JP2022533182A - タンパク質キナーゼ阻害剤ならびに疾患および状態の治療のためのその使用 - Google Patents

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Abstract

同定された化合物はタンパク質キナーゼ阻害活性を示す。より具体的には、化合物は受容体相互作用キナーゼ2(RIPK2)および/またはアクチビン様キナーゼ2(ALK2)および/または受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)を阻害することが示される。RIPK2/ALK2二重阻害剤であるかまたはRIPK2もしくはALK2もしくはRIPK3を優先的に阻害する化合物は治療上の利点を提供し得る。RIPK3阻害剤として機能する化合物は炎症性および変性性の状態の治療において治療上の利点を提供する。TIFF2022533182000154.tif75153

Description

本願は2019年5月16日に出願の「Pyrido[2,3-d]pyrimidin-7-ones and Related Compounds as Inhibitors of RIPK3 to Treat Inflammatory and Degenerative Conditions」と題した米国仮特許出願第62/848,648号および2019年5月16日に出願の「Protein Kinase Inhibitors and Uses Thereof for the Treatment of Diseases and Conditions」と題した米国仮特許出願第62/848,719号に対する優先権を主張し、それらの内容は参照により本明細書に組み入れられる。
本発明は国立衛生研究所により授与された助成金CA190542およびAG058642の下で政府の支援によって行われた。政府は発明において一定の権利を有する。
本開示はタンパク質キナーゼ阻害活性を示す化合物に関する。タンパク質キナーゼは細胞のシグナル伝達における重要な酵素である。多くの病態において、異常なシグナル伝達が起きている。したがって、タンパク質キナーゼ阻害剤は様々な疾患の治療のための治療剤として用いることができる。
ヒトの自己免疫性、自己炎症性および変性状態は、組織の損傷および機能不全に至る、細胞の死滅および炎症の連続的なループを伴う。これは、アテローム性動脈硬化症ならびに関節リウマチおよび潰瘍性大腸炎などの、TNFに駆動される病状を含む、炎症性の病因を伴う進行性慢性疾患で見られる。これはインフルエンザウイルスによる感染時などの有害な急性炎症反応時にも起きる。これらの状態のいくつかのための治療法が存在しているが、多くの炎症性疾患は制御が不十分なままであり、新たな治療戦略が強く必要とされている。
A型インフルエンザウイルス(IAV)感染は米国だけで最大70万人の入院および年間5万人の死者を占めている。心配なことに、鳥IAVのうちの高病原性H5およびH7株はこれまでのところヒトからヒトへの拡散が限定的ではあるが、伝染可能となるのに必要な変異はごくわずかである。
肺上皮が、哺乳類のA型インフルエンザウイルス病状の主な部位である。A型インフルエンザウイルス(IAV)はオルトミクソウイルス(Orthomyxoviridae)科のネガティブセンスRNAウイルスである。主なIAV自然宿主である水鳥ではウイルス複製は胃腸管内で起こり、通常は無症性である。対照的に、哺乳類のIAV株は気道内で複製して、軽症の「流感(flu)」から重度の、時には致命的な疾患までの範囲にわたる症状をもたらす。IAVは気道全体に沿って上皮細胞に感染する。伝染は上気道の感染と関連しているが、重度の疾患は下肺における感染と関連しており、肺の関与の度合いはヒトおよび動物モデルにおける疾患の転帰と相関している。
溶菌ウイルスとしては、IAVは内部でこれが複製するほとんどの肺細胞型を死滅させる。しかしながら、IAVによるすべての細胞死が病原性ではない。プログラム細胞死はIAV複製の早期の制御および肺全体へのウイルス拡散の防止に不可欠である一方で、肺上皮層の死滅はIAV感染が関連する罹患および死亡の主な要因の一つでもある10。特に、I型気道上皮細胞(AEC、これはガス交換に不可欠である)の喪失は、閾値である約10%を超えると、IAV感染マウスモデルでは死亡と強い相関関係がある。細胞死が十分に制御されアポトーシスである場合は、これはウイルス拡散および免疫病理の両方を制限する宿主防御機構を意味している。しかしながら、細胞死が制御されていないかまたは主に壊死性(すなわち、高度に炎症誘発性)である場合、これは、ウイルスが排除されたとしても、過炎症反応、気道上皮の重度の悪化、および結果的な宿主死に至り得る。そのような重篤な病状は、気道上皮の破壊が致死的IAV感染の一般的な特徴であるマウスモデルにおいて、および気管支肺胞壊死の領域によって示される遠位肺上皮の死滅がIAV誘導性急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の典型的な特徴であるヒトにおいて観察される。したがって、IAV疾患の理想的な治療は、クリアランスを促進する死滅を促しつつ、悪化を誘導する炎症性の死滅やウイルス性および二次的な細菌性の肺炎を抑制するはずである。
受容体相互作用タンパク質キナーゼ3(RIPK3)は様々な組織の細胞死経路に関与する多機能タンパク質である。以前の研究では、RIPK3キナーゼ活性の喪失が敗血症、脳外傷、急性腎障害、インフルエンザ(IAV)感染に関連する肺損傷、アテローム性動脈硬化症、およびその他多くを含む炎症性および変性性の状態の様々な動物モデルにおいて保護をもたらすことを実証した。例えば、RIPK3は感染した細胞におけるIAV活性化病原性死のほぼすべてを占める標的化可能なシグナル伝達経路であることが最近明らかになった。この経路は、宿主センサータンパク質DAIがIAVゲノムRNAを検出し、RIPK3キナーゼを活性化すると開始される。RIPK3は次いで、IAV感染時に見られる肺損傷の多くの原因となるネクロトーシス(またはプログラム壊死)と呼ばれる細胞死の一形態を引き起こす。興味深いことに、ネクロトーシスを排除することは単に肺の損傷を大幅に減少させかつ動物の生存率を向上させるだけでなく、ウイルスクリアランスを妨げることなくこれらを行う。これは、RIPK3が、ウイルスクリアランスを媒介する非病原性細胞死(アポトーシス)の並行経路も活性化するためである。アポトーシスではなくネクロトーシスのみがRIPK3キナーゼ活性に依存していることから、RIPK3キナーゼ機能の阻害剤はウイルスクリアランスに影響を及ぼすことなく壊死性肺損傷を改善することが期待され、IAV疾患の治療のための全く新しい戦略を示している可能性がある。同様に、2つの別々の研究が、Ripk3遺伝子を欠損させた動物がマクロファージ細胞死および全身性炎症の抑制によりアテローム性動脈硬化症の発症に抵抗性を示すことを明らかにした。
選択的RIPK3キナーゼ阻害剤は臨床使用されておらず、臨床試験に進んでこなかった。2014年にはRIPK3選択的阻害剤のパネルが報告されたが、これらの化合物は細胞内で中程度の活性しか示さずかつ残念ながら、毒性をもたらす、RIPK3の構造に予期しない立体配座の変化を誘導した。現在のワクチンおよび抗ウイルス戦略はそれらの有効性が限定的であるかまたはウイルスの耐性および回避機構の影響を受けやすいため、季節性および有毒なIAV肺疾患のための新規な治療エントリーポイント、好ましくは病原性の宿主シグナル伝達経路を標的とするものを同定することが喫緊の課題である。臨床的に実行可能なRIPK3キナーゼ活性阻害剤には、対処されていない大きなニーズがある。
概要
本開示は、概して、受容体相互作用キナーゼ2(RIPK2)阻害活性および/またはアクチビン様キナーゼ2(ALK2)および/または受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)の阻害活性を示す化合物に関する。
RIPK2は炎症誘発性シグナル伝達を媒介し、炎症性腸疾患(IBD)および多発性硬化症などの自己免疫性および炎症性の疾患における新たな治療標的になっている。RIPK2阻害剤はこれらおよび他の状態の治療における治療上の利点を提供し得る。アクチビン様キナーゼ2(ALK2)は骨疾患(例えば、進行性骨化性線維異形成症、強直性脊椎炎)、心疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症および血管石灰化)、一部の癌(例えば、びまん性内因性橋膠腫)および熱傷などの多くの疾患に関与している。これらの病気の多くは、状態を深刻化させかつ/または臨床転帰を悪化させ得る炎症性要素も有する。RIPK2/ALK2二重阻害剤であるかまたはRIPK2もしくはALK2を優先的に阻害する化合物はこれらおよび他の状態の治療に治療上の利点を提供し得る。
RIPK3阻害剤はRIPK3が駆動するネクロトーシスを強力かつ特異的に阻害する。これらの分子はピリド[2,3-d]ピリミジンスキャフォールドに基づいており、RIPK3のATPポケットおよびアロステリックGlu-outポケットを標的とする。このシリーズは過去に報告されたRIPK3阻害剤化合物と比べて細胞におけるネクロトーシスの阻害が既に約10倍強力である。重要なことに、毒性を伴うことなくネクロトーシスを遮断する化合物が同定されている。
本開示は、感染した細胞におけるIAV活性化病原性死のほぼすべてを占める標的化可能なシグナル伝達経路を記載する。この経路は、宿主センサータンパク質DAIがIAVゲノムRNAを検出し、RIPK3キナーゼを活性化すると開始される。RIPK3は次いで、IAV感染時に見られる肺損傷の多くの原因となるネクロトーシス(またはプログラム壊死)と呼ばれる細胞死の一形態を引き起こす。興味深いことに、ネクロトーシスを排除することは単に肺の損傷を大幅に減少させかつ動物の生存率を向上させるだけでなく、ウイルスクリアランスを妨げることなくこれらを行う。これは、RIPK3が、ウイルスクリアランスを媒介する非病原性細胞死(アポトーシス)の並行経路も活性化するためである。アポトーシスではなくネクロトーシスのみがRIPK3キナーゼ活性に依存していることから、RIPK3キナーゼ機能の阻害剤はウイルスクリアランスに影響を及ぼすことなく壊死性肺損傷を改善し、IAV疾患の治療のための全く新しい戦略を示すであろう。
RIPK3はIAVによって引き起こされる上皮細胞死またはネクロトーシスの中心的な媒介物質である。ネクロトーシスはウイルスおよび微生物感染(IAVを含む)、いくつかの自然免疫シグナル伝達経路(中でもTNF、インターフェロン、TLR)、特定の炎症誘発性刺激(例えば、アスベスト、酸化LDL)、および遺伝毒性ストレスによって活性化される。何十年もの間、IAVによる急性感染に伴う細胞死は詳細不明のアポトーシス、オートファジー、または単に「溶菌」ウイルスによる感染の受動的でありプログラムされていない結果であると考えられていた。しかしながら、これらの結論は、細胞死経路に著しく欠陥がある(例えば、A549細胞)、および/またはIAVバイオロジーとは無関係である(例えば、HeLa、MDCK細胞)形質転換細胞株に対する細胞培養研究から主に導き出された。2016年には、肺上皮細胞において活性があり、これらおよび他の初代細胞型においてIAVを複製することによって引き起こされるほとんどの細胞死を占める細胞死経路が報告された。この経路は、インターフェロン調節因子(DAI)の宿主タンパク質DNA依存性活性化因子がIAVゲノムRNAを感知しRIPK3キナーゼを動員する際に開始される。RIPK3は次いで細胞死の2つの異なるパラレルアームであるネクロトーシスおよびアポトーシスを活性化する。ネクロトーシスアームはRIPK3キナーゼ活性を必要とし、偽キナーゼである混合系統キナーゼドメイン様(MLKL)を標的とする。アポトーシスアームはデスドメインを有するFAS関連タンパク質(FADD)およびカスパーゼ-8を必要とし、RIPK3のキナーゼ活性を必要とせずに進行する。ネクロソーム内からRIPK3はMLKLをリン酸化しかつ活性化し、これは次いでオリゴマー化しかつ細胞膜に移動し、ここで膜に穴を開けて細胞の膨張および溶解を引き起こす。細胞のそのようなネクロトーシス溶解は細胞外空間への「危険関連分子パターン」(DAMP)の放出の原因となり、非常に炎症性であると考えられている。IAV感染時などの特定の場合において、RIPK3は、ウイルスクリアランスを促進する、カスパーゼ-8を介したアポトーシスの並行経路を活性化することもできる。重要なことに、このアポトーシス経路はRIPK3の触媒活性を必要とせず、実際にはRIPK3キナーゼの遮断によって推進され得る。
