JP2022533219A - Btk阻害剤を調製するためのプロセス及び中間体 - Google Patents

Btk阻害剤を調製するためのプロセス及び中間体 Download PDF

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Abstract

特定の中間体を調製するためのプロセス、例えば、エナンチオエンリッチ形態の式(I)の化合物【化1】TIFF2022533219000031.tif40170又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスが開示され、この中間体及びプロセスは、イブルチニブなどのBTK阻害剤の調製に有用である。

Description

本発明は、置換二環式化合物、特に、薬剤として有用である化合物、例えばイブルチニブなどのブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)阻害剤の合成手順及び合成中間体に関する。
イブルチニブは、1-[(3R)-3-[4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オンというIUPAC名を有する有機低分子である。これは、国際特許出願国際公開第2008/039218号パンフレット(実施例1b)を含む多くの公開済み文書で説明されており、Btkの不可逆的阻害剤として説明されている。
Btkは、細胞表面のB細胞レセプター刺激を下流の細胞内反応に結び付けるB細胞シグナリング経路において重要な役割を果たす。Btkは、B細胞の発生、活性化、シグナリング、及び生存の主要なレギュレーターである(Kurosaki,Curr Op Imm,2000,276-281;Schaeffer and Schwartzberg,Curr Op Imm 2000,282-288)。更に、Btkは、多くの他の造血細胞シグナリング経路において、例えばToll様受容体(TLR)及びサイトカイン受容体により媒介されるマクロファージのTNF-α産生、マスト細胞のIgE受容体(FcepsilonRI)シグナリング、B系統リンパ細胞のFas/APO-1アポトーシスシグナルリングの阻害、及びコラーゲン刺激血小板凝集などの役割を果たす。例えば、以下を参照されたい:C.A.Jeffries,et al.,(2003),Journal of Biological Chemistry 278:26258-26264、N.J.Horwood,et al.,(2003),The Journal of Experimental Medicine 197:1603-1611、Iwaki et al.(2005),Journal of Biological Chemistry 280(48):40261-40270、Vassilev et al.(1999),Journal of Biological Chemistry 274(3):1646-1656、及びQuek et al(1998),Current Biology 8(20):1137-1140。
イブルチニブは米国及びEUを含むいくつかの国で特定の血液悪性腫瘍に対して認可されており、他の血液悪性腫瘍に対する臨床試験でも研究されている。こうした悪性腫瘍としては、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、及び多発性骨髄腫が挙げられる。
とりわけ米国特許出願公開第2011/0082137号明細書、及び国際公開第2008/039218号パンフレットに記載される、官能化された二環式複素環及びイブルチニブを調製する多くの方法が存在する(実施例1b)。後者に関して、後者のイブルチニブ合成工程は、以下のスキームに示される:
Figure 2022533219000002
上記の合成は、未公開のPCT出願第PCT/EP2017/075289号明細書におけるものを含む、キラルヒドロキシピペリジン中間体を調製するためのいくつかの合成戦略ももたらした。
イブルチニブを合成するその他の方法は、国際特許出願国際公開第2014/139970号パンフレットで開示されており、これは、以下のスキームを含む:
Figure 2022533219000003
置換基をピペリジニル環の窒素原子上に導入するための最終工程は、国際特許出願国際公開第2016/115356号パンフレットに記載される手順に従って、3-クロロプロピオニルクロリドと反応させ(例えば、Me-THF中の水性NaHCOの存在下で)、それによりピペリジニルの窒素原子に-C(O)-CHCH-Cl基を導入することによって、実施することもできる。こうした中間体を、続いてDBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)の存在下で脱離反応に供すると、イブルチニブがもたらされる。
上記の合成は、合成経路の重要な要素である非対称性キラルヒドラジンを使用する。こうしたキラルヒドラジンは分割によって調製され、ここで言及されているのはキラルクロマトグラフィ、例えばキラルSFCである。こうしたプロセスは、煩雑且つ/又は非効率的である場合がある。本発明の目的は、官能化複素環、例えばイブルチニブの更なる合成における構成単位として有用であり得る、こうしたキラルヒドラジンに対する代替的な/改善されたプロセスを発見することである。
エナンチオエンリッチ(enantioenriched)形態の式(I)の化合物
Figure 2022533219000004

又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスがここで提供され、
式中、
は水素又は窒素保護基を表し、
*は(R)立体配置のキラル中心を表し、
本プロセスは、式(II)の化合物
Figure 2022533219000005

、すなわち3-ヒドロキシピリジン、又はその塩と、式(III)の化合物
N-N(H)-R(III)
又はその塩との還元的ヒドラジン化を含み、式中、Rは、水素又は窒素保護基を表し、そうして式(IV)の化合物
Figure 2022533219000006

