JP2022147480A - 逆入力遮断クラッチおよびこれを備えるクラッチユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】逆入力トルクの入力時におけるブレーキ力の低下を抑制又は防止し得る逆入力遮断クラッチを提供する。【解決手段】出力軸22と静止部材(外輪23)との間の楔すきまGbに配された円筒ころ24が出力軸22及び外輪23と周方向で係合して出力軸22がロックされることにより、出力軸22に入力される逆入力トルクの入力側部材21への伝達が遮断される逆入力遮断クラッチであって、外輪23が環状部23aと筒部23bを一体に有するカップ状をなし、筒部23bの内周面23cで楔すきまGbが形成されるものにおいて、出力軸22に逆入力トルクが入力されていないとき、円筒ころ24と上記筒部23bの内周面23cとの間に、外輪23の筒部23bの開口側に向けてすきま幅が徐々に縮小した楔状の径方向すきま4を形成した。【選択図】図5

Description

本発明は、逆入力遮断クラッチおよびこれを備えるクラッチユニットに関する。
周知のように、逆入力遮断クラッチは、入力側部材に入力されるトルクを出力側部材(出力軸)に伝達する一方、出力軸に入力される逆入力トルクを遮断する(入力側部材に伝達しない)機能を有する。この逆入力遮断クラッチには、逆入力トルクに対して出力軸をロックする、「ロック型」と称される方式のものがある。下記の特許文献1には、例えば自動車の座席シートの座面高さを調整するシートリフタに組み込んで使用されるクラッチユニットであって、ロック型の逆入力遮断クラッチが組み込まれたクラッチユニットが記載されている。
図7(a)に、特許文献1に記載されているロック型の逆入力遮断クラッチを抜き出して示し、図7(b)に、図7(a)のP-P線矢視断面図を示す。図7(a)(b)に示す逆入力遮断クラッチ100は、入力側部材101に入力されるトルクを出力する出力軸102と、出力軸102の外周面に設けられた複数のカム面104との間に楔すきま(周方向両側に向けてすきま幅が徐々に縮小した楔すきま)106を形成する円筒状内周面105を有する静止部材としての外輪103と、各楔すきま106内に配され、入力側部材101の回転を出力軸102に伝達するトルク伝達部材としてのローラ(円筒ころ)107とを備え、入力側部材101および外輪103は出力軸102と同軸に配置されている。円筒ころ107は、各楔すきま106内に対をなすかたちで配されており、対をなす2つの円筒ころ107(107A,107B)間には、ばね等の弾性部材108が圧縮状態で配されている。入力側部材101には、軸方向に延びる柱部101aが周方向等間隔で形成されており、各柱部101aは、周方向で隣り合う楔すきま106の間に配置されている。そのため、入力側部材101は、一対の円筒ころ107を周方向等間隔で保持する保持器としても機能する。
上記の逆入力遮断クラッチ100において、入力側部材101にトルクが入力されていない状態では、各楔すきま106内に配された一対の円筒ころ107A,107Bが弾性部材108の弾性復元力によって楔すきま106の狭小部(周方向端部)に押し込まれている。そのため、図7(b)に示すように、出力軸102に逆入力トルクTが入力されても、出力軸102の回転方向後側の円筒ころ107Bが出力軸102及び外輪103と周方向で係合するため、出力軸102の回転が規制されたロック状態となる。従って、逆入力トルクTは、入力側部材101に伝達されない。
その一方、入力側部材101にトルクが入力されると、入力側部材101の柱部101aが、楔すきま106内に配された一対の円筒ころ107A,107Bのうち回転方向後側の円筒ころ107Bを弾性部材108の弾性復元力に抗して楔すきま106の広大部(周方向中央部)側に押し出すため、上記のロック状態が解除される。ロック状態が解除された後には、入力側部材101に入力されるトルクが円筒ころ107(107A)を介して出力軸102に伝達される。
特開2006-29524号公報