図1は、腫瘍壊死因子(TNF)(左)およびIAV(右)によって活性化される経路を含む、RIPK3が媒介する細胞死またはネクロトーシス経路を示す。総じて、この分岐経路はIAVを複製することによって誘導されるほとんどすべての細胞死の原因となる。IAV研究で一般的に用いられるほとんどの哺乳類細胞株(例えば、A549、HeLa、MDCKなど)はDAI、RIPK3および/またはMLKLを発現せず、長い間それが発見されなかった理由を説明している。
RIPK3キナーゼの遮断はウイルスクリアランスに影響を与えることなく炎症性の病状を防止することができる。DAI-RIPK3細胞死経路が欠損したマウスは肺におけるIAVの拡散を制御できず、このウイルスに屈し、抗IAV宿主防御におけるDAI-RIPK3シグナル伝達の重要性を浮き彫りにしている。しかしながら、RIPK3の下流の壊死分岐はウイルスクリアランスのためには余計であるだけでなく、上皮の分解および炎症を積極的に促進してしまう。よって、RIPK3の下流のネクロトーシスを選択的に遮断することは、カスパーゼ-8が媒介するアポトーシスによってそれまでどおり正常に進行する有益なウイルスクリアランスに影響を与えることなく病状を防止すると考えられる。面白いことに、アポトーシスではなくRIPK3が媒介するネクロトーシスのみがRIPK3のキナーゼ活性を必要とするため、RIPK3キナーゼ阻害剤の使用によって薬理学的に容易に標的化可能である。臨床的に実行可能なRIPK3小分子阻害剤は、図1の右側に見られるように、IAVが引き起こす壊死、上皮分解、炎症、および結果としての肺損傷に対する有望で新規な治療手段を表しているであろう。
RIPK3が媒介するネクロトーシスはアテローム性動脈硬化症および多くのTNFが関連する病状を含む様々な慢性状態における炎症を強力に増幅させ、急性IAV感染およびARDS時の肺損傷の根底にある。さらに、RIPK3は細胞死とは無関係に炎症性遺伝子発現を直接的に活性化し得、宿主の炎症プロセスに対するその中心的役割を浮き彫りにしている。マウスにおけるRIPK3の遺伝的切除がアテローム性動脈硬化症プラークの発生を改善し、TNFが引き起こす炎症性ショックをほぼ完全に消失させ、慢性的に産生されたTNFから生じる傷害を大幅に軽減し、ウイルスクリアランスに影響を与えることなくIAVが誘導する壊死性肺損傷を排除したことについては意見が一致している。上記の例に加えて、RIPK3は脂質およびリソソーム蓄積症、例えば、それぞれニーマン・ピック病およびゴーシェ病に関連付けられている。RIPK3は多発性硬化症および狼瘡を含む自己免疫疾患においても病原性の役割を有する。RIPK3の活性は異なる組織および疾患パラダイムにおける神経発生にも関連付けられており、これが広範な神経変性疾患の標的になることを示している。RIPK3は脳卒中、心筋梗塞、腎臓、網膜および肝臓虚血などの広範な虚血・再灌流傷害における標的としても見出されている。
本開示はUH15シリーズと呼ばれることがあるRIPK3阻害剤の新規なパネルに関する。これらの化合物は従来のRIPK3阻害剤分子とは構造的に異なるピリド[2,3-d]ピリミジンスキャフォールドに基づいている。このシリーズのメンバーは他の開示されたRIPK3阻害剤と比較してネクロトーシスの遮断が約10倍強力である。面白いことに、本UH15化合物はアポトーシス活性を引き起こすことなく、ひいては他のRIPK3阻害剤の毒性を伴うことなくRIPK3を遮断する。ほとんどの適応症(例えば、TNF病状)については、アポトーシスを同時に活性化することなくRIPK3ネクロトーシスを遮断することが理想的である。しかしながら、IAVについては、ネクロトーシスを効率的に遮断しつつ、感染した細胞のアポトーシスを同時に増強することができるRIPK3阻害剤は、有害な壊死性肺損傷を停止させるだけでなくウイルスの除去も加速させるであろう。もちろん、そのようなアポトーシスの誘導は感染した細胞に限定されなければならず(すなわち、刺激特異的でなければならず)、そうでなければ(これまでの化合物で見られるように)毒性が生じるであろう。
特に、本RIPK3阻害剤はIAV疾患のための新規な治療エントリーポイントとしてRIPK3ネクロトーシスを標的とする。IAVの季節性および汎発性株はARDSおよびウイルス性/細菌性肺炎の両方の根底にある壊死性肺損傷を引き起こし、これらのそれぞれは依然として罹患および死亡の主な原因であり、効果的な治療選択肢はほとんどない。重篤なIAVのための理想的な治療法は、RIPK3依存性ネクロトーシスを遮断するが、RIPK3依存性アポトーシスを介した非炎症性のウイルスクリアランスを妨げない(またはそれを同時に促進する可能性さえある)ものである。
加えて、本開示は急性および慢性炎症に対する基本的で新規なアプローチとしてのRIPK3遮断を支持している。遺伝的モデルからの証拠はRIPK3が、IAV感染時に見られるものに加えて、複数の炎症性疾患に中心的役割があることを実証している。これらは大腸炎および関節リウマチなどのTNFによって駆動されることが公知である急性および慢性両方の炎症状態を含む。さらに、RIPK3はネクロトーシスのすべての公知の経路に不可欠である一方で、類似のキナーゼRIPK1(現在は他者による研究の対象である)はネクロトーシス経路のサブセット、例えば、TNFによって活性化されるものにおいてのみ関与する(図1の右側を参照されたい)。よってRIPK3阻害剤は抗TNFアプローチまたはRIPK1阻害剤として機能するよりもさらに広範な急性および慢性の炎症状態に利点を有するであろう。
IAV(左)およびTNF(右)によって活性化されるRIPK3媒介細胞死経路の図面を示す。 UH15アナログとして同定された例示的なタンパク質キナーゼ阻害剤の構造を示す。 例示的なRIPK3阻害剤の構造を示す。 概してUH15アナログまたはUH15と呼ばれる、タンパク質キナーゼ活性の阻害剤として本明細書において開示される例示的な好ましい化合物の概略的な合成スキーム全体を示す。 例示的なRIPK3阻害剤の合成における工程を示す。 例示的なRIPK3阻害剤の合成における工程を示す。 例示的なRIPK3阻害剤の合成における工程を示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の合成スキームを示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の合成スキームを示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の構造を示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の合成スキームを示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の構造を示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の構造を示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の合成スキームを示す。 RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の合成スキームを示す。 図16はRIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の構造を示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の構造を示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の構造を示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の構造を示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の構造を示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 図24Aは、好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。図24Bは、好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の構造を示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の構造を示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の合成スキームを示す。 RAW264.7マクロファージにおいてRIPK3およびMLKLのリン酸化を遮断する際の選択されたUH15化合物およびGSK'872の活性を示す。
好ましい態様の詳細な説明
本開示はタンパク質キナーゼ阻害剤およびそれらの使用に関する。
以下の図は、受容体相互作用キナーゼ2(RIPK2)、アクチビン様キナーゼ2(ALK2)、および受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)を含むタンパク質キナーゼを阻害する化合物の好ましい態様の概略的な構造を示す。
Figure 2022533182000002
上の構造では、AはNまたはCHであってもよい。R1はMe、
Figure 2022533182000003
であってもよく、ここでXはFまたはMeであり、ここでMeはメチルである。R2はMe、Et、Et-O-Me、またはイソブチルであってもよい。R3は
Figure 2022533182000004
であってもよく、ここでEtはエチルである。
RIPK2、ALK2、およびRIPK3を阻害する化合物のさらなる好ましい態様を図2に示す。
RIPK2、ALK2、およびRIPK3を阻害する化合物のさらなる好ましい態様を下に示す。
Figure 2022533182000005
式中、R2はEt(UH15-4)、Et-O-Me(UH15-6)、またはイソブチル(UH15-10)であり、式中、XはF(UH15-18)またはMe(UH15-20)である。
以下の図は、RIPK3を阻害する化合物のさらなる好ましい態様の概略的な構造を示す。
Figure 2022533182000006
上の構造において、RはHであってもよいし、またはRはフェニル環の任意の1つの利用可能な位置上の
Figure 2022533182000007
という置換基であってもよく、ここでMeはメチルであり、Etはエチルである。AおよびDは独立してNまたはCHであってもよい。EはN、CH、またはC-Rであってもよく、Rは上に規定したとおりである。BおよびCは独立してN、CH、またはC-Clであってもよい。R1はHであってもよいし、またはR1は環の任意の1つの利用可能な位置においてC-Cl、C-F、C-OCH3、C-C(CH3)3、もしくはC-OHであってもよい。X-YはC=Cであってもよいし、またはそれらは
Figure 2022533182000008
