JP2023018310A - 逆入力遮断クラッチ及びこれを備えるクラッチユニット - Google Patents

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Takatoshi Nakamura
康雅 日比
Yasumasa Hibi
恭兵 笹沼
Kyohei Sasanuma
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Abstract

【課題】逆入力遮断機能を適切に発揮可能とする。【解決手段】静止部材に対する出力軸22の回転がロックされることにより出力軸22に入力される逆入力トルクが遮断される逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20において、軸方向で互いに対向する入力側部材21としての内輪13の端面13f及び出力軸22の端面22eの何れか一方(例えば、端面22e)に、他方側に突出して上記他方と接触する凸部5を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、逆入力遮断クラッチ及びこれを備えるクラッチユニットに関する。
逆入力遮断クラッチは、入力側部材に入力されるトルクを出力側部材としての出力軸に伝達する一方、出力軸に入力される逆入力トルクを遮断する(入力側部材に伝達しない)機能を有する。この逆入力遮断クラッチには、逆入力トルクに対して出力軸をロックする、「ロック型」と称される方式のものがある。例えば、特許第5207779号公報(特許文献1)には、自動車の座席シートの座面高さを調整するシートリフタに組み込んで使用されるクラッチユニットであって、ロック型の逆入力遮断クラッチが組み込まれたクラッチユニットが記載されている。
図7(a)に、従来のロック型の逆入力遮断クラッチを抜き出して示し、図7(b)に、図7(a)のP-P線矢視断面図を示す。図7(a)(b)に示す逆入力遮断クラッチ100は、レバー操作に伴ってトルクが入力される入力側部材101と、入力側部材101に入力されたトルクを出力する出力側部材としての出力軸102と、出力軸102の外周面に設けられた複数のカム面104との間に楔すきま(周方向両側に向けてすきま幅が徐々に縮小した楔すきま)106を形成する円筒状内周面105を有する静止部材としての外輪103と、各楔すきま106内に配された係合子(トルク伝達部材)としての円筒ころ107とを備え、入力側部材101、出力軸102及び外輪103は同軸に配置されている。円筒ころ107は、各楔すきま106内に対をなすかたちで配されており、一対の円筒ころ107(107A,107B)間には、ばね等の弾性部材108が周方向に圧縮された状態で介在している。入力側部材101には軸方向に延びる複数の柱部101aが周方向等間隔で形成されており、各柱部101aは、周方向で隣り合う楔すきま106の間に配されている。そのため、入力側部材101は、一対の円筒ころ107及び弾性部材108の組を周方向等間隔で保持する保持器としても機能する。
上記の逆入力遮断クラッチ100において、入力側部材101へのトルク入力がない状態[図7(b)参照]では、各楔すきま106内に配された一対の円筒ころ107A,107Bが弾性部材108の弾性復元力によって楔すきま106の狭小部(周方向端部)に押し込まれている。そのため、図7(b)に示すように、出力軸102に逆入力トルクT’が入力されても、出力軸102の回転方向後側の円筒ころ107Bが出力軸102及び外輪103と周方向で係合するため、出力軸102がロックされる。このロック状態では、逆入力トルクT’が入力側部材101に伝達されない。
その一方、入力側部材101にトルクTが入力されると、入力側部材101の各柱部101aが、各楔すきま106に配された一対の円筒ころ107のうちの一方の円筒ころ107Bを弾性部材108の弾性復元力に抗して他方の円筒ころ107A側に押圧するため、円筒ころ107Bと出力軸102及び外輪103との係合状態(上記のロック状態)が解除される。このロック解除状態では、入力側部材101に入力されるトルクTが円筒ころ107Aを介して出力軸102に伝達可能となる。なお、入力側部材101へのトルク入力がなくなると、一対の円筒ころ107間に介在する弾性部材108の弾性復元力が円筒ころ107Bを介して入力側部材101の柱部101aに作用する。これにより、入力側部材101が中立位置(柱部101aが円筒ころ107Bを押圧しない位置)に復帰し、ロック解除状態にあった逆入力遮断クラッチ100がロック状態に移行する。