上記の逆入力遮断クラッチ100では、静止部材としての外輪103が、出力軸102の径方向に延び、出力軸102の外周に嵌合された環状部103aと、環状部103aの外周縁部(径方向外側の端部)から軸方向一方側に延びた筒部103bとを一体に有するカップ状の形態をなし、筒部103bの内周面(円筒状内周面)105で楔すきま106が形成される。この場合、出力軸102に逆入力トルクTが入力されるのに伴って円筒ころ107(107B)が楔すきま106の狭小部側にさらに押し込まれると、図8に示すように径方向外向きの荷重Zが円筒ころ107Bを介して外輪103の筒部103bに負荷されるため、筒部103bの開口寸法が拡大する方向に外輪103が変形することがある(図8中の点線を参照)。このような変形が外輪103に生じると、円筒ころ107と外輪103の筒部103bとの接触長さが減少し、円筒ころ107Bの拘束力が低下するため、逆入力遮断機能の機能低下(ブレーキ力の低下)を招来する可能性がある。
なお、外輪103の肉厚を増加させてカップ状をなした外輪103の剛性を高める、などといった外輪103の変形抑制(防止)対策を講じれば、前述したブレーキ力の低下問題が生じる可能性を可及的に低減し得る。しかしながら、係る対策を講じると、外輪103の重量化、高コスト化、加工性低下などといった別問題を招来する可能性がある。
そこで、本発明は、ロック型の逆入力遮断クラッチにおいて、係合子としての円筒ころが配される楔すきまを形成する静止部材の変形に起因したブレーキ力の低下を抑制又は防止可能とし、もって、信頼性に富む逆入力遮断クラッチを実現することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、入力側部材に入力されたトルクを出力する出力軸と、回転が規制された静止部材と、出力軸の外周面に設けられた複数のカム面と静止部材の内周面との間に形成される楔すきまに配された円筒ころとを備え、円筒ころが出力軸及び静止部材と出力軸の周方向で係合して出力軸がロックされることにより、出力軸に入力される逆入力トルクの入力側部材への伝達が遮断される逆入力遮断クラッチであって、静止部材が、出力軸の径方向に延びた環状部と、環状部の外周縁部から軸方向一方側に延びた筒部とを一体に有するカップ状をなし、筒部の内周面で楔すきまが形成されるものにおいて、出力軸に逆入力トルクが入力されていないとき、上記筒部の内周面と円筒ころとの間、及び上記カム面と円筒ころとの間の少なくとも一方に、軸方向一方側に向けてすきま幅が徐々に縮小した径方向すきまが形成されることを特徴とする。
係る構成を採用した場合、出力軸に逆入力トルクが入力されていない状態では、楔すきまのすきま幅(円筒ころを収容した空間の径方向寸法)が軸方向一方側(カップ状をなした静止部材の開口側)に向けて徐々に縮小する関係上、円筒ころと静止部材の筒部(および/または出力軸)とが静止部材の筒部の開口側で点接触した状態になるのに対し、出力軸に逆入力トルクが入力されるのに伴って静止部材の筒部の開口寸法が拡大する方向に静止部材が変形すると、円筒ころを静止部材及び出力軸の双方と線接触させることが可能となる。つまり、本発明に係る逆入力遮断クラッチにおいては、出力軸に逆入力トルクが入力されるのに伴ってカップ状をなした静止部材が変形したときに、円筒ころと静止部材及び出力軸との接触長さを確保することができるので、円筒ころの拘束力が低下するのを抑制又は防止することができる。これにより、逆入力遮断機能の機能低下、つまりブレーキ力の低下を抑制又は防止することができる。
なお、上記の径方向すきまを円筒ころと静止部材の筒部の内周面との間に形成する場合には、筒部の内周面を軸方向一方側に向けて徐々に縮径したテーパ状に形成することが考えられ、また、上記の径方向すきまを円筒ころとカム面との間に形成する場合には、カム面を軸方向一方側に向けて徐々に拡径したテーパ状に形成することが考えられる。
本発明は、例えば、軸方向一方側の端部が開口したカップ状部を一体に有し、このカップ状部の外周面にカム面が形成された出力軸が採用される逆入力遮断クラッチに好ましく適用し得る。
レバー操作により入力されるトルクの伝達及び遮断を制御する第1クラッチ部と、本発明に係る逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部とを備え、第1クラッチ部の出力(レバー操作により入力されるトルク)が逆入力遮断クラッチの入力側部材に入力されるクラッチユニットは、本発明に係る逆入力遮断クラッチが逆入力遮断機能を適切に発揮し得る信頼性に富むものであるから、逆入力トルクが頻繁に入力される用途、例えば自動車の座席シートの座面高さを調整するシートリフタに好ましく採用することができる。
以上から、本発明によれば、ロック型の逆入力遮断クラッチにおいて、係合子としての円筒ころが配される楔すきまを形成する静止部材の変形に起因したブレーキ力の低下を抑制又は防止することができる。これにより、信頼性に富むロック型の逆入力遮断クラッチを実現することができる。
