JP6414528B2 - 水の脱塩処理方法および装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば海水を半透膜を用い淡水を製造する方法と装置に関するものである。
海水を半透膜を用いて淡水化する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に半透膜を透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費にコストがかかるという問題点がある。一方、半透膜を介して海水より高濃度の塩溶液を存在させれば、加圧せずとも浸透圧で水をこの塩溶液に移動させることができる。そして、この塩溶液として揮発性ガスを溶解させた溶液を用いれば、この塩溶液を蒸留することにより揮発性ガスを蒸発、分離させて淡水を得ることができる。この揮発性ガスとしてアンモニアと二酸化炭素の組合せを用いた方法が既に開発されている(特許文献1)。
特許文献1の方法は、半透膜を介して海水と反対側にアンモニアと二酸化炭素を溶解して得られる塩溶液を流して、海水中の水を半透膜を通過させて該塩溶液に移動させ、得られた希釈塩溶液を蒸留塔に送って淡水を得るとともにアンモニアと二酸化炭素と水を含む混合ガスを分離し、この混合ガスを冷却し、塩溶液に再生した後、半透膜の元の部屋に返送する方法である。
この方法に用いられる装置は、図3に示すように、海水供給ポンプ22、正浸透(FO)膜モジュール24、ポンプ28、誘引溶液分離手段32、淡水分離手段36、コンプレッサー42、誘引溶液再生手段44からなっている。海水供給ポンプ22によって供給された海水は、FO膜モジュール24に入り、FO膜を介して誘引溶液と向流接触する。そして、その間に浸透圧によって海水中の水分がFO膜を通過して誘引溶液に移動し、それによって濃縮された濃縮海水は流路26からFO膜モジュール24を出る。一方、海水からの水分の移動によって希釈された希釈誘引溶液はFO膜モジュール24を出て誘引溶液分離手段32に入る。誘引溶液分離手段32では、誘引溶液が加熱されて炭酸アンモニウムがアンモニアと二酸化炭素に分解され、発生したアンモニアと二酸化炭素は、ガス流路40を通ってコンプレッサー42で圧縮されて誘引溶液再生手段44に入る。一方、誘引溶液分離手段32でアンモニアと二酸化炭素が分解されて残った水は、流路34を通って淡水分離手段36に送られ、その一部は流路46を通り、誘引溶液再生手段44で再生される誘引溶液の水分として利用される。残りの水は淡水として流路38から取り出される。誘引溶液再生手段44で再生された誘引溶液は、ポンプ28により流路30を通ってFO膜モジュール24に返送される。
一方、この誘引溶液に、温度感応性薬剤である下限臨界温度を有する感応性物質を用いたものも知られている(特許文献2)。この温度感応性物質は、アルコールまたは脂肪酸とエチレンオキサイドの化合物などである。
さらに、誘引溶液に硫酸マグネシウム等の無機塩を浸透圧を高めるための浸透圧剤として用い、これにポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの共重合体などの温度感応性薬剤を組み合わせた方法も開発されている(特許文献3)。この方法に用いられる装置は、図4に示すように、正浸透膜ユニット230、第1分離槽250、熱交換器256、第2分離槽253、精製装置261からなっている。海水210は、正浸透膜ユニット230に入って、FO膜212を介して浸透圧剤溶液240と向流接触する。そして、その間に浸透圧によって海水中の水分211がFO膜を通過して浸透圧剤溶液内に移動し、それによって濃縮された濃縮海水220が正浸透膜ユニット230から出る。一方、海水からの水分の移動によって希釈された希釈浸透圧剤溶液245は正浸透膜ユニット230を出て、第2分離槽253等から返送される温度感応性薬剤溶液260と混合され、希釈浸透圧剤245中の水が温度感応性薬剤溶液260に移動する。この混合液246が第1分離槽250に送られる。第1分離槽250では重力沈降により、浸透圧剤溶液240の相と温度感応性薬剤溶液252の相に分かれ、浸透圧剤溶液240は正浸透膜ユニット230に返送される。一方、希釈温度感応性薬剤溶液252は、熱交換器256に送られて温度感応性薬剤の曇点以上に加温され、第2分離槽253に送られる。第2分離槽253では重力沈降により粗製淡水257の相と温度感応性薬剤凝集液255の相に分かれ、粗製淡水257は、逆浸透膜262を備えた精製装置261で処理されて淡水258となる。一方、精製装置261で分離された温度感応性薬剤濃厚液259は、第2分離槽253で分離された温度感応性薬剤凝集液255と合流、冷却され、温度感応性薬剤溶液260に再生された後、正浸透膜ユニット230から流出した希釈浸透圧剤溶液245とともに第1分離槽250に返送される。
