例示実施形態28:化合物A:
Figure 2022539342000005
の固体結晶性形態であって、
化合物Aの結晶性形態IIである、固体結晶性形態。
例示実施形態29:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9および13.0を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態30:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3を有するものから選択される1個または複数のピーク(2θ)をさらに有する、例示実施形態29に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態31:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0および13.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態32:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5および16.0を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態33:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0および20.4を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態34:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4および21.3を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態35:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態36:粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3を有するものから選択される3、4または5個のピーク(2θ)を有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態37:図3に示される2個のXRPDパターンの1個と実質的に類似のXRPDパターンを有する、例示実施形態28に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態38:約82℃および約159℃の吸熱ピークを有するDSCを有する、例示実施形態28~37のいずれか1項に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態39:およそ9.6質量%の水の喪失(loss)を伴って、およそ60℃より上で脱水を示すTGAを有する、例示実施形態28~38のいずれか1項に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態40:0%のRHおよび25℃において約11%の質量の変化を示すDVSを有し、質量が、20%のRHまたはそれより上のRHで水を喪失しない、例示実施形態28~39のいずれか1項に記載の固体結晶性形態。
例示実施形態41:例示実施形態28~40のいずれか1項に記載の固体結晶性形態を含む固体組成物であって、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%含まない、固体組成物。
例示実施形態42:例示実施形態28~40のいずれか1項に記載の固体結晶性形態および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
例示実施形態43:固体結晶性形態が、医薬組成物中のtert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である、例示実施形態42に記載の医薬組成物。
例示実施形態44:化合物A:
Figure 2022539342000006
の固体アモルファス形態。
例示実施形態45:粉末X線回折パターンにおいて、アモルファスハローを有する、例示実施形態44に記載の固体アモルファス形態。
例示実施形態46:図7と実質的に類似のXRPDパターンを有する、例示実施形態44に記載の固体アモルファス形態。
例示実施形態47:例示実施形態44~46のいずれか1項に記載のアモルファス形態および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
例示実施形態48:アモルファス形態が、医薬組成物中のtert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である、例示実施形態47に記載の医薬組成物。
例示実施形態49:NMDA調節に応答する疾患または障害のための処置の必要性が認識された対象を処置する方法であって、それを必要とする前記対象に、治療有効量の例示実施形態26、27、42、43、47および46のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
例示実施形態50:疾患または障害が、自閉症、不安、うつ、双極性障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動障害(ADHD)、統合失調症、精神障害、精神病症状、社会的離脱、強迫性障害(OCD)、恐怖症、心的外傷後ストレス症候群、行動障害、衝動制御障害、物質乱用障害(substance abuse disorder)、睡眠障害、記憶障害、学習障害、尿失禁、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、フリードライヒ運動失調症、ダウン症、脆弱X症候群、結節性硬化症、オリーブ橋小脳萎縮症、脳性麻痺、薬物誘発性視神経炎、虚血性網膜症、糖尿病性網膜症、緑内障、認知症、AIDS認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、痙縮、ミオクローヌス、筋痙攣、トゥレット症候群、てんかん、脳虚血、脳卒中、脳腫瘍、外傷性脳損傷、心停止、脊髄症、脊髄損傷、末梢神経障害、急性神経障害性疼痛および慢性神経障害性疼痛から選択される、例示実施形態49に記載の方法。
例示実施形態51:物質乱用障害が、離脱症状、オピエート中毒、ニコチン中毒およびエタノール中毒から選択される、例示実施形態50に記載の方法。
例示実施形態52:記憶障害が、欠損、喪失、および新たな記憶を作成する能力の低下から選択される、例示実施形態50に記載の方法。
例示実施形態53:疾患または障害が、大うつ病性障害である、例示実施形態49に記載の方法。
例示実施形態54:斜方晶系、P2111空間群、ならびに以下の単位格子寸法:a=5.85088(9)Å、b=11.57133(12)Åおよびc=25.8340(3)Å、α=β=γ=90°、V=1749.02(4)Å3、Z=4を有する、tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの結晶形態。
例示実施形態55:斜方晶系、P2111空間群、ならびに以下の単位格子寸法:a=8.9035(2)Å、b=10.5404(2)Åおよびc=21.3018(5)Å、α=β=γ=90°、V=1999.10(8)Å3、Z=4を有する、tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレート二水和物の結晶形態。
例示実施形態56:実質的に本明細書に記載の通りの、化合物A:
Figure 2022539342000007
の固体結晶性形態。
例示実施形態57:実質的に本明細書に記載の通りの、化合物A:
Figure 2022539342000008
の固体結晶性形態I。
例示実施形態58:実質的に本明細書に記載の通りの、化合物A:
Figure 2022539342000009
の固体結晶性形態II。
例示実施形態59:実質的に本明細書に記載の通りの、化合物A:
Figure 2022539342000010
の固体アモルファス形態。
態様のそれぞれの追加の実施形態は、以下の説明、図面、実施例および特許請求の範囲から明らかであろう。前述および以下の説明から理解され得るように、本明細書に記載のそれぞれおよびすべての特徴、ならびにそのような特徴の2個以上のそれぞれおよびすべての組み合わせは、その特徴が、組み合わせが互いに矛盾しないように含まれる限り、本開示の範囲内に含まれる。加えて、任意の特徴または特徴の組み合わせは、本発明の任意の実施形態から、特に排除されることがある。本発明の追加の態様および利点が、特に添付の実施例および図面と合わせて考慮される場合、以下の説明および特許請求の範囲に明記される。