特許第5207779号公報
上記の逆入力遮断クラッチ100においては、弾性部材108の弾性復元力(によるトルク)よりも大きな内部抵抗が生じる場合がある。この場合、弾性部材108の周方向両側に配された一対の円筒ころ107A,107Bを楔すきま106の適正位置まで押し込む(入力側部材101を中立位置に復帰させる)ことができず、いわゆる甘噛み状態となる。この状態で出力軸102に逆入力トルクT’が入力されると、出力軸102の回転を適切に規制すること、つまり逆入力遮断機能を適切に発揮することができず、逆入力遮断クラッチ100の信頼性を損ねる結果となる。
そこで、本発明は、ロック型の逆入力遮断クラッチにおいて、入力側部材に入力されたトルクが除荷された時に入力側部材を中立位置に確実に復帰させることを可能とし、もって、逆入力遮断機能を適切に発揮することができて信頼性に富む逆入力遮断クラッチを実現することを目的とする。
本発明者らが検証を重ねた結果、前述した大きな内部抵抗は、出力軸102とその回転伝達対象との間でトルクが伝達される際に出力軸102が軸方向に対して傾き、その結果、入力側部材101と出力軸102が広範に亘って接触した状態で入力側部材101と出力軸102が相対回転する(両者101,102間で大きな摺動抵抗が生じる)ことを原因の一つとして発生することが確認された。そこで、入力側部材101及び出力軸102の機能性を損なうことなく、両者101,102の接触面積を低減することができれば、逆入力遮断クラッチ100の動作時に生じる内部抵抗を減じ、入力側部材に入力されたトルクが除荷された時に入力側部材を中立位置に適切に復帰させることができると考えられる。
上記の知見に基づいて創案された本発明は、
トルクが入力される入力側部材と、上記トルクを出力可能な出力軸と、回転が規制された静止部材とを備え、
静止部材の内周面との間に楔すきまを形成する複数のカム面が出力軸の外周面に周方向に間隔を空けて設けられ、各楔すきま内に、一対の係合子と、周方向に圧縮された状態で一対の係合子間に介在する弾性部材とが配設され、
弾性部材の弾性復元力を受けた一対の係合子が出力軸及び静止部材と周方向で係合することにより、出力軸に入力される逆入力トルクの入力側部材への伝達が遮断されるロック状態となり、入力側部材へのトルク入力に伴って、周方向で隣り合う楔すきま間に配された入力側部材の柱部が一対の係合子のうちの一方を上記弾性復元力に抗して他方の係合子側に押圧することにより、上記ロック状態が解除される逆入力遮断クラッチにおいて、
軸方向で互いに対向する前記入力側部材の端面及び前記出力軸の端面の何れか一方に、他方側に突出して他方と接触する凸部を設けたことを特徴とする。
係る構成を有する逆入力遮断クラッチによれば、入力側部材と出力軸とが軸方向で接触するときには、上記一方の端面に設けた凸部を他方の端面に対して優先的に接触させることができる。そのため、凸部を上記一方の端面に比べて十分に小さく形成しておけば、入力側部材と出力軸の接触面積を小さくして両者間で生じる摺動抵抗、つまり当該クラッチの動作時に生じる内部抵抗を低減することができる。これにより、入力側部材に入力されたトルクが除荷された後には、入力側部材を中立位置に適切に復帰させること、つまり当該クラッチをロック解除状態からロック状態に適切に移行させることが可能となる。
上記の凸部は、周方向の複数箇所に配置するのが好ましく、周方向等間隔で配置するのが一層好ましい。
レバー操作により入力されるトルクの伝達及び遮断を制御する第1クラッチ部と、本発明に係る逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部とを備え、第1クラッチ部の出力(レバー操作により入力されるトルク)が逆入力遮断クラッチの入力側部材に入力されるクラッチユニットは、本発明に係る逆入力遮断クラッチが逆入力遮断機能を適切に発揮し得る信頼性に富むものであるから、逆入力トルクが頻繁に入力される用途、例えば自動車の座席シートの座面高さを調整するシートリフタに好ましく採用することができる。