又はその塩を形成し、式中、Rは上記で定義した通りであり、次に、任意の順序で、Rにおける任意選択的な脱保護(Rが窒素保護基を表す場合)、ピペリジニル環のNH部分における任意選択的なRの導入(Rが窒素保護基を表す場合)及び、続いて(必要に応じて)分割が続き、
本プロセスは、本明細書では本発明のプロセス(1つ以上の実施形態からなる)と称され得る。
本発明のプロセスは、エナンチオエンリッチな式(I)の化合物を生成し、或いは、(R)-エナンチオマーが主に形成されるエナンチオマーであり、したがって20%超のeeを提供する(そして本明細書に記載の実施形態ではeeは更に大きい)、式(I)の化合物を含む組成物を調製するためのプロセスと説明することもできる。
本明細書では、本発明のプロセス(及び本明細書に記載の実施形態)に、化合物の塩が使用され、且つ/又は生成され得ることが示される。或いは(及び、好ましい実施形態では)、化合物の遊離塩基が使用され、且つ/又は生成され得る。更に、塩形態が使用され、且つ/又は生成される場合は、これは遊離して、遊離塩基形態を形成することができる(例えば、本明細書で説明されるものなどの更なるプロセス工程で使用するための、例えば更なる反応のために)。また、本明細書に記載された化合物は、異性、例えば互変異性を示してもよいことも、留意されるべきである。
上記で示されるように、式(II)の化合物は、塩形態であってもよく、したがって、これは、第4級塩の形成をもたらす化合物であり得る(例えば、ベンジル基が、ピリジル部分の窒素上に存在して、それによってベンジル4級塩を形成し得る)。
本発明のプロセスの利点は、式(II)の化合物が、効果的にケト基であるもの(示されるエノール部分の互変異性体)をヒドラゾンに、続いてヒドラジンに還元することを含む単一の工程で還元されることである。これは、中間体(例えば、不安定であり得る)を分離及び/又は単離する必要がないという利点を有する。
式(IV)の化合物を生成するための本発明のプロセスの還元的ヒドラジン化、並びに任意選択的なRの脱保護/除去(これが窒素保護基である場合)及びRの導入(これが窒素保護基である場合)の後で、疑義を避けるために、以下の式(V)の化合物は、式(VA)の化合物(式中、R及びRは独立して窒素保護基を表す)を介して得られる(また、一実施形態では、Rは窒素保護基を表す)。
Figure 2022533219000007
本発明の一実施形態では、式(V)の化合物の分割を含む、式(I)の化合物を調製するためのプロセス(例えば、本明細書に記載される条件下で)も提供される。こうした一実施形態では、式(V)の化合物は、上記で説明された本発明のプロセスに記載される通りに調製される必要はないが、更なる実施形態では、式(V)の化合物は、上記で説明された通りに調製される(すなわち、式(III)の化合物による式(II)の化合物の還元的ヒドラジン化、続いて、任意選択的なRの脱保護/除去(これが窒素保護基である場合)及びRの導入(これが窒素保護基である場合)によって)。所望される式(I)の化合物を提供するための分割で使用される好ましい式(V)の化合物は、Rが窒素保護基を表すものである(例えば本明細書に記載されるものなど)。
本発明のプロセスにおいては、4級塩、例えば窒素原子上のベンジルなどの窒素保護基を有する4級塩である式(II)の化合物を用いることの利点は、式中Rがこうした保護基(例えばベンジル)を表す式(VA)の化合物(及び/又は式(V)の化合物)を調製することが望まれる場合、こうした基は、本発明のプロセスの還元的ヒドラジン化の後で導入される必要はないことである。
本明細書において言及される全ての個々の特徴(例えば、好ましい特徴)は、単独で、又は本明細書において言及される任意の他の特徴(好ましい特徴を含む)と組み合わせて解釈され得る(したがって、好ましい特徴は、他の好ましい特徴と併せて、又はそれらから独立して解釈され得る)。
当業者は、本発明のプロセスの文脈で言及される化合物は、安定なものであることを理解するであろう。すなわち、本明細書に含まれる化合物は、例えば反応混合物から有用な程度の純度に単離するのに十分に耐え得る強固な化合物である。
疑義を避けるために、式(V)の化合物はラセミ体(又は、エナンチオ純度(enantiopurity)の低い、例えば、エナンチオマー過剰率「ee」が20%未満を示すもの)である、すなわち、-N(H)NH基の結合点におけるキラル中心が、(R)-及び(S)-立体配置の等モル混合物(又は、一方の立体配置の優先性が他方の立体配置と比較して実質的に低い、例えば、優性エナンチオマーの60%未満)を含有する。これに対して、式(I)の化合物の対応するキラル中心は、主として(R)立体配置である(これは、「エナンチオエンリッチ生成物」と称する)。
上記で示されるように、本発明のプロセスは、「還元的ヒドラジン化」を含み、これは、ヒドラジン基(又は、式(III)の化合物の定義及びRの定義に従うその保護された変形)の導入を伴う(式(II)のピリジンの芳香環の)還元を意味する。
本発明のプロセスにおいては、一実施形態では、式(III)の化合物は、Rが窒素保護基であるものである。例えば、窒素保護基は、
-アミド(例えば、N-アセチル)
-任意選択的に置換されるN-アルキル(例えば、N-アリル、又は任意選択的に置換されるN-ベンジル)
-N-スルホニル(例えば、任意選択的に置換されるN-ベンゼンスルホニル)
-カルバメート
-尿素
-トリチル(トリフェニルメチル)、ジフェニルメチルなどの形成をもたらす基である。
したがって、Rは、基のなかでもとりわけ、以下を表し得る:
-C(O)Rt1(式中、Rt1は、好ましくはC1~6アルキル、又は任意選択的に置換されるアリールを表す);
1~6アルキル(アルキル基は、(例えば好ましくはベンジル部分を形成する)任意選択的に置換されたアリールから選択される1つ以上の置換基によって任意選択的に置換される);
-S(O)t2(式中、Rt2は、好ましくは、任意選択的に置換されるアリールを表す);又は、好ましくは、-C(O)ORt3(式中、Rt3は、好ましくは、任意選択的に置換されたアリール、又は、より好ましくは、任意選択的に置換されたC1~6(例えばC1~4)アルキル、例えばtert-ブチル(そうして例えば、tert-ブトキシカルボニル保護基を形成する、すなわちアミノ部分と合わせた場合にtert-ブチルカルバメート基を形成する)、若しくは-CHフェニル基(そうしてカルボキシベンジル保護基を形成する)を表す);
-C(O)N(Rt4)Rt5(式中、好ましくは、Rt4及びRt5が独立して水素、C1~6アルキル、任意選択的に置換されるアリール、又は-C(O)Rt6を表し、Rt6がC1~6アルキル又は任意選択的に置換されるアリールを表す)。
一実施形態では、最も好ましくは、R基は、tert-ブトキシカルボニル(すなわち、-C(O)-O-tert-ブチル又はt-Boc)であり、すなわち、その結果、式(III)の化合物がHN-N(H)-C(O)-O-tert-ブチルを表す。ヒドラジン(又はその好適な形態)の取り扱いが困難であり得ることを考えると、これは特に有利であり、また、更に、式中Rが窒素保護基(例えばt-Boc)を表す式(IV)の化合物を生成し、その結果、後続の工程、例えばピペリジニル環の窒素の保護、すなわち、R保護基の導入、及び/又はヒドラジン保護基の脱保護、すなわち、R保護基の除去(式中Rが窒素保護基を表す式(V)の化合物を形成するための)が、扱いやすいプロセス工程で起こり得て、例えば、その結果、本明細書に記載のプロセスに従って式(V)の化合物が分割され得ることは、有利であり得る。式中Rが特定の離脱基である(特にこれがベンジルであるときの)式(VA)又は(V)の化合物は、分割工程で改善された又はより良好なeeをもたらし得る(特に、一実施形態では、分割工程の前に式(VA)の化合物が脱保護されて式(V)の化合物をもたらすことを考えると、これは式(V)の化合物に当てはまる)。Rが特定の保護基であり、分割工程でeeに関する利点又は改善をもたらす化合物に加えて、こうした保護基は、例えばその他の反応工程(例えば、本発明の主なプロセスにおける還元)で最も効率的となる保護/脱保護の容易さに関するその他の利点も有し得る。
本発明の更なる実施形態では、特定の化合物それ自体、例えば、式(IV)の化合物、式(VA)の化合物、及び/又は式(V)の化合物が提供される。
