JP2022129708A - 正浸透水処理装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】希釈感温剤水溶液を曇点以上に加温する熱源に工場廃熱を利用し、正浸透法による淡水等の造水量変動に因らず工場の操業を安定して行なえる手段の提供。【解決手段】被処理水1中の水を曇点を有する感温剤水溶液12に移動させる正浸透膜モジュール3、該正浸透膜モジュールから流出する希釈感温剤水溶液5を前記曇点以上に加温する加温手段6、加温されて相分離した濃厚溶液相と希薄溶液相を層分離する重力分離槽7、前記希薄溶液8を膜ろ過して淡水を得る回収膜ろ過装置15、前記濃厚溶液9を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却する冷却手段18、冷却された濃厚溶液を前記正浸透膜モジュールに返送して前記感温剤水溶液として再使用する循環手段を有する正浸透水処理装置において、工場の冷却システムで熱交換して加温された熱媒体23を前記加温手段に供給し、該加温手段から排出される熱媒体25を該冷却システムに返送するラインを設けた。【選択図】図1

Description

本発明は、正浸透法で海水や廃水等から塩類を除去する装置および方法に関するものである。
海水から半透膜を用いて淡水を製造する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。しかし、この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費が嵩むという問題がある。そこで、半透膜を介して海水と海水より高濃度の溶液を吸引液として接触させ、加圧せずとも浸透圧により海水中の水をこの溶液に移動させ、分離、回収することにより淡水を製造する正浸透法が開発されている。
この正浸透法では、吸引液としてアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した溶液が用いられてきたが、蒸発にかかるコストやアンモニアの安全性などから、本出願人は、曇点を有する感温剤を用いる方法の開発に注力してきた。
この感温剤を用いた正浸透法では、海水と感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させて海水中の水分を半透膜を通して感温剤水溶液に移動させる正浸透工程と、この水で希釈された希釈感温剤水溶液を曇点以上に加温して感温剤を主体とする濃厚溶液と水を主体とする希薄溶液に分層させてこれらを分離する加温工程と重力分離工程と、分離された濃厚溶液を曇点以下に冷却して海水を接触させる感温剤水溶液として循環使用する冷却・循環工程よりなっている。
そして、この希薄溶液を淡水として使用するために、そこに残存している感温剤を膜処理して除去する回収膜ろ過工程が設けられることも知られている(特許文献1~3)。
この代表的なプロセスを図3に示す。同図に示すように、この装置は、正浸透モジュール3、熱交換器6、重力分離槽7、熱交換器11、膜ろ過装置15、熱交換器18およびボイラー19からなっている。海水1は、海水供給ポンプ2により正浸透モジュール3に供給され、モジュール内で半透膜4を介して感温剤水溶液12と接触し、海水中の水が浸透圧により感温剤水溶液側に移動する。水の移動により希釈された希釈感温剤水溶液5は、まず、熱交換器18で重力分離槽7で分離された濃厚溶液9と熱交換して加温されるが、濃厚溶液9の冷却によって回収される顕熱のみでは熱量が不足するため、さらに熱交換器6で所定の温度まで加温されて重力分離槽7に入れられる。その不足分の熱量を補うために、例えばボイラー19等の熱源を用いる。重力分離槽7で分離された感温剤の希薄溶液8はポンプ14により膜ろ過装置15に送られて、感温剤等が分離され、淡水が回収膜ろ過水16として取り出される。膜を通過しないで残った回収膜濃縮水17は、返送されて、正浸透モジュール3から流出する希釈感温剤水溶液5に加えられる。一方、重力分離槽7で分離された感温剤の濃厚溶液9は熱交換器18で希釈感温剤水溶液5と熱交換して冷却され、さらに熱交換器11で正浸透工程に適当な温度まで冷却されて、感温剤水溶液12として正浸透モジュール3に返送される。
特開2015-54292号公報 特開2017-56424号公報 特開2017-148734号公報