図1は、化合物Aの結晶形態Iの実験から得た粉末X線回折(XRPD)パターン、および化合物Aの結晶形態Iの単結晶構造から算出された粉末X線回折パターンを示す。 図2は、化合物Aの結晶形態Iの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図3は、化合物Aの結晶形態IIの実験から得た粉末X線回折(XRPD)パターン、および化合物Aの結晶形態IIの単結晶構造から算出された粉末X線回折パターンを示す。 図4は、化合物Aの結晶形態IIの熱重量分析(TGA)曲線を示す。 図5は、化合物Aの結晶形態IIの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。 図6は、化合物Aの結晶形態IIの25℃での水蒸気等温線(DVS)の脱着プロファイルを示す。 図7は、化合物Aのアモルファス形態の実験から得た粉末X線回折(XRPD)パターンを示す。 図8は、単結晶X線分析に基づく化合物Aの結晶形態Iの原子変位楕円体図を示す。 図9は、軸に沿って見た化合物Aの結晶形態Iのパッキング図を示す。 図10は、単結晶X線分析に基づく化合物Aの結晶形態IIの分子配座図を示す。水素原子は図において省略され、重原子(C、N、O)のみが表される。 図11は、軸に沿って見た化合物Aの結晶形態IIのパッキング図を示す。
I.定義
ここに、さまざま態様を、本明細書の以下において、より完全に記載する。しかしながら、そのような態様は、多くの異なる形態で具体化されることがあり、本明細書において説明される実施形態を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態が、本開示は、徹底的かつ完全であり、その範囲を当業者に完全に伝えるように、提供される。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、個体または対象に対する利益を示すのに十分な化合物の量を意図する。この量は、NMDA調節に応答する疾患または障害、例えば、大うつ病性障害の症状の重症度を、予防、軽減、減弱またはそうでなければ低減する。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限および下限の間にそれぞれ介在する値、ならびにその述べられた範囲中の任意の他の述べられた値または介在する値は、本開示内に包含されることが意図される。例えば、1μm~8μmの範囲が述べられる場合、1μm以上の値の範囲および8μm以下の値の範囲と同様に、2μm、3μm、4μm、5μm、6μmおよび7μmも明白に開示されていることが意図される。
単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が他を明確に指図しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤だけでなく、2種以上の同じまたは異なる賦形剤などを含む。
「about(約、およそ)」という用語は、特に、所与の量に対する言及において、プラスまたはマイナス5%、15%もしくは20%の偏差を包含することを意味する。
II.化合物Aの固体状態形態
化合物Aの固体状態形態およびそれらを調製する方法が本明細書に開示される。
固体状態形態は、結晶性(固体形態の分子が、単位格子によって記載され得る長期の規則的に繰り返される結晶格子に配列される)またはアモルファス(固体形態の分子が、任意の著しく規則的に繰り返される方法で配列されない)であり得る。さらにまた、特に、結晶性形態に関して、化合物Aは、結晶格子の唯一の構成成分として結晶格子中に存在し得る(例えば、化合物Aは、結晶性固体状態中に、無水形態または他の非溶媒和形態として存在する)。あるいは、化合物Aは、別の分子(例えば、水または他の溶媒分子)と一緒に結晶格子中に存在し得、全体的にそれが化合物Aに関して固定された比率で存在するように、他の分子も結晶格子の一部を形成する(例えば、水について、化合物Aの二水和物として)。さらにまた、当業者はまた、結晶性形態が、多くの場合、不完全であり得ることを承知しており、ここで、結晶格子中にいくつかの空孔が存在することがあり、および/または結晶格子の一部にいくつかの不純物(例えば、化合物A以外の分子、または化学量論の溶媒分子)が存在することがある。しかしながら、そのような不完全な形態においてさえ、形態は、依然として、特定の結晶性形態(例えば、本明細書に記載の結晶性形態Iまたは結晶性形態II)であるとして記載され得る。
本明細書に記載の固体状態形態は、任意の1個または複数の固体状態分析法によって、同定することができる。例えば、本明細書に記載の化合物Aの結晶性形態Iおよび/または結晶性形態IIは、例えば、X線回折(粉末X線回折を含む)、単結晶から得られる単位格子定数、示差走査熱量測定および熱重量分析のうちの任意の1個または複数に従って、特徴付けることができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の固体状態形態は、粉末X線回折(XRPD)に従って、特徴付けることができる。しかしながら、固体状態形態の異なるバッチの粉末X線ディフラクトグラムにおける強度および/または測定されるピークが、例えば、異なる実験条件および/または好ましい適応のせいで、変動し得ることは当技術分野において公知である。そして、機器の精度により、2θ値の測定誤差は、±0.2 2θである。しかし、実験および機械の誤差、ならびにそのような好ましい適応などの原理にもかかわらず、当業者は、本明細書において提供されるXRPDデータ中で十分な情報を見出して、提供されるXRPDのすべてに依拠する必要なく、結晶性形態Iおよび結晶性形態IIを同定することができる。
したがって、対応するピークの相対強度が異なる場合でさえ、あるXRPDの0~40°の2θ度の範囲中の大部分のピーク(例えば、ピークの80より多く)が、別のXRPD中の対応するピークを見出すことができる場合に、「実質的に類似」は、あるXRPDパターンと別のXRPDパターンの間に存在する。
他に指示されない限り、本明細書に記載のXRPDは、1.54A(λ)、40kVおよび15mAで、Cu Kアルファ線を使用して得られる。
A.化合物Aの結晶性形態I
化合物Aの結晶性形態Iおよびそれを調製する方法が本明細書に提供される。
化合物Aの結晶性形態Iは、化合物Aの無水形態であると思われる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:6.9、8.4、10.3および12.8について有するものから選択されるピーク(2θ)を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9について有するものから選択される1個または複数のピーク(2θ)をさらに有する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8および13.7について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3および15.7について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7および16.8について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8および17.3について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3および18.5について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9について有するものから選択される3、4または5個のピーク(2θ)を有し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態Iは、図1に示されるXRPDの1個と実質的に類似のXRPDを有し得る。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態Iは、DSCサーモグラムに従って特徴付けることができる。例えば、図2に示されるものと実質的に類似のDSCサーモグラムを有する本明細書に記載の結晶性形態Iの実施形態が提供される。例えば、約159℃、例えば、約159.21℃の吸熱ピークを有するDSCを有する本明細書に記載の結晶性形態Iの実施形態も提供される。