本発明の第1実施形態に係る逆入力遮断クラッチを含むクラッチユニットの概略縦断面図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。 図1のC-C線矢視断面図である。 図1の部分拡大図であって、(a)図は、静止部材に逆入力トルクが入力されていない時の図、(b)図は、静止部材に逆入力トルクが入力されている時の図である。 本発明の第2実施形態に係る逆入力遮断クラッチの部分拡大図であって、(a)図は、静止部材に逆入力トルクが入力されていない時の図、(b)図は、静止部材に逆入力トルクが入力されている時の図である。 (a)図は、従来の逆入力遮断クラッチの概略縦断面図、(b)図は(a)図のP-P線矢視断面図である。 従来の逆入力遮断クラッチの問題点を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面(図1~図6)に基づいて説明する。
図1に、本発明の第1実施形態に係る逆入力遮断クラッチを含むクラッチユニット1の概略縦断面図を示し、図2~図4のそれぞれに、図1のA-A線断面図、B-B線断面図およびC-C線矢視断面図を示す。図1に示すクラッチユニット1は、例えば、自動車用座席シートの座面高さを調整するシートリフタに組み込んで使用されるものであって、第1クラッチ部10と、ロック型の逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20とを備える。以下、まずは第1クラッチ部10の構造を説明してから、第2クラッチ部20の構造を説明する。なお、以下の説明において方向性を示すために使用する「軸方向」、「径方向」および「周方向」とは、それぞれ、第2クラッチ部20(クラッチユニット1)の出力側部材を構成する出力軸22の軸心Xと平行な方向、軸心Xを中心とする円(出力軸22)の径方向、および軸心Xを中心とする円(出力軸22)の周方向である。
図1、図2および図4に示すように、第1クラッチ部10は、出力軸22の軸心X回りに回転可能な状態で出力軸22の外周に嵌合された側板11、外輪12および内輪13と、側板11を介して外輪12に入力されるトルクを内輪13に伝達する複数の係合子(円筒ころ)14と、複数の円筒ころ14を周方向等間隔で保持する保持器15と、第1センタリングばね16と、第1センタリングばね16の径方向外側に配置された第2センタリングばね17と、を備える。
外輪12は、内周面に複数のカム面12aが周方向等間隔で形成された筒部を有する。この外輪12は、シートリフタの操作レバー(図示省略)が取り付けられる側板11と適宜の手段で連結され、側板11とともに第1クラッチ部10の入力側部材を構成する。
出力軸22には、第1クラッチ部10(外輪12)と軸方向で係合可能な環状の抜け止め部材(例えば、ワッシャ)2が固定され、外輪12と抜け止め部材2の間には軸方向に圧縮変形可能な弾性部材(例えば、ウェーブワッシャ)3が介在している。これにより、外輪12(を含む第1クラッチ部10の入力側部材)が円滑に回転可能であると共に、出力軸22からの第1クラッチ部10の抜脱が防止される。
内輪13は、外輪12に設けられたカム面12aとの間に円筒ころ14が配された楔すきまGa(図2参照)を形成する円筒状の外周面13aを有する筒部13bと、筒部13bの軸方向一方側(図1の紙面左側。以下「軸方向一方側」という場合も同様。)の端部から径方向外側に延びた環状部13cと、環状部13cの外周縁部から軸方向一方側に延び、周方向等間隔で設けられた複数の柱部13d(図3参照)とを一体に有する。図3に示すように、周方向で隣り合う2つの柱部13dの間には、第2クラッチ部20の構成部品である一対の円筒ころ24及び弾性部材25の組が配置される。以上の構成を有する内輪13は、第1クラッチ部10の出力側部材として機能すると共に、第2クラッチ部20の入力側部材21としても機能する。従って、第1クラッチ部10に入力されるトルクは、この内輪13を介して第2クラッチ部20に入力される。
図2に示すように、保持器15は、複数の円筒ころ14を個別に収容する複数のポケット部15aが周方向等間隔で形成された筒状部材であり、その軸方向一方側の端部には、周方向に延びる円弧状の切欠き15bが2つ形成されている(図4参照)。このような切欠き15bが形成されていることにより、2つの切欠き15bの間に円弧状の爪部15cが形成されている。