以上から、本発明によれば、ロック型の逆入力遮断クラッチにおいて、入力側部材に入力されたトルクが除荷されると、入力側部材を中立位置に適切に復帰させることが可能となる。これにより、逆入力遮断機能を適切に発揮することができて信頼性に富む逆入力遮断クラッチを実現することができる。
本発明の一実施形態に係る逆入力遮断クラッチを含むクラッチユニットの概略縦断面図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。 図1のC-C線矢視断面図である。 (a)図は、図1に示すクラッチユニットに組み込まれた出力軸の概略斜視図、(b)図は、同出力軸の概略正面図である。 本発明の他の実施形態に係る逆入力遮断クラッチを構成する入力側部材の概略斜視図である。 (a)図は、従来の逆入力遮断クラッチの概略縦断面図、(b)図は(a)図のP-P線矢視断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面(図1~図6)に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る逆入力遮断クラッチを含むクラッチユニット1の概略縦断面図を示し、図2~図4のそれぞれに、図1のA-A線断面図、B-B線断面図及びC-C線矢視断面図を示す。図1に示すクラッチユニット1は、例えば、自動車用座席シートの座面高さを調整するシートリフタに組み込んで使用されるものであって、第1クラッチ部10と、ロック型の逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20とを備える。以下、まずは第1クラッチ部10の構造を説明してから、第2クラッチ部20の構造を説明する。なお、以下の説明において方向性を示すために使用する「軸方向」、「径方向」及び「周方向」とは、それぞれ、第2クラッチ部20(クラッチユニット1)の出力側部材を構成する出力軸22の軸心Xと平行な方向、軸心Xを中心とする円(出力軸22)の径方向、及び軸心Xを中心とする円の周方向である。
図1、図2及び図4に示すように、第1クラッチ部10は、出力軸22の軸心X回りに回転可能な状態で出力軸22の外周に嵌合された側板11、外輪12及び内輪13と、側板11を介して外輪12に入力されるトルクを内輪13に伝達する複数の係合子(円筒ころ)14と、複数の円筒ころ14を周方向等間隔で保持する保持器15と、第1センタリングばね16と、第1センタリングばね16の径方向外側に配置された第2センタリングばね17と、を備える。
外輪12は、内周面に複数のカム面12aが周方向等間隔で形成された筒部を有する。この外輪12は、シートリフタの操作レバー(図示省略)が取り付けられる側板11と適宜の手段で連結され、側板11とともに第1クラッチ部10の入力側部材を構成する。
出力軸22には、第1クラッチ部10(外輪12)と軸方向で係合可能な環状の抜け止め部材(例えば、ワッシャ)2が固定され、外輪12と抜け止め部材2の間には軸方向に圧縮変形可能な弾性部材(例えば、ウェーブワッシャ)3が介在している。これにより、外輪12(を含む第1クラッチ部10の入力側部材)が円滑に回転可能であると共に、出力軸22からの第1クラッチ部10の抜脱が防止される。
内輪13は、外輪12の内周面に設けられたカム面12aとの間に円筒ころ14が配された楔すきまGa(図2参照)を形成する円筒状の外周面13aを有する筒部13bと、筒部13bの軸方向一方側(図1の紙面左側。以下「軸方向一方側」という場合も同様。)の端部から径方向外側に延びたフランジ部13cと、フランジ部13cの外周縁部から軸方向一方側に延び、周方向等間隔で設けられた複数の柱部13d(図3参照)とを一体に有する。図3に示すように、周方向で隣り合う2つの柱部13dの間には、第2クラッチ部20の構成部品である一対の係合子(円筒ころ)24及び弾性部材25の組が配置される。以上の構成を有する内輪13は、第1クラッチ部10の出力側部材として機能すると共に、第2クラッチ部20の入力側部材21としても機能する。従って、第1クラッチ部10に入力されるトルクは、この内輪13を介して第2クラッチ部20に入力される。
