JP2022098229A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の循環流路を切り替え可能である小型の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体吐出装置は、素子基板に液体を供給または回収する第1の流路73および第2の流路74と、第1または第2の流路に液体を供給する循環供給流路75と、第1または第2の流路から液体を回収する循環回収流路76と、各流路間の連通と遮断とを制御する複数の開閉弁機構25,26,71,72とを有する。開閉弁機構は、流路間に位置する開口77,78,87,88と、開口を開閉可能な封止部79,80,89,90と、封止部を開口に近づける方向または遠ざける方向に付勢する付勢部材40,84と、付勢部材の付勢力に抗して封止部を移動させる移動機構とを有する。移動機構によって少なくとも2つの開閉弁機構の封止部をともに移動させて当該少なくとも2つの開閉弁機構の開閉を制御する。【選択図】図6

Description

本発明は液体吐出装置に関する。
液体吐出装置の液体吐出ヘッドには、内部の流路に液体を充填する初期充填動作や、増粘した液体や流路内の気泡を吐出口から排出する回復動作のために、液体の供給を制御する制御弁を有するものがある。特許文献1には、気体室内の気体の加圧により膨張した可撓性部材が制御弁を押圧して制御弁を強制的に開くことができる構成が開示されている。
また、流路内の気泡の排出や、吐出口近傍の液体の増粘防止を目的として、液体吐出ヘッド内の液体を流動させる循環型の液体吐出装置がある。循環型の液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと液体収容容器との間で液体を循環させることにより、液体吐出ヘッドの吐出不良を招くおそれがある気泡を液体とともに液体収容容器に回収することができる。特許文献2には、流路を切替えて、圧力調整ユニットを介さずに液体吐出ヘッドへのインクの供給や回復動作が可能な構成が開示されている。
特開2019-142107号公報 特許第6256692号公報
特許文献1に記載されているような制御弁(開閉弁機構)を4つ用いて、特許文献2に記載されているような循環流路を切り替え可能な構成を実現する場合、4つの気体室が必要であり、液体吐出ヘッドの体積が大きくなる。特に、色の異なる複数の液体を吐出する液体吐出ヘッドでは、液体の数(液体の色の数)に応じて多数の切り替え機構をキャリッジに搭載する必要がある。しかし、液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジを走査する液体吐出装置において、キャリッジに搭載する部材は小型かつ軽量であることが好ましい。例えば、切り替え機構を構成する開閉弁機構の大きさがキャリッジの動きに影響を与える可能性があるため、開閉弁機構は小型であることが好ましい。
そこで本発明の目的は、液体の循環流路を切り替え可能である小型の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する素子基板に液体を供給または回収する第1の流路および第2の流路と、前記第1の流路または前記第2の流路に液体を供給する循環供給流路と、前記第1の流路または前記第2の流路から液体を回収する循環回収流路と、各流路間の連通と遮断とを制御する複数の開閉弁機構と、を有し、前記開閉弁機構は、流路間に位置する開口と、前記開口を開閉可能な封止部と、前記封止部を前記開口に近づける方向または遠ざける方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記封止部を移動させる移動機構と、を有し、前記移動機構によって少なくとも2つの前記開閉弁機構の前記封止部をともに移動させて当該少なくとも2つの開閉弁機構の開閉を制御することを特徴とする。
本発明によると、液体の循環流路を切り替え可能である小型の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の液体吐出装置の要部の概略斜視図とブロック図である。 図1に示す液体吐出装置の液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図1に示す液体吐出装置の流路を示す断面図である。 図1に示す液体吐出装置の流路を示すブロック図である。 図1に示す液体吐出装置の液体循環ユニットの斜視図と正面図と断面図である。 本発明の第1の実施形態の三方弁の断面図と正面図である。 本発明の第2の実施形態の三方弁の断面図である。 本発明の第3の実施形態の三方弁の断面図である。 本発明の第4の実施形態の液体吐出装置の流路を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に記載される実施形態は、本発明を限定するものではない。例えば、以下に記載される各実施形態では、発熱素子により気泡を発生させて液体を吐出するサーマル方式の液体吐出ヘッドが採用されているが、ピエゾ方式やその他の各種の液体吐出方式が採用された液体吐出ヘッドにも本発明を適用することができる。
[第1の実施形態]
(液体吐出装置の説明)
本発明の第1の実施形態の液体吐出装置について図1~6を参照して説明する。図1(a)は、本実施形態の液体吐出ヘッド1を含む液体吐出装置50の要部の概略斜視図であり、図1(b)は、その液体吐出装置50の制御系のブロック図である。本実施形態の液体吐出装置50は、液体吐出ヘッド1からインクなどの液体を吐出して記録媒体Pに画像や文字や模様等を記録するシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置であり、液体吐出ヘッド1はインクジェット記録ヘッドである。液体吐出ヘッド1はキャリッジ53に搭載されており、キャリッジ53は、キャリッジモータ303(図1(b)参照)によって駆動され、ガイド軸51に沿って主走査方向(図1(a)の矢印X方向)に移動可能である。キャリッジ53にはガイド59が接続されている。ガイド59は電気配線や配管を含んでおり、液体吐出に必要な電気信号や液体や空気がガイド59を介してキャリッジ53へ供給される。液体吐出装置50は搬送ローラ55,56,57,58を有している。搬送ローラ55,56,57,58は、搬送モータ304(図1(b)参照)によって駆動されて、記録媒体Pを主走査方向と交差する(本実施形態では直交する)副走査方向(図1(a)の矢印Y方向)に搬送することができる。
液体吐出ヘッド1は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色の液体(インク)を用いたフルカラー印刷が可能である。液体吐出ヘッド1に設けられているエネルギー発生素子は、電気配線基板6(図2参照)から入力される電気信号に応じてヘッドドライバ1A(図1(b)参照)によって駆動され、吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生する。液体吐出ヘッド1は液体循環ユニット54を有しており、液体循環ユニット54は、液体を、後述する素子基板200を通して循環させる。
液体吐出装置50には、液体吐出ヘッド1の吐出口形成面に対向可能な位置であって記録媒体Pの搬送路から外れた位置に、キャップ部材(図示せず)が配置されている。記録媒体Pへの記録を行わない時には、キャップ部材が液体吐出ヘッド1の吐出口形成面を覆う位置に相対的に移動し、吐出口の乾燥を抑制するとともに、液体の充填や回復動作のために吸引を行なう。
図1(b)に示すように、液体吐出装置50は、CPU(制御部)300とROM301とRAM302とを有している。CPU300は、ROM301に格納された処理手順等のプログラムに基づいて液体吐出装置50の各部分を制御し、RAM302は、それらの処理を実行するワークエリアなどとして用いられる。CPU300は、液体吐出装置50の外部のホスト装置(コンピュータ)400から送られた画像データに基づいて、ヘッドドライバ1Aを制御する。また、CPU300は、モータドライバ303Aを介してキャリッジモータ303を制御してキャリッジ53を移動させるとともに、モータドライバ304Aを介して搬送モータ304を制御して記録媒体Pを搬送させる。