ところで、感温剤を用いた正浸透法でエネルギーを最も消費するのは、希釈感温剤水溶液を曇点以上まで加温する工程であり、淡水の製造コストを引下げるためにはこれが一番大きな問題である。この点に関し、特許文献2では、熱源に重力分離工程で分離された濃厚溶液の顕熱を使用することが好ましいことが記載され、また、その実施例では、工場の冷却器排気等の低温廃熱利用を想定している。しかしながら、濃厚溶液を冷却する熱交換器から排出される熱媒体は更に加温しなければ希釈感温剤水溶液の加温に利用することができず、この更に行う加温をどのようにするかについての説明は全くない。また、工場の冷却器排気等の低温廃熱利用もどのように行うか全く説明されていない。
本発明者らは、正浸透法での水処理において、感温剤を分離するための熱源に工場の廃熱を利用することを考えたが、工場の操業と正浸透法での水処理の運転の双方を安定させるシステムが未確立であった。
本発明の目的は、正浸透法による水処理において、希釈感温剤水溶液を曇点以上に加温する熱源に工場の廃熱を利用し、その際に、正浸透法による淡水等の造水量の変動に係わりなく工場の操業を安定して行なえる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、正浸透水処理装置における希釈感温剤水溶液の加温手段と工場の冷却システムとの間に連結ラインを設置し、熱交換のラインを工場および正浸透法による水処理の稼働状況に応じて切替えられるようにし、それによって、工場の操業と正浸透法による水処理の双方の運転を安定化させることができた。
即ち、本発明は、
塩類を含有する被処理水中の水を曇点を有する感温剤水溶液に移動させる正浸透膜モジュールと、該正浸透膜モジュールから流出する希釈感温剤水溶液を前記曇点以上に加温する加温手段と、加温されて相分離した濃厚溶液相と希薄溶液相を重力で層分離する重力分離槽と、層分離されて前記重力分離槽から排出される希薄溶液を膜ろ過して淡水を得る回収膜ろ過装置と、やはり前記重力分離槽から排出される濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却する冷却手段と、そこで冷却された濃厚溶液を前記正浸透膜モジュールに返送して前記感温剤水溶液として再使用する循環手段を有する正浸透水処理装置において、
工場の冷却システムで熱交換して加温された熱媒体を前記加温手段に供給し、該加温手段から排出される熱媒体を該冷却システムに返送するラインを設けたことを特徴とする正浸透水処理装置と、
塩類を含有する被処理水中の水を曇点を有する感温剤水溶液に移動させる正浸透工程と、前記の水の移動で得られた希釈感温剤水溶液を曇点以上に加温する加温工程と、加温されて相分離した濃厚溶液相と希薄溶液相を重力で層分離する重力分離工程と、層分離された前記希薄溶液を膜ろ過して淡水を得る回収膜ろ過工程と、やはり層分離された前記濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却する冷却工程と、そこで冷却された濃厚溶液を前記正浸透工程に返送して感温剤水溶液として再使用する循環工程を有する正浸透水処理方法において、
工場の冷却システムで熱交換して加温された熱媒体を前記加温工程に供給し、該加温工程から排出される熱媒体を該冷却システムに返送して、冷却システムの目的物を冷却することを特徴とする正浸透水処理方法を提供するものである。
本発明により、工場の操業と正浸透法による水処理の双方を安定化させ、正浸透法における希釈感温剤水溶液の曇点以上への加温の熱源に工場の廃熱を利用することにより、正浸透法による造水コストを大幅に下げることができる。
本発明の一実施形態における工場の冷却システムと正浸透水処理装置を連結した状態を示す図である。 従来の工場の冷却システムの一例を示す図である。 従来の正浸透水処理装置の概略構成を示す図である。
本発明の方法で処理される被処理水は水を溶媒とし、塩類を含有する溶液であり、海水、かん水、廃水などである。
正浸透膜モジュール
正浸透膜モジュールは、必要によりろ過処理した被処理水と、感温剤を水に溶解した高浸透圧の水溶液を半透膜を介して接触させ、被処理水中の水を半透膜を通して感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る装置である。
感温剤は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、水溶性から非水溶性に変化する温度が下限臨界温度あるいは曇点と呼ばれる。この温度に達すると疎水性化した感温剤が凝集して白濁が起こる。