であってもよく、ここでR2はHであるか、メチル、エチルまたはイソブチルを非限定的に含むアルキルであるか、2-ヒドロキシエチルを非限定的に含むアルキルヒドロキシルであるか、2-メトキシエチルを非限定的に含むアルキルアルコキシルであるか、またはベンジルもしくはフェネチルを非限定的に含むアルキルアリールである。
以下の図は、RIPK3を阻害する化合物のさらなる好ましい態様の概略的な構造を示す。
Figure 2022533182000009
上の構造では、AおよびDは独立してNまたはCHであってもよい。EはN、CH、またはC-Rであってもよい。BおよびCは独立してN、CH、またはC-Clであってもよい。X-YはC=Cであってもよいし、またはそれらは
Figure 2022533182000010
であってもよく、ここでR2はHであるか、メチル、エチルまたはイソブチルを非限定的に含むアルキルであるか、2-ヒドロキシエチルを非限定的に含むアルキルヒドロキシルであるか、2-メトキシエチルを非限定的に含むアルキルアルコキシルであるか、またはベンジルもしくはフェネチルを非限定的に含むアルキルアリールである。RはH、
Figure 2022533182000011
であってもよく、ここでMeはメチルであり、Etはエチルである。R1はメチル、エチル、またはプロピルを非限定的に含む任意のアルキル基であってもよいし、またはR1はナフチル、チエニル、インドイルなどを非限定的に含む任意のアリール基であってもよい。R3はHであってもよいし、またはR3は環の任意の1つの利用可能な位置においてC-Cl、C-F、C-OCH3、C-C(CH3)3、もしくはC-OHであってもよい。
RIPK3を阻害する化合物のさらなる好ましい態様を図3に示す。
本明細書において記載される、受容体相互作用キナーゼ2(RIPK2)、アクチビン様キナーゼ2(ALK2)、および受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)を含むタンパク質キナーゼを阻害する例示的な化合物は異なる幾何異性および鏡像異性形態で存在してもよく、これらの個別の異性体の純粋な形態および混合物の両方、ならびにそれらの任意の生理的に機能的であるかまたは薬理学的に許容される塩誘導体またはプロドラッグが本発明の範囲に含まれる。これらの代替的形態の製造は十分に当業者の能力の範囲内であろう。
本発明はまた、本明細書において開示される好ましい態様に係るタンパク質キナーゼ活性を阻害する化合物を投与する工程を含む、A型インフルエンザウイルス(IAV)感染およびTNFによって駆動される炎症状態などのタンパク質キナーゼ活性が関与する疾患を含む炎症性および変性性の状態の予防または治療の方法に関する。好ましい態様では、タンパク質キナーゼ活性が関与する炎症性または変性性の疾患の予防または治療の方法は図2または図3に示された化合物である化合物を投与する工程を含む。
本発明の別の局面では、治療有効量の上に規定したタンパク質キナーゼ活性を阻害する化合物と、薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、担体、緩衝剤または安定剤とを含む薬学的組成物が提供される。「治療有効量」とはタンパク質キナーゼ活性に対する阻害効果を示すのに十分な例示的なタンパク質キナーゼ阻害剤化合物の量として理解されたい。投与の実際の量、速度および時間的経過は治療される疾患の性質および重症度に応じて異なるであろう。治療についての処方は一般開業医および他の医師の責任の範囲内である。薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、担体、緩衝剤または安定剤は非毒性であるのがよく、活性成分の有効性を妨げないのがよい。担体または他の材料の正確な性質は、経口的であるか、または皮膚、皮下、もしくは静脈内注射などの注射によるか、または乾燥粉末吸入器によるかという投与経路に応じて異なるであろう。
経口投与用の薬学的組成物は錠剤、カプセル、粉末または液体の形態であってもよい。錠剤は固体担体またはアジュバントを含んでもよい。液体の薬学的組成物は、概して、水、石油、動物または植物油、鉱油または合成油などの液体担体を含む。生理食塩水、デキストロースもしくは他の糖溶液、またはエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなどのグリコールが含まれてもよい。カプセルはゼラチンなどの固体担体を含んでもよい。静脈内、皮膚または皮下注射については、活性成分は、発熱物質を含まずかつ好適なpH、等張性および安定性を有する非経口的に許容される水溶液の形態になるであろう。当業者であれば、例えば、塩化ナトリウム溶液、リンゲル液、乳酸リンゲル液などの等張性のベヒクルを用いて好適な溶液を調製することが十分に可能である。必要に応じて、防腐剤、安定剤、緩衝液、酸化防止剤および/または他の添加剤が含まれてもよい。
別の局面では、治療有効量の上に規定されたタンパク質キナーゼ阻害剤化合物の、対象への投与のための薬剤の製造における使用が提供される。
明細書全体を通じて用いられる「薬理学的に許容される塩」という用語は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、イソエトン酸(isoethonic acids)など、および炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたはカリウム、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどから形成される任意の酸または塩基誘導塩を意味すると解釈されたい。
「プロドラッグ」という用語は不活性または著しく活性が低い形態で投与される薬理学的物質を意味する。投与されると、プロドラッグはインビボで代謝されて活性な代謝物になる。
「治療有効量」という用語は、毒性はないが所望の治療効果を提供するのに十分な薬物量を意味する。「有効」な量は、個体の年齢および全身状態、投与される特定の濃度および組成などに応じて対象毎に異なるであろう。よって、正確な有効量を明示することは必ずしも可能ではない。しかしながら、任意の個々の場合における適切な有効量は通常の実験を用いて当業者によって決定し得る。さらに、有効量とは、治療上有効な範囲内にある量の薬物を送達するように、製剤の即時の適用を可能にするのに十分な範囲内にある濃度である。
本発明のさらなる局面は例示としてのみ与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
実施例1.合成
図4は、概してUH15アナログまたはUH15と呼ばれる、タンパク質キナーゼ活性の阻害剤として本明細書において開示される例示的な好ましい化合物の概略的な合成スキーム全体を示す。特に、以下の考察において、化合物は、例えば、UH15-1またはUH15_1の形式で言及されることがある。これらの化合物は異なる構造を有する。例えば、UH15-15はUH15_15とは異なる化合物である。
特に記載しない限り、すべての反応は無水条件下で乾燥溶媒を用いたアルゴン雰囲気下で実施した。特に明記しない限り、すべての市販の化学物質および試薬グレード溶媒はさらに精製することなく直接的に用いた。可視化剤としてUV光(254および365nm)および現像剤としてリンモリブデン酸のエタノール溶液またはニンヒドリン溶液のいずれかと熱とを用いてBaker-flex(登録商標)シリカゲルプレート(IB2-F)上の薄層クロマトグラフィー(TLC)により反応をモニタリングした。フラッシュクロマトグラフィーはTeledyne ISCO CombiFlash(登録商標)Rfを用いてシリカゲル(230~400メッシュ)上で行った。NMRスペクトルはテトラメチルシラン(TMS)を内部標準としてJEOL ECA-500(400、500、600MHzで1H NMRおよび13C NMR)を用いて室温で記録した。化学シフト(δ)は溶媒シグナルを参照して百万分率(ppm)で与えられる[1H-NMR:CDCl3(7.26ppm)、CD3OD(3.30ppm)、DMSO-d6(2.49ppm);13C-NMR:CDCl3(77.0ppm)、CD3OD(49.0ppm)、DMSO-d6(39.5ppm)]。シグナルパターンはs(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、dd(ダブレットのダブレット)、td(ダブレットのトリプレット)、m(マルチプレット)およびbrs(ブロードシングレット)として報告される。結合定数(J)はHzで与えられる。高解像度質量スペクトル(HRMS)はテキサス大学オースチン校の化学科の質量分析施設によりAgilent 6530 Q-TOF機器を用いて実施した。エレクトロスプレーイオン化(ESI)をイオン化源として用い、スペクトルを分子[M]または[M+H]+イオン種のm/z(相対強度)として報告した。化合物の純度はバイナリhplcポンプ(Waters)およびKinetex 5μm C18 100Aカラム(250×4.6mm)を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によって決定した。UV吸収はλ=254nmでモニタリングした。注入量は15μLであった。HPLCグラジエントは2%アセトニトリル/98%水から90%アセトニトリル/10%水まで(両方の溶媒が0.1%トリフルオロ酢酸を含む)であり、総実行時間は30分であり、流量は1mL/minであった。
化合物UH15-4、UH15-6、UH15-10、UH15-18およびUH15-20はCunyらのWO2018/213219に記載の方法を適合させて調製した。
2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-エチル-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(UH15-4):
Figure 2022533182000012
黄色の固形物(収率54%):
Figure 2022533182000013
純度95.8%(tR20.50分).MP133~135℃.
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-(2-メトキシエチル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(UH15-6):
Figure 2022533182000014
黄色の固形物(収率61%):
Figure 2022533182000015
純度97.4%(tR20.76分).MP133~135℃.
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-イソブチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(UH15-10):
Figure 2022533182000016
黄色の固形物(収率36%):
Figure 2022533182000017
純度97.7%(tR22.55分).MP196~198℃.
6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(UH15-18):
Figure 2022533182000018
白色の固形物(収率60%):
Figure 2022533182000019
純度97.6%(tR22.72分).MP248~250℃.
UH15-20の合成:
Figure 2022533182000020
UH15-20の合成は図5に示すように進行した。試薬および条件:(a)NaH、THF、還流、2.5時間、42%;(b)Pd(PPh3)4、Na2CO3、DMF:AcN、90℃、5時間、57%;(c)mCPBA、DCM、室温、5時間、68%;(d)NaH、THF:DMF、0℃~室温、2.5時間、75%.