(液体吐出ヘッドの説明)
図2は、第1の実施形態の液体吐出ヘッド1を示す分解斜視図である。図3は、液体吐出装置の流路を示す断面図である。液体吐出ヘッド1は、液体循環ユニット54と吐出ユニットとを含む。吐出ユニットは、主に、素子基板200と、電気配線部材5と、電気配線基板6と、第1の支持部材4と、第2の支持部材7と、を有し、液体循環ユニット54から供給された記録用の液体(インク)を記録媒体Pに吐出する。液体吐出ヘッド1は、図示しない位置決め部材および電気接点によってキャリッジ53に固定的に支持されている。液体吐出ヘッド1は、キャリッジ53とともに走査方向(図1(a)の矢印X方向)に走査されつつ、記録媒体Pに液体を吐出することにより記録を行う。
液体吐出装置50は、図1(a)に模式的に示しているように、液体を収容するタンク2と、タンク2に接続された液体供給チューブ17と、液体供給チューブ17の途中に設けられているポンプ21と、を有している。液体供給チューブ17は、ガイド59の一部を構成している。液体供給チューブ17の、タンク2との接続部と反対側の端部には、液体コネクタ(図示せず)が設けられている。液体吐出装置50のキャリッジ53に液体吐出ヘッド1が搭載されると、液体コネクタと、液体吐出ヘッド1の筐体に設けられたコネクタ挿入口(図示せず)とが気密に接続される。そして、ポンプ21の作用によって、タンク2内の液体が液体供給チューブ17を介して液体吐出ヘッド1に供給される。本実施形態の液体吐出ヘッド1は4種類の液体を吐出可能であり、各液体に対応して液体供給チューブ17およびコネクタ挿入口がそれぞれ設けられ、液体毎に供給路が形成されている。
図2に示すように、液体吐出ヘッド1の吐出ユニットは、2つの素子基板(吐出モジュール)200と、第1の支持部材4と、第2の支持部材7と、電気配線部材(電気配線テープ)5と、電気配線基板6と、を含む。素子基板200は厚さ0.5~1mmのシリコン基板からなり、具体的には、図3に示すように、吐出口形成部材200aと、吐出口形成部材200aと重なり合う基板200bとを有している。吐出口形成部材200aは、基板200bとの間に圧力室200cを構成する複数の凹部と、各圧力室200cにそれぞれ連通して外部に開口する複数の吐出口200dとを備えている。基板200bは、各圧力室200cにそれぞれ対応して配置され、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子200eを備えている。本実施形態においてはエネルギー発生素子200eとして発熱抵抗素子(ヒータ)が用いられ、各エネルギー発生素子200eに電力を供給する電気配線(図示せず)が成膜技術により基板200b上に形成されている。さらに、基板200bには、各圧力室200cに連通する貫通孔である個別供給流路18と個別回収流路19とが設けられている。吐出口形成部材200aおよび基板200bの各流路、凹部、吐出口等は、フォトリソグラフィ技術によって形成することができる。
素子基板200は、液体供給路および液体回収路を備えている第1の支持部材4に接着されて固定されている。第1の支持部材4には、液体吐出ヘッド1から吐出する液体の種類(色)毎にそれぞれ液体供給路および液体回収路が設けられている。図3に示す断面には、2つの液体供給路4aが存在するが、図3とは異なる断面位置に、他の液体供給路や液体回収路が存在する。第1の支持部材4は、供給孔8aおよび回収孔8bを有するジョイント部材8を介して、複数の液体循環ユニット54が接続されている。本実施形態では、4色の液体を用いるため4つの液体循環ユニット54が設けられ、ジョイント部材8には4つの供給孔8aと4つの回収孔8bが設けられ、第1の支持部材4には4つの液体供給路4aと4つの液体回収路(図示せず)が設けられている。液体供給路4aおよび液体回収路は、圧力室200cに連通する幅の狭い部分から、供給孔8aおよび回収孔8bと同程度の幅で供給孔8aおよび回収孔8bと連通する幅の広い部分まで、流路の幅が変化している。各色の液体毎に、液体循環ユニット54から供給孔8aと液体供給路4aと個別供給流路18とを通って圧力室200cに至り、圧力室200cから個別回収流路19と液体回収路と回収孔8bとを通って液体循環ユニット54へ戻る循環路が構成されている。後述する順方向の液体循環時には、このように液体が循環する。ただし、逆方向の液体循環時には、反対に液体が流れる。すなわち、液体循環ユニット54から回収孔8bと液体回収路と個別回収流路19とを通って圧力室200cに至り、圧力室200cから個別供給流路18と液体供給路4aと供給孔8aとを通って液体循環ユニット54へ戻るように液体が循環する。
第1の支持部材4に第2の支持部材7が接合されている。第2の支持部材7には開口が設けられており、この開口内に素子基板200が位置し、素子基板200と第2の支持部材7とは重なり合わない。第2の支持部材7は電気配線部材5を保持している。電気配線部材5は素子基板200に電気的に接続されており、素子基板200に、液体吐出用の電気信号を印加する。図示しないが、素子基板200と電気配線部材5との電気接続部分は、封止材により封止され、液体(例えばインク)による腐食や外部からの衝撃から保護されている。電気配線部材5の、素子基板200との接続部と反対側の端部には、電気配線基板6が、異方性導電フィルム(図示せず)を介して熱圧着されるとともに電気的に接続されている。電気配線基板6は、液体吐出装置本体のCPU300からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子(図示せず)を有する。
以上のような構成であるため、ポンプ21の作用によってタンク2から液体循環ユニット54に液体を供給し、さらに供給孔8aと液体供給路4aと個別供給流路18とを介して圧力室200cに液体を供給する。そして、CPU300から電気配線基板6および電気配線部材5を介して、素子基板200のエネルギー発生素子200eに選択的に電気信号を付与する。電気信号が付与されたエネルギー発生素子200eが液体吐出のためのエネルギー、例えば熱エネルギーを発生させる。圧力室200c内の液体がエネルギーを受けて発泡し、発泡圧により吐出口200dから液滴が吐出する。
この構成では、液体吐出時にエネルギー発生素子200eが熱エネルギーを発生して液体を発泡させるため、液体吐出ヘッド1の温度が上昇する。特に、発色性の向上や乾燥時間の短縮などの目的で水分量の少ないインクを液体として用いる液体吐出装置50においては、液体中の溶存酸素が析出することにより、気泡が発生して成長し易い。例えば、図3に示す個別回収流路19の中で気泡が成長すると、液体の循環流に乗せて気泡を排出することができる。しかし、個別供給流路18の中で気泡が成長すると、気泡が液体とともに圧力室200cおよび吐出口200dへ向かって進行し、圧力室200cの内部、特に吐出口200dの近傍で液体不足になり、液体を吐出できなくなってしまうおそれがある。前述した液体の循環路中で液体の脱気を行なってこの問題を回避することは可能であるが、脱気機構によって液体吐出装置50が大型化するとともにコストが上昇する。そこで、本実施形態では液体の脱気を行うことなく吐出を行ない、気泡が成長して吐出ができなくなる前に、逆方向の液体循環を行う。それにより、個別供給流路18の気泡を液体循環ユニット54側に戻して、液体吐出に影響を与えない場所まで気泡を移動させ、前述した問題を回避可能になる。
(液体循環路の説明)
図4は、本実施形態の液体吐出装置の、1種類(1色)の液体の循環路を示す模式図である。図4(a)は順方向の循環路を示しており、図4(b)は逆方向の循環路を示している。ここでいう順方向とは、通常の液体吐出動作において液体が循環する方向のことであり、泡抜け性や充填容易性や液体吐出時の温度分布などに基づいて任意に設定される。逆方向とは、順方向の反対の方向であり、液体吐出を行わない時に気泡の排出等を行うための液体循環の方向である。図1~2に示すような多色(例えば4色)の液体を吐出する液体吐出ヘッド1では、図4に示すような循環路が液体の数だけ設けられている。
