JP2022159582A - 車室上部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来カーテンシールドエアバッグのカバーが有していた、天井カバー部材の仮置き機能を、カーテンシールドエアバッグの展開の妨げにならないように、他の周辺部材に持たせる。【解決手段】ガイドブラケット50は、Cピラーガーニッシュ33上方であって、カーテンシールドエアバッグ20よりも下方かつ車幅方向外側に配置される。ガイドブラケット50のガイド板部53は、カーテンシールドエアバッグ20に面するとともに、上方から下方に向かって、車幅方向外側から内側に傾斜する。引込板部55は、ガイド板部53の下端に接続され、車幅方向内側から外側に延設される。傾斜板部56は、引込板部55の車幅方向外側端に接続され、上方から下方に向かって、車幅方向内側から外側に延設される。傾斜板部56には、その厚さ方向に貫通され、ルーフライニング34の突出片34Bが引っ掛けられる仮置き孔60が穿孔される。【選択図】図4
Description
本明細書では、カーテンシールドエアバッグ周辺の車室上部構造が開示される。
車両の側面衝突時に、車室側面に設けられたドアガラス等の硬質部材から乗員を保護するために、車室の天井部側端部分には、カーテンシールドエアバッグが搭載される。
例えば特許文献1では、カーテンシールドエアバッグが樹脂製のカバーに収容される。このカバーには、車室天井の内装部品であるルーフヘッドライニングを仮置きするための受け部が設けられる。ルーフヘッドライニングの組付の際に、ルーフヘッドライニングの側端から突出する係合片が受け部に載せられる。この仮置き状態でクリップ等の係合部材を用いてルーフヘッドライニングがルーフパネルに固定される。
ところで、コスト削減のために、カーテンシールドエアバッグを収容するカバーを省略する場合に、従来カバーが有していた受け部の機能を、他の周辺部材に持たせる必要がある。
そこで本明細書では、従来カーテンシールドエアバッグのカバーが有していた、天井カバー部材の仮置き機能を、カーテンシールドエアバッグの展開の妨げにならないように、他の周辺部材に持たせることの可能な、車室上部構造が開示される。
本明細書で開示される車室上部構造は、カーテンシールドエアバッグ及びガイド部材を備える。カーテンシールドエアバッグは、車室側部カバー部材の上方に、巻回状態で配置される。ガイド部材は、車室側部カバー部材の上方であって、カーテンシールドエアバッグよりも下方かつ車幅方向外側に配置される。ガイド部材は、ガイド板部、引込板部、及び傾斜板部を備える。ガイド板部は、カーテンシールドエアバッグに面するとともに、上方から下方に向かって、車幅方向外側から内側に傾斜する。引込板部は、ガイド板部の下端に接続され、車幅方向内側から外側に延設される。傾斜板部は、引込板部の車幅方向外側端に接続され、上方から下方に向かって、車幅方向内側から外側に延設される。傾斜板部には、その厚さ方向に貫通され、天井カバー部材の突出片が引っ掛けられる仮置き孔が穿孔される。
上記構成によれば、ガイド部材に、天井カバー部材の仮置き機能が与えられる。この形態において、カーテンシールドエアバッグに面するガイド板部の下端から車幅方向外側に延びる(逃げる)引込板部よりもさらに車幅方向外側に仮置き孔を設けることで、カーテンシールドエアバッグの展開軌跡から仮置き孔を離隔させることが出来る。
また上記構成において、ガイド部材は、ステップ板部を備えてもよい。ステップ板部は、傾斜板部の下端に接続され、傾斜板部よりも車幅方向軸との成す角度が小さい傾斜角にて車幅方向外側に延設される。また仮置き孔の下端縁は、ステップ板部内に形成される。
上記構成によれば、仮置き孔の下端縁が車幅方向外側に引き込む構造となり、カーテンシールドエアバッグの、仮置き孔の下端縁への接触を効果的に抑制可能となる。
本明細書で開示される車室上部構造によれば、従来カーテンシールドエアバッグのカバーが有していた、天井カバー部材の仮置き機能を、カーテンシールドエアバッグの展開の妨げにならないように、他の周辺部材に持たせることが可能となる。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る車室上部構造について説明する。なお図1-図5において、車両前後方向が記号FRで表される軸で示され、車幅方向が記号RWで表される軸で示され、鉛直方向が記号UPで表される軸で示される。