6-クロロ-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(A19):
THF(1.5mL)中のA7(20mg、0.11mmol)と60%NaH(8mg、0.33mmol)との混合物を室温にて10分間アルゴン下で撹拌した。THF(0.5mL)中の2-クロロ-2-(ジエトキシホスホリル)酢酸エチルA18(42mg、0.16mmol)の溶液を上の混合物に滴下し、2.5時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、EtOAcおよび水を用いて抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製してA19を白色の固形物として得た(収率42%)。
Figure 2022533182000021
6-(2-クロロ-4-メチルフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(A20):
A19(24mg、0.11mmol)、(2-クロロ-4-メチルフェニル)ボロン酸(28mg、0.16mmol)およびPd(PPh3)4(13mg、0.011mmol)を丸底フラスコに入れ、10分間アルゴンでパージした。DMF(1mL)およびCH3CN(2mL)を上の混合物に加え、10分間パージした。1M Na2CO3(23mg、0.21mmol)(220μL)溶液を滴下し、反応混合物を90℃で5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させ、残渣を水とEtOAcとに分割した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/DCM)によって精製してA20を白色の固形物として得た(収率57%)。
Figure 2022533182000022
6-(2-クロロ-4-メチルフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(A21):
A21はCunyらのWO2018/213219に記載の方法を適合させて合成した。白色の固形物(収率68%):
Figure 2022533182000023
A16cの合成:
分子篩(4Å、8~12メッシュ)を含む丸底フラスコ内の3-(メチルスルホニル)アニリンにギ酸(1mL)を加えた。反応混合物を60℃で6時間加熱し、次いでNaHCO3の飽和溶液とEtOAcとに分割した。有機層を次いでブライン溶液で洗浄し、次いで濃縮してA16cを得、これを精製せずに用いた。
N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)ホルムアミド(A16c)
Figure 2022533182000024
白色の固形物(収率80%):
Figure 2022533182000025
6-(2-クロロ-4-メチルフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(UH15-20):
Figure 2022533182000026
UH15-20はCunyらのWO2018/213219に記載の方法を適合させてA21およびA16cから調製した。白色の固形物(収率75%):
Figure 2022533182000027
純度99.6%(tR23.51分).MP182~184℃.
UH15-28の合成:
Figure 2022533182000028
UH15-28の合成は図6に示すように進行した。試薬および条件:(a)CH3NH2(aq)、THF、0℃~室温、2時間、67%;(b)LAH、THF、0℃~室温、1.5時間、96%;(c)MnO2、DCM、室温、一晩、93%;(d)KF/Al2O3、DMA、室温、2時間、75%;(e)Pd2(dba)3、キサントホス、K2CO3、DMF、還流、24時間、37%;(f)Pd/C、H2、MeOH、室温、一晩、94%;(g)Pd2(dba)3、キサントホス、Cs2CO3、ジオキサン、80℃、一晩、36%.
6-クロロ-4-(メチルアミノ)ニコチン酸エチル(D2):
THF(2mL)中のD1(100mg、0.45mmol)の溶液にメチルアミン水溶液(0.4mL)を0℃で加えた。混合物を30分間同じ温度で、次いで室温で2時間撹拌した。真空中で蒸発させてTHFを除去した後、粗混合物を次いでH2OとEtOAcとに分割した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)で精製して、D2(65mg、67%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000029
(6-クロロ-4-(メチルアミノ)ピリジン-3-イル)メタノール(D3):
THF(2mL)中のLAH(27mg、0.69mmol)の懸濁液を0℃で冷却し、これにTHF(2mL)中のD2(100mg、0.46mmol)の溶液をアルゴン下で滴下した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を次いで0℃まで冷却し、15%NaOH(0.5mL)および水(1mL)を滴下した。反応混合物を1時間撹拌し、ろ過し、EtOAcで洗浄した。真空中でのEtOAcの蒸発により残渣が得られ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)で精製して、D3(77mg、96%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000030
6-クロロ-4-(メチルアミノ)ニコチンアルデヒド(D4):
DCM(10mL)中のD3(495mg、2.86mmol)の溶液にMnO2(1496mg、17.20mmol)を加え、混合物を一晩室温にてアルゴン下で撹拌した。反応混合物を次いでろ過し、濃縮してDCMを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)によって精製して、D4(453mg、93%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000031
7-クロロ-3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(D6):
ドライDMA(5mL)中のD4(300mg、1.75mmol)とD5(325mg、1.75 mmol)との撹拌溶液にKF/Al2O3(1800mg、40wt%)を加え、反応混合物を室温にて2時間アルゴン下で撹拌した。完了後、反応混合物をセライトでろ過し、残留する固形物をDCMで洗浄した。ろ液を濃縮し、25%EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、D6(400mg、75%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000032
4-(3-ニトロフェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(D14):
予熱した丸底フラスコにPd2(dba)3(68mg、0.073mmol)、キサントホス(85mg、0.147mmol)および炭酸カリウム(408mg、2.95mmol)を加え、アルゴンで10分間フラッシングした。DMF(4mL)を混合物に加え、さらに5分間フラッシングし、続いてこれにD12(200mg、1.47mmol)およびD13(356mg、1.77mmol)を加え、次いで24時間還流させた。反応混合物を次いで酢酸エチルと水とに分割し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(1.5%MeOH/DCM)によって精製して、D14(140mg、37%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000033
4-(3-アミノフェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(D15):
CH3OH(10ml)中のD14(140mg、0.54mmol)の溶液に10%Pd/C(50mg)を加え、反応を室温にてH2(g)(1気圧)中で4時間撹拌した。反応混合物を次いでセライトでろ過し、濃縮して、D15(115mg、94%)を茶色の固形物として得、これを精製せずに次の工程に用いた。
3-(2-クロロフェニル)-7-((3-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)アミノ)-1-メチル-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(UH15-28):
予熱した丸底フラスコにD6(40mg、0.13mmol)、D15(30mg、0.13mmol)、Pd2(dba)3(12mg、0.013mmol)、キサントホス(15mg、0.026mmol)および炭酸セシウム(86mg、0.26mmol)を加え、アルゴンで10分間フラッシングした。ジオキサン(3ml)を混合物に加え、再び5分間フラッシングし、次いで一晩80℃で加熱した。反応混合物を次いで酢酸エチルと水とに分割し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/DCM)によって精製して、Nap-5(23mg、36%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000034
UH15-37の合成:
Figure 2022533182000035
UH15-37の合成は図7に示すように進行した。試薬および条件:(a)Pd2(dba)3、キサントホス、Cs2CO3、ジオキサン、80℃、一晩、47%.
3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-7-((3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(UH15-37):
予熱し乾燥させた丸底フラスコにおいて、D6(30mg、0.098mmol)、3-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(19mg、0.098mmol)、Pd2(dba)3(9mg、0.009mmol)、キサントホス(12mg、0.019mmol)および炭酸セシウム(64mg、0.19mmol)を加え、アルゴンで10分間フラッシングした。ドライジオキサン(1.5mL)を混合物に加え、10分間フラッシングした後、反応混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させ、残渣を水とEtOAcとに分割した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して残渣を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)によって精製してUH15-37(21mg、47%)を黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000036
図8~9、11、および14~15は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の合成スキームを示す。図10、12~13、および16は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の構造を示す。
4-アミノ-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボン酸エチル(2):
ドライTHF(2mL)中の4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボン酸エチル(1)(100mg、0.43mmol)の溶液にトリエチルアミン(0.2mL、1.29mmol)および水酸化アンモニウム(0.5mL)を加えた。得られた混合物を完了まで室温で2時間撹拌した。真空中で蒸発させてTHFを除去した後、粗混合物をH2OとEtOAcとに分割した。有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン)で精製して、2(90mg、98%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000037
4-(メチルアミノ)-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボン酸エチル(3):
ドライTHF(20mL)中の4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルボン酸エチル(1)(3000mg、12.93mmol)の溶液に、メチルアミン水溶液(aq)(6mL)を加えた。得られた混合物を完了まで室温で2時間撹拌した。真空中で蒸発させてTHFを除去した後、粗混合物を次いでH2OとEtOAcとに分割した。有機層を塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)で精製して、3(2500mg、85%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000038
(4-アミノ-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)メタノール(4):
THF(4mL)中のLiAlH4(120mg、3.16mmol)の懸濁液を0℃で冷却し、これにTHF(2mL)中の2(450mg、2.11mmol)の溶液をアルゴン下で滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を次いで0℃で冷却し、15%NaOH(0.5mL)および水(1mL)を滴下した。反応混合物を1時間撹拌し、ろ過し、EtOAcで洗浄した。真空中で蒸発させてEtOAcを除去して4(220mg、61%)を薄黄色の固形物として得、これを精製せずに次の工程に用いた。
Figure 2022533182000039
S(4-(メチルアミノ)-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-イル)メタノール(5):
THF(10mL)中のLiAlH4(626mg、16.50mmol)の懸濁液を0℃で冷却し、これにTHF(5mL)中の3(2500mg、11.00mmol)の溶液をアルゴン下で滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を次いで0℃で冷却し、15%NaOH(2mL)および水(4mL)を滴下した。反応混合物を1時間撹拌し、ろ過し、EtOAcで洗浄した。真空中で蒸発させてEtOAcを除去して5(1790mg、95%)を薄黄色の固形物として得、これを精製せずに次の工程に用いた。
Figure 2022533182000040
4-アミノ-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルバルデヒド(6):
DCM(5mL)中の4(220mg、1.28mmol)の溶液にMnO2(670mg、7.71mmol)を加え、混合物を一晩室温にてアルゴン下で撹拌した。反応混合物を次いでろ過し、濃縮してDCMを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、6(180mg、83%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000041
4-(メチルアミノ)-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルバルデヒド(7):
DCM(15mL)中の5(1795mg、10.489mmol)の溶液にMnO2(5471mg、62.93mmol)を加え、混合物を一晩室温にてアルゴン下で撹拌した。反応混合物を次いでろ過し、濃縮してDCMを除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、7(1470mg、77%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000042
9a~cの調製のための基本手順:
4-(メチルアミノ)-2-(メチルチオ)ピリミジン-5-カルバルデヒド(7)(250mg、1.37mmol)と、2-(2,4-ジクロロフェニル)アセトニトリル(8a)(381mg、2.05mmol)と、K2CO3(944mg、6.82mmol)との混合物にアルゴン下でDMF(4mL)を加え、溶液を105℃で18時間還流させた。完了後、反応混合物を水とEtOAcとに分割し、有機層をブライン溶液で洗浄した。真空中で蒸発させてEtOAcを除去して残渣を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)によって精製して9aを得た。
6-(2,4-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イミン(9a):
収率63%、薄赤色の固形物;
Figure 2022533182000043
6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イミン(9b):
7(500mg、2.73mmol)および8b(621mg、4.10mmol)を用いて9bを作製し、これを精製せずに次の工程に用いた。
8-メチル-2-(メチルチオ)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-イミン(9c):
7(600mg、3.28mmol)および8c(576mg、4.91mmol)を用いて9cを作製した。
収率54%、薄赤色の固形物;
Figure 2022533182000044
13a~cの調製のための基本手順:
無水酢酸(3mL)中の9a(200mg、0.57mmol)の懸濁液を139℃で30分間還流させた。真空中での溶媒の蒸発により残渣を得、これを濃HCl(2mL)で処理し、100℃で5分間還流させた。反応混合物を次いでNaHCO3の飽和溶液で中和し、水とEtOAcとに分割した。有機層を次いでブライン溶液で洗浄し、濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、13aを得た。
6-(2,4-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13a):
収率65%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000045
6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13b):
9b(350mg、1.10mmol)を用いて13bを作製した。
収率61%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000046
8-メチル-2-(メチルチオ)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13c):
9c(200mg、0.71mmol)を用いて13cを作製した。
収率55%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000047
13d~pの調製のための基本手順:
ドライDMA(1.5mL)中の7(15mg、0.08mmol)と11d(23mg、0.12mmol)との撹拌溶液にKF/Al2O3(76mg、40wt%)を加え、反応混合物を室温にて24時間アルゴン下で撹拌した。完了後、反応混合物をセライトでろ過し、残留する固形物をDCMで洗浄し、ろ液を濃縮した。15%EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、13dを薄黄色の固形物として得た。
6-(4-クロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13d):