米国特許第8,021,549B2号明細書 特開2014−100692号公報 米国特許第8,852,436B2号明細書
ところが、このような装置の性能(水の膜透過速度:ろ過速度)は、FO膜モジュールに供給される被処理水、誘引溶液の濃度、流量、膜の状態(目詰まり等)によって変化するため、運転条件を最適に調整しないと、所望の造水量を得ることができない。
例えば、水質変動により被処理水の塩濃度が上昇すると、FO膜モジュール内で被処理水側の平均浸透圧が上昇し、誘引溶液供給量が一定の場合には膜ろ過の駆動力となる浸透圧差が低下して、水の膜透過速度(ろ過速度)が低下する。このような場合は、造水量は設定値より少なくなる。
本発明の目的は、このような課題を解決することにあり、FO膜モジュールに供給される被処理水、誘引溶液の濃度、流量、膜の状態(目詰まり等)の変化に応じて誘引溶液の流量を最適に調整する手段を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、次のように考えた。
正浸透(FO)膜への誘引溶液(DS)供給量を流入量上昇によって増加させると、膜透過水によるDS希釈の抑制効果によって膜透過速度が即時に上昇する。しかし、この場合システムを循環するDS流量が増加するため、FO膜透過水によって希釈された希釈DSを相分離する沈殿槽滞留時間の縮小および浸透圧剤として使用される温度感応性薬剤を曇点以上に加温する熱交換器圧力損失の上昇といった現象が生じ、それぞれ分離効率の低下およびポンプ動力の増大といった問題が生ずる。そこでDS流入量による制御は滞留時間や圧力損失の変動が性能やコストに及ぼす影響の小さな偏差、例えば10%以内に制御し、それを越える場合にDS分離温度を変化させる。分離温度を上昇させるとFO膜に流入するDS濃度が上昇するため、DS流入量を増大させる場合と同様に膜透過速度が上昇する。但し、この効果は、分離温度の制御変更後、沈殿池内のDS温度が制御値に到達し、さらに分離後のDS濃度が定常値に達するまでの時間遅れが生じる。
そこで、造水量を膜前後のDS流量差により検知し、造水量低下時にはDS流入量を増加、上昇時には低減させる。DS流入量の設定値との偏差が、例えば10%以内である場合は前記操作を行い、10%を越える場合はDS流入量と併せてDS分離温度を変化させる方法および装置を案出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、
塩類を含有する被処理水と、浸透圧剤を水に溶解し前記被処理水よりも浸透圧の高い誘引溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、
前記希釈誘引溶液を浸透圧剤を主体とする濃厚溶液相と、少量の浸透圧剤を含有する希薄溶液相とに相分離する相分離工程と、
前記相分離工程で分離された濃厚溶液を前記正浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する循環工程と、
前記相分離工程で分離された希薄溶液から淡水を得る淡水回収工程を有する水の脱塩処理方法であって、
前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液各々の流量を測定し、それらの流量差が予め設定された設定値よりも低い場合は、前記誘引溶液の流量を増加し、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合は、前記誘引溶液の流量を減少させることを特徴とする水の脱塩処理方法と、
前記浸透圧剤が下限臨界温度を有する温度感応性薬剤であり、前記相分離工程が前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程を有しており、かつ
前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液の流量差が予め設定された設定値よりも低い場合に、前記誘引溶液の流量を増加するとともに、前記加温工程での加温温度を上昇させる、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合に、前記誘引溶液の流量を減少させるとともに、前記加温工程での加温温度を低下させることを特徴とする上記の水の脱塩処理方法と、
前記浸透圧剤が無機塩であり、前記相分離工程の前段で前記希釈誘引溶液に下限臨界温度を有する温度感応性薬剤を混合する温度感応性薬剤混合工程を有するとともに、前記相分離工程で分離された希薄溶液から淡水を得る淡水回収工程が、前記希薄溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程に続き温度感応性薬剤を主体とする温度感応性薬剤溶液相と、淡水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する淡水相とに相分離する第2相分離工程を有しており、