図4では、順方向において素子基板200に液体を供給する供給孔8aおよび液体供給路4aを第1の流路73として示し、素子基板200から液体を回収する液体回収路および回収孔8bを第2の流路74として示している。本実施形態では、液体の循環路に4つの開閉弁機構25,26,71,72が設けられている。すなわち、液体循環ユニット54の一部である循環供給流路75および循環回収流路76と、第1の流路73および第2の流路74とを、開閉弁機構25,26,71,72を介してそれぞれ接続している。循環供給流路75と第1の流路73とからなる液体流路中に第1の開閉弁機構25が設けられ、循環供給流路75と第2の流路74とからなる液体流路中に第2の開閉弁機構71が設けられている。循環回収流路76と第1の流路73とからなる液体流路中に第3の開閉弁機構72が設けられ、循環回収流路76と第2の流路74とからなる液体流路中に第4の開閉弁機構26が設けられている。これらの開閉弁機構25,26,71,72は、各流路間の連通と遮断とを制御する。すなわち、開閉弁機構25,26,71,72の開閉によって、循環供給流路75および循環回収流路76と第1の流路73および第2の流路74とのそれぞれの接続を個別に制御して、液体の循環方向を切り替えることができる。具体的には、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26を開き、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72を閉じることにより、順方向の液体循環を行う(図4(a)参照)。一方、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72を開き、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26を閉じることにより、逆方向の液体循環を行う(図4(b)参照)。
本実施形態の液体吐出ヘッドで液体吐出を行う場合には、ポンプ21の作動によりタンク2から液体吐出ヘッド1まで液体が加圧供給される。液体吐出ヘッド1に加圧供給された液体の中のごみがフィルタ23によって除去され、液体の圧力が減圧弁24で調整された後に、液体が循環供給流路75に流入する。前述したように第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26を開き、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72を閉じた状態で、第1の流路73から素子基板200に液体が供給される。そして、図3に示す素子基板200の圧力室200cに設けられたエネルギー発生素子200eに電気信号が印加されると、吐出口200dから液体が吐出する。圧力室200c内にあって吐出されなかった液体は、第2の流路74から循環回収流路76へ回収される。循環回収流路76には循環ポンプ27が接続されており、循環ポンプ27によって循環回収流路76からエアバッファ29を介して循環供給流路75へ液体が流入する。このようにして液体の順方向の循環が行なわれる。なお、循環ポンプ27の下流に位置するエアバッファ29は、ポンプの脈動や温度上昇に伴う圧力変動を低減して、吐出の安定化やインク漏れの抑制に寄与する。また、減圧弁24と循環回収流路76との間に差圧弁28が設けられている。差圧弁28は、例えば全ての吐出口200dから液体を吐出した時の圧力低下による吐出への影響を抑制する。
このように、図4(a)に示す順方向の液体循環を行いながら液体吐出ヘッド1からの液体吐出を行う一方、液体の循環路内に気泡が発生した場合には、気泡を排出するために液体の循環方向を切り換える。すなわち、液体吐出を行わない状態にして、図4(b)に示すように、エアポンプ22を駆動して空気圧駆動流路30に加圧空気を供給し、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72を開き、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26を閉じる。この状態で、ポンプ21が作動すると、タンク2から液体吐出ヘッド1の循環回収流路76に流入した液体が、第2の流路74から素子基板200の圧力室200cに供給される。そして、圧力室200c内の液体は、第1の流路73から循環供給流路75へ回収される。このようにして、液体の逆方向の循環が行なわれる。液体の逆方向の循環により、特に循環供給流路75や第1の流路73に気泡等が存在する場合には、その気泡が圧力室200cおよび吐出口200dから遠ざけられ、液体が不吐出になることを抑えられる。なお、循環回収流路76および第2の流路74に気泡等が存在する場合には、通常の液体吐出に伴う順方向の液体循環によって気泡が圧力室200cおよび吐出口200dから遠ざけられる。通常の液体吐出に伴う順方向の液体循環では、圧力室200cおよび吐出口200dに接近する循環供給流路75や第1の流路73内の気泡が生じた場合に、液体の逆方向の循環を行って、その気泡を圧力室200cおよび吐出口200dから遠ざける。
後述するが、本実施形態の開閉弁機構25,26,71,72は空気圧で駆動可能であり、電磁弁に比べて振動の少ない切り替え動作が可能である。エアポンプ22は空気圧駆動流路30に加圧空気を供給して、4つの開閉弁機構25,26,71,72の開閉を制御する。液体の逆方向の循環路が構成されている場合には、液体吐出の前に順方向の循環路に戻すために4つの開閉弁機構25,26,71,72を通常の位置に復帰させる必要がある。そのために、各開閉弁機構25,26,71,72は大気に開放可能である必要がある。そこで、本実施形態では、複数の開閉弁機構を実質的に統合した構成の三方弁92,93を用いて、エアポンプ22からの加圧空気供給状態と大気開放状態とを切替える構成にする。例えば、2つの開閉弁機構を統合した構成の三方弁を2つ配置する。具体的には、第1および第2の開閉弁機構25,71を統合した構成の第1の三方弁92と、第3および第4の開閉弁機構72,26を統合した構成の第2の三方弁93とを設ける。それにより、前述したように4つの開閉弁機構25,26,71,72を備えた構成を実現することができる。例えば、第1の三方弁92が第1の開閉弁機構25と第2の開閉弁機構71とを含み、第1の開閉弁機構25と第2の開閉弁機構71の一方を開くと同時に他方を閉じる。そして、第2の三方弁93が第3の開閉弁機構72と第4の開閉弁機構26とを含み、第3の開閉弁機構72と第4の開閉弁機構26の一方を開くと同時に他方を閉じる。図4では、理解しやすいように空気圧駆動流路30が各開閉弁機構25,26,71,72へ空気を供給する構成を示しているが、後述するように開閉弁機構25,26,71,72の数よりも少ない圧力室200cへ空気を供給する場合もある。
本実施形態の液体循環ユニット54の詳細な構成は図5に示されている。図5(a)は1色分の液体循環ユニット54の概略斜視図である。図5(b)はその一部を透過した平面図である。図5(c)は図5(b)のA-A線断面図である。図5(d)は図5(b)のB-B線断面図である。液体循環ユニット54には、図4に示されている循環路および循環機構の主要部が設けられている。
図5(a),5(b)に示す、タンク2から液体吐出ヘッド1への入口になる液体循環ユニット54の流入口45が、フィルタ23を介して負圧調整用の減圧弁24の一次側液室33(図5(c)参照)に接続されている。図5(d)に示すように、減圧弁24は一次側液室33と二次側液室34とを有し、一次側液室33と二次側液室34との連通部分に弁機構35が設けられている。二次側液室34を区画する壁の一部が可撓性フィルム31からなり、可撓性フィルム31に固定された受圧板32に設けられた凸部32aが弁機構35の弁棒を構成している。従って、流入口45からフィルタ23を介して一次側液室33に供給された液体が二次側液室34に流入すると、流入した液体に押されて可撓性フィルム31が撓み変形しつつ受圧板32が移動する。それに伴って凸部(弁棒)32aが一次側液室33と二次側液室34との間で進退し、弁機構35の開度が調整される。この減圧弁24の二次側液室34に循環供給流路75が接続されている。循環供給流路75には循環ポンプ27の吐出側が接続されている。循環ポンプ27の吸引側には循環回収流路76が接続されている。循環ポンプ27は、ダイヤフラム36に貼り付けられた圧電素子37に駆動電圧が印加されると、ポンプ室38の容積が変化し、その圧力変動により、吐出側と吸引側の2つの逆止弁39が交互に動いて液体を送る、圧電ダイヤフラムポンプである。循環ポンプ27の吐出側は、減圧弁24の二次側液室34に繋がるとともに、エアバッファ29にも連通している。エアバッファ29の一部はゴムからなり、ゴムの変形により圧力変動を吸収することができる。