収率58%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000048
6-(4-(tert-ブチル)フェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13e):
収率41%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000049
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13f):
収率30%、白色の固形物;
Figure 2022533182000050
6-(2,3-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13g):
収率38%、白色の固形物;
Figure 2022533182000051
6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13h):
収率35%、白色の固形物;
Figure 2022533182000052
(13o)の調製:
2-(2,5-ジクロロフェニル)酢酸メチル(11o):
メタノール(3mL)中の11o*(100mg、0.537mmol)の撹拌溶液に塩化チオニル(0.5mL)を0℃で滴下した。反応混合物を同じ温度で5時間維持し、次いで室温で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を濃縮しEtOAcで希釈した。有機層を次いで重炭酸ナトリウムおよびブライン溶液で洗浄し、濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)で精製して、11oを得た。収率59%、無色の液体:
Figure 2022533182000053
6-(2,5-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13o)
収率23%、白色の固形物;
Figure 2022533182000054
6-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13p)
収率55%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000055
12i、12kおよび12nの調製のための基本手順:
ドライDMA(2.0mL)中の6(37mg、0.22mmol)と2-フェニル酢酸メチル(11i)(30mg、0.20mmol)との撹拌溶液にKF/Al2O3(187mg、40wt%)を加え、反応混合物を室温にて24時間アルゴン下で撹拌した。完了後、反応混合物をセライトでろ過し、残留する固形物をDCMで洗浄し、ろ液を濃縮した。30%EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、12iを白色の固形物として得た。
2-(メチルチオ)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(12i):
収率51%、白色の固形物;
Figure 2022533182000056
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(12k):
収率28%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000057
6-(4-クロロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(12n):
収率40%、白色の固形物;
Figure 2022533182000058
13i~rの調製のための基本手順:
12i(20mg、0.07mmol)とNaH(3mg、0.11mmol)との混合物にアルゴン下でDMF(1.5mL)を加え、続いてヨードエタン(10μl、0.11mmol)を滴下した。反応混合物を50℃で1時間加熱し、完了後に水とEtOAcとに分割した。有機層を次いでブライン溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)で精製して、13iを無色の液体として得た。
8-エチル-2-(メチルチオ)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13i):
収率74%、無色の液体;
Figure 2022533182000059
8-(2-ヒドロキシエチル)-2-(メチルチオ)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13j):
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、薄黄色の粘稠な液体である13j(収率48%)を得た。
Figure 2022533182000060
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-(2-メトキシエチル)-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13k):
収率44%、無色の液体;
Figure 2022533182000061
8-ベンジル-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13l):
収率29%、白色の半固形物;
Figure 2022533182000062
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソブチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13m):
収率28%、白色の固形物;
Figure 2022533182000063
6-(4-クロロフェニル)-8-イソブチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13n):
収率73%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000064
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-(3-(メチルスルホニル)ベンジル)-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13q):
収率36%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000065
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-(4-(メチルスルホニル)ベンジル)-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13r):
収率53%、淡黄色の固形物;
Figure 2022533182000066
6-(4-メトキシフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13s):
アセトン(2mL)中の13p(20mg、0.06mmol)の溶液に無水炭酸カリウム(14mg、0.10mmol)、ヨードメタン(10μl、0.10mmol)を加え、混合物を8時間還流させた。完了後、粗混合物を酢酸エチルおよび水で抽出し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、13s(20mg、95%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000067
14a~sの調製のための基本手順:
DCM(2mL)中の6-(2,4-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13a)(38mg、0.108mmol)の溶液にmCPBA(85mg、55%)を加え、3時間撹拌した。反応混合物を次いで水とDCMとに分割し、有機層をブラインで洗浄した。濃縮後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)により残渣を精製して、14aを白色の粉末として得た。
6-(2,4-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14a):
収率63%、白色の固形物;
Figure 2022533182000068
6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14b):
収率45%、白色の固形物;
Figure 2022533182000069
8-メチル-2-(メチルスルホニル)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14c):
収率54%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000070
6-(4-クロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14d):
収率72%、白色の固形物;
Figure 2022533182000071
6-(4-(tert-ブチル)フェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14e):
収率81%、白色の固形物;
Figure 2022533182000072
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14f):
収率93%、白色の固形物;
Figure 2022533182000073
6-(2,3-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14g):
収率65%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000074
6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14h):
収率40%、白色の固形物;
Figure 2022533182000075
8-エチル-2-(メチルスルホニル)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14i):
収率55%、白色の固形物;
Figure 2022533182000076
8-(2-ヒドロキシエチル)-2-(メチルスルホニル)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14j):
収率81%、薄黄色の固形物、これを精製せずに次の工程で用いた。
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-(2-メトキシエチル)-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14k):
収率58%、白色の固形物;
Figure 2022533182000077
8-ベンジル-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14l):
収率61%、白色の固形物;
Figure 2022533182000078
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-イソブチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14m):
収率87%、白色の固形物;
Figure 2022533182000079
6-(4-クロロフェニル)-8-イソブチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14n):
収率66%、薄茶色の固形物、これを精製せずに次の工程で用いた。
6-(2,5-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14o):
収率75%、白色の固形物;
Figure 2022533182000080
6-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(13p*):
DMF(2mL)中の13p(160mg、0.53mmol)の溶液にイミダゾール(109mg、1.60mmol)およびDMAP(触媒量3mg)を加え、温度を0℃まで下げた。DMF(1mL)中のTBDMSCl(121mg、0.80mmol)を上の溶液に加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。完了後、反応をEtOAcと水とに分割し、有機層をろ過し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(5%EtOAc/DCM)によって精製して、13p*(194mg、88%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000081
6-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14p):
収率64%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000082
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(メチルスルホニル)-8-(3-(メチルスルホニル)ベンジル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14q):
収率79%、白色の粉末;
Figure 2022533182000083
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-(メチルスルホニル)-8-(4-(メチルスルホニル)ベンジル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14r):
収率72%、白色の粉末;
Figure 2022533182000084
6-(4-メトキシフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(14s):
収率97%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000085
4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)アニリン(15a):
CH3OH(10mL)中のN,N-ジエチル-2-(4-ニトロフェノキシ)エタンアミン(490mg、2.06mmol)の溶液に過剰の10%Pd/C(125mg)を加え、H2(g)にラテックスバルブブラダーを4時間通過させた。反応混合物を次いでセライトでろ過し、濃縮して、15a(412mg、96%)を茶色の粘稠な液体として得た。
Figure 2022533182000086
N-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)ホルムアミド(16a):
方法A:分子篩を含む丸底フラスコにおいて15a(100mg、0.48mmol)にギ酸(1mL)を加えた。反応混合物を60℃で6時間加熱し、次いでNaHCO3の飽和溶液とEtOAcとに分割した。次いで有機層をブライン溶液で洗浄し、次いで濃縮して16a(90mg、79%)を茶色の粘稠な液体として得、これを精製せずに次の工程に直接用いた。
N-(4-(メチルスルホニル)フェニル)ホルムアミド(16b):
反応混合物を室温で一晩撹拌しながら撹拌する方法Aによって16bを調製した。収率80%、白色の固形物、これを精製せずに次の工程に直接用いた。
N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)ホルムアミド(16c):
反応混合物を室温で一晩撹拌しながら撹拌する方法Aによって16cを調製した。収率80%、白色の固形物;
Figure 2022533182000087
(16d)の調製:
4-(3-ニトロフェニル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(15d*):
DCM(10mL)中のBoc無水物(790mg、3.62mmol)の溶液にDMAP(60mg、0.49mmol)を加え、溶液を5分間撹拌した。次いで1-(3-ニトロフェニル)ピペラジン(500mg、2.41mmol)を上の溶液に加え、20時間室温で撹拌した。完了後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、15d*(700mg、94%)を黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000088
4-(3-アミノフェニル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(15d):
CH3OH(15mL)中の15d*(700mg、2.27mmol)の溶液に過剰の10%Pd/C(200mg)を加え、H2(g)にラテックスバルブブラダーを一晩通過させた。反応混合物を次いでセライトでろ過し、濃縮して、15d(600mg、95%)を茶色の粘稠な液体として得、これを精製せずに次の工程で用いた。
4-(3-ホルムアミドフェニル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(16d):
方法B:還流冷却器を備えた丸底フラスコに15d(200mg、0.72mmol)およびギ酸エチル(1.16mL、14.4mmol)を加えた。TEA(0.15mL、1.08mmol)を上の混合物に加え、還流下で加熱した。一晩撹拌した後、溶媒を蒸発させ、混合物をDCMに溶解し、水およびブライン溶液で抽出した。抽出物を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して16d(100mg、45%)を無色の液体として得た。
N-(ピリジン-2-イル)ホルムアミド(16e):
方法C:ギ酸(0.28mL、7.43mmol)を0℃に維持した無水酢酸(0.60mL、6.37mmol)に滴下した。混合物を60℃で2時間加熱還流させて、無水酢酸ギ酸試薬を生成した。混合物を室温まで冷却し、2mLのTHFを加えた。THF(1mL)に溶解した15e(200mg、2.12mmol)を無水酢酸ギ酸混合物に加え、さらに2時間還流させた。完了後に溶媒を蒸発させ、EtOAc/水系で抽出した。抽出物を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(3%MeOH/DCM)によって精製して16e(173mg、67%)を白色の固形物として得た。
N-(ピリジン-3-イル)ホルムアミド(16f):
方法Cにより16fを調製した。収率75%、白色の固形物。
17a~sの調製のための基本手順:
図17はRIPK3の例示的な阻害剤である化合物17a~s(UH15)の合成スキームを示す。図18~21は、好ましい態様に係る、RIPK3の例示的な阻害剤の構造を示す。
THF(0.5mL)およびDMF(0.5mL)中の16a(30mg、0.13mmol)の溶液に0℃で60%NaH(8mg、0.33mmol)を加え、混合物を室温にて30分間アルゴン下で撹拌した。次いで混合物を0℃まで冷却し、14a(25mg、0.06mmol)を加え、2時間室温で撹拌した。氷およびNaOH(0.5mL、2N)溶液の添加により反応混合物をクエンチし、次いで水とEtOAcとに分割した。無水Na2SO4を通じたろ過および濃縮後、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)で粗混合物を精製して17a(UH15_1)を黄色の固形物として得た。
6-(2,4-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17a)UH15_1:
収率74%、黄色の固形物:
Figure 2022533182000089
純度95.6%(tR21.56分).