かつ、前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液の流量差が予め設定された設定値よりも低い場合に、前記誘引溶液の流量を増加するとともに、前記加温工程での加温温度を上昇させる、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合に、前記誘引溶液の流量を減少させるとともに、前記加温工程での加温温度を低下させることを特徴とする上記の水の脱塩処理方法と、
これらの方法に係る装置を提供するものである。
本発明により、FO膜モジュールに供給される被処理水や誘引溶液の濃度、流量、膜の状態等応じて誘引溶液の流量、さらには相分離工程における加温温度を調整して、水の脱塩処理装置の安定した運転を行うことができる。
本発明の装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の別の装置の構成の一例を示すブロック図である。 従来の装置の構成の一例を示すブロック図である。 従来の別の装置の構成の一例を示すブロック図である。
本発明の水の脱塩処理方法は、正浸透工程と相分離工程と循環工程と淡水回収工程よりなっている。
正浸透工程
正浸透工程では、塩類を含有する被処理水と、浸透圧剤を水に溶解し前記被処理水よりも浸透圧の高い誘引溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る。
被処理水は塩類を含有する水であればよいが、例示すれば、海水、湖沼水、河川水、工場廃水などである。
誘引溶液は、浸透圧剤を水に溶解したものであり、浸透圧剤には、温度感応性薬剤と無機塩を用いることができる。
温度感応性薬剤は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、親水性〜疎水性に変化する温度が下限臨界温度あるいは曇点と呼ばれる。この温度に達すると疎水性化した温度感応性薬剤が析出して白濁あるいは相分離が起こる。徐々に加温する際に、薬剤によって白濁するが相分離しないもの、白濁した後更に加温すると相分離するもの、白濁状態を経ずに相分離するものがあるが、本発明に用いられる薬剤は相分離するものであって、ここでいう下限臨界温度とは相分離する温度を意味する。
この温度感応性薬剤は、各種界面活性剤、分散剤、乳化剤などとして利用されており、例示すれば、アルコール、アルキル基、グリコール類、または脂肪酸とエチレングリコールの化合物(水溶性ポリアルキレングリコール誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシテトラメチレンポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテルなど)アルキル基または脂肪酸とプロピレンオキサイドの化合物、アクリルアミドとアルキル基の化合物、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、アミノ酸およびその誘導体、ブチルグリコールやヘキシルグリコールなどのグリコールなどであり、好ましくは、ポリエチレングリコールとポリプロピレン/ポリブチレングリコールのブロックまたはランダム共重合体、グリセロールエトキシレートブトキシレート、トリメチロールプロパンエトキシブトキシレート等である。本発明において使用する温度感応性薬剤としては、下限臨界温度が30℃〜80℃の範囲、特に40℃〜60℃の範囲のものが好ましい。そのために、HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤とそれよりHLB値が低い非イオン性界面活性剤、脂肪酸あるいはアルコールを組み合わせて下限臨界温度を上記の範囲に調節するといった方法を取ることもできる。
温度感応性薬剤の濃度は、誘引溶液の浸透圧が、被処理水の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならない。
無機塩は浸透圧を被処理水よりも高くできる溶解度があればよく、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニウムカルバメート、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、硫酸マンガンなど多種のものを用いることができる。好ましいものは硫酸マグネシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸2水素ナトリウムである。無機塩の濃度も誘引溶液の浸透圧が、被処理水の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならない。