いくつかの実施形態において、結晶性形態Iは、固体組成物中に存在してもよい。いくつかの実施形態において、固体組成物は、ほとんど完全に化合物Aで構成され得るが、これは、いくつかの追加の構成成分を含有し得る(例えば、組成物がいくつかの残留溶媒を含有し得る、化合物Aの合成および/または精製から得られる固体組成物)。そのような固体組成物において、固体化合物Aは、ほとんど完全に結晶性形態Iとして存在してもよく、またはこれは、化合物Aの結晶性形態Iと結晶性形態IIおよび/またはアモルファス固体形態との混合物として存在してもよい。固体組成物中の結晶性形態Iの実存および存在は、本明細書に記載の結晶性形態Iについての特徴的な2θピークを示すXRPD、ならびに本明細書に記載のおよび/または本明細書を読む際に当業者に特定可能である他の特徴付け手法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、固体組成物は、結晶性形態Iを含み得、化合物Aの結晶性形態IIおよび/またはアモルファス形態を実質的に不含(free of)であり得る。例えば、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態IIおよび/またはアモルファス形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%もしくは少なくとも80質量%不含であり得る。さらに、例えば、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態IIおよび/またはアモルファス形態を少なくとも70質量%もしくは少なくとも60質量%不含であり得る。またさらに、例えば、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態IIおよび/またはアモルファス形態を少なくとも50質量%より多く不含であり得る。化合物Aの結晶性形態IIおよび/またはアモルファス形態に対する結晶性形態Iの量は、例えば、粉末X線回折、ラマン分光法、固体状態核磁気共鳴、示差走査熱量測定および動的蒸気吸着などの当業者に特定可能な方法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態(結晶性またはアモルファス)を実質的に不含であり得る。例えば、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%または少なくとも80質量%不含であり得る。さらに、例えば、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも70質量%または少なくとも60質量%不含であり得る。またさらに、例えば、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも50質量%より多く不含であり得る。化合物Aの他の形態に対する結晶性形態Iの量は、例えば、粉末X線回折、ラマン分光法、固体状態核磁気共鳴、示差走査熱量測定および動的蒸気吸着などの当業者に特定可能な方法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態Iは、斜方晶系、P2111空間群、ならびに以下の単位格子寸法:a=5.85088(9)Å、b=11.57133(12)Åおよびc=25.8340(3)Å、α=β=γ=90°、V=1749.02(4)Å3、Z=4を伴う結晶形態を有する。
化合物Aの結晶性形態Iを調製する方法であって、化合物Aを第1の溶媒(例えば、酢酸エチル)に溶解させ、溶液を加熱すること(例えば、約65~70℃に);
溶液を冷却すること(例えば、約25℃に);および第2の溶媒(例えば、ジイソプロピルエーテル)を溶液に添加することを含む、方法も提供される。いくつかの実施形態において、この方法は、濾過および収集した固体の乾燥をさらに含む。
化合物Aの結晶性形態Iを調製する方法であって、化合物Aの結晶性形態IIを脱水のために加熱することを含む、方法も提供される。いくつかの実施形態において、加熱は、約80℃で実施される。
B.化合物Aの結晶性形態II
化合物Aの結晶性形態IIおよびそれを調製する方法が本明細書に提供される。
化合物Aの結晶性形態IIは、化合物Aの水和物形態であると思われる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:9.4、10.8、11.9および13.0について有するものから選択されるピーク(2θ)を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2°(2θ)である、以下の値:13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3について有するものから選択される1個または複数のピーク(2θ)をさらに有する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0および13.7について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5および16.0について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0および20.4について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4および21.3について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3について有するものから選択されるピーク(2θ)を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIのXRPDは、回折角のそれぞれが±0.2度(2θ)である、以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3について有するものから選択される3、4または5個のピーク(2θ)を有し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の結晶性形態IIは、図3に示される2個のXRPDの1個と実質的に類似のXRPDを有し得る。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態IIは、熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。例えば、本明細書に記載の結晶性形態IIが、およそ9.5質量%の水の喪失を伴って、およそ60℃より上で脱水することを示すTGAを有する、本明細書に記載の結晶性形態IIの実施形態が提供される。例えば、図4を参照されたい。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態IIは、DSCサーモグラムに従って特徴付けることができる。DSCサーモグラムを有する本明細書に記載の結晶性形態IIは、形態IIが約82℃で脱水、続いて約159℃で溶融することを示す。例えば、図5に示されるものと実質的に類似のDSCサーモグラムを有する本明細書に記載の結晶性形態IIの実施形態が提供される。脱水の際に、この形態は、約159℃、例えば、約159.56℃で溶融する、結晶性形態Iに変換する。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態IIは、DVS(動的蒸気吸着)によって特徴付けることができ、これは、結晶性形態IIが、0%の相対湿度(RH)で約11%の水を喪失し、20%のRHまたはそれより上のRHで水を喪失しないことを示す。