6-(2-クロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17b)UH15_2:
16a(40mg、0.17mmol)および14b(89mg、0.25mmol)を用いて17bを作製した。
収率62%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000090
純度99.15%(tR19.93分).
2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-メチル-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17c)UH15_3:
16a(40mg、0.17mmol)および14c(20mg、0.06mmol)を用いて17cを作製した。
収率64%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000091
純度99.4%(tR19.75分).
2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-エチル-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17i)UH15_4:
16a(30mg、0.13mmol)および14i(40mg、0.12mmol)を用いて17iを作製した。
収率54%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000092
純度95.8%(tR20.50分).
2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-(2-ヒドロキシエチル)-6-フェニルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17j)UH15_5:
16a(30mg、0.13mmol)および14j(44mg、0.13mmol)を用いて17jを作製した。
収率33%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000093
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-(2-メトキシエチル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17k)UH15_6:
16a(22mg、0.09mmol)および14k(20mg、0.05mmol)を用いて17kを作製した。
収率61%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000094
純度97.4%(tR20.76分).
8-ベンジル-6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17l)UH15_7:
16a(16mg、0.07mmol)および14l(32mg、0.07mmol)を用いて17lを作製した。
収率68%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000095
純度98.4%(tR22.59分).
6-(4-クロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17d)UH15_8:
16a(19mg、0.08mmol)および14d(28mg、0.08mmol)を用いて17dを作製した。
収率45%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000096
純度96.5%(tR21.33分).
6-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17e)UH15_9:
16a(32mg、0.14mmol)および14e(50mg、0,14mmol)を用いて17eを作製した。
収率58%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000097
純度99.8%(tR23.44分).
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-イソブチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17m)UH15_10:
16a(23mg、0.09mmol)および14m(42mg、0.09mmol)を用いて17mを作製した。
収率36%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000098
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17f)UH15_11:
16c(21mg、0.11mmol)および14f(20mg、0.05mmol)を用いて17fを作製した。
収率92%、白色の固形物;
Figure 2022533182000099
純度98.2%(tR 22.98分).
6-(2,6-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-((4-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17f*)UH15_12:
16b(11mg、0.05mmol)および14f(10mg、0.03mmol)を用いて17f*を作製した。
収率75%、白色の粉末;
Figure 2022533182000100
純度97.6%(tR22.92分).
6-(4-クロロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17d*)UH15_13:
16c(29mg、0.15mmol)および14d(26mg、0.07mmol)を用いて17d*を作製した。
収率61%、薄黄色の粉末;
Figure 2022533182000101
6-(4-クロロフェニル)-8-イソブチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17n)UH15_14:
16c(15mg、0.07mmol)および14n(20mg、0.05mmol)を用いて17nを作製した。
収率33%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000102
6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17b*)UH15_15:
16c(34mg、0.17mmol)および14b(50mg、0.14mmol)を用いて17b*を作製した。
収率72%、白色の固形物;
Figure 2022533182000103
純度98.1%(tR22.36分).
6-(2,4-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17a*)UH15_16:
16c(8mg、0.04mmol)および14a(12mg、0.03mmol)を用いて17a*を作製した。
収率63%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000104
純度99.5%(tR24.04分).
6-(2,3-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17g)UH15_17:
16c(16mg、0.08mmol)および14g(25mg、0.06mmol)を用いて17gを作製した。
収率68%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000105
純度98.5%(tR23.50分).
6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17h)UH15_18:
16c(11mg、0.05mmol)および14h(20mg、0.04mmol)を用いて17hを作製した。
収率60%、白色の固形物;
Figure 2022533182000106
純度97.6%(tR22.72分).
6-(2,5-ジクロロフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17o)UH15_19:
16c(6mg、0.03mmol)および14o(10mg、0.026mmol)を用いて17oを作製した。
収率92%、白色の固形物;
Figure 2022533182000107
純度97.4%(tR23.76分).
6-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17p)UH15_21:
16c(22mg、0.11mmol)および14p(40mg、0.09mmol)を用いて17pを作製した。
収率79%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000108
2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-6-(4-ヒドロキシフェニル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17p*)UH15_22:
16a(20mg、0.081mmol)および14p(30mg、0.067mmol)を用いて17p*を作製した。
収率64%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000109
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-(3-(メチルスルホニル)ベンジル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17q)UH15_26:
収率84%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000110
純度95.6%(tR21.35分).
6-(2,6-ジクロロフェニル)-2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-8-(4-(メチルスルホニル)ベンジル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17r)UH15_27:
収率70%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000111
純度95.6%(tR21.24分).
6-(4-メトキシフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17s)UH15_29:
16c(12mg、0.06mmol)および14s(20mg、0.05mmol)を用いて17sを作製した。
収率95%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000112
2-((4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)アミノ)-6-(4-メトキシフェニル)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(17s*)UH15_30:
16a(8mg、0.03mmol)および14s(14mg、0.03mmol)を用いて17s*を作製した。
収率66%、黄色の固形物;
Figure 2022533182000113
UH15_32の調製:
図22は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤である化合物UH15_32の合成スキームを示す。
6-クロロ-4-(メチルアミノ)ニコチン酸エチル(52):
THF(3mL)中の4,6-ジクロロニコチン酸エチル51(100mg、0.45mmol)の溶液に0℃でメチルアミン水溶液(0.4mL)を加え、混合物を同じ温度で30分間撹拌した。30分後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、混合物を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、52(65mg、67%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000114
(6-クロロ-4-(メチルアミノ)ピリジン-3-イル)メタノール(53):
THF(2mL)中の52(100mg、0.46mmol)の溶液をTHF(5mL)中のLAH(27mg、0.69mmol)の懸濁液に0℃で滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を次いで0℃で冷却し、15%NaOH(2mL)および水(4mL)を滴下した。反応混合物を1時間撹拌し、ろ過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(2.5%MeOH/DCM)により抽出物を精製して53(77mg、96%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000115
6-クロロ-4-(メチルアミノ)ニコチンアルデヒド(54):
DCM(10mL)中の53(495mg、2.86mmol)の溶液にMnO2(1496mg、17.20mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を次いでろ過し、濃縮してDCMを除去し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(2%MeOH/DCM)によって精製して54(453mg、93%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000116
7-クロロ-3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(56):
ドライDMA(4mL)中の54(300mg、1.75mmol)と2-(2-クロロフェニル)酢酸メチル55(325mg、1.75mmol)との撹拌溶液にKF/Al2O3(1800mg、40wt%)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライトでろ過し、残留する固形物をDCMで洗浄し、ろ液を濃縮した。シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)で残渣を精製して56(400mg、75%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000117
3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-7-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(57)UH15_32:
予熱した丸底フラスコに56(30mg、0.09mmol)、15c(20mg、0.11mmol)、Pd2(dba)3(9mg、0.009mmol)、XPhos Pd G1(9mg、0.02mmol)およびナトリウムtert-ブトキシド(28mg、0.29mmol)を加え、アルゴンで10分間フラッシングした。ジオキサン(1.5mL)を混合物に加え、再び5分間フラッシングし、次いで80℃で一晩加熱した。完了後、反応混合物を酢酸エチルと水とに分割し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(2%MeOH/DCM)によって精製して、57(UH15_32)(20mg、47%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000118
UH15_33の調製
図23は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤である化合物UH15_33の合成スキームを示す。
4-(3-((6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-7-オキソ-7,8-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(58):
14b(62mg、0.17mmol)および16d(54mg、0.17mmol)を用いて58を作製した。
収率70%、薄黄色の固形物;