無機塩を浸透圧剤に用いた場合には、希釈誘引溶液から水を分離する手段が必要であり、その手段として温度感応性薬剤を併用するのがよい。これによって相分離が2段になるのでこれをダブルループ法と称する。
正浸透工程を行う正浸透膜処理装置に用いられる半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、正浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱形の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に被処理水を流し、他方の室に誘引溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることもできる。
被処理水を流す室の入口は被処理水溜(これは海や河川そのものであってもよく、タンク等であってもよい。)に配管接続される。出口側は通常は膜濃縮液溜に配管接続される。両配管を結ぶ循環ラインを設けて、循環させることもできる。
誘引溶液を流す室の入口は淡水分離装置の誘引溶液再生側に配管接続され、出口は淡水分離装置の入口に配管接続され、これによって誘引溶液の循環ラインが形成される。
正浸透工程で被処理水を半透膜を介して誘引溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って誘引溶液に移動し、被処理水が流入した室からは膜濃縮水が、そして誘引溶液が流入した室からは希釈誘引溶液が流出する。
流出する希釈誘引溶液は、相分離工程で浸透圧剤を主体とする濃厚溶液相と、少量の浸透圧剤を含有する希薄溶液相とに相分離する。以下、浸透圧剤に温度感応性薬剤を用いた場合と無機塩を用いた場合に分けて説明する。
A.浸透圧剤に温度感応性薬剤を用いた場合
加温工程
正浸透工程で被処理水から水が移動して温度感応性薬剤が希釈された希釈誘引溶液を下限臨界温度以上の温度まで加温して、温度感応性薬剤の少なくとも一部を凝集させる。この凝集は、温度感応性薬剤の濃厚溶液が分相したものである。
加温工程における加温手段は問わないが、加熱器を備えた加温槽や熱交換器などを利用することができる。
加温工程における加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量の調整で制御できる。
この加温工程の熱源には、次の相分離工程で分離された濃厚溶液の顕熱を使用することが好ましい。
相分離工程
加温工程で分相した温度感応性薬剤を主体とする濃厚溶液相と水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する希薄溶液相に重力沈降により分離する。この重力分離は下限臨界温度以上の液温で相分離槽内で静置することによって行うことができる。
加温した希釈誘引溶液が相分離槽に投入されると、温度感応性薬剤の比重が水より重い場合は、濃厚溶液の微細液滴は速やかに沈降し、液滴同士が合一して下に濃厚溶液相が形成される。一方、温度感応性薬剤の比重が水より軽い場合、例えば、ブチルグリコールやヘキシルグリコールを温度感応性薬剤に用いた場合は、濃厚溶液相が上相になり希薄溶液相が下相になる。
循環工程
循環工程は、相分離工程で分離された濃厚溶液を正浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する工程である。この循環手段にはポンプや配管が用いられる。相分離工程で分離された濃厚溶液は、まず、これを誘引溶液の下限臨界温度より低い温度に冷却することで水に溶解させて誘引溶液に再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。この冷却熱源としては、被処理水あるいは正浸透工程において得られた希釈誘引溶液を用いることがエネルギーの効率利用の点で好ましい。この冷却が不充分な場合には、正浸透工程で被処理水から移動してくる水によって濃度が下がるので下限臨界温度を発現して相分離し、浸透圧が失われてしまう。
再生した誘引溶液はそのまま正浸透工程へ循環して再利用する。
淡水回収工程
一方、相分離工程で分離された希薄溶液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで膜ろ過して、そこに残存している温度感応性薬剤を除去する。膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。膜ろ過されないで残った膜濃縮水は、温度感応性薬剤が含まれているので、相分離工程に循環するのがよい。あるいは、濃縮して誘引溶液として正浸透工程に直接返送することもできる。