本発明のプロセスは、式(III)のヒドラジン化合物の存在下での式(II)の化合物から式(IV)の化合物への変換である、還元的ヒドラジン化を伴う。こうした「還元的」工程は、必ず水素供給源の存在下で実施されることは理解されよう。例えば、これは、好適な触媒、例えば、パラジウム、ニッケル、白金、ルテニウム、ロジウム、及び/又はイリジウムなどの金属触媒の存在下で実施され得る(一実施形態では、パラジウム、例えばパラジウム炭素、すなわちPd/Cが使用され、これは5~10%Pd/Cであり得る)。還元(又は還元的ヒドラジン化)のために任意の好適な水素供給源、例えばHガス(例えば約20バールなどの圧力下で導入され得る;一般に、Hガスは加圧シリンダーに貯蔵され、プロセスは1気圧超のHを用いる)が存在してよい。例えば、プロトン酸、例えば酢酸、ギ酸、又は同種のものなどの好適なドナー分子(例えばギ酸ナトリウム水溶液)などの別の好適な水素供給源が用いられてもよい(Hガスに加えて用いられてもよく、又は代替物として用いられてもよい)。本発明のプロセスのこの態様は、例えば、任意の好適な溶媒、例えば、本発明の一実施形態ではアルコール溶媒(例えばメタノール)などの好適な溶媒の存在下でも実施することができる。一実施形態では、還元(又は還元的ヒドラジン化)が実施される容器又はオートクレーブが、例えば室温を超える温度に加熱される(例えば40℃超、例えば55℃超、例えば55~70℃であるが、最高温度は、使用される任意の溶媒の沸点に依存し、例えばメタノールの存在下で反応が実施される場合、温度は約62℃である)。反応は、完了するまで多くの時間、例えば終夜(例えば約12時間)にわたり実行され得るが、反応はその進行/完了を監視されて、それに従って期間が調節されてもよい。この反応に用いられる触媒が水を含有する場合、必要であれば、このプロセス工程に使用される溶媒(例えばアルコール溶媒、メタノール)を攪拌することにより、部分的に除去され得る。反応が進行した後、反応混合物を後処理して、所望の生成物(式(IV)の化合物)を抽出、分離、及び/又は単離してよい。
続いて、(i)Rにおける任意選択的な脱保護(Rが窒素保護基を表す場合)、及び(ii)ピペリジニル環のNH部分における任意選択的なRの導入(Rが窒素保護基を表す場合)によって式(IV)の化合物が形質転換されることが示される。一実施形態では、式(III)の化合物は、Rが窒素保護基を表す(一実施形態ではBOC-保護基を表す)ものであり、従って、こうして形成される式(IV)の化合物もRがかかる窒素保護基を表すものであることが好ましい。一実施形態では、式(I)の化合物は、Rが窒素保護基を表すものであり、したがって、一実施形態では、還元的ヒドラジン化によって生成される式(IV)の化合物に対して、工程(ii)、すなわち、R保護基の導入が好ましくは最初に実施され、そうして式(VA)の化合物(又は式(V)の化合物)が形成されることも好ましい。
式(VA)及び(V)の化合物が生成されるとき、Rが窒素保護基を表すことが特に好ましい(特に分割されるべき式(V)の化合物に関して)。この点に関して、Rは、
-アミド(例えば、N-アセチル)
-任意選択的に置換されるN-アルキル(例えば、N-アリル、又は任意選択的に置換されるN-ベンジル)
-N-スルホニル(例えば、任意選択的に置換されるN-ベンゼンスルホニル)
-カルバメート
-尿素
-トリチル(トリフェニルメチル)、ジフェニルメチルなどの形成をもたらす基を表し得る。
したがって、Rは、基のなかでもとりわけ、以下を表し得る:
-C(O)Rt1(式中、Rt1は、好ましくはC1~6アルキル、又は任意選択的に置換されるアリールを表す);
1~6アルキル(アルキル基は、(例えば好ましくはベンジル部分を形成する)任意選択的に置換されたアリールから選択される1つ以上の置換基によって任意選択的に置換される);
-S(O)t2(式中、Rt2は、好ましくは、任意選択的に置換されるアリールを表す);又は、好ましくは、-C(O)ORt3(式中、Rt3は、好ましくは、任意選択的に置換されたアリール、又は、より好ましくは、任意選択的に置換されたC1~6(例えばC1~4)アルキル、例えばtert-ブチル(そうして例えば、tert-ブトキシカルボニル保護基を形成する、すなわちアミノ部分と合わせた場合にtert-ブチルカルバメート基を形成する)、若しくは-CHフェニル基(そうしてカルボキシベンジル保護基を形成する)を表す);
-C(O)N(Rt4)Rt5(式中、好ましくは、Rt4及びRt5が独立して水素、C1~6アルキル、任意選択的に置換されるアリール、又は-C(O)Rt6を表し、Rt6がC1~6アルキル又は任意選択的に置換されるアリールを表す)。
一実施形態では、最も好ましいR基は、アリールによって(例えば1つのフェニル環によって)置換され、そうして例えばベンジル基を形成するC1~6アルキル(例えば-CH)である。
式(IV)の化合物(例えば、式中、Rが上記で定義されるものなどの保護基を表す)の、式中Rが窒素保護基を表す式(VA)の化合物への変換は、好適な条件下で起こり得、例えば、Rが、アリール(例えばベンジル基)によって置換されるC1~6アルキルを表すときは、式(IV)の化合物は、式R-Lの化合物(式中、Lは好適な離脱基(ブロモ、クロロ、ヨード、スルホネート(メシレート、トシレート、トリフレート)又は同種のものなど)を表し、Rは、アリール(例えばベンジル)によって置換されるC1~6アルキルを表す)と反応し得、従って、ベンジル基を導入するため、反応は、任意選択的に、好適な溶媒(例えばジクロロメタン)及び好適な塩基(例えば有機塩基、例えばアミン塩基、例えばトリエチルアミンなど)の存在下の、臭化ベンジルの存在下で実施することができる。
こうして生成された式(VA)の化合物では、Rの窒素保護基は、一実施形態では、R窒素保護基とは異なる。異なるとは、あるものが、特定の条件下で任意の1つ(例えばR窒素保護基)を除去することができるが、もう1つ(例えばR窒素保護基)は実質的に完全なままで残ることを意味する。したがって、上記(Rが窒素保護基を表す場合で)で示したように、一実施形態では、こうしたR窒素保護基は除去され(一方で、例えば導入されたばかりのR窒素保護基は完全なままで残る)、式(VA)の化合物であるものは、式(V)の化合物に変換される。こうした変換は、R及びR保護基が異なり、また異なる条件下で開裂しやすい理由を例証する。例えば、Rが、アリール(例えばベンジル基を形成する1つのフェニル環)によって置換されるC1~6アルキルを表すとき、R保護基は、好ましくは、R保護基を除去させない条件下で除去/開裂し得るものである。例えば、RがBOC-保護基を表す場合、好適な条件を使用して、R保護基(例えばこれがベンジルである場合)を完全なままに保ちながら、その基を除去することができる。使用され得る条件としては、例えば水及びHClの存在下での酸性条件が挙げられ、温度は、例えば水浴を使用することによって、室温(例えば約25℃)を超えないように調節されてもよい。反応は、約室温(例えば20~25℃前後)で、多くの時間(例えば終夜、約12時間)進行させてよいが、反応の進行を監視し、それに応じて時間を調節してよい。反応が進行/完了した後で、例えば、氷浴中で冷却してからアルカリ性溶液(例えば32m%であり得るNaOH溶液)を添加して残留する酸を全て中和することによってこれを後処理してよく、続いて所望の生成物(式(V)の化合物)を抽出、分離、及び/又は単離してよい。
一実施形態では、式中Rがベンジルを表す式(V)の化合物は、式(I)の化合物を提供するために分割工程に使用される化合物である。
式(V)の化合物が分割されて式(I)の化合物を提供する本発明のプロセス(上記で説明された、すなわち還元的ヒドラジン化による式(V)の化合物を調製するためのプロセス、又はその他のプロセスが先行する)の実施形態では、特定の分割プロセスが好ましい。例えば、本発明の一実施形態では、分割がD-(-)酒石酸の存在下で実施され、本明細書で定義される、すなわち、20%超のee(また、本明細書に記載の実施形態ではより大きいee)の(R)-エナンチオマーのD-(-)-酒石酸塩を生成する。例えば、エナンチオエンリッチな生成物(例えば式(I)の化合物)は、40%超、例えば60%超のエナンチオマー過剰率、及び一実施形態では、80%超のエナンチオマー過剰率で生成され得る。エナンチオエンリッチな生成物は、90%超でさえあり得る(例えば、それらは実質的に単一のエナンチオマーからなり得、これは、eeが95%以上、例えば、98%超又は約100%であり得ることを意味する)。こうしたエナンチオエンリッチメント(又はees)は、直接、又は当業者に知られている更なる精製技術によって得ることができる。例えば、本発明のこの実施形態のプロセスは、Rが窒素保護基(例えばベンジル)を表す式(I)の化合物を生成することができ、ここでこうした生成物はエナンチオエンリッチである。
この点において、また更なる実施形態では、具体的にはD-(-)-酒石酸塩形態の式(I)の化合物である式(IA)の化合物が提供され、
Figure 2022533219000008