図2に示すように、保持器15は、円筒ころ14を収容する複数のポケット部15aが周方向等間隔で形成された筒状部材であり、その軸方向一方側の端部には、周方向に延びる円弧状の切欠き15bが2つ形成されている(図4参照)。このような切欠き15bが形成されていることにより、2つの切欠き15bの間に円弧状の爪部15cが形成されている。
図4に示すように、第1センタリングばね16は、周方向に延びる円弧部16aと、円弧部16aの周方向一方側及び他方側の端部を径方向内側に屈曲させることで形成された一対の係止部16bとを一体に有する略C字形状の弾性部材である。この第1センタリングばね16は、一対の係止部16bの間に保持器15の爪部15c及び第2クラッチ部20の静止部材(外輪)23に形成された内側爪部23dが介挿されるようにして保持器15の径方向外側に配置されている。
そして、側板11に取り付けられた操作レバーを操作することで外輪12にトルクが入力されると、第1センタリングばね16の一方の係止部16bが保持器15の爪部15cと周方向で係合すると共に、第1センタリングばね16の他方の係止部16bが第2クラッチ部20の外輪23に形成された内側爪部23dと周方向に係合した状態で、保持器15が外輪12とともに出力軸22の軸心X回りに回転する。これに伴い、第1センタリングばね16は拡径方向(一対の係止部16bの周方向離間距離が拡大する方向)に弾性変形するので、第1センタリングばね16に縮径方向の弾性復元力が蓄積される。そのため、レバー操作が停止されることで外輪12に入力されているトルクが解放されると、第1センタリングばね16が弾性復元力によって図4に示す初期状態に戻るのに伴い、保持器15が中立位置に復帰する。
図4に示すように、第2センタリングばね17は、周方向に延びる円弧部17aと、円弧部17aの周方向一方側及び他方側の端部を径方向外側に屈曲させることで形成された一対の係止部17bとを一体に有する略C字形状の弾性部材である。この第2センタリングばね17は、一対の係止部17bの間に外輪12に形成された爪部12b及び第2クラッチ部20の外輪23に形成された外側爪部23eが介挿されるようにして、第1クラッチ部10の外輪12と第2クラッチ部20の外輪23の間に配置される。なお、第2センタリングばね17は、係止部17bが第1センタリングばね16の係止部16bに対して周方向にずれた位置に位置するように配置される。
そして、操作レバーを操作することで外輪12にトルクが入力されると、第2センタリングばね17に設けられた一対の係止部17bのうち、一方の係止部17bが外輪21の爪部12bと周方向で係合すると共に、他方の係止部17bが第2クラッチ部20の外輪23に形成された外側爪部23eと周方向に係合した状態で外輪12が出力軸22の軸心X回りに回転する。これに伴い、第2センタリングばね17は拡径方向(一対の係止部17bの周方向離間距離が拡大する方向)に弾性変形するので、第2センタリングばね17に縮径方向の弾性復元力が蓄積される。そのため、レバー操作が停止されることで外輪12に入力されているトルクが解放され、第2センタリングばね17が弾性復元力によって図4に示す初期状態に戻るのに伴い、外輪12は中立位置に復帰する。
次に、逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20について説明する。
図1及び図3に示すように、第2クラッチ部20は、第1クラッチ部10からトルクが入力される入力側部材21と、入力側部材21に入力されるトルクを出力可能な出力側部材としての出力軸22と、回転が規制された静止部材を構成する外輪23、側板26及び摩擦リング27と、出力軸22と外輪23の間に配された複数の係合子(円筒ころ)24及び弾性部材25とを備える。入力側部材21は、前述したとおり、第1クラッチ部10の内輪13で構成される。
出力軸22は、内輪13のフランジ部13cの軸方向一方側に隣接配置されたフランジ部22aと、フランジ部22aの外周縁部から軸方向一方側に延びた筒部22bとが一体的に設けられたカップ状部を一体に有し、筒部22b(カップ状部)の外周面には複数の平坦なカム面22cが周方向等間隔で形成されている。また、出力軸22は、その回転(出力)を回転伝達対象に対して伝達するためのギヤ部22fを有する。