この感温剤は、各種界面活性剤、分散剤、乳化剤などとして利用されており、例示すれば、アルコール、アルキル基または脂肪酸と、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、アクリルアミドとアルキル基の化合物、グリセリンと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ペンタエリスリトールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ヘキシレンングリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、などである。本発明において使用する感温剤としては、曇点が30℃~80℃の範囲、特に40℃~60℃の範囲のものが好ましい。
感温剤水溶液の濃度は、感温剤水溶液の浸透圧が、被処理液の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならず、高い方が好ましいが、実用的観点から60~95質量%程度、好ましくは70~95質量%程度、より好ましくは75~95質量%程度である。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、正浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸膜などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱型の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に被処理水を流し、他方の室に感温剤水溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることもできる。
正浸透膜モジュールで被処理水を半透膜を介して感温剤水溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って感温剤水溶液に移動して希釈感温剤水溶液となり、残った被処理水は水の移動によって濃縮されて正浸透膜濃縮水として排出される。
なお、ここで得られた正浸透膜濃縮水は塩類を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩類を析出させて分離し、有効利用することもできる。
加温手段
正浸透膜モジュールで被処理水から水が移動して希釈された希釈感温剤水溶液を曇点以上の温度まで加温して、感温剤の少なくとも一部を凝集させる手段である。この凝集とは、感温剤の濃厚溶液が分離したものである。加温手段は、希釈感温剤水溶液を加温できればよく熱交換器等を使用できる。加温手段における加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量や温度の調整で制御できる。
この加温手段の熱源には、次の重力分離槽で分離された濃厚溶液の顕熱を使用することが好ましい。また、加温手段の熱源として重力分離槽で分離された希薄溶液の顕熱も使用すれば、エネルギー効率が更に向上するためより好ましい。濃厚溶液、および希薄溶液の回収顕熱で不足する加温手段の熱量はボイラーなどの熱源にて補い、さらに後述のように工場廃熱を利用する。
重力分離槽
前記加温手段で相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層に重力分離する。この重力分離は曇点以上の液温で静置又は連続的に流通させながら行うことができる。その際、前記加温手段で凝集した感温剤の濃厚溶液は重力分離槽に投入されると、濃厚溶液の微細液滴は速やかに沈降し、液滴同士が合一して重力分離槽下部に濃厚溶液層が形成される。
重力分離された希薄溶液の感温剤の濃度は0.01~2.0質量%程度、通常0.1~1.0質量%程度であり、感温剤は一部が溶解し、一部は懸濁状態になっている。
濃厚溶液の感温剤の濃度は70~95質量%程度、通常75~85質量%程度である。
回収膜ろ過装置
前記重力分離槽で分離された希薄溶液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで回収膜ろ過して、そこに主に溶解して残存している感温剤を除去する。回収膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。膜ろ過されないで残った回収膜濃縮水は、感温剤が含まれているので、正浸透膜モジュールから流出する希釈感温剤水溶液へ合流させるか、あるいは感温剤水溶液へ合流させることもできる。
冷却手段
前記重力分離槽で分離された濃厚溶液を、感温剤水溶液の曇点より低い温度に冷却することで水に溶解させて感温剤水溶液に再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。冷却手段も熱交換器等を使用できる。この冷却熱源としては、被処理水あるいは正浸透工程において得られた希釈感温剤水溶液を用いることがエネルギーの効率的な利用の点で好ましい。