式中、Rは本明細書で定義される通りである(例えば、ベンジルなどの窒素保護基を表す)。こうした生成物は、上記で説明される通りエナンチオエンリッチであり(例えば、式(I)の化合物の文脈において)、例えば40%、60%、80%超、又は90%超のエナンチオマー過剰である(例えば、eeは95%以上、例えば98%超、又は約100%であってよい)。
一実施形態では、式(I)の化合物(例えば、式中Rが窒素保護基(例えば、アリール、例えばベンジルによって置換されるC1~6アルキル)である式(IA)の化合物)は、下流工程で使用されて(最終的に)イブルチニブを提供することのできるものである。例えば、これは、式中Rがこうした保護基を表す式(VII)の化合物を生成するために式(VI)の化合物(下記を参照)との反応に使用され得る式(I)又は(IA)の化合物である。
本明細書で説明される分割工程は、例えば、キラル塩を用いた、具体的には本明細書で説明されるD-(-)-酒石酸塩を用いた結晶化によって、多くの実施形態で実施され得る。塩(例えば式(IA)のD-(-)-酒石酸塩)などは、好適な溶媒系の存在下で、D-(-)-酒石酸塩を式(I)の化合物の非塩形態と混合することによって調製することができる。例えば、溶媒系は、例えばアルコール:水(ここでアルコールは好ましくはメタノールである)が1:1~20:1の比率でアルコール(例えば、メタノール又はエタノール及び水性アルコール、例えば水性メタノール又はエタノール)を含み得、一実施形態では、比率は2:1~8:1、例えば約4:1である。関心の対象は、主にアルコール(例えばメタノール)、及び少量の水を含む、例えば、水含量が約2%~約20%、又は約5%~約10%(w/w)の範囲のアルコール/水混合物である溶媒系である。特に、水含量が約5%~約10%の範囲、例えば約5%(w/w)の水/メタノール混合物を使用することができる。結晶化は、特定の温度で実施され、例えば、本発明の一実施形態では、これは約0℃~80℃、例えば約室温~65℃(例えば約40~60℃、また一実施形態では約50℃)の温度で実施され得る。結晶化は、所定の期間(例えば30分間~2時間、これが結晶化を開始させ得る)高温(上記で言及された温度、例えば50℃など)で攪拌すること、それに続いて、更なる期間(例えば30分間~8時間、例えば約4時間)冷却させて室温に戻すことを伴う場合がある。eeを向上させるために再結晶化を実施することもでき、例えば、再結晶化は、例えば還流させながら上記で言及された溶媒系の存在下で実施し、続いて冷却(及び任意選択的にシーディング)することができる。
酒石酸(例えばD-(-)-酒石酸)を用いた分割は、多くの理由により有利であり得、例えば、これは、十分なeeの本明細書で定義される式(IA)の化合物を提供し、一実施形態では、これは、より高いee(例えば、その他のエナンチオマー塩及び/又はその他の分割法と比較して)のかかる化合物を提供し、且つ/又は、これは、例えば再結晶化を通してそのエナンチオマー過剰が更に改善されたかかる化合物を提供する。或いは、又は加えて、式(IA)の化合物は、十分に高い純度(例えば、その他の方法と比較して)で、且つ/又はその純度が更に向上され得る形態(例えば、再結晶化によって)で、提供され得る。したがって、更なる実施形態では、上記で説明されるように、(式(I)の化合物(又は式(IA)の化合物)を調製するためのプロセスを進行させる)更なる再結晶化工程が提供され得る。
本明細書で示される通り、分割は、好適な溶媒系(例えばメタノール/水)の中で起こり得、同様に、こうして形成された式(I)の化合物の生成物/塩も、好適な溶媒系、例えば第1の結晶化に使用されたものと同じ溶媒系中で再結晶化を経験し得る。しかしながら、一実施形態では、式(I)の化合物(例えば式(IA)の化合物)の塩形態は、第1の生成物が十分なee及び/又は純度である(例えば、更なるプロセス工程で使用するために)場合があるため、更なる再結晶化を経験する必要はない。
式(I)の化合物(例えば式(IA)の化合物)の塩形態は、本明細書で説明される更なるプロセス工程で直接使用される場合がある。或いは、式(I)の化合物の塩形態が最初に生成された場合は、本明細書で説明される更なる反応の前に非塩形態も遊離する場合がある。
特に断らない限り、本明細書で定義されるアルキル基は、直鎖であってもよく、或いは十分な数(すなわち、最低でも3個)の炭素原子が存在する場合、分岐鎖であっても、且つ/又は環状であってもよい。更に、十分な数(すなわち、最低でも4個)の炭素原子が存在する場合、こうしたアルキル基はまた、部分的に環状/非環状であってもよい。また、こうしたアルキル基は、飽和していてもよく、或いは十分な数(すなわち、最低でも2個)の炭素原子が存在する場合、不飽和であってもよい(従って、例えば「ビニル」部分を含む)。
本発明の更なる実施形態では、例えば、イブルチニブの調製における、その全ての実施形態を含む本明細書で説明される本発明のプロセスに従い調製された式(I)の化合物(特に式(IA)の化合物)の使用が提供される。例えば、本明細書で説明されるプロセスに従い調製された式(I)の化合物は、イブルチニブを提供するための既知のプロセス工程(例えば、国際特許出願国際公開第2014/139970号パンフレット及び同第2016/115356号パンフレットに開示される)によって先行され進行され得る。この点に関して、本明細書で説明される式(I)の化合物を調製するためのプロセス、続いてイブルチニブへの変換を含む、イブルチニブを調製するためのプロセスが提供され、こうした更なる工程は、以下を含み得る:
(a)式(I)の化合物(特に式(IA)の化合物)と式(VI)の化合物、
Figure 2022533219000009