記号FRはFrontの略であり、前後方向軸FRは前方を正方向とする。記号RWはRight Widthの略であり、幅方向軸RWは右幅方向を正方向とする。また高さ軸UPは上方向を正方向とする。図1に示されているように、これらFR軸、RW軸、UP軸は互いに直交する。以下適宜、これら3軸を基準に、本実施形態に係る車室上部構造が説明される。
<車室構造>
図1には、本実施形態に係る車室上部構造が搭載された車室内の様子が例示される。車室天井の車幅方向端部に、カーテンシールドエアバッグ装置10が収容される。なお、図1では運転席側のみ図示されているが、これとは反対側の助手席側も、図1と同様のカーテンシールドエアバッグ装置10が設けられていてよい。
図1には、本実施形態に係る車室上部構造が搭載された車室内の様子が例示される。車室天井の車幅方向端部に、カーテンシールドエアバッグ装置10が収容される。なお、図1では運転席側のみ図示されているが、これとは反対側の助手席側も、図1と同様のカーテンシールドエアバッグ装置10が設けられていてよい。
図1を参照して、カーテンシールドエアバッグ装置10は、インフレータ12及びカーテンシールドエアバッグ20を備える。カーテンシールドエアバッグ20は、巻回状態でルーフライニング34の裏側(乗客に対する隠れ面側)に収容される。なお、カーテンシールドエアバッグ20は、樹脂ケース等の収容部材には収容されず、ルーフライニング34に対して露出されていてよい。
車両の側面衝突時には、インフレータ12からカーテンシールドエアバッグ20にガスが送り込まれ、これによりカーテンシールドエアバッグ20が巻回状態から下方に展開されつつ膨張される。
展開時(膨張時)のカーテンシールドエアバッグ20により、車室側面が覆われる。図1を参照して、車室側面は、フロントドア41、Bピラーガーニッシュ32、リアドア43、及びCピラーガーニッシュ33により構成される。例えばカーテンシールドエアバッグ20は、車両側面の、フロントドア41からリアドア43を経由して、さらにラゲッジスペースの前方部分までの領域を覆うように展開される。
車室には種々の内装部材が設けられる。例えば柱状の骨格部材であるAピラー、Bピラー、Cピラーをそれぞれ覆う車室側部カバー部材であるAピラーカバー30、Bピラーガーニッシュ32、及びCピラーガーニッシュ33が車室の側部に設けられる。また、Aピラーカバー30、Bピラーガーニッシュ32、及びCピラーガーニッシュ33の上端に下端が接続されるように、天井カバー部材であるルーフライニング34が設けられる。これらの内装カバー部材は、例えば樹脂材料から形成される。
カーテンシールドエアバッグ20は、内装カバー部材であるAピラーカバー30、及びルーフライニング34に覆われる。例えば、カーテンシールドエアバッグ20は、車室天井の車幅方向端部に設けられた骨格部材であるルーフレール(図示せず)に固定される。ルーフレール及びカーテンシールドエアバッグ20を覆うようにして、Aピラーカバー30及びルーフライニング34が車室内に設けられる。
図2には、ルーフライニング34の単体斜視図が例示される。ルーフライニング34は、車室天井を覆う天井カバー部材であって、中央部分が***した山形状となっている。またルーフライニング34には、内装部品であるマップランプ40(図1参照)、センターランプ42、及びアシストグリップ44等を、車室天井部の外板部材であるルーフパネルや骨格部材のルーフレールに取り付けるための開口34Aが穿孔される。また図示は省略されるが、ルーフライニング34をルーフパネルに締結させるための締結孔(クリップ孔)がルーフライニング34に穿孔される。
また、ルーフライニング34の車幅方向両端部には、ルーフライニング34の両端から更に車幅方向に張り出す一対の突出片34B,34Bが設けられる。例えば突出片34B,34Bはルーフライニング34の後方領域に設けられる。
後述される図5のように、ルーフライニング34をルーフパネル(図示せず)に固定する際に、突出片34B,34Bは、ガイドブラケット50の仮置き孔60に挿入される。これによりルーフライニング34の後方が仮置き(仮留め)され、ルーフライニング34の後方を支持する作業員が不要となる。この状態でルーフライニング34の前方部分がクリップ等の締結部材を用いてルーフパネルに締結される。さらにその後、ルーフライニング34の後方部分が締結部材によりルーフパネルに締結される。
<ガイドブラケット>