循環ポンプ27の吐出側に接続された循環供給流路75には、第1の三方弁92が設けられている。循環ポンプ27の吸引側に接続された循環回収流路76には、第2の三方弁93が設けられている。本実施形態の2つの三方弁92,93は図3に示されている。詳細は後述するが、第1の三方弁92および第2の三方弁93は、空気圧により流路を切り替えることができ、装置本体のエアポンプ22(図4参照)から空気供給口44および空気圧駆動流路30へ供給される加圧空気により駆動される。第1の三方弁92は循環供給流路75から供給された液体を、第1の流路73または第2の流路74へ流通させるように、図4における第1の開閉弁機構25と第2の開閉弁機構71の機能を有している。第2の三方弁93は第1の流路73または第2の流路74から循環回収流路76へ液体を回収させるように、図4における第3の開閉弁機構72と第4の開閉弁機構26の機能を有している。第1の流路73は供給接続口46からジョイント部材8の供給孔8aに接続され、第2の流路74は回収接続口47からジョイント部材8の回収孔8bに接続されている。それにより、図3に示すように液体循環ユニット54が素子基板200に接続されて液体の循環路が形成されている。
図4(a),4(b),5(b),5(c)に示すように、循環供給流路75と循環回収流路76との間には差圧弁28が設けられている。液体吐出や循環ポンプ27の駆動によって循環回収流路76の圧力が低下すると、差圧弁28が開いて、差圧が大きくなりすぎないようにすることで、吐出口200dを適正な負圧に保つ。
(三方弁の説明)
図6は、三方弁92,93の動きを模式的に示した図である。図6(a),6(c)は、第1の三方弁92を示す、図5(b)のC-C線断面図である。図6(b),6(d)は、第2の三方弁93を示す、図5(b)のD-D線断面図である。図6(e)は2つの三方弁92,93を含む領域を示す正面図である。前述したように第1の三方弁92は第1の開閉弁機構25と第2の開閉弁機構71の機能を有している。具体的には、第1の三方弁92の第1の開口87と第1の封止部89とによって第1の開閉弁機構25が構成され、第2の開口88と第2の封止部90とによって第2の開閉弁機構71が構成されている。第1の開口87は第1の流路73と連通し、第2の開口88は第2の流路74と連通している。第1の開口87と第2の開口88との間に、循環供給流路75と連通する開口61が設けられている。第1の開口87と第2の開口88と開口61とに対向してそれらを覆うことができる位置に、可撓性部材である可撓性フィルム86が配置されている。可撓性フィルム86はロッカー機構83に接合されている。可撓性フィルム86およびロッカー機構83の一部が第1の封止部89を構成し、他の一部が第2の封止部90を構成している。従って、第1の封止部89と第2の封止部90とは、同じ部材(可撓性フィルム86およびロッカー機構83)の一部分と他の一部分のことである。ロッカー機構83は、シャフト83aを中心として回転可能であり、付勢部材であるバネ84によって第1の封止部89が第1の開口87から離れる方向に付勢されている。可撓性フィルム86は、接液性やガス透過性に問題のないゴム材料で成形されることが好ましい。
同様に、第2の三方弁93は第3の開閉弁機構72と第4の開閉弁機構26の機能を有している。具体的には、第2の三方弁93の第3の開口77と第3の封止部79とによって第3の開閉弁機構72が構成され、第4の開口78と第4の封止部80とによって第4の開閉弁機構26が構成されている。第3の開口77は第1の流路73と連通し、第4の開口78は第2の流路74と連通している。第3の開口77と第4の開口78との間に、循環回収流路76と連通する開口62が設けられている。第3の開口77と第4の開口78と開口62とに対向してそれらを覆うことができる位置に、可撓性部材である可撓性フィルム81が配置されている。可撓性フィルム81はロッカー機構41に接合されている。可撓性フィルム81およびロッカー機構41の一部が第3の封止部79を構成し、他の一部が第4の封止部80を構成している。ロッカー機構41は、シャフト41aを中心として回転可能であり、付勢部材であるバネ40によって第4の封止部80が第4の開口78から離れる方向に付勢されている。可撓性フィルム81は、接液性やガス透過性に問題のないゴム材料で成形されることが好ましい。
可撓性フィルム86およびロッカー機構83が設けられている空間と可撓性フィルム81およびロッカー機構41が設けられている空間とに重なるように、加圧室91が設けられている。加圧室内には可撓性部材である可撓性フィルム82が配置されており、可撓性フィルム82に押圧板42が接合されている。図6(a)に示す初期状態では、加圧室内の圧力は大気圧であり、可撓性フィルム82および押圧板42に付勢力が加わっていない。この時、第1の開閉弁機構25を構成する第1の開口87と第1の封止部89とが離れており、循環供給流路75が第1の流路73と連通して液体が流通可能である。この場合、循環供給流路75と第1の流路73とを連通させる液体流路(連通路)を区画する壁の一部が可撓性フィルム86で構成される。一方、第2の開閉弁機構71を構成する第2の開口88と第2の封止部90とが接触して封止された閉状態になっている。循環供給流路75と第2の流路74とは連通せず液体は流通しない。
この初期状態において第2の三方弁93は、図6(b)に示すように、第4の開閉弁機構26を構成する第4の開口78と第4の封止部80とが離れており、循環回収流路76が第2の流路74と連通して液体が流通可能である。この時、循環回収流路76と第2の流路74とを連通させる液体流路(連通路)を区画する壁の一部が可撓性フィルム81で構成されている。一方、第3の開閉弁機構72を構成する第3の開口77と第3の封止部79とが接触して封止された閉状態になっている。循環回収流路76と第1の流路73とは連通せず液体は流通しない。
図6(a),6(b)に示す初期状態において、エアポンプ22からの加圧空気が加圧室91に導入されると、空気圧により可撓性フィルム82および押圧板42は図6(a),6(b)の下方へ移動する。図6(c)に示すように押圧板42の押圧部85がロッカー機構83を押し下げて、ロッカー機構83はバネ84の付勢力に抗して回転する。それにより、第1の封止部89が第1の開口87を封止して、第1の開閉弁機構25が閉じる。一方、ロッカー機構83の回転により第2の封止部90が第2の開口88から離れ、循環供給流路75と第2の流路74とが連通して第2の開閉弁機構71が開く。このように、第1の三方弁92を駆動するための移動機構は、主にロッカー機構83、押圧部85、押圧板42、可撓性フィルム82からなり、この移動機構によって第1の開閉弁機構25と第2の開閉弁機構71とが同時に駆動される。なお、ロッカー機構83が収容される空間を区画する壁の一部であって、ロッカー機構83の上下に位置する規制部92a,92bが、ロッカー機構83のシャフト83aを中心とした回転運動の範囲を規定する。すなわち、図6(a)に示す状態では、第2の封止部90が第2の開口88を塞ぐ位置でロッカー機構83が規制部92aによって保持される。図6(b)に示す状態では、第1の封止部89が第1の開口87を塞ぐ位置でロッカー機構83が規制部92bによって保持され、それ以上に過剰な回転をしないように規制されている。