図4に示すように、第1センタリングばね16は、周方向に延びる円弧部16aと、円弧部16aの周方向一方側および他方側の端部を径方向内側に屈曲させることで形成された一対の係止部16bとを一体に有する略C字形状の弾性部材である。この第1センタリングばね16は、一対の係止部16bの間に保持器15の爪部15cおよび第2クラッチ部20の静止部材(外輪)23に形成された内側爪部23dが介挿されるようにして保持器15の径方向外側に配置されている。
そして、外輪12にトルクが入力されると、第1センタリングばね16の一方の係止部16bが保持器15の爪部15cと周方向で係合すると共に、第1センタリングばね16の他方の係止部16bが第2クラッチ部20の外輪23に形成された内側爪部23dと周方向に係合した状態で、保持器15が外輪12とともに出力軸22の軸心X回りに回転する。これに伴い、第1センタリングばね16は拡径方向(一対の係止部16bの周方向離間距離が拡大する方向)に弾性変形するので、第1センタリングばね16に縮径方向の弾性復元力が蓄積される。そのため、外輪12に入力されているトルクが解放されると、第1センタリングばね16が弾性復元力によって図4に示す初期状態に戻るのに伴い、保持器15が中立状態に復帰する。
図4に示すように、第2センタリングばね17は、周方向に延びる円弧部17aと、円弧部17aの周方向一方側および他方側の端部を径方向外側に屈曲させることで形成された一対の係止部17bとを一体に有する略C字形状の弾性部材である。この第2センタリングばね17は、一対の係止部17bの間に外輪12に形成された爪部12b及び第2クラッチ部20の外輪23に形成された外側爪部23eが介挿されるようにして、第1クラッチ部10の外輪12と第2クラッチ部20の外輪23の間に配置される。なお、第2センタリングばね17は、係止部17bが第1センタリングばね16の係止部16bに対して周方向にずれた位置に位置するように配置される。
そして、外輪12にトルクが入力されると、第2センタリングばね17に設けられた一対の係止部17bのうち、一方の係止部17bが外輪21の爪部12bと周方向で係合すると共に、他方の係止部17bが第2クラッチ部20の外輪23に形成された外側爪部23eと周方向に係合した状態で外輪12が出力軸22の軸心X回りに回転する。これに伴い、第2センタリングばね17は拡径方向(一対の係止部17bの周方向離間距離が拡大する方向)に弾性変形するので、第2センタリングばね17に縮径方向の弾性復元力が蓄積される。そのため、外輪12に入力されているトルクが解放され、第2センタリングばね17が弾性復元力によって図4に示す初期状態に戻るのに伴い、外輪12は中立状態に復帰する。
次に、逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20について説明する。
図1及び図3に示すように、第2クラッチ部20は、第1クラッチ部10からトルクが入力される入力側部材21と、入力側部材21に入力されるトルクを出力する出力側部材としての出力軸22と、回転が規制された静止部材を構成する外輪23、側板26及び摩擦リング27と、出力軸22と外輪23の間に配された複数の係合子(円筒ころ)24及び弾性部材25とを備え、入力側部材21は、前述したとおり、第1クラッチ部10の内輪13で構成される。
出力軸22は、内輪13の環状部13cの軸方向一方側に隣接配置されて径方向に延びた環状部22aと、環状部22aの外周縁部から軸方向一方側に延びた筒部22bとが一体的に設けられたカップ状部を一体に有し、筒部22b(カップ状部)の外周面には複数(ここでは8つ)の平坦なカム面22cが周方向等間隔で形成されている。出力軸22の環状部22aには、複数(例えば、6つ)の孔部22dが周方向等間隔で形成されており、各孔部22dには、内輪13の環状部13cに形成された突起13eが所定のクリアランスをもって嵌合されている。
外輪23は、径方向に延び、内輪13の筒部13bを介して出力軸22の外周に嵌合された環状部23aと、環状部23aの外周縁部から軸方向一方側に延びた筒部23bとを一体に有するカップ状をなす。筒部23bの内周面23cは、出力軸22の筒部22bの外周面に設けられたカム面22cとの間に、一対の円筒ころ24と、一対の円筒ころ24の間に圧縮状態で介在する弾性部材(板ばね)25とが配された楔すきまGbを形成している。前段で図4を参照して説明したように、外輪23の環状部23aには、第1センタリングばね16の係止部16bと周方向で係合する内側爪部23dと、第2センタリングばね17の係止部17bと周方向で係合する外側爪部23eとが形成されている。