図4には図1のA-A断面図が例示される。なお、図4では車室の右側面の断面が例示されているが、車両構造の対称性により、左側面もこれと同様の構造を備える。
図4には図1のA-A断面図が例示される。なお、図4では車室の右側面の断面が例示されているが、車両構造の対称性により、左側面もこれと同様の構造を備える。
図1及び図4を参照して、車室側部カバー部材であるCピラーガーニッシュ33の上方であって、天井カバー部材であるルーフライニング34と、骨格部材であるCピラー25との間に、カーテンシールドエアバッグ20が配置される。上述したように、カーテンシールドエアバッグ20は巻回状態で配置される。さらにCピラーガーニッシュ33の上方であって、カーテンシールドエアバッグ20よりも下方かつ車幅方向外側に、ガイド部材であるガイドブラケット50が配置される。
ガイドブラケット50は、展開時のカーテンシールドエアバッグ20が、Cピラーガーニッシュ33とCピラー25との隙間に進入することを抑制するために、カーテンシールドエアバッグ20の展開方向を車幅方向内側にガイドする。
図3にはガイドブラケット50の単体斜視図が例示される。図3では、仮置き孔60の視認を可能とするために、ガイドブラケット50を下から見るようなアングルとなっている。
ガイドブラケット50は例えば略箱型形状であって、アルミ等の金属材料を用いた板金部材から構成される。例えばガイドブラケット50は、いわゆるR面取りされ、隣り合う面同士の境界が曲面状となっている。さらに、ガイドブラケット50の末端部が、カーテンシールドエアバッグ20の展開軌跡上に配置されたガイド板部53から離隔されるように、ガイドブラケット50の形状が定められる。
ガイドブラケット50は、その上下端にフランジ51A,51Bを備える。フランジ51A,51BはCピラー25に当接され、溶接等によりCピラー25に接合される。
また図3、図4を参照して、ガイドブラケット50は、車幅方向内側に張り出す板部として、張出板部52、ガイド板部53、引込板部55、傾斜板部56、ステップ板部57、下端傾斜板部58、前方側板部59A及び後方側板部59Bを備える。
張出板部52は、上端のフランジ51Aの下端に接続され、そこを起点として車幅方向外側から内側に向かって延設される。張出板部52は例えばガイド板部53と比較して、車幅方向軸RWと成す角が小さい傾斜角にて、車幅方向外側から内側に延設される。
張出板部52の車幅方向内側端部に、ガイド板部53の上端が接続される。この接続点を起点として、ガイド板部53は、上方から下方に向かって、車幅方向外側から内側に傾斜する。ガイド板部53は、カーテンシールドエアバッグ20に面するように、言い換えると、カーテンシールドエアバッグ20の展開軌跡上に設けられる。
図4の矢印に例示されるように、カーテンシールドエアバッグ20が下方に展開すると、ガイド板部53に当たって、車幅方向内側かつ下方に展開する。ガイド板部53の少なくとも下端部は、Cピラーガーニッシュ33の上端部33Aよりも車幅方向内側に張り出している。このような構造を採ることで、カーテンシールドエアバッグ20が、Cピラーガーニッシュ33とCピラー25との間隙に進入することが抑制される。
ガイド板部53の下端には、引込板部55の車幅方向内側端が接続される。この接続箇所を起点として、引込板部55は、車幅方向内側端から外側に向かって延設される。引込板部55の車幅方向外側端に、傾斜板部56の上端が接続される。この接続点を起点として、傾斜板部56は、上方から下方に向かって、車幅方向内側から外側に延設される。言い換えると、傾斜板部56は、ガイド板部53と逆傾斜となる。傾斜板部56の、車幅方向軸RWと成す傾斜角は、引込板部55よりも大きくなるように形成され、より垂直に近い傾斜角となる。
さらに傾斜板部56の下端に、ステップ板部57の車幅方向内側端が接続される。この接続点を起点として、ステップ板部57は、傾斜板部56よりも車幅方向軸RWとの成す角度が小さい傾斜角にて、車幅方向外側に延設される。さらにステップ板部57の車幅方向外側端には、下端傾斜板部58の上端が接続される。この接続点を起点として、下端傾斜板部58は上方から下方に向かって、車幅方向内側から外側に向かって延設される。下端傾斜板部58の下端はフランジ51Bの上端に接続される。
さらにガイドブラケット50は、傾斜板部56及びステップ板部57に亘って、その厚さ方向に貫通された仮置き孔60が形成される。例えば図3に示されるように、仮置き孔60は傾斜板部56及びステップ板部57の車両前後方向の大部分(80%程度)に亘って穿孔される。例えば仮置き孔60の車両前後方向長さは、ルーフライニング34(図2参照)の突出片34Bの、車両前後方向長さより僅かに(例えば1.1倍程度)長くなるように形成される。