一方、正浸透工程で得られた膜濃縮水は塩分を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩分を析出させて分離し、有効利用することもできる。
B.浸透圧剤に無機塩を用いた場合
一方、浸透圧剤に無機塩を用いた場合には、希釈誘引溶液を加温しても分相しないので、相分離工程の前段で前記希釈誘引溶液に下限臨界温度を有する温度感応性薬剤を混合する温度感応性薬剤混合工程を設ける。
温度感応性薬剤混合工程
温度感応性薬剤は前述のもののなかから選択して用いればよい。混合工程においては、温度感応性薬剤が淡水を希釈誘引溶液から吸水して希釈誘引溶液を濃縮する必要がある。そのため、吸水後における温度感応性薬剤の浸透圧が濃縮された誘引溶液の浸透圧を上回るように、温度感応性薬剤の濃度・量を設定する必要がある。
この工程で混合される温度感応性薬剤は、通常は、浸透圧剤に無機塩を用いた場合の淡水回収工程における第2相分離工程で分離された温度感応性薬剤溶液が循環使用される。
相分離工程
希釈誘引溶液に温度感応性薬剤を混合した液は、無機塩を主体とする濃厚溶液相と温度感応性薬剤を主体とする希薄溶液相に重力沈降によって分離する。一般に温度感応性薬剤は塩分の共存下で曇点が低下するため、この相分離工程においては加温せずとも温度感応性薬剤が凝集する。但し、無機塩と温度感応性薬剤の組合せによっては常温で明確な相分離が行われないことがある。無機塩として硫酸マグネシウム、リン酸2水素ナトリウムやリン酸水素2ナトリウムを用いた場合には多くの場合に常温で層分離するが、その他の場合には層分離のために加温が必要な場合もある。この温度は無機塩の温度感応性薬剤の種類や濃度によって異なるため,別途実験的に求める必要がある。
この重力分離は相分離槽内で静置することによって行うことができる。
淡水回収工程
浸透圧剤に無機塩を用いた場合には、相分離工程で分離される希薄溶液が温度感応性薬剤を主体とする液であるので、まず、加温工程で温度感応性薬剤を分相させて、これを第2相分離工程で相分離する。
加温工程
相分離工程で分離された、温度感応性薬剤を主体とする希薄溶液を温度感応性薬剤の下限臨界温度以上の温度まで加温して、温度感応性薬剤の少なくとも一部を凝集させる。加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量の調整で制御される。
第2相分離工程
加温工程で分相した温度感応性薬剤を主体とする温度感応性薬剤溶液相と水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する淡水相に重力沈降により分離する。この重力分離は下限臨界温度以上の液温で相分離槽内で静置することができる。
第2相分離工程で分離された少量の温度感応性薬剤を含有する淡水は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで膜ろ過して、そこに残存している温度感応性薬剤を除去する。膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。膜ろ過されないで残った膜濃縮水は、温度感応性薬剤が含まれているので、第2相分離工程に循環するのがよい。
循環工程
循環工程は、相分離工程で分離された濃厚溶液を正浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する工程である。この循環手段にはポンプや配管が用いられる。
C.誘引溶液流量と加温温度の制御操作
本発明は、このような水の脱塩処理方法において、前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液各々の流量を測定し、それらの流量差が予め設定された設定値よりも低い場合は、前記誘引溶液の流量を増量し、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合は、前記誘引溶液の流量を減少させることを特徴としている。
そして、前記相分離工程あるいは第2相分離工程が前記希釈誘引溶液を前記希釈誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程を有している場合には、前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液の流量差が予め設定された設定値よりも低い場合に、前記誘引溶液の流量を増加するとともに、前記加温工程での加温温度を上昇させる、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合に、前記誘引溶液の流量を減少させるとともに、前記加温工程での加温温度を低下させることを特徴としている。