いくつかの実施形態において、結晶性形態IIは、固体組成物中に存在してもよい。いくつかの実施形態において、固体組成物は、ほとんど完全に化合物Aで構成され得るが、これは、いくつかの追加の構成成分を含有し得る(例えば、結晶性形態Iを含む元の組成物が残留溶媒などのいくつかの不純物を有する、結晶性形態Iを含む組成物の形態IIを含む組成物への変換から生じる固体組成物)。そのような固体組成物において、固体化合物Aは、ほとんど完全に結晶性形態IIとして存在してもよく、またはこれは、化合物Aの結晶性形態IIと結晶性形態Iおよび/またはアモルファス固体形態との混合物として存在してもよい。固体組成物中の結晶性形態IIの実存および存在は、本明細書に記載の結晶性形態Iについての特徴的な2θピークを示すXRPD、ならびに本明細書に記載のおよび/または本明細書を読む際に当業者に特定可能である他の特徴付け手法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、固体組成物は、結晶性形態IIを含み得、化合物Aの結晶性形態Iおよび/またはアモルファス形態を実質的に不含であり得る。例えば、結晶性形態IIを含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態Iおよび/またはアモルファス形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%もしくは少なくとも80質量%不含であり得る。さらに、例えば、結晶性形態IIを含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態Iおよび/またはアモルファス形態を少なくとも70質量%もしくは少なくとも60質量%不含であり得る。またさらに、例えば、結晶性形態IIを含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態Iおよび/またはアモルファス形態を少なくとも50質量%より多く不含であり得る。化合物Aの結晶性形態Iおよび/またはアモルファス形態に対する結晶性形態IIの量は、例えば、粉末X線回折、ラマン分光法、固体状態核磁気共鳴、示差走査熱量測定および動的蒸気吸着などの当業者に特定可能な方法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、結晶性形態IIを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態(結晶性またはアモルファス)を実質的に不含であり得る。例えば、結晶性形態IIを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%または少なくとも80質量%不含であり得る。さらに、例えば、結晶性形態IIを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも70質量%または少なくとも60質量%不含であり得る。またさらに、例えば、結晶性形態IIを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも50質量%より多く不含であり得る。化合物Aの他の形態に対する結晶性形態IIの量は、例えば、粉末X線回折、ラマン分光法、固体状態核磁気共鳴、示差走査熱量測定および動的蒸気吸着などの当業者に特定可能な方法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態IIは、斜方晶系、P2111空間群、ならびに以下の単位格子寸法:a=8.9035(2)Å、b=10.5404(2)Åおよびc=21.3018(5)Å、V=1999.10(8)Å3を伴う結晶形態を有する。
化合物Aの結晶性形態IIを調製する方法であって、いくらかの時間の間(例えば、約4時間)、化合物Aの結晶性形態Iを水と混合する、例えば、スラリー化することを含む、方法も提供される。いくつかの実施形態において、この方法は、濾過すること、および固体を乾燥することをさらに含む。いくつかの実施形態において、水中にスラリー化された化合物Aの量は、水1ミリリットルあたり0.1~1.0gで変動する。他の実施形態において、水中にスラリー化された化合物Aの量は、水1ミリリットルあたり0.1~5.0gで変動する。
C.化合物Aのアモルファス形態
化合物Aのアモルファス形態およびそれを調製する方法も提供される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のアモルファス形態は、図7に示されるものと実質的に類似のXRPDを有し得る。
いくつかの実施形態において、化合物Aのアモルファス形態は、固体組成物中に存在してもよい。いくつかの実施形態において、固体組成物は、ほとんど完全に化合物Aで構成され得るが、これは、いくつかの追加の構成成分を含有し得る(例えば、いくつかの残留溶媒を含有し得る、溶媒中の化合物Aの溶液の噴霧乾燥から得られる固体組成物)。そのような固体組成物において、固体化合物Aは、ほとんど完全に化合物Aのアモルファス形態として存在してもよく、またはこれは、化合物Aのアモルファス形態と化合物Aの結晶性形態Iおよび/または結晶性形態IIとの混合物として存在してもよい。固体組成物中の化合物Aのアモルファス形態の実存および存在は、図7におけるものの見かけを示すXRPD(すなわち、結晶化度の兆候が存在しない)、ならびに本明細書に記載のおよび/または本明細書を読む際に当業者に特定可能である他の特徴付け手法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、固体組成物は、化合物Aのアモルファス形態を含み得、化合物Aの結晶性形態Iおよび/または結晶性形態IIを実質的に不含であり得る。例えば、化合物Aのアモルファス形態を含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態Iおよび/または結晶性形態IIを少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%もしくは少なくとも80質量%不含であり得る。さらに、例えば、化合物Aのアモルファス形態を含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態Iおよび/または結晶性形態IIを少なくとも70質量%もしくは少なくとも60質量%不含であり得る。またさらに、例えば、化合物Aのアモルファス形態を含む固体組成物は、化合物Aの結晶性形態Iおよび/または結晶性形態IIを少なくとも50質量%より多く不含であり得る。化合物Aの結晶性形態Iおよび/または結晶性形態IIに対するアモルファス形態の量は、例えば、粉末X線回折、ラマン分光法、固体状態核磁気共鳴、示差走査熱量測定および動的蒸気吸着などの当業者に特定可能な方法によって、決定することができる。
いくつかの実施形態において、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の非アモルファス固体形態(例えば、結晶性固体形態)を実質的に不含であり得る。例えば、結晶性形態Iを含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の非アモルファス固体形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%または少なくとも80質量%不含であり得る。さらに、例えば、化合物Aのアモルファス形態を含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の非アモルファス固体形態を少なくとも70質量%または少なくとも60質量%不含であり得る。またさらに、例えば、化合物Aのアモルファス形態を含む固体組成物は、化合物Aの任意の他の非アモルファス固体形態を少なくとも50質量%より多く不含であり得る。化合物Aの他の形態に対するアモルファス形態の量は、例えば、粉末X線回折、ラマン分光法、固体状態核磁気共鳴、示差走査熱量測定および動的蒸気吸着などの当業者に特定可能な方法によって、決定することができる。
化合物Aのアモルファス形態を調製する方法であって、溶媒中の化合物Aの溶液を乾燥することを含む、方法も提供される。いくつかの実施形態において、溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態において、化合物Aのアセトンに対する比率(g/mL)は、0.05~0.2の範囲内である。いくつかの実施形態において、乾燥は、噴霧乾燥の形態で実施される。
III.医薬組成物およびその使用
化合物Aの結晶性形態Iおよび薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態Iは、医薬組成物中の化合物Aの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である。
化合物Aの結晶性形態IIおよび薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、化合物Aの結晶性形態IIは、医薬組成物中の化合物Aの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である。
化合物Aのアモルファス形態および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、化合物Aのアモルファス形態は、医薬組成物中の化合物Aの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である。