また、可撓性フィルム82および押圧板42が図6の下方へ移動すると、図6(d)に示すように押圧板42の押圧部43がロッカー機構41を押し下げて、ロッカー機構41はバネ40の付勢力に抗して回転する。それにより、第4の封止部80が第4の開口78を封止して、第4の開閉弁機構26が閉じる。一方、ロッカー機構41の回転により第3の封止部79が第3の開口77から離れ、循環回収流路76と第1の流路73とが連通して第3の開閉弁機構72が開く。第2の三方弁93を駆動するための移動機構は、主にロッカー機構41、押圧部43、押圧板42、可撓性フィルム82からなり、この移動機構によって第3の開閉弁機構72と第4の開閉弁機構26とが同時に駆動される。ロッカー機構41が収容される空間を区画する壁の一部であって、ロッカー機構41の上下に位置する規制部93a,93bが、ロッカー機構41のシャフト83aを中心とした回転運動の範囲を規定する。すなわち、図6(b)に示す状態では、第3の封止部79が第3の開口77を塞ぐ位置でロッカー機構41が規制部93aによって保持される。図6(d)に示す状態では、第4の封止部80が第4の開口78を塞ぐ位置でロッカー機構41が規制部93bによって保持され、それ以上に過剰な回転をしないように規制されている。
第1の三方弁92および第2の三方弁93の移動機構を構成する押圧板42を、図6(e)に示している。押圧板42は可撓性フィルム82に取り付けられており、第1の三方弁92を駆動するための押圧部85と、第2の三方弁93を駆動するための押圧部43とが設けられている。従って、加圧室91内を加圧することで、押圧板42は第1の三方弁92と第2の三方弁93とを同時に駆動する。換言すると、1つの加圧室91を加圧することで、第1の開閉弁機構25、第2の開閉弁機構71、第3の開閉弁機構72、および第4の開閉弁機構26の、4つの開閉弁機構を同時に駆動できる。
各三方弁92,93の寸法は、封止部89,90,79,80が開口87,88,77,78を確実に閉じることができ、かつ開閉弁機構25,71,72,26を開いた時の液体流路(連通路)の流抵抗が大きくなりすぎないような大きさに選択される。例えばロッカー機構83,41の長さが20mm、幅が5mm程度、高さが1mmであるとすると、押圧部85,43のストロークは1mm程度でよい。また、液体流路内の圧力を最大-5kPaとすると、バネ84,40は0.5N以上のバネ力を有することが好ましい。さらに、押圧板42の受圧部が例えば直径10mmの円形である場合、20kPa以上の圧力で受圧部を加圧すると、ロッカー機構83,41は1.57N以上の力で押圧されて弁の開閉の切り替えが行われる。
本実施形態では、第1の三方弁92が第1の開閉弁機構25と第2の開閉弁機構71の機能を有しており、第2の三方弁93が第3の開閉弁機構72と第4の開閉弁機構26の機能を有しているが、この構成に限定されるものではない。たとえば、第1の三方弁92が第1の開閉弁機構25と第3の開閉弁機構72の機能を有しており、第2の三方弁93が第2の開閉弁機構71と第4の開閉弁機構26の機能を有している構成であってもよい。
以上説明したように、本発明を適用した液体吐出装置においては、主に加圧室91と可撓性フィルム82と押圧板42とからなる1つの移動機構で、複数の開閉弁機構25,71,72,26の開閉を制御することが可能である。そのため、キャリッジ53に搭載する液体吐出ヘッド1の液体循環ユニット54を小型化することができる。また、ロッカー機構83,41を用いることで、確実に2つの開閉弁機構の開閉切り替えを行なう三方弁92,93を構成することができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、主に三方弁92,93の構成が第1の実施形態と異なっているので、主にその相違点について説明する。その他の点は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。図7は、本実施形態の第1の三方弁92と第2の三方弁93を模式的に示している。図7(a)に示す本実施形態の第1の三方弁92は、循環供給流路75から連通する第1の開口87と第2の開口88を有している。第1の開口87は、加圧室91を介して第1の流路73に接続されている。第2の開口88は、弁室99を介して第2の流路74に接続されている。加圧室91には外部開口63が設けられている。循環供給流路75と第1の流路73と第2の流路74と外部開口63とは、第1の三方弁92の外部に開口している。
第1の実施形態と同様に、第1の三方弁92では、第1の開口87と第1の封止部89とによって第1の開閉弁機構25が構成され、第2の開口88と第2の封止部90とによって第2の開閉弁機構71が構成されている。第1の開閉弁機構25と第2の開閉弁機構71とは、循環供給流路75を挟んで対向している。加圧室91内に位置する第1の封止部89と、弁室99内に位置する第2の封止部90とは連結部94によって連結されて一体的に移動可能である。加圧室91内には可撓性フィルム101が配置され、この可撓性フィルム101に第1の封止部89が取り付けられている。同様に、弁室99内には可撓性フィルム102が配置され、この可撓性フィルム102に第2の封止部90が取り付けられている。弁室99内の第2の封止部90は、付勢部材であるバネ84によって付勢されている。そして、加圧室91と弁室99との間に位置する第1の開口87および第2の開口88を通って延びる連結部94が、第1の封止部89と第2の封止部90とを連結している。可撓性フィルム101は、循環供給流路75から第1の開口87および加圧室91を通って第1の流路73に至る液体流路を区画する壁の一部を構成している。同様に、可撓性フィルム102は、循環供給流路75から第2の開口88および弁室99を通って第2の流路74に至る液体流路を区画する壁の一部を構成している。外部開口63は加圧室91内の第1の封止部89と対向している。
図7(b)に示す第2の三方弁93も、第1の三方弁92と実質的に同じ構成であり、第4の開閉弁機構26と第3の開閉弁機構72とが、循環回収流路76を挟んで対向している。第2の三方弁93の第3の開口77、弁室100、第3の封止部79は、第1の三方弁92の第2の開口88、弁室99、第2の封止部90と実質的に同じ構成である。第2の三方弁93の第4の開口78、加圧室91、第4の封止部80は、第1の三方弁92の第1の開口87、加圧室91、第1の封止部89と実質的に同じ構成である。弁室100内に位置する第3の封止部79と、加圧室91内に位置する第4の封止部80とは連結部95によって連結されて一体的に移動可能である。弁室100内には可撓性フィルム97が配置され、この可撓性フィルム97に第3の封止部79が取り付けられている。弁室100内の第3の封止部79は、付勢部材であるバネ98によって付勢されている。加圧室91内には可撓性フィルム96が配置され、この可撓性フィルム96に第4の封止部80が取り付けられている。可撓性フィルム96は、循環回収流路76から第4の開口78および加圧室91を通って第2の流路74に至る液体流路を区画する壁の一部を構成している。同様に、可撓性フィルム97は、循環回収流路76から第3の開口77および弁室100を通って第1の流路73に至る液体流路を区画する壁の一部を構成している。外部開口64が加圧室91内の第4の封止部80と対向している。
初期状態では、第1の三方弁92のバネ84の付勢力が、連結部94によって連結されて一体化している第1の封止部89および第2の封止部90に加わり、第1の封止部89が第1の開口87から離れて位置し、第1の開閉弁機構25が開いている。そして、第2の封止部90が第2の開口88を塞いで、第2の開閉弁機構71が閉じている。同様に、第2の三方弁93のバネ98の付勢力が、連結部95によって連結されて一体化している第3の封止部79および第4の封止部80に加わり、第4の封止部80が第4の開口78から離れて位置し、第4の開閉弁機構26が開いている。そして、第3の封止部79が第3の開口77を塞いで、第3の開閉弁機構72が閉じている。