誘引溶液は、正浸透工程において、半透膜を介して被処理水と接触している間に被処理水中の水が移動して希釈される。半透膜を離れた希釈誘引溶液は、その間に移動した水量だけ増量している。そして、単位時間当りの希釈誘引溶液の流量と誘引溶液の流量の差がこの移動水量になる。そこで、この流量差が設定値よりも低い場合は、造水量が設定値より低くなっているので誘引溶液の流量を増加し、高い場合は誘引溶液の流量を減少させるのである。ただ、誘引溶液の流量をあまり増加させると相分離槽内での滞留時間減少による分離効率の低下やポンプ動力の増加、加温工程の熱交換器圧損の増大という問題を生じる。そこで、流量差が一定値を超えたときは、誘引溶液の流量の増加に加えて、加温工程の加温温度を上昇させて半透膜に流入する誘引溶液の濃度を上昇させるのである。
希釈誘引溶液と誘引溶液の流量差の設定値は、原則として造水量と一致させるが,膜ろ過等の後段プロセスで水量が減少する場合にはそれを考慮して設定する。
流量差が設定値よりも低い場合は誘引溶液の流量を増加し、高い場合は誘引溶液の流量を減少させるが、その増加量や減少量は、各脱塩処理装置によって異なるので各装置に応じて定めるが、要は流量差が設定値に戻るように制御すればよい。
そして、流量差が設定値からかなりかい離した場合には誘引溶液の流量の制御に加えて、加温工程の加温温度の制御も行うが、この加温温度の制御の併用を開始する時点は、相分離槽、送液ポンプ、熱交換器等の設計許容値などによって異なる。一般的には、誘引溶液の流量制御開始は、流量差の設定値からのかい離が5〜30%程度、通常10〜20%程度とするのがよい。そして、誘引溶液の流量の変化は上限を1.05〜1.3倍とし、流量差の設定値からのかい離が5%の範囲まで、好ましくは設定値まで戻るようにする。この誘引溶液の流量の制御だけでは、上記設定値に戻らない場合は加温温度の制御を開始する。加温温度の変化は上限を2〜10℃程度上昇とするのがよい。
かい離度を10%とした場合の制御操作の例を表1に示す。
Figure 0006414528
本発明の実施態様1
本発明の実施態様1を図1に示す。同図に示すように、この装置は、正浸透膜処理装置10、熱交換器7、加熱器12、相分離槽11および冷却器13からなっている。
被処理水1は、正浸透膜処理装置10の左側の室に下部から入り、半透膜3を通って被処理水中の水が右側の室に移動して、濃縮された膜濃縮水3が左側の室の上部から排出される。誘引溶液4は、正浸透膜処理装置10の右側の室に上部から入り、半透膜3を介して被処理水1と向流接触して希釈誘引溶液5が右側の室の下部から排出される。この希釈誘引溶液5は、希釈誘引溶液流量計9で流量が測定されて、熱交換器7で加温され、加熱器12でさらに温度感応性薬剤の曇点以上まで加温され、相分離槽11に入る。相分離槽11では、温度感応性薬剤を主体とする濃厚溶液相と少量の温度感応性薬剤を含有する希薄溶液相に相分離され、希薄溶液6は上部から取り出され、残存する温度感応性薬剤が除去されて淡水を得る。一方、濃厚溶液は下部から取り出されて熱交換器7で冷却され、冷却器13でさらに冷却されて誘引溶液4として誘引溶液流量計8で流量が測定された後、正浸透膜処理装置10に返送される。
1.実験装置
図1の実験装置を用いた。
被処理水(FS):NaCl水溶液
誘引溶液(DS):温度感応性薬剤(ポリエチレングリコールとポリプロピレンのランダム共重合体)水溶液
正浸透(FO)膜:CTA製、膜面積60m、設計造水量2.5m/day
加熱器:プレート型熱交換器(熱交換面積7.2m)、熱媒体:100℃シリコンオイル
冷却器:プレート型熱交換器(熱交換面積4.0m)、熱媒体:5℃冷水
相分離槽:横流式沈殿槽(容積40L)
2.運転条件および運転結果
(1)RUN1(通常運転)
Figure 0006414528
表2に通常運転時の運転条件と運転結果を示す。
FS濃度は一般的な海水塩濃度を模擬した。希釈DS分離温度は、工場の冷却器排気等の低温廃熱利用を想定して80℃に設定した。DS濃度は分離温度によって一義的に決まる値であり、本実験に用いたDSの濃度80.2%は海水より充分高い浸透圧を有する。
FSとDSの流量は、予め予備実験を実施し、FSからの淡水の回収率が33%となるように設定した。
通常時の造水量として2.5m/dayと設定値通りの値が得られている。このとき、希釈DSを80℃に加温して沈殿槽にて滞留時間6.5分で分離することにより80.2%の濃度のDSが得られた。DS供給量は造水量の約2.5倍である。
(2)RUN2(高濃度FS1)
Figure 0006414528

表3にFS濃度を3.5wt%から3.7wt%に上昇させた場合の運転条件と運転結果を示す。
FS濃度を3.5wt%から3.7wt%に上昇させた場合、RUN1と同一の運転条件では造水量が2.3m/dayと8%ほど低下した。FSの浸透圧が上昇したことが原因と考えられる。閉鎖性水域の渇水期などにこのような濃度変化の生じることが想定される。