側板26は、出力軸22が挿通される中心孔と、軸方向他方側に突出するように形成された環状突起26aと、クラッチユニット1を取付対象(ここでは、自動車用座席シート)に対してボルト止めするためのボルト孔(図示省略)とを有する環状部材であり、出力軸22の筒部22bと外輪23の筒部23bの間に形成される開口部に環状突起26aを配置した状態で外輪23と連結されている。これにより、出力軸22の筒部22bと外輪23の筒部23bの間(楔すきまGb)に配された複数の円筒ころ24及び弾性部材25の脱落が防止される。
摩擦リング27は、周方向に沿って凸部と凹部を交互に配した環状形態をなす樹脂部品であり、凸部の外周面を出力軸22の筒部22bの内周面に圧接させた状態で側板26に固定されている。このような摩擦リング27が設けられていることにより、出力軸22に回転抵抗が付与されるので、入力側部材21にトルクが入力されたときに出力軸22が必要以上に回転するのを防止することができる。
以上の構成を有する本実施形態のクラッチユニット1は以下のように動作する。
まず、第1クラッチ部10では、図示外の操作レバーが操作(回動操作)されることにより側板11を介して外輪12にトルクが入力されると、外輪12と内輪13の間の楔すきまGaに円筒ころ14が係合するので、円筒ころ14を介して内輪13にトルクが伝達されて内輪13が回転する。このとき、外輪12及び保持器15の回転に伴って両センタリングばね16,17に弾性復元力が蓄積される。レバー操作が停止されて外輪12にトルクが入力されなくなると、両センタリングばね16,17の弾性復元力によって外輪12および保持器15は中立状態に復帰する一方で、内輪13は与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、レバー操作により内輪13は寸動回転する。
一方、第2クラッチ部20では、出力軸22に逆入力トルクT(図3参照)が入力されると、出力軸22の筒部22bの外周面に形成されたカム面22cと外輪23の筒部23bの内周面23cとの間の楔すきまGb内で弾性部材25の弾性復元力により楔すきまGbの狭小部(周方向両端部)に押し込まれた一対の円筒ころ24(24A,24B)のうち、相対的に出力軸22の回転方向後側に位置する円筒24(ここでは24B)が出力軸22(のカム面22c)及び外輪23(の内周面23c)と周方向で係合するので、出力軸22が外輪23に対してロックされる(出力軸22の回転が規制されるロック状態になる)。これにより、出力軸22に入力される逆入力トルクTが入力側部材21、ひいては第1クラッチ部10に伝達(還流)されなくなる。
上記のロック状態で、第1クラッチ部10の外輪12へのトルク入力に伴って内輪13が回転し、内輪13の柱部13dが弾性部材25の弾性復元力に抗して円筒ころ24(24B)を押圧すると、円筒ころ24(24B)が楔すきまGbの狭小部から離脱するので、上記のロック状態が解除される。そして、内輪13がさらに回転すると、内輪13の環状部13cに設けられた突起13eと出力軸22の環状部22aに設けられた孔部22dの間のクリアランスが詰まって内輪13が出力軸22と周方向で係合するので、内輪13のトルクが突起13eを介して出力軸22に伝達される。これにより、出力軸22が回転する。
以上で説明した本実施形態のクラッチユニット1のうち、逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20で採用している特徴的構成について、図1の部分拡大図である図5(a)(b)を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態の特徴的構成は、図5(a)にのみ示しており、図1には示していない。
図5(a)に示すように、本実施形態の第2クラッチ部20では、出力軸22に逆入力トルクT(図3参照)が入力されていないときに、楔すきまGb内に配された円筒ころ24と外輪23の筒部23bの内周面23cとの間に軸方向他方側から軸方向一方側(外輪23の開口側)に向けてすきま幅が徐々に縮小した楔状の径方向すきま4が形成されるようにしている。ここでは、筒部23b全体を、軸方向他方側から軸方向一方側に向けて径方向内側にシフトするように軸方向に対して所定角度θ傾斜したテーパ状に形成することにより、上記の径方向すきま4を形成している。そのため、図5(a)に示すように出力軸22に逆入力トルクTが入力されていない状態では、円筒ころ24(24B)と出力軸22の筒部22bとの接触状態が線接触状態にあるのに対し、円筒ころ24と外輪23の筒部23bとの接触状態は点接触状態(詳細には、外輪23の開口側で円筒ころ24と外輪23の筒部23bとが点接触した状態)にある。ここで言う「線接触状態」および「点接触状態」とは、縦断面で見たときの接触状態である(以下同様)。