このように、仮置き孔60は、引込板部55よりもさらに車幅方向外側に設けられた傾斜板部56及びステップ板部57に設けられる。このような仮置き孔60の配置とすることで、カーテンシールドエアバッグ20の展開軌跡から仮置き孔60を離隔させることが出来る。
加えて仮置き孔60の下端縁62(開口エッジの下部分)は、傾斜板部56よりもさらに車幅方向外側に引き込んだステップ板部57内に設けられる。このような下端縁62の配置により、カーテンシールドエアバッグ20が下端縁62に接触することが効果的に抑制される。
図5には、ルーフライニング34を車室天井部の外板であるルーフパネル(図示せず)に締結する際のA-A断面が例示される。Cピラー25には、ガイドブラケット50が溶接等により接合されている。この状態で、ルーフライニング34の突出片34Bが、ガイドブラケット50の仮置き孔60に挿入される。ここで、ルーフライニング34の突出片34B、及び、ガイドブラケット50の仮置き孔60は、車室の車幅方向両側面にそれぞれ設けられている。一対の仮置き孔60,60に一対の突出片34B,34Bが挿入され引っ掛けられることで、ルーフライニング34の後方部分はルーフパネル近くの位置で仮置き(仮留め)される。
ルーフライニング34の後方部分が仮置きされた状態で、ルーフライニング34の前方部分が、クリップ等の締結部材を用いてルーフパネルに締結される。その後、ルーフライニング34の後方部分が、クリップ等の締結部材を用いてルーフパネルに締結される。この際、図4に例示されるように、仮置きされていたルーフライニング34の後方部分がルーフパネル側に持ち上げられ、ガイドブラケット50の引込板部55に上から押さえられるような配置となる。さらにその後、Cピラーガーニッシュ33がクリップ等の締結部材を用いて、Cピラー25に締結される。
<車室上部構造の別例>
上述した実施形態では、Cピラー25にガイドブラケット50を設け、これに対応するルーフライニング34の後方に突出片34Bが設けられていたが、本実施形態に係る車室上部構造は、この形態に限らない。
上述した実施形態では、Cピラー25にガイドブラケット50を設け、これに対応するルーフライニング34の後方に突出片34Bが設けられていたが、本実施形態に係る車室上部構造は、この形態に限らない。
例えばルーフライニング34の車両前後方向中央部分を仮置きする場合には、Bピラーにガイドブラケット50が設けられ、またルーフライニング34も車両前後方向中央部分の、車幅方向両側端に突出片34B,34Bが設けられる。
10 カーテンシールドエアバッグ装置、12 インフレータ、20 カーテンシールドエアバッグ、33 Cピラーガーニッシュ(車室側部カバー部材)、34 ルーフライニング(天井カバー部材)、34B 突出片、50 ガイドブラケット(ガイド部材)、51A,51B フランジ、52 張出板部、53 ガイド板部、55 引込板部、56 傾斜板部、57 ステップ板部、58 下端傾斜板部、60 仮置き孔、62 仮置き孔の下端縁。
Claims (2)
- 車室側部カバー部材の上方に、巻回状態で配置されるカーテンシールドエアバッグと、
前記車室側部カバー部材の上方であって、前記カーテンシールドエアバッグよりも下方かつ車幅方向外側に配置されるガイド部材と、
を備える車室上部構造であって、
前記ガイド部材は、
前記カーテンシールドエアバッグに面するとともに、上方から下方に向かって、車幅方向外側から内側に傾斜するガイド板部と、
前記ガイド板部の下端に接続され、車幅方向内側から外側に延設される引込板部と、
前記引込板部の車幅方向外側端に接続され、上方から下方に向かって、車幅方向内側から外側に延設される傾斜板部と、
を備え、
前記傾斜板部には、その厚さ方向に貫通され、天井カバー部材の突出片が引っ掛けられる仮置き孔が穿孔される、
車室上部構造。 - 請求項1に記載の車室上部構造であって、
前記ガイド部材は、前記傾斜板部の下端に接続され、前記傾斜板部よりも車幅方向軸との成す角度が小さい傾斜角にて車幅方向外側に延設されるステップ板部を備え、
前記仮置き孔の下端縁は、前記ステップ板部内に形成される、
車室上部構造。
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