又はその誘導体との反応であって、そうして式(VII)の化合物、
Figure 2022533219000010

又はその誘導体を形成し、式中、Rは本明細書で定義される通りであり(また、これは、一実施形態ではベンジルであり)、この反応は国際特許出願国際公開第2014/139970号パンフレットに記載される条件下で実施されてよく、この反応は、例えば、式(I)の化合物(例えば式(IA)の化合物)を好適な溶媒(例えばエタノール)に溶解し、式(VI)の化合物を添加し(例えば、過剰に、溶液形態で)、所定の期間(例えば30分間)低温(例えば約5℃)で攪拌し、続いて塩基(例えばトリエチルアミン、過剰に)を添加し、低温で所定の期間(例えば、5~10℃で1時間)、続いて高温(例えば約室温、25℃)で更なる期間(例えば14時間)攪拌することによって実施されてよく、後処理後、式(VII)の化合物(例えば、式中Rがベンジルを表す)が得られ得る、反応;
(b)式(VIII)の化合物
Figure 2022533219000011

又はその誘導体を生成するための式(VII)の化合物、又はその誘導体の反応であって、式中、Rは上記で定義される通りであり(例えばベンジル)、反応は、国際公開第2014/139970号パンフレットに記載されるものなどの試薬を用い、且つ同パンフレットに記載されるものなどの条件下で実施され、例えば、式(VII)の化合物又は誘導体が、(i)ホルムアミド(HCONH);(ii)ホルムアミジン又はホルムアミジン塩H-C(=NH)-NH (式中、Xは、好適な対イオン、例えばハロゲン化物(例えばCl)又はオキシアニオン(例えばアシル-O)を表し、そうして例えばホルムアミジンHCl又は酢酸ホルムアミジンなどを形成する)、(iii)アルキル(例えばエチル)ホルムイミデート、又はその塩、例えばエチルホルムイミデートHCl;(iv)オルトギ酸エチル、それに続いて酢酸アンモニウムと反応され得る、反応。式中Rが窒素保護基である式(VIII)の化合物は、例えば、水素化反応条件下でRがベンジルである時など、Rのこうした除去を可能にする標準的条件下で、例えば、任意選択的に好適な溶媒(例えばメタノール)及び酸/プロトン源(例えば35%HCl)中の、パラジウム系触媒(例えばPd(OAc))の存在下で、且つ水素供給源の存在下(例えば、10PsiのH)で、適切な時間にわたる攪拌(例えば50℃で2時間)を伴い、脱保護によって、式中Rが水素である式(VIII)の化合物に変換されてよく、適切な後処理の後で、式中Rが水素を表す式(VIII)の化合物が提供され得る(例えば分離又は単離される);
(c)例えば国際公開第2014/139970号パンフレット又は同第2016/115356号パンフレットのいずれかに記載される条件下でイブルチニブを提供するための式(VIII)の化合物であって、式中、Rは水素を表す、化合物(又はかかる化合物の誘導体)の反応であって、例えばかかる化合物はCl-C(O)-C(H)=CHと反応されてもよく、或いは3-クロロプロピオニルクロリドと反応させることによって(例えば、Me-THF中の水性NaHCOの存在下で)2工程プロセスが実施されて、それにより式(IX)の化合物
Figure 2022533219000012