第1の三方弁92の外部開口63と第2の三方弁93の外部開口64とに流体(例えば加圧空気)が流入すると、第1の三方弁92の加圧室91内の第1の封止部89と、第2の三方弁93の加圧室91内の第4の封止部80とが同時に加圧される。第1の封止部89が流体に加圧されると、第1の封止部89と連結部94と第2の封止部90とが一体的に移動する。その結果、第1の封止部89が第1の開口87を塞いで、第1の開閉弁機構25が閉じる。同時に、第2の封止部90が第2の開口88から離れて、第2の開閉弁機構71が開く。また、第4の封止部80が流体に加圧されると、第4の封止部80と連結部95と第3の封止部79とが一体的に移動する。その結果、第4の封止部80が第4の開口78を塞いで、第4の開閉弁機構26が閉じる。同時に、第3の封止部79が第3の開口77から離れて、第3の開閉弁機構72が開く。このようにして、4つの開閉弁機構を駆動して液体の循環方向の切り替えを行うことができる。
本実施形態でも、第1の三方弁92の外部開口63と第2の三方弁93の外部開口64とに同時に流体を流入させて、4つの開閉弁機構25,71,72,26を同時に駆動することが可能である。従って、キャリッジ53に搭載する液体吐出ヘッド1の液体循環ユニット54をさらに小型化することができる。特に、第1の三方弁92の外部開口63と第2の三方弁93の外部開口64とが隣接して並べて配置されていると、流体の流入による4つの開閉弁機構25,71,72,26の同時駆動が容易にできる。本実施形態では回転可能なロッカー機構が不要であり、部品点数が少なく製造が容易である。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、主に三方弁92,93の構成が第1~2の実施形態と異なっているので、主にその相違点について説明する。その他の点は第1~2の実施形態と同様であるため説明を省略する。図8(a)は本実施形態の第1の三方弁92を模式的に示しており、図8(b)は第2の三方弁93を模式的に示している。本実施形態の第1の三方弁92は、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26とを構成している。第2の三方弁93は、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72とを構成している。第1の三方弁92が第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26とを含み、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26とを同時に開閉する。第2の三方弁93が第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72とを含み、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72とを同時に開閉する。すなわち、第1の三方弁92が第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26を開くと同時に、第2の三方弁93が第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72とを閉じる。第1の三方弁92が第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26を閉じると同時に、第2の三方弁93が第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72とを開く。
第1の三方弁92は、循環供給流路75と連通する加圧室91を有し、加圧室91に連通する第1の開口87は、液室67を介して第1の流路73に連通している。また、第1の三方弁92は、循環回収流路76と連通する加圧室91を有し、加圧室91に連通する第4の開口78は、液室68を介して第2の流路74に連通している。第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26とにまたがる加圧室91には、外部に開口する外部開口65が設けられている。加圧室91全体に亘って延びる可撓性フィルム116が設けられており、可撓性フィルム116に押圧部115が取り付けられている。押圧部115は外部開口65と対向している。循環供給流路75と循環回収流路76と第1の流路73と第2の流路74と外部開口65は、第1の三方弁92の外部に開口している。
加圧室91内に第1の封止部89が位置しており、可撓性フィルム113によって保持されている。第1の封止部89は第1の開口87と対向し、付勢部材であるバネ111によって第1の開口87から離れる方向に付勢されている。同様に、加圧室91内に第4の封止部80が位置しており、可撓性フィルム114によって保持されている。第4の封止部80は第4の開口78と対向し、付勢部材であるバネ112によって第4の開口78から離れる方向に付勢されている。そして、加圧室91内の押圧部115に、第1の封止部89と第4の封止部80が当接している。従って、初期状態では、バネ111,112の付勢力によって、第1の封止部89、第4の封止部80、押圧部115が一体的に、第1の開口87および第4の開口78から離れた位置にある。その結果、第1の開口87および第4の開口78が第1の封止部89および第4の封止部80に塞がれずに開放され、循環供給流路75と第1の流路73とが連通するとともに、循環回収流路76と第2の流路74とが連通する。すなわち、図8(a)に示す初期状態において、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26が開いている。
図8(a)に示すように第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26とが開いている状態で外部開口65から流体が流入すると、可撓性フィルム116が変形しながら押圧部115とともに、第1の開口87および第4の開口78に近づく。それにより、第1の封止部89および第4の封止部80が第1の開口87および第4の開口78をそれぞれ塞ぎ、循環供給流路75と第1の流路73との連通と、循環回収流路76と第2の流路74との連通がそれぞれ解除されて遮断される。すなわち、図8(a)に示す初期状態から、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26とが閉じた状態に移行する。
図8(b)に示す第2の三方弁93は、第1の三方弁92と類似した構成であって、循環供給流路75と連通する加圧室91を有し、加圧室91に連通する第2の開口88は、弁室69を介して第2の流路74に連通している。また、加圧室91は循環回収流路76にも連通している。加圧室91に連通する第3の開口77は、弁室70を介して第1の流路73に連通している。加圧室91には外部に開口する外部開口66が設けられている。加圧室91内に可撓性フィルム110が設けられ、可撓性フィルム110には押圧部109が取り付けられている。押圧部109は外部開口66と対向している。循環供給流路75と循環回収流路76と第1の流路73と第2の流路74と外部開口66とは、第2の三方弁93の外部に開口している。
加圧室91内に移動部材108が位置し、可撓性フィルム110によって保持されている。弁室69内に第2の封止部90が位置しており、可撓性フィルム106によって保持されている。移動部材108と第2の封止部90とは、第2の開口88を貫通する連結部118によって連結されている。第2の封止部90は第2の開口88と対向し、付勢部材であるバネ104によって第2の開口88に近づく方向に付勢されている。同様に、加圧室91内に移動部材107が位置し、可撓性フィルム123によって保持されている。弁室70内に第3の封止部79が位置しており、可撓性フィルム105によって保持されている。移動部材107と第3の封止部79とは、第3の開口77を貫通する連結部119によって連結されている。第3の封止部79は第3の開口77と対向し、付勢部材であるバネ103によって第3の開口77に近づく方向に付勢されている。