循環手段
再生した感温剤水溶液をそのまま正浸透膜モジュールに循環して再利用する手段である。
ところで、感温剤水溶液を用いた本発明の正浸透法では、曇点以上に加温して希薄溶液と分離した濃厚溶液を正浸透工程で感温剤水溶液として循環使用するため、正浸透工程に適した温度まで濃厚溶液を冷却する必要があり、一方、被処理水中の水が移動して希釈された感温剤水溶液は、そこから水を分離するために曇点以上に加温する必要がある。このように、正浸透水処理装置では加熱や冷却のエネルギーの使用量が大きく、その管理が重要になる。
希釈感温剤水溶液を曇点以上に加温する熱源としては、省エネルギーに加えて運転の安定性の観点からも系内の熱を優先使用することが望ましく、そのため、希釈感温剤水溶液は、まず、重力分離槽から排出される濃厚溶液の顕熱で加温するのがよい。さらに、希釈感温剤水溶液の加温熱源として希薄溶液も利用することができる。しかしながら、熱交換器で顕熱を全て回収することはできないので、不足分の熱量を別途補う必要があり、そのため、加温手段においては従来はボイラー等の熱源を別途設けていた。
本発明は、このような正浸透法による水処理において、一番熱エネルギーを消費する希釈感温剤水溶液の加温に工場の廃熱を利用するところに特徴がある。
加温手段においては、希釈感温剤水溶液は曇点以上に加温すればよいが、加温により相分離された希薄溶液は温度が高い程感温剤濃度が低くなる。その後の回収膜ろ過装置では、感温剤濃度が低い程負担が軽減できるのでなるべく加温手段における温度を高くする方がよい。従って、加温手段における希釈感温剤水溶液の温度は60~95℃程度、好ましくは80~90℃程度にすることが好ましい。
そこで、正浸透水処理装置で利用する工場の廃熱は、冷却システムで熱交換することによって、温度が上記の温度より5~50℃程度、通常20~40℃程度高い温度にした熱媒体の形態であることが好ましい。熱媒体は、水、油等、通常用いられているものでよい。熱媒体をその沸点以上で使用する場合には、熱交換器や配管は耐圧性のものが必要である。
利用する工場はこのような廃熱が必要量得られる工場であればよいが、製油所や火力発電所などを例として挙げることができる。製油所の冷却システムの例を図2に示す。製造されたガソリンや軽油などの熱流体は、例えば150℃で熱交換器21に送られ、そこで、冷却塔22の熱交換器26で例えば35℃に冷却された冷却水などの熱媒体23で例えば50℃に冷却されて製品として取出される。熱交換器21によって冷却水は例えば温度が120℃(2気圧)になって冷却塔22の熱交換器26に循環される。
本発明においては、このような工場の熱媒体を、希釈感温剤水溶液を加熱する熱源として利用する。この工場の熱媒体で加熱する熱交換器は、新たに設けてもよいが、熱媒体が同一であればボイラー等で加熱する既設の熱交換器と兼用が可能である。また、正浸透水処理装置における冷却を工場の冷却水で行えるように、正浸透水処理装置の希釈感温剤水溶液と濃厚溶液を熱交換させる熱交換器と浸透膜モジュールの間に設けられた濃厚溶液を更に冷却するための熱交換器に、工場側の冷却塔の冷却水を供給できるようにすることも好ましい。
工場の熱媒を正浸透水処理装置の加温手段に使用することにより、工場の冷却システムは、希釈感温剤水溶液による冷却と冷却水による冷却の2系統を持つことになる。そこで、正浸透水処理装置がフル稼働していて、希釈感温剤水溶液で工場の求める冷却能力を満たせば、工場側の冷却は希釈感温剤水溶液で行い、正浸透水処理装置の冷却を工場の冷却水で行うことができる。正浸透水処理装置の稼働率が低下して工場側の冷却を希釈感温剤水溶液のみでは十分に行えない場合は、冷熱の不足分を工場の冷却水で補えばよい。
本発明の一実施態様における、工場の冷却システムと正浸透水処理装置の加温手段を連結した状態を図1に示す。この実施態様においては、図3に示す従来の正浸透処理装置に図2に示す製油所の冷却システムを組み合わせて利用している。
具体的には、新たに熱媒体23を正浸透水処理装置の熱交換器6(加温手段)に供給する熱媒体供給ライン27と、熱交換器6から排出された熱媒体25を工場の冷却システムに返送する熱媒体返送ライン28を設けている。そして、それぞれのラインには弁を設け、工場の冷却システムと正浸透水処理装置のボイラー19の熱媒体である熱水や蒸気をそれぞれの従来のラインを循環させることに加えて、工場の冷却システムの熱媒体23を希釈感温剤水溶液5を補充加熱する熱交換器6へも切替えて供給できるようにしている。熱媒体23の熱交換器6への供給は全量であっても、一部であっても良い。この例においては、工場の冷却システムの熱媒体23とボイラーの熱媒体20がいずれも水であるので熱交換器6は増設せず兼用させている。