なお、上記の径方向すきま4は、外輪23の筒部23bの内周面23cのみを上記同様のテーパ状に形成することによっても形成し得る。
内周面で楔すきまGbを形成する外輪23がカップ状をなす本実施形態の第2クラッチ部20では、図7および図8を参照して説明したとおり、出力軸22に逆入力トルクTが入力されるのに伴って円筒ころ24(24B)が楔すきまGbの狭小部側にさらに押し込まれると、径方向外向きの荷重が円筒ころ24Bを介して外輪23の筒部23bに負荷されるため、筒部23bの開口寸法が拡大する方向に外輪23が変形することがある。このような変形が外輪23に生じる場合に何らの対策も講じられていなければ、円筒ころ24Bと外輪23の筒部23bとの接触状態が点接触状態(詳細には、外輪23の筒部23bの反開口側で点接触した状態)となり、円筒ころ24Bと外輪23の筒部23bの接触長さが減少する。これにより、円筒ころ24Bの拘束力、すなわち逆入力遮断機能の機能低下(ブレーキ力の低下)を招来する可能性がある。
一方、本実施形態のように、出力軸22に逆入力トルクTが入力されていない状態で、図5(a)に示すような楔状の径方向すきま4が円筒ころ24と外輪23の筒部23bとの間に形成されるようにしておけば、出力軸22に逆入力トルクTが入力されていない状態では、楔すきまGbのすきま幅(円筒ころ24を収容した空間の径方向寸法)が軸方向一方側に向けて徐々に縮小する関係上、円筒ころ24(24B)と外輪23の筒部23bとが筒部23bの開口側で点接触した状態になるものの、出力軸22に逆入力トルクTが入力されるのに伴って外輪23が変形すると、図5(b)に示すように、円筒ころ24(24B)を外輪23の筒部23b及び出力軸22の筒部22bの双方に対して線接触させることが可能となる。そのため、出力軸22に逆入力トルクTが入力されるのに伴って外輪23が変形したときには、円筒ころ24(24B)と外輪23及び出力軸22との接触長さを確保することができるので、外輪23及び出力軸22による円筒ころ24(24B)の拘束力の低下を抑制又は防止することができる。これにより、逆入力遮断機能の機能低下、つまりブレーキ力の低下を抑制又は防止することができる。
図6(a)(b)に、本発明の第2実施形態に係る逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20の部分拡大図を示す。この実施形態が、以上で説明した第1実施形態に係る逆入力遮断クラッチと異なる点は、図6(a)に示すように、出力軸22の筒部22bの外周面(カム面22c)を、軸方向他方側から軸方向一方側に向けて径方向外側にシフトするように軸方向に対して所定角度θ傾斜したテーパ状に形成することにより、上記の径方向すきま4を形成した点にある。そのため、出力軸22に逆入力トルクTが入力されていない状態では、図6(a)に示すように、円筒ころ24(24B)と外輪23の筒部23bとの接触状態が線接触状態にあるのに対し、円筒ころ24(24B)と出力軸22の筒部22bとの接触状態は点接触状態(詳細には、外輪23の開口側で円筒ころ24と出力軸22の筒部22bとが点接触した状態)にある。
係る構成を採用した場合でも、第1実施形態に係る逆入力遮断クラッチと同様の作用効果を奏し得る。すなわち、出力軸22に逆入力トルクT(図3参照)が入力されていない状態では、楔すきまGbのすきま幅(円筒ころ24を収容した空間の径方向寸法)が軸方向一方側に向けて徐々に縮小する関係上、円筒ころ24(24B)と出力軸22の筒部22bとが外輪23の開口側で点接触した状態になるのに対し、出力軸22に逆入力トルクTが入力されるのに伴って外輪23がその開口寸法が拡大する方向に変形すると、図6(b)に示すように、円筒ころ24(24B)を外輪23の筒部23b及び出力軸22の筒部22bの双方に対して線接触させることが可能となる。そのため、出力軸22に逆入力トルクTが入力されるのに伴って外輪23が変形したときには、円筒ころ24(24B)と外輪23の筒部23b及び出力軸22の筒部22bとの接触長さを確保することができるので、外輪23による円筒ころ24(24B)の拘束力の低下を抑制又は防止することができる。これにより、逆入力遮断機能の機能低下、つまりブレーキ力の低下を抑制又は防止することができる。