加圧室91内の押圧部109に、移動部材108と移動部材107が当接している。バネ104,103の付勢力によって、可撓性フィルム106,105が変形し第2の封止部90および第3の封止部79が第2の開口88および第3の開口77に当接する。その結果、第2の封止部90および第3の封止部79が第2の開口88および第3の開口77をそれぞれ塞ぎ、循環供給流路75と第2の流路74との連通と、循環回収流路76と第1の流路73との連通が解除されて遮断されている。すなわち、図8(b)に示す初期状態において、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72が閉じている。
図8(b)に示すように第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72とが閉じている状態で外部開口66から流体が流入すると、可撓性フィルム110が変形しながら押圧部109とともに、第2の開口88および第3の開口77に近づく。それにより、移動部材108と移動部材107とにそれぞれ連結された第2の封止部90および第3の封止部79が、バネ104,103の付勢力に抗して第2の開口88および第3の開口77からそれぞれ離れる。その結果、第2の開口88および第3の開口77が第2の封止部90および第3の封止部79に塞がれずに開放され、循環供給流路75と第2の流路74とが連通するとともに、循環回収流路76と第1の流路73とが連通する。すなわち、図8(b)に示す初期状態から、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72が開いている状態に移行する。
本実施形態の三方弁92,93は、1つの押圧部115,109によって2つの開閉弁機構を同時に開閉できるため、小型化と高効率化が図れる。しかも、押圧部115,109の移動を外部開口65,66からの流体の流入によって行うことができるため、開閉弁機構の開閉を容易に行える。例えば1つのエアポンプ22に連結された空気圧駆動流路30から2つの三方弁92,93のそれぞれの外部開口65,66に同時に流体を流入させるようにすると、さらに作業効率が向上する。図8(a)に示す構成では、初期状態で2つの開閉弁機構25,26が開いており、押圧部115の移動によってそれらを同時に閉じることができる。一方、図8(b)に示す構成では、初期状態で2つの開閉弁機構71,72が閉じており、押圧部109の移動によってそれらを同時に開くことができる。従って、図4に示す液体循環ユニット54に採用して、第1の開閉弁機構25と第4の開閉弁機構26とを含む三方弁92を図8(a)に示す構成にし、第2の開閉弁機構71と第3の開閉弁機構72とを含む三方弁93を、図8(b)に示す構成にしている。それにより、液体循環ユニット54における順方向の液体循環と、逆方向の液体循環とを容易に切り換えることができる。
また、第1および第2の三方弁92,93の全ての開閉弁機構25,71,72,26を閉じていわゆるチョーククリーニングを実施することが容易にできる。チョーククリーニングでは、4つの開閉弁機構25,71,72,26を全て閉じて、液体吐出ヘッド1の吐出口形成面をキャップして吸引することにより、液体流路中の負圧を大きくする。その後に、4つの開閉弁機構25,71,72,26を全て開くことで、液体を流入させるとともに空気を吐出口200dから排出させる。これにより、液体の初期充填時の気泡残りを低減でき、また液体流路中の気泡を排出する回復動作を行なうことができる。このように、本実施形態の三方弁92,93では、全ての開閉弁機構25,71,72,26を同時に閉じたり開いたりすることができる。そして、液体循環ユニット54を小型化することができる。
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態は、主に液体循環ユニット54の構成が第1の実施形態と異なっているので、主にその相違点について説明する。その他の点は第1~3の実施形態と同様であるため説明を省略する。図9は本実施形態の液体吐出装置の循環構成を示している。
この液体吐出装置50はライン型の液体吐出ヘッド1を有している。ライン型の液体吐出ヘッド1は、例えばエネルギー発生素子200eが15個並べて配置されており、A3サイズ用紙の記録幅全域に対して1回のスキャンで記録可能であり、高速の印刷が可能である。ライン型の液体吐出ヘッド1では、エネルギー発生素子200eの数に比例して循環する液体の量が多く、また、全ての吐出口200dから同時に液体吐出した時の吐出量が多い。そこで、全ての吐出口200dから液体吐出した時の圧力低下に対応するために、減圧弁24と素子基板200の回収流路との間に差圧弁を配置するのではなく、回収側に減圧弁60を設けて循環回収流路76の圧力を制御している。ポンプ21の作用によりタンク2から弁122を介して液体吐出ヘッド1に供給される液体が、素子基板200を通って循環される。そして、エアポンプ22から弁120,121を介して液体吐出ヘッド1に供給される加圧空気によって、開閉弁機構25,26,71,72の開閉を制御して液体の循環方向を決定する。
また、15個のエネルギー発生素子200dに液体を供給および回収するため、液体の液体流路が長くて容積が大きく、さらに減圧弁24,60を備えているため、吸引等の回復に長い時間がかかる。そこで、液体吐出に直接大きな影響を与えるエネルギー発生素子200dの近傍において確実に回復処理を行うために、全ての開閉弁機構25,71,72,26を閉じた後に開いてチョーククリーニングを行うことが好ましい。そのためには、前述した第3の実施形態の三方弁92,93を採用することが特に好適である。
このように、ライン型の液体吐出ヘッド1において、空気圧など流体の圧力を用いて駆動される開閉弁機構25,71,72,26を用いて循環流路を切替える構成であるため、液体吐出ヘッド1に搭載される液体循環ユニット54を小型化できる。そして、液体吐出装置本体の液体供給構成を簡略化した循環方向切替え機構を実現することができる。
前述した各実施形態のように、本発明の液体吐出装置は、第1の流路73および第2の流路74と、循環供給流路75および循環回収流路76のそれぞれの流路間の連通と遮断とを制御する複数(例えば4つ)の開閉弁機構25,71,72,26を有している。各開閉弁機構25,71,72,26は、流路間に位置する開口87,88,77,78と、開口87,88,77,78を開閉可能な封止部89,90,79,80を有している。さらに、封止部89,90,79,80を開口87,88,77,78に近づける方向または遠ざける方向に付勢する付勢部材(例えばバネ103,104,111、112)が設けられている。さらに、付勢部材103,104,111、112の付勢力に抗して封止部89,90,79,80を移動させる移動機構が設けられている。移動機構によって少なくとも2つの開閉弁機構の封止部をともに移動させて、その少なくとも2つの開閉弁機構の開閉を制御する。具体的には、移動機構は、加圧室91と、加圧室91内に位置する可撓性部材(例えば可撓性フィルム82,110,116)と、可撓性部材82,110,116に取り付けられている押圧部43,85と、を含む。加圧室91内において加圧された可撓性部材82,110,116が撓み変形しつつ押圧部43,85が封止部89,90,79,80を押圧する。
ただし、図7に示す第2の実施形態のように、移動機構が、加圧室91と加圧室91内に位置する可撓性部材101,96と、を含み、可撓性部材101,96に封止部89,80が取り付けられており、押圧部が設けられていない構成にすることもできる。この構成では、加圧室91内において加圧された可撓性部材101,96が撓み変形しつつ封止部89,80が移動する。
このように、本発明の液体吐出装置では、1つの移動機構で少なくとも2つの開閉弁機構の開閉を制御するため、開閉弁機構毎に個別の移動機構を設ける必要がない。従って、液体循環ユニット54の構成を簡略化でき、液体吐出ヘッド1全体の小型化が可能である。特に、液体循環ユニット54の循環供給流路75と循環回収流路76とは循環ポンプ27を介して接続されていると、素子基板200および複数の開閉弁機構25,71,72,26が搭載されたキャリッジ53において容易に液体の循環を行なうことができる。