代表的な賦形剤は、組成物の他の成分と適合しなければならず、かつ患者の健康に対して有害であってはならない。賦形剤は、固体または液体またはその両方であり得、単一用量として、例えば、錠剤またはカプセル剤として、化合物A、例えば、本明細書に記載の結晶性形態I、結晶性形態IIおよび/またはアモルファス形態と製剤化され得、これは、本明細書に記載の化合物Aの0.05質量%~95質量%で調製され得る。本明細書に記載の医薬組成物は、公知の薬学的方法、例えば、成分を薬学的に許容される賦形剤と混合することを含む方法によって、生成することができる。
いくつかの実施形態において、代表的な賦形剤としては、限定されるものではないが、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、グリシン、崩壊剤、例えば、デンプン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、合成ケイ酸塩および高分子質量を有するポリエチレングリコール、造粒結合剤(ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアラビアガムなど)、ならびに滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、グリセリンおよびタルクなど)が挙げられよう。
NMDA調節に応答する疾患または障害のための処置の必要性が認識された対象を処置する方法であって、それを必要とする前記対象に、治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、医薬組成物が、薬学的に許容される担体、ならびに本明細書に開示される化合物Aの結晶性形態I、結晶性形態IIおよびアモルファス形態から選択される化合物Aの固形形態を含む、方法も提供される。疾患または障害は、精神疾患もしくは障害、神経系疾患もしくは障害、または神経変性疾患もしくは障害であり得る。
いくつかの実施形態において、疾患または障害は、自閉症、不安、うつ、双極性障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動障害(ADHD)、統合失調症、精神障害、精神病症状、社会的離脱、強迫性障害(OCD)、恐怖症、心的外傷後ストレス症候群、行動障害、衝動制御障害、物質乱用障害(例えば、離脱症状、オピエート中毒、ニコチン中毒およびエタノール中毒)、睡眠障害、記憶障害(例えば、欠損、喪失、または新たな記憶を作成する能力の低下)、学習障害、尿失禁、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、フリードライヒ運動失調症、ダウン症、脆弱X症候群、結節性硬化症、オリーブ橋小脳萎縮症、脳性麻痺、薬物誘発性視神経炎、虚血性網膜症、糖尿病性網膜症、緑内障、認知症、AIDS認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、痙縮、ミオクローヌス、筋痙攣、トゥレット症候群、てんかん、脳虚血、脳卒中、脳腫瘍、外傷性脳損傷、心停止、脊髄症、脊髄損傷、末梢神経障害、急性神経障害性疼痛および慢性神経障害性疼痛から選択される。
いくつかの実施形態において、疾患または障害は、大うつ病性障害である。
IV.実施例
以下の実施例は、実際は実例であり、決して限定することを意図するものではない。
他に指示されない限り、粉末X線ディフラクトグラムは、D/tex検出器を備えたRigaku MiniFlex 600を使用して、15mAおよび40kVのCu Kα源から発生する放射線で、試料をゼロのバックグラウンドの試料ホルダーに配置することによって得、装置は、0.02°のスキャンステップおよび2°/分のスキャン速度で、3~45°の範囲の2θにわたって作動した。
DSC:サーモグラムを、TA Instruments DSC Q2000を使用して得た。およそ1~2mgの試料を、Tzeroアルミニウムパンに秤量し、Tzero密封蓋で密封した。結晶性形態II試料について、蓋は、ピンホールで穿孔された。
- DSC:試料を、10℃/分で、20から180℃までスキャンした。
TGA:およそ5~10mgの試料を、10℃/分で、室温から250℃まで加熱した。
DVS:以下の方法を、DVS Advantage(表面測定システム)を使用して、水蒸気吸着分析のために使用した。
- 温度:25℃
- RHプログラム:95、90、80、70、60、50、40、35、30、20、10、0%
- Dm/dt(%/分):0.0005
- 最小平衡時間:120分
- 最大平衡時間:2000分
化合物Aの結晶性形態Iの単結晶分析を、Rigaku SuperNova回折計、単一Cu Kα(λ=1.54184Å)マイクロフォーカス源において、300KでPilatus 200Kハイブリッドピクセルアレイ検出器を用いて行った。精密化を、ShelXLを使用して行った。
化合物Aの結晶性形態IIの単結晶分析を、4軸カッパステージを備えたBruker AXS D8 Quest CMOS回折計においてCu Kα線(λ=1.54178Å)、横方向に段階的な多層光学系を有するI-μ-SマイクロソースX線管、Photon2 CMOS領域検出器、および150KでのOxford Cryosystems低温デバイスを使用して、行った。
(実施例1)
化合物Aの形態Iの調製
化合物Aの結晶性形態Iを以下のスキームによって調製した。
Figure 2022539342000011
ステップ1:化合物Hの合成
窒素パージした反応器に、アセトニトリル、D-プロリン(69.0kg)、モレキュラーシーブおよびクロラール水和物(106kg)を投入した。混合物を、50℃で5.3時間加熱した。プロトンNMRが完全な変換を示した。反応混合物を、アセトニトリル湿セライトのパッドを通して濾過し、アセトニトリルを通してすすいだ。濾液を、100Lの総体積まで、真空下、45℃未満で濃縮した。n-ブタノール(140L)を添加し、混合物を、さらなる蒸留物が観察されなくなるまで、真空下、45℃未満で3.5時間濃縮した。混合物を、20℃で終夜保ち、次いで、0~5℃に冷却し、撹拌した。沈殿物を、加圧濾過によって収集し、次いで、n-ブタノールで洗浄した。得られた固体を、真空下、45℃で乾燥して、化合物Hを得た(108.7kg、収率74.2%)。1H-NMR (DMSO-d6) δ 1.1-1.4 (m, 1H), 1.4-1.7 (m, 1H), 1.7-2.0 (m, 1H), 2.1-2.5 (m, 1H), 3.2-3.4 (m, 1H), 3.5-3.8 (m, 1H), 4.1-4.4 (m, 1H), 5.8 (s, 1H). MS (ESI) m/z (M-H+2H2O)- 277.94.
ステップ2:化合物Fの合成
窒素パージした反応器に、トルエン、MTBEおよび化合物H(1当量)を投入した。得られた溶液を、-55~-45℃に冷却した。THF/n-ヘプタン/エチルベンゼン中のリチウムジイソプロピルアミド(LDA)溶液(26.8%、1.1当量)を、-50~-44℃で、1.3時間にわたって添加した。得られた溶液を、-45±5℃で37分間撹拌し、次いで、-75~-65℃に冷却した。MTBE中のギ酸メチル(2当量)の溶液を、-60℃未満で45分間にわたって添加し、次いで、MTBEですすいだ。混合物を、-70~-60℃で44分間撹拌した。第2の反応器に、窒素を流し、脱イオン水およびクエン酸一水和物を投入した。得られた溶液を0~5℃に冷却し、第1の反応器の内容物を、10℃未満で53分間にわたって添加し、MTBEですすいだ。混合物を11℃に温め、相を分離した。水層を、MTBEで抽出し、次いで、廃棄した。主な有機層、次いでMTBE洗浄液を、水中の塩化ナトリウムの溶液(57%)(1.8体積)で洗浄した。合わせた有機物を、真空下、50℃未満で濃縮した。トルエン(2×)を添加し、混合物を、総体積が47Lになるまで、それぞれの添加後に濃縮した。混合物を、35℃に冷却し、塩化メチレンで希釈して、化合物Fを、収率65.1%で、粗溶液として得た。粗化合物Fの試料のMTBE/ヘキサンからの結晶化は、分析試料を与えた。1H-NMR (DMSO-d6) δ 1.7-1.8 (m, 1H), 1.8-1.9 (m, 1H), 2.2-2.3 (m, 2H), 3.3-3.4 (m, 1H), 3.5-3.6 (m, 1H), 5.9 (s, 1H), 9.5 (s,1H). MS (ESI) m/z (M+H)+ 272.0.