熱交換器6から排出された熱媒体25は熱媒体返送ライン28を通って工場の冷却システムに返送される。そして、工場の冷却システムに返送された熱媒体25は熱交換器26に供給されて所定温度まで冷却され、再び熱交換器21に供給される。
こうして、工場の冷却システムにおける熱交換器21で熱交換して加温された熱媒体23(蒸気)を必要に応じて正浸透水処理装置の熱交換器6に供給することにより、ボイラー19の負荷軽減が可能となる。
熱交換器26の冷却媒体(冷水)源である冷却塔22は、正浸透水処理装置の熱交換器11の冷却媒体(冷水)源も兼ねている。(図中のA、B)
冷却塔22を冷却媒体(冷水)源とする熱交換器26と熱交換器11を使用することにより、工場と正浸透水処理装置の冷熱をバランスさせることができる。
本発明は、工場に併設されている、正浸透法による海水から淡水の製造や、廃水の脱塩などに広く利用できる。
1 海水(被処理水)
2 海水供給ポンプ
3 正浸透膜モジュール
4 正浸透膜
5 希釈感温剤水溶液
6 熱交換器
7 重力分離槽
8 希薄溶液
9 濃厚溶液
10 感温剤水溶液ポンプ
11 熱交換器
12 感温剤水溶液
13 正浸透膜濃縮水
14 ポンプ
15 回収膜ろ過装置
16 回収膜ろ過水
17 回収膜濃縮水
18:熱交換器
19:ボイラー
20:熱媒体(蒸気、熱水)
21:熱交換器
22:冷却塔
23:熱媒体(蒸気、熱水)
25:熱媒体(蒸気、熱水)
26:熱交換器
27:熱媒体供給ライン
28:熱媒体返送ライン

Claims (4)

  1. 塩類を含有する被処理水中の水を曇点を有する感温剤水溶液に移動させる正浸透膜モジュールと、該正浸透膜モジュールから流出する希釈感温剤水溶液を前記曇点以上に加温する加温手段と、加温されて相分離した濃厚溶液相と希薄溶液相を重力で層分離する重力分離槽と、層分離されて前記重力分離槽から排出される希薄溶液を膜ろ過して淡水を得る回収膜ろ過装置と、やはり前記重力分離槽から排出される濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却する冷却手段と、そこで冷却された濃厚溶液を前記正浸透膜モジュールに返送して前記感温剤水溶液として再使用する循環手段を有する正浸透水処理装置において、
    工場の冷却システムで熱交換して加温された熱媒体を前記加温手段に供給し、該加温手段から排出される熱媒体を該冷却システムに返送するラインを設けたことを特徴とする正浸透水処理装置。
  2. 前記加温手段が、前記正浸透膜モジュールから流出する前記希釈感温剤水溶液と前記重力分離槽から排出される前記濃厚溶液を熱交換する熱交換器と前記重力分離槽との間に設けられて前記希釈感温剤水溶液をさらに加温する熱交換器からなり、前記ラインは、前記工場の冷却システムで熱交換して加温された前記熱媒体を前記希釈感温剤水溶液をさらに加温する熱交換器に供給するように接続されている請求項1記載の正浸透水処理装置。
  3. 前記冷却手段が、前記正浸透膜モジュールから流出する前記希釈感温剤水溶液と前記重力分離槽から排出される前記濃厚溶液を熱交換する熱交換器と前記正浸透膜モジュールとの間に設けられて前記濃厚溶液をさらに冷却する熱交換器からなり、この濃厚溶液をさらに冷却する熱交換器に前記工場の前記冷却システムの冷却水を供給する循環ラインが接続されている請求項1又は2記載の正浸透水処理装置。
  4. 塩類を含有する被処理水中の水を曇点を有する感温剤水溶液に移動させる正浸透工程と、前記の水の移動で得られた希釈感温剤水溶液を曇点以上に加温する加温工程と、加温されて相分離した濃厚溶液相と希薄溶液相を重力で層分離する重力分離工程と、層分離された前記希薄溶液を膜ろ過して淡水を得る回収膜ろ過工程と、やはり層分離された前記濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却する冷却工程と、そこで冷却された濃厚溶液を前記正浸透工程に返送して感温剤水溶液として再使用する循環工程を有する正浸透水処理方法において、
    工場の冷却システムで熱交換して加温された熱媒体を前記加温工程に供給し、該加温工程から排出される熱媒体を該冷却システムに返送して、冷却システムの目的物を冷却することを特徴とする正浸透水処理方法。
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