さらに、加圧室91内の可撓性部材82,110,116,101,96の加圧を、加圧室91内への流体(好ましくは加圧空気)の導入によって行うと、封止部89,90,79,80の移動を容易に行うことができる。そして、可撓性部材82,110,116,101,96が、加圧室91を区画する壁の一部を構成していると、加圧室91内への流体の導入によって可撓性部材82,110,116,101,96の加圧を行う構成を簡単に実現できる。また、開閉弁機構25,71,72,26を介して接続されている流路の間の液体流路を区画する壁の一部を可撓性部材81,86,96,97,101,102,104,105,113,114から構成すると、開閉制御を容易に行うことができる。
なお、前述した各実施形態は、吐出口200dの近傍の液体を流動させる構成であるが、共通流路の液体のみを流動させる構成であってもよい。さらに、ポンプや圧力調整機構等は、前述した構成と同等の機能を有するものであれば、それらに限定されるものではない。例えば液体の水頭差や液体のタンクの圧力制御により循環や圧力調整を行なうものであってもよい。前述した各実施形態では、開閉弁機構25,71,72,26を駆動するための空気の加圧用のエアポンプ22は装置側に搭載されているが、小型のエアポンプをキャリッジ53に搭載する構成でもよい。前述した各実施形態では、空気を用いた加圧によって開閉弁機構25,71,72,26を駆動しているが、これに限定されるものではない。空気以外の流体を用いた加圧や、減圧によって開閉弁機構25,71,72,26を駆動する構成であってもよい。また、開閉弁機構25,71,72,26の開閉動作を制御するための付勢部材は、コイルバネに限られず、板バネやその他の付勢部材であってもよい。
25,26,71,72 開閉弁機構
40,84 バネ(付勢部材)
43,85,109,115 押圧部(移動機構)
50 液体吐出装置
73 第1の流路
74 第2の流路
75 循環供給流路
76 循環回収流路
77,78,87,88 開口
79,80,89,90 封止部
82,96,101,110,116 可撓性部材(移動機構)
91 加圧室(移動機構)
200 素子基板

Claims (19)

  1. 液体を吐出する素子基板に液体を供給または回収する第1の流路および第2の流路と、前記第1の流路または前記第2の流路に液体を供給する循環供給流路と、前記第1の流路または前記第2の流路から液体を回収する循環回収流路と、各流路間の連通と遮断とを制御する複数の開閉弁機構と、を有し、
    前記開閉弁機構は、流路間に位置する開口と、前記開口を開閉可能な封止部と、前記封止部を前記開口に近づける方向または遠ざける方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して前記封止部を移動させる移動機構と、を有し、
    前記移動機構によって少なくとも2つの前記開閉弁機構の前記封止部をともに移動させて当該少なくとも2つの開閉弁機構の開閉を制御することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記移動機構は、加圧室と、前記加圧室内に位置する可撓性部材と、前記可撓性部材に取り付けられている押圧部と、を含み、前記加圧室内において加圧された可撓性部材が撓み変形しつつ前記押圧部が前記封止部を押圧する、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記移動機構は、加圧室と、前記加圧室内に位置する可撓性部材と、を含み、前記可撓性部材に前記封止部が取り付けられており、前記加圧室内において加圧された可撓性部材が撓み変形しつつ前記封止部が移動する、請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 前記加圧室内に流体が導入されることによって、前記加圧室内の可撓性部材が加圧される請求項2または3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記加圧室内に導入される流体は加圧空気である、請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記可撓性部材が、前記加圧室を区画する壁の一部を構成している、請求項2から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記開閉弁機構を介して接続されている前記流路の間の液体流路を区画する壁の一部が可撓性部材から構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 少なくとも2つの前記開閉弁機構の前記移動機構が一体化されて、少なくとも2つの前記開閉弁機構を含む弁が構成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記循環供給流路と前記第1の流路との間に位置する第1の開閉弁機構と、前記循環供給流路と前記第2の流路との間に位置する第2の開閉弁機構と、前記循環回収流路と前記第1の流路との間に位置する第3の開閉弁機構と、前記循環回収流路と前記第2の流路との間に位置する第4の開閉弁機構を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 2つの前記開閉弁機構を含む三方弁が2つ設けられている、請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 2つの前記開閉弁機構のそれぞれの前記開口および前記封止部が、それぞれの前記開口と接続されている液体流路を挟んで対向している、請求項10に記載の液体吐出装置。
  12. 第1の三方弁が前記第1の開閉弁機構と前記第2の開閉弁機構とを含み、前記第1の開閉弁機構と前記第2の開閉弁機構の一方を開くと同時に他方を閉じ、第2の三方弁が前記第3の開閉弁機構と前記第4の開閉弁機構とを含み、前記第3の開閉弁機構と前記第4の開閉弁機構の一方を開くと同時に他方を閉じる、請求項10または11に記載の液体吐出装置。
  13. 前記第1の三方弁が前記第1の開閉弁機構を開き前記第2の開閉弁機構を閉じると同時に、前記第2の三方弁が前記第4の開閉弁機構を開き前記第3の開閉弁機構を閉じ、前記第1の三方弁が前記第2の開閉弁機構を開き前記第1の開閉弁機構を閉じると同時に、前記第2の三方弁が前記第3の開閉弁機構を開き前記第4の開閉弁機構を閉じる、請求項12に記載の液体吐出装置。
  14. 前記封止部はシャフトを中心として回転可能なロッカー機構の一部である、請求項12または13に記載の液体吐出装置。
  15. 前記ロッカー機構の回転運動の範囲を規制する規制部が設けられている、請求項14に記載の液体吐出装置。
  16. 第1の三方弁が前記第1の開閉弁機構と前記第4の開閉弁機構とを含み、前記第1の開閉弁機構と前記第4の開閉弁機構とを同時に開閉し、第2の三方弁が前記第2の開閉弁機構と前記第3の開閉弁機構とを含み、前記第2の開閉弁機構と前記第3の開閉弁機構とを同時に開閉する、請求項10に記載の液体吐出装置。
  17. 前記第1の三方弁が前記第1の開閉弁機構と前記第4の開閉弁機構を開くと同時に、前記第2の三方弁が前記第2の開閉弁機構と前記第3の開閉弁機構とを閉じ、前記第1の三方弁が前記第1の開閉弁機構と前記第4の開閉弁機構を閉じると同時に、前記第2の三方弁が前記第2の開閉弁機構と前記第3の開閉弁機構とを開く、請求項16に記載の液体吐出装置。
  18. 前記第1の開閉弁機構の前記付勢部材と前記第4の開閉弁機構の前記付勢部材はいずれも前記封止部を前記開口に近づける方向に付勢し、前記第2の開閉弁機構の前記付勢部材と前記第3の開閉弁機構の前記付勢部材はいずれも前記封止部を前記開口から遠ざける方向に付勢する、請求項16または17に記載の液体吐出装置。
  19. 前記循環供給流路と前記循環回収流路とは循環ポンプを介して接続されており、前記素子基板および複数の前記開閉弁機構が搭載されたキャリッジにおいて液体の循環を行なう、請求項1から18のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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