ステップ3:化合物Dの合成
窒素パージした反応器に、粗化合物Fの溶液、塩化メチレンおよび化合物G(1.2当量)を投入した。得られた懸濁液を、30~35℃に6時間加熱し、次いで、化合物Eに、20~25℃で終夜撹拌した。化合物Eの分析試料を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/酢酸エチル溶離液)、続いて酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化を経て単離した。1H-NMR (DMSO-d6) δ 1.2 (d, 3H, J = 8 Hz ), 1.8-1.9 (m, 2H), 2.0-2.1 (m, 1H), 2.2-2.3 (m, 1H), 3.1-3.2 (m, 1H), 3.2-3.3 (m, 1H), 3.6-3.8 (m, 2H), 4.7 (d, 2H, J = 15 Hz), 5.5 (s,1H), 7.2 (s, 1H), 7.5 (s, 1H). MS (ESI) m/z (M+H)+ 372.0.
粗化合物Eの混合物を、20℃に冷却し、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(3.0当量)を、20~29℃で1.5時間にわたって添加し、次いで、混合物を、30~35℃で5時間撹拌した。水を、ガス発生を伴って、15~20℃で、49分間にわたって添加した。媒体を撹拌し、次いで、相を分離した。水層を、塩化メチレン(2×)で2回抽出した。合わせた有機物を、飽和重炭酸ナトリウム水で洗浄した。塩化メチレン抽出物は、収率78.9%で純粋な化合物Dを含有するとして、HPLCによってアッセイされた。化合物Dの分析試料を、トルエン/ヘキサンおよび水から結晶化させた。1H-NMR (DMSO-d6) δ 1.1 (d, 3H, J = 8 Hz ), 1.8-1.9 (m, 2H), 2.0-2.1 (m, 2H), 2.7-2.8 (m, 2H), 3.1-3.2 (m, 1H), 3.3-3.4 (m, 1H), 3.6-3.7 (m, 1H), 4.7 (d, 2H, J = 6 Hz), 5.6 (s,1H), 7.0 (s, 1H), 7.1 (s, 1H). MS (ESI) m/z (M+H)+ 374.1.
ステップ4:化合物Cの合成
化合物Dの粗溶液を、110Lの総体積まで、真空下、45℃未満で濃縮した。アセトニトリルを添加し、混合物を、110Lの総体積まで濃縮した。アセトニトリル、水およびトリエチルアミン(6当量)を添加し、混合物を、45℃に加熱し、次いで撹拌した。混合物を、110L未満の総体積まで、真空下、50℃未満で濃縮した。アセトニトリル、次いでイソプロパノールを添加した。混合物を15~20℃に冷却し、MTBEを15~20℃で1時間にわたって添加し、得られたスラリーを15~20℃で撹拌し、生成物を濾過によって収集した。粗固体を、メタノール中でスラリー化し、60~65℃で撹拌し、次いで、懸濁液を、20~25℃にゆっくりと冷却した。生成物を、濾過によって収集し、メタノールで洗浄し、固体を、真空下、50℃で乾燥して、化合物Cを72.4%の収率で得た。1H-NMR (MeOH-d4) δ 1.23 (3H, d, J = 6.4Hz); 1.9-2.1 (m, 3H), 2.2-2.3 (m, 1H), 2.9 (d, 1H, J = 13Hz), 3.0 (d, 1H, J = 6 Hz), 3.1 (d, 1H, J = 13Hz), 3.2-3.3 (m, 1H), 3.4-3.5 (m, 1H), 3.8 (五重線, 1H, J=6Hz). MS (ESI) m/z (M+H)+ 246.2.
ステップ5:化合物Bの合成
窒素パージした反応器に、アセトン、水および化合物C(1当量)を連続して投入した。トリエチルアミン(6当量)を、30℃未満で、20分間、媒体に添加し、アセトンですすいだ。ジ-tert-ブチルジカーボネート(1.3当量)の溶液を、30℃未満で混合物に添加し、アセトン(13L)ですすいだ。混合物を20~30℃で撹拌した。アセトン中のジ-tert-ブチルジカーボネート(0.5当量)の溶液を、混合物に添加した。アセトン中のジ-tert-ブチルジカーボネート(0.5当量)の溶液を、添加した。混合物を、65Lの総体積まで、大気圧で濃縮した。アセトン、次いでTHFを添加し、混合物を、65Lの総体積まで濃縮した。得られた懸濁液を0~5℃に冷却し、次いで沈殿物を、濾過によって収集し、THFで洗浄し、真空下、45℃で乾燥させて、化合物Bを収率90.5%で得た。1H-NMR (DMSO-d6) δ 1.1 (d, 3H, J = 6 Hz ), 1.3 (s, 5H), 1.4 (s, 4H), 1.7-1.8 (m, 2H), 1.9-2.0 (m, 1H), 2.2-2.4 (m, 1H), 2.5-3.1 (m, 3H), 3.2-3.5 (m, 3H), 3.6-3.7 (m, 1H), 7.2 (d, 1H, J=16Hz), 7.4, (d, 1H, J = 16Hz). MS (ESI) m/z (M+H)+ 346.3.