図5(a)(b)にも示すように、出力軸22のフランジ部22aには、軸方向他方側に突出した複数(ここでは、8つ)の突起22dが周方向に間隔を空けて設けられており、各突起22dは、内輪13のフランジ部13cに形成された孔部13eに対して所定のクリアランスをもって嵌合している。なお、図示例の形態とは逆に、突起を内輪13のフランジ部13cに形成し、この突起がクリアランスをもって嵌合される孔部を出力軸22のフランジ部22aに形成することも可能である。
外輪23は、径方向に延び、内輪13の筒部13bを介して出力軸22の外周に嵌合されたフランジ部23aと、フランジ部23aの外周縁部から軸方向一方側に延びた筒部23bとを一体に有する。筒部23bの内周面23cは円筒面状に形成され、出力軸22の筒部22bの外周面に設けられたカム面22cとの間に楔すきまGbを形成する。各楔すきまGbには、一対の係合子(円筒ころ)24と、周方向に圧縮された状態で一対の円筒ころ24の間に介在する弾性部材(板ばね)25とが配設されている。前述したように、外輪23のフランジ部23aには、第1センタリングばね16の係止部16bと周方向で係合する内側爪部23dと、第2センタリングばね17の係止部17bと周方向で係合する外側爪部23eとが形成されている。
側板26は、出力軸22が挿通される中心孔と、軸方向他方側に向けて突設された環状突起26aと、クラッチユニット1を取付対象(ここでは、自動車用座席シート)に対してボルト止めするためのボルト孔(図示省略)とを有する円板状の部材であり、出力軸22の筒部22bと外輪23の筒部23bの間に形成される開口部に環状突起26aを配置した状態で外輪23と連結されている。これにより、出力軸22の筒部22bと外輪23の筒部23bの間(楔すきまGb)に配された円筒ころ24及び弾性部材25の脱落が防止される。
摩擦リング27は、周方向に沿って凸部と凹部を交互に配した環状の樹脂部品であり、凸部の外周面を出力軸22の筒部22bの内周面に圧接させた状態で側板26に固定されている。このような摩擦リング27が設けられていることにより、出力軸22に回転抵抗が付与されるので、入力側部材21にトルクが入力されたときに出力軸22が必要以上に回転するのを防止することができる。
以上の構成を有する本実施形態のクラッチユニット1は以下のように動作する。
まず、第1クラッチ部10において、図示しない操作レバーが操作されることにより側板11を介して外輪12にトルクが入力されると、外輪12と内輪13の間の楔すきまGaに円筒ころ14が係合するので、円筒ころ14を介して内輪13にトルクが伝達されて内輪13が回転する。このとき、外輪12及び保持器15の回転に伴って両センタリングばね16,17に弾性復元力が蓄積される。レバー操作が停止されて外輪12へのトルク入力がなくなると、両センタリングばね16,17の弾性復元力によって外輪12及び保持器15は中立状態に復帰する一方で、内輪13は与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、レバー操作により内輪13は寸動回転する。
一方、第2クラッチ部20において、入力側部材21としての内輪13へのトルク入力がなく、内輪13の柱部13dが中立位置に位置した状態(図3参照)では、周方向に圧縮された状態で楔すきまGb内に介在する弾性部材25の弾性復元力により、弾性部材25の周方向両側に配された一対の円筒ころ24(24A,24B)が楔すきまGbの狭小部(周方向両端部)に押し込まれて出力軸22及び外輪23と周方向で係合する。これにより、出力軸22が外輪23に対してロックされるロック状態となるので、この状態で出力軸22に逆入力トルクT’(図3参照)が入力されても、この逆入力トルクT’が内輪13、ひいては第1クラッチ部10に伝達(還流)されるのを阻止することができる。