又はその誘導体を形成してもよく、かかる中間体は、例えばDBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)の存在下で脱離反応に供されて、イブルチニブをもたらし得る、反応。
疑義を避けるために、イブルチニブは、以下の式を有する:
Figure 2022533219000013
本発明の更なる実施形態では、本明細書(及びその全ての実施形態)に記載される本発明のプロセスは、本明細書に記載される式(VI)の化合物(又はその誘導体)を生成するための1つ以上のプロセス工程によって先行されてよく、例えば以下のスキームに従う、例えば国際公開第2014/139970号パンフレットに記載される手順が使用されてよい:
Figure 2022533219000014
例えば、(VIA)から(VIB)への変換は、好適な試薬(例えばDMF、THF中(COCl))の存在下で起こり得、(VIB)から(VIC)への変換は、マロノニトリル(例えばTHF中)の存在下で、好適な塩基(例えば有機塩基、例えばDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン))の添加(例えば滴下)を伴い、例えば低温での(例えば-60~-30℃で約2時間、続いてその後約20~25℃に昇温)反応によって起こり得、(VIC)から(VI)への変換は、硫酸ジメチル(例えば過剰に)を式(VIC)の化合物に直接(例えばインサイチュで)で添加して(VIB)から(VIC)の形成を進行させることにより起こり得、かかる反応は、硫酸ジメチルが約25℃以下で添加され、続いて、例えば60~65℃で5時間攪拌するようであってよい。
出発物質及び特定の中間体は、市販されているか、又は当該技術分野において一般に知られている従来の反応手順に従って調製され得るかのいずれかであり得る。
疑義を避けるために、当量に言及する場合、これはモル当量を意味するものとする。
本発明の更なる態様では、得られた生成物(式(I)の化合物)を本発明のプロセス(本明細書では「本発明の化合物」と称され得る)から分離するプロセスが提供される。したがって、本発明の化合物(又は本発明のプロセスによって得られる生成物)は分離/単離することができる。これは、以下のいくつかの方法で達成することができる:
-フラッシュカラムクロマトグラフィ
-沈殿/結晶化
-誘導体化、続いて任意選択的に沈殿/結晶化
-抽出(例えば、誘導体化後に抽出)
-蒸留
一態様では、方法は、例えば、望ましくない生成物(例えば、未反応の出発物質)を(例えば、無水コハク酸と反応させて、末端カルボン酸部分を有する基を形成することによって)誘導体化する誘導体化であり、これにより、可能な分離、抽出、又は単離を可能にすることができる(例えば、カルボン酸は後処理手順において除去することができる)。
本発明の更なる実施形態では、その後にまた更なるプロセス工程が続く、本明細書中に記載される本発明のプロセスが提供される。
式(I)の化合物(エナンチオエンリッチ形態)は更なる化合物、例えば、癌(血液悪性腫瘍など)の治療に有用な医薬品などの更なる医薬品(又はその中間体)の調製に使用することができ、具体的には、医薬品はイブルチニブであり得る。
(本発明のプロセスによって直接得られる生成物の、又は例えば本明細書に記載され得る下流工程から得られる更なる生成物の)その他の変換は、先行技術の標準的な手法及び工程、例えば、アミド形成反応(この場合、可能な条件及びカップリング試薬は、当業者に知られているであろう)、エステル化、求核置換反応、及び芳香族求核置換反応に従って実施することができる。
続いて、イブルチニブを含む薬学的製剤を調製するためのプロセスが更に提供され、このプロセスは、上記で説明されるプロセスに従って調製されたイブルチニブ(又はその薬学的に許容される塩)を、(a)薬学的に許容され得る賦形剤、補助剤、希釈剤、及び/又は担体と会合させることを含む。
一般的には、本明細書に記載される方法は、調製される化合物が、先行技術で開示されたプロセスと比べてより少ない試薬及び/若しくは溶媒を利用し、並びに/又はより少ない反応工程(例えば、異なる/別個の反応工程)を必要とする方法で生成され得るという利点を有し得る。
また、本発明のプロセスは、調製される化合物が、先行技術で開示された手順と比較して、より高い収量、より高い純度、より高い選択性(例えばより高い位置選択性)、より短い時間で、より便利に(すなわち扱い易い)形態で、より便利な(すなわち扱い易い)前駆体から、より低コストで、並びに/又は、(試薬及び溶媒を含む)材料のより少ない使用量及び/若しくは損失で生成されるという利点を有し得る。更に、本発明のプロセスのいくつかの環境上の利点が存在し得る。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図したものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1:式(I)の化合物の調製
1a.還元的ヒドラジン化
Figure 2022533219000015

オートクレーブに、化合物(II)(76g、0.799mol)、Boc-N(H)NH(106g、0.799mol)、酢酸(48g、0.799mol)、100mlのメタノール、及び15gの5%Pd/Cを投入した。触媒は56%の水を含有しており、これをメタノール(75mL)中で攪拌することによって部分的に除去した。続いて溶液をデカントし、残留する触媒(30mlのメタノールの容量で)を追加の70mlのメタノールと共に反応器に投入した。これで、合計200mlのメタノールが反応器中にあることになる。1時間かけてオートクレーブを62℃に加熱した(設定値:65℃)。
水素化は62℃及び20バールで終夜行った。
後処理:触媒を濾過(真空、紙)した後、濾液をGCで分析した。ピリジンの完全な変換が観察された。次にMeOHを回転式蒸発器で蒸発させた。約258gの粘稠な油が残った。この油を1800mLの冷水(氷浴中)に注ぎ込み、続いてプロペラ(propellor)攪拌棒で攪拌しながら、180gの8NのNaOHを添加した。得られた透明溶液を、CHCIによって抽出した(200mlを4回、続いて100mlを1回)。
合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。生成物の結晶化を防ぐために、混合物を温水浴中で温かく保ち、続いて濾過して硫酸ナトリウムを除去した。1日後、一部の生成物(式(IVA)の化合物、すなわち、上記で式(IV)の化合物と定義されるが、但し、式中RはBOC保護基を表す)が結晶化し、これを濾過し、洗浄せずに乾燥させた。
1b.ベンジル化
Figure 2022533219000016

250mLの丸底フラスコに、上記の実施例1aから得られた、8gの(式(IVA、式中RはBOC-保護基である)の化合物)の結晶化材料を投入する。これを、100mLのDCMに溶解し、5.2mLのEtN(2eq)及びBnBr(臭化ベンジル)(4.6mL、1.05eq)を添加し、続いて室温で3.5時間攪拌した。
後処理:反応混合物を25mlの水で3回洗浄した。得られた有機層を乾燥させ、溶媒を蒸発させた。無色のシロップ(5.8g)が残った。その他の不純物を除去するため、このシロップを25mlのMTBE+25mlの水に溶解した。層を分離し、水層を25mlのMTBEで1回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、MTBEを蒸発させた。残留する無色のシロップをオイルポンプで乾燥させ、5.7gを得た(収率:50%)。
1c.脱ホウ素化(De-Bocylation)
Figure 2022533219000017