ステップ6:化合物Aの合成
窒素パージした反応器に、THFおよび化合物B(1当量)を投入した。トリエチルアミン(1.8当量)を、20~25℃で添加し、THFですすいだ。THF中のジエチルクロロホスフェート(1.8当量)の溶液を、20~33℃で添加した。25~33℃で撹拌した後、水中の塩化ナトリウムの溶液を、25~30℃で添加し、相を分離した。水層を、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機物を、65~70Lの総体積まで、真空下、60℃未満で濃縮した。酢酸エチルを添加し、混合物を、65~70Lの総体積まで濃縮した。酢酸エチル、続いて水中の塩化ナトリウムの溶液(60L)を、混合物に添加した。次いで、リン酸を添加して、pHを2.0に調整した。混合物を20~25℃で撹拌し、相を分離し、水性物を廃棄した。有機層を、塩化ナトリウムおよびアンモニア水の混合物で洗浄し、洗浄液を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機物を、活性炭と混合し、終夜撹拌し、次いで、酢酸エチル湿セライトを通して濾過し、酢酸エチルを通してすすいだ。濾液を、100Lの総体積まで、真空下、60℃未満で濃縮した。酢酸エチルを添加し、混合物を、それぞれの添加後、100Lまで濃縮した。酢酸エチルを添加し、混合物を20~25℃に冷却した。混合物を45~55℃に加熱し、残留固体を、濾過によって除去し、酢酸エチルで洗浄し、廃棄した。
ステップ7:化合物Aの結晶性形態Iの結晶化
濾液を、105Lの総体積まで、真空下、60℃未満で濃縮した。混合物を、65~70℃に加熱し、次いで、25℃に冷却した。ジイソプロピルエーテルを添加し、混合物を20~25℃で撹拌した。沈殿物を、濾過によって収集し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、次いで、50℃で乾燥させて、化合物Aを白色結晶性粉末として収率62.7%で得た。1H-NMR (DMSO-d6) δ 1.1 (m, 3H), 1.3 (s, 4H), 1.4 (s, 5H), 1.7-1.9 (m, 2H), 2.0-2.3 (m, 2H), 3.1-3.5 (m, 3H), 3.5-4.0 (m, 3H), 4.9 (m, 1H), 7.1-7.6 (m, 2H). MS (ESI) m/z (M+Na)+ 350.2.
上記で得られた化合物Aの試料において取得されたXRPDは、図1におけるものと実質的に同じであり(上パネル)、化合物Aの結晶性形態Iを示した。
化合物Aの結晶性形態Iの単結晶構造から算出された粉末X線回折パターンを図1に示す。
単結晶X線分析に基づく化合物Aの結晶性形態Iの原子変位楕円体図およびパッキング図を図8~9に示す。化合物Aの結晶性形態Iは、斜方晶系、P2111空間群、ならびに以下の単位格子寸法:a=5.85088(9)Å、b=11.57133(12)Åおよびc=25.8340(3)Å、α=β=γ=90°、V=1749.02(4)Å3、Z=4である。Z=4および327.38g/モルの式量について、算出された密度は、1.243g/cm3である。
単結晶分析および算出されるXRPDのために使用されたコンピュータプログラムは、ShelXL、CrysAlisPro、Olex2、ShelXTおよびMercuryを含む。
(実施例2)
化合物Aの形態IIの調製
一実験において、約200mgの実施例1からの化合物Aの結晶性形態Iを、4mLのシンチレーションバイアルに秤量し、1mLのMilli-Q水をバイアルに添加した。バイアルを、室温で12日間、徹底して回転させた。残留物を、真空で濾過し、室温で2日間風乾した(約22℃および60%のRH)。乾燥した固体を、乳鉢および乳棒で粉砕し、その後、図3の上パネルに示すXRPDを取得した。
固体を、DVS測定にも付し、0%のRHで約11%の水を喪失した。DVSプロットを図6に示し、これは、化合物Aの結晶性形態IIが、20%のRHまたはそれより上のRHで水を喪失しなかったことを示す。
別の実験において、約2gの実施例1からの化合物Aの結晶性形態Iを、20mLのシンチレーションバイアルに秤量し、4mLのMilli-Q水をバイアルに添加した。得られた懸濁液を、スパーテルで撹拌し、室温で1日間放置した。次いで、残留物を、真空で濾過し、真空オーブン中、室温で約20時間乾燥した。XRPDを乾燥後に取得し、形態IIは、それが図3の上パネルと実質的に同じであったので、確認された。図5に示されるDSCを乾燥後に取得し、約82℃での起こり得る脱水事象、続いて、約159℃での溶融を示した。図4に示される乾燥後に取得されたTGAは、二水和物のものと一致する9.6%の質量喪失を示した。次いで、乾燥した試料を、TGAパンにおいて80℃で脱水した(10℃/分での室温から80℃までの傾斜、次いで、2分間の等温)。XRPDおよびDSCを、脱水された試料において行い、試料が、残留アモルファス含有量および非常に少量の結晶性形態IIを伴い、ほとんどが結晶性形態Iであったことを確認した。
化合物Aの結晶性形態IIの単結晶構造から算出されたX線回折パターンを図3の下パネルに示す。
単結晶X線分析に基づく化合物Aの結晶性形態IIの原子配座図およびパッキング図を図10~11に示す。化合物Aの結晶性形態IIは、斜方晶系、P2111空間群、ならびに以下の単位格子寸法:a=8.9035(2)Å、b=10.5404(2)Åおよびc=21.3018(5)Å、α=β=γ=90°、V=1999.10(8)Å3、Z=4である。Z=4および363.41の式量について、算出された密度は、1.207g/cm3である。
単結晶分析および算出されるXRPDのために使用されたコンピュータプログラムは、Apex3 v2017.3-0(Bruker、2017)、SAINT V8.38A(Bruker、2016)、SHELXS97(Sheldrick、2008)、SHELXL2018/3(Sheldrick、2015、2018)、SHELXLE Rev937(Hubschleら、2011)を含む。
(実施例3)
化合物Aのアモルファス形態の調製
1グラムの化合物Aの結晶性形態Iを、10mLのアセトンに溶解させた。Buchiミニ噴霧乾燥器B-290を用いて、材料を噴霧乾燥した。入口温度は65℃であり、出口温度は44℃である。噴霧乾燥された材料は、0.44gと秤量され(収率44%)、XRPDを使用して分析した。XRPDを図7に示す。
(実施例4)
結晶性形態Iおよび結晶性形態IIの間の変換
水およびイソプロパノールの混合物中の競合スラリーは、結晶性形態Iおよび結晶性形態IIの間の相境界が、25℃で0.66~0.78の水の活量の間であることを示す。0.78を上回る水の活量で、結晶性形態IIは安定形態であるが、0.66を下回る水の活量で、結晶性形態Iは安定形態である。
本明細書全体を通して、米国および外国の特許出願、学術論文、本の章などのような刊行物が参照される。そのような刊行物はすべて、他に指示されない限り、すべての目的のために、対応する参考文献とともに発行された補足/支援情報セクションを含んで、それらの全体が参照によって明示的に組み込まれる。
多くの例示的な態様および実施形態を上記で論じたが、当業者は、ある一定の改変、変形、追加およびそれらの下位の組み合わせを認識する。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および本明細書の以下に導入される特許請求の範囲が、それらの真の趣旨および範囲内にあるようなすべてのそのような改変、変形、追加および下位の組み合わせを含むと解釈されることが意図される。

Claims (42)

  1. 化合物A:
    Figure 2022539342000012
    の固体結晶性形態Iを調製する方法であって、
    化合物Aを酢酸エチルに溶解させ、溶液を加熱する工程、
    前記溶液を冷却する工程、および
    ジイソプロピルエーテルを前記溶液に添加する工程
    を含む、方法。
  2. 前記溶液が、約65℃~約70℃に加熱される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶液が、約25℃に冷却される、請求項1に記載の方法。
  4. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3および12.8を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9を有するものから選択される1個または複数のピーク(2θ)をさらに有する、請求項4に記載の方法。