上記のロック状態で、第1クラッチ部10でのレバー操作に伴って内輪13にトルクT(図3参照)が入力されると、内輪13の柱部13dが一対の円筒ころ24(24A,24B)のうちの一方の円筒ころ24Bを弾性部材25の弾性復元力に抗して他方の円筒ころ24A側に押圧し、上記一方の円筒ころ24Bを楔すきまGbの狭小部から離脱させる。これにより、上記のロック状態が解除される。そして、内輪13がさらに回転すると、内輪13のフランジ部13cに設けられた孔部13eと出力軸22のフランジ部22aに設けられた突起22dの間のクリアランスが詰まって内輪13が出力軸22と周方向で係合するので、内輪13のトルクが出力軸22に伝達される。これにより、出力軸22が回転する。
第1クラッチ部10でのレバー操作が中止され、内輪13へのトルク入力がなくなると、上記のとおり、弾性部材25の弾性復元力によってその周方向両側に配された一対の円筒ころ24A,24Bが楔すきまGbの狭小部に押し込まれる。このとき、内輪13の各柱部13dには、一対の円筒ころ24A,24Bのうち内輪13の回転方向後側に位置する円筒ころ24Bを介して弾性部材25の弾性復元力が作用する。これにより、内輪13は、柱部13dが円筒ころ24(特に24B)を周方向に押圧しない中立位置(図3参照)に復帰する。
但し、入力側部材21としての内輪13が出力軸22や外輪23などの他部材と接触することにより生じる内部抵抗が弾性部材25の弾性復元力(によるトルク)よりも大きくなる場合がある。本発明者らの検証によれば、出力軸22は、その回転伝達対象との間でトルクを伝達する際に軸方向に対して傾きが生じ易く、出力軸22が傾いた状態で出力軸22と内輪13が相対回転すると両者間で大きな摺動抵抗が生じ、このことが、逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部20の内部抵抗増加を招来する大きな一因となっている。特に、図7(a)(b)に示す従来の逆入力遮断クラッチ100のように、出力軸102のフランジ部の軸方向他方側の端面全域が入力側部材101のフランジ部の軸方向一方側の端面と一定間隔で対向していると、出力軸102が軸方向に対して傾いたときに入力側部材101と出力軸102とが広範に亘って接触するため、両者101,102間で大きな摺動抵抗が生じ易い。
このような場合、弾性部材25の周方向両側に配された一対の円筒ころ24A,24Bを楔すきまGbの適正位置まで押し込む(内輪13を中立位置に復帰させる)ことができず、いわゆる甘噛み状態となる。この状態で出力軸22に逆入力トルクT’(図3参照)が入力されると、出力軸22の回転を適切に規制すること、つまり逆入力遮断機能を適切に発揮することができない可能性がある。
そこで、本実施形態の第2クラッチ部20においては、図1及び図5(a)(b)に示すように、軸方向で互いに対向する出力軸22のフランジ部22aの端面(軸方向他方側の端面)22e及び内輪13のフランジ部13cの端面(軸方向一方側の端面)13fのうち、出力軸22の端面22eに、軸方向他方側に突出して内輪13の端面13fと接触する凸部5を設けている。図1には、凸部5の先端が対向する内輪13の端面13fに接触した形態を示しているが、両者間に軸方向のすきまが介在する場合もある。
係る構成によれば、入力側部材21としての内輪13と出力軸22とが軸方向で接触するときには、内輪13及び出力軸22の何れか一方(ここでは出力軸22)に設けた凸部5を他方(ここでは内輪13)に対して優先的に接触させることができる。そのため、図示例のように、先端面(内輪13との接触面)の面積が、凸部5が形成される出力軸22の端面22eの面積よりも格段に小さくなるような凸部5を形成しておけば、内輪13と出力軸22の接触面積を減じて両者13,22間で生じる摺動抵抗、つまり第2クラッチ部20の動作時に生じる内部抵抗を減じることができる。これにより、内輪13に入力されたトルクが除荷された後には、内輪13を中立位置に適切に復帰させること、つまりクラッチユニット1をロック解除状態からロック状態に適切に移行させることができる。従って、本発明に係る逆入力遮断クラッチ(を含むクラッチユニット1)は、逆入力遮断機能を適切に発揮することができて信頼性に富む、という特徴を有する。