下で、150mlの水を、50g超の精製された式(VA)の化合物を含有する丸底フラスコに添加し、式中、RはBOC-保護基である(フラスコ壁面上の硬質なクラストとして)。固形材料は溶解しなかった。30分間にわたり、窒素下で、100mlの濃縮水性HClを投与/添加する。水浴を用いることによって温度を調節した(最大24℃に)。HClの添加が完了したら、透明溶液が得られた。この溶液を22℃で終夜放置した。
後処理:反応混合物を氷浴で冷却し、pH12に達するまで32m%のNaOH溶液(144g)を添加した。黄色の溶液を窒素下で分離漏斗に移し、100mlのDCMで抽出した。素早く層を分離した。水層を、N雰囲気下で100mlのDCMを用いて2回抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、DCMを蒸発させた。残留する淡黄色の油をオイルポンプで乾燥させ、33gの油を得た(収率=84%)。この生成物(式中Rがベンジルである式(V)の化合物)を窒素下で貯蔵した。
1d.分割
窒素雰囲気下の1000mLのMeOH中の142g(692mmol)のラセミY10-Bn遊離塩基の攪拌黄色溶液を50℃に昇温させ、250mLのMeOH中に溶解した58.0g(386mmol、0.56当量)のD-(-)-酒石酸の温溶液を30分間かけてゆっくりと添加した。添加の最終部の間、反応混合物は不透明になり、徐々に結晶化し始めた。数個の種結晶を添加し、反応混合物を50℃で1時間攪拌した。この間、緩慢な結晶化が進行した。続いて、攪拌した反応混合物を約4時間で室温に冷却し、更に終夜攪拌した。20時間後、固形分を濾過し、120mLのMeOHで洗浄した。真空炉(vacuum stove)中で乾燥させた後に、106.3g(299mmol、43%)の白色固形分を得た。H NMR:1:1塩、3mol%のMeOHを含有、HPLC:e.e.86.6%(R)。
1e.再結晶化
電磁撹拌機を備えた三角フラスコ中に、176.8gの(R)-Y10-Bn.D-(-)-TA塩(e.e.84%(R))を添加した。固形分を1500mlのMeOH/HO(2:1v/v)中に懸濁させ、攪拌しながら加熱還流した。75℃の還流温度で、更に200mlのMeOH/H2O(2:1v/v)を、わずかに黄色の溶液が還流状態で透明になるまで分割で添加した(合計で:1700mlのMeOH/HO(2:1v/v))。加熱を除去し、溶液を、攪拌しながら冷却した状態に維持した。70℃で、種結晶(seeding crystal)(50mg)を添加した。緩慢に結晶化する懸濁液を、4時間攪拌しながら室温に冷却させた。室温で20時間攪拌した後、白色固形分を濾別し(P2ガラスフィルタ上で真空濾過)、100mlのMeOH/HO(2:1)及び100mlのMeOHで洗浄し、フィルタ上で30分間乾燥させた。固形分を500mlの容器に移し(148.5g)、20℃の真空炉で24時間乾燥させた。
収率:142.8gの白色固形分(81%結晶化収率);マレイン酸を用いた定量NMR:純度97±2重量%;HPLC:e.e.≧99%(R);旋光度:[α]20/D-16.7(c=1、HO)。
実施例2:イブルチニブの調製(実施例1に従い調製された式(I)の化合物を用いる)
化合物1から化合物6
Figure 2022533219000018

化合物1(25.06g、117mmol)を、DMF(0.33ml、0.013V)と混合した乾燥THF(200mL、8V)に溶解し、20~30℃のN下で、塩化オキサリル(17.8g、0.14mol、1.2eq)をTHF溶液に滴下し、1時間の反応の後に化合物2を得た。化合物2を含有する混合物を、THF(25ml、1V)中のマロノニトリル(8.5g、128.7mmol、1.1eq)に投入した。その後、DIPEA(37.8g、292.5mmol、2.5eq)を-60~-30℃で2時間にわたり混合物に滴下し、続いて20~25℃に昇温させて化合物3を得た。その後、硫酸ジメチル(44.3g、351mmol、3.0eq)を25℃未満で混合物に滴下し、続いて60~65℃で5時間攪拌して、化合物4を得た。化合物5(29g、81.5mmol、0.7eq)をEtOH(100mL)に溶解し、これを含有する混合物を、続いて化合物4溶液に投入し、5℃で0.5時間撹拌し、続いて29.5gのEtNを5~10℃で1時間かけて混合物に滴下し、続いて25℃で14時間攪拌して、化合物6を得た。100mlのEA(酢酸エチル)を混合物に投入し、続いて水(100ml)で2回洗浄した。水相をEA(200ml)で抽出し、有機相を合わせ、続いてEAをEtOH(90ml)と交換すると、固形分が出現した。固形分を濾過し、40℃の減圧下で7時間乾燥させて、22.47gの化合物6(HPLC純度99.18a%)を得た。4つの工程(S-1~S-4)の全収率は42.8%であった。化合物5は、本明細書では、式中Rがベンジル(それ自体が式(I)の化合物である)である式(IA)の化合物とも称されることが分かるであろう。
結果:
1)3工程のテレスコープ反応(telescope reaction)から、化合物4をIPCから81.64%で生成した。合計で0.7eqの化合物5と反応した後に、化合物6は75.5%で生成した。この反応の後処理の後で、22.47gの化合物6が単離された(HPLC純度99.18%)。
2)未加工の化合物4(THF反応混合物、19.15gの正味のY3を含有する)からHPLC純度66.04%の化合物6を調製するために反応を実施した。後処理及び3回のEtOH/HO結晶化の後で、10.28gの化合物6を得た(HPLC純度98.88%)。母液をカラムクロマトグラフィーによって回収し、EtOH中でスラリー化して、1.86gの化合物6(HPLC純度99.47%)を得た。これで、4工程の合計単離収率(isolate yield)は39.0%となる。
化合物6から化合物7
Figure 2022533219000019

化合物6(10.0g、22.2mmol)及び酢酸ホルムアミジン(23.2g、222mmol、10eq.)をn-BuOH(150mL、15V)に溶解させ、混合物を120℃で19時間攪拌し、続いて20~25℃に冷却した。EA(150ml、10V)を混合物に投入し、続いて水(125ml)で2回洗浄した。水相をEA(125ml)で2回抽出し、有機層を合わせ、100mlまで蒸発させると、その後固形分が出現した(又は析出した(crashed out))。150mlのMeOHを投入し、続いて100mlまで蒸発させると、その後更なる固形分が出現した。混合物を10~15℃に冷却し、沈殿物を濾過し、MeOH(20ml)で洗浄した。35℃で16時間真空乾燥した後に、7.16gの化合物7を得た(HPLC純度99.21%)。単離収率は67.55%であった。
化合物7から化合物8
Figure 2022533219000020

化合物7(9.98g、20.9mmol)をMeOH(150mL、15V)に溶解し、Pd(OAc)(1.0g、10重量%)、35%のHCl(2.2g、20.9mmol、1.0eq.)を順に添加した。混合物を50℃の水素下(20Psi)で2時間攪拌し、続いて濾過し、MeOHで洗浄した。その後、5%のKOH(200ml)を混合物に滴下し、続いて沈殿物を濾過した。真空乾燥した後で5.46gの化合物8を得た(HPLC純度98.80%、収率67.4%)。
化合物8から純PCI-32765(イブルチニブ)
Figure 2022533219000021