  6. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8および13.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3および15.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  8. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7および16.8を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8および17.3を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  10. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3および18.5を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  11. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:6.9、8.4、10.3、12.8、13.7、15.3、15.7、16.8、17.3、18.5および19.9を有するものから選択される3、4または5個のピーク(2θ)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  12. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、図1に示されるXRPDパターンのうちの1つと実質的に類似のXRPDパターンを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  13. 化合物Aの固体結晶性形態Iが、約159℃の吸熱ピークを有するDSCを有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 化合物A:
    Figure 2022539342000013
    の固体結晶性形態であって、
    化合物Aの結晶性形態IIである、固体結晶性形態。
  15. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9および13.0を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  16. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3を有するものから選択される1個または複数のピーク(2θ)をさらに有する、請求項15に記載の固体結晶性形態。
  17. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0および13.7を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  18. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5および16.0を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  19. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0および20.4を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  20. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4および21.3を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  21. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3を有するものから選択されるピーク(2θ)を有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  22. 粉末X線回折パターンにおいて、およそ以下の値:9.4、10.8、11.9、13.0、13.7、15.5、16.0、20.0、20.4、21.3および23.3を有するものから選択される3、4または5個のピーク(2θ)を有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  23. 図3に示される2つのXRPDパターンのうちの1つと実質的に類似のXRPDパターンを有する、請求項14に記載の固体結晶性形態。
  24. 約82℃および約159℃の吸熱ピークを有するDSCを有する、請求項14~23のいずれか1項に記載の固体結晶性形態。
  25. およそ9.6質量%の水の喪失を伴って、およそ60℃超で脱水を示すTGAを有する、請求項14~24のいずれか1項に記載の固体結晶性形態。
  26. 0%のRHおよび25℃において約11%の質量の変化を示すDVSを有し、質量が、20%のRHまたはそれより上のRHで水を喪失しない、請求項14~25のいずれか1項に記載の固体結晶性形態。
  27. 請求項14~26のいずれか1項に記載の固体結晶性形態を含む固体組成物であって、化合物Aの任意の他の固体形態を少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%含まない、固体組成物。
  28. 請求項14~26のいずれか1項に記載の固体結晶性形態および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  29. 前記固体結晶性形態が、医薬組成物中のtert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. 化合物A:
    Figure 2022539342000014
    の固体アモルファス形態。
  31. 粉末X線回折パターンにおいて、アモルファスハローを有する、請求項30に記載の固体アモルファス形態。
  32. 図7と実質的に類似のXRPDパターンを有する、請求項30に記載の固体アモルファス形態。
  33. 請求項30~32のいずれか1項に記載のアモルファス形態および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  34. 前記アモルファス形態が、医薬組成物中のtert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレートの総量の少なくとも99質量%、少なくとも95質量%、少なくとも90質量%、少なくとも80質量%、少なくとも70質量%、少なくとも60質量%または少なくとも50質量%である、請求項33に記載の医薬組成物。
  35. NMDA調節に応答する疾患または障害のための処置の必要性が認識された対象を処置する方法であって、それを必要とする前記対象に、治療有効量の請求項28、29、33および34のいずれか1項に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
  36. 前記疾患または障害が、自閉症、不安、うつ、双極性障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動障害(ADHD)、統合失調症、精神障害、精神病症状、社会的離脱、強迫性障害(OCD)、恐怖症、心的外傷後ストレス症候群、行動障害、衝動制御障害、物質乱用障害、睡眠障害、記憶障害、学習障害、尿失禁、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、フリードライヒ運動失調症、ダウン症、脆弱X症候群、結節性硬化症、オリーブ橋小脳萎縮症、脳性麻痺、薬物誘発性視神経炎、虚血性網膜症、糖尿病性網膜症、緑内障、認知症、AIDS認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、痙縮、ミオクローヌス、筋痙攣、トゥレット症候群、てんかん、脳虚血、脳卒中、脳腫瘍、外傷性脳損傷、心停止、脊髄症、脊髄損傷、末梢神経障害、急性神経障害性疼痛および慢性神経障害性疼痛から選択される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記物質乱用障害が、離脱症状、オピエート中毒、ニコチン中毒およびエタノール中毒から選ばれる、請求項36に記載の方法。
  38. 前記記憶障害が、欠損、喪失、および新たな記憶を作成する能力の低下から選択される、請求項36に記載の方法。
  39. 前記疾患または障害が、大うつ病性障害である、請求項35に記載の方法。
  40. 斜方晶系、P2111空間群、ならびに以下の単位格子寸法:a=8.9035(2)Å、b=10.5404(2)Åおよびc=21.3018(5)Å、α=β=γ=90°、V=1999.10(8)Å3、Z=4を有する、tert-ブチル(S)-2-((2S,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシ-1-オキソブタン-2-イル)-1-オキソ-2,5-ジアザスピロ[3.4]オクタン-5-カルボキシレート二水和物の結晶形態。
  41. 実質的に本明細書に記載の通りの、化合物A:
    Figure 2022539342000015
    の固体結晶性形態II。
  42. 実質的に本明細書に記載の通りの、化合物A:
    Figure 2022539342000016
    の固体アモルファス形態。
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