Figure 2022533182000119
6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-2-((3-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(59)UH15_33:
58(67mg、0.12mmol)をDCM(4.5mL)に取り込み、TFA(0.5mL)を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(4%MeOH/DCM)により粗混合物を精製して59(UH15_33)(55mg、96%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000120
6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-2-(ピリジン-3-イルアミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(UH15_34):
14b(15mg、0.05mmol)および16f(6mg、0.05mmol)を用いてUH15_34を作製した。
収率67%、白色の固形物;
Figure 2022533182000121
6-(2-クロロフェニル)-8-メチル-2-(ピリジン-2-イルアミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(UH15_35):
14b(20mg、0.06mmol)および16e(8mg、0.06mmol)を用いてUH15_35を作製した。
収率62%、薄黄色の固形物。
Figure 2022533182000122
UH15PN化合物の調製:
好ましい態様によれば、図24Aはタンパク質キナーゼの例示的な阻害剤の合成スキームを示し、図24Bはタンパク質キナーゼのこれらの例示的な阻害剤の合成に用いられる中間体化合物の構造を示す。図25は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤の構造を示す。
6-ブロモ-N-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)キナゾリン-2-アミン(19a):
6-ブロモ-2-クロロキナゾリン(18)(200mg、0.82mmol)と15a(207mg、0.98mmol)との混合物にプロパン-2-オール(4mL)を加え、反応混合物を100℃で2時間加熱した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)によって精製して19(203mg、61%)を黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000123
6-(2-クロロフェニル)-N-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)キナゾリン-2-アミンUH15PN1:
6-ブロモ-N-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)フェニル)キナゾリン-2-アミン(19a)(30mg、0.07mmol)、(2-クロロフェニル)ボロン酸(20a)(17mg、0.11mmol)およびPd(PPh3)4(8.5mg、0.007mmol)を丸底フラスコ(rb)に取り、アルゴンで10分間パージした。次いでDMF(1mL)とCH3CN(2mL)との溶媒混合物を上の反応物に加え、再び10分間パージした。パージ後、1M Na2CO3(150μl)溶液を滴下し、90℃で5時間の加熱を開始した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を水とEtOAcとに分割し、ろ過し、濃縮して粗混合物を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/DCM)によって精製して、UH15PN1(23mg、70%)を黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000124
6-ブロモ-N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)キナゾリン-2-アミン(19c):
6-ブロモ-2-クロロキナゾリン(18)(100mg、0.41mmol)と(15c)(85mg、0.49mmol)との混合物にプロパン-2-オール(2mL)を加え、反応混合物を100℃で2時間加熱した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(2%MeOH/DCM)によって精製して19c(150mg、97%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000125
6-(2-クロロフェニル)-N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)キナゾリン-2-アミン(UH15PN2):
6-ブロモ-N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)キナゾリン-2-アミン(19c)(50mg、0.08mmol)および(2-クロロフェニル)ボロン酸(20a)(31mg、0.12mmol)を用いてUH15PN2(31mg、95%)を黄色の固形物として作製した。
Figure 2022533182000126
4-(2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)キナゾリン-6-イル)フェノール(UH15PN3):
19c(30mg、0.08mmol)および(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(20c)(17mg、0.12mmol)を用いてUH15PN3(22mg、71%)を黄色の固形物として作製した。
Figure 2022533182000127
N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)-6-(ピリジン-2-イル)キナゾリン-2-アミン(UH15PN5):
図26は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤であるUH15PN5の合成スキームを示す。
6-ブロモ-N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)キナゾリン-2-アミン(19c)(20mg、0.05mmol)、ピリジン-2-イルボロン酸(20e)(22mg、0.10mmol)、Pd(dppf)Cl2(4mg、0.005mmol)、CuBr(12mg、0.05mmol)およびCs2CO3(69mg、0.21mmol)を丸底フラスコに取り、アルゴンで10分間パージした。次いでDMF(2mL)を上の反応物に加え、再び10分間パージした。パージ後、内容物を100℃で16時間加熱した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を水とEtOAcとに分割し、ろ過し、濃縮して粗混合物を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(2.5%MeOH/DCM)によって精製して、UH15PN5(15mg、60%)を薄茶色の固形物として得た。
Figure 2022533182000128
N-(3-(メチルスルホニル)フェニル)-6-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-2-アミン(UH15PN6):
19c(30mg、0.08mmol)およびピリジン-3-イルボロン酸(20d)(15mg、0.12mmol)を用いてUH15PN6(15mg、50%)を黄色の固形物として作製した。
Figure 2022533182000129
UH15_25の調製:
図27は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤であるUH15_25の合成スキームを示す。
4-(3-((3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(60):
予熱した丸底フラスコに56(20mg、0.065mmol)、15d(22mg、0.078mmol)、Pd2(dba)3(6mg、0.006mmol)、キサントホス(8mg、0.013mmol)および炭酸セシウム(43mg、0.13mmol)を加え、アルゴンで10分間フラッシングした。ジオキサン(1.5ml)を混合物に加え、再び5分間フラッシングし、次いで一晩80℃で加熱した。反応混合物を次いで酢酸エチルと水とに分割し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(1.5%MeOH/DCM)によって精製して、60(20mg、57%)を薄黄色の固形物として得た。
3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-7-((3-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(61)UH15_25:
60(20mg、0.036mmol)をDCM(2mL)に取り込み、TFA(0.2mL)を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(7%MeOH/DCM)により粗混合物を精製して61(UH15_25)(12mg、75%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000130
UH15_36の調製:
図28は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤であるUH15_36の合成スキームを示す。
4-(5-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(69):
予熱した丸底フラスコにPd2(dba)3(125mg、0.13mmol)、キサントホス(155mg、0.26mmol)および炭酸カリウム(740mg、5.36mmol)を加え、アルゴンで10分間フラッシングした。DMF(4mL)を混合物に加え、さらに5分間フラッシングし、続いてこれに67(500mg、2.68mmol)および68(545mg、2.68mmol)を加え、次いで24時間還流させた。反応混合物を次いで酢酸エチルと水とに分割し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(15%EtOAc/DCM)によって精製して、69(250mg、30%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000131
4-(5-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(70):
CH3OH(15mL)中の69(250mg、0.81mmol)の溶液に10%Pd/C(50mg)を加え、反応物を室温にてH2(g)(1気圧)中で4時間撹拌した。反応混合物を次いでセライトでろ過し、濃縮して、70(220mg、97%)を茶色の固形物として得、これを精製せずに次の工程に用いた。
4-(5-((3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(71):
予熱した丸底フラスコに56(42mg、0.13mmol)、70(39mg、0.13mmol)、Pd2(dba)3(13mg、0.013mmol)、キサントホス(16mg、0.027mmol)および炭酸セシウム(90mg、0.27mmol)を加え、アルゴンで10分間フラッシングした。ジオキサン(3ml)を混合物に加え、再び5分間フラッシングし、次いで一晩80℃で加熱した。反応混合物を次いで酢酸エチルと水とに分割し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(2.5%MeOH/DCM)によって精製して、71(26mg、35%)を薄茶色の固形物として得た。
3-(2-クロロフェニル)-1-メチル-7-((5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)アミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(72)UH15_36:
71(20mg、0.036mmol)をDCM(2mL)に取り込み、TFA(0.2mL)を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗混合物を逆相分取HPLC(0.1%TFAを含む95%H2O/CH3CN~0.1%TFAを含む95%CH3CN/H2O)によって精製して72(UH15_36)(12mg、75%)を薄黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000132
34(UH15_20)の調製:
図29は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤であるUH15_20の合成スキームを示す。
6-クロロ-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(31):
7(20mg、0.11mmol)とNaH(8mg、0.33mmol)との混合物にTHF(1.5mL)を加え、室温にて10分間アルゴン下で撹拌した。THF(0.5mL)中の2-クロロ-2-(ジエトキシホスホリル)酢酸エチル30(42mg、0.16mmol)の溶液を滴下し、混合物を2.5時間還流させた。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、EtOAcと水との系を用いて抽出した。有機溶媒を蒸発させ、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって残渣を精製して31(10mg、42%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000133
6-(2-クロロ-4-メチルフェニル)-8-メチル-2-(メチルチオ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(32):
31(24mg、0.11mmol)、(2-クロロ-4-メチルフェニル)ボロン酸(28mg、0.16mmol)およびPd(PPh3)4(13mg、0.011mmol)を丸底フラスコ(rb)に取り込み、アルゴンで10分間パージした。DMF(1mL)およびCH3CN(2mL)を上の反応物に加え、反応混合物を再び10分間パージした。パージ後、1M Na2CO3(23mg、0.21mmol)(220μL)溶液を滴下し、90℃で5時間の加熱を開始した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残渣を水とEtOAcとに分割し、ろ過し、濃縮して粗混合物を得、これをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/DCM)によって精製して、32(20mg、57%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000134
6-(2-クロロ-4-メチルフェニル)-8-メチル-2-(メチルスルホニル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(33):
収率68%、白色の固形物;
Figure 2022533182000135
6-(2-クロロ-4-メチルフェニル)-8-メチル-2-((3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(34)UH15_20:
収率75%、白色の固形物;
Figure 2022533182000136
純度99.6%(tR23.51分).
UH15-38の調製:
図30は、好ましい態様に係る、タンパク質キナーゼの例示的な阻害剤であるUH15_20の合成スキームを示す。図30において、試薬および条件:(a)TBSCl、イミダゾール、DMAP、DMF、0℃~室温、4時間、83%;(b)KF/Al2O3、DMA、室温、2時間、67%;(c)Pd2(dba)3、キサントホス、CS2CO3、1,4-ジオキサン、80℃、16時間、47%.