本実施形態では、図5(b)に示すように、複数(3つ)の凸部5を周方向に間隔を空けて設けている。出力軸22の傾き方向は一定ではなく、随時変化することから、本実施形態のように複数の凸部5を周方向に間隔を空けて配置しておけば、出力軸22が様々な方向に傾いたときにも凸部5と相手面とを接触させ易くなる。なお、図示例では、出力軸22のフランジ部22aに8つの突起22dを周方向等間隔で設けている関係上、計3つの凸部5を周方向不等間隔で配置しているが、例えば凸部5を4つ又は8つ設ければ(図示省略)、凸部5を周方向等間隔で配置することができる。このように、複数の凸部5を周方向等間隔で配置した場合、複数の凸部5を設けることにより享受される上記の作用効果をより有効に享受することができる。
本実施形態では、先端が相手面に対して点接触(小さな面で接触)するようなピン状の凸部5を形成しているが、内輪13と出力軸22の間の摺動抵抗を低減させ得る限りにおいて凸部5の形状は任意に変更することができる。図示は省略するが、凸部5は、例えば周方向で有端の円弧状に形成することも可能である。
以上、本発明の一実施形態に係る逆入力遮断クラッチとしての第2クラッチ部20を含むクラッチユニット1について説明を行ったが、本発明の実施の形態はこれに限られない。
例えば、以上で説明した実施形態で出力軸22のフランジ部22aに設けた凸部5は、図6に示すように、フランジ部22aと対向配置される内輪13のフランジ部13c(の端面13f)に設けても良い。係る構成によっても、上記同様の作用効果を享受することができる。
以上で説明した逆入力遮断クラッチを含むクラッチユニット1は、自動車用座席シートの座面高さを調整するシートリフタ以外にも、例えば、電動スライドドア、パワーウィンドウ、電動ステアリング等の駆動機構に組み込むことが可能である。
以上、本発明の実施形態に係る逆入力遮断クラッチとしての第2クラッチ部20を含むクラッチユニット1について説明したが、本発明は以上で説明した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは言うまでもない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内のすべての変更を含む。
1 クラッチユニット
5 凸部
10 第1クラッチ部
13 内輪(入力側部材)
13d 柱部
20 第2クラッチ部(逆入力遮断クラッチ)
21 入力側部材
22 出力軸
22c カム面
23 外輪(静止部材)
24 円筒ころ(係合子)
25 弾性部材
Gb 楔すきま
T トルク
T’ 逆入力トルク

Claims (4)

  1. トルクが入力される入力側部材と、前記トルクを出力可能な出力軸と、回転が規制された静止部材とを備え、
    前記静止部材の内周面との間に楔すきまを形成する複数のカム面が前記出力軸の外周面に周方向に間隔を空けて設けられ、各楔すきま内に、一対の係合子と、周方向に圧縮された状態で前記一対の係合子間に介在する弾性部材とが配設され、
    前記弾性部材の弾性復元力を受けた前記一対の係合子が前記出力軸及び前記静止部材と周方向で係合することにより、前記出力軸に入力される逆入力トルクの前記入力側部材への伝達が遮断されるロック状態となり、前記入力側部材へのトルク入力に伴って、周方向で隣り合う楔すきま間に配された前記入力側部材の柱部が前記一対の係合子のうちの一方を前記弾性復元力に抗して他方の係合子側に押圧することにより、前記ロック状態が解除される逆入力遮断クラッチにおいて、
    軸方向で互いに対向する前記入力側部材の端面及び前記出力軸の端面の何れか一方に、他方側に突出して前記他方と接触する凸部を設けたことを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記凸部を周方向の複数箇所に配置した請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 複数の前記凸部を周方向等間隔で配置した請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. レバー操作により入力されるトルクの伝達及び遮断を制御する第1クラッチ部と、請求項1~3の何れか一項に記載の逆入力遮断クラッチからなる第2クラッチ部とを備え、前記第1クラッチ部の出力が前記入力側部材に入力されるクラッチユニット。
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