(3)RUN3(DS流量増加)
Figure 0006414528
表4にDS流量を6.3m/dayから6.8m/dayに増やした場合の運転条件と運転結果を示す。
DS流量の6.3m/dayから6.8m/dayの8%の流量増加によって造水量を設定値通りに制御することができた。FSの温度変化によって同程度の造水量低下が生じた場合においても、同様の対応が可能である。この操作はポンプ設定を変更するだけで即座に効果が得られるため、一時的な造水量変動に即座に対応することが可能である。沈殿槽の滞留時間が6.5分から6.2分に減少したが、分離効率への影響は軽微で、分離後のDS濃度は80.1wt%であった。
(4)RUN4(高濃度FS2)
Figure 0006414528
表5にFS濃度を3.9wt%に増やした場合の運転条件と運転結果を示す。
RUN2よりさらにFSの濃度上昇幅を大きくした結果、造水量は設定値の20%減と大幅に低下した。このような場合にDS供給量の増加で対応した場合、沈殿槽の滞留時間減少が顕著となり、分離性能が低下することが考えられる。分離性能の低下を抑制するためには沈殿槽滞留時間に大幅な余裕を取る必要があり、設備費増につながる。
(5)RUN5(希釈DS分離温度上昇)
Figure 0006414528
表6に希釈DS分離温度を80℃から85℃に上昇させた場合の運転条件と運転結果を示す。
希釈DS分離温度を5℃上昇させることにより、DS濃度が2ポイント上昇した。このことにより設計造水量を得るためのDS流量は6.5m/dayとRUN1の標準的な値からわずかに増加するだけであった。
本発明の実施態様2
図2に示すダブルループ法の装置を使用した場合の制御動作について説明する。
正浸透膜処理装置10では、被処理水1が浸透圧剤として硫酸マグネシウムを用いた誘引溶液4と半透膜3を介して向流接触し、それによって濃縮され、膜濃縮水2となって排出される。一方、被処理水1からの水の移動によって希釈された希釈誘引溶液5は、混合槽14に入れられ、相分離槽11から循環してきた温度感応性薬剤溶液17と混合されて誘引溶液再生槽15に送られる。誘引溶液再生槽15で分離された硫酸マグネシウムを浸透圧剤とする誘引溶液4はポンプにより正浸透膜処理装置10に返送される。一方、誘引溶液再生槽15で分離された温度感応性薬剤溶液16は熱交換器7で相分離槽11から出る80℃の温度感応性薬剤溶液17で加温され、さらに加熱器12で90℃の減圧蒸気で加温されて相分離槽11に入れられる。相分離槽11で分離された温度感応性薬剤溶液17は熱交換器7で熱交換して冷却され、さらに冷却器13で32℃まで冷却されて混合槽14に投入されて循環している。一方、相分離槽11の希薄溶液6は淡水として取り出される。
このようなプロセスにおいて、造水量が低下した場合、まず正浸透膜処理装置10に供給する誘引溶液(MgSO水溶液、15〜25%)4の流量を増大させる。本操作は即効性があるが、温度感応性薬剤溶液17と希釈誘引溶液5との混合時間および誘引溶液再生槽15における分離時間の減少により再生された誘引溶液濃度が所定値から低下する。そこで、次の手段として誘引溶液再生槽15に供給する温度感応性薬剤溶液17の流量を増大させる。この場合は希釈誘引溶液5から温度感応性薬剤溶液17への淡水の移動は促進されるが、混合時間と分離時間の減少が甚だしくなるため限界がある。次の手段として相分離槽11の温度を上昇させることで温度感応性薬剤溶液17を高濃度化する。これにより温度感応性薬剤溶液17と希釈誘引溶液5との混合時間および分離時間に影響を及ぼさずに希釈誘引溶液5から温度感応性薬剤溶液17への淡水の移動を促進できる。
本発明により、海水等から淡水を安定して製造できるので、海水等から淡水を製造する装置に広く利用できる。
1 被処理水
2 膜濃縮水
3 半透膜
4 誘引溶液
5 希釈誘引溶液
6 希薄溶液
7 熱交換器
8 誘引溶液流量計
9 希釈誘引溶液流量計
10 正浸透膜処理装置
11 相分離槽
12 加熱器
13 冷却器
14 混合槽
15 誘引溶液再生槽
16 希釈温度感応性薬剤溶液
17 温度感応性薬剤溶液

Claims (6)

  1. 塩類を含有する被処理水と、浸透圧剤を水に溶解し前記被処理水よりも浸透圧の高い誘引溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、
    前記希釈誘引溶液を浸透圧剤を主体とする濃厚溶液相と、少量の浸透圧剤を含有する希薄溶液相とに相分離する相分離工程と、
    前記相分離工程で分離された濃厚溶液を前記正浸透工程へ循環し、誘引溶液として再使用する循環工程と、
    前記相分離工程で分離された希薄溶液から淡水を得る淡水回収工程を有する水の脱塩処理方法であって、