2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)酢酸メチル(2):
ドライDMF(3mL)中の1(250mg、1.504mmol)の溶液に触媒量のDMAP(15mg)およびイミダゾール(295mg、1.953mmol)を一度に、続いてTBSCl(255mg、3.75mmol)を一度に0℃で加えた。得られた混合物を次いで4時間室温で撹拌した。反応の完了後、混合物を水(10mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(20mL)で希釈した。得られた混合物を水、ブラインで複数回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗化合物をコンビフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~5%酢酸エチル)によって精製して2(353mg、83%)を無色の液体として得た。
Figure 2022533182000137
7-クロロ-3-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチル-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(4):
ドライDMA(3mL)中の2(190mg、0.677mmol)および3(115mg、0.674mmol)の溶液にKF/Al2O3(1.14g)を一度に加えた。得られた混合物を2時間室温で撹拌した。反応の完了後、混合物を小型のセライトパッドに通してろ過し、酢酸エチル(50mL)で洗浄した。得られた混合物を水、ブラインで複数回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗材料をコンビフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~5%メタノール)によって精製して4(130mg、67%)を白色の固形物として得た。
Figure 2022533182000138
3-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチル-7-((3-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(6;UH15-38):
ジオキサン(2mL)中の4(30mg、0.104mmol)と3-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン(5、20mg、0.104mmol)とキサントホス(12mg、0.021mmol)とCS2CO3(68mg、0.208mmol)との溶液に10mol%のPd2(dba)3を加えた。反応混合物をArガスで15分間パージし、80℃で16時間還流させた。反応の完了後、混合物を小型のセライトパッドに通してろ過し、水(5mL)を加え、酢酸エチル(3×10mL)で有機化合物を抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗化合物をコンビフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~5%メタノール)によって精製して生成物6(22mg、47%)を黄色の固形物として得た。
Figure 2022533182000139
実施例2.評価および分類
活性:
下の表1は、選択したUH15アナログの活性を示す。組換えRIPK3の阻害、RIPK3を発現するLPS/IDN処理マウスRAW264.7マクロファージおよびTNF/IDN処理ヒトHela細胞におけるネクロトーシスの阻害、生細胞における阻害剤によるRIPK3結合(NanoBRETアッセイ)、ならびにRIPK3依存アポトーシスの誘導(すなわち、オン・ターゲット毒性)について、IC50/LD50値を決定した。アッセイはADPGlo(キナーゼアッセイ)、CellTiter-Glo(生存率)、およびNanoBRET(標的結合)アッセイを用いて実施した。示されたGSK'872値は2014年のMandalらによるものである。
Figure 2022533182000140
NT - 試験せず
* 文献記載の値
ADP-Gloアッセイには、組換えRIPK3タンパク質(反応あたり20ng)を50mM HEPES、pH7.5、50mM NaCl、30mM MgCl2、1mM DTT、0.05%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.02%CHAPSからなる反応緩衝液で希釈する。希釈したタンパク質を低容量白色384ウェルプレートに加える(2μL/ウェル)。阻害剤を反応緩衝液(最終25%DMSO)で希釈し、各ウェルに1μL加え、5分間室温で培養する。反応緩衝液への2μLの100μM ATPの添加により反応を開始する。プレートをプラスチックのカバーガラスで密封し、室温で4時間培養する。5μLのADP-Glo試薬(Promega)の添加により反応を停止させ、ADP生成反応を40分間室温で実施する。10μLのキナーゼ検出試薬(Promega)を添加して30分間室温により発光シグナルを生成させる。発光シグナルは適切な発光プレートリーダーを用いて決定する(典型的な積分時間0.3~1秒)。阻害率を算出するために、平均バックグラウンドシグナルを試験ウェルおよび最大シグナルウェルから減算する。
阻害(%)=(1-(試験シグナル/最大シグナル))*100
GraphPad Prismソフトウェアにおける非線形回帰を用い、用量範囲の阻害剤濃度に基づいて、特定された濃度での阻害率を決定するかまたはIC50値を算出する。CellTiter-Gloアッセイには、10μM IDN6556(MedKoo)と組み合わせた10ng/ml hTNFα(Peprotech、Hela-R3細胞)または大腸菌(E.coli)LPS(Sigma、RAW264.7細胞)の存在下または非存在下で細胞を96ウェルプレート中で6~24時間処理してネクロトーシスを誘導する。薬物との培養後、15μLのCellTiter-Glo試薬をウェルに加え10分間培養する。発光シグナルは適切な発光プレートリーダーを用いて決定される(典型的な積分時間0.3秒)。生存率を算出するためには、以下:
生存率(%)=(1-(試験シグナル/未処理ウェルでの最大生存率))*100
RIPK3およびMLKLのリン酸化:
図31は、選択したUH15化合物およびGSK'872がRAW264.7マクロファージにおいてRIPK3およびMLKLのリン酸化を遮断することを示す。ネクロトーシスはLPS(10ng/ml)と汎カスパーゼ阻害剤IDN6556(20μM)との組み合わせによって誘導された。LPSは、TNFと同様に、カスパーゼ阻害剤の存在下でRIPK3(およびネクロトーシス)を活性化できるTLR4リガンドであることに留意されたい。星印はpMLKLのイムノブロットにおいて時折見られる非特異的なバンドを表す。試料は、RIPK3、ホスホ-Thr231/Ser232-RIPK3、MLKLおよびホスホ-Ser345-MLKL抗体(Abcam)を用いたSDS-PAGEゲル電気泳動およびウエスタンブロッティングに供される。
RIPK3依存性毒性:
表2は、選択したUH15アナログの刺激依存性(TNFあり、10ng/ml)および非依存性(TNFなし)のRIPK3依存性毒性を示す。細胞死をCellTiter-Gloアッセイによって評価した。毒性は、RIPK3を欠損させたHela細胞、およびRIPK3がレンチウイルスにより再発現された細胞(Hela-RIPK3細胞)において比較した。
Figure 2022533182000141
受容体相互作用タンパク質キナーゼ2(RIPK2)酵素アッセイ:
組換えRIPK2タンパク質(反応あたり20ng)を40mM Tris(pH7.5);20mM MgCl2;0.1mg/mL BSA;50μM DTTからなる反応緩衝液で希釈する。希釈したタンパク質を低容量白色384ウェルプレートに加える(2μL/ウェル)。阻害剤を反応緩衝液(最終25%DMSO)で希釈し、各ウェルに1μL加え、5分間室温で培養する。反応は反応緩衝液への2μLの100μM ATPおよび1mg/mL RSリピートペプチド(SignalChem)の添加により開始される。プレートをプラスチックのカバーガラスで密封し、室温で2時間培養する。5μLのADP-Glo試薬(Promega)の添加により反応を停止させ、ADP生成反応を40分間室温で実施する。10μLのキナーゼ検出試薬(Promega)を添加して30分間室温により発光シグナルを生成させる。発光シグナルは適切な発光プレートリーダーを用いて決定される(典型的な積分時間0.3~1秒)。阻害率を算出するために、平均バックグラウンドシグナルを試験ウェルおよび最大シグナルウェルから減算する。
阻害(%)=(1-(試験シグナル/最大シグナル))*100
GraphPad Prismソフトウェアにおける非線形回帰を用い、用量範囲の阻害剤濃度に基づいて、特定された濃度での阻害率を決定するかまたはIC50値を算出する。
アクチビン様キナーゼ2(ALK2)酵素アッセイ:
酵素阻害活性は、様々な濃度(10nM~100μM)の試験化合物の存在下で、ヒトALK2をタンパク質基質カゼイン(1mg/mL)およびγ-33ATP(10μM)と培養することによる標準的なキナーゼ酵素アッセイで評価した。30分後、33P-カゼインの量を決定した。阻害剤濃度対%活性の図を作製し、この図からIC50値を決定した。
NOD2シグナル伝達アッセイ:
ヒトNOD2およびNFkB-SAEPレポーター(Invivogen)を発現するHEK-Blue細胞を、10%FBSおよび1%抗生物質-抗真菌混合物を加えた100μLのDMEM培地中、96ウェル透明プレートに1ウェルあたり7.5×103個播種する。細胞は37℃の5%CO2組織培養インキュベーター内で48時間付着させる。実験当日の朝、ウェル内の培地を100μLのHEK-Blue検出培地(Invivogen)と交換する。DMSO(1ウェルあたり0.5μL)で希釈した阻害剤で細胞を15分間37℃の5%CO2組織培養インキュベーター内で処理する。その後、1ng/ウェルのL18-MDP(Invivogen)の添加により細胞を刺激する。細胞を37℃の5%CO2組織培養インキュベーター内で8時間培養し、培地中のSEAPに対応する吸光度をWallac3Vプレートリーダー(Perkin Elmer)で決定する。
阻害(%)=(1-((試料のシグナル-非刺激およびDMSO処理細胞)/(L18-MDP刺激およびDMSO処理細胞-非刺激およびDMSO処理細胞)))*100
GraphPad Prismソフトウェアにおける非線形回帰を用いて用量範囲の阻害剤濃度に基づいてIC50値を算出する。
化合物によるRIPK2およびALK2酵素活性ならびにNOD2細胞シグナル伝達の阻害:
調製した化合物は、上に記載の方法を用いて、RIPK2およびALK2酵素活性ならびにNOD2細胞シグナル伝達を阻害するそれらの能力について評価した。化合物によるRIPK2酵素およびNOD2細胞シグナル伝達の阻害について、特定された濃度での阻害率またはIC50値を下の表3に示す。化合物によるALK2酵素活性の阻害のIC50値も表3に示す。
Figure 2022533182000142
参考文献
以下の文書は参照により本明細書に組み入れられる。
Figure 2022533182000143
Figure 2022533182000144
Figure 2022533182000145

Claims (13)

  1. タンパク質キナーゼ阻害活性を示し、以下の構造を有する化合物:
    Figure 2022533182000146
    式中、
    AはNまたはCHであり、
    R1はMe、
    Figure 2022533182000147
    であり、ここでXはFまたはMeであり、ここでMeはメチルであり、
    R2はMe、Et、Et-O-Me、またはイソブチルであり、ここでEtはエチルであり、かつ
    R3は
    Figure 2022533182000148
    である。
  2. 治療有効量の請求項1記載の化合物と、薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、担体、緩衝剤、安定剤、またはそれらの混合物とを含む薬学的組成物。
  3. 請求項2記載の薬学的組成物を投与する工程
    を含む、タンパク質キナーゼが関連する疾患または状態を治療する方法。
  4. 請求項2記載の薬学的組成物を投与する工程
    を含む、受容体相互作用キナーゼ2(RIPK2)、アクチビン様キナーゼ2(ALK2)、または受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)の活性が関与する疾患または状態を治療する方法。
  5. 請求項2記載の薬学的組成物を投与する工程
    を含む、受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)の活性が関与する炎症性または変性性の疾患または状態を治療する方法。
  6. 以下の構造を有する、請求項1記載の化合物:
    Figure 2022533182000149
    式中、R2はEt、Et-O-Me、またはイソブチルであり、かつ式中、XはFまたはMeである。
  7. 治療有効量の請求項6記載の化合物と、薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、担体、緩衝剤、安定剤、またはそれらの混合物とを含む薬学的組成物。
  8. 請求項7記載の薬学的組成物を投与する工程
    を含む、タンパク質キナーゼが関連する疾患または状態を治療する方法。
  9. 請求項7記載の薬学的組成物を投与する工程
    を含む、受容体相互作用キナーゼ2(RIPK2)、アクチビン様キナーゼ2(ALK2)、または受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)の活性が関与する疾患または状態を治療する方法。
  10. 請求項7記載の薬学的組成物を投与する工程
    を含む、受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)の活性が関与する炎症性または変性性の疾患または状態を治療する方法。
  11. 受容体相互作用キナーゼ3(RIPK3)阻害活性が関与する炎症性または変性性の疾患または状態を治療する方法であって、以下の工程を含む、方法:
    以下の構造:
    Figure 2022533182000150
    [式中、
    1つの利用可能な環上位置において、RはHであるか、またはRは
    Figure 2022533182000151
    であり、ここでMeはメチルであり、Etはエチルであり、
    AおよびDは独立してNまたはCHであり、
    EはN、CH、またはC-Rであり、
    BおよびCは独立してN、CH、またはC-Clであり、
    1つの利用可能な環上位置において、R1はHであるか、またはR1はC-Cl、C-F、C-OCH3、C-C(CH3)3、もしくはC-OHであり、かつ
    X-YはC=Cまたは
    Figure 2022533182000152
    であり、ここでR2はH、アルキル、アルキルヒドロキシル、アルキルアルコキシル、またはアルキルアリールである]
    を有する治療有効量の化合物と、薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、担体、緩衝剤、安定剤、またはそれらの混合物とを含む薬学的組成物を投与する工程。
  12. 化合物が、以下の構造:
    Figure 2022533182000153
    を有する、請求項11記載の方法。
  13. RIPK3活性が関与する炎症性または変性性の疾患または状態がA型インフルエンザウイルス(IAV)である、請求項11記載の方法。
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