置換基をピペリジニル環の窒素原子上に導入するための最終工程は、国際特許出願国際公開第2016/115356号パンフレットに記載される手順に従って、3-クロロプロピオニルクロリドと反応させ(例えば、Me-THF中の水性NaHCOの存在下で)、それによりピペリジニルの窒素原子に-C(O)-CHCH-Cl基を導入することによって、実施することができる。こうした中間体を、続いてDBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)の存在下で脱離反応に供すると、イブルチニブがもたらされる。
実施例3:イブルチニブ(又はその塩)は、実施例1に記載されるプロセス工程のいずれかを用いて中間体を調製した後で、イブルチニブ(又はその塩)に変換することによって調製される。
更なる実施例4:最初に、実施例2に従いイブルチニブ(又はその塩)を調製し、続いて、こうして得られたイブルチニブ(又はその塩)を薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/又は賦形剤と接触させることによって、医薬組成物を調製する。
薬学的製剤
イブルチニブは、標準的な手順を使用して薬学的に許容される製剤へと配合することができる。
例えば、イブルチニブ又はその誘導体を含む薬学的製剤を調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは、上記で定義されたプロセスをプロセス工程として含むことを特徴とする。当業者は、こうした薬学的製剤が、(例えば有効成分(すなわちイブルチニブ又はその誘導体)と薬学的に許容される賦形剤、補助剤、希釈剤、及び/又は担体との混合物)を含む/からなることを知るであろう。
イブルチニブ(又はその誘導体)を含む薬学的製剤を調製するためのプロセスが更に提供され、このプロセスは、イブルチニブ、又はその薬学的に許容される塩(上記で説明したプロセスによって形成され得る)を、(a)薬学的に許容される賦形剤、補助剤、希釈剤、及び/又は担体と会合させることを含む。

Claims (10)

  1. エナンチオエンリッチ形態の式(I)の化合物、
    Figure 2022533219000022

    又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、
    式中、
    は水素又は窒素保護基を表し、
    *は(R)立体配置のキラル中心を表し、
    前記プロセスは、式(II)の化合物
    Figure 2022533219000023

    、すなわち3-ヒドロキシピリジン、又はその塩と、式(III)の化合物
    N-N(H)-R(III)
    又はその塩との還元的ヒドラジン化を含み、式中、Rは、水素又は窒素保護基を表し、そうして式(IV)の化合物
    Figure 2022533219000024

    又はその塩を形成し、式中、Rは上記で定義した通りであり、次に、任意の順序で、Rにおける任意選択的な脱保護(Rが窒素保護基を表す場合)、ピペリジニル環のNH部分における任意選択的なRの導入(Rが窒素保護基を表す場合)、及び、続いて(必要に応じて)分割が続く、プロセス。
  2. 前記式(IV)の化合物は、式(VA)の化合物(式中、R及びRは独立して窒素保護基を表す)を介して、式(V)の化合物(式中、Rは窒素保護基を表す)に変換される、請求項1に記載のプロセス。
    Figure 2022533219000025
  3. 前記式(V)の化合物は、分割されて式(I)の化合物を提供する、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記還元的ヒドラジン化は、水素供給源の存在下、及び好適な触媒、例えば、パラジウム、ニッケル、又は白金などの金属触媒の存在下で行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. パラジウム、例えばパラジウム炭素、すなわちPd/Cが使用され、これは5~10%Pd/Cであり得る、請求項5に記載のプロセス。
  6. 特定の塩である式(I)の化合物、例えば、具体的にはD-(-)-酒石酸塩形態の式(I)の化合物である式(IA)の化合物であって、
    Figure 2022533219000026

    式中、Rは本明細書で定義される通りであり(例えば、ベンジルなどの窒素保護基を表す)、かかる生成物はエナンチオエンリッチ、例えば40%、60%、80%超、又は90%超のエナンチオマー過剰である(例えば、前記eeは95%以上、例えば98%超、又は約100%であってよい)、化合物。
  7. かかるプロセス工程は、イブルチニブの調製に使用される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記式(I)の化合物は、イブルチニブを提供するために、
    (a)式(I)の化合物(特に式(IA)の化合物)と式(VI)の化合物、
    Figure 2022533219000027

    又はその誘導体との反応であって、そうして式(VII)の化合物、
    Figure 2022533219000028

    又はその誘導体を形成し、式中Rは本明細書に定義される通りである、反応;
    (b)式(VIII)の化合物
    Figure 2022533219000029

    又はその誘導体を生成するための式(VII)の化合物、又はその誘導体の反応であって、式中、Rは上記で定義される通りであり(例えばベンジル);例えば、式(VII)の化合物又は誘導体が、(i)ホルムアミド(HCONH);(ii)ホルムアミジン又はホルムアミジン塩H-C(=NH)-NH (式中、Xは、好適な対イオン、例えばハロゲン化物(例えばCl)又はオキシアニオン(例えばアシル-O)を表し、そうして例えばホルムアミジンHCl又は酢酸ホルムアミジンなどを形成する)、(iii)アルキル(例えばエチル)ホルムイミデート、又はその塩、例えばエチルホルムイミデートHCl;(iv)オルトギ酸エチル、それに続いて酢酸アンモニウムと反応され得る、反応;
    (c)イブルチニブを提供するための式(VIII)の化合物であって、式中、Rは水素を表す、化合物(又はかかる化合物の誘導体)の反応であって、例えばかかる化合物はCl-C(O)-C(H)=CHと反応されてもよく、或いは3-クロロプロピオニルクロリドと反応させることによって(例えば、Me-THF中の水性NaHCOの存在下で)2工程プロセスが実施されて、それにより式(IX)の化合物
    Figure 2022533219000030

    又はその誘導体を形成してもよく、かかる中間体は、例えばDBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)の存在下で脱離反応に供されて、イブルチニブをもたらし得る、反応のプロセス工程によって調製され且つ進行される、請求項7に記載のプロセス。
  9. 請求項7又は8のいずれか一項によって(すなわち、かかるプロセス工程の後に)得られるイブルチニブ(又はその塩)を含む医薬組成物。
  10. 請求項9に記載の医薬組成物を調製するためのプロセスであって、請求項7又は8に記載される通りにイブルチニブ(又はその塩)を調製した後に、これを薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/又は賦形剤と接触させるプロセスを含む、プロセス。
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