    前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液各々の流量を測定し、それらの流量差が予め設定された設定値よりも低い場合は、前記誘引溶液の流量を増加し、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合は、前記誘引溶液の流量を減少させることを特徴とする水の脱塩処理方法。
  2. 前記浸透圧剤が下限臨界温度を有する温度感応性薬剤であり、前記相分離工程が前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程を有しており、かつ
    前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液の流量差が予め設定された設定値よりも低い場合に、前記誘引溶液の流量を増加するとともに、前記加温工程での加温温度を上昇させる、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合に、前記誘引溶液の流量を減少させるとともに、前記加温工程での加温温度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の水の脱塩処理方法。
  3. 前記浸透圧剤が無機塩であり、前記相分離工程の前段で前記希釈誘引溶液に下限臨界温度を有する温度感応性薬剤を混合する温度感応性薬剤混合工程を有するとともに、前記相分離工程で分離された希薄溶液から淡水を得る淡水回収工程が、前記希薄溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程に続き温度感応性薬剤を主体とする温度感応性薬剤溶液相と、淡水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する淡水相とに相分離する第2相分離工程を有しており、
    かつ、前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液の流量差が予め設定された設定値よりも低い場合に、前記誘引溶液の流量を増加するとともに、前記加温工程での加温温度を上昇させる、また、前記流量差が予め設定された設定値よりも高い場合に、前記誘引溶液の流量を減少させるとともに、前記加温工程での加温温度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の水の脱塩処理方法。
  4. 塩類を含有する被処理水と、浸透圧剤を水に溶解し前記被処理水よりも浸透圧の高い誘引溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を前記半透膜を通して前記誘引溶液に移動させ、水で希釈された希釈誘引溶液と膜濃縮水を得る正浸透膜処理装置と、
    前記希釈誘引溶液を浸透圧剤を主体とする濃厚溶液相と、少量の浸透圧剤を含有する希薄溶液相とに相分離する相分離槽と、
    前記相分離槽で分離された濃厚溶液を前記正浸透膜処理装置へ循環し、誘引溶液として再使用する循環手段と、
    前記相分離槽で分離された希薄溶液から淡水を得る淡水回収装置を有する水の脱塩処理装置であって、
    前記希釈誘引溶液の流量測定手段と、前記誘引溶液の流量測定手段と、それらの流量測定手段により測定された前記希釈誘引溶液と前記誘引溶液との流量差と予め設定された前記流量差の設定値との較差に応じて、前記誘引溶液の流量を調整する流量調整手段を有することを特徴とする水の脱塩処理装置。
  5. 前記浸透圧剤が下限臨界温度を有する温度感応性薬剤であり、前記相分離槽の前段に前記希釈誘引溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段を有しており、かつ前記較差に応じて、前記加温手段による加温温度を調整する加温温度調整手段も有することを特徴とする請求項4に記載の水の脱塩処理装置。
  6. 前記浸透圧剤が無機塩であり、前記相分離槽の前段で前記希釈誘引溶液に下限臨界温度を有する温度感応性薬剤を混合する温度感応性薬剤混合手段を有するとともに、前記相分離槽で分離された希薄溶液から淡水を得る淡水回収装置が、前記希薄溶液を前記誘引溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段の後段に温度感応性薬剤を主体とする温度感応性薬剤溶液相と、淡水を主体とし少量の温度感応性薬剤を含有する淡水相とに相分離する第2相分離槽を有しており、
    かつ、前記較差に応じて、前記加温手段による加温温度を調整する加温温度調整手段も有することを特徴とする請求項4に記載の水の脱塩処理装置。
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