なお、出力軸22の筒部22b全体を軸方向他方側から軸方向一方側に向けて径方向外側にシフトしたテーパ状に形成することにより、円筒ころ24の径方向内側(円筒ころ24と出力軸22の筒部22bとの間)に上記の径方向すきま4を形成することも可能である。但し、この場合には、出力軸22の筒部22bの径方向内側に配置される摩擦リング27との摺動面となる筒部22bの内周面もテーパ状に形成されるため、摩擦リング27の外周面も筒部22bの内周面形状に倣ったテーパ状に形成しなければ、出力軸22に所望の回転抵抗を付与することができなくなる懸念がある。そのため、円筒ころ24と出力軸22の筒部22bとの間に上記の径方向すきま4を形成する場合には、図6に示すように、出力軸22の筒部22bに設けるカム面22cをテーパ状に形成するのが好ましい。
以上では、円筒ころ24が配された楔すきまGbを形成する対向二面(外輪23の筒部23bの内周面23c、及び出力軸22の筒部22bの外周面に設けたカム面22c)の何れか一方をテーパ状に形成することにより、上記の径方向すきま4を形成するようにしたが、楔すきまGbを形成する対向二面23c,22cの双方を上述したようなテーパ状に形成し、出力軸22に逆入力トルクTが入力されていないときに、径方向すきま4が円筒ころ24の径方向外側及び径方向内側の双方に形成されるようにしても構わない。
また、以上で説明した逆入力遮断クラッチを含むクラッチユニット1は、自動車用座席シートの座面高さを調整するシートリフタ以外にも、例えば、電動スライドドア、パワーウィンドウ、電動ステアリング等の駆動機構に組み込むことが可能である。
以上、本発明の実施形態に係る逆入力遮断クラッチ(第2クラッチ部20)を含むクラッチユニット1について説明したが、本発明は以上で説明した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは言うまでもない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 クラッチユニット
4 楔状の径方向すきま
10 第1クラッチ部
13 内輪
20 第2クラッチ部(逆入力遮断クラッチ)
21 入力側部材
22 出力軸
22b 筒部
22c カム面
23 外輪(静止部材)
23a 環状部
23b 筒部
24 円筒ころ
25 弾性部材
Ga 楔すきま
Gb 楔すきま

Claims (3)

  1. 入力側部材に入力されるトルクを出力する出力軸と、回転が規制された静止部材と、前記出力軸の外周面に設けられた複数のカム面と前記静止部材の内周面との間に形成される楔すきまに配された円筒ころとを備え、該円筒ころが前記出力軸及び前記静止部材と前記出力軸の周方向で係合して前記出力軸がロックされることにより、前記出力軸に入力される逆入力トルクの前記入力側部材への伝達が遮断される逆入力遮断クラッチであって、
    前記静止部材が、前記出力軸の径方向に延びた環状部と、該環状部の外周縁部から軸方向一方側に延びた筒部とを一体に有するカップ状をなし、前記筒部の内周面で前記楔すきまが形成されるものにおいて、
    前記出力軸に逆入力トルクが入力されていないとき、前記円筒ころと前記筒部の内周面との間、及び前記円筒ころと前記カム面との間の少なくとも一方に、軸方向一方側に向けてすきま幅が徐々に縮小した楔状の径方向すきまが形成されることを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記出力軸が、軸方向一方側の端部が開口したカップ状部を一体に有し、該カップ状部の外周面に前記カム面が形成されている請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. レバー操作により入力されるトルクの伝達および遮断を制御する第1クラッチ部と、請求項1又は2に記載の逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部とを備え、前記第1クラッチ部の出力が前記入力側部材に入力されるクラッチユニット。
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